JP4728068B2 - キーボードカバーシート - Google Patents

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本発明は、電子機器のキーボードを被覆するキーボードカバーシートに関する。
パーソナルコンピュータ等の電子機器におけるキーボードは、水の侵入や埃等の付着により故障する場合があることから、キーボードを保護するためのキーボードカバーが知られている。これらのキーボードカバーとしては、各種エラストマー製で、キーボー全体を被覆するシートが知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。また、これらのカバーシートは、キーボードに両面テープ等で固定されて使用されたり、両面テープを使用しないで済むように、カバーシート自体の片面に粘着性エラストマー膜を形成してキーボードに固定したりするものもある(特許文献2参照。)。粘着性エラストマー膜としてはゲル状エラストマー、特にシリコンゲルが好ましいとされている。
特許第3273410号公報 登録実用新案第3032087号公報 登録実用新案第3100075号公報
しかし、カバーシートを両面テープでキーボードに固定する構成では、掃除のためにカバーシートをキーボードから剥がすことが困難であり、剥がすことができたとしても、再度貼るために新しい両面テープが必要となるし、貼る前に古いテープの糊残り部分を掃除する必要があった。また、部分的に両面テープで固定しているだけなので、使用しているうちに剥がれてしまうという問題もある。
また、カバーシート自体の片面に粘着性エラストマー膜を形成してキーボードに固定する構成では、シート全面に粘着性があるので、キーボードに貼り付ける作業が非常に困難であり、かつ貼り合わせ時に気泡が入ってしまうと、視認性も悪くなる。また、接着面積が大きいことから、粘着成分のキーボードへの移行の恐れが考えられる。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その第1の目的はシートの設置及び取外しあるいはメンテナンスが容易でタイプ感に優れたキーボードカバーシートを提供することにある
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、シリコーンエラストマーシートで形成され、両面の三次元中心面粗さ(SRa)が0.2μm〜1.0μmで、厚さが50μm〜500μmで、硬さがゴム硬度で10〜80である。
この発明では、キーボードカバーシートの両面の三次元中心面平均粗さ(SRa)及び厚さが前記の範囲にあることにより、粘着剤を使用せずにキーボードカバーシートをキーボード上に載置するだけで、キーボードカバーシートがキーボード上でずれることなくキーを打つ(叩く)ことができ、キーを打つ(叩く)際に指の滑り性が良くなる。また、硬さが前記の範囲にあるため、キーを打つ際の指の感触が良くなり、タイプ感が向上する。ここで、「タイプ感(打鍵性)」とは、キーを打つ際の感触を意味する。また、キーボード上に載置されたキーボードカバーシートに対して端から捲るように力を加えれば簡単に剥がすことができる。即ち、この発明のキーボードカバーシートは、シートの設置及び取外しあるいはメンテナンスが容易で、タイプ感に優れる。なお、三次元中心面粗さ(SRa)の測定は、三次元表面粗さ計で行う。また、シートは厚さが1mmの半分以下と薄いので、ゴム硬度の測定はシートを複数枚重ねて1mm以上の厚さにした状態で行う。
また、この発明では、原料のエラストマーの入手が容易で、ゴミや埃が付着しても水洗いで簡単に落とせる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記シリコーンエラストマーは、低分子量のシロキサン成分の含有量が1000ppm以下である。ここで、「低分子量のシロキサン成分」とはシロキサンの10量体以下の成分を意味する。
この発明では、キーボードカバーシートを使用しているうちに低分子量のシロキサン成分がキーボードへ移行するのが抑制される
本発明によれば、カバーシートの設置及び取外しあるいはメンテナンスが容易でタイプ感に優れたキーボードカバーシートを提供することができる。
以下、本発明をノート型パーソナルコンピュータ(以下、パーソナルコンピュータをパソコンと称す。)のキーボードカバーに具体化した実施形態を図1及び図2に従って説明する。
図1に示すように、ノート型パソコン11は、キーボード12とディスプレイ13とを備えている。キーボード12は多数のキー14を備えている。
キーボードカバーシート20は、エラストマー製のシート即ちエラストマーシートでキーボード12の少なくとも全てのキー14を覆う大きさの矩形状に形成されている。エラストマーシートは、三次元中心面平均粗さSRaが両面とも0.2μm〜1.0μmの範囲にあることが望ましく、0.4μm〜0.6μmの範囲にあるとより望ましい。
三次元中心面平均粗さSRaは、三次元表面粗さ計を用いて測定され、以下のようにして求められる。三次元表面粗さ計により得られた三次元表面プロファイル(粗さ曲面)の中心面上に面積Sの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心面上に直交座標軸、X,Y軸をとって、中心面に直交する軸をZ軸とし、次式により与えられる値をSRaとする。
Figure 0004728068
但し、S=Lx×Ly
粗さが小さ過ぎると、視認性は良くなるが、シートの粘着性(密着性)が増すため、ハンドリング性が悪くなり、キーボード12にセットし難くなるとともにキー14を打つ(叩く)際の指の滑り性が悪くなる。また、使用時に埃等が付着し易くなる。逆に、粗さが大き過ぎると、シートのハンドリング性は良くなるが、キーボード12との密着性が良くなく、視認性も悪くなる。また、キー14を打つ際(打鍵時)の感触も良くない。
エラストマーシートに表面粗さを発現させる手法としては、一般的に知られている既存の方法でよく、例えば、製膜後にブラスト処理やレーザー処理を行ってもよく、製膜時にエンボスロールの模様を転写させたり、エンボスフィルムの模様を転写させたりしてもよい。
エラストマーシートの厚さは、50μm〜500μmの範囲にあることが好ましく、100μm〜300μmの範囲にあるのが特に好ましい。厚さが薄いと視認性は向上するが、キー14を打つ際に適度な弾性を得ることができず、シートが破れ易くなる恐れがある。逆に厚すぎると、視認性が悪くなり、また、キー14を打つ際に過度の弾性を感じることになり、打鍵時の感触が悪くなる。
エラストマーシートのゴム硬度は、10〜80が好ましく、20〜70が特に好ましい。柔らかすぎると、即ちゴム硬度が10未満だと、打鍵時のシート変位が大きく、指の感触が良くない。逆に硬すぎると、即ちゴム硬度が80より大きいと、柔軟性がなく、打鍵時の感触がよくない。
エラストマーシートは、前記の要件を備えていればその材質を特に限定されるものではないが、入手のし易さからポリウレタンエラストマーやシリコーンエラストマーが好ましい。シリコーンエラストマーであると、撥水性に優れ、ゴミや埃が付着しずらく(水洗いで落とせる)、耐熱性、耐候性に優れる点で特に好ましい。
シリコーンエラストマーは、低分子量のシロキサン成分(シロキサンの10量体以下の成分)の含有量が5000ppm以下であることが好ましく、1000ppm以下であるとなお望ましい。低分子量のシロキサン成分の含有量が多すぎると、使用している間にそれらの成分がキーボード12へ移行する恐れがある。
シロキサン成分の低減方法は、例えば原料の重合方法や熱処理、溶剤抽出処理等の既知の方法でよい。
エラストマーシートには抗菌剤が添加されていることが望ましい。抗菌剤を添加していないと、シート上に細菌が繁殖する恐れがある。添加方法としては、市販の抗菌剤を適当量添加すればよい。
キーボードカバーシート20は、エラストマーシートをキーボードカバーシート20の大きさに合わせて1枚ずつ製造してもよいが、原反シートとして長尺のエラストマーシートを連続的に製造し、ロール状に巻いた状態で保管するようにしたり、キーボードカバーシート20の複数枚分のシートとして積層状態で保管するようにしたりしてもよい。キーボードカバーシート20への加工は、原反シートを単にキーボード12に対応する所定の大きさにカットするだけである。
次に前記のように構成されたキーボードカバーシート20の作用を説明する。キーボードカバーシート20は、図2に示すように、単にキーボード12のキー14の上に載置した状態で使用される。キーボードカバーシート20は、両面が同じ構成のためキーボード12上に載置する際、表面と裏面の区別をする必要がなく、簡単に所定の位置に載置することができる。
キーボードカバーシート20の両面の三次元中心面平均粗さSRaが0.2μm〜1.0μmの範囲にあるため、キー14を打つ際にキーボードカバーシート20がずれずに保持され、指の滑り性が良くなる。また、キーボードカバーシート20の下にある各キー14の文字は、キーボードカバーシート20を通して確認できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、それらは例示であって、本発明を限定するものではない。
(実施例1)
ミラブルタイプのシリコーン原料KE9510U(信越化学工業(株))を使用し、表面粗さが中心線平均粗さRaで0.8μmのエンボスPET(ポリエチレンテレフタレート)シートでサンドイッチした状態で架橋させ、厚さ0.3mmのシリコーンエラストマーシートを得た。なお、KE9510Uは、ゴム硬度50設定のシリコーン原料である。得られたシートの両面の三次元中心面平均粗さSRaは0.54μmであり、ゴム硬度は53であった。また、低分子量のシロキサン成分の含有量は4000ppmであった。
(実施例2)
実施例1と同様にしてシリコーンエラストマーシートを得、最後に片面のPETシートを剥がしてから、130℃×1時間の熱処理を行った。熱処理により低分子量のシロキサン成分の一部が蒸発除去される。このシートの低分子量のシロキサン成分の含有量は900ppmであった。また、シートの両面の三次元中心面平均粗さSRaは0.54μmであり、ゴム硬度は53であった。
(比較例1)
エンボス処理のないフラットなPETシートを使用する以外は、実施例1と同様にしてシリコーンエラストマーシートを作成した。得られたシートの三次元中心面平均粗さSRaは0.02μmであり、ゴム硬度は53であった。また、低分子量のシロキサン成分の含有量は4000ppmであった。
(比較例2)
表面粗さが中心線平均粗さRaで3.5μmのエンボスPC(ポリカーボネート)シートを使用する以外は、実施例1と同様にしてシリコーンエラストマーシートを作成した。得られたシートの三次元中心面平均粗さSRaは3.2μmであり、ゴム硬度は53であった。また、低分子量のシロキサン成分の含有量は4000ppmであった。
(比較例3)
実施例1と同様にして、厚さ40μmのシリコーンエラストマーシートを作成した。シートの両面の三次元中心面平均粗さ、ゴム硬度及び低分子量のシロキサン成分の含有量は、いずれも実施例1の場合と同じであった。
(比較例4)
実施例1と同様にして、厚さ600μmのシリコーンエラストマーシートを作成した。シートの両面の三次元中心面平均粗さ、ゴム硬度及び低分子量のシロキサン成分の含有量は、いずれも実施例1の場合と同じであった。
(比較例5)
ポリジメチルシリコーンを主成分として、シリカを全く含まない原料を調整し、それを使用する以外は、実施例1と同様にして、シリコーンエラストマーシートを作成した。本シートのゴム硬度は8であった。また、シートの両面の三次元中心面平均粗さSRaは0.54μmであった。また、低分子量のシロキサン成分の含有量は15000ppmであった。
(比較例6)
ミラブルタイプのシリコーン原料TSE2297U(GE東芝シリコーン(株)製)を使用した以外は、実施例1と同様にして、シリコーンエラストマーシートを作成した。なお、TSE2297Uは、ゴム硬度90設定のシリコーン原料である。本シートのゴム硬度は90で、シートの両面の三次元中心面平均粗さSRaは0.54μmであった。また、低分子量のシロキサン成分の含有量は8000ppmであった。
(比較例7)
エンボス処理のないフラットなPETシートを片面に使用する以外は、実施例1と同様にしてシリコーンエラストマーシートを作成した。得られたシートは、表面の三次元中心面平均粗さSRaは一方の面が0.02μmで、他方の面が0.54μmであった。また、ゴム硬度は53で、低分子量のシロキサン成分の含有量は4000ppmであった。得られたシートのフラット面(SRaが小さな面)をキーボード12と対向するようにしてキーボード12に取り付けた。
(比較例8)
比較例5で得られたシートのエンボス面をキーボード12と対向するようにしてキーボード12に取り付けた。
前記実施例及び比較例において作製したシリコーンエラストマーシートの三次元中心面平均粗さ、ゴム硬度及び低分子量のシロキサン成分の含有量は次のようにして測定した。
(三次元中心面平均粗さ)
(株)エリオニクス製の三次元表面粗さ計(ESA−2000)を用いて三次元中心面平均粗さを測定した。測定条件は次のとおりである。
加速電圧:10kV
CLコード:1800
測定倍率:500倍
蒸着条件:アルゴンガス中で200秒
解析(SMOOTHING):133(3→401)
(ゴム硬度)
高分子計器(株)製のマイクロゴム硬度計(MD−1型)を使用し、測定すべきシートを重ねて、シート厚さを1mm以上にして測定した。
(低分子量のシロキサン成分の含有量)
測定方法:試料1.00gを10mlのアセトンに25℃で16時間浸漬し、浸漬液をガスクロマトグラフにより分析した。
装置:キャピラリガスクロ パーキンエルマー社製 オートシステムXL
カラム:DB−5
カラム温度:70℃→320℃(25℃/min)
Inj温度:300℃
キャリアガス:He(1ml/min)
検出器:FID
注入量:1μl
実施例1,2及び比較例1〜8で得られた各シートについて、ハンドリング性、視認性、キーボード密着性、打鍵性、オイル移行性に関して試験を行った。
ハンドリング性は、キーボードカバーシート20のキーボード12へのセットのし易さ、キーボード12からのキーボードカバー20の剥がし易さの評価である。
視認性は、キーボードカバーシート20をキーボード12にセットした状態におけるキー14上の文字の見え易さの評価である。
キーボード密着性は、キーボード12とキーボードカバーシート20との密着性の評価である。
打鍵性は、キー14を打った時の感触の評価である。
オイル移行性は、キーボード12への低分子量シロキサン成分の移行の評価であり、1ヶ月間使用後のキーボード12を観察した。
各試験とも評価を3段階で行った。○は良い、△は○より劣るが実用上差し支えない、×は不合格をそれぞれ意味する。キーボードカバーシート20としての評価は、前記試験項目のうち一項目でも不合格の項目があると、不合格となる。
Figure 0004728068
*1:キーボードカバーシート20(以下、単にカバーシートと言う場合もある。)のキーボード12上での滑り性が悪く、また、カバーシート同士がくっついてしまい、キーボード12へセットし難かった。
*2:カバーシートが薄すぎて、シートに腰がなく、キーボード12へセットし難かった。また、場合によってはシートが破れてしまった。
*3:キーボード12の文字が見え難かった。
*4:カバーシートとキーボード12との密着性が強すぎて(滑り性が悪くて)、カバーシートとキー14との間に気泡が入り易かった。
*5:カバーシートの厚みが薄すぎて、キー14を打った時にエラストマーの柔軟性を感じ難かった。
*6:カバーシートの厚みが厚すぎて、キー14を打った時にエラストマーの柔軟性が有りすぎて、キー14を打ち難かった。
*7:カバーシートが柔らかすぎて、キー14を打った時の感触が良くなかった。
*8:カバーシートが硬すぎて、キー14を打った時の感触が良くなかった。
*9:キーボード12の表面に光沢があり、手で触ってみると、少し滑り性があった。また、アルコールで表面を拭くと、滑り性はなくなった。
*10:シート上に埃が付き易く、汚れ易い。
表1から明らかなように、両面の三次元中心面平均粗さ(SRa)が0.2μm〜1.0μm、シートの厚さが50μm〜500μm、硬さがゴム硬度で10〜80の条件を満たす実施例1及び実施例2は、ハンドリング性、視認性、キーボード密着性、打鍵性及びオイル移行性の全ての試験項目に関して、評価が×(不合格)の項目がない。実施例2ではオイル移行性も良かった。
一方、シート両面の三次元中心面平均粗さ(SRa)が下限より小さい比較例1では、キーボード12上でのカバーシートの滑り性が悪く、シート同士がくっつく等の現象でハンドリング性が不合格となり、キーボード12に対する密着性が強すぎてキーボード密着性も不合格となった。シート両面の三次元中心面平均粗さ(SRa)が上限より大きい比較例2では、キーボード12の文字が見え難く、視認性が不合格となった。
また、シートの厚さが下限より薄い比較例3では、シートが薄すぎて強度が弱くハンドリング性が不合格となり、打鍵性も不合格となった。シートの厚さが上限より厚い比較例4では、キーボード12の文字が見え難く、視認性が不合格となった。また、打鍵性も不合格となった。
シートの硬さが下限より軟らかい比較例5では、打鍵性が不合格となった。また、比較例5では、低分子量のシロキサン成分の含有量が15000ppmと多く、オイル移行性も不合格となった。シートの硬さが上限より硬い比較例6では、打鍵性が不合格となった。また、比較例5では、低分子量のシロキサン成分の含有量が15000ppmと多く、オイル移行性も不合格となった。
また、片面のみ三次元中心面平均粗さ(SRa)が0.2μm〜1.0μmの条件を満たし、他の面の三次元中心面平均粗さ(SRa)を下限より小さくしたキーボードカバーシート20の場合は、三次元中心面平均粗さ(SRa)の小さな面をキーボード12側にした比較例7では、比較例1と同様にハンドリング性が不合格になった。三次元中心面平均粗さ(SRa)の大きな面をキーボード12側にした比較例8では、汚れ易いためハンドリング性が不合格になった。
また、低分子量のシロキサン成分の含有量が4000ppmと、実施例1の場合と同じであっても、シートの三次元中心面平均粗さ(SRa)が0.02μmの面をキーボード12に接する状態とした比較例1及び比較例7ではオイル移行性が不合格になった。従って、三次元中心面平均粗さ(SRa)が小さい場合はオイル移行性が悪く成りやすいと考えられる。
この実施形態では次の効果を有する。
(1)キーボードカバーシート20は、エラストマー製のシートで形成され、両面の三次元中心面粗さ(SRa)が0.2μm〜1.0μmの範囲にある。従って、粘着剤を使用せずにキーボードカバーシート20をキーボード12上に載置するだけで、キーボードカバーシート20がキーボード12上でずれることなくキー14を打つ(叩く)ことができる。また、キーボード12上に載置されたキーボードカバーシート20に対して端から捲るように力を加えれば簡単に剥がすことができる。さらに、キーを打つ(叩く)際に指の滑り性が良くなる。即ち、キーボードカバーシート20は、シートの設置、メンテナンスが容易でタイプ感に優れたものとなる。
(2)キーボードカバーシート20は、厚さが50μm〜500μmであるため、腰が有り、十分な強度的を有するためハンドリング性が実用上支障なく、キー14を打つ際に適度な弾性が得られ、タイプ感が向上する。
(3)エラストマー製のシートとして、両面の三次元中心面粗さ(SRa)が0.4μm〜0.6μmの範囲にあるシリコーンエラストマーを使用すれば、市販のミラブルタイプのシリコーン原料から容易に製造することができる。
(4)キーボードカバーシート20は、硬さがゴム硬度で10〜80であるため、キー14を打つ際の指の感触が良くなり、タイプ感がより向上する。
(5)キーボードカバーシート20は、シリコーンエラストマー製であるため、原料のエラストマーの入手が容易で、ゴミや埃が付着しても水洗いで簡単に落とせる。また、耐熱性や耐候性にも優れる。
(6)130℃で1時間の熱処理を行ったシリコーンエラストマーは、低分子量のシロキサン成分の含有量が1000ppm以下の900ppmとなり、キーボードカバーシート20を使用しているうちに低分子量のシロキサン成分がキーボード12へ移行するのが抑制される。
(7)キーボードカバーシート20は、厚さが50μm〜500μm、硬さがゴム硬度で10〜80で、かつ両面の三次元中心面平均粗さ(SRa)が0.2μm〜1.0μmであるシリコーンエラストマーシートを所定の大きさに切断加工するだけで簡単に製造することができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように構成してもよい。
・ キーボードカバーシート20は、両面が同じ三次元中心面平均粗さ(SRa)である必要はなく、各面のSRaの値が異なっても、その値が0.2μm〜1.0μmであればよい。
・ ノート型パソコンのキーボードに限らず、例えば、他の形式のパソコンのキーボードのキーボードカバーシートに適用したり、コンピュータを備えた電気機器の入力装置のキーボードのキーボードカバーシートに適用したりしてもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)厚さが100μm〜300μm、硬さがゴム硬度で20〜70のシリコーンエラストマーシートで形成され、両面の三次元中心面平均粗さ(SRa)が0.2μm〜1.0μmであるキーボードカバーシート。
(2)前記発明において、前記エラストマーシートは、両面の三次元中心面平均粗さ(SRa)が0.4μm〜0.6μmである。
ノート型パソコンとキーボードカバーシートとを示す模式斜視図。 キーボードカバーシートとキーとの関係を示す模式断面図。
符号の説明
20…キーボードカバーシート。

Claims (2)

  1. シリコーンエラストマーシートで形成され、両面の三次元中心面平均粗さ(SRa)が0.2μm〜1.0μmで、厚さが50μm〜500μmで、硬さがゴム硬度で10〜80であることを特徴とするキーボードカバーシート。
  2. 前記シリコーンエラストマーは、低分子量のシロキサン成分の含有量が1000ppm以下である請求項1に記載のキーボードカバーシート。
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