JP3124711B2 - スクイズキャスティング用離型剤原料 - Google Patents

スクイズキャスティング用離型剤原料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクイズキャステ
ィング用離型剤原料に関し、特に、主成分として高純度
の微粒子白色粉末を用いることにより、スクイズキャス
ティング用離型剤に要求される種々の特性の向上を図っ
たものである。
【0002】近年、自動車部品については、その軽量化
の観点から、アルミニウム部材の使用が進んでおり、そ
の鋳造に際しては、スクイズキャスティングが活用され
ている。ここに、スクイズキャスティングとは、高圧鋳
造法の一種であり、低速( 0.2〜0.5m/s)で溶湯を押し
込み、最後に高圧( 800〜1,500kgf/cm2)でプレスする
方式になる鋳造方法である。
【0003】
【従来の技術】さてアルミニウム部材の鋳造法として
は、従来、低圧鋳造法やダイカスト法、高圧鋳造法等が
利用されてきた。しかしながら、上記の各鋳造法にはそ
れぞれ以下に述べるような問題を残していた。
【0004】例えば、低圧鋳造法においては、通常、断
熱性に富む基礎塗型剤を塗布した後、潤滑性および離型
性のよい作業塗型剤を塗布する2度塗りが必要とされる
ため、作業性が悪いという問題があった。また、ダイカ
スト法は、離型剤として油脂エマルジョンが使用されて
きたが、ダイカスト法は元来溶湯が短時間( 0.1〜0.2
秒)で注入されるため、その離型剤には保温性が必要と
されず、しかも油脂成分は 300℃以上で分解するため、
ガス発生量が多いという問題があった。さらに、高圧鋳
造法では、離型剤として黒鉛が利用されてきた(特開平
5−7978号公報)が、この黒鉛は潤滑性がよく、ガス発
生量が少ないものの、保温性の点では十分といえず、し
かも黒鉛により作業環境が劣化するところにも問題を残
していた。
【0005】上述したとおり、従来の鋳造法はいずれ
も、解決すべき問題を残しているが、それらの中でも特
に高圧鋳造法は、空気やガスの巻き込みが少なく、また
得られた部材の強度が高いという利点があることから、
最近ではスクイズキャスティングと呼ばれる高圧鋳造法
が多用されている。しかしながら、このスクイズキャス
ティング用の離型剤については、現在までのところまだ
最適のものが見出されておらず、その開発が望まれてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を有利に解決するもので、作業性に優れるのは勿論のこ
と、保温性が良好で、ガス発生量が少なく、しかも作業
環境の劣化がないだけでなく、湯流れ性等にも優れたス
クイズキャスティング用の離型剤を提案することを目的
とする。特に射出速度を遅くして高品質製品を得ようと
する場合には、湯まわり(保温性、湯流れ性等に依存)
が問題となるが、本発明の離型剤は、かような低速鋳造
の場合にも優れた断熱効果を発揮して、十分満足のいく
湯まわりを得ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】さて、発明者等は、上記
の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、離型剤の主
成分として、断熱性の高い高純度の微粒子白色粉末を用
い、かつその粒度分布を所定の範囲に規制することが、
所期した目的の達成に関し、極めて有効であることの知
見を得た。本発明は、上記の知見に立脚するものであ
る。
【0008】すなわち、本発明は、平均粒子径が 0.1〜
10μm で、かつ粒子径が10μm より大きい粗大粒子が5
重量%以下の粒度分布になる、タルク、雲母、炭酸カル
シウムおよび窒化ホウ素からなる群より選択した微粒子
白色粉末: 100重量部に対し、重合度が 100〜1,000 の
カルボキシメチルセルロース: 0.1〜60重量部と、ワッ
クス: 0.1〜60重量部と、界面活性剤: 0.1〜60重量部
と、精製鉱物油: 0.1〜60重量部とを添加配合した組成
になるスクイズキャスティング用離型剤原料(第1発
明)である。
【0009】また、本発明は、上記第1発明に、さらに
アクリル酸ナトリウム: 0.1〜60重量部を添加配合した
スクイズキャスティング用離型剤原料(第2発明)であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の離型剤原料は、適当な分
散媒で分散させ、適切な濃度に調整した後スクイズキャ
スティング用離型剤として使用するものである。例え
ば、水を分散媒として添加し、分散液の状態で離型剤と
して使用することができる。このとき、離型剤の塗布
性、皮膜性および溶湯の保温性の観点から、分散後の微
粒子白色粉末の含有量は0.05〜20重量%程度とするのが
好ましい。というのは、0.05重量%に満たないと保温性
のみならず、潤滑・離型性の効果が小さく、一方20重量
%を超えると微粒子白色粉末の堆積量が増大して塗布性
や皮膜性の劣化が生じるからである。
【0011】以下、本発明の離型剤原料成分の配合割合
を上記の範囲に限定した理由について説明する。
【0012】微粒子白色粉末 本発明で用いる微粒子白色粉末は、高純度のタルク、雲
母、炭酸カルシウムおよび窒化ホウ素のうちから選んだ
少なくとも一種である。これらの無機物はいずれも、断
熱性に富み、保温性に優れ、またガス発生量が少なく、
さらに白色であることから黒鉛に比べると作業環境の劣
化を軽減することができ、しかも黒鉛を用いた場合より
も鋳造品の湯ジワの低減を図ることができる。したがっ
て、本願発明では、離型剤の主成分として、上記したよ
うな微粒子白色粉末を用いるものとした。
【0013】ところで上記の微粒子白色粉末の使用に際
しては、その粒度分布が重要であり、平均粒子径が 0.1
〜10μm で、かつ粒子径が10μm より大きい粗大粒子が
5重量%以下の粒度分布とする必要がある。というの
は、平均粒子径が 0.1μm に満たないと、微粒子白色粉
末が細かすぎるために、均一な膜厚の皮膜が形成されに
くく、一方10μm を超えると微粒子白色粉末が大きすぎ
るために、やはり均一な皮膜ができにくいだけでなく、
金型へ堆積し易くなるという不利も生じるからである。
また、粗大粒子が5重量%を超えると微粒子白色粉末の
金型への堆積や沈降による配管の詰まりが発生し、作業
性の劣化を招くからである。なお、粒度分布は、遠心沈
降型粒度分布測定装置を用い、試料に純水を添加して測
定することができる。以下、副原料については、この主
成分である微粒子白色粉末 100重量部に対する配合割合
を示すものとする。
【0014】カルボキシメチルセルロース: 0.1〜60重
量部(好ましくは、 0.1〜25重量部) このカルボキシメチルセルロースは、微粒子白色粉末の
分散性を確保するために添加する。しかしながら、配合
量が 0.1重量部に満たないと、その添加効果に乏しく、
一方60重量部を超えると、粘性は上がるもののやはり分
散効果の劣化を招く。また、このカルボキシメチルセル
ロースはその重合度についても配慮する必要があり、 1
00〜1,000 の重合度とする必要がある。というのは、重
合度が 100未満では、離型剤の粘性が不足するため離型
剤と高温度の金型との付着性が低下し、均一な皮膜が得
られず、その結果、離型性に難点が生じて、かじりやは
りつき等が発生するからである。逆に重合度が 1,000を
超えると、離型剤の粘性が増大するため離型剤に含まれ
る水分が蒸発せず、離型剤の乾燥性が低下し、その結
果、アルミニウム溶湯注入時に水分が蒸発して鋳造物に
気孔が発生する原因となるからである。
【0015】ワックス: 0.1〜60重量部(好ましくは、
0.1〜30重量部) このワックスは潤滑性を補うために添加する。しかしな
がら、添加量が 0.1重量部に満たないと、潤滑効果に乏
しく、一方、60重量部を超えるとガス発生量が多くなる
だけでなく、べとつきも酷くなる。ここに、ワックスと
しては、特に限定されるものではないが、天然カルナバ
ワックス等の従来公知の種々のワックスを使用すること
ができる。
【0016】界面活性剤: 0.1〜60重量部(好ましく
は、 0.1〜15重量部) この界面活性剤は、微粒子白色粉末の分散性をさらに向
上させるために、あるいは、ワックスまたは精製鉱物油
を乳化するために添加する。しかしながら、添加量が
0.1重量部に満たないと、分散効果が小さく、一方、60
重量部を超えて多量に添加しても分散効果は余り上がら
ず、かえってガス発生の原因になり、鋳造物に気孔が発
生し、製品の不良を招く。ここに、使用する界面活性剤
は特別なものである必要はなく、ポリオキシエチレンモ
ノオレエート等の非イオン性界面活性剤およびイオン性
界面活性剤は勿論、ナフタレンスルホン酸ナトリウムお
よびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の芳
香族系界面活性剤いずれもが適合する。
【0017】精製鉱物油: 0.1〜60重量部(好ましく
は、 0.1〜30重量部) この精製鉱物油は、潤滑性を補うために添加する。しか
しながら、添加量が 0.1重量部に満たないと潤滑効果が
小さく、60重量部を超えるとガス発生量が多くなるだけ
でなく、べとつきも酷くなる。ここに、精製鉱物油とし
ては特別のものを使用する必要はなく、パラフィン系エ
ンジンオイル等の種々のものを用いることができる。
【0018】以上、必須成分について説明したが、本発
明では、さらにアクリル酸ナトリウムを下記の範囲で添
加することができる。
【0019】アクリル酸ナトリウム: 0.1〜60重量部
(好ましくは、 0.1〜10重量部) このアクリル酸ナトリウムは、離型剤の増粘性を確保す
るために増粘剤として添加するものであるが、添加量が
0.1重量部に満たないと増粘効果が小さく、60重量部を
超えると、増粘しすぎて分散効果は上がらず、かえって
ガス発生量が多くなり、製品の劣化を招くので、本発明
では、 0.1〜60重量部の範囲で添加するものとした。
【0020】
【実施例】以下の実施例1〜5においては、それぞれの
成分を各重量割合で添加配合し、次いで、配合物をボー
ルミルにて常温で混合し、さらに攪拌により十分混合し
て、離型剤とした。
【0021】実施例1 ・離型剤原料 添加量(重量部) タルク 3.8kg( 100.0) (平均粒径:1.36μm 、>10μm の粗大粒子の割合:0%) カルボキシメチルセルロース 0.2kg( 5.3) (重合度: 500) 界面活性剤(ポリオキシエチレンモノオレエート) 0.3kg( 7.9) (ナフタレンスルホン酸ナトリウム) 0.2kg( 5.3) ワックス(天然カルナバワックス) 0.4kg( 10.5) 精製鉱物油(パラフィン系エンジンオイル) 2.4kg( 63.2) ──────────────────────────────────── 小計 7.3kg ・分散媒 水 12.7kg ──────────────────────────────── 合計 20.0kg
【0022】上述のようにして製造した離型剤(微粒子
白色粉末の含有量:19重量%)を以下の条件のスクイズ
キャスティングに使用し、アルミニウム製のクーラー部
品を製造した場合における、各種性能について調査し
た。得られた結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】なお、各性能の評価方法は次のとおりであ
る。 (1) 湯流れ性は、製品がすみずみまで 100%充填された
かどうかにより評価し、その結果を「○」と「×」の2
段階で示した。 (2) ガス発生量は、製品に含まれるガス量を分析して評
価し、10cc/100g-Alより多いものは「×」とし、3cc/1
00g-Al以下のものは「○」、それらの中間の場合は
「△」の3段階で示した。 (3) 堆積量は、多数の鋳造品を製造した後に、潤滑剤が
金型に堆積した具合で評価し、「多」と「少」の2段階
で示した。 (4) 離型性は、製品を離型する時の焼き付きおよびはり
つき具合から評価し、「良好」と「不良」の2段階で示
した。 (5) 溶湯の保温性(金型冷却時)が「良好」とは、金型
のすみずみまでアルミニウムが流れ込む場合をいい、そ
の流れ具合で、「良好」と「不良」の2段階評価を行っ
た。 (6) 製品表面粗度上昇は、製品の表面の荒れ具合で評価
し、荒れていないものを「良好」とし、荒れているもの
を「不良」とする2段階で示した。 (7) 湯ジワは、製品1個当たりの発生数で評価し、10以
上を「多」、3以下を「少」とした2段階で示した。 (8) 作業環境は、汚れ具合で評価し、見た目にきれいで
あれば「○」、きたなければ「×」の2段階で示した。
【0025】実施例2 ・離型剤原料 添加量(重量部) 雲母 4 kg( 100.0) (平均粒径: 1.5μm 、>10μm の粗大粒子の割合:0%) カルボキシメチルセルロース 0.4kg( 10.0) (重合度: 500) 界面活性剤(ポリオキシエチレンモノオレエート) 0.2kg( 5.0) (ナフタレンスルホン酸ナトリウム) 0.4kg( 10.0) ワックス(天然カルナバワックス) 0.8kg( 20.0) 精製鉱物油(パラフィン系エンジンオイル) 1 kg( 25.0) ──────────────────────────────────── 小計 6.8kg ・分散媒 水 13.2kg ──────────────────────────────── 合計 20.0kg
【0026】このようにして得た離型剤(微粒子白色粉
末の含有量:20重量%)を実施例1と同様の条件のスク
イズキャスティングに適用し、同じくアルミニウム製ク
ーラー部品を製造した場合における各種性能について調
査した。得られた結果を表1に併記する。
【0027】実施例3 ・離型剤原料 添加量(重量部) 窒化ホウ素 4 kg( 100.0) (平均粒径:1.54μm 、>10μm の粗大粒子の割合:0%) カルボキシメチルセルロース 0.4kg( 10.0) (重合度: 500) 界面活性剤(ポリオキシエチレンモノオレエート) 0.2kg( 5.0) (ナフタレンスルホン酸ナトリウム) 0.2kg( 5.0) ワックス(天然カルナバワックス) 1 kg( 25.0) 精製鉱物油(パラフィン系エンジンオイル) 1 kg( 25.0) ──────────────────────────────────── 小計 6.8kg ・分散媒 水 13.2kg ──────────────────────────────── 合計 20.0kg
【0028】このようにして得た離型剤(微粒子白色粉
末の含有量:20重量%)を実施例1と同様の条件のスク
イズキャスティングに適用し、同じくアルミニウム製ク
ーラー部品を製造した場合における各種性能について調
査した。得られた結果を表1に併記する。
【0029】実施例4 ・離型剤原料 添加量(重量部) 窒化ホウ素 4 kg( 100.0) (平均粒径:1.54μm 、>10μm の粗大粒子の割合:4%) カルボキシメチルセルロース 0.4kg( 10.0) (重合度: 500) 界面活性剤(ポリオキシエチレンモノオレエート) 0.4kg( 10.0) (ナフタレンスルホン酸ナトリウム) 0.5kg( 12.5) ワックス(天然カルナバワックス) 0.4kg( 10.0) 精製鉱物油(パラフィン系エンジンオイル) 1 kg( 25.0) ──────────────────────────────────── 小計 6.7kg ・分散媒 水 13.3kg ──────────────────────────────── 合計 20.0kg
【0030】このようにして得た離型剤(微粒子白色粉
末の含有量:20重量%)を実施例1と同様の条件のスク
イズキャスティングに適用し、同じくアルミニウム製ク
ーラー部品を製造した場合における各種性能について調
査した。得られた結果を表1に併記する。
【0031】実施例5 ・離型剤原料 添加量(重量部) タルク 4 kg( 100.0) (平均粒径:1.36μm 、>10μm の粗大粒子の割合:0%) カルボキシメチルセルロース 0.2kg( 5.0) (重合度: 500) 界面活性剤(ポリオキシエチレンモノオレエート) 0.2kg( 5.0) (ナフタレンスルホン酸ナトリウム) 0.4kg( 10.0) ワックス(天然カルナバワックス) 0.8kg( 20.0) 精製鉱物油(パラフィン系エンジンオイル) 1.0kg( 25.0) アクリル酸ナトリウム 0.2kg( 5.0) ──────────────────────────────────── 小計 6.8kg ・分散媒 水 13.2kg ──────────────────────────────── 合計 20.0kg
【0032】このようにして得た離型剤(微粒子白色粉
末の含有量:20重量%)を実施例1と同様の条件のスク
イズキャスティングに適用し、同じくアルミニウム製ク
ーラー部品を製造した場合における各種性能について調
査した。得られた結果を表1に併記する。
【0033】従来例 実施例1の微粒子白色粉末の代わりに、天然黒鉛粉末を
同一量配合し、それ以外は、実施例1と同一の離型剤を
得た。
【0034】このようにして得た離型剤を実施例1と同
様のスクイズキャスティングに適用し、各性能について
調査した。得られた結果を表1に併記する。
【0035】比較例1 平均粒径が本発明の好適範囲( 0.1〜10μm )を超えた
15μm で、かつ粒子径が10μm より大きい粗大粒子が10
重量%含まれる粒度分布になるタルクを使用し、それ以
外は、実施例1と同一の離型剤を得た。
【0036】このようにして得た離型剤を実施例1と同
様のスクイズキャスティングに適用し、各種性能につい
て調査した。得られた結果を表1に併記する。
【0037】比較例2 精製鉱物油の割合を 5.0kg(約 130重量部)、界面活性
剤(ポリオキシエチレンモノオレエート)の割合を 0.5
kg(13重量部)、水の割合を 9.9kgに変え、それ以外は
実施例1と同一の離型剤を得た。
【0038】このようにして得た離型剤を実施例1と同
様のスクイズキャスティングに適用し、各性能について
調査した。得られた結果を表1に併記する。
【0039】比較例3 ワックスの割合を 4.0kg(約 105重量部)、界面活性剤
(ポリオキシエチレンモノオレエート)の割合を 0.6kg
(16重量部)、水の割合を 8.8kgに変え、それ以外は実
施例1と同一の離型剤を得た。
【0040】このようにして得た離型剤を実施例1と同
様のスクイズキャスティングに適用し、各種性能につい
て調査した。得られた結果を表1に併記する。
【0041】表1から明らかなように、本発明に従う離
型剤を用いた場合はいずれも、この種の離型剤に要求さ
れる全ての性能を満足する結果が得られた。これに対
し、従来例は、湯流れ性、ガス発生量、離型性、表面粗
度上昇および湯ジワはいずれも良好であるものの、保温
性が悪く、溶湯注入時に、金型の温度を 200〜300 ℃の
範囲に維持する必要があり、作業性に問題がある。ま
た、この離型剤では黒鉛の堆積も生じ、実施例に比べる
と鋳造性に劣るだけでなく、作業環境も悪い。比較例1
〜3はいずれも、保温性および表面粗度上昇が悪く、ガ
ス発生量および湯ジワも多いが、湯流れ性および作業環
境は良好であった。比較例1は、さらに微粒子白色粉末
の堆積量が多く、離型性も悪い。比較例2は、堆積量が
少なく、離型性は良いものの、上記欠点がある。比較例
3は、離型性は良いが、上記欠点に加え堆積量が多い。
【0042】
【発明の効果】かくして本発明に従い、主成分として粒
度分布を所定の範囲に規制した高純度の微粒子白色粉末
を活用することにより、保温性、湯流れ性は勿論のこ
と、この種の離型剤に要求されるすべての性能を満足す
る離型剤を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−7978(JP,A) 特開 平6−15406(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が 0.1〜10μm で、かつ粒子
    径が10μm より大きい粗大粒子が5重量%以下の粒度分
    布になる、タルク、雲母、炭酸カルシウムおよび窒化ホ
    ウ素からなる群より選択した微粒子白色粉末: 100重量
    部に対し、 重合度が 100〜1,000 のカルボキシメチルセルロース:
    0.1〜60重量部と、 ワックス: 0.1〜60重量部と、 界面活性剤: 0.1〜60重量部と、 精製鉱物油: 0.1〜60重量部とを添加配合した組成にな
    ることを特徴とするスクイズキャスティング用離型剤原
    料。
  2. 【請求項2】 請求項1において、さらに、 アクリル酸ナトリウム: 0.1〜60重量部を添加配合した
    ことを特徴とするスクイズキャスティング用離型剤原
    料。
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