JP3119518U - ストラットタワーバーの取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ストラットタワーバーの取付構造において、サスペンションを取り付けたボルトの突出長さが短くとも、また車両側の突出物があってもストラットタワーバーを簡単且つ確実に取り付けることができ、さらに高さ方向の寸法を稼ぐためのブラケットを必ずしも必要としないようにする。
【解決手段】車両用のストラットタワーバー30の取付構造は、ストラットタワー2の上壁2aに固定されて上壁2aから上方に突出する第1ねじ部材42に螺合する本体44と、本体44に形成された工具係合部とを有するスペーサ部材40を備える。ストラットタワーバー30の両端に位置する取付部32が、対応するスペーサ部材40の本体44の上部に第2ねじ部材42を介して固定される。
【選択図】図1

Description

本考案は、車両用のサスペンションを支持固定した、車体の一部である左右のストラットタワーの上壁を相互に連結するストラットタワーバーの取付構造に関する。
車両のボディのストラットタワー内に収容されるサスペンションは、一般的にストラットタワーの上部にボルトとナットにより固定されている。サスペンションの固定用のボルトが、ストラットタワーの上壁の上面から突出しており、ナットがこの突出したボルトに螺合して、サスペンションをストラットタワーに固定するようになっている。通常このような状態で車両は使用されるが、ストラットタワーの剛性と、車体のねじり剛性を向上させてハンドリング性能や操縦安定性を一層高めたい場合がある。このような場合、ストラットタワーが揺れないようにストラットタワーバーを介して左右のストラットタワーを相互に連結することが行われている(例えば、特許文献1(図10)参照)。この特許文献1に記載されたストラットタワーバーの取付構造の場合、ストラットタワーバーをストラットタワーに固定するには、一旦サスペンションを固定しているナットを取り外して、ストラットタワーバーとサスペンションとをストラットタワーに共締めして固定する必要がある。
このような取付構造の場合、サスペンションの車体への固定を一旦解除する必要があるので、ストラットタワーバーの組立作業が煩雑となる。そのため、サスペンションをストラットタワーから取り外さずにストラットタワーバーを取り付ける方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に開示されたストラットタワーバーの取付方法では、ストラットタワーバーを、ストラットバーステーを介してストラットタワーに取り付けている。すなわち、ストラットタワーから突出したサスペンション側のボルトにストラットバーステーが固定され、このストラットバーステーのボルトにストラットタワーバーが装着されてナットにより固定されている。ストラットバーステーには、一段高くなったストラットタワーバー取付座面が形成されており、ストラットタワーバーは、この座面に固定される。
また、ストラットタワーがエンジンルーム内にある場合は、左右のストラットタワー間にエンジンや、補機類が配置されており、ストラットタワーバーをストラットタワーに取り付けようとした場合、ストラットタワーバーがこれらのエンジンや補機類と干渉して取り付けることができない場合がある。このため、ストラットタワーバーを取り付けたときに、ストラットタワーバーの本体の棒状連結部がこれらの車両側の部品を跨ぐことができるように、取付部と棒状連結部の間にブラケットを設けて、連結部が取付部より高くなるようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開平7−89323号公報(図9、図10) 特開平8−156826号公報(図3、図4) 特開平6−321132号公報(図1)
特許文献2に記載された構成は、サスペンションをストラットタワーに組み込むときに専用のストラットバーステーを同時に組み込んでおく必要がある。しかし、ストラットタワーバーを後付けで車両に取り付けるには、ストラットバーステーが組み込まれていないストラットタワーに簡単に取り付け可能であることが望ましい。しかるに、一般的なストラットタワーにおいては、サスペンションを固定するボルトは、ストラットタワーの上壁に突出し、ナットで締め付けられて上壁に固定されている。ボルトは締め付けられたナットからさらに上に突出するがその突出量は、それ程大きくはない。従って、後付けでナットを外さずにストラットタワーバーの取付部の孔に前記ボルトを挿入し、さらに別の追加のナットでストラットタワーバーの取付部を固定しようとした場合、ボルトがストラットタワーバーの取付部から突出する量が不足して、追加のナットを十分に締め付けて固定することが困難である。
また、近年、自動車によっては、路面の凹凸とドライバーの操作状況に応じて、サスペンションの減衰力を制御し、乗り心地と旋回性能を向上させるための電子装置が組み込まれているものがある。このような車種においては、電子装置のセンサがストラットタワーの上面に臨み、このセンサを覆うカバー部材(キャップ)がストラットタワーの上面に取り付けられている。このカバー部材のように車体側から突出物がある場合は、特許文献2に開示された手法によっても、ストラットタワーバーと突出物が互いに干渉しあって、ストラットタワーバーの取付けは困難である。
また、特許文献3に記載された構成のようにブラケットを設けて、ストラットタワーバーの本体の高さを高くする場合は、ストラットタワーバーの部品点数や組立工数が増加し、またコストの点でも不利である。
本考案は、以上の点に鑑みてなされたものであり、サスペンションをストラットタワーに取り付けたボルトの突出長さが短くとも、ストラットタワーバーを簡単且つ確実に取り付けることができるストラットタワーバーの取付構造を提供することを目的とする。
本考案の他の目的は、ストラットタワーに車両側の突出物があっても、突出物と干渉せずにストラットタワーバーを取り付けることができるストラットタワーバーの取付構造を提供することにある。
本考案のさらに他の目的は、車両に取り付けたときのストラットタワーバーの高さ方向の寸法を稼ぐためのブラケットを必ずしも必要としない、ストラットタワーバーの部品点数や組立工数を低減でき、且つ安価なストラットタワーバーの取付構造を提供することにある。
本考案のストラットタワーバーの取付構造は、各々サスペンションを収容して支持する互いに離隔したストラットタワーの上壁を相互に連結する車両用のストラットタワーバーの取付構造において、ストラットタワーの上壁に固定されて上壁から上方に突出する第1ねじ部材に螺合する本体と、本体に形成された工具係合部とを有するスペーサ部材を備え、ストラットタワーバーの両端に位置する取付部が、対応するスペーサ部材の本体の上部に第2ねじ部材を介して固定されてなることを特徴とするものである。なお、ここで「固定」とは、スペーサ部材によって固定される場合も含むものとする。
また、第1ねじ部材は、サスペンションをストラットタワーの上壁に固定するための上壁から突出する複数のボルトであり、ストラットタワーバーの取付部には複数の孔が穿設されており、各スペーサ部材は、本体の底面に開口したボルトに螺合する雌ねじ部と、ストラットタワーバーの取付部の孔に挿入される、本体の上部に位置する第2ねじ部材である雄ねじ部とを有してなり、雄ねじ部にナットが螺合されてストラットタワーバーが本体の上部に固定されるよう構成することができる。
また、雄ねじ部が、本体と一体に形成された本体の頂面から上方に突出するねじ部であってもよい。
また、本体の雌ねじ部が、本体の底面から頂面に貫通して設けられた貫通雌ねじ部であり、雄ねじ部が、一端部が頂面側で貫通雌ねじ部に螺合されるとともに他端部がストラットタワーバーの取付部の孔に挿入される棒状ボルトとすることができる。
また、本体の雌ねじ部が、本体の底面から頂面に貫通して設けられた貫通雌ねじ部であり、雄ねじ部が、ストラットタワーバーの取付部の孔に挿入されるとともに頂面側で貫通雌ねじ部に螺合される頭付ボルトであってもよい。
また、本考案のストラットタワーバーの取付構造は、各々サスペンションを収容してサスペンションのボルトを上壁に固定した互いに離隔したストラットタワーの上壁を相互に連結する車両用のストラットタワーバーの取付構造において、上壁の上面には車両側の突出物が配置され、ボルトは上壁の上面から突出して、ナットでボルトが上壁に固定され、ナットから突出するボルトに螺合される雌ねじ部が形成された本体と本体に形成された工具係合部とを有するスペーサ部材が、前記雌ねじ部を介して各ボルトに螺合され、ストラットタワーバーの取付部は、スペーサ部材の本体の頂面にねじにより固定され、本体の高さによって、ストラットタワーバーが突出物と干渉せずに上壁に固定されてなることを特徴とするものである。
本考案のストラットタワーバーの取付構造は、ストラットタワーの上壁から上方に突出する第1ねじ部材に螺合する本体と、本体に形成された工具係合部とを有するスペーサ部材を備えており、ストラットタワーバーの取付部が、対応するスペーサ部材の上部に第2ねじ部材を介して固定されているので、次の効果を奏する。
すなわち、スペーサ部材の本体を車両側に固定された第1ねじ部材に螺合させ、この本体の上部に第2ねじ部材を介してストラットタワーバーの取付部を固定するので、第1ねじ部材の突出量が短くても、サスペンションをストラットタワーから外す等の作業を要することなく、ストラットタワーバーを簡単且つ確実に取り付けることができる。また、ストラットタワーに車両側の突出物があっても、ストラットタワーバーはスペーサ部材を介してストラットタワーに取り付けられるので、突出物と干渉せずにストラットタワーに取り付けることができる場合もある。さらに、スペーサ部材によりストラットタワーバーの位置が高くなるので、車両に取り付けたときのストラットタワーバーの高さ方向の寸法を稼ぐためのブラケットを必要とせず、その結果、ストラットタワーバーの部品点数、組立工数を低減でき安価なストラットタワーバーの取付構造を得ることが可能な場合もある。
また、第1ねじ部材が、サスペンションをストラットタワーの上壁に固定するための上壁から突出する複数のボルトであり、ストラットタワーバーの取付部には複数の孔が穿設されており、各スペーサ部材は、ボルトに螺合する雌ねじ部と、本体の上部に位置する第2ねじ部材である雄ねじ部を有し、雄ねじ部にナットが螺合されてストラットタワーバーが本体の上部に固定されるよう構成されている場合は、ストラットタワーバーの取付構造を簡単且つ安価にすることができる。
雄ねじ部が、本体と一体に形成された本体の頂面から上方に突出するねじ部である場合は、ストラットタワーバーの取付構造の部品点数を低減し、簡単且つ安価にすることができる。
また、本体の雌ねじ部が、貫通雌ねじ部であり、雄ねじ部が、一端部が貫通雌ねじ部に螺合されるとともに他端部がストラットタワーバーの取付部の孔に挿入される棒状ボルトである場合も、スペーサ部材の構造が単純になるので、ストラットタワーバーの取付構造を簡単かつ安価にすることができる。
また、本体の雌ねじ部が、貫通雌ねじ部であり、雄ねじ部がストラットタワーバーの取付部の孔に挿入されるとともに貫通雌ねじ部に螺合される頭付ボルトである場合も、スペーサ部材の構造が単純になるので、ストラットタワーバーの取付構造を簡単かつ安価にすることができる。
また、本考案のストラットタワーバーの取付構造は、上壁の上面には車両側の突出物が配置され、ボルトは上壁の上面から突出して、ナットでボルトが上壁に固定され、ナットから突出するボルトに螺合される雌ねじ部が形成された本体と該本体に形成された工具係合部とを有するスペーサ部材が、前記雌ねじ部を介して各ボルトに螺合され、ストラットタワーバーの取付部は、スペーサ部材の本体の頂面にねじにより固定され、本体の高さによってストラットタワーバーが、突出物と干渉せずに上壁に固定されるので、次の効果を奏する。
すなわち、スペーサ部材を車両側に固定されたボルトに螺合させて取り付けるので、ボルトの突出量が少なくとも、スペーサ部材を介して、サスペンションをストラットタワーから外さずにストラットタワーバーを簡単且つ確実に取り付けることができる。また、ストラットタワーに車両側の突出物があっても、ストラットタワーバーがスペーサ部材を介してストラットタワーに取り付けられているので、ストラットタワーバーを突出物と干渉せずにストラットタワーに取り付けることができる。さらに、スペーサ部材によりストラットタワーバーの位置が高くなるので、車両に取り付けたときのストラットタワーバーの高さ方向の寸法を稼ぐためのブラケットを必ずしも必要としない。従って、ストラットタワーバーの部品点数、組立工数を低減でき安価なストラットタワーバーの取付構造を得ることができる。
以下、本考案のストラットタワーバーの取付構造について添付図を参照して詳細に説明する。まず最初に、サスペンションとストラットタワーの取付関係について図6を参照して説明する。図6は、サスペンション1とストラットタワー2の取付関係を示す要部断面図である。なお、ここでサスペンション1とは、車両の車輪の緩衝機構を総括的に言うものとする。またストラットタワー2は、サスペンション1が取り付けられる車体の一部であり、通常、車輪の収容部分(ホイールハウス)に位置する。サスペンション1は、ストラットタワー2の上壁2aに下側からボルト締めされて固定される。サスペンション1は、例えば一例として、金属製のサスペンション支持体4と、このサスペンション支持体4の下側に配置されるばね上部シート6と、この下に配置されるインシュレータ上部カバー8と、ばね10とを有する構成が示されている。サスペンション1を構成する他の部材、例えば、ショックアブソーバーやダンパーについては、図6では省略されている。
サスペンション支持体4は、周囲に板状のフランジ4aを有し、中央部に上方に突出した取付座4bを有する。取付座4bの中央には孔4cが穿設されており、サスペンション1のショックアブソーバ(図示せず)の上部取付ボルト12が、この孔4cに挿入される。ボルト12には、ナット14が螺合してサスペンション支持体4に固定されてサスペンション1すなわち緩衝機構の組立体が構成される。サスペンション支持体4のフランジ4aには、例えば3つのボルト(第1ねじ部材)16が上向きに植設されている。図6では、サスペンション1とストラットタワー2の取付関係が明確になるように、ボルト16を便宜上フランジ4aの両側に示してある。
他方、ストラットタワー2の上壁2aには、ボルト16に対応した位置に取付孔2bが穿設され、また、取付座4bに対応する位置に開口20が穿設されている。サスペンション1の取付けは、ボルト16を取付孔2bに挿入してナット18をボルト16に螺合させて、フランジ4aをストラットタワー2の上壁2aの下面に固定することによりなされる。このとき前述の取付座4bは、上壁2aの開口20から上方に突出するように位置する。
サスペンション1の減衰力を自動的に調節するための電子装置が車両に設けられる場合は、この電子装置のセンサ(図示せず)が開口20に配置されている。この場合、開口20を覆うカバー部材(突出物)22がさらに上壁2aに取り付けられる。カバー部材22は、中央部が上方に球面状に突出した球面状突出部22cと、この球面状突出部22cの周囲に円板状のフランジ22aを有する。フランジ22aには、孔22bがボルト16に対応して穿設されている。カバー部材22は、カバー部材22の孔22bにボルト16を挿入してナット18上に載置し、追加のナット24をボルト16に締め付けて固定されている。
このような構造のストラットタワー2に、ストラットタワーバー30を取り付けた本考案のストラットタワーバー30の取付構造について図1を参照して説明する。図1は、ストラットタワーバー30をストラットタワー2の上壁2aに取り付けた状態の要部を示す部分断面図である。ストラットタワーバー30は、車両の両側に位置するストラットタワー2に取り付けられるが、各ストラットタワーは同様な取付構造になるので、図1では片側のみを示してある。図1に示されるストラットタワーバー30の一例を図7を参照して説明する。図7はストラットタワーバー30の斜視図である。ストラットタワーバー30は、上壁2aに位置する1組の円環状のタワーバー取付部(取付部)32と、このタワーバー取付部32を連結する棒状のタワーバー本体34とを有する金属製の補強部材である。タワーバー本体34は両端部が僅かに下方に傾斜して折り曲げられたパイプであり、両端はタワーバー取付部32に溶接されている。タワーバー取付部32には、中央に円形の開口32aと、ボルト16に対応する位置に孔32bが穿設されている。
このように構成されたストラットタワーバー30を、カバー部材22のないストラットタワー2に取り付ける場合、ナット18の上にストラットタワーバー30のタワーバー取付部32を、ボルト16がタワーバー取付部32の孔32bに挿入されるように取り付けてナットで締め付ければよい。しかし、カバー部材22がある場合は、タワーバー取付部32とカバー部材22とが互いに干渉してしまい取り付けることができない。
そこで、まず図1に示すように、カバー部材22を固定しているナット24(図6)を取り外して、カバー部材22の高さhより高い高さHを有するスペーサ部材40をボルト16に螺合させて固定する。次に、このスペーサ部材40のボルト(第2ねじ部材)42すなわち雄ねじ部にストラットタワーバー30のタワーバー取付部32の孔32bを挿入してナット36により固定する。これにより、サスペンション1をストラットタワー2から取り外さずに、ナット24をスペーサ部材40に置き換えるだけで、ストラットタワーバー30をストラットタワー2に取り付けることができる。
スペーサ部材40を用いないでストラットタワーバー30を取付ようとした場合、ストラットタワーバー30のタワーバー取付部32の孔32bにボルト16を挿通してカバー部材22上にタワーバー取付部32を配置し、ナット24をボルト16に螺合させて固定することになる。しかし、その場合ボルト16がカバー部材22から突出する長さが通常短いので、ナット24をボルト16に確実に螺合させることができず、ストラットタワーバー30を十分な取付強度でストラットタワー2の上壁2aに固定することができないおそれがある。
しかし、スペーサ部材40は、確実にボルト16に固定することができ、ストラットタワーバー30もスペーサ部材40に確実に固定することができるので、ストラットタワーバー30のストラットタワー2への取付けは堅固なものとなる。
次に、このスペーサ部材40について、図2を参照して詳細に説明する。図2は第1の実施形態のスペーサ部材40を示し、図2(A)は平面図、図2(B)は部分的に破断した正面図、図2(C)は斜視図をそれぞれ示す。スペーサ部材40は、6角柱の本体44と、この本体44の頂面44aから本体44の軸線方向に、本体44と一体に形成されて本体44と同軸に上方に延びるボルト42と、本体44の底面44bに開口し、軸線方向に本体44内に延びる雌ねじ部44c(図2(B))とを有する。本体44の高さHすなわち長さは、カバー部材22の高さhより高く設定されている。カバー部材22が複数種類ある場合には、それぞれの高さに対応して複数種類の本体の高さHを設定してもよい。例えば、この高さHは、35、40、50、75mmのように複数種類が設定される。雌ねじ部44cの長さは、カバー部材22上に突出したボルト16の長さを収容できる長さに設定される。スペーサ部材40をボルト16に固定するには、本体44の6角を構成する面(工具係合部)46に図示しない工具を係合させて、カバー部材22上に締め付ければよい。そして、ストラットタワーバー30のタワーバー取付部32の孔32bにボルト16を挿通させてナット36を締め付けて、ストラットタワーバー30を固定すればよい(図1)。図1から判るように、スペーサ部材40の本体44の高さHが、カバー部材22の高さhより高い場合には、タワーバー取付部32とカバー部材22との干渉を確実に回避することができる。しかし、タワーバー取付部32に開口32aを形成したりして、カバー部材22との干渉を回避することができる場合には、本体44の高さHがカバー部材22の高さhより低くてもよい。
次に図3を参照して、第2の実施形態のスペーサ部材60について説明する。図3は、第2の実施形態のスペーサ部材60を示し、図3(A)は平面図、図3(B)は正面図をそれぞれ示す。スペーサ部材60が第1の実施形態のスペーサ部材40と異なる点は、本体64の形状が、円柱65と6つの面66(工具係合部)から構成されている点である。工具が係合するこれらの面66は、丸棒の素材からフライス加工によって形成することができる。この面66は、図3に示すように本体64の上部に形成してもよいし、本体64の中央部、或いは下部に形成してもよい。また、面66からなる形状は、6角形の他5角形或いは4角形等適切な数の面とすることができる。本体64が、底面64bに開口する雌ねじ部64cと、頂面64a側に本体64と一体に形成されたボルト(第2ねじ部材)62を有しているのは第1の実施形態と同様である。
次に、図4を参照して第3の実施形態のスペーサ部材80について説明する。図4は、第3の実施形態のスペーサ部材80の部分断面図である。スペーサ部材80の本体84は、底面84bから頂面84aに貫通する貫通雌ねじ部(雌ねじ部)84cを有する。なお、本体84の外周には前述の第1、第2の実施形態で説明したような工具係合部すなわち面46、66が形成されているが、図4では本体84の工具係合部を省略してある。本体84の貫通雌ねじ部84cは、ボルト16に螺合している。すなわち本体84とボルト16が螺合することにより、カバー部材22がナット18上に固定され、本体84自体もボルト16に固定されている。他方、雌ねじ部84cの上部には雄ねじ部となる棒状ボルト(第2ねじ部材)90の一端部90aが螺入される。棒状ボルト90の他端部90bには、6角穴92が形成されており、この6角穴92に工具が挿入されて棒状ボルト90の一端部90aがボルト16の先端16aに当接するまで締め付けられる。このようにして棒状ボルト90が本体84に固定される。さらに、ストラットタワーバー30のタワーバー取付部32の孔32bに棒状ボルト90の他端部90bが挿入され、その上にナット36が締め付け固定される。この実施形態では6角穴92が棒状ボルト90の他端部90bに形成されているが、6角穴92の代わりに6角柱等の多角形の突部を工具係合部として他端部90bに突設してもよい。
次に、図5を参照して、本考案の第4の実施形態のスペーサ部材100について説明する。図5はスペーサ部材100の部分断面図である。スペーサ部材100の本体104は、図4の第3の実施形態と同様に、底面104bから頂面104aに至る貫通雌ねじ部(雌ねじ部)104cを有する。貫通雌ねじ部104には、第3の実施形態と同様にボルト16が螺入される。他方、本体104の上部には雄ねじ部となる頭付ボルト(第2ねじ部材)110が螺入されてストラットタワーバー30を固定するようになっている。なお、図5においても工具係合部は省略してある。
以上、本考案の最良の実施形態について詳細に説明したが、サスペンション支持体4、カバー部材22、ストラットタワーバー30の各取付部にワッシャー等の部材を介装してもよいことはもちろんであるが、各図においてそれらは省略してある。
本考案の一実施例のストラットタワーバーをストラットタワーの上壁に取り付けた状態の要部を示す部分断面図 第1の実施形態のスペーサ部材を示し、図2(A)は平面図、図2(B)は部分的に破断した正面図、図2(C)は斜視図をそれぞれ示す。 第2の実施形態のスペーサ部材を示し、図3(A)は平面図、図3(B)は正面図をそれぞれ示す。 第3の実施形態のスペーサ部材の部分断面図 第3の実施形態のスペーサ部材の部分断面図 サスペンションとストラットタワーの取付関係を示す要部断面図 図1に示されるストラットタワーバーの斜視図
符号の説明
1 サスペンション
2 ストラットタワー
2a 上壁
16 第1ねじ部材
18 ナット
22 突出物
30 ストラットタワーバー
32 タワーバー取付部
32b 孔
36 ナット
40、60、80、100 スペーサ部材
42、62、90、110 第2ねじ部材
44、64、84、104 本体
44a、64a、84a、104a 頂面
44b、64b、84b、104b 底面
44c、64c、84c、104c 雌ねじ部
46、66 工具係合部
90a 一端部
90b 他端部

Claims (6)

  1. 各々サスペンションを収容して支持する互いに離隔したストラットタワーの上壁を相互に連結する車両用のストラットタワーバーの取付構造において、
    前記ストラットタワーの上壁に固定されて該上壁から上方に突出する第1ねじ部材に螺合する本体と、該本体に形成された工具係合部とを有するスペーサ部材を備え、
    前記ストラットタワーバーの両端に位置する取付部が、対応する前記スペーサ部材の本体の上部に第2ねじ部材を介して固定されてなることを特徴とするストラットタワーバーの取付構造。
  2. 前記第1ねじ部材は、前記サスペンションを前記ストラットタワーの上壁に固定するための該上壁から突出する複数のボルトであり、
    前記ストラットタワーバーの取付部には複数の孔が穿設されており、
    各前記スペーサ部材は、前記本体の底面に開口した前記ボルトに螺合する雌ねじ部と、前記ストラットタワーバーの取付部の孔に挿入される、前記本体の上部に位置する前記第2ねじ部材である雄ねじ部とを有してなり、
    該雄ねじ部にナットが螺合されて前記ストラットタワーバーが前記本体の上部に固定されることを特徴とする請求項1記載のストラットタワーバーの取付構造。
  3. 前記雄ねじ部が、前記本体と一体に形成された該本体の頂面から上方に突出するねじ部であることを特徴とする請求項2記載のストラットタワーバーの取付構造。
  4. 前記本体の雌ねじ部が、前記本体の底面から頂面に貫通して設けられた貫通雌ねじ部であり、前記雄ねじ部が、一端部が前記頂面側で前記貫通雌ねじ部に螺合されるとともに他端部が前記ストラットタワーバーの取付部の孔に挿入される棒状ボルトであることを特徴とする請求項2記載のストラットタワーバーの取付構造。
  5. 前記本体の雌ねじ部が、前記本体の底面から頂面に貫通して設けられた貫通雌ねじ部であり、前記雄ねじ部が、前記ストラットタワーバーの取付部の孔に挿入されるとともに前記頂面側で前記貫通雌ねじ部に螺合される頭付ボルトであることを特徴とする請求項2記載のストラットタワーバーの取付構造。
  6. 各々サスペンションを収容して該サスペンションのボルトを上壁に固定した互いに離隔したストラットタワーの前記上壁を相互に連結する車両用のストラットタワーバーの取付構造において、
    前記上壁の上面には車両側の突出物が配置され、
    前記ボルトは前記上壁の上面から突出して、ナットで該ボルトが前記上壁に固定され、
    前記ナットから突出する前記ボルトに螺合される雌ねじ部が形成された本体と該本体に形成された工具係合部とを有するスペーサ部材が、前記雌ねじ部を介して各前記ボルトに螺合され、
    前記ストラットタワーバーの取付部は、前記スペーサ部材の前記本体の頂面にねじにより固定され、
    前記本体の高さによって、前記ストラットタワーバーが前記突出物と干渉せずに前記上壁に固定されてなることを特徴とするストラットタワーバーの取付構造。
JP2005010414U 2005-12-08 2005-12-08 ストラットタワーバーの取付構造 Expired - Fee Related JP3119518U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0566213U (ja) * 1992-02-20 1993-09-03 日産ディーゼル工業株式会社 パティキュレートトラップフィルタ装置
JP2012246905A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Denso Corp スタータ

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