JP3126860B2 - 映像信号処理装置 - Google Patents

映像信号処理装置

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JP3126860B2
JP3126860B2 JP05295365A JP29536593A JP3126860B2 JP 3126860 B2 JP3126860 B2 JP 3126860B2 JP 05295365 A JP05295365 A JP 05295365A JP 29536593 A JP29536593 A JP 29536593A JP 3126860 B2 JP3126860 B2 JP 3126860B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各々が多数の受光素子を
マトリックス状に配列した少なくとも2個の固体撮像素
子を具え、これらの固体撮像素子を、それらの受光素子
が受光素子の配列ピッチのほぼ半分だけ主走査方向に互
いにずれるように配置して空間画素ずらしを行った固体
撮像装置から出力される複数の色信号、特に空間画素ず
らし法を採用した3板式固体撮像素子を用いるカラーテ
レビカメラから出力される複数の色信号を処理する映像
信号処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、3板式のカラーテレビカメラで
は、画素数の少ない固体撮像素子で高解像度の映像信号
を得るために、緑色(G)用の固体撮像素子の空間的位
置を基準として赤色(R)および青色(B)用の固体撮
像素子の位置を主走査方向(水平方向)に画素の配列ピ
ッチの半分だけずらした空間画素ずらし法が採用されて
いる。
【0003】図1は上述した空間画素ずらし法を採用し
た3板式のカラーテレビカメラの撮像部の構成の一例を
示すものである。被写体からの入射光を色分解プリズム
1によってR,G,Bの3原色の光に分割し、それぞれ
の色の光学像を3個の固体撮像素子2R,2G,2Bで
受光し、それぞれ赤色信号R、緑色信号Gおよび青色信
号Bを出力するように構成されている。図2はこれら3
個の固体撮像素子2R,2G,2Bの画素の空間的配置
関係を示すものであり、赤色用の固体撮像素子2Rおよ
び青色用の固体撮像素子2Bの画素は、緑色用の固体撮
像素子2Gの画素に対して水平方向に画素ピッチPの半
分だけずらして配置されている。輝度信号Yは、これら
の固体撮像素子2R、2G、2Bから出力される各色信
号をエンコーダマトリックス処理部において規定の割合
で混合して作成されるが、各色に対応する画素は図3に
示すように空間的に配置されたものとなるので、画素数
が見掛け上増大し、解像度が向上した輝度信号Yが得ら
れることになる。これらの色信号R,G,Bを混合して
輝度信号Yを作成する場合の混合比は、例えばNTSC
方式の場合には次式のように規定されている。
【数1】 Y =0.3R+0.59G +0.11B (1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したような画素ず
らし法を採用した3板式のカラーテレビカメラにおいて
は、画素数が見掛け上増加し、解像度が向上した輝度信
号Yが得られるが、出力される輝度信号Yには図4に示
すようにレスポンスが波立ったようになり多少の折り返
し成分が発生し、このために解像度がそれほど高くなら
ず、しかも周波数特性が劣化する欠点がある。実際の放
送方式ではそれほど高い解像度を必要としないが、空間
画素ずらし法を採用しないと、輝度信号Yにおいても多
くの折り返し成分が発生してしまうことになる。また、
各色信号R,G,Bにおいては、固体撮像素子が出力し
た信号をそのまま出力するので、多くの折り返し成分が
発生することになり、しかも画素ずれがレジストレーシ
ョンエラーとなってしまい、そのままでは使用できなく
なるという欠点がある。
【0005】ここで、折り返し成分とは、固体撮像素子
の動作周波数をfs とすれば、周波数0.5 fs 以上の高
域成分が0.5 fs 以下の低域部に0.5 fs を中心として
折り返ったものである。図5に示すような周波数特性を
有する被写体を撮像したときに、緑色用固体撮像素子2
G、赤色および青色用の固体撮像素子2Rおよび3Bか
らは、それぞれ図6および図7の示すような周波数特性
を有する信号が出力されることになる。これらの図にお
いてスペクトルが大きく波打っているが、これは折り返
し成分を表しており、周波数0.5 fs 以上の高域成分が
低域に折り返り、それが低域成分に加算されるためであ
る。このように画素ずらし法を採用した3板式のカラー
テレビカメラから出力される各色信号には多くの折り返
し成分が含まれることになる。
【0006】また、折り返し成分の位相は、緑色信号G
と、赤および青色信号RおよびBとの間では位相が180
度ずれており、スペクトルの波打ち方が図6と図7とで
は逆となっている。これは空間画素ずらし法において
は、図2に示すように緑色用の固体撮像素子2Gの画素
間の中間の位置に赤および青色用の固体撮像素子2Rお
よび2Bの画素が位置することになるためである。例え
ば、図8に示すような高周波数の信号を与える被写体を
撮像する場合には、緑色用の固体撮像素子2Gは●印の
位置を撮像し、赤および青色用の固体撮像素子2Rおよ
び2Bは×印の位置を撮像することになるので、緑色信
号、赤および青色信号はそれぞれ図9および図10に示
すように低周波の波形となり、しかも緑色信号の波形
と、赤および青色信号の波形とは位相が180 度反転した
ものとなる。
【0007】上述したような色信号R,G,Bを上述し
た比率で混合して輝度信号Yを作成すると、大部分の折
り返し成分は緑色信号と、赤および青色信号とで位相が
反転しているので相殺されて減少するが、輝度信号を作
成する際の色信号の混合比率が緑色信号と赤および青色
信号とで1:1となっていないため、次式(2)で示す
ように折り返し成分が多少残存することになる(図4参
照)。例えば、NTSC方式の場合には、式(3)に示
すように18%の折り返し成分が残ることになる。
【数2】 折り返し成分の残存量=緑色混合比−赤色混合比−青色混合比 (2) 折り返し成分の残存量=0.59−0.3 −0.11=0.18 (3)
【0008】また、高品位のテレビジョン方式の場合に
は、輝度信号Yは次式(4)にしたがって混合されるの
で、式(5)に示すように40%もの多くの折り返し成
分が残存することになる。
【数3】 Y =0.701G+0.087B+0.212R (4) 折り返し成分の残存量=0.701-0.087-0.212=0.402 (5)
【0009】さらに従来の映像信号処理装置において
は、図4に示すように被写体の周波数特性に対して輝度
信号Yの周波数特性が劣化しているという問題もある。
以下このことについて説明する。画素ずらし法による各
色チャネルの固体撮像素子と、これらの色信号を上述し
た(1)式にしたがって混合して得られる輝度信号Yの
画素の空間的な配置は画素に番号を付けると図11に示
すようになる。図2に示したように、緑色用の画素と、
赤および青色用の画素とは画素ピッチの半分だけずれて
いるので、輝度信号Yを作成するときにはその位置関係
をずらさないように混合する必要がある。このように輝
度信号Yは、緑色用の固体撮像素子2Gの位置を基準と
して赤および青色用の固体撮像素子2Rおよび2Bの位
置を画素ピッチの半分だけずらし、(1)式にしたがっ
て混合するので、個数が固体撮像素子単体の2倍となる
ので解像度が向上することになる。
【0010】ここで、各色信号も画素数が実質的に2倍
となるが、そのときの補間画素(図11で括弧で示した
画素)は走査方向に見てその前の画素をそのまま用いて
いるので前の画素のレベルとなる。このような補間法は
零次ホールド法と呼ばれており既知である。この零次ホ
ールド法によって周波数特性が劣化することになる。零
次ホールド法によって周波数特性が劣化した色信号を混
合して輝度信号Yを作成しているので、輝度信号Yの周
波数特性も図4に示すように劣化することになる。上述
したように空間画素ずらし法を採用した3板式カラーテ
レビカメラから出力される色信号を処理する従来の映像
信号処理装置においては、輝度信号Yを作成するときに
各色信号の画素数が実質的に2倍となるが、それが零次
ホールド法による補間であるので必然的に周波数特性が
劣化するという欠点がある。
【0011】次に、各色用の固体撮像素子から出力され
る色信号R,G,Bの解像度とレジストレーションエラ
ーの問題について説明する。図12は従来の映像信号処
理装置の一例の構成を示すものであり、それぞれの色用
の固体撮像素子から出力される緑色信号Gをディレイ8
により1/2 画素ピッチ分遅らした信号と、赤および青色
信号R,BとをY,I,Qマトリックス3に供給して輝
度信号Y、色差信号IおよびQを作成し、色差信号はそ
れぞれのフィルタ4および5を通してエンコーダ6に供
給するとともに輝度信号Yをこのエンコーダに供給して
エンコードされたカラーテレビジョン信号ENCを作成
し、これを出力端子7に供給するようにしている。画素
ずらし法では、赤、緑、青色信号R,G,Bを、例えば
(1)式に基づいて混合して輝度信号Yを作成すること
によって輝度信号の解像度の向上を実現するようにして
いる。つまり、マトリックス3の部分で画素ずらしが成
立しているので、図12に示した映像信号処理装置では
各色信号出力は固体撮像素子の解像度しか得られず、し
かも多くの折り返しを含んだ信号となる。ここで、レジ
ストレーショエラーを起こさないで各色信号を取り出す
ためには、緑色信号についてはディレイ8の出力を取り
出せばよい。これはアナログ信号として取り出す場合で
ある。しかし、ディジタル信号として取り出すには問題
がある。もし、固体撮像素子の動作周波数がfs の場
合、ディジタル信号用の標本化周波数もfs が適当であ
るが、緑色信号のみディレイ8の後からの信号を標本化
してしまうと、緑色信号用のクロック信号は、赤および
青色用のクロック信号に対して1/2 画素ピッチに相当す
る分だけ位相がずれてなければならない。この場合、色
信号R,G,Bのクロック信号を同一にできないので不
便である。また、緑色信号をディレイ8の前から取り出
して標本化すればこの問題は起きないが、各色信号間に
レジストレーションエラーが起きる。この場合、位相を
ずらすディジタルフィルタを緑色信号出力に持てばよい
が、そのためだけに回路が余計に増えてしまう欠点があ
る。
【0012】このような欠点を解消するために、図13
に示した映像信号処理装置が提案されている。この映像
信号処理装置においては、各色信号R,G,Bから輝度
信号Yおよび色差信号I,Qを生成するY,I,Qマト
リックス3の出力輝度信号Y、IおよびQフィルタ4お
よび5から出力される色差信号IおよびQをデマトリッ
クス10に供給して各色信号R′,G′,B′を得るよう
にしている。しかしながら、このような従来の映像信号
処理装置において色信号出力端子9R,9G,9Bに出
力される色信号R′,B′,G′信号は折り返し成分が
多少残ることになる。すなわち、周波数特性が劣化して
いる輝度信号Yをデコードして色信号を作成しているの
で、図12の方式より多くはないが多少の折り返し成分
の残留があり、周波数特性が劣化したものとなる欠点が
ある。
【0013】以上のように空間画素ずらし法には幾つか
の問題点があるが、それでも画素数の少ない固体撮像素
子で高解像度を得るためには一つの有効な方式である。
しかし、実際には放送規格やVTR規格の映像信号はそ
れほど高い解像度を持っていない。例えば、40万画素ク
ラスの固体撮像素子が出力する信号は、動作周波数f s
が14.32MHzとなり、出力信号の周波数帯域は7.16MHz と
なり図6や図7に示すように0.5 fs までの帯域しかな
いが、輝度信号Yを作成すると見掛けの画素数が2倍と
なるので、周波数帯域は図4に示すようにfs =14.32MH
z 近くまで延びる。しかし、映像信号を記録する場合に
おいて、例えばディジタルVTRのD2方式の場合、記
録できる信号帯域は7MHz程度でしかないので、図4にお
いて0 〜0.5 fs の間の周波数帯域の信号しか記憶でき
ない。したがって、空間画素ずらし法を採用する場合に
は、画素ずらしによって作られた高解像度の輝度信号を
わざわざ帯域制限し、図4の0.5 fs からfs までの周
波数成分をカットしてから記録しなければならない。例
えば図14に示すようにY,I,Qマトリックス3の後
段に通常のI,Qフィルタ4および5の他に輝度信号Y
を7MHz以下に帯域制限する輝度フィルタ11が必要とな
る。また、高品位方式の場合、固体撮像素子の画素数は
200 万画素であり、その動作周波数は74.25MHzで、出力
信号の周波数帯域は約37MHz となる。しかし、空間画素
ずらし法を採用すると、輝度信号Yの周波数帯域は74MH
z となる。したがって、高品位方式の規格に適合させる
ためには、帯域制限を行って元に戻す必要がある。
【0014】いずれの場合でも、空間画素ずらし法を採
用しなければ固体撮像素子の出力信号の周波数帯域しか
ないので、帯域制限は不要となるが、その場合には出力
信号中に多くの折り返し成分が発生することになる。そ
の理由は、空間画素ずらし法を採用しない場合には、折
り返し成分の位相は緑色信号Gと、赤および青色信号R
およびBとで同相となるので、輝度信号を作成する際の
混合処理によっても折り返し成分は相殺されないためで
ある。上述したように多少の折り返し成分の残留はある
が、折り返し成分を低減するには空間画素ずらし法は有
効な方法である。しかし、放送方式や記録方式に適合さ
せるためには帯域制限を行う必要があり、それだけ余分
な回路が必要となる欠点がある。
【0015】本発明の目的は、上述した従来の映像信号
処理装置の欠点を解消し、固体撮像素子から出力される
各色信号R,G,Bに含まれる折り返し成分を除去し、
画素ずれ、いわゆるレジストレーションエラーのない色
信号R,G,Bを出力することができ、しかも輝度信号
Yを作成するときに生ずる周波数特性の劣化と折り返し
成分の残留を防止することができるとともに放送方式や
記録方式に適合させるために周波数帯域を制限する必要
のない映像信号処理装置を提供しようとするものであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の映像信号処理装
置は、各々が多数の受光素子をマトリックス状に配列し
た少なくとも2個の固体撮像素子を具え、これらの固体
撮像素子を、それらの受光素子が受光素子の配列ピッチ
のほぼ半分だけ主走査方向に互いにずれるように配置し
て空間画素ずらしを行った固体撮像装置から出力される
複数の色信号の画素ピッチをPとするとき、各色信号の
うちのどれか一つを+0.25Pまたは−0.25Pだ
け画素をずらし、その位置に合うように他の色信号の画
素をずらして複数の色信号間の画素ずれを周波数特性の
劣化を抑止しながら補正する画素ずれ補正手段と、各色
信号に含まれる折り返し成分を検出する折り返し成分検
出手段と、この折り返し成分検出手段によって検出した
折り返し成分信号により各色信号中の折り返し成分を除
去する折り返し成分除去手段とを具えることを特徴とす
るものである。本発明においては、前記画素ずれ補正手
段、折り返し成分検出手段および折り返し成分除去手段
の各々を、前記固体撮像素子の動作周波数の1/2 の以上
の帯域の信号を取り扱わないように構成する。
【0017】
【作用】このような本発明による映像信号処理装置にお
いては、従来の映像信号処理装置の欠点は、画素ずらし
を輝度信号を作成するときに成立させるようにしている
ために起こるものであり、したがって従来の欠点を解消
するには、画素ずらしを輝度信号を作成するときに成立
させるのではなく、各色信号R,G,Bで画素ずらしを
成立させることによって上述した目的を達成することが
できることを確かめ、その認識に基づいてなしたもので
ある。また、画素ずれ補正手段、折り返し成分検出手段
および折り返し成分除去手段の各々を、固体撮像素子の
動作周波数の1/2 以上の周波数帯域の信号を取り扱わな
いように構成することによって本発明の映像信号処理装
置から出力される映像信号の周波数帯域をわざわざ制限
して放送方式や記録方式の規格に適合させる必要はなく
なる。
【0018】
【実施例】図15は本発明による映像信号処理装置を具
える3板式カラーテレビカメラの全体の構成を示すもの
である。被写体の光学像を色分解プリズム21で赤、緑
および青色の光学像に分解し、それぞれの光学像を固体
撮像素子22R,22Gおよび22Bで受光し、それぞ
れの色信号R,G,Bを出力させる。これらの色信号
R,G,Bを本発明による映像信号処理装置23に供給
して色信号R0 ,G0,B0 を作成する。これらの色信
号R0 ,G0 ,B0 をマトリックス24に供給して輝度
信号Y、色差信号IおよびQを作成し、輝度信号Yをエ
ンコーダ25に供給するとともに色差信号IおよびQを
それぞれフィルタ26および27を経てエンコーダ25
に供給し、ここでエンコードされたカラーテレビジョン
信号ENCを作成し、出力端子28に供給する。また、
映像信号処理装置23で作成された赤、緑および青色信
号R0 ,G0 およびB0 を出力端子29R,29Gおよ
び29Bにそれぞれ出力する。
【0019】本発明の映像信号処理装置23において
は、上述したように画素ずれ補正手段、折り返し成分検
出手段および折り返し成分除去手段を設けるが、次にこ
れらの手段について説明する。画素ずれ補正手段は、空
間画素ずらし法を採用したカラーテレビカメラの各色用
の固体撮像素子から出力される色信号R,G,B間にず
れがあるので、これを補正するものである。このような
画素ずれ補正手段の簡単な例としては、空間画素ずらし
法により図1〜3に示されているように固体撮像素子が
配置されている場合、緑色信号Gに対して赤および青色
信号RおよびBを画素の配列ピッチの半分に相当する走
査時間だけ時間を遅らせれば、各色信号が図11に示す
ような関係となり、画素ずれが補正されるが、見掛け上
の画素数が2倍になってしまうので、周波数帯域も2倍
になる。単に画素ずれを補正するだけならこれでも良い
が、帯域を広げることなく画素ずれを補正するために本
発明においてはディジタルフィルタを用いる。この場
合、ディジタルフィルタの段数が少ないと、またずらす
量が大きいと周波数特性が劣化してしまうことになる。
ディジタルフィルタにより画素ずれを補正するには緑色
信号Gを0.5 画素ずらして赤および青色信号RおよびB
に合わせる方法がある。この0.5 画素ずらすフィルタの
伝達関数および周波数特性を図17の曲線Aで示す。こ
の場合、緑色信号Gの周波数特性は0.5 fs 付近で極端
に劣化する。赤および青色信号RおよびBはフィルタに
通さないので周波数特性の劣化はない。このように緑色
信号Gのみをディジタルフィルタに通すと、緑色信号G
と、赤および青色信号RおよびBとの周波数特性が異な
ってしまうので、以後の処理において不都合が生じるこ
とになる。そこで、本発明においてはこのような周波数
特性の劣化を抑止するために、図16Aに示すように緑
色信号Gを右へ0.25P(Pは画素ピッチ)ずらせるとと
もに赤および青色信号RおよびBを左へ0.25P だけずら
せるようにする。このような画素ずれ補正を行うことに
よってずらし量を少なくすることができ、したがって少
ない段数のディジタルフィルタを用いても周波数特性の
劣化を少なくすることができる。また、仮に周波数特性
の劣化があったとしても、緑、赤および青色信号での劣
化が同一となるので有利である。従来のように0.5Pの画
素ずらしを行うディジタルフィルタの周波数特性を図1
7の曲線Aで示し、本発明のように0.25P の画素ずらし
を行うディジタルフィルタの周波数特性を曲線Bで示す
が、本発明によれば周波数特性の劣化が抑止されている
ことがわかる。
【0020】上述した本発明の画素ずれ補正手段は、左
右の係数が非対称のディジタルフィルタを用いて実現で
きるが、このようなディジタルフィルタの一例を図18
に示す。なお、図17に示した伝達関数を回路化すると
16個の乗算器が必要であるが、ここでは説明を簡単とす
るために4個の乗算器で構成する場合を例にして以後説
明する。先ず、緑色信号Gを右へ0.25P ずらす場合につ
いて説明する。入力端子31aに与えられる映像信号を
それぞれ1画素ピッチに相当する走査時間だけ遅延する
遅延器32b〜32dに順次に供給する。入力端子31
aに図16Aにおける画素G4が入力したときに、遅延
器32bの出力には画素G3が、遅延器32cの出力に
は画素G2が、遅延器32dの出力には画素G1が出力
される。また、これらの遅延器32b〜32dの出力端
子をそれぞれ乗算器33b〜33dの一方の入力端子に
供給する。入力端子31aはそのまま乗算器31aの一
方の入力端子に接続する。これら乗算器33a〜33d
の他方の入力端子には係数「C-2=-0.05 」、「 C-1=0.
3」、「 C1=0.9 」、「C2=-0.15」をそれぞれ供給す
る。これらの乗算器33a〜33dの出力信号を加算器
34で加算し、その結果をフィルタ出力として出力端子
35から出力する。上述したように係数を選択すること
によってC1とC2との合計は0.75となり、C-1 とC-2 との
合計は0.25となるので、図19Aに示すように画素G2
と画素G3との間であって、画素G2から0.25P だけ離
れた位置の信号レベルを内挿することができる。次に、
赤および青色信号RおよびBを左へ0.25P だけずらす場
合について説明する。入力端子31bに与えられる映像
信号は、遅延器32a〜32dに順次供給され、遅延器
32a〜32dの出力は乗算器32a〜32dの一方の
入力端子に供給される。入力端子31bに図16Aにお
ける画素R4/B4が入力したとき、遅延器32aの出
力には画素R3/B3が、乗算器32bの出力には画素
R2/B2が、乗算器32cの出力には画素R1/B1
が、乗算器32dの出力には画素R0/B0が出力され
る。係数を「C-2=-0.15 」、「 C-1=0.9」、「 C1=0.3
」、「C2=-0.05」と上述した係数の左右を逆にすれ
ば、図19Bに示すように画素R1/B1と画素R2/
B2との間にあって画素R2/B2から-0.25P離れた位
置の信号レベルを内挿することができる。ここで、右に
0.25画素ずらす場合と、左に0.25画素ずらす場合とは、
同じ係数値を左右逆に設定すればよいので、フィルタの
周波数特性は同じとなる。本発明によればこのような画
素ずれ補正手段は図18に示すような4タップのものに
限定されるものではなく、もっとタップ数の多いものと
することができ、タップ数を多くすることによって周波
数特性を理想的なフラットのものとすることができる。
このようにして得られた画素ずれのない赤、緑および青
色信号をR′、G′およびB′と称することにする。こ
れらの色信号は単に画素ずれを補正した信号なので、も
しフィルタの特性がフラットであれば、周波数特性は図
6および図7に示すものと同じとなる。画素ずれ補正手
段の他の方法として図16Bに示すように赤および青色
信号を右に0.25画素ずらし、緑色信号を左へ0.75画素ず
らす方法もある。この場合には、緑色信号と、赤および
青色信号はいずれも図18において入力端子31aに与
え、緑色信号の場合の係数値を、「C-2=-0.15 」、「 C
-1=0.9」、「 C1=0.3 」、「C2=-0.05」とすれば0.75画
素ずらすフィルタとなり、赤および青色信号の場合の係
数値を「C-2=-0.05 」、「 C-1=0.3」、「 C1=0.9 」、
「C2=-0.15」とすれば0.25画素ずらすフィルタとなる。
この場合も、同じ係数値を、左右逆に設定すればよいの
で、フィルタの周波数特性は同じとなる。
【0021】次に、折り返し成分検出手段について説明
する。この手段は、上述した画素ずれ補正手段によって
画素ずれが補正された色信号R′,G′,B′から折り
返し成分信号を検出するものである。折り返しとは、例
えば固体撮像素子の動作周波数をfs とすると、図5に
示すような周波数特性を有する白黒の被写体を撮像する
場合、0.5 fs 以上の高域成分が0.5 fs を中心として
0.5 fs 以下に折り返されたものである。上述したよう
にこの折り返し成分は、図6および7に示すように緑色
信号Gと、赤および青色信号RおよびBとでは位相が18
0 °異なったものとなっている。これは空間画素ずらし
法により図3に示すように緑色用の固体撮像素子の画素
と画素の間に赤および青色用固体撮像素子の画素が位置
するように画素ピッチの半分だけずれているためであ
る。
【0022】したがって、被写体の周波数0.5 fs 以下
の信号成分をPとし、折り返し信号をAとすれば、各色
信号R′,G′,B′には以下に示すように折り返し信
号が加算されていることになる。
【数4】 R′=P−A G′=P+A B′=P−A (6) したがって、色信号R′,G′,B′から次式(7)に
したがって折り返し信号Aを検出することができる。な
お、(7)式において、係数rおよびbはその和が0.5
となるようなものであれば、どのような値であってもよ
い。
【数5】 A=0.5 G′−rR′−bB′ (7) だたし、r+b=0.5
【0023】被写体の周波数特性が図5に示すようなも
のであり、緑色用の固体撮像素子が出力する緑色信号G
の周波数特性が図6に示すようなものであり、赤および
青色用の固体撮像素子が出力する赤および青色信号Rお
よびBの周波数特性が図7に示すような場合、折り返し
信号Aの周波数特性は、図5の周波数0.5 fs 以上が0.
5 fs を中心として低域側に折り返った特性となり、図
20に示すようなものとなる。ただし、これは上述した
ように被写体が白黒の場合である。被写体に彩度がある
場合には、各色信号R,G,Bの間にレベル差が生じる
ので折り返し成分がなくとも折り返し信号Aは何らかの
レベルを持つことになる。このままでは、折り返し信号
Aが、真の折り返し成分を検出したものであるのか、被
写体に彩度があるための色信号R,G,B間のレベル差
なのかわからない。
【0024】色情報を伝える信号は色差信号であるが、
この色差信号も帯域がかなり狭く、NTSC方式の場合
にはI信号で1.5MHzである。この色差信号の周波数帯域
をf c とすると、もし被写体に彩度があれば、上述した
折り返し信号Aの周波数fc以内の成分(図21におい
て斜線で示すもの)は折り返し成分ではなく、色の成分
である。したがって、図21の斜線部分に発生する成分
は折り返しによるものではないので、これを取り除く必
要がある。したがって、折り返し信号Aを周波数fc
内が十分に減衰できるハイパスフィルタに通し、周波数
c 以上の高域成分のみを抽出する。本発明ではこのよ
うにして折り返し成分信号Hを検出するが、この折り返
し成分信号の検出処理は次のようにして表されるもので
ある。
【数6】H=A×HPFfc ここでHPFfcはハイパスフィルタの周波数特性であ
る。 (8)このようにして折り返し成分信号
を検出すれば、以後の処理において少なくとも規定の放
送方式の色差信号の伝送帯域内の周波数成分に影響を与
えないようにすることができる。
【0025】次に、折り返し除去手段について説明す
る。この折り返し除去手段では、折り返し成分検出手段
で検出した折り返し成分信号Hにより各色信号R′,
G′,B′から折り返し成分を除去するものである。各
色信号R′,G′,B′に含まれる折り返し成分は、上
述したように緑色信号G′と、赤および青色信号R′お
よびB′とでは位相が180 °異なっている。したがって
色信号R′,G′,B′に折り返し成分信号Hを次式
(9)で示すように付加すれば、各色信号に含まれる折
り返し成分は相殺除去されることになる。このようにし
て折り返し成分が除去された色信号をRa,Ga,Ba
とする。
【数7】 Ra=R′+H Ga=G′−H Ba=B′+H (9)
【0026】上述したように、図22に示した周波数特
性を有する信号から図21の周波数fc 以上を抽出して
得られる折り返し成分信号Hを各色信号R′,G′,
B′に式(9)により付加すると折り返し成分を除去す
ることができ、図23に示すように周波数0.5 fs 以下
の信号成分だけが再現されることになる。
【0027】上述した各手段で構成される本発明の映像
信号処理装置の幾つかの実施例を以下説明する。図24
は本発明による映像信号処理装置の第1の実施例を示す
ものである。各色用の固体撮像素子から出力される色信
号R, G, Bを先ず画素ずれ補正部41に供給し、各色
信号R,B,G間の画素ずれを補正した色信号R′、
G′、B′を作成する。これらの色信号を折り返し成分
検出部42に供給し、ここで折り返し成分信号Hを検出
するとともに折り返し成分除去部43にも供給し、折り
返し成分検出部42で検出した折り返し成分信号Hをこ
の折り返し成分除去部に供給して折り返し成分を除去す
る。このようにして画素ずれが補正され、折り返し成分
が除去された色信号R0, G0, B0 が得られることにな
る。
【0028】図25は画素ずれ補正部41の詳細な構成
を示すものである。赤および青色信号RおよびBを画素
ずらし用のディジタルフィルタ51R,51G,51B
へそれぞれ供給する。ディジタルフィルタ51Rは赤色
信号Rを画面の左方向へ0.25P だけ画素ずらしを行うも
のであり、ディジタルフィルタ51Gは緑色信号Gを画
面の右方向へ0.25P だけ画素ずらしするものであり、デ
ィジタルフィルタ51Bは青色信号Bを画面の左方向へ
0.25P だけ画素ずらしするものである。これらのディジ
タルフィルタは図18に示すものにおいて係数C−2,
C−1,C1,C2を適正に設定することによって実現
することができる。
【0029】上述したように画素ずれを補正した色信号
R′,G′,B′を折り返し成分検出部42に供給す
る。この折り返し成分検出部42の詳細な構成を図26
に示す。画素ずれを補正した各色信号R′,G′,B′
を乗算器55R,55G,55Bの一方の入力端子に供
給する。乗算器55Rの他方の入力端子には係数「r」
を供給し、乗算器55Gの他方の入力端子には係数「0.
5 」を供給し、乗算器55Bの他方の入力端子には係数
「b」を供給する。ここで、係数rおよびbはその和が
0.5 となるような値であればどのような値を設定しても
よい。乗算器55Rおよび55Bの出力信号を加算器5
6で加算し、これを減算器57に供給する。この減算器
57には乗算器55Gの出力信号をも供給し、加算器5
6の出力信号から乗算器55Gの出力信号を減算して折
り返し信号Aを取り出す。この折り返し信号Aをさらに
ハイパスフィルタ58に供給する。このハイパスフィル
タ58は、例えば色差信号の周波数帯域をfc とする
と、周波数fc 以下の信号成分は十分に減衰され、周波
数fc 以上の高域成分のみを通過させるものである。こ
のようにしてハイパスフィルタ58から折り返し成分信
号Hを得ることができる。
【0030】図24に示すように、画素ずれ補正部41
から出力される画素ずれの補正された各色信号R′,
G′,B′と、折り返し成分検出部42で検出された折
り返し成分信号Hとを折り返し成分除去部43に供給し
て各色信号に含まれている折り返し成分を除去する。図
27は折り返し成分除去部43の詳細な構成を示すもの
である。画素ずれ補正部41で各色間の画素ずれが補正
された赤および青色信号R′およびB′を、折り返し成
分検出部42で検出された折り返し成分信号Hとともに
それぞれ加算器61Rおよび61Bへ供給するとともに
画素ずれが補正された緑色信号G′を折り返し成分信号
Hとともに減算器61Gへ供給し、上述した式(9)に
従う演算を行って折り返し成分が除去された色信号R
a,Ga,Baを作成する。
【0031】本発明は上述した実施例にのみ限定される
ものではなく、幾多の変更や変形が可能である。例え
ば、被写体の色の付いている部分で折り返し成分信号H
のレベルを零とすることにより、被写体の無彩色部分ま
たは無彩色に近い部分に付いてのみ折り返し成分の除去
を行うようにすることもできる。すなわち、折り返し成
分検出手段の第2の実施例においては、各色信号に含ま
れる折り返し成分が各色信号の中でその位相が異なるこ
とを利用して折り返し成分信号を検出し、さらに各色信
号を調べ、色の付いていない無彩色の部分であれば、そ
の折り返し成分信号をそのまま出力し、色の付いている
彩色部分であれば折り返し成分信号を零として折り返し
成分信号を検出するものである。
【0032】上述した折り返し成分検出手段において
は、被写体に色が付いていれば、色信号R,G,B間に
レベル差が生じ、式(7)にしたがって折り返し信号A
を作成すると、折り返しがなくても折り返し信号Aは何
らのレベルを持つことになる。そこで、色情報を伝える
色差信号に影響を与えないように、折り返し成分信号か
ら色差信号帯域fc 以上の成分を取り出した折り返し成
分信号Hを得るようにしている。これは、あくまでも色
情報を伝える色差信号にさえ影響がなければよいという
ことが前提である。しかし、実際には被写体に色が付い
ていて、しかもその被写体に色差信号帯域fc 以上の周
波数成分があれば、折り返し成分信号Hには折り返しで
もないのに何らかのレベルを持ち、その結果折り返し除
去手段で誤った処理が行われることになる。上述した欠
点を除去するために、折り返し成分検出手段の他の実施
例においては、被写体に色が付いているかどうかを検出
し、その部分では折り返し成分信号Hのレベルを強制的
に零とすることによって被写体の無彩色部分または無彩
色に近い部分でのみ折り返し除去を行うものである。
【0033】先ず、被写体に色が付いているか否かを検
出する方法について説明する。被写体に色が付いている
かどうかを検出するには、各色信号R,G,Bの比率が
1:1:1になっているかどうかを検出する方法がある
が、ここでは上述した第1の実施例の折り返し成分検出
手段の構成を変更することによって簡単に実現する方法
について説明する。被写体に色が付いていれば、色信号
R,G,B間にレベル差が生じ、式(7)においても折
り返し信号Aには何らかのレベルを持つことになる。色
が付いていなければ色信号R,G,B間にレベル差がな
いので折り返し信号Aは零となる。ただし、これは画素
ずれを補正した色信号R′,G′,B′に折り返しがな
い場合であり、画素ずれを補正した色信号に折り返しが
ある場合には、それは比較的高域の周波数に多く含まれ
る筈である。そこで、折り返し信号Aの低域部を取り出
せば、折り返し成分は無視できることになる。この折り
返し信号Aの低域成分をAL とする。この低域成分AL
が零であれば、その部分では被写体に色が付いていない
ことになり、この低域成分AL が零でなければ被写体に
色が付いていると判断することができる。
【0034】上述した原理に基づいて折り返し信号Aの
低域成分AL により被写体に色が付いているか否かを判
定し、判定信号AC を作成する。この判定信号AC は、
被写体に色が付いていると判定されれば、その部分を0.
0 とし、色が付いていないと判定された部分を1.0 とす
る信号である。色が付いているか否か微妙な部分は0.0
から1.0 の間の値とするものである。最後に、判定信号
C が被写体に色が付いていること示している場合に
は、その部分では折り返し成分信号Hのレベルを零と
し、被写体に色が付いていないと判定された部分では折
り返し成分信号Hをそのまま出力する。このようにして
作成した折り返し成分信号をH′とする。上述した処理
は実際には次の演算によって行うことができる。
【数8】 H′=H×AC (10)
【0035】上述した折り返し成分検出手段によれば、
色が付いているかどうか微妙な部分で、比較的色が付い
ていて判定信号AC が0.0 に近い値である場合には、出
力される折り返し成分信号′は零に近づき、また逆に色
の付きが少なく、判定信号A C の値が1.0 に近い部分で
は折り返し成分信号Hのレベルに近い値を有する信号が
得られることになる。このようにして、被写体の無彩色
部分または無彩色に近い部分の折り返し成分を抽出した
折り返し成分信号H′を得ることができる。このような
折り返し成分信号H′を上述した折り返し除去手段に与
えれば、被写体の無彩色部分またはそれに近い部分に対
してだけ折り返し成分除去が行われ、色の付いている部
分では何の処理も行わないので、被写体に色差信号帯域
c 以上の周波数成分がある場合でも、誤った処理がな
されるのを有効に防止することができる。
【0036】図28は上述した折り返し成分検出手段の
具体的な構成を示すものであり、左側に示す乗算器55
R,55G,55B,加算器56、減算器57およびハ
イパスフィルタ58は図26に示した折り返し成分検出
部の構成と対応しており、左側の破線で囲った部分が追
加された部分である。本例においては、減算器57から
出力される折り返し信号Aからハイパスフィルタ58の
出力Hを減算器65で減算することによって折り返し信
号Aの低域成分AL を検出する。この低域成分AL は折
り返し信号Aをローパスフィルタに通すことによって得
ることもできる。
【0037】次に、この減算器65から出力される低域
信号AL を絶対値回路66に供給して絶対値を求める。
折り返し信号Aは式(7)に示すように処理するので正
負の値を取るので、その低域成分AL も正負の値を取る
ので、その絶対値を求める必要がある。このようにして
求めた低域成分AL の絶対値を次に乗算器67に供給
し、任意のゲイン量で増幅する。このゲイン量により後
段の処理で次のように処理される。このゲイン量を小さ
くすれば、被写体の無彩色部分と彩色部分との区別が甘
くなり、比較的色が付いている部分でも色が付いていな
いような処理がなされることになる。また、ゲイン量を
過度に大きくすると、あまり色が付いていない部分でも
色が付いているような処理がなされることになる。
【0038】さらに、乗算器67の出力信号をクリップ
回路68に供給し、乗算器の出力信号が1.0 を越える場
合にこれを1.0 にクリップする。このクリップ回路68
の出力信号をさらに減算器69に供給し、「1.0 」値か
らこの出力信号を減算する。この減算器69の出力信号
が判定信号AC であり、被写体に色が付いていれば、そ
の部分では判定信号AC は0.0 となり、色が付いていな
い部分では1.0 となり、色が付いているか否か微妙な部
分では0.0 〜1.0 の間の値を取ることになる。
【0039】ハイパスフィルタ58から出力される折り
返し成分信号Hと上述した減算器69から出力される判
定信号AC とを乗算器70に供給してこれらの積を求め
ることにより、色の付いている部分では折り返し成分信
号Hのレベルを零とし、被写体に色が付いていない部分
では折り返し成分信号Hをそのまま出力した折り返し成
分信号H′が得られることになる。
【0040】
【発明の効果】上述したように本発明による映像信号処
理装置によれば、空間画素ずらしが行われた固体撮像素
子から出力される色信号に含まれる折り返しを完全に除
去し、周波数特性の良い色信号を得ることができる。す
なわち、従来の映像信号処理装置においては、輝度信号
を作成するマトリックスで画素ずらしを成立させていた
ので、周波数特性の劣化があり、折り返し成分が若干残
っていたが、本発明によれば非対称ディジタルフィルタ
による理想的な画素ずれ補正を行うようにしているの
で、周波数特性の劣化を殆どなくすことができる。ま
た、画素ずらし補正手段、折り返し成分検出手段および
折り返し成分除去手段のいずれにおいても周波数帯域が
従来方式のように固体撮像素子の駆動周波数の2倍にな
らないので、放送規格やVTRの規格に合わせるために
わざわざ周波数帯域を制限する必要はなくなる。さら
に、各色信号で画素ずらしを成立させているので、3板
式カラーテレビカメラから色信号を出力する場合、従来
の映像信号処理装置のようなレジストレーションエラー
が全くない色信号を得ることができる。したがって、色
信号をマトリックスして作られる輝度信号も折り返し成
分が完全に除去され、周波数特性の劣化もなく、高品質
の映像信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、空間画素ずらし法を採用したカラーテ
レビカメラの撮像部の構成を示す図である。
【図2】図2は、同じくその各色用の画素位置の配置を
示す線図である。
【図3】図3は、同じく各色用の画素の空間的配置位置
の関係を示す線図である。
【図4】図4は、輝度信号に含まれる折り返し成分を示
す図である。
【図5】図5は、被写体の周波数特性を示す図である。
【図6】図6は、緑色信号の周波数特性を示す図であ
る。
【図7】図7は、赤および青色信号の周波数特性を示す
図である。
【図8】図8は、各色用の撮像素子による走査位置を示
す図である。
【図9】図9は、緑色用の撮像素子による走査位置を示
す図である。
【図10】図10は、赤および青色用の撮像素子による
走査位置を示す図である。
【図11】図11は、従来の零次ホールド法による補間
処理を示す図である。
【図12】図12は、従来の映像信号処理装置の一例を
示すブロック図である。
【図13】図13は、従来の映像信号処理装置の他の例
を示すブロック図である。
【図14】図14は、従来の映像信号処理装置のさらに
他の例を示すブロック図である。
【図15】図15は、本発明による映像信号処理装置を
具えるカラーテレビカメラの全体の構成を示す図であ
る。
【図16】図16AおよびBは、本発明による画素ずれ
補正処理を示す線図である。
【図17】図17AおよびBは、本発明による画素ずれ
補正処理における周波数特性を従来例と比較して示す図
である。
【図18】図18は、画素ずれ補正手段で用いられるデ
ィジタルフィルタの一例の構成を示す回路図である。
【図19】図19は、画素ずれ補正手段での内挿位置を
示す線図である。
【図20】図20は、折り返し成分を示す図である。
【図21】図21は、折り返し成分と色差信号成分を示
す図である。
【図22】図22は、画素ずれ補正手段で処理された信
号を示す線図である。
【図23】図23は、折り返し成分が除去された信号を
示す線図である。
【図24】図24は、本発明による映像信号処理装置の
構成を示すブロック図である。
【図25】図25は、その画素ずれ補正部の詳細を示す
図である。
【図26】図26は、その折り返し成分検出部の詳細を
示す図である。
【図27】図27は、その折り返し成分除去部の詳細を
示す図である。
【図28】図28は、折り返し成分検出部の他の実施例
の詳細を示す図である。
【符号の説明】
21 色分解プリズム 22R,22G,22B 固体撮像素子 23 映像信号処理装置 24 マトリックス 25 エンコーダ 26 Iフィルタ 27 Qフィルタ 41 画素ずれ補正部 42 折り返し成分検出部 43 折り返し成分除去部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々が多数の受光素子をマトリックス状
    に配列した赤、緑および青色用の3個の固体撮像素子を
    具え、これらの固体撮像素子を、それらの受光素子が受
    光素子の配列ピッチのほぼ半分だけ主走査方向に互いに
    ずれるように配置して空間画素ずらしを行った固体撮像
    装置から出力される赤、緑および青色の色信号を処理す
    る映像信号処理装置において、 前記各固体撮像素子の画素ピッチをPとするとき、或る
    固体撮像素子から出力される色信号をフィルタにより+
    0.25Pまたは−0.25Pだけ画素をずらし、その
    位置に合うように他の2つの固体撮像素子から出力され
    る2つの色信号の各々をフィルタにより−0.25Pま
    たは+0.25Pだけ画素をずらすことにより、空間画
    素ずらしのために3つの固体撮像素子から出力される3
    つの色信号間に発生する画素ずれを補正した色信号を出
    力する画素ずれ補正手段と、 この画素ずれ補正手段から出力される各色信号を入力
    し、前記或る固体撮像素子から出力される色信号と、前
    記他の2つの固体撮像素子から出力される2つの色信号
    を任意の混合比でミックスしたものとの差の高周波成分
    を求めることにより、各固体撮像素子から出力される各
    色信号に含まれる折り返し成分を検出する折り返し成分
    検出手段と、 この折り返し成分検出手段によって検出された折り返し
    成分を、前記画素ずれ補正手段から出力される各色信号
    に加算または減算することにより、各色信号中の折り返
    し成分を除去する折り返し成分除去手段とを具えること
    を特徴とする映像信号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記折り返し成分検出手段を、前記画素
    ずれ補正手段から出力さる各色信号を受け、前記或る固
    体撮像素子から出力される色信号と、前記他の2つの固
    体撮像素子から出力される色信号を任意の混合比でミッ
    クスしたものとの差を求めた後、放送方式の色差信号帯
    域以外の成分を抽出するハイパスフィルタに通して、3
    つの固体撮像素子から出力される各色信号に含まれる折
    り返し成分を検出することを特徴とする請求項2記載の
    映像信号処理装置。
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