JP3123383B2 - 内燃機関の供給燃料制御装置 - Google Patents

内燃機関の供給燃料制御装置

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JP3123383B2
JP3123383B2 JP07021860A JP2186095A JP3123383B2 JP 3123383 B2 JP3123383 B2 JP 3123383B2 JP 07021860 A JP07021860 A JP 07021860A JP 2186095 A JP2186095 A JP 2186095A JP 3123383 B2 JP3123383 B2 JP 3123383B2
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    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/04Introducing corrections for particular operating conditions
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    • F02D41/123Introducing corrections for particular operating conditions for deceleration the fuel injection being cut-off
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/0025Controlling engines characterised by use of non-liquid fuels, pluralities of fuels, or non-fuel substances added to the combustible mixtures
    • F02D41/003Adding fuel vapours, e.g. drawn from engine fuel reservoir
    • F02D41/0032Controlling the purging of the canister as a function of the engine operating conditions

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の供給燃料制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料噴射弁と、燃料タンクから導かれた
蒸発燃料を一時的に蓄えるキャニスタと、キャニスタか
ら機関に蒸発燃料を供給するパージ制御手段と、機関運
転状態を表す運転状態量、すなわち例えばスロットル弁
開度や機関回転数、と予め定められた燃料噴射作用停止
条件量、すなわち例えば設定スロットル弁開度や設定回
転数、とを比較することにより機関運転状態が燃料噴射
作用を停止すべき運転領域にあるか否かを判別する判別
手段と、判別手段により機関運転状態が燃料噴射作用を
停止すべき運転領域にあると判別されたときに燃料噴射
作用を停止する燃料噴射制御手段と、燃料噴射作用の停
止時にパージ制御手段によるパージ作用を停止するパー
ジ作用停止手段とを具備した内燃機関の供給燃料制御装
置が公知である(特開昭61−38153号公報参
照)。燃料噴射作用の停止時において機関に蒸発燃料を
供給するとこのとき蒸発燃料により燃焼室内に形成され
る混合気は極めてリーンになっている。このため燃料噴
射作用の停止時にパージ作用も停止することにより、機
関に供給された蒸発燃料が燃焼室内において燃焼される
ことなく機関排気通路内に排出されるのを阻止するよう
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の供給
燃料制御装置において例えば燃料タンク内で発生した蒸
発燃料はキャニスタ内の活性炭に導かれ、この活性炭内
に吸着される。その結果蒸発燃料が大気中に放出される
のが阻止される。また、機関運転時に空気をキャニスタ
に導入することにより活性炭層内に吸着されている蒸発
燃料を離脱せしめ、次いでこの空気と共に機関に供給し
てパージ作用を行うようにしている。したがって、この
ようなキャニスタにおいてパージ作用が停止された場合
には活性炭層からの蒸発燃料の離脱作用が停止されるこ
ととなる。しかしながら、キャニスタにすでに多量の蒸
発燃料が吸着されているか、或いは燃料タンクからキャ
ニスタ内に多量の蒸発燃料が導入されているときにパー
ジ作用が停止されるとキャニスタの蒸発燃料吸着能力が
極めて小さくされて蒸発燃料が大気中に放出される恐れ
がある。上述の供給燃料制御装置では、燃料噴射作用が
停止されたときにパージ作用が停止され、燃料噴射停止
作用は例えば機関回転数に応じて実行または停止される
のでパージ停止作用も機関回転数に応じて実行または停
止されることとなる。したがって上述の供給燃料制御装
置では、キャニスタの蒸発燃料吸着能力にかかわらずパ
ージ停止作用が行われることになり、斯くしてキャニス
タの蒸発燃料吸着能力が極めて小さくなって蒸発燃料が
大気中に放出される恐れがあることになる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明によれば、燃料噴射弁と、燃料タンクから導か
れた蒸発燃料を一時的に吸着して蓄えるキャニスタと、
キャニスタから機関に蒸発燃料を供給するパージ制御手
段と、機関運転状態を表す運転状態量と予め定められた
燃料噴射作用停止条件量とを比較することにより機関運
転状態が燃料噴射作用を停止すべき運転領域にあるか否
かを判別する判別手段と、判別手段により機関運転状態
が燃料噴射作用を停止すべき運転領域にあると判別され
たときに燃料噴射作用を停止する燃料噴射制御手段と、
燃料噴射作用の停止時にパージ制御手段によるパージ作
用を停止するパージ作用停止手段とを具備した内燃機関
の供給燃料制御装置において、キャニスタの蒸発燃料吸
着能力を算出する算出手段と、算出手段により算出され
たキャニスタの蒸発燃料吸着能力が低いとき程燃料噴射
制御手段が燃料噴射作用を停止すべき運転領域が狭くな
るように燃料噴射作用停止条件量を変更する変更手段と
を具備している。また本発明によれば上記課題を解決す
るために、燃料噴射弁と、燃料タンクから導かれた蒸発
燃料を一時的に吸着して蓄えるキャニスタと、キャニス
タから機関に蒸発燃料を供給するパージ制御手段と、機
関運転状態を表す運転状態量と予め定められた燃料噴射
作用停止条件量とを比較することにより機関運転状態が
燃料噴射作用を停止すべき運転領域にあるか否かを判別
する判別手段と、判別手段により機関運転状態が燃料噴
射作用を停止すべき運転領域にあると判別されたときに
燃料噴射作用を停止する燃料噴射制御手段と、燃料噴射
作用の停止時にパージ制御手段によるパージ作用を停止
するパージ作用停止手段とを具備した内燃機関の供給燃
料制御装置において、キャニスタの蒸発燃料吸着能力を
算出する算出手段と、算出手段により算出されたキャニ
スタの蒸発燃料吸着能力が低いとき程燃料噴射制御手段
が燃料噴射作用を停止すべき運転領域が狭くなるように
運転状態量を補正する補正手段とを具備し、上記判別手
段が、補正手段により補正された運転状態量と燃料噴射
作用停止条件量とを比較している。
【0005】
【作用】請求項1に記載の発明では、キャニスタの蒸発
燃料吸着能力が低いとき程、すなわちキャニスタに吸着
されている蒸発燃料量が多いとき程、或いはキャニスタ
に導かれる蒸発燃料量が多いとき程燃料噴射作用が停止
されるべき運転領域が狭くなるよう燃料噴射作用停止条
件量が変更される。また請求項2に記載の発明では、キ
ャニスタの蒸発燃料吸着能力が低いとき程燃料噴射作用
が停止されるべき運転領域が狭くなるよう運転状態量が
補正される。したがって、いずれの場合も、キャニスタ
の蒸発燃料吸着能力が低いとき程パージ作用が停止され
るべき運転領域が狭くされ、それによりキャニスタの蒸
発燃料吸着能力が極めて小さくされるのが阻止される。
【0006】
【実施例】図1を参照すると、1は機関本体、2は吸気
枝管、3は排気マニホルド、4は各吸気枝管2にそれぞ
れ取付けられた燃料噴射弁を示す。各吸気枝管2は共通
のサージタンク5に連結され、このサージタンク5は吸
気ダクト6およびエアフローメータ7を介してエアクリ
ーナ8に連結される。吸気ダクト6内にはスロットル弁
9が配置される。また、図1に示されるように内燃機関
は活性炭10を内蔵したキャニスタ11を具備する。こ
のキャニスタ11は活性炭10の両側にそれぞれ蒸発燃
料室12と大気室13とを有する。蒸発燃料室12は一
方では導管14を介して燃料タンク15に連結され、他
方では導管16を介してサージタンク5内に連結され
る。大気室13は大気に連通される。導管16内には電
子制御ユニット20の出力信号により制御されるパージ
制御弁17が配置される。燃料タンク15内で発生した
蒸発燃料は導管14を介してキャニスタ11内に送り込
まれて活性炭10に吸着される。パージ制御弁17が開
弁すると空気が大気室13から活性炭10内を通って導
管16内に送り込まれる。空気が活性炭10内を通過す
る際に活性炭10に吸着されている蒸発燃料が活性炭1
0から脱離され、斯くして蒸発燃料を含んだ空気、すな
わちパージガスが導管16を介してサージタンク5内に
供給され、すなわちパージ作用が行われる。また、パー
ジ制御弁17の開弁時に燃料タンク15内で発生した蒸
発燃料は蒸発燃料室12内に導かれ、次いで活性炭10
に吸着されることなくサージタンク5内にパージされ
る。
【0007】電子制御ユニット20はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス21によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセ
ッサ)24、入力ポート25および出力ポート26を具
備する。エアフローメータ7は吸入空気量に比例した出
力電圧を発生し、この出力電圧がAD変換器27を介し
て入力ポート25に入力される。スロットル弁9にはス
ロットル弁9がアイドリング開度のときにオンとなるア
イドルスイッチ28が取付けられ、このアイドルスイッ
チ28の出力信号が入力ポート25に入力される。機関
本体1には機関冷却水温THWに比例した出力電圧を発
生する水温センサ29が取付けられ、この水温センサ2
9の出力電圧がAD変換器30を介して入力ポート25
に入力される。排気マニホルド3には空燃比センサ31
が取付けられ、この空燃比センサ31の出力信号がAD
変換器32を介して入力ポート25に入力される。さら
に入力ポート25にはクランクシャフトが例えば30度
回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ3
3が接続される。CPU24ではこの出力パルスに基い
て機関回転数Nが算出される。一方、出力ポート26は
対応する駆動回路34,35を介して燃料噴射弁4およ
びパージ制御弁17に接続される。
【0008】図1に示す内燃機関では基本的には次式に
基いて燃料噴射時間TAUが算出される。 TAU=TP・{1+KK+(FAF−1)+FPG} ここで各係数は次のものを表わしている。 TP:基本燃料噴射時間 KK:増量補正係数 FAF:フィードバック補正係数 FPG:パージA/F補正係数 基本燃料噴射時間TPは空燃比を目標空燃比とするのに
必要な実験により求められた噴射時間であってこの基本
燃料噴射時間TPは機関負荷Q/N(吸入空気量Q/機
関回転数N)および機関回転数Nの関数として予めRO
M22内に記憶されている。増量補正係数KKは暖機増
量係数や加速増量係数などを一まとめにして表したもの
で増量補正する必要がないときにはKK=0となる。
【0009】フィードバック補正係数FAFは空燃比セ
ンサ31の出力信号に基いて空燃比を目標空燃比に制御
するためのものである。目標空燃比としてはどのような
空燃比を用いてもよいが本発明による実施例では目標空
燃比が理論空燃比とされており、この場合空燃比センサ
31として排気ガス中の酸素濃度に応じ出力電圧が変化
するO2 センサが使用される。リッチとなってFAFが
小さくなると燃料噴射時間TAUが短くなり、リーンと
なってFAFが大きくなると燃料噴射時間TAUが長く
なるので空燃比が理論空燃比に維持されることとなる。
なお、パージ作用が行われていないときにはフィードバ
ック補正係数FAFは基準値、例えば1.0を中心とし
て変動する。
【0010】パージA/F補正係数FPGはパージ作用
が行われたときに噴射量を補正するためのものであり、
したがってパージ作用が行われていないときはFPG=
0となる。
【0011】ところで図1に示す内燃機関では、吸入空
気量Qに対するパージ量の比であるパージ率PGRを一
定の目標パージ率TPGRに一致させるように制御する
ことによりパージ量を制御している。パージガス中にお
ける蒸発燃料濃度が変動しなければパージ率PGRが一
定の目標パージ率TPGRに一致している限り吸入空気
中における蒸発燃料濃度を一定に維持することができ、
したがって空燃比の変動を阻止することができる。とこ
ろが、パージ作用を開始したときに多量のパージガスが
機関に供給されるともはや空燃比を理論空燃比に維持す
ることができなくなる。そこでパージ作用を行うときに
は目標パージ率TPGRを徐々に増大せしめ、次いで予
め定められた一定値に達するとこの一定値に維持するよ
うにしている。
【0012】吸入空気中における蒸発燃料濃度は一方で
はパージ率PGRに比例し、他方では吸入空気中におけ
る単位パージ率当りの蒸発燃料濃度に比例する。したが
ってパージ制御が行われたときに単位目標パージ率当り
の蒸発燃料濃度とパージ率PGRとの積に基いて燃料噴
射量を補正すれば空燃比を理論空燃比に維持できること
になる。
【0013】本実施例では、吸入空気中における単位パ
ージ率当りの蒸発燃料濃度を表す係数FGPGを導入
し、これにより蒸発燃料濃度を算出するようにしてい
る。この係数FGPGは吸入空気中における単位パージ
率当りの蒸発燃料濃度が0%のときに1.0となり、単
位パージ率当たりの蒸発燃料濃度が高くなるにつれて大
きくなる係数である。本実施例において、上述したパー
ジA/F補正係数FPGは係数FGPGの変動量FGP
G−1と、パージ率PGRとの積の負(−(FGPG−
1)・PGR)で表される。この場合、係数FGPGの
変動量FGPG−1が増大すると上述した燃料噴射時間
TAUの計算式からわかるように燃料噴射量が減少せし
められ、FGPG−1が低下すると燃料噴射量が増大さ
れる。したがって空燃比を理論空燃比に維持することが
できる。
【0014】一方パージ制御が行われた場合、吸入空気
中の蒸発燃料濃度が変動するとそれに伴ってフィードバ
ック補正係数FAF、或いはフィードバック補正係数F
AFの平均値FAFAVが変動する。そこで、本実施例
ではフィードバック補正係数FAF、或いはフィードバ
ック補正係数FAFの平均値FAFAVのずれに基づい
て係数FGPGを算出するようにしている。次に図2を
参照して蒸発燃料濃度係数FGPGの算出方法について
説明する。
【0015】図2に示すルーチンは例えばメインルーチ
ン内で実行される。図2を参照すると、まずステップ4
0では実際のパージ率PGRが0.5%以上であるか否
かが判別される。PGR<0.5(%)のときには次い
でステップ41に進み、フィードバック補正係数FAF
が1.1よりも大きいか否かが判別される。FAF>
1.1のときには次いでステップ42に進み、蒸発燃料
濃度係数FGPGの更新値FGが一定値−Yとされる。
次いでステップ48に進む。一方、FAF≦1.1のと
きには次いでステップ43に進む。ステップ43ではF
AFが0.9よりも小さいか否かが判別される。FAF
<0.9のときにはステップ44に進み、更新値FGが
一定値Yとされる。次いでステップ48に進む。一方、
FAF≧0.9のときにはステップ46に進む。
【0016】ステップ40においてPGR≧0.5
(%)のときには次いでステップ45に進み、フィード
バック補正係数FAFの平均値FAFAVが0.98か
ら1.02の範囲内にあるか否かが判別される。1.0
2>FAFAV>0.98のときには次いでステップ4
6に進み、更新値FGが零とされる。次いでステップ4
8に進む。一方、1.02≦FAFAVまたはFAFA
V≦0.98のときには次いでステップ47に進み、更
新値FGが次式に基づいて算出される。 FG=(1−FAFAV)/(PGR・a) すなわち単位パージ率当たりのフィードバック補正係数
平均値FAFAVの変動量から更新値FGが算出され
る。ここでaは一定値である。次いでステップ48に進
む。ステップ48では、前回の係数FGPGに更新値F
Gが加算されることにより係数FGPGが更新される。
次いで処理サイクルを終了する。
【0017】なお、パージ制御を開始するとフィードバ
ック補正係数FAFが次第に減少する。この場合、フィ
ードバック補正係数FAFの減少量は吸入空気中におけ
る蒸発燃料濃度を表している。したがって図2に示した
ルーチンによりフィードバック補正係数FAFの変動に
基づいて係数FGPGを更新し、フィードバック補正係
数FAFが1.0になれば係数の変動量FGPG−1は
吸入空気中の単位パージ率当たりの蒸発燃料濃度を正確
に表わしていることになる。
【0018】さらに図1に示す内燃機関では、機関運転
状態を表す運転状態量と、予め定められた燃料噴射作用
停止条件量とを比較することにより機関運転状態が燃料
噴射作用を停止すべき状態にあるか否かを判別し、その
判別結果に応じて燃料噴射作用を一時的に停止するよう
にしている。すなわち、図1に示す例では、運転状態量
としてスロットル弁9の開度と機関回転数Nとを用い、
一方燃料噴射作用停止条件量としてアイドル開度と第1
および第2設定回転数N1,N2とを用い、これらを比
較して燃料噴射作用を停止するか否かを判別している。
さらに詳細に説明すると、アイドルスイッチ28がオン
でありかつ機関回転数Nが第1設定回転数N1よりも高
いときには燃料噴射作用を停止し、それによって燃料消
費量ができるだけ少なくなるようにしている。また、燃
料噴射作用の停止時に機関回転数Nが第1設定回転数N
1よりも低く定められた第2設定回転数N2よりも低く
なったときには燃料噴射作用を再開し、それによって失
火するのを阻止するようにしている。
【0019】図3には第1および第2設定回転数N1,
N2の一例が示される。図3に示す例では第1および第
2設定回転数N1,N2は機関冷却水温THWの関数と
して予めROM22内に記憶されている。機関冷却水温
THWが低い機関暖機運転時に燃料噴射作用を停止する
と次いで燃料噴射作用を再開しても燃焼室内における燃
料の良好な燃焼を確保するのが困難である。そこで図3
に示す例では冷却水温THWが低いとき程第1および第
2設定回転数N1,N2を高くして燃料噴射停止作用が
行われるべき機関運転領域ができるだけ狭くなるように
している。すなわち、N<N2の場合にはアイドルスイ
ッチ28がオンであっても燃料噴射停止作用は行われな
い。したがって第2設定回転数N2を高く定めたとき程
燃料噴射停止作用が行われるべき機関運転領域が狭くさ
れることとなる。一方、アイドルスイッチ28がオンに
されたときにN<N1のときにも燃料噴射停止作用は行
われないので第1設定回転数N1を高く定めたとき程燃
料噴射停止作用が行われるべき機関運転領域が狭くされ
ることとなる。その結果図3に示す例では機関暖機運転
時において燃料噴射停止作用を行ったときに機関が失火
するのが阻止される。
【0020】このように燃料噴射作用を停止すると燃料
消費量を低減することができる。ところが、燃料噴射作
用の停止時にパージ作用を行うと蒸発燃料により形成さ
れる混合気は極めてリーンであるのでこの蒸発燃料は燃
焼室内で燃焼されることなく排気マニホルド3内に排出
されてしまう。そこで図1の内燃機関では燃料噴射作用
の停止時にパージ作用も停止するようにしている。
【0021】パージ作用を停止すべくパージ制御弁17
が閉弁されるとこのとき燃料タンク15からキャニスタ
11に導かれた蒸発燃料は活性炭10内に導かれて吸着
される。この場合、キャニスタ11に多量の蒸発燃料が
すでに吸着されているにもかかわらず、すなわちキャニ
スタ11の蒸発燃料吸着能力がすでに低くなっているに
もかかわらずこのとき燃料噴射作用が停止され、それに
伴ってパージ作用が停止されるとパージ作用の停止時に
キャニスタ11内に導かれた蒸発燃料が活性炭10に吸
着されることなく大気中に放出される恐れがある。
【0022】一方、キャニスタ11にすでに多量の蒸発
燃料が吸着されているときにパージ作用が行われると吸
入空気中における蒸発燃料濃度が増大する。また、パー
ジ作用時に燃料タンク15内で発生した蒸発燃料は次い
で活性炭10に吸着されることなくサージタンク5内に
パージされ、したがってパージ作用時に燃料タンク15
からキャニスタ11に多量の蒸発燃料量が導かれた場合
も吸入空気中における蒸発燃料濃度が増大する。すなわ
ち、キャニスタ11に吸着されている蒸発燃料量が多い
とき程、または燃料タンク15からキャニスタ11に導
かれる蒸発燃料量が多いとき程上述した蒸発燃料濃度係
数の変動量FGPG−1が増大することとなる。云い換
えると機関にパージされた蒸発燃料量を表す蒸発燃料濃
度係数の変動量FGPG−1が大きいとき程キャニスタ
11の蒸発燃料吸着能力が低くなっていることがわか
る。そこで本実施例では、図4に示すように蒸発燃料濃
度係数の変動量FGPG−1が大きいとき程第1および
第2設定回転数N1,N2を高くして燃料噴射作用が停
止されるべき機関運転領域ができるだけ狭くなるように
している。その結果、キャニスタ11の蒸発燃料吸着能
力が低いとき程パージ作用が停止されるべき運転領域が
狭くされることとなる。したがって、キャニスタ11の
蒸発燃料吸着能力が極めて低くされるのが阻止され、斯
くして蒸発燃料がキャニスタ11に吸着されることなく
大気中に放出されるのを阻止することができる。なお、
第1および第2設定回転数N1,N2は図4に示すマッ
プの形で予めROM22内に記憶されている。
【0023】本実施例において、燃料噴射作用が再開さ
れ、それに伴ってパージ作用が再開されるときに機関に
パージされる蒸発燃料量が多いとき程第2設定回転数が
高くされていることになる。したがって、パージ作用の
再開時に比較的多量の蒸発燃料がパージされたとしても
このときの機関回転数Nは比較的高いのでパージ作用の
再開時の機関出力トルクの変動を低減することができ
る。
【0024】なお本実施例では、蒸発燃料濃度係数の変
動量FGPG−1が極く小さいとき、すなわち予め定め
た設定値FFよりも小さいときには図3のマップを用い
て第1および第2設定回転数N1,N2を算出し、FG
PG−1がFFよりも大きいときには図4のマップを用
いて第1および第2設定回転数N1,N2を算出するよ
うにしている。
【0025】次に図5から図8を参照して上述した実施
例を実行するためのルーチンを説明する。図5には燃料
噴射停止制御を行うためのルーチンが示される。このル
ーチンは例えばメインルーチン内で実行される。まずス
テップ50ではアイドルスイッチ28がオンにされてい
るか否かが判別される。アイドルスイッチ28がオンに
されているときには次いでステップ51に進み、オフに
されているときには次いでステップ59および60に進
む。ステップ51では蒸発燃料濃度係数の変動量FGP
G−1が設定値FFよりも大きいか否かが判別される。
FGPG−1≧FFのときには次いでステップ52に進
み、図4のマップを用いてFGPG−1に基づき第1お
よび第2設定回転数N1,N2が算出される。次いでス
テップ54に進む。一方、FGPG−1<FFのときに
は次いでステップ53に進み、図3のマップを用いてT
HWに基づき第1および第2設定回転数N1,N2が算
出される。次いでステップ54に進む。
【0026】ステップ54では機関回転数Nがステップ
52または53で算出された第2設定回転数N2よりも
高いか否かが判別される。N≧N2のときには次いでス
テップ55に進む。これに対しN<N2のときにはステ
ップ59および60に進む。ステップ55では、燃料噴
射作用を停止すべきときにセットされる噴射停止フラグ
がセットされているか否かが判別される。この噴射停止
フラグおよび後述するパージ停止フラグはイグニッショ
ンスイッチ(図示しない)がオンにされたときに1回だ
け実行されるイニシャライズ処理においてリセットされ
る。したがって機関が始動されてから初めてステップ5
5に進んだときには次いでステップ56に進み、機関回
転数Nがステップ52または53で算出された第1設定
回転数N1よりも高いか否かが判別される。N≧N1の
ときには次いでステップ57および58に進む。ステッ
プ57では噴射停止フラグがセットされる。続くステッ
プ58では、パージ作用を停止すべきときにセットされ
るパージ停止フラグがセットされる。次いで処理サイク
ルを終了する。
【0027】これに対しステップ56においてN<N1
のときには処理サイクルを終了する。したがって噴射停
止フラグがリセットされておりかつN<N1のときには
噴射停止フラグがリセットした状態に保持され、すなわ
ち燃料噴射作用が継続して行われる。一方、ステップ5
5において噴射停止フラグがセットされているときには
処理サイクルを終了する。すなわちステップ55に進む
のはN≧N2のときであるのでN<N2となるまで燃料
噴射停止作用が継続される。ステップ59では噴射停止
フラグがリセットされ、続くステップ60ではパージ停
止フラグがリセットされる。次いで処理サイクルを終了
する。
【0028】次に図6を参照してパージ制御について説
明する。図6に示すルーチンは例えば100ms毎の割
込みによって実行される。まずステップ70ではパージ
制御を開始すべき条件が成立したか否かが判別される。
本実施例では、機関冷却水温THWが80℃以上であり
かつ空燃比のフィードバック制御が開始されておりかつ
空燃比の学習制御が完了している場合にパージ制御を開
始すべき条件が成立したと判断される。パージ制御を開
始すべき条件が成立していないときには次いでステップ
71および72に進む。これに対してパージ制御を開始
すべき条件が成立したときには次いでステップ73に進
み、図5のルーチンで制御されるパージ停止フラグがセ
ットされているか否かが判別される。パージ停止フラグ
がリセットされているときにはステップ74に進み、パ
ージ制御が行われている時間を表すタイマカウント値C
1を1だけインクリメントする。一方パージ停止フラグ
がセットされているときには次いでステップ71および
72に進む。ステップ71ではタイマカウント値C1が
零とされ、続くステップ72ではパージ率PGRを零と
する。次いで処理サイクルを終了する。
【0029】ステップ75では次式に基づいて目標パー
ジ率TPGRが算出される。 TPGR=TPGR+X ここでXは小さな一定値である。目標パージ率TPGR
はイニシャライズ処理において零にされる。次いでステ
ップ76では目標パージ率TPGRが5%よりも大きい
か否かが判別される。TPGR<5(%)のときにはス
テップ78にジャンプし、TPGR≧5(%)のときに
は次いでステップ77に進んでTPGR=5(%)とし
た後にステップ78に進む。目標パージ率TPGRが大
きくなると空燃比を理論空燃比に制御するのが困難とな
る。そこで図6に示す例では目標パージ率TPGRが5
%よりも大きくならないようにしている。
【0030】ところで図1の内燃機関では、機関運転状
態により定まる基準パージ率、例えば最大パージ率MA
XPGに対する目標パージ率TPGRの割合に応じてパ
ージ制御弁17の開弁割合が制御される。最大パージ率
MAXPGはパージ制御弁17を全開にしたときの吸入
空気量Qに対するパージ量の比であり、この最大パージ
率MAXPGは図7(A)に示すようなマップの形で予
めROM22内に記憶されている。図7(A)からわか
るようにこの最大パージ率MAXPGは機関負荷Q/N
(吸入空気量Q/機関回転数N)と機関回転数Nとの関
数である。また図7(B)からわかるように最大パージ
率MAXPGは一定の機関回転数Nに対して機関負荷Q
/Nが低くなるほど大きくなり、図7(C)からわかる
ように最大パージ率MAXPGは一定の機関負荷Q/N
に対して機関回転数Nが低くなるほど大きくなる。本実
施例ではパージ制御弁17の開弁時間のデューティ比を
制御するようにしているのでこの場合には最大パージ率
MAXPGに対する目標パージ率TGTPGの割合に応
じてパージ制御弁17の開弁時間のデューティ比が制御
される。
【0031】ステップ78では図7のマップから最大パ
ージ率MAXPGが算出される。次いでステップ79で
は、次式に基づいてパージ制御弁17の駆動デューティ
比DUTYが算出される。 DUTY=(TPGR/MAXPG)・100 次いでステップ80ではデューティ比DUTYが100
%よりも大きいか否かが判別される。DUTY<100
(%)のときにはステップ82にジャンプし、DUTY
≧100(%)のときには次いでステップ81に進んで
DUTY=100(%)とした後にステップ82に進
む。
【0032】ステップ82では実際のパージ率PGRが
次式に基づいて算出される。 PGR=MAXPG・DUTY/100 すなわちステップ79におけるデューティ比DUTYの
計算においてDUTY≧100(%)となるとデューテ
ィ比DUTYは100に固定される。したがってこの場
合、実際のパージ率PGRは目標パージ率TPGRから
ずれることとなる。なお(TPGR/MAXPG)・1
00が100を越えない限り実際のパージ率PGRは目
標パージ率TPGRに一致する。次いでステップ83で
はデューティ比DUTYに基づいてパージ制御弁17が
駆動せしめられる。
【0033】次に図8を参照して燃料噴射制御を説明す
る。図8に示すルーチンは例えばメインルーチン内で実
行される。ステップ90では、図5のルーチンで制御さ
れる噴射停止フラグがセットされているか否かが判別さ
れる。噴射停止フラグがセットされていないときには次
いでステップ91に進む。ステップ91では基本燃料噴
射時間TPがされ、続くステップ92では増量補正係数
KKが算出される。次いでステップ93ではパージA/
F補正係数FPGが次式に基づいて算出される。 FPG=−(FGPG−1)・PGR
【0034】次いでステップ94では燃料噴射時間TA
Uが次式に基づいて算出される。 TAU=TP・{1+KK+(FAF−1)+FPG} 次いでステップ95に進み、燃料噴射弁4により燃料噴
射時間TAUに基づいて燃料噴射作用が行われる。これ
に対しステップ90において噴射停止フラグがセットさ
れているときには次いでステップ96にジャンプし、燃
料噴射作用が停止される。
【0035】次に図9を参照して噴射停止制御の別の実
施例を説明する。図1の内燃機関では、燃料ポンプ(図
示しない)により燃料タンク15から汲み上げられた燃
料は次いで燃料分配管(図示しない)を介して各燃料噴
射弁4に分配される。燃料分配管内には逃がし弁が設け
られており、この逃がし弁は燃料分配管内の燃料圧が設
定圧に達すると開弁して燃料分配管内の燃料を外部に逃
がすことにより燃料分配管内の燃料圧が設定圧に維持さ
れるようにしている。このとき逃がし弁を介して燃料分
配管の外部に排出された燃料は次いで燃料タンク内に戻
されるようになっている。
【0036】燃料分配管は通常燃焼室の近くに配置され
るので燃料分配管内の燃料は比較的高温であり、この高
温の燃料が燃料タンクに戻されると燃料タンク内の燃料
が加熱されることになる。したがって、機関運転時間が
長くなる程燃料タンク内において蒸発燃料が発生しやす
くなる。そこで本実施例では、機関運転時間が予め定め
た設定時間になるまでは燃料タンク内で発生する蒸発燃
料量が少なく、キャニスタ11の蒸発燃料吸着能力が高
いと判断して図3のマップから第1および第2設定回転
数N1,N2を算出するようにしている。一方、機関運
転時間が設定時間よりも長くなったときには燃料タンク
内で発生する蒸発燃料量が増大し、キャニスタ11の蒸
発燃料吸着能力が低下しうると判断して図4のマップか
ら第1および第2設定回転数N1,N2を算出するよう
にしている。
【0037】この実施例は、図5のステップ51を図9
のステップ51′に置き換えたルーチンによって実行さ
れる。すなわち、図5のステップ50から次いで図9の
ステップ51′に進む。ステップ51′では、図6のル
ーチンで求められるパージ実行時間を表すタイマカウン
ト値C1が予め定められた設定値CC1よりも長いか否
かが判別される。C1>CC1のときには機関運転時間
が設定時間よりも長くなったと判断して次いで図5のス
テップ52に進む。これに対しC1≦CC1のときには
機関運転時間が設定時間よりも短いと判断して次いで図
5のステップ53に進む。その他については上述した実
施例と同様であるので説明を省略する。
【0038】これまで述べてきた実施例では、キャニス
タ11の蒸発燃料吸着能力が低いとき程第1および第2
設定回転数N1,N2が高くなるようにしている。しか
しながら、キャニスタ11の蒸発燃料吸着能力を例えば
高いか低いかの2段階評価し、キャニスタ11の蒸発燃
料吸着能力が低いときには高いときに比べて第1および
第2設定回転数N1,N2がそれぞれ高くなるように変
更し、それによって燃料噴射作用と共にパージ作用が停
止されるべき運転領域が狭くなるようにすることもでき
る。
【0039】またこれまで述べてきた実施例では、キャ
ニスタ11の蒸発燃料吸着能力が低いとき程第1および
第2設定回転数N1,N2を高くしてパージ作用が停止
されるべき運転領域が狭くなるようにしている。しかし
ながら、第1および第2設定回転数N1,N2をキャニ
スタ11の蒸発燃料吸着能力に依らず定め(図3のマッ
プ)、一方キャニスタ11の蒸発燃料吸着能力が低いと
き程大きくなる補正係数を導入して機関回転数Nに例え
ば乗算し、補正後の機関回転数と第1および第2設定回
転数とを比較するようにすることもできる。この場合、
キャニスタ11の蒸発燃料吸着能力が低いとき程燃料噴
射作用と共にパージ作用が停止されるべき運転領域が狭
くなるようにされることとなる。
【0040】次に噴射停止制御のさらに別の実施例を説
明する。ところで、上述の算出式から算出された燃料噴
射時間TAUが極めて短くなると燃料噴射弁4の安定し
た作動を得るのが困難となり、その結果燃料噴射弁4か
ら実際に噴射される燃料量が正規の燃料量からずれる恐
れがある。そこで本実施例では、燃料噴射時間TAUが
極めて短いときには燃料噴射作用を停止するようにして
いる。ところが、この場合にもキャニスタ11の蒸発燃
料吸着能力を考慮して燃料噴射作用を停止すべきか否か
を判断する必要がある。本実施例では、燃料噴射時間T
AUを補正して得られる燃料噴射量係数TTAUと機関
回転数Nとを運転状態量として用い、一方予め定められ
た第1および第2設定燃料量と第3設定回転数N3とを
燃料噴射作用停止条件量として用い、これらを比較する
ことにより燃料噴射作用を停止するか否かを判別してい
る。すなわち、まずこの実施例では次式に基づいて燃料
噴射量係数TTAUが算出される。 TTAU=TAU・{1+(FGPG−1)}・b ここでbは一定値である。この燃料噴射量係数TTAU
が予め一定に定められた設定燃料量よりも少ないときに
燃料噴射作用が停止される。次いで機関回転数Nが第3
設定回転数Nよりも低くなると燃料噴射作用を再開する
ようにしている。なお、燃料噴射量係数TTAUと第1
および第2設定燃料量TT1,TT2間の大小の判断は
機関回転数Nが第3設定回転数N3よりも高いときに行
われる。
【0041】上述したようにキャニスタ11の蒸発燃料
吸着能力が低いとき程蒸発燃料濃度係数の変動量FGP
G−1が大きくなり、したがってキャニスタ11の蒸発
燃料吸着能力が低いとき程燃料噴射量係数TTAUが大
きくなることがわかる。したがって、キャニスタ11の
蒸発燃料吸着能力が低いとき程燃料噴射量係数TTAU
が第1および第2設定燃料量よりも小さくなりにくくな
り、すなわちキャニスタ11の蒸発燃料吸着能力が低い
とき程燃料噴射作用が停止されにくくなることとなる。
その結果蒸発燃料が大気中に放出されるのを阻止すると
ができる。
【0042】次に本実施例による噴射停止制御を詳細に
説明する。機関回転数Nが第3設定回転数N3よりも高
いときにまず供給燃料量TTAUが予め定められた第1
設定燃料量よりも少ないか否かが判別される。ところ
で、例えば機関急減速運転時のときには燃料噴射量が急
激に減少せしめられて供給燃料量TTAUが一時的に急
激に減少せしめられる。このとき供給燃料量TTAUが
設定燃料量よりも少なくなる場合があり、この場合キャ
ニスタ11の蒸発燃料吸着能力とは無関係に燃料噴射作
用およびパージ作用が停止されることになる。そこで本
実施例では、第1設定燃料量TT1と、第1設定燃料量
TT1よりも少なく定められた第2設定燃料量TT2と
を導入し、燃料噴射量係数TTAUをこれら第1および
第2設定燃料量TT1,TT2と比較するようにしてい
る。すなわち、機関回転数Nが第3設定回転数N3より
も高いときにまず燃料噴射量係数TTAUが第1設定燃
料量TT1と比較される。TTAU<TT1の状態が予
め定められた設定時間にわたって保持された場合には次
いで燃料噴射量係数TTAUが第2設定燃料量TT2と
比較される。このときTTAU<TT2が成立すれば燃
料噴射作用およびパージ作用が停止せしめられる。次い
で、機関回転数Nが第3設定回転数N3よりも低くなっ
たときには燃料噴射作用を再開し、それにより失火しな
いようにする。このときパージ作用も同時に再開する。
【0043】次に図10を参照して上述の噴射停止制御
を実行するためのルーチンを説明する。このルーチンは
例えばメインルーチン内で実行される。まずステップ1
01では機関回転数Nが第3設定回転数N3よりも高い
か否かが判別される。N≧N3のときには次いでステッ
プ102に進み、N<N3のときには次いでステップ1
05に進む。ステップ102では次式に基づいて燃料噴
射量係数TTAUが算出される。 TTAU=TAU・{1+(FGPG−1)}・b ここで燃料噴射時間TAUおよび蒸発燃料濃度係数FG
PGは図8および図2に示すルーチンにおいて算出され
た値を用いることができる。次いでステップ103に進
み、燃料噴射量係数TTAUが第1設定燃料量TT1よ
りも少ないか否かが判別される。TTAU<TT1のと
きには次いでステップ104に進み、TTAU<TT1
が成立してからの時間を表すタイマカウント値C2が1
だけインクリメントされる。次いでステップ106に進
む。一方、TTAU≧TT1のときには次いでステップ
105に進んでタイマカウント値C2を零とし、次いで
ステップ111,112に進む。ステップ111では噴
射停止フラグがリセットされ、ステップ112ではパー
ジ停止フラグがリセットされる。次いで処理サイクルを
終了する。
【0044】ステップ106ではタイマカウント値C2
が予め定められた設定値CC2よりも大きいか否かが判
別される。C2≧CC2のとき、すなわち予め定めた設
定時間にわたってTTAU≧TT1が成立しているとき
には次いでステップ107に進む。一方C2<CC2の
ときにはステップ111,112に進んだ後に処理サイ
クルを終了する。ステップ107では燃料噴射量係数T
TAUが第1設定燃料量TT1よりも少なく定められた
第2設定燃料量TT2よりも少ないか否かが判別され
る。TTAU<TT2のときには次いでステップ108
に進んで噴射停止フラグをセットし、次いでステップ1
09に進んでパージ停止フラグをセットする。これに対
しTTAU≧TT2のときにはステップ111,112
に進んだ後に処理サイクルを終了する。
【0045】図10を参照して説明した噴射停止制御
と、図5を参照して説明した噴射停止制御とのうちいず
れか一方のみを行うようにすることができる。しかしな
がら、これらの噴射停止制御を同一のメインルーチン内
で実行することもできる。この場合、図5のルーチンに
おいて噴射停止フラグおよびパージ停止フラグがリセッ
トされていることを条件として図10のルーチンを実行
するようにする。
【0046】また図10を参照して説明した実施例にお
いて、キャニスタ11の蒸発燃料吸着能力を例えば高い
か低いかの2段階評価し、キャニスタ11の蒸発燃料吸
着能力が低いときには高いときに比べて小さくなるよう
に燃料噴射量を補正し、それによって燃料噴射作用と共
にパージ作用が停止されるべき運転領域が狭くなるよう
にすることもできる。
【0047】さらに図10を参照して説明した実施例で
は、キャニスタ11の蒸発燃料吸着能力が低くなる程燃
料噴射量が多くなるように補正し、キャニスタ11の蒸
発燃料吸着能力が低いとき程燃料噴射作用およびパージ
作用が停止されるべき機関運転領域が狭くなるようにし
ている。しかしながら、第1および第2設定燃料量TT
1,TT2をキャニスタ11の蒸発燃料吸着能力に応じ
て変更させ、すなわちキャニスタ11の蒸発燃料吸着能
力が低いとき程少なくなるように設定することもでき
る。この場合、キャニスタ11の蒸発燃料吸着能力が低
いとき程燃料噴射作用およびパージ作用が停止されるべ
き機関運転領域が狭くされることとなる。
【0048】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、キャニスタ
の蒸発燃料吸着能力に基づき燃料噴射作用停止条件量を
変更し、すなわちキャニスタの蒸発燃料吸着能力が低い
とき程燃料噴射作用が停止されるべき機関運転領域が狭
くなるように燃料噴射作用停止条件量を定めているので
キャニスタの蒸発燃料吸着能力が極めて小さくなるのを
阻止することができる。その結果蒸発燃料がキャニスタ
内に蓄えられることなく大気中に放出されるのを阻止す
ることができる。また請求項2に記載の発明では、キャ
ニスタの蒸発燃料吸着能力に基づき運転状態量を補正
し、すなわちキャニスタの蒸発燃料吸着能力が低いとき
程燃料噴射作用が停止されるべき機関運転領域が狭くな
るように運転状態量を補正しているのでキャニスタの蒸
発燃料吸着能力が極めて小さくなるのを阻止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】蒸発燃料濃度係数を算出するためのフローチャ
ートである。
【図3】第1および第2設定回転数を示す線図である。
【図4】第1および第2設定回転数を示す線図である。
【図5】噴射停止制御を実行するためのフローチャート
である。
【図6】パージ制御を実行するためのフローチャートで
ある。
【図7】最大パージ率を示す線図である。
【図8】燃料噴射制御を実行するためのフローチャート
である。
【図9】別の実施例による噴射停止制御を実行するため
のフローチャートの一部である。
【図10】さらに別の実施例による噴射停止制御を実行
するためのフローチャートである。
【符号の説明】
4…燃料噴射弁 9…スロットル弁 11…キャニスタ 15…燃料タンク 17…パージ制御弁 31…空燃比センサ 33…クランク角センサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−38153(JP,A) 特開 平6−221234(JP,A) 特開 昭63−18158(JP,A) 特開 平4−237861(JP,A) 特開 平4−292542(JP,A) 特開 平5−33733(JP,A) 特開 平4−272440(JP,A) 特開 平5−18295(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/02 330 F02D 41/12 330

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射弁と、燃料タンクから導かれた
    蒸発燃料を一時的に吸着して蓄えるキャニスタと、キャ
    ニスタから機関に蒸発燃料を供給するパージ制御手段
    と、機関運転状態を表す運転状態量と予め定められた燃
    料噴射作用停止条件量とを比較することにより機関運転
    状態が燃料噴射作用を停止すべき運転領域にあるか否か
    を判別する判別手段と、判別手段により機関運転状態が
    燃料噴射作用を停止すべき運転領域にあると判別された
    ときに燃料噴射作用を停止する燃料噴射制御手段と、燃
    料噴射作用の停止時にパージ制御手段によるパージ作用
    を停止するパージ作用停止手段とを具備した内燃機関の
    供給燃料制御装置において、キャニスタの蒸発燃料吸着
    能力を算出する算出手段と、算出手段により算出された
    キャニスタの蒸発燃料吸着能力が低いとき程燃料噴射制
    御手段が燃料噴射作用を停止すべき運転領域が狭くなる
    ように燃料噴射作用停止条件量を変更する変更手段とを
    具備した内燃機関の供給燃料制御装置。
  2. 【請求項2】 燃料噴射弁と、燃料タンクから導かれた
    蒸発燃料を一時的に吸着して蓄えるキャニスタと、キャ
    ニスタから機関に蒸発燃料を供給するパージ制御手段
    と、機関運転状態を表す運転状態量と予め定められた燃
    料噴射作用停止条件量とを比較することにより機関運転
    状態が燃料噴射作用を停止すべき運転領域にあるか否か
    を判別する判別手段と、判別手段により機関運転状態が
    燃料噴射作用を停止すべき運転領域にあると判別された
    ときに燃料噴射作用を停止する燃料噴射制御手段と、燃
    料噴射作用の停止時にパージ制御手段によるパージ作用
    を停止するパージ作用停止手段とを具備した内燃機関の
    供給燃料制御装置において、キャニスタの蒸発燃料吸着
    能力を算出する算出手段と、算出手段により算出された
    キャニスタの蒸発燃料吸着能力が低いとき程燃料噴射制
    御手段が燃料噴射作用を停止すべき運転領域が狭くなる
    ように運転状態量を補正する補正手段とを具備し、上記
    判別手段が、補正手段により補正された運転状態量と燃
    料噴射作用停止条件量とを比較する内燃機関の供給燃料
    制御装置。
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