JP3120595B2 - イオンビーム引出装置 - Google Patents
イオンビーム引出装置Info
- Publication number
- JP3120595B2 JP3120595B2 JP04268723A JP26872392A JP3120595B2 JP 3120595 B2 JP3120595 B2 JP 3120595B2 JP 04268723 A JP04268723 A JP 04268723A JP 26872392 A JP26872392 A JP 26872392A JP 3120595 B2 JP3120595 B2 JP 3120595B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ion beam
- extraction
- electrode
- extraction electrode
- grid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Electron Sources, Ion Sources (AREA)
Description
発生するためのイオンビーム引出装置に係り、特に、引
出電極に付着堆積する堆積物を容易に除去できるイオン
ビーム引出装置に関するものである。
オンを対象物に照射・衝突させることにより、対象物の
表面に膜を形成することができる。そのイオン発生源と
なるイオンビーム引出装置は、まず、イオンのもとにな
るガス状の材料を導入し、このガス雰囲気中に放電を行
ってプラズマを発生させ、このプラズマ中よりイオン等
の荷電粒子を引出すことによって、所望のイオンを取り
出すものである。
ラズマを発生すると共にそのプラズマを保持するプラズ
マ発生室の一端に開口部を設け、この開口部に上記プラ
ズマからイオン等の荷電粒子を引き出す引出電極を設け
てなる。引出電極は、引出電極の形成する電界によって
加速された荷電粒子が擦り抜け易いように、メッシュ
状、スリット状、或いは多孔板状に形成されている。以
下このような隙間を有する電極をグリッドと称する。
或いはホスフィン(PF3 )ガスが導入される。そうす
ると、プラズマ中からアルゴンイオン或いはリンイオン
を引出電極の形成する電界によって引出し、対象物であ
る半導体基板等の対象物表面にアルゴン或いはリンを照
射,注入することができる。また、プラズマ発生室は真
空排気装置によって排気されており、不要物が常時排出
されると共に安定な圧力が維持されている。
は、先に述べたようにグリッドになっている。アルゴン
イオン、リンイオンは、その大部分がグリッドの隙間を
擦り抜けて対象物に到達するが、一部がグリッドに衝突
することは避けられない。アルゴンの場合には、電荷を
失ったアルゴンはアルゴンガスとなり排気装置で排気さ
れる。リンの場合には、リンがリン化合物等を形成する
ことがあり、それらは排気されずにグリッドに付着して
残ってしまう。そして、このリン化合物がグリッドに徐
々に堆積しその表面を覆うようになると、リン化合物の
導電性がよくないため電場の形成が阻害され、グリッド
の引出電極としての機能が次第に失われてしまうことに
なる。このようにグリッドに絶縁性の膜が形成されるこ
とは、イオンビーム引出装置にとって致命的である。
ッドの清掃が励行される。グリッドの清掃は、イオンビ
ーム引出装置の使用後等に、装置を分解してグリッドを
取り出し、ブラシややすり、薬品等を用いて行われる。
そして、分解掃除がやり易いように、引出電極は、プラ
ズマ発生室の開口部に対してネジ止め等により取り付け
られている。
使用中に高真空まで減圧されるので、プラズマ発生室が
シール性の高い容器となっており、かつ処理室等とシー
ル性よく接続されている。従って、引出電極を着脱する
際には、このシール性の高い容器を開閉しなければなら
ない。容器を開閉すると容器内は大気圧になると共に水
分をはじめ空気中の諸物質が容器内に入ってくる。この
ため、使用再開時には大気圧から減圧を始めて不純物を
全て排出しなければならなくなる。結局、使用再開に手
間取ることになり問題であった。
等を用いた手作業であり、グリッドの破損等に気をつけ
なければならず煩わしかった。そして、分解掃除の後、
この容器を密封する作業も、高いシール性を保つために
は注意力を必要とし繁雑であった。
し、引出電極に付着堆積する堆積物を容易に除去できる
イオンビーム引出装置を提供することにある。
に本発明は、開口部を覆うグリッド板で引出電極を構成
し、この引出電極の2箇所に接続端子を設け、これら接
続端子のうち一方の接続端子には、イオンビーム引出し
を行うときに引出し用の電位を与え、イオンビーム引出
しを行わないときに接地される切換スイッチを接続する
と共に、他方の接続端子には、堆積物の除去を行うとき
に通電を行う通電スイッチを介して加熱用電源を接続
し、その加熱用電源の片側極を接地したものである。
後等に、通電加熱手段を動作させれば、引出電極が加熱
され、この熱により引出電極に付着した堆積物が蒸発す
る。蒸発ガスは、真空排気装置により排除される。こう
して引出電極は、堆積物のない状態になり、電極として
の機能が維持される。
イオンビーム引出装置を分解掃除する必要がなくなる。
このため、掃除中の破損のおそれがなくなり、また、真
空容器の開閉が必要なくなるので、密封作業における繁
雑さもなくなる。
詳述する。
置の概略説明図である。図示されるように、プラズマ室
1は、一端が開放され他端が閉じられた筒状の外殻2を
有している。プラズマ室1には、プラズマ室1内にホス
フィン等のガスを導入するための導入部、プラズマ室内
にアーク放電を行うための電極(いずれも図示せず)が
設けられ、プラズマ室1内に導入されたガス雰囲気中で
アーク放電を行うことによりプラズマ室1内にプラズマ
を発生することができる構成となっている。
方に延出されたフランジ4が外殻2に一体的に設けられ
ている。プラズマ室の開口部3には、このフランジ4を
利用して3つのグリッド電極板5が取り付けられてい
る。グリッド電極板5は、グラファイト、タングステン
等の耐熱性、導電性が高く、スパッタされにくい材料で
構成されている。グリッド電極板5の平面的形状は図2
(a)に示されるように、プラズマ室の開口部3を覆う
ことのできるように円形に形成され、その外周部は環状
の縁6を有し、内周部には多数の微細幅のスリット7が
微細間隔で形成されている。グリッド電極板5の外周部
の縁6は、内周部に比べて肉厚を有しており、フランジ
4への取り付けが容易となっている。外周部の縁6に
は、電圧を印加するための接続端子8が少なくとも2つ
設けられている。本実施例では、接続端子8は、中心を
挟んで向かい合う位置に設けられており、両電極間に電
圧を印加して、外周部の縁6やスリット7間の骨部に通
電させることができる。また、プラズマ引出し用の電位
もこの接続端子8を利用して与えられる。
ペーサ9を介して積み重ねられ、さらに絶縁性のスペー
サ9を介して上記フランジ4に取り付けられている。そ
れぞれのグリッド電極板5は、広義には引出電極10と
なるものであるが、それぞれ異なった電位が与えられる
ことによって、互いに異なる役割を有するものである。
ここでは、プラズマ室1に近い順に、第1、第2、第3
の引出電極と呼ぶ。
放され電位が与えられない。従って浮動電極とも呼ばれ
る。この浮動電極は、プラズマ室1内に臨んでいること
からプラズマの電位に近付いて閉込め、引出しの際にプ
ラズマの境界形成に寄与するものである。
81にプラズマ室1の外殻2に対して数十kVの負電位
が与えられる。これは、プラズマから正の荷電粒子を引
き出すための電位である。本実施例では、この接続端子
81の電位が接地電位であり、プラズマ室1の外殻2は
高電位となっている。
83に上記第3の引出電極10cに対して100〜1k
Vの負電位が与えられる。これは、プラズマ室1の外側
からの電子の逆流を防止する電位である。
室外殻に各電位を与えるための電源及びその接続を切換
えるための切換スイッチ群12が示されている。切換ス
イッチ群12の各スイッチの開閉は、イオンビーム引出
しを行うかで否かで切換えられる。図1は、イオンビー
ム引出しを行っているときの接続状態を示しており、第
3の引出電極10cはスイッチ121により接地され、
第2の引出電極10bはスイッチ122により電源を介
して100〜1kVの負電位が与えられ、プラズマ室1
の外殻2は、スイッチ124により電源を介して数十k
Vの正電位が与えられる。また、イオンビーム引出しを
行なわないときには、スイッチ122、124が開放さ
れ代わりにスイッチ123が閉じられて第2の引出電極
10bが接地される。
10cの残りの接続端子82、84には、それぞれ通電
スイッチ13を介して加熱用電源14が接続されてい
る。加熱用電源14は交流、直流どちらであってもよ
い。通電スイッチ13は、イオンビーム引出装置の不使
用時に堆積物の除去を行う際に閉じられる。加熱用電源
14の片側極はそれぞれ接地されており、通電スイッチ
13の閉成により第2の引出電極10b及び第3の引出
電極10cに通電を行うことができる。即ち、通電スイ
ッチ13及び加熱用電源14は、引出電極10に通電し
て引出電極10を加熱する通電加熱手段15である。
イッチ群12を切換えて第2の引出電極10b及び第3
の引出電極10cのそれぞれ一方の接続端子81、83
を接地する。同時に、通電加熱手段15の通電スイッチ
13を閉成すると、第2の引出電極10b、第3の引出
電極10cのグリッド電極板5には、共に加熱用電源1
4によって接続端子8間に電圧が印加される。こうして
グリッド電極板5が通電されスリット7を形成する各骨
部に電流が流れると、グリッド電極板5は発熱する。こ
の発熱によるグリッド電極板5の加熱は、グリッド電極
板5に付着したリン酸化物等の堆積物を蒸発させる程度
であって、グリッド電極板5が過熱しない程度に行われ
る。この時発生する蒸発ガスは、真空排気装置により排
除される。適当な時間の通電が行われた後、通電加熱手
段15を停止すると、グリッド電極板5からは堆積物が
一掃され、グリッド電極板5は分解掃除を行うまでもな
く使用前の状態に復元されており、電極としての機能が
維持される。
ム引出装置によれば、簡単なスイッチ操作を行うだけで
引出電極10が堆積物のない状態に復元されることにな
り、イオンビーム引出装置を分解掃除する必要がなくな
る。このため、掃除中の破損のおそれがなくなり、ま
た、真空容器の開閉が必要なくなるので、密封作業にお
ける繁雑さもなくなる。
リッド電極板5の形状を図2(b)に示されるように、
外周部の肉厚なしとすることもできる。即ち、図2
(b)の実施例にあっては、接続端子8の周囲を除いて
グリッド電極板5の周辺までいっぱいにスリット7が形
成されており、しかもこのグリッド電極板5は肉厚が均
一である。この構成によれば、通電加熱の際に外周部に
多く電流が流れるのを防止することができ、効率がよ
い。
ド電極板5は、角型のイオンビームを形成するための角
型開口部を有するイオンビーム引出装置に好適な形状と
なっている。グリッド電極板5の上下辺にスリットのな
い余白部が形成されている。余白部は、フランジへの取
り付けを容易にするために設けられる。
スリット7を有する構造としたが、スリット7の代わり
にメッシュ、多孔を設けたものであっても同等の作用効
果を奏することができる。
10b、第3の引出電極10cの堆積物の量に応じて個
別に電圧を配分してもよいし、差支えなければ一つの共
通の加熱用電源から共通の電圧、或いは共通の電流を印
加できるように構成してもよい。
る。
必要なくなるので、その手間が省ける。
り、密封作業の煩しさが解消される。
ので、使用再開が容易である。
備えたイオンビーム引出装置の概略説明図である。
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 プラズマ発生室の開口部に荷電粒子を引
き出す引出電極を設けたイオンビーム引出装置におい
て、上記開口部を覆うグリッド板で上記引出電極を構成
し、この引出電極の2箇所に接続端子を設け、これら接
続端子のうち一方の接続端子には、イオンビーム引出し
を行うときに引出し用の電位を与え、イオンビーム引出
しを行わないときに接地される切換スイッチを接続する
と共に、他方の接続端子には、堆積物の除去を行うとき
に通電を行う通電スイッチを介して加熱用電源を接続
し、その加熱用電源の片側極を接地したことを特徴とす
るイオンビーム引出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04268723A JP3120595B2 (ja) | 1992-10-07 | 1992-10-07 | イオンビーム引出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04268723A JP3120595B2 (ja) | 1992-10-07 | 1992-10-07 | イオンビーム引出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06119896A JPH06119896A (ja) | 1994-04-28 |
JP3120595B2 true JP3120595B2 (ja) | 2000-12-25 |
Family
ID=17462455
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04268723A Expired - Fee Related JP3120595B2 (ja) | 1992-10-07 | 1992-10-07 | イオンビーム引出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3120595B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7791047B2 (en) * | 2003-12-12 | 2010-09-07 | Semequip, Inc. | Method and apparatus for extracting ions from an ion source for use in ion implantation |
JP6480222B2 (ja) * | 2015-03-18 | 2019-03-06 | 株式会社アルバック | イオンビーム装置、イオン注入装置、イオンビーム放出方法 |
JP6184441B2 (ja) * | 2015-06-01 | 2017-08-23 | キヤノンアネルバ株式会社 | イオンビームエッチング装置、およびイオンビーム発生装置 |
US10504682B2 (en) * | 2018-02-21 | 2019-12-10 | Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. | Conductive beam optic containing internal heating element |
-
1992
- 1992-10-07 JP JP04268723A patent/JP3120595B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06119896A (ja) | 1994-04-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4126530A (en) | Method and apparatus for sputter cleaning and bias sputtering | |
EP0000586B1 (en) | Method for rejuvenating ion sources | |
TW200830390A (en) | Method and apparatus for manufacturing cleaned substrates or clean substrates which are further processed | |
JP3120595B2 (ja) | イオンビーム引出装置 | |
JP3487002B2 (ja) | イオン源 | |
JP2956412B2 (ja) | イオン源のクリーニング方法 | |
JP2001229841A (ja) | 引出し電極のクリーニング方法及びイオンビーム処理装置 | |
JP3127636B2 (ja) | イオン源 | |
JP3577785B2 (ja) | イオンビーム発生装置 | |
JP3509343B2 (ja) | イオン源 | |
JPH0740469B2 (ja) | イオン源装置、及びその運転方法 | |
JPH0378954A (ja) | イオン源 | |
JPH0448073A (ja) | スパッタリング装置 | |
JPH01104765A (ja) | イオンビーム照射装置 | |
JP3427450B2 (ja) | イオン源装置 | |
JP2855160B2 (ja) | イオン源 | |
JP3821893B2 (ja) | スパッタリング装置 | |
JP3680836B2 (ja) | プラズマ源装置 | |
JPH03219541A (ja) | プラズマ処理装置 | |
JP2889930B2 (ja) | イオン源 | |
JP3009195B2 (ja) | プラズマ化学反応処理装置 | |
JPH0922796A (ja) | ドライエッチング装置 | |
JPH11269636A (ja) | 真空成膜装置 | |
JPS63282259A (ja) | スパツタ装置 | |
JPH0216730A (ja) | エツチング装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071020 Year of fee payment: 7 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071020 Year of fee payment: 7 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071020 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081020 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |