JP3126813U - 密着性滑り防止層付き定規 - Google Patents
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Abstract
【課題】
紙・布・フィルム・プラスチック・ガラス・金属等の対象物上に滑り防止付き定規を実現することで、正確に、安全に、その持つデザイン性や機能性を損ねることなく、筆記、カットができる定規を得る。
【解決手段】
定規が対象物と接する部分に、透明で極めて薄く軽いエラストマーを利用することで、利用者が触れる手の圧力により、対象物との間の摩擦力を高め、ずれにくくし、滑り防止効果とする。
【選択図】図5
紙・布・フィルム・プラスチック・ガラス・金属等の対象物上に滑り防止付き定規を実現することで、正確に、安全に、その持つデザイン性や機能性を損ねることなく、筆記、カットができる定規を得る。
【解決手段】
定規が対象物と接する部分に、透明で極めて薄く軽いエラストマーを利用することで、利用者が触れる手の圧力により、対象物との間の摩擦力を高め、ずれにくくし、滑り防止効果とする。
【選択図】図5
Description
本考案は、定規を使用する、紙、布、フィルム、プラスチック、ガラス、金属などの対象物との間に生じる滑りにより、既存の定規を使用する目的を達成できない場合に使用可能な定規に関するものである。
定規は長さの測定に使用されるだけでなく、定規に沿って各種の線を引いたり、カッターで切れ込みを入れたりと、幅広く使用され、その材質も木、プラスチック、金属と多岐にわたる。対象物がプラスチック、金属、ガラスといった物の場合、定規が滑りやすく、長い直線や切れ込みを入れることは非常に難しく、時には定規を固定するために共同作業者を必要とする。
雲形定規を用いて複雑な曲線を描く際、片手で定規を固定し続けることが非常に難しいことは、よく経験するところである。
分度器も精度が高くなるほど大型化し、直径が30cm以上といった大型の分度器を使用する場合には、滑りが問題となる場合が多い。
更に又、壁、ガラス戸、襖、塀などのように垂直なものや、傾斜のある対象物の場合には、滑りのために、定規を用いての一人作業ができない場合も多い。
巻尺についても、垂直な円柱状構造物等の周囲長を計測する場合など、途中で巻尺そのものの重さによりゆがみやすく、正しい長さが計測しづらい場合がある。
本考案はこうした滑りを防止した定規に関するものであるが、これまでにも各種の提案がなされてきた。
実開昭48−033446号公報
実開昭54−045644号公報
実開昭57−088592号公報
実開昭60−038792号公報
実開昭62−162090号公報
実登3111685号
上述した特許文献の考案では滑り防止効果は不十分であり、滑り防止材の劣化や対象物への付着・汚染など、更には滑り防止材表面の摩耗や埃等の汚れ付着による滑り防止性能の低下を来たすため、広く普及するまでには至っていない。
特に垂直、又は70度以上といった急傾斜でも滑らない定規や分度器は存在しなかったのに加え、この滑り防止効果が巻尺にまで応用できるものもなかった。
本考案は、従来の提案では達成できなかった、高いレベルの滑り防止性能を有し、且つ滑り防止性能の持続性に優れ、光透過性の定規においては光透過性を損ねることのない、定規を提供することにある。
本考案はウレタンエラストマー、シリコーンエラストマーという限定されたエラストマーの持つ、優れた密着性を滑り防止層とすることにより、これまでになかった高いレベルの滑り防止性能を得るものであり、更には多くの利点、特徴を有している。
本考案は、ウレタンエラストマー又はシリコーンエラストマーを滑り防止層に使用することを特徴とし、その優れた滑り防止性能は実施例に示すごとく、軟質樹脂や一般的なゴムでは得ることができない、高いレベルのものである。
本考案ではエラストマーの耐久性や弾力性を考え、10μmより薄くなると、耐久性が損なわれる問題が発生し、70μmより厚くなると弾力性ゆえにぶれが生じやすいため、最も精密な計測や描画や切り出し精度を考え、また目視で滑り防止層存在の感知をほとんど感じさせず、違和感なく定規を使用することができる10〜70μmの厚さを実現できたことで、滑り防止性能を有する定規としてのレベルを高めることができた。
滑り防止層としてのウレタンエラストマー又はシリコーンエラストマーを接着剤や両面テープを用いて積層させることで、既存の定規に容易に応用実施可能なことが本考案の実用性を高めている。
また、定規本体に接着剤を使わずに積層させることも可能なので、この方法で積層した場合、滑り防止層が剥がれる不安を取り除くことが出来る。
滑り防止層としてのウレタンエラストマー又はシリコーンエラストマーを単独で直接定規本体に積層させることなく、支持基材としてポリエステルのフィルムを利用することで、更に取り扱いやすさを高めることが出来る。
支持基材としてのフィルムは、光透過性、取扱性、操作性の問題から、200μm以下が望ましく、強度と、取扱性の問題から30μm以上が望ましいが、本考案ではこの厚さのフィルムを利用することに成功したことから、支持基材としてフィルムを利用する場合の問題を解決することができた。
本考案を実現させるために利用した、滑り防止層、フィルム、接着剤のいずれもが光透過性で、その積層した状態が最も多い、滑り防止層、接着剤、フィルム、接着剤の4層時でさえも、光線透過率90%を実現できたことで、定規本来の持つ機能性を、ほとんど損ねることなく、滑り防止性能を持たせることに成功できたため、本考案の応用実用範囲を大きく広げることに成功した。
非常に強力な密着性ゆえに、対象物が鏡面状の場合、対象物から本考案の定規を剥がしにくくなることもあるが、そのような時のことを考え、剥離を容易にする補助具や、補助機構を備えることで、密着強度の問題も解決することが出来た。
滑り防止性能を発揮する物質として、温度湿度に強く実生活で使われやすい溶剤等にも強く、耐用年数が長いウレタンエラストマーまたはシリコーンエラストマーを実用できたことで、既知の考案や発明で払拭されなかった不安としての、糊残りや変質や性能の低下を一気に解決できた。
本考案者らは、滑り防止層を、密着性に優れた滑り防止層と表現しているが、その表現根拠及びその効果、利点について、特に述べる必要がある。
本考案のうち定規は、ガラス、金属、プラスチック等の平滑面を有する対象物に押しあてる、即ち圧着すると、定規が通常市販されている一般的重量の範囲であれば、垂直に近い急勾配であっても滑らないだけではなく、90度以上に傾けても、時には逆さまにしても落下しないからである。
接着剤や粘着剤を用いることなく、上記のように落下現象が起きないことから、密着性や自着性に優れた滑り防止層と表現したものである。
実施例では、直定規や三角定規を参考にしているが、本考案の応用できる範囲は非常に広く、定規と構造的に同じと考えられる分度器や雲形定規にも適用でき、わずかなずれでも計測結果や曲線描画に影響を与えかねないこのような特殊定規への利用にも優れた効果を発揮する。
単に滑らないだけでなく、このように優れた密着性を有することにより、本考案の定規は、壁といった垂直対象物のみならず、天井、蛍光灯や火災報知器等の天井設備を対象とする作業にも有効である。
また巻尺にさえも応用でき、滑りやすい球状物体の計測時や、円柱状構造物の計測時にも、巻尺の途中がずれて、本来計測すべき線分上からずれることの防止に、非常に大きな効果をもたらすものである。
本考案の滑り防止層、即ちウレタンエラストマー又はシリコーンエラストマー層は、表面に塵や埃が付着しても水洗や水拭き等により除去することで滑り防止性能低下の防止、又は回復をはかることができる。
また、ウレタンエラストマー又はシリコーンエラストマーは接着剤ではないことから、一般的に販売されているセロファンテープやガムテープなどの粘着テープの接着面と接着してしまうことがないことを利用して、本考案の滑り防止層に付着した塵や埃だけを粘着テープの接着面に付着させ、簡単に取り除くことができ、滑り防止性能低下の防止、又は回復をはかることができる。
ウレタンエラストマー滑り防止層とシリコーンエラストマー滑り防止層とを比較した場合、シリコーンエラストマー層の方が、表面に所謂サラサラ感触があり、実用上、より好ましい。
優れた密着性を有することは説明したが、接着剤を使っていないため、本考案定規の角の部分や、図6図7図8にもあるように、限られた箇所に剥離のきっかけを与えることで、同時に極めて軽い剥離性も有し、問題となる対象物への糊残りや、その他対象物へ与える悪影響もほとんどない。
本考案における滑り防止層は、定規に直接積層構造とする場合もあるが、ポリエステルフィルムのような支持基材に積層後、接着剤又は両面テープを用いて定規又は分度器に積層して利用することもできる。
後者の場合、ハサミやカッターを用いて任意の形状、サイズのフィルム付き滑り防止層が成形できる一方、接着剤を用いた場合には適当な溶剤で接着剤を溶かすことで、又、両面テープを用いた場合には手で滑り防止層を剥がすことができ、通常の滑り性のある定規として使用することも可能であるという利点がある。
特に文房具として扱われている小型の定規の多くは、アクリル樹脂といった透明樹脂が用いられ、必要に応じて着色がなされている。こうした場合、本考案のウレタンエラストマー又はシリコーンエラストマー使用の滑り防止層、ポリエステルフィルム、接着剤等も光透過性のある無色又はカラー品が一般に使用される。
本考案におけるウレタンエラストマー又はシリコーンエラストマー使用の滑り防止層は、目視ではその厚さが判別しにくい1mm以下といった厚みでも十分な滑り防止性能を発揮する。
しかし、10μmより薄くなると、耐久性が損なわれる問題が発生し、70μmより厚くなると、エラストマーの弾力性が精密な計測や切り出し精度に、ぶれを生じさせる原因又は全光線透過率の低下の原因にもなることから、目視で滑り防止層存在の感知が難しく、違和感なく定規を使用することができる10〜70μmの範囲のもが望ましい。
この厚さの範囲でのエラストマーは、優れた光透過性も発揮し、本考案では90%以上の全光線透過率を得ることが出来るため、定規本体の持つ性質を損なうことなく滑り防止性能を付与することが出来る。
本考案の滑り防止層は、滑り防止性能に優れるだけでなく、密着性にも優れることは前に述べた通りであるが、その余りにも優れた密着性の点から、定規を対象物から剥離することが困難となる場合があり、こうした場合、滑り防止層の使用量、即ち層の面積を減らすことで解決できるが、その都度対象物に応じて滑り防止層の面積量を変えることは実際上困難である。
こうした場合には、定規や分度器に剥離用のつまみを付けたり、穴を開けて紐や鎖を取り付けるのが一般的であるが、大型定規の場合には取っ手を付けることもある。
図1は定規に滑り防止機能を持つエラストマーを接着させた状態の側面図で、図3は定規に符合の説明7にあるように滑り防止フィルムを接着させた状態の側面図、これを図5のように対象物の上に置くことで、定規に沿って線分を引くことや、カットの操作が今までより安全に容易に正確に実行できる効果がある。
非常に優れた密着性を有する本考案の定規を、対象物から剥離する時に更に使いやすくするために、図6のように定規に空けた穴に紐や鎖を通して、対象物と密着した状態から容易に剥離することを実現することもでき、また図7のようにつまみをつけるか、図8のようにくぼみをつけても良い。
実際に本考案の効果を検証する為に、直定規、分度器、三角定規、巻尺で実験したところ、本考案を施す以前の物と比較して、非常に弱い力の押圧でもぶれることが無いために、正確に線分が引け、カッターナイフ等ではより安全にカットでき、計測作業も、より精度を高めることが実現できたうえ、窓ガラスの装飾用に正確な位置を計測するために、垂直な場所でも簡単に定規が落ちることなく、問題なく使うことができた。
滑り防止効果にウレタンエラストマー又はシリコーンエラストマーを利用したことで、薄く軽く透明に近いものとなり耐久性も向上し、定規を追加工する必要もなく、また支持基材を利用した方法では定規本体の製造工程を追加変更することなく、容易に既存の定規にも応用できる。
本考案が、支持基材としてフィルムを利用した場合でも、200μm以下と非常に薄くすることも可能なことから、対象物が平面でなく緩やかな凹凸のあるものでも、定規そのものに柔軟性があり、その対象物に対応できるならば、そのような定規にも問題なく本考案を利用することができ、巻尺にも当然応用することができる点をも考えると、実用上あらゆる物に利用できる滑り防止層付き製品として、産業上の利用の可能性が非常に高い。
今まで数ある発明や考案で提案された滑り止め効果のある定規は、それぞれいくつかの解決されない問題点を含んでいたが、本考案においては、それらのどの考案の抱える問題点をも解決又は問題のないレベルにまで低減させ、十分実用に供される内容を実現でき、広く社会に貢献できる内容となっている。
1・・・定規本体。
2・・・定規本体とエラストマー層を接着させる接着剤層部分。
3・・・エラストマーからなる滑り防止層部分。
4・・・定規本体とフィルムを接着させる接着剤層又は両面テープ層部分。
5・・・フィルム基材部分。
6・・・滑り防止層部分とフィルム基材を接着させる接着剤層部分。
7・・・図3における3、4、5、6や図4における3、4、5は目視では層の識別が不可能なほど薄いため、この4層又は3層をあわせて、滑り防止フィルムと表現する部分。
8・・・滑り防止付き定規を乗せて使う対象物。
9・・・剥離用補助具取り付け用としての穴付き直定規本体。
10・・・剥離用補助具を取り付けるための穴。
11・・・剥離用補助具(紐、鎖等)。
12・・・剥離用補助具としてのつまみ付き直定規本体。
13・・・剥離用補助具(つまみ、取っ手等)。
14・・・剥離用補助構造としてのくぼみ付き直定規本体。
15・・・剥離用補助構造(くぼみ、引っ掛かり等)
16・・・目盛り付き直定規本体
2・・・定規本体とエラストマー層を接着させる接着剤層部分。
3・・・エラストマーからなる滑り防止層部分。
4・・・定規本体とフィルムを接着させる接着剤層又は両面テープ層部分。
5・・・フィルム基材部分。
6・・・滑り防止層部分とフィルム基材を接着させる接着剤層部分。
7・・・図3における3、4、5、6や図4における3、4、5は目視では層の識別が不可能なほど薄いため、この4層又は3層をあわせて、滑り防止フィルムと表現する部分。
8・・・滑り防止付き定規を乗せて使う対象物。
9・・・剥離用補助具取り付け用としての穴付き直定規本体。
10・・・剥離用補助具を取り付けるための穴。
11・・・剥離用補助具(紐、鎖等)。
12・・・剥離用補助具としてのつまみ付き直定規本体。
13・・・剥離用補助具(つまみ、取っ手等)。
14・・・剥離用補助構造としてのくぼみ付き直定規本体。
15・・・剥離用補助構造(くぼみ、引っ掛かり等)
16・・・目盛り付き直定規本体
Claims (7)
- ウレタンエラストマーまたはシリコーンエラストマーを、定規が対象物と接する滑り防止機能を必要とする面側に積層させることで、密着性や自着性に優れた滑り防止層を有する定規。
- 滑り防止層が10〜70μmの厚さであることを特徴とする請求項1記載の定規。
- 滑り防止層を、対象物と接する定規の面側に、接着剤や両面テープで積層、またはこれらを用いずに直接積層することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の定規。
- 滑り防止層を、ウレタンエラストマーまたはシリコーンエラストマー単独ではなく支持基材として利用するフィルムに接着剤を用いて積層、またはこれらを用いずに直接積層した状態のフィルム付き滑り防止層を、接着剤や両面テープを用いて積層することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の定規。
- 滑り防止層のウレタンエラストマーやシリコーンエラストマーと接着剤や両面テープが光透過性であることを特徴とする請求項3記載の光透過性定規。
- 滑り防止層のウレタンエラストマーやシリコーンエラストマーとフィルムと接着剤や両面テープのいずれもが光透過性であることを特徴とする請求項4記載の光透過性定規。
- 使用する対象物からの剥離を容易にする為の機構を有する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6記載の定規。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006006981U JP3126813U (ja) | 2006-08-29 | 2006-08-29 | 密着性滑り防止層付き定規 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006006981U JP3126813U (ja) | 2006-08-29 | 2006-08-29 | 密着性滑り防止層付き定規 |
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Cited By (2)
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JP2016055411A (ja) * | 2014-09-12 | 2016-04-21 | 株式会社ベンリナー | スライサー |
JP2022501083A (ja) * | 2019-08-16 | 2022-01-06 | 昆山怡家居紡織有限公司 | 取り外し可能なカーペット |
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