JP3127077B2 - 静止誘導電器 - Google Patents

静止誘導電器

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JP3127077B2 JP06088221A JP8822194A JP3127077B2 JP 3127077 B2 JP3127077 B2 JP 3127077B2 JP 06088221 A JP06088221 A JP 06088221A JP 8822194 A JP8822194 A JP 8822194A JP 3127077 B2 JP3127077 B2 JP 3127077B2
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宏幸 三瓶
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば変圧器やリアク
トルのような静止誘導電器の改良に係り、特に静止誘導
電器に負荷時タップ切換器のような電気的に結合される
機器が隣接配置されている静止誘導電器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】例えば各相毎に負荷時タップ切換器が必
要な変圧器においては、1相分の巻線と負荷時タップ切
換器1台を同一タンクに収納し、単相構成としたものを
3台並べて使用することが一般的におこなわれている。
【0003】一方、三相分の巻線と負荷時タップ切換器
3台を同一タンクに収納する考えもあるが、このように
した場合には収納するタンクが非常に大型化し据付場所
へのタンクの輸送が不可能となる場合がある。このた
め、一般には負荷時タップ切換器は1台毎に子タンクに
収納して別々に輸送し、現地据付時に三相分の巻線を収
納したタンクと負荷時タップ切換器を収納した子タンク
のドッキングを行ない、巻線と負荷時タップ切換器間の
タップリード線の接続を行なうようにしている。
【0004】勿論この場合、工場試験時にはタップリー
ド線の接続を行ない、そして試験後,各タンクを別々に
輸送するため接続したタップリード線を負荷時タップ切
換器から切り離し、据付の際にリード線の再接続および
接続部の再絶縁を行なうことになる。
【0005】なお、これに関連するものとしては「変圧
器」東京電機大学発行(昭和56年12月20日)第1
35頁、が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の単相構成の場合
は、本体タンク3台を輸送する必要があるため、本体タ
ンク1台の輸送にくらべ輸送費、輸送期間が多くかかる
上、据付面積が大となり、据付作業時間も非常に多くか
かることになる。
【0007】据付時に負荷時タップ切換器を収納した子
タンクを本体タンクにドッキングし、油中部分のタップ
リード線の再接続および再絶縁を行なうものは、タップ
リード線の接続作業時間が長くなる上、接続作業時、本
体タンク内の巻線及び鉄心あるいは子タンク内の負荷時
タップ切換器が気中に露出されることになるため、絶縁
物の吸湿あるいは異物混入の可能性が生じ、信頼性上の
問題が生ずる嫌いがあった。
【0008】本発明はこれに鑑みなされたものでその目
的とするところは、負荷時タップ切換器を子タンクに収
納するこの種静止誘導電器であっても、タップリード線
の接続作業時間を短縮することが可能であり、かつ信頼
性の向上が図れるこの種静止誘導電器を提供するにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、電器
本体が収納されている本体タンクと負荷時タップ切換器
が収納されている子タンクとの間に、内部に接続導体が
固定保持された中間タンクを設け、本体タンク内のタッ
プリード線と子タンク内のタップリード線とをこの中間
タンク内の接続導体を介して押圧接触結合するようにな
し所期の目的を達成するようにしたものである。
【0010】
【作用】すなわちこのように形成された静止誘導電器で
あると、本体タンク、子タンクおよび中間タンクのよう
に全てタンク形状にての運搬となり、工場試験前に接続
された本体タンク内のタップリード線および子タンク内
のタップリード線は、その後の輸送時あるいは据付時に
手を加える必要がなく、本体タンクおよび子タンクとも
密封状態を保つことができ、絶縁物の吸湿、異物混入の
可能性がなくなるため信頼性の向上が図れ、かつ据付時
は、ガス容器内の接続導体とタップリード線とが押圧接
触による接続のため、接続作業が容易であり作業時間の
大幅な短縮をはかることができる。
【0011】
【実施例】以下図示した実施例に基づいて本発明を詳細
に説明する。図1には静止誘導電器の一例である変圧器
の場合が断面で示されている。変圧器は同図に示されて
いるように、鉄心1および巻線2からなる電器本体が収
納され、かつ絶縁油3で満たされた本体タンク4と、負
荷時タップ切換器7が収納され、かつ絶縁油3で満たさ
れた子タンク6を有している。
【0012】巻線2から引き出されたタップリード線5
aと負荷時タップ切換器7から引き出されたタップリー
ド線5bとは電気的に結合されるわけであるが、この結
合は特に次のように行われる。
【0013】すなわち本体タンク4と子タンク6との間
には、内部に接続導体15が固定保持されたガス容器、
すなわち中間タンク8が介在され、そしてこの中間タン
ク8を本体タンク4と子タンク6との間に例えばボルト
にて結合することによりリード線と接続導体とは押圧接
触にて電気的に接続される。
【0014】この構成についてもう少し詳しく述べる
と、本体タンク4には、巻線2から引き出されたタップ
リード線5aを外部に出すためにモールド端子板11a
が取り付けられており、モールド端子板11aは外部引
出し用の端子13aを持っている。子タンク6にも本体
タンクと同様、負荷時タップ切換器7から引き出された
タップリード線5bを外部に出すためにモールド端子板
11bおよび端子13bが取り付けられている。
【0015】本体タンク側のタップリード線5aと端子
13aとの接続および子タンク側のタップリード線5b
と端子13bとの接続は、ボルトにて行なわれ、タップ
リード線がモールド端子板に固定されている。
【0016】中間タンク8は、本体タンク4と子タンク
6の間に中間室として設けられ、内部には、巻線側の端
子13aと負荷時タップ切換器側の端子13bとを電気
的に接続する銅あるいはアルミニウムなどの接続導体1
5が、絶縁材料を使用した導体支持板12により固定保
持されている。
【0017】接続導体15の両端には、チューリップコ
ンタクト14が取り付けられる構造となっており、端子
と導体の接続は非常に容易におこなうことができる。中
間タンク8は、内部の絶縁性能を良好にするためSF6
ガスで満たしてあり、SF6ガスの注入あるいは排出用
のバルブ9が設けられており、ガス空間のガス圧低下な
どの異常監視用としてガス監視装置10が設けられてい
る。
【0018】図2は、工場試験後に据付場所へ輸送する
時の輸送姿を示したものである。輸送時は、本体タンク
4および子タンク6と中間タンク8を、チューリップコ
ンタクトの部分で切り離し、開口部にそれぞれ輸送用カ
バー17を取り付ける。この場合、本体タンク4および
子タンク6内は、工場試験以降気中に露出されることが
なくなる。
【0019】据付時の組立は次のようにして行なう。ま
ず、本体タンク4を設置した後、スライド装置を使用し
て中間タンク8を本体タンク4にドッキングする。この
時チューリップコンタクトにより接続導体15と端子1
3aが接続される。次に、スライド装置を使用して子タ
ンク6を中間タンク8にドッキングする。この時、チュ
ーリップコンタクトにより接続導体15と端子13bが
接続される。このようにドッキング作業と同時にタップ
リード線間の接続が行われる。
【0020】上述のように本発明は、据付時の接続作業
がワンタッチのチューリップコンタクトでできるため、
作業時間の短縮を図ることができる上、絶縁油中に浸さ
れるリード線部分は据付作業時に手を加える必要がない
ため、タンク内を気中に露出することがなく、据付作業
時の絶縁物の吸湿あるいは異物混入の可能性をなくすこ
とができ、信頼性の確保を図ることができる。また中間
タンク内の導体間の短絡事故等の場合にもSF6ガスが
封入されていることにより、防爆性能も良好なものにで
きる。
【0021】
【発明の効果】本発明は以上説明してきたように、本体
タンクと子タンクとの間に、内部に接続導体が固定保持
された中間タンクを設け、そして本体タンク内のタップ
リード線と子タンク内のタップリード線とをこの中間タ
ンク内の接続導体を介して押圧接触結合するようになし
たから、本体タンク、子タンクおよび中間タンクのよう
に全てタンク形状にての運搬となり、本体タンクおよび
子タンクとも密封状態を保つことができ、絶縁物の吸
湿、異物混入の可能性がなくなり、またガス容器内の接
続導体とタップリード線とが押圧接触による接続のため
接続作業が容易であり、したがって負荷時タップ切換器
を子タンクに収納するこの種静止誘導電器であっても、
タップリード線の接続作業時間を短縮することができ、
かつ信頼性の向上が図れるこの種静止誘導電器を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静止誘導電器の一実施例を示す縦断側
面図である。
【図2】本発明の静止誘導電器の輸送時の状態を示す縦
断側面図である。
【符号の説明】
1…鉄心、2…巻線、3…絶縁油、4…本体タンク、5
a,5b…タップリード線、6…子タンク、7…負荷時
タップ切換器、8…中間タンク、9…バルブ、10…ガ
ス監視装置、11a,11b…モールド端子板、12…
導体支持板、13a,13b…端子、14…チューリッ
プコンタクト、15…接続導体、16…SF6ガス、1
7…輸送用カバー。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻線を備えた電器本体を収納し、かつ絶
    縁油が充満されている本体タンクと、該本体タンクに隣
    接して配置され、負荷時タップ切換器を収納し、かつ絶
    縁油が充満されている子タンクとを備え、前記電器本体
    の巻線から引き出されたタップリード線が、前記子タン
    ク内の負荷時タップ切換器のタップリード線に接続され
    る静止誘導電器において、 前記本体タンクと子タンクとの間に、内部に接続導体が
    固定保持された中間タンクを設け、前記本体タンク内の
    タップリード線と子タンク内のタップリード線とをこの
    中間タンク内の接続導体を介して押圧接触結合するよう
    にしたことを特徴とする静止誘導電器。
  2. 【請求項2】 巻線を備えた電器本体を収納し、かつ絶
    縁油が充満されている本体タンクと、該本体タンクに隣
    接して配置され、負荷時タップ切換器を収納し、かつ絶
    縁油が充満されている子タンクとを備え、前記電器本体
    の巻線から引き出されたタップリード線が、前記子タン
    ク内の負荷時タップ切換器のタップリード線に接続され
    る静止誘導電器において、 前記本体タンクと子タンクの間に、内部に接続導体が固
    定保持され、かつSF6ガスが充満された中間タンクを
    設け、前記本体タンク内のタップリード線と子タンク内
    のタップリード線との電気的結合をこの中間タンク内の
    接続導体を介し、かつ押圧接触結合にて行うようにした
    ことを特徴とする静止誘導電器。
  3. 【請求項3】 巻線を備えた電器本体を収納し、かつ絶
    縁油が充満されている本体タンクと、該本体タンクに隣
    接して配置され、負荷時タップ切換器を収納し、かつ絶
    縁油が充満されている子タンクとを備え、前記電器本体
    の巻線から引き出されたタップリード線が、前記子タン
    ク内の負荷時タップ切換器のタップリード線に接続され
    る静止誘導電器において、 前記本体タンクと子タンクの間に、内部に接続導体が固
    定保持され、かつSF6ガスが充満された中間タンクを
    設け、前記本体タンク内のタップリード線と子タンク内
    のタップリード線との電気的結合を、この中間タンク内
    の接続導体の端面を前記両タップリード線端面に押圧接
    触させることにより行うようにしたことを特徴とする静
    止誘導電器。
  4. 【請求項4】 巻線を備えた電器本体を収納し、かつ絶
    縁油が充満されている本体タンクと、該本体タンクに隣
    接して配置され、負荷時タップ切換器を収納し、かつ絶
    縁油が充満されている子タンクとを備え、前記電器本体
    の巻線から引き出されたタップリード線が、前記子タン
    ク内の負荷時タップ切換器に接続される静止誘導電器に
    おいて、 前記本体タンクと子タンクの間に、内部に接続導体が固
    定保持され、かつSF6ガスが充満された中間タンクを
    設けるとともに、前記本体タンクの巻線から引き出され
    たタップリード線の先端を本体タンクの側壁部に露出す
    るように形成し、かつ前記子タンク内の負荷時タップ切
    換器のタップリード線の先端を子タンクの側壁部に露出
    するように形成して、これらリード線の露出先端同志を
    前記中間タンクの接続導体にて結合するようにしたこと
    を特徴とする静止誘導電器。
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