JP3120131B2 - モールド電動機 - Google Patents

モールド電動機

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JP3120131B2
JP3120131B2 JP04294870A JP29487092A JP3120131B2 JP 3120131 B2 JP3120131 B2 JP 3120131B2 JP 04294870 A JP04294870 A JP 04294870A JP 29487092 A JP29487092 A JP 29487092A JP 3120131 B2 JP3120131 B2 JP 3120131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化されたプリミック
スによるフレームを分割して内部の固定子の補修を可能
にするモールド電動機に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】プリミッ
クスを硬化させてフレームを形成するモールド電動機
は、硬化したプリミックスのため分解不可能となり、フ
レームの完成後に不良が発見されても修理が不能であり
捨てざるを得なかった。
【0003】このため、プリミックスによるフレーム形
成の段階で不良を発生させることは全体の歩留まりを悪
くし、ある程度この数量が増加すると全体の製造原価に
大きな悪影響を与えた。しかしながら、プリミックスに
よるフレームの形成は、巻線に障害を発生し易く、容易
に解決する問題ではなかった。
【0004】すなわち、プリミックスによるモールド
は、プリミックスを構成する部材のほとんどが砂と同じ
ような天然の不活性物質であり、この構成部材が巻線の
外周に沿って充填される際、巻線などの絶縁物に損傷を
発生させ易く、また、硬化前のプリミックスは、粘度が
高いため、高圧力で充填されることになり、このため、
高速でプリミックスが巻線の外周を走行すると共に接触
圧力が大きくなり、ちょうど巻線の外周を研磨する如く
傷付け易い環境を発生させているのである。
【0005】さらに、巻線が細くなると、すべての巻線
が鉄心に密に巻装れているとは限らず、外周に浮遊する
ように飛び出している部分を生じることがある。特に、
巻線端部ではこの様な現象は珍しくなく、巻線端部が接
続されるリード線についても同様の問題を有していた。
この様に鉄心に蜜に巻装できない部分など、浮遊する部
分は、高速で充填されるプリミックスによって流され易
く、時として断線を生じるまでになるものである。
【0006】一方、プリミックスによるフレームを構成
する電動機は、固定子鉄心などから発生する振動を低減
させることができ、低騒音の運転が望まれる機器には、
好まれて使用されるものであり、また、プリミックスが
絶縁物であることから外装の絶縁に都合がよく、特に室
内の空気調和の機器用の電動機としては好適なものとし
て認識されている。
【0007】この様な特徴が得られるのは、プリミック
スのフレームが固定子鉄心の外周に密着する一体構造に
なっているため、得られるものであり、巻線などの補修
を考慮して、従来の鋼板製のフレームの如く外れるよう
に被せていたのでは、十分な効果が期待できないもので
ある。
【0008】したがって、プリミックスを硬化させて形
成されるフレームのモールド電動機は、フレーム形成後
の分解が不可能と認識されていた。
【0009】本発明は、この様な事情に鑑みてなされた
ものであり、プリミックスを硬化させて、フレームを形
成するモールド電動機の分解を可能にし、フレーム形成
後に万一巻線などに不良が発生した場合、補修の可能性
を得るものであり、製造の歩留まりを向上させることが
できるモールド電動機を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【問題点を解決する手段】請求項1の発明は、鉄心に巻
線を施し固定子を形成し、この固定子の外側をインサー
ト部材で覆い、このインサート部材を覆うように外側か
らプリミックスでモールドしてフレームを形成するモー
ルド電動機において、インサート部材の表面を滑らかな
ものにして前記モールドされたプリミックスとの接合力
を弱くし、フレームの外周に周状の溝を形成し、この溝
に沿ってフレームを分割することを特徴とするモールド
電動機である。請求項2の発明は、鉄心に巻線を施し固
定子を形成し、この固定子の外側をインサート部材で覆
い、このインサート部材を覆うように外側からプリミッ
クスでモールドしてフレームを形成するモールド電動機
において、インサート部材の表面を滑らかなものにして
前記モールドされたプリミックスとの接合力を弱くし、
フレームの分割部分で対向する突起を複数備えることを
特徴とするモールド電動機である。請求項3の発明は、
鉄心に巻線を施し固定子を形成し、この固定子の外側を
インサート部材で覆い、このインサート部材を覆うよう
に外側からプリミックスでモールドしてフレームを形成
するモールド電動機において、インサート部材の表面を
滑らかなものにして前記モールドされたプリミックスと
の接合力を弱くし、インサート部材をフレームの外周ま
で延出させることを特徴とするモールド電動機である。
請求項4の発明は、内面が巻線と接合しないように滑ら
かなインサート部材で構成したことを特徴とする請求項
1から3記載のモールド電動機である。
【0011】
【作用】硬化したプリミックスのフレームは、外周から
破損させるか、あるいは、機械などで切目を付けて衝撃
を与えれば、内部のインサート部材によって固定子から
フレームを分離させることができる。そして、巻線を露
出させることができるため、巻線に断線などの不良があ
れば容易に調べて補修することができる。さらに、この
様にフレームが取り外された固定子は、補修された後
は、再びプリミックスによるフレームを形成することが
できるため、フレームのみを損失の対象として良品化す
ることができる。
【0012】
【実施例】本発明を図面に示された一実施例に基づいて
説明すると、図1は、本発明のモールド電動機の固定子
にフレームを形成した状態を示す要部の縦断面図であ
り、図2は、そのフレームを取り外す状態を示す要部の
縦断面図であり、図3は、本発明のモールド電動機の斜
視図であり、図4は、他の実施例によるモールド電動機
の要部縦断面図である。
【0013】図1において、モールド電動機は、ドーナ
ツ状の鉄心1に絶縁物2を介して巻線3が巻装されてお
り、巻線3の外側には、インサート部材4が装着され、
インサート部材4の外側からプリミックスによるモール
ドでフレーム5が形成されている。フレーム5は、内径
側に図示されないブラケットを嵌合し、さらに図示され
ない回転子を備えるように構成されている。
【0014】そして、鉄心1は、薄い鋼板を積層して構
成されており、鉄心1の外周を覆う絶縁物2は、鉄心1
を成形型に治めて外周に絶縁用の樹脂を充填して形成す
るプレモールドで形成してもよく、あるいは、別に製作
された絶縁物2を被着するように備えるものでもよい。
【0015】巻線3は、絶縁物2を鉄心1に押し付ける
ようにきつく巻装されており、鉄心1にトロイダル状に
巻装されている。巻線3は、鉄心1にトロイダル状に巻
装されるものの外、鉄心1に形成されるスロット内に軸
方向から挿入される一般的な巻線形式のものでも同様の
作用効果を得ることができ、いずれでもよい。
【0016】インサート部材4は、巻線3と鉄心1との
全体を外側から覆うように、これも被着されるように備
えられているものであり、後工程で備えられるプリミッ
クスによるフレーム5と巻線とが分離できるように作用
するものであればよい。そのためには、次のような部材
が適切である。薄いテフロン系ワニスクロス、ポリエス
テル系またはPPS系フイルムの成型品、また、吹き付
けやワニンなどにディップするものでもよい。
【0017】プリミックスで形成されたフレーム5の外
側には、突起6がフレーム5と一体に複数備えられてお
り、突起6は、ドーナツ状に形成される固定子の外周に
2列になるように複数整然と備えられている。
【0018】図2において、固定子は、フレーム5が取
り外されており、巻線3の外側にインサート部材4が被
着された状態で露出されている。
【0019】図3において、モールド電動機は、外側が
プリミックスでモールドされたフレーム5で覆われてお
り、フレーム5の外周側には、突起6が複数整然と備え
られており、突起6の列の間に周状の溝7が形成されて
いる。そして、固定子には、ブラケット8が嵌合され回
転子を内側に保持すると共に回転子の軸9が延出されて
いる。
【0020】図4において、モールド電動機は、インサ
ート部材10、11の外周側がフレーム5の外側まで延
出されている。
【0021】この様な構成において、モールド電動機
は、鋼板をプレスで打ち抜き成形してから積層し鉄心1
を形成する。そして、外側を絶縁物2で覆うため、プレ
モールドするか、あるいは薄い部材で別工程で形成され
る絶縁物2を被着し、次に巻線3を巻装する。巻線3の
巻装は、本実施例では、鉄心1の継鉄部にトロイダル状
に巻線するトロイダル方式で構成されている。勿論、他
の巻線方式によっても同じであり、本発明がトロイダル
巻線方式に限定されるものではない。もし、トロイダル
巻線方式以外の巻線方式による場合は、鉄心1から巻線
が大きく食み出すことになることが多くなるが、インサ
ート部材4、10、11が大きくなるだけである。
【0022】また、インサート部材4、10、11は、
前述の種々の材料から形成することができるが、モール
ドされたプリミックスとの分離が良好でなければならな
い。このためには、巻線3の外側が凹凸状であり、この
凹凸にプリミックスがモールドによって食い込み捕捉さ
れないようにする必要がある。したがって、巻線3の外
側を覆って巻線3の外側に形成される凹凸をなくするよ
うにし、しかもモールドされたプリミックスとの分離が
容易なものにすることが必要である。
【0023】この様な作用を得るには、テフロン系の部
材が好ましく、フイルム状のものでもよい。
【0024】そして、インサート部材4は、巻線3との
間に隙間を生じても放熱以外の障害を生じることはな
く、巻線3とプリミックスとの接触が避けられるため、
巻線3に発生する不良を少なくすることができる。
【0025】この様にインサート部材4、10、11を
介在してプリミックスでモールドしフレーム5を形成す
ると、フレーム5は、破壊されると巻線3を捕捉してい
ないため、容易に巻線3と分離し、フレーム5が完全に
取り除かれればモールド前の固定子となる。このため、
フレーム5を破壊するなどして取り除けば容易に巻線3
の補修などが行える。そして、フレーム5の破壊は、図
3に示されるようにフレーム5の外周に切削機械あるい
はレーザー光線などによって一定の深さの溝7を形成す
ると容易に行える。このとき、溝7が巻線3に接触する
程に深くなると溝7の形成によって巻線3を損傷するこ
とになるため、比較的浅く形成するとよい。
【0026】しかし、あまり溝7が浅いとフレーム5の
破壊が容易ではなくなるため、適度に行う必要がある。
そして、図2に示されるようにフレーム5を2つに分割
するように破壊することができる。このときフレーム5
の外周に突起6を形成しておくと、この突起6を利用し
てフレーム5が図2のように割れるように衝撃を与えれ
ば都合よく分解できることになる。
【0027】また、図4に示されるようにインサート部
材10、11をフレームの外周にまで延出させておく
と、簡単にフレーム5を分割することができる。この場
合、インサート部材10、11の適所に貫通孔を形成し
ておき、フレーム5が一体となるように構成しておくと
よい。
【0028】この様なインサート部材4、10、11
は、小形のモールド電動機の場合、夫々熱伝導を軽視す
ることができるため、ゴムなどの比較的熱伝導の悪い部
材で構成することもできる。したがって、インサート部
材4、10、11は、広範囲の材料を選択しようするこ
とができるものである。
【0029】また、インサート部材4、10、11は、
巻線3との間で分離するように構成されてもよく、フレ
ーム5の破壊によってインサート部材4、10、11が
フレーム5側に一体となって破壊されるものでもよい。
この場合、再組み立てに際してインサート部材4、1
0、11を再度取り付ける必要がある。
【0030】この様なことから、インサート部材4、1
0、11は、モールド前の巻線3が施された状態で適度
なワニスなどにディップして形成するものでもよく、フ
レーム5あるいは巻線3との分離が簡単であればよい。
さらに、インサート部材4、10、11を多層にして層
間で分離するようにすることもでき、巻線3とフレーム
5とを分離するものであれば同一技術思想のものであ
る。すなわち,分離するために捕捉しない滑らかな部分
があればよい。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、プリミックスでモール
ドしてフレームを形成しても分解して巻線などの補修を
行うことができるものであり、製造における歩留まりを
良くし、巻線とフレームを一体にモールドで固めるモー
ルド電動機として画期的なものであり、その効果は極め
て大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモールド電動機の固定子にフレームを
形成した状態を示す要部の縦断面図である。
【図2】フレームを取り外す状態を示す要部の縦断面図
である。
【図3】本発明のモールド電動機の斜視図である。
【図4】他の実施例によるモールド電動機の要部縦断面
図である。
【符号の説明】
1……鉄心 2……絶縁物 3……巻線 4、10、11……インサート部材 5……フレーム 6……突起

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄心に巻線を施し固定子を形成し、 この固定子の外側をインサート部材で覆い、 このインサート部材を覆うように外側からプリミックス
    でモールドしてフレームを形成するモールド電動機にお
    いて、 インサート部材の表面を滑らかなものにして前記モール
    ドされたプリミックスとの接合力を弱くし、 フレームの外周に周状の溝を形成し、この溝に沿ってフ
    レームを分割することを特徴とするモールド電動機。
  2. 【請求項2】鉄心に巻線を施し固定子を形成し、 この固定子の外側をインサート部材で覆い、 このインサート部材を覆うように外側からプリミックス
    でモールドしてフレームを形成するモールド電動機にお
    いて、 インサート部材の表面を滑らかなものにして前記モール
    ドされたプリミックスとの接合力を弱くし、 フレームの分割部分で対向する突起を複数備えることを
    特徴とするモールド電動機。
  3. 【請求項3】鉄心に巻線を施し固定子を形成し、 この固定子の外側をインサート部材で覆い、 このインサート部材を覆うように外側からプリミックス
    でモールドしてフレームを形成するモールド電動機にお
    いて、 インサート部材の表面を滑らかなものにして前記モール
    ドされたプリミックス との接合力を弱くし、 インサート部材をフレームの外周まで延出させることを
    特徴とするモールド電動機。
  4. 【請求項4】内面が巻線と接合しないように滑らかなイ
    ンサート部材で構成したことを特徴とする請求項1から
    記載のモールド電動機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6516001B1 (en) 1998-06-05 2003-02-04 Nec Corporation Device for converting sonet data input into DS-N data output

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6516001B1 (en) 1998-06-05 2003-02-04 Nec Corporation Device for converting sonet data input into DS-N data output

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