JP3119809B2 - タイヤ空気圧低下検出方法および装置 - Google Patents
タイヤ空気圧低下検出方法および装置Info
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- G01B21/20—Measuring arrangements or details thereof, where the measuring technique is not covered by the other groups of this subclass, unspecified or not relevant for measuring contours or curvatures, e.g. determining profile
Description
られている各タイヤの空気圧の低下を検出する方法、お
よびこの方法を実施するためのタイヤ空気圧低下検出装
置に関する。
ための安全装置の1つとして、タイヤの空気圧の低下を
検出する装置が発明され、一部には実用化されているも
のもある。上記タイヤ空気圧低下検出装置は、主に以下
に示すような理由によりその重要性が認識され、開発さ
れたものである。すなわち、空気圧が低下すると、たわ
みの増大によりタイヤの温度が上昇する。温度が高くな
るとタイヤに用いられている高分子材料の強度が低下
し、タイヤのバーストに繋がる。通常、タイヤの空気が
0.5 気圧程度抜けても、ドライバはそれに気付かないこ
とが多いから、それを検知できる装置が望まれていた。
気圧低下の検出方法は、たとえば車両に備えられている
4つのタイヤW1 ,W2 ,W3 ,W4 の各回転角速度F
1 ,F2 ,F3 ,F4 (以下総称するときは「回転角速
度Fi 」という)の違いに基づく方法がある。なお、タ
イヤW1 ,W2 はそれぞれ前左右タイヤに対応し、タイ
ヤW3 ,W4はそれぞれ後左右タイヤに対応する。ま
た、タイヤW1 ,W2 ,W3 ,W4 を総称するときは、
「タイヤWi 」という。
Wi に取付けられた車輪速センサから出力される信号に
基づいて、上記タイヤWi の回転角速度Fi が所定のサ
ンプリング周期ごとに検出される。ここで、この検出さ
れた回転角速度Fi は、各タイヤWi の動荷重半径(単
位時間内に車両が進んだ距離を各タイヤの回転数と2π
との積で割った値。)がすべて同一の場合は、すべて同
一である。
とえばタイヤWi の空気圧の変化に対応するように変化
する。すなわち、タイヤWi の空気圧が低下すると、当
該タイヤWi は収縮する。その結果、動荷重半径は正常
内圧時に比べて小さくなる。したがって、その空気圧が
低下しているタイヤWi の回転角速度Fi は正常内圧時
に比べて速くなる。そのため、各回転角速度Fi の違い
によって、タイヤWiの空気圧低下を検出できる。
空気圧低下の検出のための判定式は、たとえば下記(1)
式に示すようなものである(たとえば特開昭63-305011
号公報、特開平4-212609号公報参照。)。
にすべて同一であるとすれば、回転角速度Fi はすべて
同一となるので(F1 =F2 =F3 =F4 )、判定値D
は0である。そこで、しきい値DTH1 ,DTH2 (ただ
し、DTH1 ,DTH2 >0)を設定し、 D<−DTH1 あるいは D>DTH2 ‥‥(2) が満足された場合は、空気圧が低下しているタイヤWi
があると検出され、満足されなかった場合には、空気圧
は低下しているタイヤWi はないと検出される。
気圧が低下しているにもかかわらず判定値Dが低下する
ことがある。このような場合、判定値Dは上記(2) 式を
満足せず、タイヤWi はすべて正常内圧であると誤検出
するおそれがある。図12は、車両が平坦な道路を走行
している場合において、4つのタイヤW1,W2 ,
W3 ,W4 のうちいずれか1つが減圧したときに計算さ
れる判定値Dの車両の速度に対する変化を示す図であ
る。この図12から明らかなように、車両の速度が上昇
するのにつれて判定値Dは低下し、車両の速度が200(km
/h) 付近では零となることがわかる。
である。すなわち、空気圧が低下したタイヤWi のグリ
ップ率は、空気圧が正常内圧であるタイヤWi のグリッ
プ率よりも大きいことが知られている。タイヤWi は、
通常、若干スリップしながら回転する。しかし、空気圧
が低下したタイヤWi は、グリップ率が大きくなった分
だけスリップ量が低下する。スリップの低下量は、車両
の速度の上昇とともに増加し、タイヤWi が収縮したこ
とによる回転数の増加を相殺する。その結果、図12の
ような現象が生じる。
ば特開平7−125512号公報に開示されている技術
を適用することが考えられる。この公開公報に開示され
ている技術では、判定値Dを算出した後、この算出され
た判定値Dに対して速度補正が施される。より詳述する
と、上記公開公報に開示されている技術では、車両の速
度にそれぞれ対応する補正係数が予め求められる。具体
的には、高速走行時ほど判定値Dを大幅に引き上げる必
要があるので、高速走行時ほど引上げ率が高くなるよう
な補正係数が求められる。そして、判定値Dに当該補正
係数の逆数を乗じることにより、判定値Dが補正され
る。その結果、判定値Dは、空気圧が低下したことを表
すのに十分な大きさまで引き上げられる。したがって、
タイヤの空気圧が低下している場合の判定値Dは上記
(2) 式を満足することになる。そのため、判定値Dの低
下に起因する誤検出を防止できる。
補正は、タイヤWi の空気圧が低下している場合だけで
なく、タイヤWi がすべて正常内圧である場合にも行わ
れる。この場合、判定値Dが常に零ならば、何ら問題は
ない。零にどのような数値を乗じても、結果は零だから
である。
とえタイヤWi がすべて正常内圧であっても、零になる
とは限らない。これは、車両の走行状態や路面状態によ
って各タイヤWi の回転角速度Fi がばらつくからであ
る。このような場合、上述した判定値Dを引き上げるよ
うな速度補正を判定値Dに施せば、回転角速度Fi のば
らつきが助長される。その結果、空気圧が低下している
タイヤWi があると誤検出されるおそれがある。
は、タイヤWi にかかる駆動トルクが増加しているとい
うことを意味する。すなわち、空気圧が低下しているタ
イヤW i があるにもかかわらず判定値Dが低下するの
は、実際には、タイヤWi に大きな駆動トルクがかかっ
ているために生じる。タイヤWi に大きな駆動トルクが
かかるような走行としては、高速走行以外に、いわゆる
登板走行がある。したがって、たとえ低速走行時であっ
ても、登板走行のときには、上述と同様の理由によって
判定値Dの低下がみられる。
値Dに施すことが考えられる。しかしながら、上述した
速度補正における補正係数は、高速走行時ほど引上げ率
が高くなるように求められるものなので、低速走行時で
は判定値Dはほとんど引き上げられない。したがって、
空気圧が低下しているタイヤWi があるにもかかわら
ず、タイヤWi はすべて正常内圧であると誤検出される
おそれがある。
クがかかるような走行をしている場合には、速度補正を
施したがために誤検出されるときがあり、また速度補正
自体誤検出回避にあまり意味を持たないときがある。そ
こで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、タ
イヤに大きな駆動トルクがかかるような走行をしている
場合でも、タイヤの空気圧が低下しているか否かを正確
に検出することができるタイヤ空気圧低下検出方法を提
供することである。
施するためのタイヤ空気圧低下検出装置を提供すること
である。
クがかかっている場合における誤検出は、空気圧が低下
しているタイヤの回転角速度と正常内圧のタイヤの回転
角速度とがほとんど同一であることが根源となってい
る。逆に言えば、もしも空気圧低下時の回転角速度と正
常内圧時の回転角速度との差が相対的に大きな状態があ
れば、速度補正を施さなくても、誤検出を回避できる。
合、空気圧が低下しているタイヤはグリップ率が大きい
ため、収縮したことによる回転数の増加に加えて、回転
数はさらに増加することになる。そこで、車両に備えら
れているタイヤの回転角速度を検出し、車両の前後方向
加速度を検出し、この検出された車両の前後方向加速度
に基づいて車両が制動状態であるか否かを判別し、この
結果、車両が制動状態であると判別されたときに、上記
検出された回転角速度に基づいて、タイヤの空気圧が低
下しているか否かを判定することが考えられる。
転角速度と正常内圧時のタイヤの回転角速度との差が相
対的に大きい制動状態のときにのみ、タイヤの空気圧が
低下しているか否かの判定が行われる。したがって、高
速走行時や登板走行時でも、タイヤの空気圧が低下して
いるか否かを正確に検出できる。本発明のタイヤ空気圧
低下検出方法は、上記検出された回転角速度を所定の判
定式に代入することにより判定値を求め、車両の速度を
検出し、車両が制動状態であると判別された場合に、上
記検出された車両の速度に応じた重み係数を上記求めら
れた判定値に重み付けし、この重み係数が重み付けられ
た判定値、および上記重み係数を累積し、この累積され
ている重み係数が所定のしきい値以上であるか否かを判
別し、累積されている重み係数が上記しきい値以上であ
ると判別された場合に、上記累積されている判定値と累
積されている重み係数との比に基づいて、タイヤの空気
圧が低下しているか否かを検出することを特徴とする
(請求項1)。 この構成では、車両が制動状態である場
合、車両の速度に応じた重み係数が判定値に重み付けさ
れ、当該重み付けされた判定値および重み係数が累積さ
れる。そして、累積されている重み係数がしきい値以上
になった場合、上記累積されている判定値および重み係
数の比に基づいて、タイヤの空気圧が低下しているか否
かが検出される。 ところで、車両の高速走行時には、車
両の走行状態や路面状態は比較的安定している。したが
って、突発的なノイズ等が回転角速度に混入することは
ほとんどない。一方、たとえばタイヤがパンクした場合
には、高速走行になるほどバーストする可能性が高ま
る。したがって、車両の高速走行時では、タイヤの空気
圧が低下しているか否かの検出をできるだけ速く実行す
る方が好ましい。 したがって、たとえば車両の速度が上
昇するほど大きな重み係数を対応付けておけば、車両の
速度が速いほど累積される重み係数は速くしきい値に達
する。その結果、タイヤの空気圧が低下しているか否か
の検出を車両が高速走行するほど速く実行することがで
きる。 この検出方法は、たとえば請求項6記載のタイヤ
空気圧低下検出装置によって 実施することができる。
は、上記請求項1記載のタイヤ空気圧低下検出方法であ
って、車両が制動状態であると判別するための条件は、
上記検出された車両の前後方向加速度が負の所定範囲に
含まれていることであることを特徴とする。車両が制動
状態である場合には、車両の前後方向加速度は負の領域
の値となる。したがって、この構成によれば、車両が制
動状態であるか否かを正確に判別することができる。
タイヤ空気圧低下検出装置によって実施することができ
る。
は、上記請求項2記載のタイヤ空気圧低下検出方法であ
って、車両が制動状態であると判別するための条件は、
さらに、車両に備えられているフットブレーキペダルが
踏まれていないことであることを特徴とする。フットブ
レーキペダルが踏まれることによる制動時には、各タイ
ヤの回転角速度は、ブレーキパッドの磨耗状態に応じて
変動する。したがって、この場合に空気圧低下検出を行
うと、誤検出するおそれがある。そのため、この構成に
よれば、空気圧の低下を正確に検出できる。
タイヤ空気圧低下検出装置によって実施することができ
る。
は、上記請求項1、2または3記載のタイヤ空気圧低下
検出方法であって、上記車両の前後方向加速度は、上記
検出された各回転角速度に基づいて各タイヤの前後方向
加速度を求め、この求められたタイヤの前後方向加速度
を平均することによって検出されるものであることを特
徴とする。
礎情報として車両の前後方向加速度を検出することがで
きるので、前後方向加速度を検出するための特別な構成
は不要となる。この検出方法は、たとえば請求項9記載
のタイヤ空気圧低下検出装置によって実施することがで
きる。
は、上記請求項4記載のタイヤ空気圧低下検出方法であ
って、上記車両の前後方向加速度は、上記求められた各
タイヤの前後方向加速度のうち、駆動力が伝達されない
従動タイヤの各前後方向加速度を平均することによって
検出されるものであることを特徴とする。駆動力が伝達
される駆動タイヤの回転角速度には、スピン等によりノ
イズが混入しやすいのに対して、駆動力が伝達されない
従動タイヤの回転角速度には通常混入されない。したが
って、この構成によれば、車両の前後方向加速度を一層
正確に検出できる。
のタイヤ空気圧低下検出装置によって実施することがで
きる。
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この
発明の一実施形態が適用されたタイヤ空気圧低下検出装
置の構成を示すブロック図である。このタイヤ空気圧低
下検出装置は、4輪車両に備えられた4つのタイヤ
W1 ,W2 ,W3 ,W4 (以下総称するときは「タイヤ
Wi 」という。)の空気圧が低下しているか否かを検出
するものである。ここに、タイヤW1 ,W2 はそれぞれ
前左右タイヤに対応し、タイヤW3 ,W4 はそれぞれ後
左右タイヤに対応する。
ヤW1 ,W2 ,W3 ,W4 にそれぞれ関連して設けられ
た従来公知の車輪速センサ1を備えている。車輪速セン
サ1の出力は制御ユニット2に与えられる。制御ユニッ
ト2には、空気圧が低下したタイヤWi を知らせるため
の表示器3が接続されている。表示器3は、液晶表示素
子,プラズマ表示素子またはCRT等で構成されたもの
である。
フットブレーキ作動状態検出ユニット4を備えている。
フットブレーキ作動状態検出ユニット4は、ドライバが
フットブレーキペダル5を踏んでいるか否かを検出する
ためのものである。フットブレーキ作動状態検出ユニッ
ト4には、アンチロックブレーキシステム(ABS)等
で使用されているものを適用することができる。フット
ブレーキ作動状態検出ユニット4の検出出力は、制御ユ
ニット2に与えられる。
電気的構成を示すブロック図である。制御ユニット2
は、I/Oインタフェース2a、CPU2b、ROM2
c、RAM2dおよびカウンタCNTを含むマイクロコ
ンピュータで構成されている。I/Oインタフェース2
aは、車輪速センサ1、フットブレーキ作動状態検出ユ
ニット4および表示器3を含む外部装置との信号の受渡
しに必要なものである。CPU2bは、ROM2cに格
納されている制御動作プログラムに従い、種々の処理を
実行するためのものである。RAM2dは、CPU2b
が制御動作を行う際にデータ等が一時的に書込まれた
り、その書込まれたデータ等が読出されるものである。
カウンタCNTは、後述する警報発生/停止処理に必要
なカウント値Cをカウントするためのものである。
に対応したパルス信号(以下「車輪速パルス」という)
が出力される。CPU2bでは、車輪速センサ1から出
力された車輪速パルスに基づき、所定のサンプリング周
期ΔT(sec) (たとえばΔT=1 )ごとに、各タイヤW
i の回転角速度Fi が算出される。図3、図4および図
5は、上記タイヤ空気圧低下検出装置における警報発生
/停止処理を説明するためのフローチャートである。な
お、この処理はソフトウエア処理で実現される。また、
以下の説明では、車両はFF(フロントエンジン・フロ
ントドライブ)車を例にとって行う。
ず、後述するフラグF1,F2がリセットされる(ステ
ップS1)。次いで、各車輪速センサ1から出力される
車輪速パルスに基づいて各タイヤWi の回転角速度Fi
が算出される(ステップS2)。ここで、タイヤW
i は、規格内でのばらつき(以下「初期差異」とい
う。)が含まれて製造される。したがって、各タイヤW
i の動荷重半径は、すべてのタイヤWi がたとえ正常内
圧であっても、同一とは限らない。そのため、各タイヤ
W i の回転角速度Fi はばらつくことになる。なお、動
荷重半径とは、単位時間内に車両が進んだ距離を各タイ
ヤの回転数と2πとの積で割った値である。
Fi が算出されると、この算出された回転角速度Fi が
初期差異によるばらつきを打消すように補正される(ス
テップS3)。具体的には、 F11 =F1 ‥‥(3) F12 =mF2 ‥‥(4) F13 =F3 ‥‥(5) F14 =nF4 ‥‥(6) と補正される。
取得され、制御ユニット2のROM2cに予め記憶され
ている。すなわち、たとえば車両を初めて走行させると
き、タイヤWi の空気圧を補充したとき、またはタイヤ
Wi を交換した場合に取得される。上記補正係数m,n
は、たとえば車両が直線走行をしていることを条件とし
て回転角速度Fi を算出し、この算出された回転角速度
Fi に基づいて下記(7) ,(8) 式のようにして取得する
ことが考えられる。
異によるばらつきだけでなく、たとえば車両がコーナー
を走行するときの各タイヤWi の内輪差、および車両の
荷重移動によってもばらつく。
る場合には、旋回中心から各タイヤWi までの距離はす
べて異なる。したがって、各タイヤWi の回転距離も各
タイヤWi ごとに異なる。その結果、各タイヤWi の回
転角速度Fi は必然的にばらつく。また、車両の重心に
は、旋回半径Rの逆数および車両の速度Vの2乗に比例
した車両の横方向加速度(以下「横G」という。)がコ
ーナー外側方向に向かって作用する。したがって、車両
の荷重がコーナー内側からコーナー外側に移動する。こ
れに伴い、従動タイヤW3 ,W4 (この実施例ではFF
車を前提にしているから。)の各動荷重半径は変動す
る。
因するばらつきを排除した車両の旋回半径Rが計算され
る(ステップS4)。より詳述すると、先ず、初期補正
後の回転角速度F13 ,F14 に基づき、下記(9) ,(1
0)式に示すように、従動タイヤW3 ,W4 の速度V
13 ,V14 が算出される。ただし、下記(9) ,(10)式
において、rはROM2cに予め記憶されているタイヤ
Wi の正常内圧時の静荷重半径である。なお、静荷重半
径は、静止しているタイヤWi に荷重をかけたときのタ
イヤWi の中心から路面までの距離である。
13 ,V14 に基づいて、下記(11)式に示すように、車
両の旋回半径R′が算出される。ただし、下記(11)式に
おいて、Twは車両の従動軸(FF車の場合は後側)の
トレッド幅を表す。
R′に対して、下記(12)式に示すように、車両の荷重移
動に起因するばらつきを排除するような補正が施され
る。ただし、下記(12)式において、γおよびσは定数で
ある。 R=R′×{γ+σ×(V13 +V14 )2 } ‥‥(12) 次に、この求められた車両の旋回半径Rに基づいて、各
タイヤWi の内輪差に起因するばらつきを排除するよう
に、上記ステップS3にて算出された初期補正後の回転
角速度F1i が補正される(ステップS5)。具体的に
は、
ー内側のタイヤWi とコーナー外側のタイヤWi との内
輪差に起因するばらつきを排除した回転角速度F2i が
取得される。なお、上記(13)〜(16)式において、WBは
車両のホイールベースを表す。
ように、車両がFF車である場合を想定した処理であ
る。もしも車両がFR(フロントエンジン・リアドライ
ブ)車であれば、下記(17)〜(20)式のように補正され
る。
旋回半径R,車両の速度V,車両の横Gおよび各タイヤ
Wi の前後方向加速度(以下単に「前後加速度」とい
う)A i の大きさによって誤差が含まれることがある。
すなわち、旋回半径Rが相対的に小さい場合には、タイ
ヤWi が横すべりするおそれがあるので、算出される回
転角速度Fi に誤差が含まれる可能性が高い。また、車
両の速度Vが極低速である場合には、車輪速センサ1の
検出精度が著しく悪くなるので、算出される回転角速度
Fi に誤差が含まれる可能性が高い。さらに、車両の横
Gが相対的に大きい場合には、タイヤWi が横すべりす
るおそれがあるので、算出される回転角速度Fi に誤差
が含まれる可能性が高い。さらにまた、各タイヤWi の
前後加速度Ai が相対的に大きい場合には、たとえば車
両が急加速/急減速することによるタイヤWi のスリッ
プまたはフットブレーキの影響が考えられるので、算出
される回転角速度Fi に誤差が含まれる可能性が高い。
れる可能性の高い場合には、その回転角速度Fi を空気
圧低下の検出に採用せずにリジェクト(排除)する方が
好ましい。そこで、次に、車両の速度V、横G、各タイ
ヤWi の前後加速度Ai および車両の前後加速度Aが算
出される(ステップS6)。より詳述すると、車両の速
度Vは、各タイヤWi の速度V2i に基づいて算出され
る。上記各タイヤWi の速度V2i は下記(21)式によっ
て算出される。
づき、車両の速度Vが下記(22)式によって算出される。 V=(V21 +V22 +V23 +V24 )/4 ‥‥(22) 一方、車両の横Gは、この算出された車両の速度Vを利
用して、下記(23)式によって算出される。
ンプリング周期ΔTにおいて算出された各タイヤWi の
速度をBV2i とすると、下記(24)式によって算出され
る。なお、下記(24)式において、分母に9.8が挿入さ
れているのは、各タイヤWi の前後加速度Ai をG換算
するためである。
加速度Ai に基づいて、下記(25)式のようにして求めら
れる。ただし、下記(25)式において、i=1〜4であ
る。 A=ΣAi /4 ‥‥(25) なお、車両の前後加速度Aは、上記(25)式だけに限ら
ず、車両がFF車かFR車かによって、それぞれ、下記
(26)式または(27)式によって求めるようにしてもよい。
達されない従動タイヤWi の各前後加速度Ai に基づい
て車両の前後加速度Aが求められている。これは、駆動
タイヤWi の前後加速度Ai を利用すると、駆動タイヤ
Wi はスリップするおそれがあるため、車両の前後加速
度Aを正確に求めることができない場合があるからであ
る。
の前後加速度Aは、たとえば各量V,横G,Aを求める
ことができるセンサで直接求めるようにしてもよい。そ
して、車両の旋回半径R,車両の速度V,各タイヤWi
の前後加速度Ai および車両の横Gに基づき、上記ステ
ップS5で得られた回転角速度F2i をリジェクトする
か否かが判別される(ステップS7)。具体的には、次
に示す〜の4つの条件のうち、いずれか1つでも該
当した場合には、回転角速度F2i がリジェクトされ
る。
リジェクトしない場合には、その回転角速度F2i に基
づいて、判定値Di が下記(28)式によって算出される
(ステップS8)。
の速度V、横G、各タイヤWi の前後加速度Ai および
車両の前後加速度Aの算出は、初期差異およびタイヤW
i の内輪差に応じた補正が施された回転角速度F2i を
用いて行われる。一方、タイヤWi の動荷重半径は、初
期差異およびタイヤWi の内輪差だけでなく、車両の旋
回半径R,速度V,横Gおよび前後加速度Aによっても
変動する。したがって、上記ステップS8で求められる
判定値Di には、車両の旋回半径R、速度V、横Gおよ
び前後加速度Aを含む変動要因の影響が作用している。
および前後加速度Aなどの判定値D i の変動要因の影響
を排除するための補正が行われる(ステップS9)。具
体的には、
ップS9にて得られた判定値Di ′は、CPU2b内の
バッファ(図示せず。)にいったん保持される。ここ
で、上記(29)式において、α1,α2およびα3は係数
である。係数α1,α2,α3は、各タイヤWi が正常
内圧であるとわかっているときに試験走行を行い、その
ときに算出された車両の速度V、車両の前後加速度A、
車両の横Gまたは旋回半径Rに基づいて予め求められる
ものである。係数α1,α2,α3は、たとえば制御ユ
ニット2のROM2cに予め記憶されている。
定値Di ′を用いて、下記(30)式により、空気圧が低下
しているか否かが判定される(ステップS10)。な
お、下記(30)式において、たとえばDTH1 =DTH2 =0.
1 である。 Di ′<−DTH1 あるいは Di ′>DTH2 ‥‥(30) この結果、判定値Di ′が、図6のSa,Sbに示すよ
うに、−DTH1 ,DTH 2 の間からはみ出していれば、す
なわち上記(30)式を満たしていれば、空気圧は低下して
いると判定される。一方、上記判定値Di ′が−
DTH1 ,DTH2 の間にあれば、すなわち上記(30)式を満
たしていなければ、空気圧は低下していないと判定され
る。
ヤWi の空気圧が低下していると判定されると、カウン
タCNTのカウント値Cが当該カウント値Cの上昇過剰
を防止するための設定された上限しきい値L1 (たとえ
ばL1 =10)未満であるか否かが判別される(ステップ
S11)。その結果、上記カウント値Cが上限しきい値
L1 未満であれば、上記カウント値Cがインクリメント
される(ステップS12)。反対に、カウント値Cが上
限しきい値L1 以上であれば、次の図4のステップS1
5に直接移行する。
果、タイヤWi の空気圧は低下していないと判定される
と、カウンタCNTのカウント値Cが当該カウント値C
の下降過剰を防止するために設定された定常値L2 (た
とえばL2 =0)よりも大きいか否かが判別される(ス
テップS13)。その結果、上記カウント値Cが定常値
L2 よりも大きければ、上記カウント値Cはデクリメン
トされる(ステップS14)。反対に、カウント値Cが
定常値L2 以下であれば、次のステップS15に直接移
行する。
準備処理が行われる。より詳述すると、先ず、上記カウ
ント値Cが警報発生しきい値N1 (たとえばN1 =L1
=10)以上であるか否かが判別される(ステップS1
5)。その結果、上記カウント値Cが警報発生しきい値
N1 以上であると判別されると、警報を発生させるた
め、フラグF1がセットされる(ステップS16)。
値N1 未満であると判別されると、次に上記カウント値
Cが警報禁止しきい値N2 (たとえばN2 =L2 =0)
以下であるか否かが判別される(ステップS17)。そ
の結果、上記カウント値Cが警報禁止しきい値N2 以下
であると判別されると、警報発生を禁止するため、上記
フラグF1がリセットされる(ステップS18)。反対
に、上記カウント値Cが警報禁止しきい値N2 よりも大
きいと判別されると、何の処理も行わず、直接ステップ
S19に移行する。
ラグF1のセット/リセットを複数周期にわたって同じ
判定がある程度連続して行われたときに行うようにして
いるので、ノイズなどの突発的な影響による警報の誤発
生/誤禁止を防止できる。ところで、タイヤWi の空気
圧が低下している場合、タイヤWi にかかる駆動トルク
が小さいような走行をしているときには、当該タイヤW
i の回転角速度F i は正常内圧のタイヤWi の回転角速
度Fi に比べて速くなる。したがって、上記ステップS
10において、判定値Di ′は上記(30)式を満足する。
ルクが大きいような走行をしているときには、タイヤW
i に作用するスリップ量の低下のため、空気圧が低下し
ているタイヤWi の回転角速度Fi と正常内圧のタイヤ
Wi の回転角速度Fi との差はほとんどない。このと
き、判定値Di ′は0になるおそれがある。したがっ
て、上記ステップS10において、タイヤWi の空気圧
はすべて正常であると判定されるおそれがある。その結
果、本来なら警報発生のために上記ステップS15〜S
18の第1の警報準備処理においてフラグF1をセット
しなければならないのに、フラグF1がセットされない
か、またはセットされるまで時間がかかるおそれがあ
る。
2の警報準備処理が実行される(ステップS19〜S2
8)。この第2の警報準備処理は、車両が制動状態であ
る場合にのみ実行される処理である。理由については後
述する。この第2の警報発生処理では、まず、車両が制
動状態であるか否かが調べられる。具体的には、車両の
前後加速度Aが負のしきい値ATH1 (たとえばATH1 =
−0.1 )と負のしきい値ATH2 (たとえばATH2 =−0.
05)との間の所定範囲A E に含まれているか否かが判別
される(ステップS19)。
範囲AE に含まれていないと判別されると、車両は制動
状態ではないと判断され、第2の警報準備処理は実行さ
れずに後述する図5のステップS29に直接移行する。
一方、上記ステップS19での判別の結果、車両の前後
加速度Aは上記所定範囲AE に含まれていると判別され
ると、車両は制動状態であると判断され、上記ステップ
S9で取得されてバッファに保持されている判定値D′
がRAM2dに記憶される(ステップS20)。その
後、このRAM2dに記憶されている判定値Di ′がn
個に達したか否かが判別される(ステップS21)。
定値Di ′はまだn個に達していないと判別されると、
後述する図5のステップS29に直接移行する。一方、
RAM2dに記憶されている判定値Di ′がn個に達し
たと判別されると、下記(31)式に示すように、平均値D
avが算出される(ステップS22)。ただし、下記(31)
式において、i=1〜nである。
ノイズ等で誤った判定値Di ′が求められ、これにより
警報が誤発生するのを防止するためである。平均値Dav
が取得されると、現在警報が発生しているか否かを判断
するため、フラグF2がセットされているか否かが判別
される(ステップS23)。
を発生させるか否かを示すためのものである。相違点
は、フラグF1が判定値Di ′を基礎情報としているの
に対して、フラグF2が判定値Di ′の平均値Davを基
礎情報としている点である。ステップS23での判別の
結果、フラグF2がセットされていると判別されると、
下記(32)式に示すように、平均値Davの絶対値が予め定
める第1しきい値D TH3 (たとえばDTH3 =0.05)未満
であるか否かが判別される(ステップS24)。
イヤWi の空気圧はすべて正常内圧であると判断され
る。一方、フラグF2がセットされているということは
現在警報が発生しているということである。したがっ
て、当該警報は誤警報である。そのため、当該誤警報を
停止させるべく、フラグF2がリセットされる(ステッ
プS25)。
れると、いずれかのタイヤWi の空気圧が低下している
と判断される。したがって、現在発生している警報は正
しい警報である。そのため、当該警報を継続させるべ
く、フラグF2はセット状態のまま維持される(ステッ
プS26)。ステップS23での判別の結果、フラグF
2はセットされていないと判別されると、下記(33)式に
示すように、平均値Davの絶対値が上記第1しきい値D
TH3よりも大きい第2しきい値DTH4 (たとえばDTH4
=0.1 )よりも大きいか否かが判別される(ステップS
27)。
ずれかのタイヤWi の空気圧が低下していると判断され
る。したがって、警報を発生させるべく、フラグF2が
セットされる(ステップS26)。一方、上記(33)式は
満足されないと判別されると、タイヤWi の空気圧は正
常内圧であると判断され、フラグF2はリセット状態の
まま維持される(ステップS28)。
トを決定するしきい値を第1しきい値DTH3 ,第2しき
い値DTH4 と変えてヒステリシス特性を持たせること
で、下記およびの効果を得ることができる。すなわ
ち、誤警報が発生しにくい、警報がいったん発生す
ると停止しにくい。以上、ステップS15〜S18なら
びにステップS19〜S28の結果、フラグF1,F2
はセットまたはリセットされている。
1またはフラグF2のうちいずれか一方でもセットされ
ているか否かが判別される。その結果、いずれか一方で
もセットされていると判別されると、いずれかのタイヤ
Wi の空気圧が低下していると判別され、警報が発生さ
れる(ステップS30)。この警報発生は、たとえば図
1に示す表示器3で行われる。一方、いずれのフラグF
1,F2もリセットされていると判別されると、タイヤ
Wi の空気圧はすべて正常であると判断され、警報発生
が禁止される(ステップS31)。
低下していることだけをドライバに報知するよりも、い
ずれのタイヤWi の空気圧が低下しているのかも報知で
きる方が、ドライバにとってはよりわかりやすくなる。
そこで、次に、空気圧が低下しているタイヤWi を特定
する方法について説明する。上記(29)式により求められ
た判定値Di ′に基づくと、 Di ′>0であれば、減圧しているタイヤはW1 または
W4 Di ′<0であれば、減圧しているタイヤはW2 または
W3 と特定できる。さらに、この場合において、車両が直進
状態では、 F21 >F22 ならば、減圧しているタイヤはW1 F21 <F22 ならば、減圧しているタイヤはW2 F23 >F24 ならば、減圧しているタイヤはW3 F23 <F24 ならば、減圧しているタイヤはW4 と特定できる。
Wi が特定されると、その結果は表示器3へ出力されて
表示される。表示器3における表示形態としては、たと
えば図2に示すように、4つのタイヤW1 ,W2 ,
W3 ,W4 に対応する表示ランプが同時に点灯するよう
にされている。次に、車両が制動状態である場合にのみ
第2の警報準備処理を実行する理由について説明する。
するので、車両の速度VとタイヤW i の速度Vi とは異
なる。その差の程度を表す尺度として、いわゆるスリッ
プ率Sが下記(34),(35)式のように駆動時と制動時とに
分けてそれぞれ定義されている。 S=(V−rFi )/rFi (S<0) ‥‥(34) S=(V−rFi )/V (S>0) ‥‥(35) 上記(34),(35)式をそれぞれ変形すると、 rFi =V/(1+S) (S<0) ‥‥(36) rFi =V×(1−S) (S>0) ‥‥(37) と表すことができる。
までの間では、スリップ率Sは、下記(38)式のように表
すこともできる。ただし、下記(38)式において、Fx は
駆動/制動力(駆動時にはFx <0,制動時にはFx >
0)、Cx はタイヤWi を構成しているゴムの単位面積
当たりの前後方向の剪断弾性定数、WD はタイヤWiの
接地面の幅、およびLはタイヤWi の接地面の長さを表
す。
と、
タイヤWi の空気圧が低下すると、タイヤWi の静荷重
半径rは小さくなる。一方、タイヤWi の接地面積は増
加する。そのため、空気圧が低下しているタイヤWi で
は、タイヤWi の静荷重半径r,タイヤWi の接地面の
幅W D およびタイヤWi の接地面の長さLは、それぞ
れ、 r−Δr ただし、0<Δr<r ‥‥(41) WD +ΔWD ただし、0<ΔWD ‥‥(42) L+ΔL ただし、0<L ‥‥(43) と表すことができる。
ける上記(39)式を変形すると、正常内圧のタイヤWi の
回転角速度ω0 、および空気圧が低下しているタイヤW
i の回転角速度ω1 は、それぞれ、
記,のような事実を導き出すことができる。 空気圧低下に伴うタイヤWi の静荷重半径rの低下
が当該タイヤWi の回転角速度ω1 を増加させる要因と
なっている。
式の第2項目は上記(44)式の第2項目よりも小さくな
る。したがって、空気圧が低下しているタイヤWi の回
転角速度ω1 はその増加傾向が抑制される。また、上記
駆動/制動力Fx は、下記(46)のように表すことができ
る。ただし、下記(46)式において、μr はころがり抵
抗、Wg は車両総重量、μ1 は空気抵抗係数、Qは車両
の前面投影面積、θは傾斜角度、Wr は回転部相等重
量、gは重力加速度である。
|は、車両の速度Vの2乗および前後加速度Aで増加す
る。したがって、高速走行時や登板走行時には、駆動/
制動力|Fx |が増加する。そのため、上記(45)式の中
の括弧部分はさらに小さくなる。その結果、上記の傾
向が助長される。そのため、駆動時には、空気圧が低下
しているタイヤWi の回転角速度ω1 と正常内圧のタイ
ヤWi の回転角速度ω0 とはほとんど差がなくなる。
時における上記(40)式を変形すると、正常内圧のタイヤ
Wi の回転角速度ω0 、および空気圧が低下しているタ
イヤWi の回転角速度ω1 は、それぞれ、
の′,′のような事実を導き出すことができる。 ′ 空気圧低下に伴うタイヤWi の静荷重半径rの低
下が当該タイヤWi の回転角速度ω1 を増加させる要因
となっている。
8)式の中括弧の部分は上記(47)式の括弧の部分よりも大
きくなる。したがって、空気圧が低下しているタイヤW
i の回転角速度ω1 はその増加傾向が助長される。その
ため、制動時には、空気圧が低下しているタイヤWi の
回転角速度ω1 と正常内圧のタイヤWi の回転角速度ω
0 との差は大きくなる。
ヤWi の回転角速度Fi と正常内圧のタイヤWi の回転
角速度Fi との差は、車両に大きな駆動トルクがかかる
ときにはほとんどなくなる。逆に、車両にかかる駆動ト
ルクが小さいときには大きくなる。したがって、たとえ
ばタイヤWi のうちいずれか1つの空気圧が低下した場
合の判定値Di ′は、図7に示すように、車両が制動状
態(前後加速度Aが負の範囲)では、0以外の値をと
る。そのため、車両が制動状態である場合にのみ第2の
警報準備処理を実行することとしている。
下検出装置によれば、空気圧低下時のタイヤWi の回転
角速度ω1 と正常内圧時のタイヤWi の回転角速度ω0
との差が大きくなる車両が制動状態のときにのみ空気圧
が低下しているか否かの判定を行うようにしている。し
たがって、タイヤWi の空気圧が低下しているか否かを
正確に判定できる。そのため、ドライバに対して確実な
警報発生/禁止を行うことができる。よって、交通安全
を向上できる。
りであるが、この発明は上述の実施形態に限定されるも
のではない。たとえば上記実施形態では、図4のステッ
プS19〜ステップS28によって第2の警報準備処理
が実行されているが、たとえば上記ステップS19〜S
28の中のステップS22〜S28の処理を図8に示す
ステップP1〜P4の処理に置き換えてもよい。
dに記憶されている判定値Di ′がn個に達した場合に
は、各判定値Di ′の絶対値がすべて第2しきい値D
TH4 以上であるか否かが判別される(ステップP1)。
その結果、すべての判定値Di′の絶対値が第2しきい
値DTH4 以上であれば、いずれかのタイヤWi の空気圧
が低下しているとみなされ、警報を発生させるため、フ
ラグF2がセットされる(ステップP2)。
も第2しきい値DTH4 未満であれば、次に判定値Di ′
の絶対値のすべてが上記第2しきい値DTH4 よりも小さ
い第1しきい値DTH3 未満であるか否かが判別される
(ステップP3)。その結果、すべての判定値Di ′の
絶対値が第1しきい値DTH3 未満であると判別される
と、タイヤWi は正常内圧であるとみなされ、フラグF
2がリセットされる(ステップP4)。
転角速度F2i に基づいて車両の前後加速度Aを求め、
この求められた車両の前後加速度Aに基づいて車両が制
動状態であるか否かを判別し、その結果車両が制動状態
であると判別された場合に空気圧低下判定を行うように
している。しかし、車両が制動状態であってもフットブ
レーキペダル5が踏まれている場合には、各タイヤWi
のブレーキパッドの擦り減り方などによって各タイヤW
iの回転角速度F2i がばらつくため、空気圧低下判定
を正確に行うことができなくなる。
S21との間に、たとえば図9に示す処理を挿入するよ
うにしてもよい。より詳述すると、車両が制動状態であ
ると判別された場合(ステップS19のYES)、フッ
トブレーキ作動状態検出ユニット4からフットブレーキ
作動状態が取得される(ステップQ1)。そして、この
取得されたフットブレーキ作動状態に基づき、フットブ
レーキペダル5が踏まれているか否かが判別される(ス
テップQ2)。その結果、フットブレーキペダル5が踏
まれていないと判別された場合には、ステップS21に
移行する。一方、フットブレーキペダル5が踏まれてい
ると判別された場合には、ステップS29に移行する。
5が踏まれることによる制動時には第2の警報準備処理
の実行を禁止しているので、警報を正しく発生させるこ
とができる。また、上記実施形態では、第2の警報準備
処理におけるフラグF2のセット/リセット動作は、車
両の走行状態等による突発的なノイズ除去のため、RA
M2dに記憶されている判定値D′がn個に達するまで
実行されない。すなわち、上記動作の実行が許容される
条件(フィルタリング長)は固定されている。
の速度に応じて適宜変更するようにしてもよい。すなわ
ち、車両の高速走行時には、車両の走行状態や路面状態
は比較的安定している。したがって、突発的なノイズが
回転角速度Fi に混入することはほとんどない。そのた
め、フィルタリング長を短くしても、空気圧低下判定の
精度にはほとんど影響はない。また、たとえばタイヤW
i がパンクした場合、車両の高速走行時にバーストする
おそれがある。したがって、車両の高速走行時にフィル
タリング長を短くする方が好ましい。
8の第2の警報準備処理を図10に示すフローチャート
で示す処理に置き換えるようにしてもよい。図10は、
フィルタリング長を車両の速度に応じて変更する処理を
説明するためのフローチャートである。この処理では、
まず、図3のステップS6で取得された車両の速度が参
照され、この車両の速度に応じた重み係数WGが取得さ
れる(ステップT1)。具体的には、ROM2cに予め
記憶されている関数f(V) に基づいて、車両の速度Vに
応じた重み係数WGが取得される。
ような曲線で表現され、車両の速度Vと重み係数WGと
が1対1に対応している。重み係数WGは「1」に漸近
するように設定されている。ROM2cに記憶する際に
は、簡単のため、関数f(V)を図11(b) に示すように
複数の一次関数f1(V),f2(V),f3(v),・・・に分割
し、各一次関数f1(V),f2(V),f3(v),・・・を折れ
線状につないで記憶する方が好ましい。
Di ′の平均を求める際に利用するため、当該重み係数
WGが累積される(ステップT2)。具体的には、従前
までの重み係数WGの累積値TWに重み係数WGが加算
され、新たな累積値TWが求められる。また、ステップ
S9で取得されてバッファに記憶されている判定値
D i ′に取得された重み係数WGを乗じ、当該計算結果
が累積される(ステップT3)。具体的には、従前まで
の計算結果の累積値WDに計算結果(Di ′×WG)が
加算され、新たな累積値WDが求められる。
の所定値TWTHを越えたか否かが判別される(ステップ
T4)。その結果、累積値TWが所定値TWTHを越えて
いないと判別されると、フィルタリングにはまだ不十分
なフィルタリング長であると判断され、図5のステップ
S29に移行する。一方、累積値TWが所定値TWTHを
越えたと判別されると、フィルタリングに十分なフィル
タリング長であると判断され、判定値Di ′の累積値W
Dの平均値WDavが求められる(ステップT5)。具体
的には、累積値WDが重み係数WGの累積値TWで割算
される。
ップT5で求められた平均値WDavの絶対値が第2しき
い値DTH4 よりも大きい場合にフラグF2がセットされ
る。また、第2しきい値DTH4 よりも小さい第1しきい
値DTH3 以下であれば、フラグF2がリセットされる
(ステップT6〜T11)。以上の処理が終了した後、
次の処理の準備のため、重み係数WGの累積値TWおよ
び判定値Di ′の累積値WDがクリアされる(ステップ
T12)。
数WGの累積値TWが所定値TWTHを越えたことに応答
してフラグF2のセット/リセットが実行される。重み
係数WGは車両の速度に比例する。したがって、車両の
速度が速くなるほどフィルタリング長が相対的に短くな
る。そのため、ノイズの少ない高速走行時には速やかな
警報発生/消去を実現できる。また、車両の速度が遅い
ときにはフィルタリング長は相対的に長くなる。そのた
め、ノイズの多い低速走行時には安全で信頼性の高い警
報発生/消去を実現できる。
的事項の範囲内で種々の設計変更を施すことは可能であ
る。
明によれば、車両が制動状態である場合にのみタイヤの
空気圧が低下しているか否かの判定が行われるので、高
速走行時や登板走行時でも、判定値の低下の影響を受け
ることなく、タイヤの空気圧が低下しているか否かを正
確に判定できる。したがって、タイヤの空気圧が低下し
ているか否かを正確にドライバに報知できる。そのた
め、交通安全の向上を図ることができる。また、車両の
速度に応じてタイヤの空気圧低下判定に必要な判定値の
数を変更している。したがって、車両の速度が速くなる
ほど大きな重み係数を対応付けておけば、ノイズの混入
がほとんどなく、しかもパンクした場合には比較的速く
バーストするおそれがある高速走行時ほど短い周期で空
気圧低下判定を行うことができる。
両の前後方向加速度が負の所定範囲に含まれているか否
かに基づいて車両が制動状態であるか否かを判別してい
るので、車両が制動状態であるか否かを正確に判別する
ことができる。請求項3または8記載の発明によれば、
回転角速度にノイズが混入するおそれのあるフットブレ
ーキペダルが踏まれることによる制動時には、空気圧低
下判定を行わないようにしているので、空気圧の低下を
正確に判定できる。
両の回転角速度を基礎情報として車両の前後方向加速度
を検出しているので、前後方向加速度を検出するための
特別な構成は不要となる。そのため、構成の簡素化を図
ることができる。請求項5または10記載の発明によれ
ば、スピン等によるノイズの混入がほとんどない従動タ
イヤの回転角速度のみに基づいて車両の前後方向加速度
を検出しているので、車両の前後方向加速度を一層正確
に検出できる。
圧低下検出装置の構成を示すブロック図である。
示すブロック図である。
生/停止処理を説明するためのフローチャートである。
る警報発生/停止処理を説明するためのフローチャート
である。
る警報発生/停止処理を説明するためのフローチャート
である。
の図である。
の範囲において、判定値が0以外の値をとることを説明
するための図である。
気圧低下検出装置における警報発生処理を説明するため
のフローチャートである。
気圧低下検出装置における警報発生処理を説明するため
のフローチャートである。
空気圧低下検出装置における警報発生処理を説明するた
めのフローチャートである。
数を示す図である。
がかかることに起因して判定値が0に近づくことを説明
するための図である。
Claims (10)
- 【請求項1】車両に備えられているタイヤの回転角速度
を検出し、 車両の前後方向加速度を検出し、 この検出された車両の前後方向加速度に基づいて車両が
制動状態であるか否かを判別し、上記検出された回転角速度を所定の判定式に代入するこ
とにより判定値を求め、 車両の速度を検出し、 車両が制動状態であると判別された場合に、上記検出さ
れた車両の速度に応じた重み係数を上記求められた判定
値に重み付けし、 この重み係数が重み付けられた判定値、および上記重み
係数を累積し、 この累積されている重み係数が所定のしきい値以上であ
るか否かを判別し、 累積されている重み係数が上記しきい値以上であると判
別された場合に、上記累積されている判定値と累積され
ている重み係数との比に基づいて、タイヤの空気圧が低
下しているか否かを判定することを特徴とするタイヤ空
気圧低下検出方法。 - 【請求項2】車両が制動状態であると判別するための条
件は、上記検出された車両の前後方向加速度が負の所定
範囲に含まれていることであることを特徴とする請求項
1記載のタイヤ空気圧低下検出方法。 - 【請求項3】車両が制動状態であると判別するための条
件は、さらに、車両に備えられているフットブレーキペ
ダルが踏まれていないことであることを特徴とする請求
項2記載のタイヤ空気圧低下検出方法。 - 【請求項4】上記車両の前後方向加速度は、上記検出さ
れた各回転角速度に基づいて各タイヤの前後方向加速度
を求め、この求められたタイヤの前後方向加速度を平均
することによって検出されるものであることを特徴とす
る請求項1、2または3記載のタイヤ空気圧低下検出方
法。 - 【請求項5】上記車両の前後方向加速度は、上記求めら
れた各タイヤの前後方向加速度のうち、駆動力が伝達さ
れない従動タイヤの各前後方向加速度を平均することに
よって検出されるものであることを特徴とする請求項4
記載のタイヤ空気圧低下検出方法。 - 【請求項6】車両に備えられているタイヤの回転角速度
を検出する回転角速度検出手段と、 車両の前後方向加速度を検出する加速度検出手段と、 この加速度検出手段で検出された車両の前後方向加速度
に基づいて、車両が制動状態であるか否かを判別する制
動状態判別手段と、上記回転角速度検出手段で検出された回転角速度を所定
の判定式に代入することにより判定値を求めるための判
定値演算手段と、 車両の速度を検出するための速度検出手段と、 上記制動状態判別手段で車両が制動状態であると判別さ
れた場合に、上記速度検出手段で検出された車両の速度
に応じた重み係数を上記判定値演算手段で求められた判
定値に重み付けするための重み付け手段と、 この重み付け手段により重み係数が重み付けられた判定
値、および上記重み係数を累積するための累積手段と、 この累積手段で累積されている重み係数が所定のしきい
値以上であるか否かを判別するための判定時期判別手段
とを含み、 上記判定手段は、上記判定時期判別手段で累積されてい
る重み係数が上記しきい値以上であると判別された場合
に、上記累積手段で累積されている判定値と累積されて
いる重み係数との比に基づいて、タイヤの空気圧が低下
しているか否かを判定するものであることを特徴とする
タイヤ空気圧低下検出装置。 - 【請求項7】上記制動状態判別手段は、上記加速度検出
手段で検出された車両の前後方向加速度が負の所定範囲
に含まれているか否かを判別するための手段を含み、車
両の前後方向加速度が負の所定範囲に含まれていると判
別された場合に、車両は制動状態であると判別するもの
であることを特徴とする請求項6記載のタイヤ空気圧低
下検出装置。 - 【請求項8】上記制動状態判別手段は、車両に備えられ
ているフットブレーキペダルが踏まれているか否かを判
定するための手段をさらに含み、車両の前後方向加速度
が負の所定範囲に含まれていると判定され、かつフット
ブレーキペダルが踏まれていないと判定された場合に、
車両は制動状態であると判別するものであることを特徴
とする請求項7記載のタイヤ空気圧低下検出装置。 - 【請求項9】上記加速度検出手段は、上記回転角速度検
出手段で検出された各回転角速度に基づいて各タイヤの
前後方向加速度を求め、この求められたタイヤの前後方
向加速度を平均することによって車両の前後方向加速度
を検出するものであることを特徴とする請求項6、7ま
たは8記載のタイヤ空気圧低下検出装置。 - 【請求項10】上記加速度検出手段は、上記求められた
各タイヤの前後方向加速度のうち、駆動力が伝達されな
い従動タイヤの各前後方向加速度を平均することによっ
て車両の前後方向加速度を検出するものであることを特
徴とする請求項9記載のタイヤ空気圧低下検出装置。
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