JP3124363B2 - 環状イミダゾール化合物及びその合成方法 - Google Patents

環状イミダゾール化合物及びその合成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は環状イミダゾール化合物
及びその合成方法に関するものであり、本発明化合物は
ポリエポキシ樹脂の硬化剤あるいは硬化促進剤、その他
染料の中間体として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】環状イミダゾール化合物に関して、有機
合成化学協会誌33巻,12号(1975年),100
7〜1014頁には、4,5−ジヒドロキシメチル−2
−フェニルイミダゾールと2−フェニルイミダゾールを
1:1のモル比で、苛性カリの存在下、セロソルブを溶
媒として2時間加熱反応させることにより、2−フェニ
ルイミダゾールの環状化合物が得られることが開示され
ている。
【0003 】また、イミダゾール化合物とホルマリンと
の反応に関して、特開昭59−190972号には、2
−エチル−4−メチルイミダゾールとホルムアルデヒド
を触媒の存在下に加熱反応させることにより、4,4’
−メチレンビス−2−エチル−5−メチルイミダゾール
が得られることが明らかにされている。
【0004 】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エポ
キシ樹脂の硬化剤等として有用である新規な2−置換イ
ミダゾールの環状化合物並びにこの種環状イミダゾール
化合物を合成する新規な方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明者等は、このよ
うな事情に鑑み鋭意研究を行った結果、2−置換イミダ
ゾール化合物及びホルムアルデヒドまたはパラホルムア
ルデヒドの二者を、アルカリ金属の水酸化物を含有する
溶媒中において加熱することにより、化で示される環
状イミダゾール化合物が得られることを見い出し、本発
明の新規化合物を得るに至った。
【0006】
【化3】
【0007】 本発明の環状イミダゾール化合物は、次
のような合成方法により得られる。即ち、ソーダライム
充填管を用いて外気の炭酸ガスの侵入を遮断した容器内
に、アルカリ金属の水酸化物を含む溶媒中に所定量の2
−置換イミダゾール化合物及びホルムアルデヒド等を入
れ、常圧下に数時間にわたって加熱攪拌することによ
り、反応生成物が晶析する。さらに適当な時間加熱反応
を続けて反応を完結させたのちに、温時に濾取し、得ら
れる結晶を熱水洗浄して塩基性物質を除去する。また反
応完結後、濾取した結晶を一旦酸性水溶液にして再度濾
過し、濾液をアルカリ水溶液で中和して析出される結晶
を濾取したのち、さらに熱水洗浄して不純物を除去す
る。このようにして得られた反応生成物を常法に従って
精製すれば、環状イミダゾール化合物が得られる。この
合成方法は化で示される反応式のとおりである。
【0008】
【化4】
【0009】本発明方法の実施において用いられる2−
置換イミダゾール化合物は、2位に炭素数1ないし17
のアルキル基あるいはフェニル基を有する化合物であ
り、その代表的な化合物としては、2−メチルイミダゾ
ール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミ
ダゾール及び2−フェニルイミダゾールである。
【0010】また、本発明方法の実施において用いられ
るホルムアルデヒドとしては、市販のホルマリン水溶液
あるいはパラホルムアルデヒドのいずれでもよく、その
使用量はイミダゾール化合物に対して1〜2倍モルであ
るが、好ましくは1〜1.3倍モルの範囲である。また
本発明方法の実施において用いられる溶媒としては、水
が最も適しているが、水とエタノールあるいはメチルセ
ロソルブ等との混合溶媒を用いても差し支えない。
【0011】本発明方法の実施に当たっては、反応を促
進させるために水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化リチウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ金属類
の水酸化物を併用すべきであり、特に水酸化カリウムが
好適である。その使用量はイミダゾール化合物に対して
0.4〜3倍モル、好ましくは1〜2.5倍モルであ
る。また反応温度は使用される溶媒の種類によって異な
るが、80〜130℃が好適である。
【0012】本発明の環状イミダゾール化合物及びその
物性は、次に示すとおりである。
【0013】2−メチルイミダゾール・四量体
【0014】
【化5】
【0015】塩基性粉末状結晶。融点:300℃以上。 酢酸,希塩酸に易溶、水,メタノールに難溶。 TLC(シリカ,エタノール/3NHCl=9/1):0.3〜0.4
(I2 発色) IR(KBr):ν 3200(31),2220(62),1605(48),1530(53),1
430(40),1410(49),1370(58),1325(63),1285(58),1210(6
8),1175(68),1105(65),1085(67),1040(53), 900(53), 8
15(11), 780(52) cm-1(透過率) NMR(CF3COOD):δ4.26,s, 8H(4,5位のメチレン),δ2.
72,s,12H(2位のメチル) Mass:m/e 376( M+ ),282,240,200,187,42
【0016】2−エチルイミダゾール・三量体
【0017】
【化6】
【0018】塩基性粉末状結晶。融点:300℃以上。 メタノール,酢酸,希塩酸に易溶、クロロホルムに不
溶。 TLC(シリカ,メタノール):0.35〜0.50(I2
発色) IR(KBr):ν 3220(25),2970(21),2930(23),2140(63),1
603(48),1525(49),1450(36),1430(35),1373(55),1330(5
6),1310(56),1180(66),1105(64),1090(64),1060(53),10
35(59), 958(60), 900(59),815(53), 778(51) cm
-1(透過率) NMR(CF3COOD):δ4.25,s,6H(4,5 位のメチレン),δ3.
07,q,6H(エチル基のメチレン),δ1.47,t,9H(エチル基の
メチル) Mass:m/e 324( M+ ),309( M+ -CH3 ),268,227,215
【0019】2−イソプロピルイミダゾール・三量体
【0020】
【化7】
【0021】塩基性無色結晶。融点:300℃以上(メ
タノール)。 メタノール,酢酸,DMSOに易溶、水に不溶、アセト
ンに難溶。 TLC(シリカ,メタノール):0.50〜0.57(I2
発色) IR(KBr):ν 3260(15),2970(13),1610(43),1526(43),1
435(25),1385(41),1363(37),1305(99),1160(57),1090(4
9),1010(39), 775(40),710(40) cm-1(透過率) NMR(CF3COOD):δ4.23,s,6H(4,5 位のメチレン),δ3.
43〜3.33,m,(J=イソプロピル基のメチン),δ1.50,d(J=7
Hz),18H ( イソプロピル基のメチル) Mass:m/e 366( M+ ),351( M+ -CH3),243,227,168,
123,107
【0022】2−イソプロピルイミダゾール・四量体
【0023】
【化8】
【0024】塩基性無色結晶。融点:300℃以上。 メタノール,酢酸,DMSOに易溶、水に不溶、アセト
ン,酢酸エチルに難溶。 TLC(シリカ,メタノール):0.44〜0.52(I2
発色) IR(KBr):ν 3400(39),3240(31),2970(29),1600(56),1
525(28),1450(45),1430(45),1380(59),1365(56),1300(5
9),1305(55),1160(70),1090(64),1015(60), 805(57), 7
05(59) cm-1(透過率) NMR(CF3COOD):δ4.26,s,8H(4,5 位のメチレン),δ3.
47〜3.34,m,4H(イソプロピル基のメチン),δ1.51,d,24H
(イソプロピル基のメチル) Mass:m/e 488( M+ ),366,351,243,95
【0025】
【実施例】
(実施例1)電磁攪拌機、還流冷却器、温度計及び外気
の炭酸ガス遮断用ソーダライム管を備えた反応容器中に
2−エチルイミダゾール6.1g(0.063モル)、市販の
ホルマリン6.2g(0.076モル)、水酸化カリウム7.
1g(0.13 モル)及び水40mlの四者を投入し、攪拌
しながら加熱した。2.5時間加熱還流を続け、析出す
る結晶を熱時に濾取し、これを灰分がなくなるまで熱水
を用いて洗浄したのちメタノール抽出し、抽出液を濃縮
することにより粗生成物2.8gを得た。この粗生成物
をさらにカラムクロマトグラフィ(充填剤:ワコーゲル
シリカG−200、展開溶媒:メタノール)により精製
したところ、目的物の2−エチルイミダゾール・三量体
1.1g(換算収率:16モル%)が得られた。
【0026】(実施例2)2−メチルイミダゾール1
0.4g(0.13モル)、パラホルムアルデヒド5.7g
(0.19モル)、水酸化カリウム14.2g(0.25モル)
及び水80mlの四者を実施例1と全く同様の方法によ
り反応させ、析出した結晶を灰分がなくなるまで熱水洗
浄したのち、メタノール洗浄し、溶解物を除去して粗生
成物6.3gを得た。この粗生成物2.0gをさらにカ
ラムクロマトグラフィ(充填剤:ワコーゲルシリカG−
200、展開溶媒:エタノール/3N塩酸=9:1)に付
し、溶出液を濃縮乾固して得られた乾固物を炭酸カリウ
ム水溶液で中和し、析出する結晶を濾取した。この結晶
を灰分がなくなるまで熱水洗浄して目的物の2−メチル
イミダゾール・四量体0.6g(換算収率:16モル%)
が得られた。
【0027】(実施例3)2−イソプロピルイミダゾー
ル11.08g(0.10モル)、37%ホルマリン水溶液
10.1g(0.12モル)、水酸化カリウム5.6g(0.
10モル)及び水80mlの四者を実施例1と全く同様の
方法により反応させ、析出した結晶を熱時濾取し、これ
に希塩酸を加えて系全体を酸性として加温、洗浄し、不
溶物を濾別した。濾液に炭酸水素ナトリウムの水溶液を
加えて中和し、析出する結晶を濾取した。次いで、この
結晶を熱水洗浄し、メタノール抽出したのち、抽出液を
濃縮して粗生成物7.5gを得た。さらに、これをメタ
ノールにより再結晶して精製したところ、目的物の2−
イソプロピルイミダゾール・四量体1.0g(換算収
率:8モル%)が得られた。
【0028】(実施例4)2−イソプロピルイミダゾー
ル11.08g(0.10モル)、37%ホルマリン水溶液
10.1g(0.12モル)、水酸化カリウム5.6g(0.
10モル)及び水120mlの四者を実施例1と全く同様
の方法により反応させ、析出した結晶を熱時濾取し、こ
の結晶を熱水洗浄して粗生成物8.0gを得た。得られ
た粗生成物2.0gをカラムクロマトグラフィ(充填
剤:ワコーゲルシリカG−200、展開溶媒:メタノー
ル)により分離し、目的物の2−イソプロピルイミダゾ
ール・三量体0.6g(換算収率:19モル%)が得られ
た。
【0029】(実施例5)2−フェニルイミダゾール
9.08g(0.063モル)、37%ホルマリン水溶液6.
2g(0.076モル)、水酸化カリウム4.3g(0.076モ
ル)、エタノール40ml及び水36mlの五者を投入
し、2時間加熱攪拌して析出する結晶を熱時濾取した。
この結晶を灰分がなくなるまで熱水洗浄したところ、粗
生成物8.0gが得られた。さらに、この粗生成物をメ
チルセロソルブにより再結晶したところ、目的物の2−
フェニルイミダゾール・三量体1.8g(換算収率:18
モル%)が得られた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C07D 487/22 233:00)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2位の置換基がアルキル基またはフェニ
    ル基であり、4,5位に置換基を有しない2−置換イミ
    ダゾール化合物及びホルムアルデヒドまたはパラホルム
    アルデヒドの二者を、アルカリ金属の水酸化物を含有す
    る溶媒中において加熱することを特徴とする化1の一般
    式で示される環状イミダゾール化合物の合成方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 2−置換イミダゾール化合物として2−
    メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イ
    ソプロピルイミダゾールあるいは2−フェニルイミダゾ
    ールのいずれかを用いる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 化2の一般式で示される新規な環状イミ
    ダゾール化合物。 【化2】
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