JP3121281B2 - 個包装された衣被覆冷凍製品 - Google Patents

個包装された衣被覆冷凍製品

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JP3121281B2 JP09064314A JP6431497A JP3121281B2 JP 3121281 B2 JP3121281 B2 JP 3121281B2 JP 09064314 A JP09064314 A JP 09064314A JP 6431497 A JP6431497 A JP 6431497A JP 3121281 B2 JP3121281 B2 JP 3121281B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装体に複数個単
位で収納される冷凍食品を、1個ずつ個別に包装(以
下、個包装という)してから収納することにより、冷凍
食品の空気による劣化と、冷蔵温度の変化による劣化を
防止したものに関する。なお、冷蔵温度とは、冷凍食品
の保存庫の温度であり、食品を冷凍させる冷凍温度とは
区別される。
【0002】
【従来の技術】冷凍食品とは、解凍後もしくは冷凍のま
まで調理される食品を指し、生産工場で加工されて製品
となり、包装されて一定以下の冷蔵温度で保存され、消
費者に提供される製品である。この冷凍食品の流通過程
における問題は、冷凍保存のための冷蔵温度の保持管理
であるが、それを生産者側で管理することは難しく、流
通過程における流通業者や販売店、そして消費者の管理
意識に委ねられている。冷凍食品の品質を低下させるこ
となく保管する方法は冷凍保存中の冷蔵温度の一定管理
に委ねられるが、食品の加工方法の工夫による品質低下
防止や冷凍食品の包装方法の工夫によって、加工業者は
より品質劣化の少ない食品を提供する努力をしている。
【0003】冷凍食品以外にも食品の保存中における品
質劣化を防止するために、包装方法を工夫している技術
が一般にみられる。例えば乾燥食品である柿の種やせん
べい、洋菓子類には湿気による品質低下を防止するた
め、1個もしくは複数少量ずつ個包装し、この個包装さ
れた製品を複数個まとめて大きな包装体(箱包装やピロ
ー包装など)に包装するという方法が採られている。こ
れは菓子類が湿気を吸収して食感が低下すること、特に
パリパリ性といわれている歯ごたえの軽快性の低下を防
止しているものである。
【0004】また、他の目的として、分割利用を容易に
するための同様な包装食品もある。その例としては、ス
ライスチーズのように1枚ずつ個包装されていることに
より、裁断する手間を省くとともに、細菌汚染も防止
し、品質劣化の防止をも果たしている包装形態や、ガ
ム、あめ玉、キャラメル、和菓子などにみられるよう
に、1回に食する適量にすることを目的とした包装形態
がある。
【0005】冷凍食品の場合は食品の種類によってさま
ざまであるが、ピラフのような米飯類や裁断された野菜
類がピロー包装されたもの、コロッケやフライのように
1食形態に成形されたものが型崩れをおこさないよう型
抜きしたトレーに収められた上で包装されたもの、麺類
のように麺と具とが個別に個包装され、これを一緒に包
装してあるものなどがある。
【0006】食品の劣化を防止する従来技術としては、
例えば、特開平7−255402号、特公平6−331
13号、実開平5−81072号等が挙げられる。特開
平7−255402号の「バッター液、マイクロ波調理
用冷凍フライ基材及びマイクロ波調理用冷凍フライ類」
は、食品の加工による劣化を防止した技術の例で、具材
からコロモへの水分の移行を防止し、加熱調理してもコ
ロモの食感が良好な冷凍食品を得るために、冷凍食品の
コロモを付着させるときのバッター液を改良したもので
ある。冷凍食品は長時間の保存中に冷蔵温度の変化が原
因で食品内部の水分がコロモに移行して食感を損ねるこ
とがあるが、コロモの改良により、コロモへの水分移行
を防止して、長時間保存しても温度変化の影響による品
質低下を防止できるようにしたものである。
【0007】特公平6−33113号の「マイクロ波調
理包装」は、食品をマイクロ波調理するとき、食品の食
感向上のために焦げ目を作ることができる包装食品に関
するもので、食品と包装材とが密着して空気容積がない
ように包装を構成している。
【0008】実開平5−81072号の「保冷容器」
は、食品の包装において、食品の保冷機能を有する包装
形態について開示されており、食品を収納する容器の蓋
部に、保冷剤を収納する空間が構成され、その保冷剤に
よる冷気が食品を収納する容器内へ供給されるよう冷気
孔が設けられ、保冷剤の収納部の上部をシール材などで
シールしたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、冷凍食
品の流通過程における問題は、冷凍保存のための冷蔵温
度の保持管理であるが、それを生産者側で管理すること
は難しく、流通過程における流通業者や販売店、そして
消費者の管理意識に委ねられている。この流通段階にお
ける冷蔵温度の管理は一定であることが望ましいが、冷
凍設備の運転管理とも関係しており、冷却設備の霜取り
操作であるデフロストなどにより、製品保存庫の温度が
変化することは防止不可能な現象である。しかしなが
ら、この冷凍設備の運転管理による冷凍庫の温度変化
は、冷凍庫内に保存されている冷凍食品にヒートショッ
クという劣化現象をもたらす原因となっている。
【0010】冷凍食品のヒートショックとは、冷凍食品
が流通段階における管理不徹底、または冷凍保存中にお
ける冷凍庫の霜取り機能による温度上昇により、冷凍食
品の温度が上昇することである。その結果、冷凍食品
が冷凍保存中の冷蔵温度より上昇して一部もしくは全部
が溶解し、食品内部で直接的な水分移行が発生し、再度
冷蔵温度に戻ったとき、水分の分布の変化から食品内部
で冷凍変化する過程に偏りが生じて食品の組織を均一に
保持できなくなる。冷凍食品が密封包装されている状
態で冷蔵保管されており、冷蔵温度が変化して品質保持
可能な冷蔵温度より温度上昇したとき、包装体内部の飽
和水蒸気圧が上昇し、冷凍食品から水分が昇華して包装
体内部に水分移行し、この状態で再度冷凍保存温度に低
下したとき、水蒸気が冷凍食品表面に再付着する。とい
う問題が発生する。
【0011】従来技術に記載の特開平7−255402
号は、前記の問題を解決しているが、実際の冷凍食品
は、の両方の現象が発生しており、冷凍食品の劣化
を防止する方法として完全な方法ではない。また、この
発明はバッター液を安定させるため、安定剤の使用も工
夫していることが明細に記載されているが、近年の健康
志向から、食品は可能なかぎり添加物を少なくして自然
の形に近いものにすることが望まれている。また、加工
工程が少ないほど食品のコスト低減にも寄与するもので
ある。
【0012】また、特公平6−33113号は、食品と
包装材とが可能な限り密着していて、包装容積に存在す
る空気容積を小さくしており、冷凍食品などの劣化防止
に機能するように見えるが、複数の食品が個別に管理さ
れる形態ではなく、1度包装材を開封すると、食品と空
気との遮断関係は消失する。このため複数個の食品1つ
1つに対し、空気による劣化を防止する機能を有すると
は言えない。
【0013】また、実開平5−81072号は、食品が
容器内において温度上昇し、劣化することを防止するた
め、容器内に保冷剤を収納しておく手段を構成する上
で、保冷剤と食品とが接触して商品価値が低下すること
を防止すること、及び保冷剤を食品などと混同しないよ
う別収納することにより事故を防止することなどが効果
として達成されている。しかし、保冷剤が容器の構成を
複雑にし、容器外観容積を大きくし、包装コストが高く
なることは回避できない。
【0014】そこで、本発明者らは、冷凍食品の保存中
における冷蔵温度の変化による劣化の原因の主体は水分
の昇華や分離によるものであるが、従来気づかれていな
い原因として、包装体の内部に封入されている空気の影
響を考察した。その結果、冷蔵温度の変化は冷凍食品の
表面の成分と空気中の酸素との間に製品劣化をもたらす
反応を促すこと、包装体の内部の空気は当初の密封状態
では断熱の作用をして冷蔵温度の変化による冷凍食品の
温度変化を小さくし、劣化を防止する役目をするが、一
旦開封すると包装体内部で外気との空気移動が起き、冷
蔵温度の変化に対応する断熱効果は消失することが判明
した。
【0015】よって、本発明は、包装された冷凍食品、
特に個包装された衣冷凍製品において、以上の問題によ
る品質低下を防止する方法を行う上で、冷蔵温度の変化
による複合原因を総合的に解決するとともに、従来知ら
れていなかった包装体内部の空気を原因とする品質劣化
の問題を解決することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するため、本発明は、冷凍食品の包装形態において、次
のような技術的手段を採るものである。すなわち、冷凍
された衣被覆製品が収納可能な複数の凹部を有するとと
もに、該凹部の開口部周縁に、該開口部を閉鎖するフイ
ルム材がシーリング可能となるフランジ部を形成した型
抜き成形された容器において、該容器のフランジ部にシ
ーリングされたフイルム材に、前記冷凍された衣被覆製
品が1個ずつ取り出せるような切り込みが設けられると
ともに、前記容器のフランジ部にも切り放し可能な切り
込みが設けられ個包装されて冷凍された衣被覆製品を、
さらに外包装する包装材の内側に断熱材を設けて個包装
された衣被覆冷凍製品において、包装体の空間体積を衣
被覆製品の全表面積で除した値A(cm)が1.19
下であることを特徴とする衣被覆冷凍製品(ただし、A
(cm)=(V−n×Vc)/(n×Sc) V(cm3)=包装体積 n=衣被覆製品の個数 Sc(cm2)=衣被覆製品1個当たりの表面積 Vc(cm3)=衣被覆製品1個の体積) である。なお、このとき使用する包装材は、一般に透明
な合成樹脂性の包装材を用いることが好ましいが、紙材
や複合成型材でも構わない。また、包装容器の形態も袋
状、箱状、成型容器状などいかなる方法をも採り得るも
のであり、一般にトレーと称している容器も含まれる。
また、この容器を更に外包装する包装体の包装材も同様
の材質のものの中から選択されて使用するもので、個包
装と外包装の形態や組合せは自由である。
【0017】また、冷凍食品が収納可能な複数の凹部を
有するとともに、該凹部の開口部周縁に、該開口部を閉
鎖するフイルム材がシーリング可能となるフランジ部を
形成した型抜き成形された容器において、該容器のフラ
ンジ部にシーリングされたフイルム材に、冷凍食品が1
個ずつ取り出せるような切り込みを設けたので、開口部
を封鎖している封止フイルムを1つ1つ分離して開封す
ることができ、冷凍食品を使用個数分だけ取り出せるこ
とになって、開封しないで保管したい食品の劣化を防止
することができる。
【0018】また、冷凍食品が収納可能な複数の凹部を
有するとともに、該凹部の開口部周縁に、該開口部を閉
鎖するフイルム材がシーリング可能となるフランジ部を
形成した型抜き成形された容器において、該容器のフラ
ンジ部にシーリングされたフイルム材に、冷凍食品が1
個ずつ取り出せるような切り込みを設けるとともに、前
記容器のフランジ部にも切り放し可能な切り込みを設け
たので、使用個数分だけの冷凍食品を容器ごと分離して
からの開封操作が可能となり、冷蔵庫内の容積を空の容
器などで無駄にすることがない利点がある。
【0019】密封包装されている状態では、包装体内部
の空気が断熱の役目をある程度機能するが、開封後は何
の機能もしなくなるので、これを解決するために、冷凍
食品が入れられた容器を更に包装する包装材に断熱機能
を備えたものであり、冷凍保存中における冷蔵温度の変
化に対して効果的に食品の劣化を防止することができる
ものである。
【0020】断熱材は発泡スチロールの板材を分割して
包装材内側に接着したもの、発泡スチロールを細かくし
た後、包装材内側に付着させたものが代表的に挙げられ
るが、断熱材としてグラスウール、スポンジ、繊維類、
層状構造を有する紙類など気相を多く抱き込むことによ
り熱伝導率を低下させるものであれば何でもよい。基本
的には包装材内側に付着もしくは接着させることが好ま
しいが、別の構造体として包装材内に同封しても構わな
い。また、断熱層を設ける他の方法として、包装材内側
にフイルムを設けて多少の空気を密封させた2層形態の
包装材にしたり、包装材内側に水玉状に空気層を設けた
りすることも本発明の範囲内である。
【0021】ここで、衣被覆製品とは、フライやコロッ
ケなどに代表される食品で、食品の主たる部分がパン粉
やバッターで被覆されたものを指している。他にも被覆
するものがパン粉でない天ぷら類や、被覆する部分が全
体ではないピザ類についても本発明の範囲内である。一
般に衣被覆製品というと、パン粉やバッターを被覆した
食品のみを言うが、本発明では主食品を他の食品素材で
被覆したものも含んでいる。被覆する食品素材の形態と
しては粉状でも液状でも板状でも構わない。例えば、ハ
ンバーグをチーズで包んだ食品や、サツマイモを糖液で
包んだ食品など、主食品を他食品素材で被覆したり、一
部主食品を露出させながらも他食品素材を主食品の表面
に付着加工したものを冷凍したものは、本発明の範囲内
である。また、他食品素材が主食品素材と同一の場合も
ある。なお、外包装の形態としてピロー包装が代表的に
挙げられるが、箱包装や容器包装等でも構わない。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。本発明は、ハンバー
グや、コロッケ、フライ等に代表される衣被覆製品のよ
うに、1食形態に成形されたものが、型崩れをおこさな
いよう型抜きしたトレーに収められた上で包装される冷
凍食品に対して、最も効果的な包装を行い得るものであ
って、図4で示すような複数個の冷凍食品(1)が1つ
の包装体(2)で包装されているものの改良に関するも
のである。すなわち、本発明は、冷凍食品(1)を図2
で示すように1個ずつ個別に成型容器(3)に入れ、フ
ィルム材(4)でその開口部を封鎖することによって包
装(個包装)し、それを包装材(5)でピロー包装し
て、図1で示すように大きい包装体(2)に容器(3)
を収納することにより、冷凍食品の表面と空気とが接触
する空気容積を小さくし、結果的に冷凍食品1個当たり
の包装容積を小さくしたものである。なお、(7)は冷
凍食品が収納可能な凹部を表し、(8)は開口部を封鎖
するフイルム材がシーリング可能なフランジ部、(9)
は切り込み部である。
【0023】そして更に、冷凍食品を複数個まとめて個
包装する成型容器(3)を、更に外包装する包装材
(5)の内面側に、図3で示すような断熱材(6)を設
け、冷凍保存中に冷蔵温度の変化による劣化現象を抑制
するようにしたものである。なお、これら2つの手段
は、両方一度に実施されていれば、冷凍食品の劣化防止
効果が強化されるものである。
【0024】また、2つの手段の内、優先される手段は
冷凍食品を個包装することであり、断熱材を設けるかど
うかは、冷凍食品の素材や劣化の程度、販売上の消費動
向、保存条件などに影響され、これらを総合評価して実
施される方が好ましい。特に断熱材としてグラスウール
や発泡スチロールを使用すると、冷凍食品にこれらが付
着して、製品の商品価値を阻害することになる。したが
って、このような場合は、空気層を内蔵した二重成形の
包装材を使用する方法など、工夫が必要になる。
【0025】
【実施例】以下、本発明にかかる包装形態によって包装
される冷凍食品の一例として、クリームコロッケを例に
挙げて説明する。まず、最初に、クリームコロッケの常
法な製造方法を示す。なお、中種配合は表1、バッター
配合は表2の通りである。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】、水に澱粉、小麦粉、調味料、乳化剤を
分散させ、加熱溶解させる。これにクリームを添加し、
ホモゲナイザーで乳化させる。 、これにバターで炒めた具材(玉ねぎ、コーン)を加
え、よくかき混ぜる。これを型に注入した後、凍らせ
て、凍結中種とする。 、バッターは水中に粉体を懸濁させたバッターとす
る。 、凍結中種にバッターを塗布し、続いてパン粉を塗布
する。これをサラダ油で油ちょう調理することにより、
クリームコロッケを得る。
【0029】次に、クリームコロッケを64個製造し、
8個ずつ異なる方法で包装して、一定期間保存した結果
を比較した。なお、クリームコロッケ1個当たりの大き
さは、体積35cm3 で、表面積34cm2 、重量2
2.5gで統一して条件を同じにした。また、−25℃
で45日間保存し、デフロストは1日に2回生じるリー
チインショーケースで保存試験を行った。
【0030】保存試験に供したサンプルは以下の8通り
である。 1.ラミネートフィルムでクリームコロッケをピロー包
装したもので、包装内体積を670cm3 とした8個入
り冷凍食品。 2.ラミネートフィルムでクリームコロッケをピロー包
装したもので、包装内体積を605cm3 とした8個入
り冷凍食品。 3.ラミネートフィルムでクリームコロッケをピロー包
装したもので、包装内体積を525cm3 とした8個入
り冷凍食品。 4.ラミネートフィルムでクリームコロッケをピロー包
装したもので、包装内体積を670cm3 とした8個入
り冷凍食品を作り、これを更に、ラミネートフィルムで
ピロー包装したもので、包装物内の容積を675cm3
とした冷凍食品。
【0031】5.ラミネートフィルムでクリームコロッ
ケをピロー包装した後、脱気して包装体積を280cm
3 とした8個入り冷凍食品を作り、これを更に、ラミネ
ートフィルムでピロー包装したもので、包装物内の容積
を675cm3 とした冷凍食品。 6.ラミネートフィルムでクリームコロッケを体積50
cm3 で通常に個包装した後、同じくラミネートフィル
ムで通常のピロー包装をし、二重包装した外側の包装内
体積を670cm3 とした8個入り冷凍食品。 7.外側に発泡材を塗布したラミネートフィルムでクリ
ームコロッケをピロー包装したもので、包装物内の容積
を675cm3 とした8個入り冷凍食品。 8.内側に発泡材を塗布したラミネートフィルムでクリ
ームコロッケをピロー包装したもので、包装物内の容積
を675cm3 とした8個入り冷凍食品。
【0032】試験の評価は経時的に試食し、官能評価法
により行うもので、劣化による良好な食感の消失日数を
求めた(表3参照)。
【0033】
【表3】
【0034】この評価から、次のa〜fまでの結論を得
た。 a.包装体積は小さい方がよい。 1〜3の実験の結果、コロッケの全体のピロー包装の体
積が小さいほど、衣の食感保持日数が長いことがわかっ
た。これは、コロッケの衣の劣化のシステムは、前述に
あるように、リーチインショーケース内におけるヒート
ショックにより、コロッケの一部または全体が溶解し、
水分が衣に直接移行するため、または中種中の水分が水
蒸気となり、衣に付着するためであるが、包装体積を減
少させることにより、水蒸気が衣に付着する量を減少さ
せることができたためと考えられる。すなわち、ヒート
ショック時に包装内の水蒸気圧は高まるが、包装体積を
減少させることにより、包装内の水蒸気量を減少させ、
その結果衣に付着する水分量を減少させるものである。
【0035】b.二重包装の方が劣化防止機能が大き
い。 1と4の実験の結果、冷凍食品の第1包装は670cm
3 と共通であるものの、包装を二重に行った場合は衣の
食感の保持日数が延長した。これは、二重包装を行うこ
とにより、包装第1層と第2層の間の空気の層が、ヒー
トショックによる温度上昇を抑えたためであると考えら
れる。すなわち、ヒートショック時にはリーチインショ
ーケース内温度が上昇するが、この外部の温度上昇によ
る熱移動が空気層によって低減するため、衣の食感の保
持期間が延長したものである。
【0036】c.真空包装の方が効果が大きい。 4と5の実験の結果を比較すると、コロッケを覆うラミ
ネートフィルムは2層で共通でありながら、5の実験の
方が衣の食感保持期間が長いことがわかった。これは、
aの体積効果の最たる例であり、包装体積が小さいほど
衣の食感保持期間が長くなるためと考えられる。
【0037】d.個包装の方が効果が大きい。 4と6の実験の結果を比較すると、コロッケを覆うラミ
ネートフィルムは2層で共通でありながら、6の実験の
方が衣の食感保持期間が長いことがわかった。これは、
aの体積効果によるものと同時に、ヒートショック時に
コロッケ内で水分移行が生じたためと考えられる。
【0038】e.断熱材を付着した包装材の効果は大き
い。 1と7と8の実験の結果を比較すると、コロッケを覆う
ラミネートフィルムは1層で共通でありながら、7と8
の実験の方が衣の食感保持期間が長いことがわかった。
これは、7と8のラミネートフィルムは発泡剤を塗布し
てあることによる、包装の内外の伝熱係数の低下が原因
と考えられる。すなわち、フィルムの伝熱係数が低いた
め、ヒートショック時にリーチインショーケース内温度
が上昇するが、この温度上昇が包装内のコロッケまで伝
わらなかったためと考えられる。
【0039】f.包装体の空間体積とクリームコと効果
が大きい。 ここで、包装体積をV(cm3)、コロッケの個数を
n、コロッケ1つ当たりの表面積をSc(cm2)、コ
ロッケ1個の体積をVc(cm3)とすると、包装体の
空間体積をコロッケの全表面積で除した値A(cm)
は、 A(cm)=(V−n×Vc)/(n×Sc) で表現される。実験1〜3と6からAと食感保持日数
は、表4のようになり、良好な対応を見た。特に食感の
保持日数はAが1.19以下の場合、顕著に延長してお
り、Aを1.19以下とするような包装方法を用いるこ
とによって、衣の食感保持日数を顕著に延長できること
がわかった。
【0040】
【表4】
【0041】以上の検討の結果から、コロッケの包装体
積が小さいほど(個包装になれば更に良い)、コロッケ
の衣への水蒸気の付着量が減少するため、衣の食感の保
持日数が延長する事がわかった。また、包装に断熱材を
利用することが効果的であることが示された。しかし
て、冷凍食品を1個ずつ個別に合成樹脂成型容器にて包
装するとともに、この個包装した冷凍食品を複数個単位
で別の大きな包装体の中にバラもしくは連結して包装
し、更には大きな包装体の包装材の内面側に断熱材を設
けた本発明の包装形態は、冷凍食品の空気による劣化と
冷蔵温度の変化による劣化を防止することにきわめて有
効なものであることが判明した。
【0042】
【発明の効果】本発明は冷凍食品、特に個包装された衣
被覆製品の冷凍保存中における冷蔵温度の変化など環境
変化による劣化を防止するもので、その手段は冷凍食品
の成分自体を工夫加工するものではなく、製品化すると
きの包装形態の工夫によるものである。したがって、製
造工程の変更は必要なく、包装工程の一部を包装材に適
合するよう変更すればよいもので、選択する包装材によ
ってはその必要もないなど、軽微の設備投資で解決でき
るもので、食品の劣化防止効果の大きさに比較して食品
のコスト上昇を最低限に抑えることができる。
【0043】また、複数の冷凍食品を収納する包装にお
いて、冷凍食品の1個ずつを個包装することにより、数
個の冷凍食品が冷蔵温度より上昇して、一部もしくは全
部が溶解し、食品内部で直接的な水分移行が発生し、再
度冷蔵温度に戻ったとき、水分の分布の変化から食品内
部で冷凍変化する過程に偏りが生じて、食品の組織を均
一に保持できなくなるような現象が発生しても、他の包
装食品に影響を与えることがなく、商品の保存機能を向
上させることができる。
【0044】また、冷凍食品が密封包装されている状態
で冷蔵保管されており、冷蔵温度が変化して品質保持可
能な冷蔵温度より温度上昇したとき、包装体内部の飽和
水蒸気圧が上昇し、冷凍食品から水分が昇華して包装体
内部に水分移行し、この状態で再度冷凍保存温度に低下
したとき、水蒸気が冷凍食品表面に再付着する現象に対
しても、包装材の断熱層がこれを最小限にするよう機能
する。特に個包装により空気容積が小さくなっているの
で水蒸気の発生量を小さくすることができる。ちなみ
に、包装体の空間体積を衣被覆製品の全表面積で除した
値A(cm)が1.19以下の場合、衣の食感保持日数
が顕著に延長できた。したがって、冷蔵庫の大きさにも
よるが、デフロストなどの冷蔵庫の運転管理による操作
によって冷蔵温度が変化しても、急激に冷凍食品の温度
に影響しないよう作用し、食品自体の劣化を防止するこ
とができる。
【0045】また、冷凍食品が成型容器に収納されるこ
とから、冷凍食品の表面の保護になり、流通過程や保管
搬送などによる振動や外圧から食品の損傷を防止するこ
とができるとともに、冷蔵温度の変化に伴うヒートショ
ックによる劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる包装形態で包装された冷凍食品
の斜視図
【図2】個包装された冷凍食品の斜視図
【図3】断熱材を設けた包装体の断面図
【図4】従来の包装形態で包装された冷凍食品の斜視図
【符号の説明】
1 冷凍食品 2 包装体 3 成型容器 4 フィルム材 5 包装材 6 断熱材 7 凹部 8 フランジ部 9 切り込み
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−140590(JP,A) 実開 昭62−149995(JP,U) 実開 平7−11538(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 3/36 - 3/54 A23B 4/00 - 5/22 A23B 7/00 - 9/34 A23L 1/36 - 1/48 A23L 1/00 - 1/035 B65D 67/00 - 79/02 B65D 81/18 - 81/30 B65D 81/38 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍された衣被覆製品が収納可能な複数
    の凹部を有するとともに、該凹部の開口部周縁に、該開
    口部を閉鎖するフイルム材がシーリング可能となるフラ
    ンジ部を形成した型抜き成形された容器において、該容
    器のフランジ部にシーリングされたフイルム材に、前記
    冷凍された衣被覆製品が1個ずつ取り出せるような切り
    込みが設けられるとともに、前記容器のフランジ部にも
    切り放し可能な切り込みが設けられ個包装されて冷凍さ
    れた衣被覆製品を、さらに外包装する包装材の内側に断
    熱材を設けて個包装された衣被覆冷凍製品において、包
    装体の空間体積を衣被覆製品の全表面積で除した値A
    (cm)が1.19以下であることを特徴とする衣被覆
    冷凍製品(ただし、A(cm)=(V−n×Vc)/
    (n×Sc) V(cm3)=包装体積 n=衣被覆製品の個数 Sc(cm2)=衣被覆製品1個当たりの表面積 Vc(cm3)=衣被覆製品1個の体積)。
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