JP3123276B2 - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

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JP3123276B2
JP3123276B2 JP05003444A JP344493A JP3123276B2 JP 3123276 B2 JP3123276 B2 JP 3123276B2 JP 05003444 A JP05003444 A JP 05003444A JP 344493 A JP344493 A JP 344493A JP 3123276 B2 JP3123276 B2 JP 3123276B2
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満 大野
淳 飯島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体に記録さ
れた位置信号を磁気抵抗効果素子(以下「MRセンサ」
という。)を用いて検出する位置検出装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体に記録された位置信
号をMRセンサを用いて検出する位置検出装置におい
て、MRセンサの検出信号の高調波歪成分を除去するた
めにMRセンサにバイアス磁界を印加することが知られ
ている。
【0003】この位置検出装置では、図7に示すよう
に、MRセンサ10にバイアス磁界を印加するためのバ
イアスマグネットのバイアス磁界の強さは特定せず、バ
イアスマグネットとしてその対辺方向に着磁された一般
の永久磁石11を使用して、MRセンサ10に矢符Bの
ような平行磁界となるバイアス磁界を印加するようにし
ていた。
【0004】また、別の位置検出装置では、図8に示す
ように、MRセンサ12の大きさとバイアスマグネット
13の大きさとの関係は特定せず、収納スペースを小さ
くするために、MRセンサ12に対してその対辺方向に
着磁されたバイアスマグネット13を小型化して使用し
ていた。
【0005】また、別の位置検出装置では、図9に示す
ように、MRセンサ14に矢符Cのような平行磁界を付
与するために、MRセンサ14の左右両側を挟むように
その対辺方向に着磁された2つのバイアスマグネット1
5、16を設けるようにしていた。
【0006】さらに、別の位置検出装置では、図10に
示すように、磁気記録媒体17に対して、対向して配置
したケース18内にMRセンサ19及び対辺方向に着磁
したバイアスマグネット20を並列して配置していた。
【0007】つまり、上例のように、MRセンサの磁界
の強さ、MRセンサの大きさ、MRセンサとバイアスマ
グネットの配置関係は特定していなかった。従って、M
Rセンサに印加されるバイアス磁界の方向と、MRセン
サ中の不図示のパターンを流れる電流の方向とが必ずし
も平行となるように設定されていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来の
位置検出装置では、図7に示すように、バイアスマグネ
ットとして永久磁石11を使用した場合、バイアス磁界
が弱い場合には、MRセンサ10の検出信号の歪成分を
除去する効果がなくなり、逆に強い場合には、図6に示
すように、バイアスマグネットを一般の永久磁石11に
した場合のクリアランス特性曲線は、バイアスマグネッ
ト11とMRセンサ10との距離が小さくなるにつれて
特性曲線のピーク点がクリアランスの小さくなる方向に
シフトしていくようになる。
【0009】しかし、バイアスマグネット11によるバ
イアス磁界が大きすぎるため、バイアスマグネット11
とMRセンサ10との距離が10ミリメートル以上にな
っても、十分なクリアランスを確保することが出来な
い。つまり、MRセンサ10と磁気記録媒体9との対向
する距離を意味するクリアランスが狭くなり、位置検出
装置としての位置検出範囲を十分に確保することが出来
ないという不都合があった。
【0010】また、図7に示すように、バイアスマグネ
ットとして永久磁石11を使用した場合、その磁界が強
すぎるのでこの磁界を弱めるため、バイアスマグネット
としての永久磁石11とMRセンサ10との距離を大き
くしなければならず、それらを収納するためのケースが
大型化するという不都合があった。さらに、MRセンサ
10に印加されるバイアス磁界はMRセンサ10中の不
図示のパターンを流れる電流の方向と平行に印加してい
ない場合には、MRセンサ10の検出信号の歪成分を除
去する効果が弱くなるという不都合があった。
【0011】このため、MRセンサに平行磁界を印加す
る方法として、理想的には、図9に示すように、MRセ
ンサ14の幅と同等以上の幅を持つ2つのバイアスマグ
ネット15、16をMRセンサ14の両側に配置するこ
とが考えられるが、これらを収納するケースが大型化す
るという不都合があった。
【0012】また、MRセンサに平行磁界を印加する別
の方法として、図7に示すように、MRセンサ10中の
不図示のパターンを流れる電流の方向に磁極を有し、あ
る程度以上の磁極間隔を持つバイアスマグネット11を
持ち、MRセンサ10とバイアスマグネット11との距
離を調整する方法があるが、これも上述したように、ケ
ースが大型化する。
【0013】さらに、図8に示すように、バイアスマグ
ネット13から発生する磁界により、MRセンサ12の
位置での磁界の強さを弱めるために、バイアスマグネッ
ト13の形状をMRセンサ12の形状よりも小型にする
場合には、バイアス磁界の方向は矢符D及び矢符Eのよ
うになり、平行磁界が得られなくなるという不都合があ
った。
【0014】また、図10に示すように、磁気記録媒体
17に対して、ケース18内にMRセンサ19及びバイ
アスマグネット20が配置された場合、図11に点線で
示すように磁気記録媒体17が誤ってバイアスマグネッ
ト20に対向する位置に移動すると、磁気記録媒体17
上に記録された位置信号を破壊するという不都合があっ
た。本発明は、これらの課題を解決するためになされた
もので、MRセンサと磁気記録媒体とのクリアランスを
効率よく確保することができる位置検出装置を提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の位置検出装置は
例えば図1及び図4に示す如く、被検出手段1と、被検
出手段1から所定距離だけ離隔して、被検出手段1に対
向して配置され、被検出手段1に記録された位置信号を
検出する検出手段2と、検出手段2により得られる位置
信号の歪成分を除去するように検出手段2にバイアス磁
界を印加するバイアス磁界印加手段3とからなり、バイ
アス磁界印加手段3は、被検出手段1と検出手段2との
距離に対する検出手段2の出力を表す特性曲線におい
て、無バイアス時の特性曲線のピーク出力の略80パー
セントの出力となる被検出手段1と検出手段2との距離
において、略80パーセントの出力の略90パーセント
以上の出力を得るようなバイアス磁界を印加するもので
ある。
【0016】また、本発明の位置検出装置は例えば図1
に示す如く、バイアス磁界印加手段3は、検出手段2と
ほぼ同形状で厚さを1ミリメートル以下とした磁性材板
3を磁気的に飽和させることのない未飽和状態で着磁さ
せ、検出手段2に対して被検出手段1と反対側に、検出
手段2に対向して配置し、磁性材板3と検出手段2との
距離を調整することによりバイアス磁界を得るようにし
たものである。
【0017】また、本発明の位置検出装置は、図1及び
図4に示す如く、バイアス磁界印加手段は、磁性材板3
の着磁量が15×10-3〔T〕以下であるものである。
また、本発明の位置検出装置は、図1及び図4に示す如
く、磁性材板3と検出手段2との距離は4ミリメートル
以上であるものである。また、本発明の位置検出装置
は、図1及び図4に示す如く、バイアス磁界の検出手段
における磁束密度が5.0×10-4〔T〕以下であるも
のである。
【0018】
【作用】上述せる本発明によれば、バイアス磁界印加手
段は、被検出手段と検出手段との距離に対する検出手段
の出力を表す特性曲線において、無バイアス時の特性曲
線のピーク出力の略80パーセントの出力となる被検出
手段と検出手段との距離において、略80パーセントの
出力の略90パーセント以上の出力を得るようなバイア
ス磁界を印加するので、被検出手段に記録された位置信
号を検出手段で検出するのに十分な、検出手段と被検出
手段との所定距離を効率よく確保することが出来る。
【0019】また、本発明によれば、磁性体板を磁気的
に飽和させることのない未飽和状態で着磁させたので、
磁性体板を検出手段に近接させて、収納スペースを小さ
くすることが出来る。また、本発明によれば、磁性体板
を検出手段とほぼ同形状としたので、検出手段に平行磁
界に近いバイアス磁界を印加することが出来る。
【0020】
【実施例】以下に、図1乃至図5を参照して本発明の位
置検出装置の一実施例について詳細に説明する。本例の
位置検出装置は、図1に示すように、CuNiFeから
なる磁気記録媒体1に記録された位置信号をMRセンサ
2を用いて検出する位置検出装置において、MRセンサ
の検出信号の高調波による歪成分を除去するために、C
uNiFeからなるバイアスマグネット3によりMRセ
ンサ2に矢符A方向のバイアス磁界を印加するものであ
る。
【0021】図2に示すように、MRセンサ2の形状
は、縦7ミリメートル、横9.5ミリメートル、高さ
0.7ミリメートルであり、その表面に設けられたパタ
ーン4の大きさは、縦3.5ミリメートル、横6.5ミ
リメートルである。図3に示すように、バイアスマグネ
ット3の形状は、縦6ミリメートル、横8ミリメート
ル、高さ0.15ミリメートルである。
【0022】このバイアスマグネット3は、その対辺方
向に10×10-3[T](100Gauss)程度の未
飽和状態に着磁して、MRセンサ2との距離を5〜6ミ
リメートルとする。このときバイアスマグネット3のバ
イアス磁界の方向とMRセンサの表面に設けられたパタ
ーン4の長さ方向とを一致させる。
【0023】本例の位置検出装置は以上のように構成さ
れていて、図4に示すように、バイアスマグネットの着
磁量をパラメーターとしたときの横軸に示したクリアラ
ンスと縦軸に示したMRセンサ出力電圧との特性曲線
は、着磁量を増してゆくと特性曲線のピーク点がクリア
ランスの小さくなる方向にシフトしていくようになる。
【0024】ここでは、着磁量15×10-3[T](1
50Gauss)以下、つまりこの曲線中では、10×
10-3[T]が適正値であり、このとき、必要なクリア
ランスを確保しながら、ピーク点から直線領域にわたる
範囲がMRセンサの実用領域として使用可能な範囲とな
る。このときバイアス磁界、つまりMRセンサ自体に印
加される磁束密度は5.0×10-4[T]以下である。
【0025】図5に示すように、バイアスマグネットと
MRセンサとの距離をパラメーターとしたときの横軸に
示すクリアランスと縦軸に示すMRセンサ出力電圧との
特性曲線は、バイアスマグネットとMRセンサとの距離
が小さくなるにつれて特性曲線のピーク点がクリアラン
スの小さくなる方向にシフトしていくようになる。
【0026】このときのバイアスマグネットの着磁量は
10×10-3[T](100Gauss)であり、バイ
アスマグネットとMRセンサとの距離は6ミリメートル
が適正値であり、このとき、必要なクリアランスを確保
しながら、ピーク点から直線領域にわたる範囲がMRセ
ンサの実用領域として使用可能な範囲となる。
【0027】図4乃至図5において、横軸に示したクリ
アランスと縦軸に示したMRセンサ出力電圧との特性曲
線で、無バイアス時のMRセンサ出力電圧のピーク点を
100パーセントとしたとき、その無バイアス時の80
パーセント程度の出力電圧が得られる点のクリアランス
値において、その無バイアス時の80パーセントのクリ
アランス値での出力電圧の90パーセント以上の出力電
圧となるようなバイアス磁界を得るバイアスマグネット
の着磁量及びバイアスマグネットとMRセンサとの距離
が上記適正値となることがわかる。
【0028】つまり100パーセントの出力電圧に対し
て72パーセント以上の出力電圧となるようなバイアス
磁界を得るバイアスマグネットの着磁量及びバイアスマ
グネットとMRセンサとの距離が上記適正値となる。
【0029】上述せる本例によれば、バイアス磁界印加
手段は、被検出手段と検出手段との距離に対する検出手
段の出力を表す特性曲線において、無バイアス時の特性
曲線のピーク出力の略80パーセントの出力となる被検
出手段と検出手段との距離において、略80パーセント
の出力の略90パーセント以上の出力を得るようなバイ
アス磁界を印加するので、被検出手段に記録された位置
信号を検出手段で検出するのに十分な、検出手段と被検
出手段との所定距離を効率よく確保することが出来る。
【0030】また、本例によれば、磁性体板を磁気的に
飽和させることのない未飽和状態で着磁させたので、磁
性体板を検出手段に近接させて、収納スペースを小さく
することが出来る。
【0031】また、本例によれば、磁性体板を検出手段
とほぼ同形状としたので、検出手段に平行磁界に近いバ
イアス磁界を印加することが出来る。ことができる。
【0032】尚、上述の実施例は本発明の一例であり、
本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取
り得ることは勿論である。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、バイアス磁界印加手段
は、被検出手段と検出手段との距離に対する検出手段の
出力を表す特性曲線において、無バイアス時の特性曲線
のピーク出力の略80パーセントの出力となる被検出手
段と検出手段との距離において、略80パーセントの出
力の略90パーセント以上の出力を得るようなバイアス
磁界を印加するので、被検出手段に記録された位置信号
を検出手段で検出するのに十分な、検出手段と被検出手
段との所定距離を効率よく確保することが出来る。ま
た、本発明によれば、磁性体板を磁気的に飽和させるこ
とのない未飽和状態で着磁させたので、磁性体板を検出
手段に近接させて、収納スペースを小さくすることが出
来る。また、本発明によれば、磁性体板を検出手段とほ
ぼ同形状としたので、検出手段に平行磁界に近いバイア
ス磁界を印加することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置検出装置の斜視図である。
【図2】本発明の位置検出装置のMRセンサの平面図で
ある。
【図3】本発明の位置検出装置のバイアスマグネットの
平面図である。
【図4】本発明の位置検出装置のバイアスマグネット着
磁量によるクリアランス特性を表した図である。
【図5】本発明の位置検出装置のバイアスマグネットの
距離によるクリアランス特性への影響を表した図であ
る。
【図6】従来の位置検出装置のバイアスマグネットを永
久磁石にした場合のクリアランス特性への影響を表した
図である。
【図7】従来の位置検出装置を説明する側面図である。
【図8】従来の位置検出装置を説明する側面図である。
【図9】従来の位置検出装置を説明する平面図である。
【図10】従来の位置検出装置を説明する平面図であ
る。
【図11】従来の位置検出装置を説明する側面図であ
る。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体 2 MRセンサ 3 バイアスマグネット 4 パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−61661(JP,A) 特開 昭59−142417(JP,A) 特開 昭59−126202(JP,A) 特開 平4−134267(JP,A) 実開 平4−115396(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/245 G01B 7/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検出手段と、前記被検出手段から所定距
    離だけ離隔して、前記被検出手段に対向して配置され、
    前記被検出手段に記録された位置信号を検出する検出手
    段と、前記検出手段により得られる位置信号の歪成分を
    除去するように前記検出手段にバイアス磁界を印加する
    バイアス磁界印加手段とからなり、前記バイアス磁界印
    加手段は、前記被検出手段と前記検出手段との距離に対
    する前記検出手段の出力を表す特性曲線において、無バ
    イアス時の前記特性曲線のピーク出力の略80パーセン
    トの出力となる前記被検出手段と前記検出手段との距離
    において、前記略80パーセントの出力の略90パーセ
    ント以上の出力を得るようなバイアス磁界を印加するこ
    とを特徴とする位置検出装置。
  2. 【請求項2】前記バイアス磁界印加手段は、前記検出手
    段とほぼ同形状で厚さを1ミリメートル以下とした磁性
    材板を磁気的に飽和させることのない未飽和状態で着磁
    させ、前記検出手段に対して前記被検出手段と反対側
    に、前記検出手段に対向して配置し、前記磁性材板と前
    記検出手段との距離を調整することにより前記バイアス
    磁界を得るようにしたことを特徴とする請求項1記載の
    位置検出装置。
  3. 【請求項3】 前記バイアス磁界印加手段は、前記磁性
    材板の着磁量が15×10-3〔T〕以下であることを特
    徴とする請求項1または2記載の位置検出装置。
  4. 【請求項4】 前記バイアス磁界印加手段は、前記磁性
    材板と前記検出手段との距離が4ミリメートル以上であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の位置検出装
    置。
  5. 【請求項5】 前記バイアス磁界印加手段は、前記バイ
    アス磁界の前記検出手段における磁束密度が5.0×1
    -4〔T〕以下であることを特徴とする請求項1または
    2記載の位置検出装置。
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