JP3123232B2 - 積層型固体電解コンデンサ - Google Patents

積層型固体電解コンデンサ

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JP3123232B2
JP3123232B2 JP04171029A JP17102992A JP3123232B2 JP 3123232 B2 JP3123232 B2 JP 3123232B2 JP 04171029 A JP04171029 A JP 04171029A JP 17102992 A JP17102992 A JP 17102992A JP 3123232 B2 JP3123232 B2 JP 3123232B2
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electrolytic capacitor
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一美 内藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体電解コンデンサに関
し、特に積層型の固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品の高信頼化、高性能化に
伴い、コンデンサの分野においても液体を使用せずに温
度特性が良好で、高周波域でもインピーダンスが小さい
固体電解コンデンサが要求されている。このような状況
の中で半導体層として、低抵抗な材料を使用した固体電
解コンデンサは、かような要求を満たすものであるため
広く研究がなされてきた。
【0003】上述した固体電解コンデンサの例として、
使用する陽極基体の形状が巻回状のもの(例えば特開昭
62−200719号公報)や平板積層形状のもの(例
えば特開昭64−46914号公報)等がある。この中
で平板積層形状のものの製造方法を本願出願人は特願平
2−205363号で出願した。この製造方法による
と、従来のものに比較して極めて効率の良い積層型固体
電解コンデンサが得られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した積層
形状の陽極基体の場合、作製した固体電解コンデンサを
外装するため樹脂で封口すると、エポキシ樹脂などの外
装樹脂の場合、樹脂の硬化と共にコンデンサの漏れ電流
特性が劣化するということがあった。とりわけ、外装樹
脂のコストが安い非低応力型樹脂の場合に顕著であっ
た。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、安価な外装樹脂を使用しても漏れ電流特性の良好な
固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するためになされたものであって、その要旨は表面に
誘電体酸化皮膜層を有する平板状の弁作用金属からなる
陽極基体の端部を陽極部とし、この陽極部を除いた部分
の前記誘電体酸化皮膜層上に半導体層、その上に導電体
層を順次形成した2枚の固体電解コンデンサ素子の前記
陽極部が対向して配設されており、前記固体電解コンデ
ンサ素子は互いに末広がり状に導電ペーストで固着して
積層体を形成し、この積層体が外装樹脂で封口されてい
る積層型固体電解コンデンサにある。
【0007】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明に使用される弁作用金属としてはアルミニウム、タ
ンタル、ニオブ、チタン及びこれらを基質とする合金
等、弁作用を有する金属がいずれも使用できる。これら
弁作用金属からなる陽極基体の形状は平板状であり、表
面がエッチングされていてもよい。エッチングの方法は
電気化学的にエッチングする等公知の方法が用いられ
る。
【0008】陽極基体上に形成される誘電体酸化皮膜層
は、弁作用金属自体の酸化皮膜層であってもよく、また
平板状の弁金属上に設けられた他の誘電体の酸化皮膜層
であってもよいが、特に弁作用金属自体の酸化物からな
る酸化皮膜層が好ましい。上記いずれの場合において
も、酸化皮膜層を形成する方法としては、電解液を用い
た陽極化成法など従来公知の方法を用いることができ
る。
【0009】次に誘電体酸化皮膜層上に半導体層を形成
させるが、誘電体酸化皮膜層まで形成した陽極基体の端
部の一区画を陽極部として設けるか、またはこの一区画
の一部に陽極リードを接続して陽極部としておく。そし
て半導体層はこれら陽極部とした部分を除いて誘電体酸
化皮膜層上に半導体層を形成する。また、陽極部と後述
する半導体層を形成する部分との界面に絶縁性樹脂によ
ってはち巻き状に樹脂層部を形成しておいてもよい。
【0010】本発明に使用される半導体層の組成および
作製方法には特に制限はないが、コンデンサの性能を高
めるには、本願出願人によって開示した二酸化鉛と硫酸
鉛を主成分とする半導体層を化学的析出法によって形成
する方法(特開昭63−51621号公報)あるいは二
酸化鉛を主成分とする半導体層を電気化学的析出法によ
って形成する方法(特開昭62−185307号公報)
を用いるのが好ましい。また電導性高分子化合物を半導
体層として形成させる方法(特開昭60−37114号
公報)、タリウムイオン及び過硫酸イオンを含んだ反応
母液から化学的に酸化第2タリウムを半導体層として析
出させる方法(特開昭62−38715号公報)もその
一例である。
【0011】上記半導体層の表面に形成される導電体層
は、例えば導電ペーストを1種以上繰り返し塗布固化さ
せる方法やメッキ、金属蒸着など公知の方法によって形
成される。また導電ペーストとしては、金属粉、炭素
粉、または絶縁性ポリマーを主成分とする公知のものが
採用できる。
【0012】次に上述したように導電体層まで形成した
固体電解コンデンサ素子を2枚用いて積層型の固体電解
コンデンサを作製する。図1乃至図3は、本発明の積層
型固体電解コンデンサの一例を示してある。図1は1枚
の固体電解コンデンサ素子の断面図である。図におい
て、平板状の陽極基体1の表面には誘電体酸化皮膜層2
が形成されていて、端部に陽極部5が設けられている。
陽極部5を除いた部分に、順に半導体層3、その上に導
電体層4が形成されている。なお、陽極部5は後述の図
4で示してあるように外部リードが機械的、かつ電気的
に接続できる大きさと形状を有していればよく、図1の
ように陽極基体の端部のコの字状の部分が全て陽極部で
なく、例えば一方の面のみでもよい。
【0013】図2及び図3は、図1で描かれた固体電解
コンデンサ素子6を2枚、陽極部5が向き合うように方
向を揃えて配置し、導電ペースト7で積層固着した状態
を示した断面図である。本発明の積層型固体電解コンデ
ンサは、2枚の固体電解コンデンサ素子6を導電ペース
ト7で固着しているが、素子6の一端から他端に末広が
り状になるように導電ペースト7を素子6の間に充填し
て固着することが肝要である。
【0014】図2は陽極部5の方から他端に向かって末
広がり状に導電ペースト7が充填されており、図3は逆
に他端から陽極部5の方へ向かって末広がり状に導電ペ
ースト7が充填されている。次に積層固着された固体電
解コンデンサ素子は一例として図4に断面を示したよう
に外部リード8を接続し、一部の外部リードを除いて外
装樹脂9で封口して積層型固体電解コンデンサとしてい
る。
【0015】
【作用】本発明の積層型固体電解コンデンサは、2枚の
固体電解コンデンサ素子が末広がり状に積層されている
ので、外装樹脂で封口した時に樹脂の硬化応力を緩和す
るように働くものと考えられる。このため外装樹脂の硬
化による固体電解コンデンサの漏れ電流の増大を防ぐこ
とができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明をさ
らに詳しく説明する。 実施例1〜5、比較例1 表面にアルミナの誘電体酸化皮膜層を有する厚さ90μ
m、長さ5mm、幅3mmのアルミニウムエッチング箔
の上端の長さ2mm、幅3mmの部分を陽極部とし、残
り3mm×3mmの部分を、別に用意した酢酸鉛三水和
物2.4モル/l水溶液と過硫酸アンモニウム4.0モ
ル/lの水溶液との混合液に浸漬し、60℃で30分反
応させた。このような反応を3回繰り返して、二酸化鉛
25wt%、硫酸鉛75wt%からなる半導体層を形成し
た。
【0017】次いでカーボンペースト槽と銀ペースト槽
に順に浸漬して固化させて半導体層上に導電体層を形成
し、固体電解コンデンサ素子を作製した。このような素
子を2枚づつ図2のように方向を揃えて配置し、銀ペー
スト槽に浸漬して積層固着させた。表1は、この積層固
着した素子の積層間の広がりの状態と導電ペーストの量
を表わすために、素子先端での2素子間の距離と、素子
中央での2素子間の距離の測定値を示した。引き続き、
別に用意した外部リードとして用いるリードフレーム
(厚さ0.1mm、材質42アロイ)の両凸部(幅3m
m)に積層固着した素子の導電体層部の一部と陽極部と
を各々接続し、エポキシ樹脂(非低応力タイプ)で成形
して固体電解コンデンサを作製した。
【0018】実施例6〜10、比較例2 実施例1〜5で用いた二酸化鉛と硫酸鉛の混合物の半導
体層を特開昭60−37114号公報に記載した実施例
3の手法を使用して導電性高分子の半導体層に代え、さ
らに2枚の素子の積層形状を図3のように素子先端の導
電ペースト量を少なくして行い、さらに液状フェノール
樹脂を塗布して封口した以外は、実施例1〜5と同様に
して固体電解コンデンサを作製した。
【0019】以上作製した固体電解コンデンサ各20点
の平均初期特性を表1に併記した。この結果、明らかに
2枚の素子を末広がり状に導電ペーストで積層固着した
固体電解コンデンサは漏れ電流特性の歩留りが良好であ
る。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明に係る積層型固体電解コンデンサ
は、2枚の素子を末広がり状に導電ペーストで積層固着
しているので、漏れ電流特性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体電解コンデンサ素子の構成を示す断面図で
ある。
【図2】2枚の素子の積層状態の例を示す断面図であ
る。
【図3】2枚の素子の積層状態の例を示す断面図であ
る。面図である。
【図4】外装状態の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 陽極基体 2 誘電体酸化皮膜層 3 半導体層 4 導電体層 5 陽極部 6 固体電解コンデンサ素子 7 導電ペースト 8 外部リード 9 外装樹脂

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に誘電体酸化皮膜層を有する平板状
    の弁作用金属からなる陽極基体の端部を陽極部とし、こ
    の陽極部を除いた部分の前記誘電体酸化皮膜層上に半導
    体層、その上に導電体層を順次形成した2枚の固体電解
    コンデンサ素子の前記陽極部が対向して配設されてお
    り、前記固体電解コンデンサ素子は互いに末広がり状に
    導電ペーストで固着して積層体を形成し、この積層体が
    外装樹脂で封口されていることを特徴とする積層型固体
    電解コンデンサ。
JP04171029A 1992-06-29 1992-06-29 積層型固体電解コンデンサ Expired - Lifetime JP3123232B2 (ja)

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US6421227B2 (en) 1999-12-10 2002-07-16 Showa Denko K.K. Solid electrolytic multilayer capacitor
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