JP3121260B2 - 管路の補強技術 - Google Patents

管路の補強技術

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JP3121260B2
JP3121260B2 JP08085478A JP8547896A JP3121260B2 JP 3121260 B2 JP3121260 B2 JP 3121260B2 JP 08085478 A JP08085478 A JP 08085478A JP 8547896 A JP8547896 A JP 8547896A JP 3121260 B2 JP3121260 B2 JP 3121260B2
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  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管路を補強する技
術に関し、例えば、地中埋設管の内面を補強する技術に
関する。ここに管路とは、工場内の配管のみならず、工
場から各家庭までの地中埋設管、地中埋設管から各家庭
のメーターまでの枝管路等も含む全体、若しくは一部を
指すものである。
【0002】
【従来の技術】管路に、腐食や、腐食に伴う管路の減肉
等が発生していると認められた場合、管路の強度低下
や、内部に流通する流体の漏洩の発生等への対策とし
て、管路を補強する必要が生じる場合がある。このよう
な場合、例えば、〈1〉補強すべき管路(以下単に、補
強対象管路と称する)に樹脂を導入し、その補強対象管
路の内面に塗布した上で硬化させる方法や、〈2〉特開
昭64−83996号公報に示されるように、常温で剛
性を有する低融点の熱可塑性樹脂からなる樹脂管路を補
強対象管路内に挿入し、熱を加えて軟化させた後、内面
から圧力を加えて拡径し、冷却硬化させて補強対象管路
内に樹脂製のライニング層を形成して補強する方法によ
って管路の補強構造を形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の
〈1〉記載の方法によれば、管路の形状によらず、管路
をシールして流体の漏洩を防止することは出来たとして
も、管路の補強にはなりにくく、補強対象管路は強度低
下の残存する状態にならざるを得ない。また、〈2〉の
場合は、前記樹脂管路を強度の高い物としておくこと
で、十分な管路の補強を期待出来るように思われるが、
例えば前記補強対象管路が、地中埋設管路等、エルボを
介した屈曲部が多数存在するような管路である場合に
は、前記樹脂管路が常温で剛性を有するものであるため
に、前記屈曲部を通過させて前記樹脂管路を補強対象管
路内に挿通させることは困難であり、管路の補強材の形
成には多大な労力を要するものとなっていた。そこで本
発明の目的は、簡単に管路の補強を実現しながら、補強
対象管路の形状によらず、補強対象管路を流体の漏洩防
止を確実にし(シール性に優れ)、かつ、その補強対象
管路を補強する技術を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】〔構成1〕 上記目的を達成するための本発明の管路の補強方法の特
徴手段は、各請求項記載の通りであり、具体的には図1
〜5に示すように、径方向に伸縮自在な筒状組紐2を管
路P内に挿通させる挿通工程、及び、前記筒状組紐2
に、樹脂sを液状で含浸させる含浸工程、及び、前記管
路P内に挿通した筒状組紐2を、挿通状態よりも拡径さ
せる拡径工程、及び、管路P内に挿通した前記筒状組紐
2に含浸した樹脂sを硬化させる硬化工程を含んでいる
ことを特徴とし、径方向に伸縮自在でかつ保形性を有す
筒状組紐2に予め樹脂sを含浸させて含浸工程を行
い、ついで、その筒状組紐2を管路Pに挿通させる挿通
工程を行った後、管路P内に挿通した前記筒状組紐を、
挿通状態よりも拡径させる拡径工程、及び、管路P内に
挿通した前記筒状組紐2に含浸した樹脂sを硬化させる
硬化工程を行ってもよく、前記挿通工程の後、前記筒状
組紐2の内部にピグ6A,6Bを導通させて前記拡径工
程を行ってもよく、前記挿通工程の後、前記筒状組紐2
の内部に一対のピグ6A,6Bを導入するとともに、そ
の一対のピグ6A,6B間に樹脂sを充填した状態で、
その一対のピグ6A,6Bを前記筒状組紐2の内部に導
通させて前記含浸工程、及び、拡径工程を行ってもよ
く、前記拡径工程により、前記筒状組紐2を管路Pの内
壁に密接させてもよい。尚、本発明にいう筒状組紐と
は、図6に示すように、繊維束を斜めに組み合わせて筒
状に形成した紐状の繊維組成物をさし、通常、繊維束自
体は伸縮性を有しないにもかかわらず、筒状組紐自体は
伸縮性を有して、長手方向に伸長させた場合に、縮径す
る特徴を有するものである。
【0005】尚、特徴構成を説明するのに図面を参照し
たが、本発明は図面に限定されるものではない。
【0006】〔作用効果〕つまり、筒状組紐は、長手方
向に伸長させる伸長力を与えると、その筒状組紐を形成
する繊維束自体は伸縮しなくても、縮径させて補強対象
管路に対して挿通容易な形状に変形させることが出来
る。また、引っ張った状態で前記筒状組紐を補強対象管
路に挿通させると、たとえ屈曲部を有する補強対象管路
内であっても、容易に補強対象位置にまで、その筒状組
紐を挿入して、管路の形状に沿わせることができる。ま
た、前記含浸工程によれば、前記筒状組紐に液状の樹脂
を含浸させることが出来る。そのため、前記筒状組紐に
含浸させた樹脂は、筒状組紐に形成される編み目状の孔
を閉塞するように硬化可能に保持される、全体として管
路補強用の繊維強化プラスチック体を形成可能となる。
さらに、例えば、内部にピグを挿通させたり、前記筒状
組紐を両端側から押すことで、容易に拡径することがで
きるので、前記拡径工程によれば、前記筒状組紐を補強
対象管路の内壁全長にわたって、かつ、屈曲部であって
も密接させやすい。つまり、挿通工程、含浸工程、拡径
工程を行った、前記筒状組紐は、管路内壁に沿った姿勢
に保持できる。また、前記硬化工程により、上述の状態
で、前記樹脂が硬化すると、最終的に前記樹脂は前記筒
状組紐と一体に硬化して繊維強化プラスチック体を形成
し、前記筒状組紐が伸縮しにくい繊維から構成されてい
る場合は、特に、強固な補強構造になり、かつ、前記補
強対象管路の内壁をシールする。
【0007】尚、管路内に流体圧がかかると、繊維強化
プラスチック体には拡径方向の力が働き、前記繊維強化
プラスチック体自体でも強度は十分あり、前記拡径工程
の際に前記筒状組紐を管路内壁に密接させる必要は必ず
しもないが、前記拡径工程によって前記筒状組紐を補強
対象管路内壁に沿って配設するときには、管路内に流路
を確保する点では前記筒状組紐を管路内壁に密接させる
ことが望ましく、このようにすれば、管路内流路が縮小
されにくく流体の流通に影響を与えにくくする事がで
き、合成梁の原理からも管路の強度が更に向上するので
好ましい。また、前記筒状組紐は内側から拡径させるこ
とによっても補強対象管路の内壁に沿わせて配設するこ
とが可能であり、管路内に挿通後、拡径工程により前記
筒状組紐を管路内壁に沿わせることができるため、前記
挿通工程においては、前記筒状組紐に伸長力をかけなが
ら行わずとも先と同様の作用を発揮させられるものであ
る。さらに、上述の各工程は操作完了時に各工程の奏す
る作用を補完しあうものであるから、たとえば、 <1>挿通工程、含浸工程、拡径工程、硬化工程 <2>含浸工程、挿通工程、拡径工程、硬化工程 <3>挿通工程、拡径工程、含浸工程、硬化工程 の順に行うように種々の形態で行うことができる。その
結果、いずれの工程順を追ったとしても、前記補強対象
管路の内面には、前記筒状組紐を埋設した繊維強化プラ
スチック体が形成できるとともに、前記繊維強化プラス
チック体が前記補強対象管路の内壁をシールするので、
補強対象管路を充分に補強しつつシールする構造が形成
できる。
【0008】なかでも、上述の<1>の工程で行えば、
前記筒状組紐に充分量の樹脂を確実に含浸させることが
できるという点でシール性の面及び補強構造の強さの面
ともに優れた補強が可能になるので好ましい。また<2
>の工程で行えば、筒状組紐2への樹脂を含侵は、補強
対象管路Pに挿入する前にあらかじめ行うことになり、
現場施工の手間を軽減することができ、施工が確実に出
来る利点がある。
【0009】また、前記拡径工程は、前記筒状組紐にピ
グを挿通させることによっても容易に行え、また、さら
に、ピグを用いて拡径工程を行う場合には、例えば前記
筒状組紐の内部に一対のピグを導入するとともに、その
一対のピグ間に樹脂を充填した状態で、その一対のピグ
を前記筒状組紐の内部に導通させることで、前記含浸工
程、及び、拡径工程を同時に(一工程で)行えるので特
に好ましい。その結果簡便かつ確実に補強対象管路の補
強ができるようになって、管路の補強にかかる費用及び
労力を大幅に削減することができた。また、挿入工程と
含浸工程を同時に行ったり、三工程を同時に行うような
ことも可能であり、同時に多数の工程を行えば、労力の
軽減につながり有利である。尚、前記挿入工程は、筒状
組紐を押し込むことによっても、引き込むことによって
も出来る。また、挿入工程を、筒状組紐を押し込むこと
によって行う場合、前記筒状組紐として、比較的保形性
の高い物を採用し管路の一端側から捩りながら押し込む
ことにより挿入することが有効である。また、補強対象
管路の全範囲の補強をすることはもちろん、挿通工程に
おいて、補強しようとする箇所にのみ筒状組紐を挿通す
るなどして、補強対象管路の一部の範囲の補強にも用い
ることができる。
【0010】〔構成2〕 また、上記目的を達成するための本発明の管路の特徴構
成は、両端側から押すことで容易に拡径可能な、保形性
を有する筒状組紐に熱硬化性樹脂を含浸させて一体に硬
化させた繊維強化プラスチック体で補強されており、前
記繊維強化プラスチック体が内面に密着していることに
ある。尚、特徴構成を説明するのに図面を参照したが、
本発明は図面に限定されるものではない。
【0011】前記繊維強化プラスチック体は、筒状組紐
と樹脂とからなるので、前記筒状組紐自体は伸縮しにく
いもので構成出来、前記繊維強化プラスチック体を強固
に補強する物とすることができる。つまり、たとえ、補
強対象管路自体の強度が低下しているものであっても、
このような管路の補強構造を採用した管路は、前記繊維
強化プラスチック体が極めて強固なもの(補強対象管が
新品であった当初に有した強度を上回る場合もある)で
あることに由来して、耐久性の高いものとなり、信頼性
高く利用できるものとなる。
【0012】前記組紐としては、筒状とするために、打
ち数が8以上であることが好ましく、シール性を高める
には16以上とすることで、細かな組目のものを使用す
ることがさらに好ましい。また、筒状組紐を構成する繊
維束のそれぞれが、筒状組紐の周に沿って螺旋を形成し
つつ一周する長さ方向の「ピッチ」は、組紐の直径の3
〜10倍、好ましくは3.5〜6倍程度が好ましい。ピ
ッチが直径の3倍より小さいと、長さ方向に手で引っぱ
ってもほとんど伸縮せず、管路内径と同程度の径を有す
る組紐を管路内に挿通する場合に、前記組紐に張力を加
えても縮径しにくいために、管路内壁との摩擦抵抗が大
きくなるため、ピッチは、組紐の直径の3倍以上である
ことが望ましく、逆に、ピッチが直径の10倍より大き
いと目が粗くなりシール性、補強性が小さくなるため、
前記ピッチは、組紐の直径の10倍以下であることが望
ましい。また、前記管路補強用筒状組紐は、繊維束の断
面形状が楕円形もしくは長方形のように偏平形状にして
あれば、曲がり管路に挿通する場合の捩じれなどの変形
に対する抵抗を大きくすることができ、前記組紐を拡径
させて管路内壁に沿わせたときに、前記捩じれ等に基づ
く繊維の配設ムラを抑えることができ均一な補強構造、
および、シール構造を形成させやすい。
【0013】尚、本発明において、筒状組紐は、アラミ
ド繊維、炭素繊維、高強度ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維、ビニロン繊維、ガラス繊維、ステンレス繊
維、高強度ナイロン繊維等の高強度繊維を編成すること
により形成できる。これらのうちアラミド繊維がせん断
強度、耐擦過性が大きいので望ましい。また、例えば、
筒状組紐に含浸させる樹脂としては、フェノール樹脂、
尿素樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリ
ルフタレート樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられ、一種単独又は二
種以上の混合状態で使用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の管路の補強方法の実施の
形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、補
強対象管路Pが配設されている場合に、あらかじめ前記
補強対象管路Pには通線具等を用いて牽引ワイヤー1を
導通しておく。また、筒状組紐としての筒状組紐2を用
意して、その筒状組紐に対して、チューブ状あるいは可
撓性のある芯線3に管径よりも小さな球体4を数珠つな
ぎ状に配置した中子5を予め挿通配設しておく。前記中
子を挿通配設してある筒状組紐2の一端部を前記牽引ワ
イヤー1に前記中子5ともに連結し、前記牽引ワイヤー
1を牽引することで前記補強対象管路Pの一端側P1か
ら他端側P2にむけて前記筒状組紐2を前記補強対象管
路P内に挿入する(挿入工程)。このとき、前記筒状組
紐2は前記牽引力により伸長されるとともに縮径し、前
記中子5と一体になって、筒形状を維持したまま前記補
強対象管路Pの形状にそった姿勢に引き込むことが出来
るとともに、前記筒状組紐2を曲がり部を通過して挿入
するときに前記筒状組紐2に無理な力がかかって、その
筒状組紐2を構成する繊維の配設状況にムラが生じるよ
うな不都合を発生させにくくできる。
【0015】次に、前記挿入した筒状組紐2にかかる牽
引力を解除するとともに、前記中子5を前記筒状組紐2
内から引き抜く。このとき、前記筒状組紐2は、牽引力
から開放されて縮径状態から自然状態にもどり、比較的
管路の内壁に沿った形状に復元する(図2参照)。
【0016】前記補強対象管路Pに筒状組紐2を配設し
た状態が実現されると、前記補強対象管路Pの一端側P
1に前記筒状組紐2の端部を固定するとともに、一対の
ピグ6A,6B及び、熱硬化性樹脂からなるライニング
剤sを、図3のように前記一対のピグ6A,6B及びラ
イニング剤sが、ピグ6A、ライニング剤s、ピグ6B
の順に並ぶように配置して前記一対のピグ6A,6B及
びライニング剤sを一体にして前記筒状組紐2内部に導
通させる(この場合、ライニングの都合上、通常、前記
補強対象管路Pの端部のうち下方側からライニング剤s
を供給する)。図3には、前記補強対象管路Pの一端側
P1にピグ挿通用治具7を取り付けるとともにそのピグ
挿通用治具7に前記一対のピグ6A,6Bを配設し、そ
のピグ6A,6B間に、前記ライニング剤sを注入し、
前記一対のピグ6A,6B及びライニング剤sを一体に
して一端側P1から他端側P2に向けて空気搬送する構
成を示してある。
【0017】前記一対のピグ6A,6B及びライニング
剤sを前記筒状組紐2内に導通搬送すると、前記ライニ
ング剤sは、前記筒状組紐2に含浸する(含浸工程)と
ともに、前記筒状組紐2は拡径されて(拡径工程)前記
ライニング剤sとともに、前記補強対象管路P内壁に沿
った状態に維持される。
【0018】前記筒状組紐2に含浸した前記ライニング
剤sは、その後硬化するので(硬化工程)、前記補強対
象管路P内には、筒状組紐2を埋設してなる繊維強化プ
ラスチック体8が形成される。
【0019】〔別実施形態〕 上述の硬化工程は、前記ライニング剤sとして熱硬化性
樹脂を用いた場合に、樹脂が化学反応により硬化する例
と前記ライニング剤sとして熱可塑性樹脂を用いた場合
に、樹脂が冷却硬化される例とが考えられるが、いずれ
であってもよい。また、上述の各工程は各工程は操作完
了時に各工程の奏する作用を補完しあうものであるか
ら、種々の順序でおこなうことができ、必ずしも上述の
順に行う必要はない。勿論、前記含浸工程と前記拡径工
程とを各々別に行ってもよい。尚、先の実施の形態で
は、中子5を用いたが、前記筒状組紐に十分な保形性が
あれば、特に中子5を用いることなく挿通工程を行って
もよい。また、前記挿通工程は、引き込むによっても押
し込みによっても行うことが出来る。
【0020】
【実施例】
実施例1 アラミド繊維(ケブラー49、デュポン製)の1200
0デニールのものを用いて打ち数48、92mmピッチ
の筒状組紐2を形成した。前記筒状組紐2を管路径25
Aで3mのガス管路に挿通した。ライニング剤sとし
て、30000cpsのエポキシ樹脂(液相ライニング
材、サンユレジン(株)製)300ccと硬化剤(変性
脂肪族ポリアミン、サンユレジン(株)製)180cc
を混練し管路に入れ、直径25mmのシリコン製ピグを
圧力0.7kg/cm2 の空気圧で押し込み組紐筒状織
物を拡径するとともに組紐筒状織物に樹脂含侵して室温
で硬化させて繊維強化プラスチック体を形成し、管路の
補強構造を形成した。
【0021】実施例2 アラミド繊維の代りに炭素繊維(T−300、東レ製)
の12Kのものを2本用いて打ち数48、92mmピッ
チの筒状組紐2を形成した。そのほかは、実施例1と同
様に行い、管路の補強構造を形成した。
【0022】比較例1 従来例〈1〉に示す方法で、組紐筒状織物を使用せず先
述のエポキシ樹脂(実施例1で使用)だけで管路内面を
コーティングした管路を得た。
【0023】比較例2 ポリエチレンでできたスリーブ(厚さ2mm、外径27
mm)を実施例1の管路に挿入し、圧力2Kg/c
2 、温度100℃の水蒸気を加えて軟化拡径した管路
を得た。実施例1、2、比較例1、2の管路の曲げ荷重
を比較した。曲げ試験は、スパン2mの単純梁の3点曲
げ中央載荷で行った。曲げ荷重は、次表の通りである。
【0024】
【表1】
【0025】管路径25Aのガス配管路のみの曲げ荷重
は109kgであり、表1より本発明によれば高い強度
を有することが判り、補強構造として優れていることが
判る。
【0026】実施例3 管路径25Aの曲がり部を有する管路(図1)に実施例
1 で用いた筒状組紐の中に径1mmのより線ワイヤーか
らなる芯線3の30mmおきに径20mmのプラスチッ
ク玉(球体)4をつけた中子5(図2)を通しておき、
その後に中子5の入った筒状組紐を管路に挿通した。中
子を抜取り、組紐筒状織物を所定の位置に納めた後に、
実施例1で行ったように樹脂注入後ピグを通して管路の
補強構造を得た。硬化後にカッターで管路を切断したと
ころ、繊維強化プラスチック体は管路内面にきれいに密
着していて良好なライニングを行なうことができた。な
お管路の曲がり部も同様に良好であった。
【0027】比較例3 比較例2で用いたポリエチレンでできたスリーブを実施
例3の管路に通そうとしたが牽引抵抗が200Kg以上
となり通すことが困難であった。なお、実施例1、2に
より高価なかつ非常に高強度の樹脂材料を用いたとして
も地中埋設管路の場合では掘り出して補強工事後埋め戻
すという土木工事費は高いので、本発明の管路の補強・
補強方法はコスト的に有利であることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管路の補強方法の挿通工程を示す図
【図2】本発明の管路の補強方法の挿通工程の終了時に
おける補強対象管路を示す図
【図3】本発明の管路の補強方法の含浸工程及び拡径工
程を行う際の操作説明図
【図4】本発明の管路の補強方法の含浸工程及び拡径工
程を示す図
【図5】本発明の管路の補強方法の硬化工程の終了状態
を示す図
【図6】本発明の筒状組紐の平面図
【符号の説明】
2 筒状組紐 P 管路 s 樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 月本 文雄 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−246830(JP,A) 実開 昭58−39847(JP,U) 特許3065990(JP,B2) 特公 平1−15374(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16L 55/16

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 径方向に伸縮自在な筒状組紐を管路内に
    挿通させる挿通工程、及び、前記筒状組紐に樹脂を液状
    で含浸させる含浸工程、及び、管路内に挿通した前記筒
    状組紐を、挿通状態よりも拡径させる拡径工程、及び、
    管路内に挿通した前記筒状組紐に含浸した樹脂を硬化さ
    せる硬化工程を含んでいる管路の補強方法。
  2. 【請求項2】 前記挿通工程の後、前記筒状組紐の開口
    端部側から熱硬化性樹脂を注入して前記含浸工程を行う
    請求項1に記載の管路の補強方法。
  3. 【請求項3】 径方向に伸縮自在でかつ保形性を有する
    筒状組紐に、予め熱硬化性樹脂を含浸させて含浸工程を
    行い、ついで、その筒状組紐を管路に挿通させる挿通工
    程を行った後、管路内に挿通した前記筒状組紐を、挿通
    状態よりも拡径させる拡径工程、及び、管路内に挿通し
    た前記筒状組紐に含浸した樹脂を硬化させる硬化行程を
    行う管路の補強方法。
  4. 【請求項4】 前記筒状組紐の内部にピグを導通させて
    前記拡径工程を行う請求項1〜3のいずれかに記載の管
    路の補強方法。
  5. 【請求項5】 前記挿通工程の後、前記筒状組紐の内部
    に一対のピグを導入するとともに、その一対のピグ間に
    樹脂を充填した状態で、その一対のピグを前記筒状組紐
    の内部に導通させて前記含浸工程、及び、拡径工程を同
    時に行う請求項1、2のいずれかに記載の管路の補強方
    法。
  6. 【請求項6】 前記拡径工程により、前記筒状組紐を管
    路内壁に密接させる請求項1〜5のいずれかに記載の管
    路の補強方法。
  7. 【請求項7】 保形性を有する筒状組紐に熱硬化性樹脂
    を含浸させて一体に硬化させた繊維強化プラスチック体
    で補強されており、前記繊維強化プラスチック体が内面
    に密着し、合成梁の原理から強度をさらに強化させてあ
    る管路。
  8. 【請求項8】 構成する繊維束の断面形状が楕円形もし
    くは長方形である管路の補強用筒状組紐。
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