JP3126743B2 - 信号補間装置 - Google Patents

信号補間装置

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JP3126743B2
JP3126743B2 JP03068109A JP6810991A JP3126743B2 JP 3126743 B2 JP3126743 B2 JP 3126743B2 JP 03068109 A JP03068109 A JP 03068109A JP 6810991 A JP6810991 A JP 6810991A JP 3126743 B2 JP3126743 B2 JP 3126743B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体撮像素子を用いた
単板カラーカメラで発生する、色モワレの低減に好適な
信号補間装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体撮像素子を1つだけ用いてカラーの
ビデオ信号を得る単板カラーカメラは、家庭用ビデオム
ービーをはじめとして広く実用に供されている。このよ
うなカメラでは、固体撮像素子の各画素に、透過光が異
なる数種の色フィルタを周期的に対応させている。この
ため、異なる色フィルタに対応する画素信号間の演算で
求めた色信号では、空間的なサンプリング周波数が、撮
像素子固有の画素のサンプリング周波数の1/2〜1/
3に低下する。この結果、各色信号にはサンプリングに
起因して発生する側波帯成分が混入しやすく、再生画で
は被写体のエッジ部等で発生する偽の色信号、すなわち
色モワレが問題になる。
【0003】単板カラーカメラの色モワレを軽減する方
法には、例えば特開昭54−131819号公報あるい
は特願平1−262158号に示される技術がある。上
記特開昭54−131819号公報は画素信号の前後で
得られる信号のいずれか一方で補正するものであるが、
つぎに、特願平1−262158号に示された技術につ
いて、図2、図3、図4を用いて簡単に説明する。図2
は上記技術の色モワレ改善方法の構成を示す図であっ
て、1はレンズ、2は撮像素子、3および4は分離回
路、5および6は補正回路、7および8はそれぞれロー
パスフィルタを示し、9、10、11はそれぞれ割り算
回路、かけ算回路、加算回路を示している。図3は従来
技術における単板カラーカメラ用色フィルタの一例を示
す図、図4は図3に示す色フィルタを組み合わせた場合
に、撮像素子から得られる出力信号がもつ周波数成分の
一例を示す図である。
【0004】ここで、上記色フィルタは図3に示すとお
り、透過光がW(白)、G(緑)、Cy(シアン)、Y
e(黄)である微小フィルタを垂直2画素×水平2画素
の繰り返しで配列したものであり、それぞれの微小フィ
ルタが撮像素子2の各画素に対応している。また、上記
撮像素子2は連続する2ラインの画素信号を同時に、し
かも分離して取り出せるものとする。
【0005】図3に示す色フィルタを用いたとき、水平
方向成分だけを考えたW、G、Cy、Yeの各画素によ
る空間的なサンプリングの関数lw(x)、lg
(x)、lc(x)、ly(x)は、それぞれ次式で示
される。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
【0008】ただし、Pxは撮像素子2の水平方向画素
ピッチであり、dxは画素の水平方向のアパーチャサイ
ズである。これらの式をフーリエ級数に展開すると次の
とおりになる。
【0009】
【数3】
【0010】
【数4】
【0011】ここで被写体の水平方向の変化をあらわす
関数をs(x)とし、そのうちの各色フィルタの透過光
成分の変化を表わす関数を、それぞれsw(x)、sg
(x)、sc(x)、sy(x)とすると、各画素信号
の変化を表わす関数swo(x)、sgo(x)、sc
o(x)、syo(x)はそれぞれ次式で示すようにな
る。
【0012】
【数5】
【0013】
【数6】
【0014】
【数7】
【0015】
【数8】
【0016】(3)式ないし(8)式より、各画素信号
がもつ周波数成分を表わす関数Swo(f)、Sgo
(f)、Sco(f)、Syo(f)はそれぞれ次式の
ように書き表わされる。
【0017】
【数9】
【0018】
【数10】
【0019】
【数11】
【0020】
【数12】
【0021】ただし、Sw(f)、Sg(f)、Sc
(f)、Sy(f)はそれぞれsw(x)、sg
(x)、sc(x)、sy(x)がもつ周波数成分を表
わす関数であり、*は重畳積分演算(f1(x)*f2
(x)=∫f1(y)・f2(x−y)dy:コンボリ
ューション)を表わすものとする。(9)式、(10)
式、(11)式、(12)式の比較から明らかなよう
に、Swo(f)あるいはSco(f)とSgo(f)
あるいはSyo(f)とはサンプリングに起因して発生
する高調波の側波帯成分のうち、奇数次の成分の位相が
πだけ異なったものになる。したがって、被写体がモノ
クロームであり、水平方向の周波数成分S(f)が図4
(a)に示すとおりであるとき、W、G、Cy、Yeの
画素信号がもつ周波数成分はそれぞれ図4(b)、図4
(c)、図4(d)、図4(e)に示すとおりである。
なおここでは、モノクロームの被写体に対するR
(赤)、G(緑)、B(青)の感度の比は2:2:1と
した。
【0022】上記の画素信号を用いて、例えばB信号を
求めるには次式で示す演算、すなわち
【0023】
【数13】
【0024】を行えばよく、その周波数成分SB(f)
は図4(f)に示すものとなる。図4(f)から明らか
なようにsB(x)はベースバンドのB信号に比べて大
きな奇数次の側波帯成分を持っている。上記側波帯成分
のうち、NTSC方式のクロマ信号の帯域内(単板カラ
ーカメラでは通常0.5MHz以内)で、ベースバンド
の信号に混入する成分がB信号の色モワレの原因にな
る。したがって、0.5MHz以下の帯域で奇数次の側
波帯成分がベースバンドの信号に混入するのを防止でき
れば、色モワレを除去することができる。
【0025】そこで図2に示した構成では、レンズ1を
通って被写体像に対応する撮像素子2の出力信号を、分
離回路3、4によって例えばWとGとの画素信号に分離
した後、補正回路5、6を経てローパスフィルタ7およ
び8に加え、それぞれの低周波数成分を取り出す。ここ
で、補正回路5、6の一例は、分離回路3、4から駆動
パルスに同期して得られる個々の画素信号の間に、一般
的な補間信号である前後の画素信号の加算平均信号を加
えるものである。ローパスフィルタ7、8によって取り
出される低周波数成分は、例えば図4(b)、図4
(c)に示す斜線の部分である。なお、ローパスフィル
タ7、8は入力信号の低周波数成分を分離したのち、そ
の低周波数成分が持つパワーを検出するものであっても
よい。
【0026】このとき、被写体が持つ水平方向の周波数
成分S(f)が図4(a)に示されるように比較的低周
波数成分が大きく、高周波数成分が小さいものであるな
らば、図4の(b)、(c)の観測から明らかなよう
に、ローパスフィルタ7およびローパスフィルタ8で取
り出される低周波数成分に混入する側波帯成分の、ベー
スバンド成分に対する比率は十分小さくなる。そこで、
ローパスフィルタ7およびローパスフィルタ8の出力信
号を、割り算回路9に加えて求めた両者の比は、おおよ
そ被写体が持つW成分とG成分との比に近い値になる。
このようにして割り算回路9で得られる、例えばGの低
周波数成分に対するWの低周波数成分の比率を、かけ算
回路10によって分離回路4から得られるGの画素信号
と掛け合わせる。この結果、かけ算回路10からは図4
(g)に示すとおりベースバンド成分の大きさがほぼ図
4(b)に示す被写体のW成分の大きさに等しく、奇数
次の側波帯成分の位相が図4(b)とは逆位相である周
波数成分を持つ信号が得られる。こうして得られたかけ
算回路10の出力信号を、加算回路11によって分離回
路3から得られるWの画素信号と加え合わせれば、図4
(h)に示すとおり、奇数次の側波帯成分が十分低減さ
れたW信号が得られる。同様にして各画素信号の奇数次
の側波帯成分を低減すれば、これらの信号を用い(1
3)式の演算によって得られたB信号においても、奇数
次の側波帯成分は低減され色モワレが大幅に改善され
る。
【0027】しかしながら、図5(a)に示すように、
被写体が持つ周波数成分が高い周波数領域でも大きな場
合には、WおよびGの画素信号が持つ周波数成分は、そ
れぞれ図5(b)、(c)に示すとおりである。このと
きローパスフィルタ7、ローパスフィルタ8から得られ
るW、Gの低周波数成分では、図5(b)、(c)の斜
線部分に示すように、ベースバンド成分に対する側波帯
成分の比率が大きくなるので、割り算回路9から得られ
る信号の大きさは、被写体が持つW成分とG成分の比と
は異なるものとなる。このため、割り算回路9の出力信
号と分離回路4から得られるGの画素信号とをかけ算回
路10に加えて得られる信号の周波数成分は、図5
(d)に示すようにベースバンド成分の大きさが図5
(b)のものとは若干異なるものになる。この結果、か
け算回路10の出力信号と分離回路3から得られるWの
画素信号とを、加算回路11によって加え合わせた信号
の周波数成分は、図5(e)に示すように、ベースバン
ド成分の大きさが本来のW成分の大きさとは若干異な
り、奇数次の側波帯成分が若干残るものとなる。
【0028】また、水平方向の明るさの変化が図6
(a)に示す波形であるモノクロームの被写体を想定
し、それぞれx=2n・Pxの位置がWの画素に対応
し、x=(2n+1)・Pxの位置がGの画素に対応す
る場合を考える(ただしnは整数)。ここで明るさの変
化は、x=(2n−1)・Pxとx=2n・Pxの間に
存在するものとする。このとき図2に示す従来例の構成
において、分離回路3および分離回路4から得られるW
およびGの画素信号は、それぞれ図6(b)、(c)に
斜線を施して示すものとなる。また、分離回路3、4の
出力信号を補正回路5、6に加えて得られる出力波形
は、それぞれ図6(b)、(c)に破線で示したもので
ある。これらの信号の大きさがピークで一致するように
ゲインの校正を行い、両者間の差信号を求めれば図6
(d)に示すものとなる。差信号の大きさは、これらの
信号を用いて求めた色信号で発生する色モワレの大きさ
に対応する。
【0029】ここで図6(b)、(c)に破線で示す補
正回路の出力信号を、例えば次式の演算
【0030】
【数14】
【0031】を行うローパスフィルタ7、ローパスフィ
ルタ8に加えてW、Gの低周波数信号を求めると、それ
ぞれ図6(b)、(c)に細線で示した波形になる。こ
の結果、図2に示す構成の補間処理を施すと、図6
(e)、(f)に示すW、Gの信号が得られる。したが
って、その差信号は図6(g)に示すものとなる。図6
(d)、(g)の比較から明らかなように、補間処理を
施すことによってW信号とG信号の差信号は大幅に低減
する。
【0032】しかし、図6(d)、(g)を詳細に比較
すると、補間処理を施した場合の差信号は、原信号が急
峻に変化するx=(2n−1)・Pxからx=2n・P
xの間では補間処理前のものに比べて大幅に小さくなる
のに対して、x=(2n−2)・Px以下、x=(2n
+1)・Px以上では若干劣化する。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の信号補
間方法は、被写体のエッジ部等で発生する偽の色信号を
大幅に軽減できるが、被写体が持つ周波数成分のうちの
高い周波数成分の大きさが、低周波数成分の大きさと比
較して大きな割合を占める場合には、改善効果が低減す
るという問題があった。
【0034】本発明の第1目的は、被写体が持つ高い周
波数成分の大きさが低周波数成分の大きさと比較して大
きな割合を占める場合にも、被写体のエッジ部で発生す
る偽の色信号を大幅に軽減できる信号補間装置を得るこ
とにある。
【0035】また、上記従来技術の信号補間方法は、急
峻に明るさが変化する被写体の局所では偽の色信号を大
幅に軽減できるが、周辺部では若干劣化するという問題
があった。本発明の第2の目的は、急峻に明るさが変化
する被写体の周辺部でも偽の色信号に対する改善効果が
劣化することがない信号補間装置を得ることにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、複数
の光電変換部に複数種の色フィルタを繰り返し対応させ
た撮像素子と、上記撮像素子の前面に設けた被写体の解
像度を制限する光学的なフィルタと、上記複数の光電変
換部のうちの任意の光電変換部から得られる第1の信号
と同種の上記色フィルタに対応する第1の信号列を、上
記撮像素子の出力信号から取り出す第1のサンプル手段
と、上記第1の信号列とは対応する上記色フィルタが異
なる第2の信号列を、上記撮像素子の出力信号から取り
出す第2のサンプル手段と、上記第1のサンプル手段の
出力信号の補間処理および帯域制限を行うための第1の
処理手段と、上記第2のサンプル手段の出力信号の補間
処理および帯域制限を行うための第2の処理手段と、上
記第1の処理手段の出力信号と上記第2の処理手段の出
力信号との比に対応した係数を求める係数手段と、上記
第1の信号と上記係数手段の出力信号との間の演算を行
う演算手段と、上記第2のサンプル手段の出力信号を、
上記演算手段の出力信号で補間する補間手段を備えるこ
とにより達成される。
【0037】また、上記第2の目的は、原信号との関係
が、それぞれ互いに異なる複数種の信号を交互に取り出
して並べた信号源から、任意に選んだ第1の信号と、上
記原信号との関係が同種である第1の信号列を上記信号
源から取り出す第1のサンプル手段と、上記信号源から
上記第1の信号列とは種類が異なる第2の信号列を取り
出す第2のサンプル手段と、上記第1のサンプル手段の
出力信号の補間処理および帯域制限を行うための第1の
処理手段と、上記第2のサンプル手段の出力信号の補間
処理および帯域制限を行うための第2の処理手段と、上
記第1の処理手段の出力信号と上記第2の処理手段の出
力信号との比に対応する係数を求める係数手段と、上記
第1の信号と上記係数手段の出力信号との間の演算を行
う演算手段と、上記第2の信号列のうちの上記第1の信
号の周辺で得られる信号から、第1の補間信号を得る補
正手段と、上記第1の信号の周辺での上記原信号の急峻
な変化を検出する検出手段と、上記検出手段の出力信号
に応じて、上記演算手段の出力信号と上記補正手段の出
力信号とを切り替えて出力する切り替え手段と、上記第
2のサンプル手段の出力信号を、上記切り替え手段の出
力信号で補間する補間手段を備えることにより達成され
る。
【0038】
【作用】本発明による信号補間装置では、複数種の色フ
ィルタを組み合わせた撮像素子の前面に設けた光学的フ
ィルタが、被写体が持つ空間的な周波数成分のうちから
側波帯成分となり、上記係数を求める際の変換手段であ
るローパスフィルタの帯域内に混入する成分を低減する
ように動作する。この結果、上記ローパスフィルタから
得られる信号の比は、2つの信号のベースバンド成分の
比に近い値となるので、これを用いた上記演算手段の出
力信号による補間によって、偽の色信号に対する十分な
改善効果を得ることができる。
【0039】また、本発明によれば、上記検出手段が上
記第1の信号の周辺における被写体の急峻な変化を検出
しない場合には、上記切り替え手段が上記第1の信号の
周辺で得られる上記第2の色信号列から求めた信号を用
いて補間を行うように動作するので、被写体の急峻な変
化から離れた位置まで、急峻な変化の影響が及ぶことは
ない。
【0040】
【実施例】つぎに本発明の実施例を図面とともに説明す
る。図1は本発明による信号補間装置の一実施例を示す
構成図、図7は上記実施例で得られる信号の周波数成分
を示す図、図8は光学的なローパスフィルタの動作を示
す図、図9は本発明の他の実施例の構成を示す図、図1
0は本発明の実施例で得られる信号波形の一例を示す図
である。上記実施例の撮像素子2には図2に示した従来
例と同様に、図3に示す色フィルタを組み合わせるもの
とする。上記実施例が図2に示した従来例の構成と相異
する点は、レンズ1と撮像素子2との間に光学ローパス
フィルタ12を備えていることである。すなわち本実施
例の構成は、レンズ1を通った被写体像が光学ローパス
フィルタ12を経由して撮像素子2に至り、上記撮像素
子2の出力信号を分離回路3と分離回路4とによって、
例えばWとGの画素信号に分離したのち、補正回路5お
よび6を経てローパスフィルタ7および8に加え、それ
ぞれの低周波数成分を取り出す。上記ローパスフィルタ
7および8の出力信号を割り算回路9に加え、得られた
画素信号Gの低周波数成分に対する画素信号Wの低周波
数成分の比率を、かけ算回路10により上記分離回路4
から得られる画素信号と掛け合わせ、上記かけ算回路1
0の出力信号を加算回路11により上記分離回路3から
得られるWの画素信号と加え合わせ、奇数次の側波帯成
分を低減したW信号を得る。上記光学ローパスフィルタ
12は、例えば厚さdを目的の通過帯域に対応させた水
晶板を用いて実現することができる。すなわち図8
(a)に光学系の光路方向での断面図を示すように、レ
ンズ(図の上方、図示せず)より水晶板15に入射した
光は、直進する光路と角度θだけ屈折して進む光路との
2つの光路に分かれ、水晶板15からは2つの平行光と
なって撮像素子2に向う。この結果、撮像素子2の撮像
面には距離がd・tanθだけずれた2重像が結像す
る。
【0041】このとき、被写体像の水平方向での明るさ
の変化を表わす関数をs(x)とおくと、撮像素子2の
撮像面に結像する像の明るさの変化を表わす関数o
(x)は次式となる。
【0042】
【数15】
【0043】ただし、dx=d・tanθである。した
がってs(x)=exp(j2πf・x)とおくとo
(x)は次のようになる。
【0044】
【数16】
【0045】すなわち被写体像が持つ周波数成分は、水
晶板を通過することによってcos(πf・dx)で表
わされる周波数特性が掛け合わされたものとなり、この
結果、図8(b)に示す特性の光学的なローパスフィル
タが実現される。
【0046】したがって、被写体が持つ周波数成分が図
5(a)に示すように、低周波数成分と比較して大きな
高い周波数成分を持っていても、光学ローパスフィルタ
12を通過して撮像素子2に結像する像が持つ周波数成
分は、図7(a)に示す高い周波数成分が抑圧されたも
のとなる。この結果、分離回路3および4によって分離
されたW、Gの画素信号が持つ周波数成分は、図7
(b)、(c)に示すとおりになる。図5(b)、
(c)に示す従来例の場合との比較から明らかなよう
に、図7(b)、(c)ではローパスフィルタ7、8の
帯域内で、ベースバンド成分に混入する側波帯成分が十
分低減される。これにより、ローパスフィルタ7、8の
出力信号を割り算回路9に加えて得られる信号は、W、
Gのベースバンド成分の比に近い値となる。なお、ロー
パスフィルタ7、8が入力信号の低周波数成分を分離し
たのち、その低周波数成分が持つパワーを検出するもの
であってもよいことは従来技術での場合と同様である。
【0047】これを掛け算回路10によって図7(c)
に示す分離したGの画素信号と掛け合わせると、図7
(d)に示すように図7(b)の分離回路3の出力信号
とはベースバンド成分の大きさがほぼ等しく、奇数次の
側波帯成分の位相が逆相である周波数成分をもつ信号が
得られる。上記演算は係数を直接掛け合わせる方法や係
数を変化した上で掛け合わせる方法等がある。この結
果、かけ算回路10の出力信号と分離回路3の出力信号
とを、加算回路11によって加え合わせて得られる信号
は、図7(e)に示すように奇数次の側波帯成分が十分
低減されたものとなる。したがって、これらの信号を用
いて得られるクロマ信号からは偽の色信号が抑圧され、
再生画上の色モワレの除去が実現できる。
【0048】なお、水晶板を用いた光学的なローパスフ
ィルタは、被写体の高い周波数成分を低減する効果自体
が、色モワレを低減するために利用されている。しか
し、水晶板だけによる方法では、高い周波数成分が低減
されるとはいえ、クロマ信号の周波数帯域に混入する側
波帯成分がそのまま偽の色信号になる。このため、十分
な色モワレの低減効果を得るには、図8(c)に示すよ
うに水晶板を2枚用いて3重像に分離するなど、さらに
高い周波数成分を低減する方法が必要である。3重像に
分離する方法では被写体の周波数成分に対して、図8
(d)に示す周波数特性が掛け合わされるので、色モワ
レは十分低減されるけれども解像度が大きく劣化する。
これに対して本発明の方法では、補間によって側波帯成
分自体が低減されるので、水晶板1枚だけでもクロマ信
号の周波数帯域に混入する側波帯成分は十分抑圧され、
偽の色信号に対する低減効果は絶大である。
【0049】一方、本発明の第2の目的に対する一実施
例を、図9に示す構成図により説明する。図9に示す構
成図が図2に示す従来技術の構成図と異なる点は、かけ
算回路10の出力信号をゲート回路13を介して加算回
路11に加えることである。このとき、上記ゲート回路
13のもう一方の入力には、補正回路5の出力信号を加
える。上記補正回路5の動作は図2に示す従来技術の構
成のものと同様である。また、ゲート回路13は撮像素
子2の出力信号から被写体の明るさの急峻な変化を検出
する検出回路14の出力信号で制御される。
【0050】ここで検出回路14の動作の一例は、例え
ば撮像素子2からGの画素信号G0が得られる図6
(c)に示すx=(2n−1)・Pxにおいては、画素
信号G0とx=(2n−3)・Pxで得られる画素信号
G−1との差信号D1、および画素信号G0とx=(2
n+1)・Pxで得られる画素信号G+1との差信号D
2、および図6(b)に示すx=(2n−2)・Pxで
得られる画素信号W−1と、x=2n・Pxで得られる
画素信号W+1との差信号D3を求め、これらのうちの
いずれかが別に定めた境界値よりも大きいかどうかの判
別信号を出力する。このときの境界値の一例を示すなら
ば、差信号D1あるいはD2と比較する境界値には画素
信号G0、G−1、G+1のうちの最大値の数分の1
(例えば1/2)、差信号D3と比較する境界値には画
素信号W−1、W+1のうちの最大値の数分の1など、
その値を差信号が越えれば被写体の変化が明らかである
大きさを選べばよい。
【0051】このようにして検出回路14から得た出力
信号が、被写体の明るさの急峻な変化を示すものである
とき、ゲート回路13はかけ算回路10の出力信号を加
算回路11に送り、被写体の明るさが急峻な変化を示す
ものでないとき、ゲート回路13は補正回路5の出力信
号を加算回路11に送る。この結果、検出回路14の動
作が例えば上記のとおりであるとき、上記ゲート回路1
3からは、x=(2n−2)・Pxないしx=(2n+
1)・Pxの範囲では上記かけ算回路10の出力信号が
得られ、それ以外の範囲では上記補正回路5からの出力
信号が得られる。すなわち、上記ゲート回路13から
は、x=(2n−2)・Pxないしx=(2n+1)・
Pxの範囲で図6(e)に示すGの画素信号が得られ、
それ以外の範囲では図6(b)に示すGの画素信号が得
られるので、図10(b)に示すGの画素信号になる。
また、同様の処理をWの画素信号に対して施すことによ
って、図6(f)および(c)の信号から図10(a)
に示すWの画素信号が合成される。この結果、2つの出
力信号の大きさを校正して求めた差信号は図10(c)
に示すものとなる。
【0052】図6(d)、(g)と図10(c)との比
較から、図9に示す構成の実施例によれば、被写体の明
るさが急峻に変化する部分の差信号が、従来技術の方法
と同様大幅に改善され、しかも、周辺部での差信号が従
来技術の方法に比べて小さい差信号が得られる。
【0053】上記のように本発明の説明は、2種の色信
号が交互に得られる撮像素子の出力信号から、画素のサ
ンプリング周期ごとに各色信号を得る場合を例にとって
行ったが、互いに相関が大きな3種類以上の信号を一定
の順序でサンプリングして並べた信号から、サンプリン
グ周期ごとに各信号を再生する場合に拡張することが可
能である。
【0054】なお、本発明の実施例の説明は、ハードウ
ェア的手段を用いる場合を例にとって行ったが、汎用の
コンピュータ等を用いることによって、ソフトウェア的
手段によっても同様に実現可能なことは明らかである。
【0055】
【発明の効果】上記のように本発明による信号補間装置
は、少なくとも1次元方向に複数の光電変換部を配列
し、上記複数の光電変換部に複数種の色フィルタを繰り
返し対応させた撮像素子と、上記撮像素子の前面に設け
た被写体の解像度を制限する光学的なフィルタと、上記
複数の光電変換部のうちの、任意の光電変換部から得ら
れる第1の信号と同種の上記色フィルタに対応する第1
の信号列を、上記撮像素子の出力信号から取り出す第1
のサンプル手段と、上記第1の信号列とは対応する上記
色フィルタが異なる第2の信号列を、上記撮像素子の出
力信号から取り出す第2のサンプル手段と、上記第1の
サンプル手段の出力信号の補間処理および帯域制限を行
うための第1の処理手段と、上記第2のサンプル手段の
出力信号の補間処理および帯域制限を行うための第2の
処理手段と、上記第1の処理手段の出力信号と上記第2
処理手段の出力信号との比に対応した係数を求める係
数手段と、上記第1の信号と上記係数手段の出力信号と
の間の演算を行う演算手段と、上記第2のサンプル手段
の出力信号を上記演算手段の出力信号で補間する補間手
段を備えたことにより、被写体がもつ高い周波数成分の
大きさが、低周波数成分の大きさと比較して大きな割合
を占める場合にも、被写体のエッジ部で発生する偽の色
信号を大幅に軽減できる。また、本発明の信号補間装置
によれば、急峻に明るさが変化する被写体の周辺部でも
偽の色信号に対する改善効果が劣化するということはな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による信号補間装置の構成図である。
【図2】従来技術による信号補間装置の構成図である。
【図3】色フィルタの配列の一例を示す図である。
【図4】従来技術で得られる信号がもつ周波数成分の一
例を示す図である。
【図5】従来技術で得られる信号がもつ周波数成分の他
の一例を示す図である。
【図6】従来技術で得られる信号波形の一例を示す図で
ある。
【図7】本発明の実施例で得られる信号の周波数成分を
示す図である。
【図8】光学的なローパスフィルタの動作を示す図であ
る。
【図9】本発明による信号補間装置の他の実施例の構成
を示す図である。
【図10】上記実施例で得られる信号波形の一例を示す
図である。
【符号の説明】
2 撮像素子 3、4 サンプル手段(分離回路) 5、6 補正手段 7、8 変換手段(ローパスフィルタ) 12 光学的ローパスフィルタ 13 切り替え手段(ゲート回路) 14 検出手段

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1次元方向に複数の光電変換部
    を配列し、上記複数の光電変換部に複数種の色フィルタ
    を繰り返し対応させた撮像素子と、上記撮像素子の前面
    に設けた被写体の解像度を制限する光学的なフィルタ
    と、上記複数の光電変換部のうちの任意の光電変換部か
    ら得られる、第1の信号と同種の上記色フィルタに対応
    する第1の信号列を、上記撮像素子の出力信号から取リ
    出す第1のサンプル手段と、上記第1の信号列とは対応
    する上記色フィルタが異なる第2の信号列を、上記撮像
    素子の出力信号から取り出す第2のサンプル手段と、上
    記第1のサンプル手段の出力信号の補間処理および帯域
    制限を行うための第1の処理手段と、上記第2のサンプ
    ル手段の出力信号の補間処理および帯域制限を行うため
    の第2の処理手段と、上記第1の処理手段の出力信号と
    上記第2の処理手段の出力信号との比に対応した係数を
    求める係数手段と、上記第1の信号と上記係数手段の出
    力信号との間の演算を行う演算手段と、上記第2のサン
    プル手段の出力信号を、上記演算手段の出力信号で補間
    する補間手段とを備えた信号補間装置。
  2. 【請求項2】固体撮像素子から得られる被写体情報を含
    む原信号との関係がそれぞれ互いに異なる複数種の信号
    を交互に取り出して並べた信号源から、任意に選んだ第
    1の信号と上記原信号との関係が同種である第1の信号
    列を、上記信号源から取り出す第1のサンプル手段と、
    上記信号源から上記第1の信号列とは種類が異なる第2
    の信号列を取り出す第2のサンプル手段と、上記第1の
    サンプル手段の出力信号の補間処理および帯域制限を行
    うための第1の処理手段と、上記第2のサンプル手段の
    出力信号の補間処理および帯域制限を行うための第2の
    処理手段と、上記第1の処理手段の出力信号と上記第2
    処理手段の出力信号との比に対応する係数を求める係
    数手段と、上記第1の信号と上記係数手段の出力信号と
    の間の演算を行う演算手段と、上記第2の信号列のうち
    の上記第1の信号の周辺で得られる信号から、第1の補
    間信号を得る補正手段と、上記第1の信号の周辺での上
    記原信号の急峻な変化を検出する検出手段と、上記検出
    手段の出力信号に応じて、上記演算手段の出力信号と上
    記補正手段の出力信号とを切り替えて出力する切り替え
    手段と、上記第2のサンプル手段の出力信号を、上記切
    り替え手段の出力信号で補間する補間手段とを備えた信
    号補間装置。
  3. 【請求項3】上記第1の処理手段および上記第2の処理
    手段は、入力信号の低周波数成分を出力するローパスフ
    ィルタを含むことを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の信号補間装置。
  4. 【請求項4】上記第1の処理手段および上記第2の処理
    手段は、入力信号の低周波数成分がもつパワーに対応し
    た信号を、出力する回路を含むことを特徴とする請求項
    1または請求項2記載の信号補間装置。
  5. 【請求項5】上記演算手段は、上記係数手段の出力信号
    と上記第1の信号との乗算を行うことを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の信号補間装置。
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