JP3125920B2 - ハンドレール - Google Patents

ハンドレール

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JP3125920B2
JP3125920B2 JP08295493A JP29549396A JP3125920B2 JP 3125920 B2 JP3125920 B2 JP 3125920B2 JP 08295493 A JP08295493 A JP 08295493A JP 29549396 A JP29549396 A JP 29549396A JP 3125920 B2 JP3125920 B2 JP 3125920B2
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武夫 高星
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエスカレータやオー
トラインの乗客の手すりとして用いられる新規なハンド
レールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、デパートや駅、空港等の建造物
内に設置されているエスカレータやオートラインには乗
客を安定して搬送するためにハンドレールと呼ばれる手
すりが設けられている。このハンドレールは駆動プーリ
ー間に架け渡された無端状のエンドレスベルトであり、
エスカレータやオートラインの動きと同期しながら連続
かつ循環的に駆動されるようになっている。
【0003】このハンドレールは、図5に示すように、
横断面が略C字型に形成されており、その開口側が例え
ば断面略T字型をしたガイドレールGの頂部に係合され
ながらガイドレールGに沿って循環走行されるようにな
っている。そして、このハンドレールHはガイドレール
G側に接触する部分が綿布を複数積層してなる帆布層1
で形成されてガイドレールGとの摩擦抵抗が低減されと
共に、その外側がこれを覆うように被覆された化粧ゴム
2から形成されて触感性や美観が向上されるようになっ
ている。さらに、またこの化粧ゴム2内には複数本のス
チールワイヤ3aからなるテンションメンバ3がその長
さ方向に沿って埋め込まれており、これによって張力に
対するハンドレールHの伸びが防止されるようになって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ハンドレールHは従来、その殆どがデパートや駅等の屋
内で使用されている例が多いが、近年の建造物の多様化
により、屋外で使用される例が増えてきている。
【0005】しかしながら、このような屋外で使用した
場合には、雨水や埃の影響を受けやすいことから、屋内
で用いられる場合には考えられなかった様々な問題点が
発生してきている。すなわち、従来のハンドレールH
は、ガイドレールGとの摩擦を低減するための帆布層1
に綿の織物を用いていることから、これをそのまま屋外
で用いると、この帆布層1が雨水などの水分を吸収して
しまい、これに埃や雑菌などが付着繁殖してその帆布層
1表面にヌメリ(滑り)が発生し、これによってハンド
レールHが空回りし易くなってしまう。そのため、この
空回りを防止するためにハンドレールHの張力を上げる
と、ハンドレールH全体に大きなストレスが掛かり、寿
命が低下してしまう。また、テンションメンバとして金
属製のスチールワイヤ3aを用いていることから、帆布
層1の表面から浸透した水分の影響によってこれが錆び
てしまい、ハンドレールH全体が縮んで走行抵抗が増大
してしまったり、さらに、最悪の場合には錆や張力の増
大によりスチールワイヤ3aが断線して、その端部が帆
布層1あるい化粧ゴム2表面から飛び出して乗客が怪我
をしてしまうといったことも考えられる。
【0006】そこで、本発明はこのような課題を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は雨水
や埃の影響を受けやすい屋外での使用にも充分耐え得る
ことができる新規なハンドレールを提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らは、テンションメンバ3として上述したよ
うな不都合を招くスチールワイヤ3aに代わり、化学繊
維、例えば、レーヨンをスダレ織りしたものを用いるこ
とを検討してみたが、このレーヨンの場合、初期の伸び
が多いので既存のハンドレールHとの互換性に乏しい上
に、使用中にさらに伸びが発生するため、途中での長さ
調整が必要であるなどの欠点が多く、実用化は困難であ
ることがわかった。そこで、比較的の伸びの少ないアラ
ミド繊維をスダレ織りしたものを用いることにしたが、
図6に示すようにハンドレールHを背面側に凹状に湾曲
したときに化粧ゴム2表面に横しわが浮きだし、その表
面に凹凸ができてしまい、美観を大きく損なってしま
う。これは、図7に示すように、横糸Yと交差する部分
で縦糸Tが上方に浮いてしまうからであり、これによっ
て美観を損なうばかりでなく化粧ゴム2にストレスが溜
まり、ハンドレールH自体の寿命が極端に短くなってし
まうことが分かった。そのため、さらにこの横糸Yをな
くして縦糸Tだけのハンドレールを試作してみたが、図
8に示すように、それでも縦糸Tの撚りがほつれてしま
い、これが化粧ゴム2の表面に浮き出て外観を損なうこ
とが分かった。尚、この程度は縦糸Tの撚り数を多くす
るほど、あるいは縦糸の太さを細くするほど改善される
が、そうすると、スチールワイヤ入りハンドレールの場
合よりさらに伸びを大きくすることになり、実用化には
至らなかった。
【0008】一方、ハンドレールの伸びを防止するため
に、帆布層に厚い織物、例えば、1.3mm前後を超え
るような厚い織物を用いると、帆布層全体の剛性が高く
なってその耳部Acがつるという現象が起こることがあ
る。そして、この現象が極端な場合にはハンドレールを
少し曲げただけでその耳部Acが変形して摩擦抵抗が増
大したり、亀裂が入ってしまうことがある。
【0009】そこで、上述した様々な課題を解決するた
めに本発明は、先ず、横断面略C字型をした無端帯状の
帆布層の背面に化粧ゴムを重ね合わせると共に、これら
帆布層あるいは化粧ゴムの内部にテンションメンバを埋
め込んでなるハンドレールにおいて、上記帆布層を帯状
の帆布を複数、積層して形成し、これら帆布のうち、露
出側に位置する第一帆布をポリエステル繊維又はポリア
ミド繊維からなる織物で形成すると共に、この第一帆布
を除く残りの帆布のうち少なくとも一つを綿からなる織
物で形成したものである。
【0010】すなわち、本発明はハンドレールの一部を
構成するの帆布層のうち、露出側(内面)に位置する第
一帆布を従来の綿に代えて、低吸水性及び抗菌性等に優
れたポリエステル繊維又はポリアミド繊維からなる織物
で形成することにより、埃や細菌等の付着繁殖によるヌ
メリを効果的に抑制することができる。さらに、この第
一帆布を除く他の帆布のうち、少なくとも一つを綿の織
物で形成することにより、この綿の帆布が水分を吸っ
て、ハンドレールの伸びを相殺するように縮むこととな
り、ハンドレールの伸びを未然に防止することが出来
る。
【0011】さらにこの第一帆布として上記帆布層の長
さ方向にバイアスにカットしたものを用いることによ
り、これがその長さ方向及び幅方向に伸縮し易くなって
帆布層表面の剛性が低下し、耳部に発生する変形や亀裂
を抑制することが出来る。
【0012】また、上記テンションメンバとして、アラ
ミド繊維、又はアラミド繊維を主体とする化学繊維から
なる幅20mm〜50mmの帯体からなるものを用いる
ことにより、スチールワイヤと同等の引張強度を発揮し
て伸びを抑えることができると共に、スチールワイヤを
用いた場合のような水分のよる悪影響を未然に防止する
ことができる。
【0013】さらに、上記テンションメンバとして、成
形前に予めプリテンションを加えて初期伸びを抑えたも
のを用いることにより、成形後のテンションメンバの伸
びを低く抑えることが出来る。
【0014】また、上記帯体として、その長さ方向に直
線状に延びる複数本の主縦糸と、これを格子状に横断す
る複数本の横糸と、この縦糸と横糸の交差部を主縦糸に
沿って連結するバインダー用縦糸とからなるものを用い
ることでハンドレール自体が凹状に湾曲しても縦糸が化
粧ゴム表面に浮きだすようなことはなく美観の悪化など
を招くことがなくなる。
【0015】さらに、このバインダー用縦糸として、主
縦糸の1/2以下の細径のものを用いることで、主縦糸
のみならず、バインダー用縦糸の浮き出しも効果的に抑
制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形
態を添付図面を参照しながら説明する。
【0017】図1は本発明に係るハンドレールAの実施
の一形態を示したものであり、図中1は断面略C字形状
に形成された帆布層、2はこの帆布層1の背面部に被覆
形成される化粧ゴム、3はこの帆布層1内に埋設された
テンションメンバーである。
【0018】先ず、この帆布層1は帯状に織り込まれた
帆布1aを天然ゴムや合成ゴムなどの層間ゴムを接着剤
として複数層状に積層してなるものであり、本実施の形
態に示す帆布層1ではこのような帆布1aが図示しない
層間ゴムを介して5層積層して形成されている。
【0019】また、この帆布層1を形成する帆布1aの
うち、露出している内面側に位置する第一帆布1a−1
は抗菌性、低吸水性等に優れた化学繊維からなる織物で
形成されている。すなわち、この第一帆布1a−1を従
来から一般的に用いられている綿に代えてこのような化
学繊維から形成することで、その表面に水分や埃が付着
してもこれに細菌が繁殖し難くなり、帆布層1表面に発
生するヌメリを効果的に抑制することができる。そし
て、この化学繊維として具体的には、表1に示すよう
に、従来の綿やレーヨンに比較して低吸水性、耐摩耗
性、寸法安定性、耐微生物分解性、入手のし易いさ、価
格変動等の点に優れているポリエステル繊維又はポリア
ミド繊維が最適である。
【0020】
【表1】
【0021】また、さらにこの第一帆布1a−1は図2
に示すように、その長さ方向にバイアスにカットした織
物からなっており、その長さ方向及び幅方向に自由に伸
縮できるような構造となっている。従って、例えば、帆
布層1の露出表面側の剛性が低下して可撓性が向上し、
ハンドレールを曲げた際の耳部Acのつりがなくなり、
耳部Acの変形や亀裂を未然に防止することができる。
【0022】また、この帆布層1を構成する他の帆布1
aのうち、少なくとも1層以上は、従来と同様に綿から
なる織物で形成されている。これは綿が化学繊維に比較
して水分吸収性に優れると共に、後述するように水分を
吸収すると、数%程度縮む性質を利用したものである。
従って、このような綿製の帆布1a−2を帆布層1の一
部として、例えば図示するようにテンションメンバ3の
両側に設け、これが水分を吸収して縮むことにより、帆
布層1全体の伸びは勿論、ハンドレールの伸びを相殺す
るように作用し、ハンドレールの伸びを未然に防止する
ことが出来る。
【0023】次に、この帆布層1の背面側に被覆形成さ
れる化粧ゴム2としては、良好な触感性、耐汚染性、耐
繰返し伸長、曲げ性、着色性に優れたゴムであれば、特
に限定され得るものではなく、例えば、従来と同様にク
ロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、
スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等の
合成ゴムや天然ゴムをそのまま用いることができる。
【0024】次に、この帆布層1内に埋設されたテンシ
ョンメンバ3は、優れた引張強度を有するアラミド繊
維、又はアラミド繊維を主体とする化学繊維からなる帯
体3bからなっている。
【0025】周知の通り、このアラミド繊維は化学繊維
の中でも特に引張強度が高く、例えば1500デニール
あたり、25〜30kgf程度の強度を有することか
ら、これを数本撚り合わせて縦糸を形成すれば、縦糸1
本あたり、50〜200kgfの引張強度を得ることが
できる。そして、ハンドレールとしての引張力は実用上
1000kgf程度、余裕を加えても2000kgfあ
れば、十分であるため、このような縦糸を十数本〜数十
本を用いれば、引張強度としては全く問題はない。従っ
て、このようなアラミド繊維からなる帯体3bをテンシ
ョンメンバー3として用いることで、従来のスチールワ
イヤ3aと同等の引張力を発揮してハンドレールA全体
の伸びを効果的に抑えることができると共に、帆布槽1
内に水が侵入してきた場合であっても、スチールワイヤ
3aを用いた場合のような水分による悪影響が殆どな
い。
【0026】具体的にその構成を説明すると、この帯体
3bは図3及び図4に示すように、その長さ方向に直線
状に延びる複数本の主縦糸4aと、これを格子状に横断
する複数本の横糸4bと、この縦糸4aと横糸4bの交
差部を主縦糸4aに沿って連結するバインダー用縦糸4
cとから形成されている。従って、この主縦糸4aが高
い抗張力を発揮してこのハンドレールAの伸びを防止す
ると共に、直線状に配置されているため、ハンドレール
A自体が凹状に湾曲しても主縦糸4aや横糸4bがばら
けたり弛んだりして化粧ゴム2表面に浮き出すようなこ
とがなくなり、従来のような美観を損ねたりするような
不都合を招くことはない。尚、このアラミド繊維は伸び
が少なければ少ないほど良いため、図示するようにその
長さ方向に沿って出来るだけ直線状に入れるようにする
ことは勿論である。
【0027】また、この帯体3bの幅は帆布層1内に充
分隠れる程度で、例えば、20mm〜50mmの範囲に
設定されている。すなわち、帯体3bの幅が狭すぎると
規定の引張力を出し難くなる上に、ハンドレールの横断
面形状を維持する力が弱まってガイドレールから外れや
すくなってしまう。また、反対に幅が広すぎると剛性ハ
ンドレールA全体の剛性が高くなりすぎて曲がりにくく
なる上に、高価なアラミド繊維を大量に使用することと
なり、コストアップを招くといった不都合があるからで
ある。そして、この帯体3bは、通常広幅に織られ、そ
の表面に接着剤処理を施し、両面又は片面に薄いゴムを
被覆した後、上述したように20mm〜50mm程度の
範囲の適宜幅に切断して用いられることになる。
【0028】また、このバインダー用縦糸4cは主縦糸
4aと横糸4bがずれたりほつれたりするのを防止する
ものであることから、その径は主縦糸の1/2以下の細
径のもので十分であり、これによってもバインダー用縦
糸4c自体の浮き出しも効果的に抑制することができ
る。また、図示するように、このバインダー用縦糸4c
は横糸4bに巻き付けるように織り込まれることから、
主縦糸4aのように必ずしもまっすぐにならなくても問
題はない。また、このバインダー用縦糸4cと主縦糸4
aはいずれもその長さ方向に延びるように入っている
が、その入れ方は交互に入れるのがほつれに対して最も
効果的である。しかしながら、主縦糸4a2本に対して
バインダー用縦糸4b1本であってもあるいはそれ以上
粗くしても良く、本発明は図示するような場合に限定さ
れない。さらに、このバインダー用縦糸4b及び横糸4
bに限ってその材質は特にアラミド繊維に限定されず、
例えば、安価なポリエステル、ポリアミド、綿等を用い
ればコストの低減が達成できる。
【0029】また、上述したようなテンションメンバ3
に予め実際に加わる程度の荷重のプリテンションを加え
て伸ばしておくことで、成形後のプリテンションメンバ
3の初期伸びを効果的に抑えることが出来る。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。
【0031】(実施例1)表2に示すような材質からな
る帆布用の織物を形成し、それらを水浸漬12時間→自
然乾燥12時間のサイクルを20サイクル(合計240
時間)繰り返した後、これら織物の収縮率を測定した。
尚、これと同時に、アラミド繊維からなる主縦糸と、ポ
リエステル繊維からなるバインダー用縦糸及び横糸とを
図3に示すように織り込んだテンションメンバを形成
し、このテンションメンバにも同様な試験を行い、その
収縮率を測定した。
【0032】
【表2】
【0033】その結果、表2に示すように、ポリエステ
ル紡績糸、ポリエステルフィラメント糸、ポリアミドフ
ィラメント糸からなる帆布では殆ど収縮が起こらなかっ
たが、綿からなる帆布の場合では縦横方向に大きな収縮
がみられた。一方、テンションメンバの場合では収縮が
殆ど発生しなかった。この実験結果から明らかなよう
に、綿からなる帆布の場合では化学繊維からなる帆布に
比べて水分の吸収、乾燥を繰り返すことで大きく収縮す
ることが分かる。
【0034】(実施例2)表3に示すように第一帆布を
ポリエステル繊維又はポリアミド繊維を用い、第2帆布
〜第5帆布をポリエステル又は綿からなる4種類の帆布
層を用いて図1に示すような構成をした4種類のハンド
レールを製作した後、これら各ハンドレールについて連
続走行寿命試験を行ってそれぞれのハンドレールの伸縮
量を測定した。試験方法としては、先ず、それぞれのハ
ンドレールの初期の長さを測定した後、それぞれのハン
ドレールを一対の駆動プーリからなる試験機に架け渡
し、第一帆布側に水かけ運転24時間→乾燥運転48時
間のサイクルを合計20サイクル(1440時間)繰り
返した。その後、これら各ハンドレールを試験機から外
し、48時間後にその長さを測定してその長さを初期の
長さと比較した。
【0035】
【表3】
【0036】その結果、表3からも明らかなように、帆
布層を形成する全ての帆布材料としてポリエステルを用
いた場合では試験後にハンドレールが0.09%延びて
しまったが、少なくとも綿を1層以上用いた実施例1の
ハンドレールでは、試験後の伸びが全く発生しなかっ
た。また、第一帆布を除く全ての帆布に綿を用いた場合
では大きく伸縮し、さらに、第一帆布にポリアミドを用
いた場合ではさらに大きく伸縮した。このことから、帆
布層の一部に綿からなる帆布を用いることで帆布層全体
の伸びを防止するだけでなく、帆布層全体を収縮するよ
うな力が働くことが分かる。
【0037】(実施例3)スチールワイヤ入りのテンシ
ョンメンバと、レーヨンスダレ入りのテンションメンバ
と、本発明に係るアラミド繊維からなるテンションメン
バとを用いてそれぞれハンドレールを形成した後、これ
らハンドレールの引張り荷重を加えて、その荷重に対す
る伸び率を測定した。尚、この測定試験は、本発明に係
るテンションメンバとしてさらにプリテンションを加え
たものと加えないものとの2種類を用い、それぞれにつ
いて、すなわち合計4種類のハンドレールについて行っ
た。
【0038】この結果、図9に示すように、スチールワ
イヤ入りの場合が最も少ない伸び率を示し、反対にレー
ヨンスダレ入りの場合が最も大きな伸び率を示した。ま
た、本発明に係るテンションメンバを用いた場合のう
ち、予めプリテンションを加えたものは加えない場合よ
り少ない伸び率を示し、スチールワイヤ入りに迫る低い
伸び率を有することがわかる。しかも、スチールワイヤ
入りの場合では約3000kgfで断線してしまったの
に対し、本発明に係るプリテンション入りの場合では4
000kgfを超える引張強度に耐え得る極めて高い引
張強度を発揮することが分かった。尚、従来のハンドレ
ールの場合、実用荷重は2000kgf以下であること
から、この値以下では、本発明に係るプリテンション入
りハンドレールは従来のスチールワイヤ入りハンドレー
ルと殆んど同程度の性能を発揮することが分かる。
【0039】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、以下に示
すような優れた効果を発揮する。
【0040】(1)帆布層の露出面側に位置する第一帆布
を耐吸水性、抗菌性、耐摩耗性等に優れたポリエステル
繊維又はポリアミド繊維からなる織物で形成したため、
雑菌などの繁殖によるヌメリがなくなり、しかも長時間
の使用でも帆布層が削れることがなくなる。また、これ
と共にこの帆布以外の帆布のうち少なくとも1つを綿か
らなる織物で形成したため、これが水分を吸収すること
によりハンドレールの伸びを相殺するように縮むこと
で、ハンドレールの伸びを未然に防止することが出来
る。
【0041】(2)帆布層の第一帆布をさらにバイアスカ
ットしたものであるため、厚い帆布を用いても耳部がつ
ることがなく、従って耳部の変形や亀裂が発生すること
がない。
【0042】(3)テンションメンバを高い引張強度を有
するアラミド繊維を主体とする化学繊維から形成したた
め、テンションメンバが錆びることがなくなり、使用中
に縮んで走行抵抗が上がったり、スチールワイヤのよう
にこれが切断して危険を招くといったことがない。
【0043】(5)テンションメンバに成形前に予めプリ
テンションを加えるようにしたことから、成形後のハン
ドレールの初期伸びがなくなり、高品質のハンドレール
が得られる。
【0044】(6)また、アラミド繊維をまっすぐな状態
で使用しているため、比較的伸びの小さいハンドレール
が得られ、従来のハンドレールとの互換性に優れる。
【0045】(7)テンションメンバーが、アラミド繊維
からなる主縦糸が横糸と、バインダー用縦糸とによって
ほつれにくく編まれているため、ハンドレールが曲がっ
ても化粧ゴムの表面に凹凸が出来にくくなり、美観の低
下や化粧ゴムのストレスを防止することが出来る。
【0046】(8)従って、屋外などの過酷な条件下で使
用しても、高い信頼性と安全性を備えると同時に長寿命
化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハンドレールの実施の一形態を示
す横断面図である。
【図2】バイアスカットされた織物からなる第一帆布を
示す部分拡大図である。
【図3】本発明に係るテンションメンバを形成する帯体
の実施の一形態を示す部分拡大側面図である。
【図4】本発明に係るテンションメンバを形成する帯体
の実施の他の形態を示す部分拡大側面図である。
【図5】従来のハンドレールの一形態を示す横断面図で
ある。
【図6】従来のハンドレールを上方に湾曲させた状態を
示す部分斜視図である。
【図7】スダレ織りした直線状のアラミド繊維を曲げた
時の状態示す概念図である。
【図8】直線状の撚線を曲げた時の状態示す概念図であ
る。
【図9】材質別のテンションメンバを用いたハンドレー
ルの引張荷重と伸び率との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 帆布層 1a 帆布 1a-1 第一帆布 1a-2 綿製帆布 2 化粧ゴム 3 テンションメンバ 3a スチールワイヤ 3b 帯体 4a 主縦糸 4b 横糸 4c バインダー用縦糸 Ac 耳部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 龍彦 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式 会社日立製作所 水戸工場内 (72)発明者 波多野 恆 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式 会社日立製作所 水戸工場内 (72)発明者 高星 武夫 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式 会社日立製作所 水戸工場内 (56)参考文献 特開 昭62−196297(JP,A) 特開 昭60−161888(JP,A) 特開 平7−101660(JP,A) 実開 昭63−90679(JP,U) 実開 昭59−18772(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66B 23/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横断面略C字型をした無端帯状の帆布層
    の背面に化粧ゴムを重ね合わせると共に、これら帆布層
    あるいは化粧ゴムの内部にテンションメンバを埋め込ん
    でなるハンドレールにおいて、上記帆布層を帯状の帆布
    を複数、積層して形成し、これら帆布のうち、露出側に
    位置する第一帆布をポリエステル繊維又はポリアミド繊
    維からなる織物をその長さ方向にバイアスにカットした
    もので形成すると共に、この第一帆布を除く残りの帆布
    のうち少なくとも一つを綿からなる織物で形成し、上記
    テンションメンバを、アラミド繊維、又はアラミド繊維
    を主体とする化学繊維からなる幅20mm〜50mmの
    帯体で形成し、かつ、この帯体が、その長さ方向に直線
    状に延びる複数本の主縦糸と、これを格子状に横断する
    複数本の横糸と、この縦糸と横糸の交差部を主縦糸に沿
    って連結するバインダー用縦糸とからなると共に、成形
    前に予めプリテンションを加えて初期伸びを抑えたもの
    であることを特徴とするハンドレール。
  2. 【請求項2】 上記バインダー用縦糸が、主縦糸の1/
    2以下の細径であることを特徴とする請求項1記載のハ
    ンドレール。
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