JP3118613B2 - 遊技機 - Google Patents

遊技機

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JP3118613B2
JP3118613B2 JP03278978A JP27897891A JP3118613B2 JP 3118613 B2 JP3118613 B2 JP 3118613B2 JP 03278978 A JP03278978 A JP 03278978A JP 27897891 A JP27897891 A JP 27897891A JP 3118613 B2 JP3118613 B2 JP 3118613B2
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吉平 新山
広司 伊東
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株式会社ソフィア
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遊技部を形成する遊技
盤に、補助遊技を実行可能な補助遊技装置と、遊技球の
入賞に基づき該補助遊技装置における補助遊技の始動条
件を形成可能な始動入賞手段と、を備え、該補助遊技装
置における補助遊技の結果態様が予め定められた特別態
様となったことに関連して遊技者にとって有利な特別遊
技状態を発生可能な遊技機に関するものある。
【0002】
【従来の技術】遊技球を発射して遊技を行う遊技機の代
表的なものとしてはパチンコ機が周知であり、このパチ
ンコ機においては、遊技部が形成される遊技盤に特別遊
技状態の発生に関わる補助遊技を実行可能な補助遊技装
置や遊技球の入賞に基づき該補助遊技の始動条件を形成
可能な始動入賞装置等が配設され、更に、前記遊技部に
は複数の障害釘が植設され、前記始動入賞装置を含む複
数の入賞領域の各々への遊技球の入賞率に影響を与える
ように構成されていた。そして、遊技店側では、これら
複数の障害釘の角度や間隔等を微妙に調整することによ
、各入賞領域への入賞率を変化させて営業を行ってい
るが、上述した特別遊技状態を発生可能な遊技機におい
ては、特別遊技状態の発生が営業状態に大きく影響する
ため、特別遊技状態の発生を左右する始動入賞装置への
入賞率に関わる障害釘の調整を主に行う場合が多い
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、障害釘
を微妙に調整するには高度な技術が要求され、この技術
を習得するには熟練が必要であるため、正確に調整でき
ないことも少なくなく、目標とする営業が行えない虞が
あった。特に、始動入賞装置への入賞率に関わる障害釘
の調整を誤ると、予想以上に特別遊技状態が発生してし
まうことにもなりかねないので遊技店側に多大の不利益
となってしまう可能性があった。また、遊技店内には複
数の遊技機が設置されているが、これら複数の遊技機に
対して、遊技者に有利な台と不利な台とをバランスよく
振り分けて設定した上で、トータルの売り上げを実現し
なければならないが、このような設定を全ての遊技機に
対する微妙な障害釘の調整のみで完璧に行うことは非常
に困難であるし、更に、これら各遊技機に対する設定は
短期間で変更する必要があり、調整の変更により目標と
する売り上げを実現できなくなってしまう可能性もあっ
た。また、複数の遊技機に対して微妙な障害釘の調整を
行う必要があり、遊技店側の作業負担が非常に大きかっ
た。また、遊技者の中には、この様な障害釘の調整状態
を判別(入賞率が高いか低いかを判別)できるような熟
練した遊技者も存在するため、全ての遊技者に対して平
等な遊技の機会を提供することができなくなってしまう
といった問題もあった。本発明は、前記課題を解決する
ためになされたもので、障害釘に対する微妙な調整を行
わなくても、始動入賞手段への遊技球の入賞率を所定の
入賞率に調整することができるとともに、その調整され
る所定の入賞率の設定を遊技店側から自由に変更するこ
とができる遊技機の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る遊技機は、遊技部(5)を形成する
遊技盤(3)に、補助遊技を実行可能な補助遊技装置
(特別図柄表示装置6)と、遊技球の入賞に基づき上記
補助遊技装置における補助遊技の始動条件を形成可能な
始動入賞手段(第1変動入賞装置7)と、を備え、該補
助遊技装置における補助遊技の結果態様が予め定められ
た特別態様となったことに関連して遊技者にとって有利
な特別遊技状態を発生可能な遊技機(1)において、前
記始動入賞手段は、当該始動入賞手段への遊技球の入賞
状態を、遊技者にとって不利な第1状態と遊技者にとっ
て有利な第2状態とに変換可能な変動始動入賞装置(第
1変動入賞装置7)として構成され、所定遊技条件の成
立に基づき前記変動始動入賞装置を前記第2状態に変換
せ、所要終了条件の成立に基づき該第2状態の変動始
動入賞装置を前記第1状態に変換させる変換制御手段
(普図乱数生成手段55,普図当り判定手段56,強制
当り外れ制御手段57,普電駆動制御手段59,タイマ
64等)と、前記変換制御手段に作用して、前記変動始
動入賞装置の変換条件を変更させることに基づき、遊技
に供された遊技球に対する該変動始動入賞装置への入賞
率を所定の入賞率に補正制御可能な始動入賞率補正制御
手段(有効発射球数演算手段51,ベース値演算手段5
2,ベース値比較判定手段53等)と、前記始動入賞率
補正制御手段により補正制御される前記所定の入賞率
を、外部操作により設定変更可能な設定変更手段(ベ
ス値設定SW86,ベース値設定記憶制御手段84,基
準ベース値選択手段88,ベース値1〜6等)と、を備
、前記始動入賞率補正制御手段は、前記変換制御手段
に対して前記第2状態の変動始動入賞装置が前記第1状
態に変換する前記所要終了条件を変更させることに基づ
き、遊技に供された遊技球に対する変動始動入賞装置へ
の入賞率を前記設定変更手段で設定された入賞率に補正
制御するようにしたことを特徴とする。また、請求項2
に係る遊技機は、請求項1において、前記変換制御手段
は、前記所定遊技条件の成立に基づき前記変動始動入賞
装置を前記第2状態に変換させてから所定時間経過する
ことを所要終了条件として、前記第2状態の変動始動入
賞装置を前記第1状態に変換させる変換制御を行うもの
とし、前記始動入賞率補 正制御手段は、前記変換制御手
段に対して前記第2状態の変動始動入賞装置が前記第1
状態に変換する時間を変更させることに基づき、遊技に
供された遊技球に対する変動始動入賞装置への入賞率を
前記設定変更手段で設定された入賞率に補正制御するよ
うにしたことを特徴とする。また、請求項3に係る遊技
機は、請求項1において、前記変換制御手段は、前記所
定遊技条件の成立に基づき前記変動始動入賞装置を前記
第2状態に変換させてから当該変動始動入賞装置へ所定
個数の遊技球が入賞したことを所要終了条件として、前
記第2状態の変動始動入賞装置を前記第1状態に変換さ
せる変換制御を行うものとし、前記始動入賞率補正制御
手段は、前記変換制御手段に対して前記第2状態の変動
始動入賞装置が前記第1状態に変換する前記変動始動入
賞装置への入賞個数を変更させることに基づき、遊技に
供された遊技球に対する変動始動入賞装置への入賞率を
前記設定変更手段で設定された入賞率に補正制御するよ
うにしたことを特徴とする。
【0005】
【作用】したがって、請求項1に係る遊技機において
は、遊技球の入賞に基づき補助遊技装置における補助遊
技の始動条件を形成可能な始動入賞手段が、当該始動入
賞手段への遊技球の入賞状態を、遊技者にとって不利な
第1状態と遊技者にとって有利な第2状態とに変換可能
な変動始動入賞装置として構成されるため、第1状態に
変換されると遊技球の入賞率が低く、第2状態に変換さ
れると遊技球の入賞率が高い状態となり、この変動始動
入賞装置を変換制御手段が、所定遊技条件の成立に基づ
き前記第2状態に変換させ、所要終了条件の成立に基づ
き第2状態から第1状態に変換させるように制御され、
この様な変換制御手段による変動始動入賞装置の変換制
御によって、変動始動入賞装置への遊技球の入賞率が変
化することとなるが、外部操作により変動始動入賞装置
の入賞率を設定変更可能な設定変更手段により設定され
た所定の入賞率に応じて、始動入賞率補正制御手段が変
換制御手段にによる前記第2状態の変動始動入賞装置を
前記第1状態へ変換させる前記所要終了条件を変更制御
することで、変動始動入賞装置への入賞率が前記設定変
更手段で設定された入賞率に補正制御される。また、請
求項2に係る遊技機においては、前記始動入賞率補正制
御手段が、変換制御手段による変動始動入賞装置の変換
制御における所要終了条件として設定された所定時間を
長くするように変更させれば、第2状態に変換制御され
た変動始動入賞装置への入賞率を高くでき、所要終了条
件として設定された所定時間を短くするように変更させ
れば、第2状態に変換制御された変動入賞装置への入賞
率を低くできる。また、請求項3に係る遊技機において
は、前記始動入賞率補正制御手段が、変換制御手段によ
る変動始動入賞装置の変換制御における所要終了条件と
して設定された変動始動入賞装置への入賞個数を多くす
るように変更させれば、第2状態に変換制御された変動
始動入賞装置への入賞率を高くでき、所要終了条件とし
て設定された変動始動入賞装置への入賞個数を少なくす
るように変更させれば、第2状態に変換制御された変動
入賞装置への入賞率を低くできる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説
明する。遊技機1は、図1に示すように、額縁状の前面
枠2の窓部を裏側から塞ぐようにして遊技盤3を設け、
該遊技盤3の表面にガイドレール4で囲んだ遊技部5を
形成し、遊技部5内の中央上部寄りに補助遊技装置とし
ての特別図柄表示装置6を、特別図柄表示装置6の下方
に第1変動入賞装置7を間に挟むようにして2つの第1
特定入賞口8,8を、これらの下方に第2変動入賞装置
9を、該第2変動入賞装置9の下部に普通図柄表示装置
10を配設し、前面枠2の裏側下方に打球発射装置11
を設け、該打球発射装置11の操作ハンドル12を前面
枠2の下部前面に突設し、該操作ハンドル12の横に下
皿13を設け、下皿13の上方の開閉パネル14には球
供給皿15を設けてある。
【0007】また、図2に示すように、遊技盤3の裏側
に配設した裏機構盤16には球排出装置17や該球排出
装置17が流下した球を球供給皿15に案内する球排出
樋18などの裏機構を設けてある。なお、本実施例で
は、打球がいずれの入賞口、即ち入賞領域に入賞しても
賞球排出数は7個に設定してある。更に、前面枠2の裏
側下方に特別図柄表示装置6の確率を設定したりベース
値を設定するための設定操作部19等を設けてある。ま
た、これらの設定を営業中は変更できないようにするた
め、および特定の管理者以外の者が不正に操作できない
ようにするために鍵20a,20bを設けてある。
【0008】打球発射装置11は、発射レール21の傾
斜下端に形成した発射位置に供給された遊技球を発射す
る機能を備えていればどのような形式のものでもよい。
例えば、先端に弾発部を有する発射杆をモータやロータ
リーソレノイドの駆動により回動するものでも、プラン
ジャーソレノイドの駆動によって先端の弾発部を直線往
復運動させて発射するものでもよい。
【0009】打球発射装置11によって発射した打球
は、発射レール21からガイドレール4を介して遊技部
5内の上端部分に到達して実際の遊技に供されるが、遊
技部5内に到達する途中で発射球センサ22に作用す
る。発射球センサ22は、遊技者が遊技に要する不利益
を検出して不利益信号を送出するもので、打球発射装置
11が発射した打球を検出して後述する電気的制御装置
23に信号を送出する機能を備えていればどのような構
造のものでもよい。例えば、フォトセンサ式検出器や無
接点式検出器などを発射レール21に臨ませて設け、該
検出器により打球の通過を検出するようにしてもよい。
【0010】また、打球発射装置11により発射した打
球は、遊技部5に入って必ずしも遊技に供されるわけで
はなく、途中から戻ってファールになる場合もある。こ
のため、発射レール21の傾斜上端から下方に延出して
下皿13に連通するファール球回収路24の途中にファ
ール球検出器25を設け、発射した打球がファールにな
った場合にはファール球検出器25によりファール球を
検出してファール信号を電気的制御装置23に送出する
ように構成してある。なお、ファール球検出器25は、
発射球センサ22により遊技者の不利益として送られた
データを修正するもので、ファール球を検出してファー
ル信号を送出できれば、その構造や取付位置に制限され
ない。
【0011】遊技部5内に設けた第1の特定入賞口8
は、本実施例では普通図柄表示装置10の始動条件を成
立させるためのもので、打球が上方から下方に通過でき
る球通過口を形成したゲートによって構成されており、
通過球を検出して電気的制御装置23に信号を送出する
検出器(普通図柄始動入賞スイッチ)26を第1特定入
賞信号発生手段として備えている。したがって、遊技部
5内を流下してきた球が第1特定入賞口8に入賞する
と、検出器26がこの球を検出して電気的制御装置23
に信号を送るが、この球は特定入賞口8を通過して再び
遊技部5内を流下する。したがって、賞球は排出されな
い。また、本実施例では特定入賞口8の検出器26から
送出される信号が後述する普通図柄表示装置10の始動
条件成立信号(第1特定入賞信号)となる。なお、特定
入賞口8は、検出器26により打球を検出して信号を送
出できればどのような構成でもよく、検出器26の構造
や取付位置にも限定されないし、検出した打球を入賞球
として取り込んで賞球排出を行うような構成でもよい。
【0012】普通図柄表示装置10は、電気的制御装置
23の制御の下で記号や数字などの図柄(識別記号)を
肉眼で識別できない速度で変換表示し、変換表示が停止
したときの図柄の停止表示態様が予め設定してある態様
になっていれば遊技者に特典を付与するものである。図
面に示す普通図柄表示装置10は、7セグメント表示器
により構成されており、電気的制御装置23からの信号
により「0」乃至「9」の数字を高速変換表示し、可変
表示が停止したときに表示された数字が予め設定してあ
る数字、例えば「7」であれば賞態様を形成したことと
なり、特典として、第1変動入賞装置7を遊技者に有利
な状態に変換する条件を成立させる。即ち、本実施例に
おける普通図柄表示装置10は、第1特定入賞信号発生
手段(検出器26)からの第1特定入賞信号により第1
変動入賞装置7の作動条件の形成を判定する第1変動入
賞装置作動条件形成手段の一部として機能する。そし
て、賞態様が形成される確率は、後述するように、予め
設定した基準ベース値と実際の遊技において算出した現
行ベース値とを比較して調整し、これにより第1変動入
賞装置7への入賞確率を調整し、その結果実際の遊技に
おける現行ベース値が設定した基準ベース値に近付くよ
うに構成してある。なお、普通図柄表示装置10は、図
柄を可変表示するだけでなく、複数のランプを順次点滅
移動させ、この点滅移動が予め定めたランプで停止して
継続点灯したときに賞態様を形成するように構成しても
よい。
【0013】第1変動入賞装置7は、始動入賞手段とし
て機能する変動始動入賞装置であり、遊技者にとって不
利な第1状態と遊技者にとって有利な第2状態とに変換
できる構造の入賞装置である。図面に示す第1変動入賞
装置7は、図5に示すように、取付基板27の表面に設
けた上面開放状ポケット枠28内に左右一対の可動部材
29,29を軸着し、取付基板27の裏側に設けたソレ
ノイド(図示せず)などの電気的駆動源の駆動により上
記可動部材29,29を回動することにより、可動部材
29,29がほぼ直立して上端間隔が狭くて打球が入り
難い第1状態と、可動部材29,29の上端を外側に傾
動して上端間隔を広くして打球が入り易い第2状態(図
5)とに変換できるように構成してある。そして、第1
変動入賞装置7に入賞した打球を検出して電気的制御装
置23に信号を送出する検出器30を、入賞球が流下す
る流路に臨ませて設けてある。なお、本実施例では、第
1変動入賞装置7へ入賞した打球の入賞球数を検出する
他にこの第1変動入賞装置7が第2の特定入賞口として
機能し、検出器30が、特別図柄表示装置6の始動条件
となる第2特定入賞信号を発生する第2特定入賞信号発
生手段(特別図柄始動入賞スイッチ)として機能する。
【0014】したがって、第1変動入賞装置7が第1状
態または第2状態のときに打球が入賞すると、第2特定
入賞信号発生手段としての検出器30が入賞球を検出し
て電気的制御装置23に第2特定入賞信号を送出し、入
賞した打球が入賞球として処理され、球排出装置17が
作動して球供給皿15に所定数(本実施例では7個)の
球が賞球として排出される。この様に、第1変動入賞装
置7に打球が入賞すると、所定数の賞球が付与されると
ともに、検出器30からの第2特定入賞信号にもとづい
て特典が付与されることは同じであるが、第1変動入賞
装置7が第2状態にあるときの方が、第1状態に比較し
て打球の入賞確率は高くなる。したがって、第1変動入
賞装置7が第2状態に変換すると、遊技者への還元率が
上昇する。
【0015】また、本実施例では第1変動入賞装置7に
入賞したことの特典として、特別図柄表示装置6により
補助遊技としての別遊技を行うことができ、この別遊技
で賞態様が形成されると、入賞確率が著しく高い特別遊
技の権利が発生する。
【0016】補助遊技を行うための補助遊技装置たる
別図柄表示装置6は、記号や数字などの図柄(識別記
号)を肉眼で識別できない速度で変換表示できるもの
、変換表示が停止したときの図柄の組み合わせによる
停止表示態様が予め設定してある態様になっていれば
(補助遊技の結果態様が予め定められた特別態様になっ
ていれば)、遊技者に特典を付与するものである。図面
に示す特別図柄表示装置6は、多数のLEDを縦横に配
して数字等を上下方向にスクロール表示可能な表示器3
1a,31b,31cを基板32に取り付けて、ケース
33内に3つ並設してなる。電気的制御装置23からの
信号により特別図柄表示装置6が作動すると、3つの表
示器31a,31b,31cに「0」乃至「9」の数字
がそれぞれ高速変換表示され、所定時間が経過すると、
各表示器31の変換表示が順次停止する。そして、3つ
の表示器31a,31b,31cに表示された数字の組
み合わせ態様が賞態様、例えば「3,3,3」、「5,
5,5」、「7,7,7」であれば、遊技者に付与され
る特典として特別遊技の権利が発生する。そして、賞態
様が形成される確率は、後述するように、本実施例では
数段階の確率から適宜に選択して予め設定できるように
構成されている。
【0017】なお、特別図柄表示装置6は、上記した構
成に限定されるものではなく、複数の識別記号を識別不
能な速度で変換表示できればどのような構成でもよい。
例えば、図7および図8に示す特別図柄表示装置6′の
ように、外周面に複数の図柄を記したドラム34a,3
4b,34cをパルスモータの駆動により回転するもの
でもよい。
【0018】特別遊技は、第2変動入賞装置9を遊技者
にとって不利な第1状態から遊技者にとって有利な第2
状態に変換して、所定の終了条件が成立するまで行われ
る。
【0019】図9に示す第2変動入賞装置9は所謂アタ
ッカーと呼ばれている変動入賞装置であり、取付基板3
5に横長な球入口36を入賞領域として開口するととも
に、該球入口36に横長な扉部材37を回動可能に軸着
し、取付基板35の裏側に前面が球入口36に連通した
凹室38を形成し、該凹室38内に継続入賞口39と一
般入賞口40,40,を設け、取付基板35の裏側には
電気的駆動源としてソレノイド(図示せず)を設け、該
ソレノイドの駆動により扉部材37を開閉して打球を受
け入れない第1状態と打球を受け入れ易い第2状態とに
変換するように構成してある。即ち、ソレノイドが消磁
しているときにはスプリング等の付勢により扉部材37
が起立して球入口36を塞いで打球を受け入れない状態
(遊技者にとって不利な第1状態)を維持し、電気的制
御装置23からの信号にソレノイドが励磁すると、扉部
材37が上端を前方に倒す方向に回動して球入口36を
開放し、打球を受け入れ易い第2状態(図9に示す状
態)に変換する。また、第2変動入賞装置9に入賞した
球を全て検出して電気的制御装置23に信号を送出する
計数用検出器41と、継続入賞口39に入賞した球を検
出して電気的制御装置23に継続信号を送出する継続検
出器42を設けてある。なお、第2変動入賞装置9は、
上記した所謂アタッカータイプのものに限定されるもの
ではなく、遊技者にとって不利な第1状態と遊技者にと
って有利な第2状態とに変換できればどのような構成で
もよい。例えば、左右一対の可動部材を回動することに
より打球の受け入れ状態を変換するものでもよい。
【0020】特別遊技は、第2変動入賞装置9を遊技者
に不利な第1状態から遊技者に有利な第2状態に変換す
ることにより行われ、所定時間(例えば28秒間)が経
過するか又は所定数(例えば10個)の打球が入賞する
までのいずれかの条件が成立するまでを1サイクルと
し、このサイクル中に打球が継続入賞口39に入賞する
ことを条件としてサイクルの更新が行われ、このサイク
ルの更新は所定回数(例えば16回)まで可能である。
【0021】次に、遊技について説明するとともに、遊
技を制御するマイクロコンピュータ構成の電気的制御装
置23について説明する。なお、図10に示すのは、説
明を簡単にするため、第1変動入賞装置7への入賞率を
外部から設定する機能を省略してある。遊技者が発射操
作ハンドル12を操作することにより打球発射装置11
を作動させると、球供給皿15から導入した球が1個宛
発射され、遊技部5内の上部に供給されて実際の遊技に
供される。この様にして打球発射装置11が球を次々と
発射(例えば毎分100個)すると、発射球センサ22
が球を一個宛検出して、その都度発射球信号を電気的制
御装置23の有効発射球数演算手段51に送出し、打球
がファールになった場合にはファール球センサ25がフ
ァール球を検出するごとにファール球信号を上記有効発
射球数演算手段51に送出する。
【0022】有効発射球数演算手段51は、発射球信号
およびファール球信号を受けると、これらの信号にもと
づいて有効発射球数を算出するとともに、この算出値を
ベース値演算手段52に送り、該ベース値演算手段52
により現時点における実際のベース値、即ち現行ベース
値を算出する。したがって、ベース値比較判定手段53
において、上記算出ベース値(現行ベース値)と予め設
定した基準ベース値とを比較すれば、当該遊技機1にお
ける稼働が現在予定通りであるか否かを判定することが
できる。
【0023】遊技部5内に発射された打球が障害釘に当
りながら流下方向を変換しながら流下し、この打球が第
1特定入賞口8を通過すると、普通図柄始動入賞検出ス
イッチとしての検出器26がこの打球を検出して電気的
制御装置23に第1特定入賞信号を送る。なお、特定入
賞口8に打球が次々に通過した場合には、電気的制御装
置23で所定数まで記憶しておき、記憶数を遊技者に可
視表示してもよい。
【0024】電気的制御装置23が第1特定入賞信号を
受けると、普通図柄表示制御手段54が作動して普通図
柄表示装置10を作動せしめて可変表示を開始させると
ともに、普通図柄乱数生成手段55が乱数を生成し、こ
の乱数が当りであるか否かを普通図柄当り判定手段56
が判定し、この判定結果を上記普通図柄表示制御手段5
4に送る。そして、普通図柄表示制御手段54に設定し
てある所定時間が経過すると、普通図柄当り判定手段5
6からの判定結果にもとづいて、即ち、当りの判定結果
を受けている場合には当りの表示態様(例えば「7」)
で停止するように、また、外れの判定結果を受けている
場合には外れの表示態様(例えば「7」以外の「1」,
「2」…)で停止するように表示図柄を選択して、可変
表示を選択した図柄で停止する。
【0025】但し、前記したベース値比較判定手段53
の判定結果にもとづいて強制当り外れ制御手段57が当
り外れを調整すべきと判定した場合には、普通図柄当り
判定手段56の判定に優先して強制当り外れ制御手段5
7からの信号により当り外れが制御されて、普通図柄表
示制御手段54に送られる。したがって、普通図柄乱数
生成手段55からの乱数が本来は当りに該当するもので
あっても、強制当り外れ制御手段57から強制外れの信
号が送出されている場合には、普通図柄表示装置10は
「7」以外の外れの図柄で停止し、普通図柄乱数生成手
段55からの乱数が本来外れであれば、普通図柄表示装
置10は「7」以外の外れの図柄で停止する。一方、普
通図柄乱数生成手段55からの乱数が本来外れであって
も、強制当り外れ制御手段57から強制当りの信号が送
出されている場合には、普通図柄表示装置10は「7」
で停止し、普通図柄乱数生成手段55からの乱数が本来
当りであれば、普通図柄表示装置10は「7」で停止す
る。
【0026】なお、上記した強制当り外れの制御は、ベ
ース値比較判定手段53からの判定結果を受ける度(換
言すれば有効発射球数演算手段51が有効発射球数を演
算してベース値演算手段52が現在のベース値を算出す
る度)に強制的に当り外れを制御するのではなく、ベー
ス値演算手段52、ベース値比較判定手段53、強制当
り外れ制御手段57を含んだ強制制御能動化手段58
が、判定結果が所定回数に達した場合(サンプリングの
数が所定数に達した場合)に行ったり、或は設定した基
準ベース値と実際の現行ベース値との差の絶対値が所定
範囲を超えた場合に強制的制御を行うようにしてもよ
い。
【0027】普通図柄表示装置10が賞態様を形成しな
かった場合にはその後の遊技に直接影響はないが、賞態
様を形成した場合には第1変動入賞装置7の作動条件が
成立したこととなり、普通図柄当り判定手段56から普
通電動役物駆動制御手段59に作動開始信号が送られ
る。普通電動役物駆動制御手段59が作動開始信号を受
けると、第1変動入賞装置7(普通電動役物)のソレノ
イドを励磁して打球が入り易い第2状態に変換するとと
もに、普通電動役物開放表示制御手段60に信号を送
り、該普通電動役物開放表示制御手段60がLED等の
普通電動役物開放表示器61を発光して遊技者に可視表
示する。すなわち、本実施例においては、上記有効発射
球数演算手段51、ベース値演算手段52、ベース値比
較判定手段53が協働することによって、変動始動入賞
装置たる第1変動入賞装置7の変換条件を変更すること
により、有効発射球(遊技に供された遊技球)数に対す
る第1変動入賞装置7への入賞率を所定の入賞率に補正
可能な始動入賞率補正制御手段として機能し、普図乱数
生成手段55、普図当り判定手段56、強制当り外れ制
御手段57、普電駆動制御手段59、タイマ64等が協
働することによって、普通図柄表示装置10に賞態様
(例えば「7」)が停止表示されることを所定遊技条件
の成立として第1変動入賞装置7を第2状態に変換させ
るとともに、所要終了条件の成立に基づき第2状態の第
1変動入賞装置7を第1状態に変換させる変換制御手段
として機能する。
【0028】第1変動入賞装置7が第2状態に変換する
と、流下してきた打球が該第1変動入賞装置7に入賞し
易くなり、実際に打球が入賞すると、この打球を第2特
定入賞信号発生手段としての特別図柄始動入賞検出器3
0が検出して電気的制御装置23の普通電動役物駆動制
御手段59とベース値演算手段52と始動記憶制御手段
62に第2特定入賞信号を送る。そして、入賞した打球
は入賞球として処理されるので、球排出装置17が作動
して球供給皿15に所定数の球が賞球として排出され
る。賞球が排出されると、その時点でのベース値が変化
するので、このベース値は、特別図柄始動入賞検出器3
0からの第2特定入賞信号を受けたベース値演算手段5
2が排出賞球数を演算してから算出し、ベース値比較判
定手段53に送る。したがって、第1変動入賞装置7へ
の入賞による賞球排出があると、実際のベース値がそれ
以前に比較して高くなる。このため、基準ベース値より
も実際のベース値が低い状態では、普通図柄表示装置1
0の出目を当りに制御すると、第1変動入賞装置7への
入賞および賞球排出が行われて、その結果として実際の
ベース値が上昇することになる。また、逆に設定した基
準ベース値よりも実際のベース値が高い状態では、打球
の発射を継続して行っている限り実際のベース値は少し
ずつ低下していくので、普通図柄表示装置10の出目を
外す制御を行って賞球排出をできるだけ行わないように
すれば、実際のベース値が次第に下降して基準ベース値
に近付くことになる。
【0029】なお、この実施例の場合は第1変動入賞装
置7への入賞を制御するとともに第1変動入賞装置7へ
の入賞による賞球排出数をベース値算出の基礎としてい
るので、一般の入賞口63…には打球が殆ど入賞しない
ように障害釘を配置乃至調整しておくことが望ましい。
また、第1変動入賞装置7が第2状態に変換しても打球
が入賞しない場合、タイマ64に設定した所定時間が経
過したことにより普通電動役物駆動制御手段59が第1
変動入賞装置7のソレノイドを消磁して第1状態に復帰
させるようにしてもよい。さらにまた、第1変動入賞装
置7に入賞しても、特別図柄始動入賞検出器30からの
第2特定入賞信号により直ちに第1変動入賞装置7を第
1状態に復帰させるのではなく、タイマに設定した所定
時間が経過するまで第2状態を維持させたり、或は、予
め設定した数の打球が入賞するまでは第2状態を維持す
るように構成してもよい。この様に、第1変動入賞装置
7の変換保持時間の経過や、第1変動入賞装置7への入
賞球数が所定個数に達することを、第2状態に変換され
た第1変動入賞装置7を第1状態に変換させる所要終了
条件とし、この所要終了条件を変更すると、第1変動入
賞装置7に入賞した入賞球にもとづいて排出する賞球数
が増加し易いので、設定した基準ベース値よりも実際の
現行ベース値が低かった場合に、比較的短時間で基準ベ
ース値に近付けることができる。
【0030】普通電動役物駆動制御手段59が特別図柄
始動入賞検出器30からの第2特定入賞信号を受ける
と、第1変動入賞装置7のソレノイドを消磁して、第1
変動入賞装置7を打球が入賞し易い第2状態から打球が
入賞し難い第1状態に復帰させる。なお、第1変動入賞
装置7が第1状態に復帰しても打球が入賞する可能性が
あり、第1状態における第1変動入賞装置7に打球が入
賞した場合には、前記入賞と同様に、特別図柄表始動入
賞検出器30が入賞球を検出して第2特定入賞信号を送
出する。
【0031】始動記憶制御手段62が特別図柄始動入賞
検出器30から第2特定入賞信号を受けると、記憶する
とともにこの記憶にもとづいて始動記憶表示制御手段6
5に特別図柄表示装置始動権利信号を送り、始動記憶表
示制御手段65がLED等からなる始動記憶表示器66
を発光させて遊技者に特別図柄表示装置始動権利を可視
表示する。したがって、第1変動入賞装置7に打球が次
々に入賞した場合には、始動記憶制御手段62が第2特
定入賞信号を次々に記憶するとともに、この記憶数が始
動記憶表示器66に可視表示される。
【0032】また、始動記憶制御手段62が特別図柄始
動入賞検出器30から第2特定入賞信号を受けて記憶す
ると、この記憶にもとづいて特別図柄表示制御手段67
と乱数取り出し手段68に信号を送る。
【0033】特別図柄表示制御手段67が始動記憶制御
手段62から信号を受けると、この信号にもとづいて特
別図柄表示装置6の作動を開始して3つの表示器31
a,31b,31cに数字を可変表示する。
【0034】乱数取り出し手段68が始動記憶制御手段
62から信号を受けると、設定乱数選択手段69により
設定されている乱数テーブルから乱数を取り出し、大当
り判定手段70に送る。本実施例では、特別図柄表示装
置6を使用して行う別遊技における賞態様成立の確率を
6段階に予め設定することができ、この設定された乱数
テーブルにもとづいて別遊技が行われるように構成され
ている。
【0035】特別図柄表示装置6の確率を設定するに
は、設定操作部に設けた鍵20aの鍵孔に鍵を挿入す
る。鍵が挿入されると、キー挿入検出器71が鍵の挿入
を検出して特別図柄確率設定記憶制御手段72と確率設
定表示制御手段73に能動化信号を送出して、特別図柄
確率設定記憶制御手段72が特別図柄確率設定スイッチ
74からの信号を有効に受け得る状態にするとともに、
確率設定表示制御手段73が作動して7セグメント表示
器からなる特別図柄確率設定表示器75に表示を開始さ
せる。
【0036】管理者が特定図柄表示装置確率設定スイッ
チ74を操作することにより特定図柄確率設定記憶制御
手段72に信号を送ると、この信号を受けた特定図柄確
率設定記憶制御手段72が設定乱数選択手段69に信号
を送るとともに確率設定表示制御手段73に信号を送
る。なお、特定図柄確率設定スイッチ74は、鍵を回動
することによりオン−オフできるようにしてもよいし、
鍵とは別個に設けたダイヤル式スイッチなどにより構成
してもよい。
【0037】設定乱数選択手段69は、特別図柄確率設
定記憶制御手段72からの信号を受けると、確率別に予
め記憶されている特別図柄表示装置用乱数1から6のう
ちから上記信号に応じて特別図柄表示装置用乱数を1つ
選択する。これら特別図柄表示装置用乱数は、当り(賞
態様を形成する)確率を段階的に変えた乱数テーブルで
あり、例えば、特別図柄表示装置用乱数1は1/15
0、特別図柄表示装置用乱数2は1/200、特別図柄
表示装置用乱数3は1/220、特別図柄表示装置用乱
数4は1/250、特別図柄表示装置用乱数5は1/3
00、特別図柄表示装置用乱数6は1/350の確率に
調整してある。したがって、例えばダイヤル式の特定図
柄確率設定スイッチ74を「1」に合わせると設定乱数
選択手段69が確率1/150の特別図柄表示装置用乱
数1を選択して、これに応じて特別図柄確率設定表示器
75に「1」が表示され、特定図柄確率設定スイッチ7
4を「2」に合わせると、設定乱数選択手段69が確率
1/200の特別図柄表示装置用乱数2を選択して、こ
れに応じて特別図柄確率設定表示器75に「2」が表示
され、…というように、特定図柄確率設定スイッチ74
を操作することにより予め用意された特別図柄表示装置
用乱数のうち任意の乱数を自由に選択することができ、
選択した乱数の種類が特別図柄確率設定表示器75に可
視表示される。そして、営業方針に従って所望する確率
の乱数(例えば、確率1/200の特別図柄表示装置用
乱数2)を選択操作した後に鍵を引き抜くと、これによ
り選択した乱数が固定される。したがって、この状態で
その日の営業を行うことができる。
【0038】この様にして設定した後に、前記した乱数
取り出し手段68が始動記憶制御手段62から信号を受
けると、これにより設定乱数選択手段69により選択し
た確率1/200の特別図柄表示装置用乱数2から乱数
を1つ取り出して大当り判定手段70に送り、判定す
る。
【0039】大当り判定手段70が「外れ」、即ち賞態
様を形成しないと判定すると、停止図柄選択手段76に
信号を送り、該停止図柄選択手段76が外れ図柄生成手
段77から外れの図柄(例えば、「3,1,5」)を選
択して、この図柄で可変表示が停止するように特別図柄
表示制御手段67に信号を送り、これにより特別図柄表
示制御手段67が特別図柄表示装置6の可変表示を
「3,1,5」で停止する。
【0040】一方、大当り判定手段70が「当り」、即
ち賞態様を形成すると判定した場合には、大当り制御手
段78に大当りの信号を送るとともに、停止図柄選択手
段76に信号を送り、該停止図柄選択手段76が当り図
柄生成手段79から当りの図柄(例えば、「7,7,
7」)を選択して、この図柄で可変表示が停止するよう
に特別図柄表示制御手段67に信号を送り、これにより
特別図柄表示制御手段67が特別図柄表示装置6の可変
表示を「7,7,7」で停止する。
【0041】大当り制御手段78が大当り信号を受ける
と、ベース値演算手段52に信号を送って、ベース値の
演算を特別遊技が終了するまで一時停止させる。これに
より、特別遊技中の有効発射球数や賞球排出数が無効と
され、ベース値を算出する意義を維持せしめることがで
きる。なお、特別遊技中は、ベース値演算手段52が現
在のベース値を算出しないので、強制当り外れ制御手段
57も作動を一時停止して、普通図柄表示装置10の出
目の強制的制御は行わず、普通図柄乱数生成手段55で
生成した乱数に従って通常通り賞態様を形成する。
【0042】また、大当り制御手段78が大当り信号を
受けると、大入賞口駆動制御手段81に信号を送り、こ
の信号にもとづいて大入賞口駆動制御手段81が第2変
動入賞装置9のソレノイドを励磁して、打球を受け入れ
ない第1状態から打球を受け入れ易い第2状態に変換し
て1サイクル目の特別遊技を開始する。また、大当り制
御手段78は、大当り信号を受けると、サイクル数表示
器82にサイクル数、例えば「1」を可視表示する。
【0043】特別遊技の1サイクル目において、遊技球
が第2変動入賞装置9に入賞すると、これらの入賞球を
計数用検出器41が1個宛検出して大入賞口駆動制御手
段81と大当り制御手段78に信号を送り、この信号に
もとづいて大当り制御手段78が当該サイクルにおける
入賞球数を計数し、入賞個数表示器83に可視表示す
る。1サイクル目における第2変動入賞装置9への入賞
個数が所定数(例えば10個)に達するか又は大当り制
御手段78内のタイマに設定してある所定時間(例えば
28秒間)が経過するまでに打球が継続入賞口39に入
賞しなかった場合には、いずれか一方の終了条件が成立
したことにもとづいて大当り制御手段78が特別遊技を
終了するが、これらの終了条件が成立する前に打球が継
続入賞口39に入賞すると、継続検出器42が継続入賞
口39への入賞球を検出して大入賞口駆動制御手段81
と大当り制御手段78に継続信号を送る。なお、継続入
賞口39に打球が入賞することなく終了条件が成立して
特別遊技が終了すると、大当り制御手段78がベース値
演算手段52に信号を送って、ベース値の演算を再開さ
せ、通常の遊技状態に戻す。
【0044】一方、継続入賞口39に打球が入賞するこ
とにより継続条件が成立すると、継続表示器43が発光
して継続条件が成立したことを遊技者に可視表示し、ま
た、大入賞口駆動制御手段81が第2変動入賞装置9の
ソレノイドを一旦消磁して第1状態に戻し、所定のウエ
イトタイム経過後に再び第2変動入賞装置9のソレノイ
ドを励磁して第2状態に変換する。また、大当り制御手
段78は、入賞個数表示器83を帰零するとともに、サ
イクル数表示器82の表示を更新して、例えば「2」を
可視表示する。なお、サイクルの更新が実際に行われる
と、継続表示器43が消灯する。
【0045】この様にして、打球が継続入賞口39に入
賞することによりサイクルの更新が行われて特別遊技が
継続され、このサイクルの更新が所定回数(例えば16
回)に達すると、最終のサイクルにおいて入賞個数が所
定個数に達するか、或は所定時間が経過するかの何れか
の条件が成立した時点で特別遊技は終了する。特別遊技
が終了すると、途中のサイクルで終了した場合と同様
に、大当り制御手段78からの信号によりベース値演算
手段52が作動を開始し、通常の遊技状態に戻る。
【0046】以上説明したように、本実施例では予め基
準となるベース値を設定し、このベース値と実際の遊技
におけるベース値を算出して両ベース値を比較し、基準
ベース値よりも実際の遊技におけるベース値が低い場合
には普通図柄表示装置10の当りを強制的に出して、こ
れにより第1変動入賞装置7を打球が入賞し易い状態を
作りだし、これにより入賞確率を高めて賞球排出数を増
加し、以て実際のベース値が上昇して基準ベース値に近
付くように制御し、一方、基準ベース値よりも実際の遊
技におけるベース値が高い場合には普通図柄表示装置1
0の外れを強制的に出して、これにより有効発射球数が
遊技の継続に伴って増加しても第1変動入賞装置7への
入賞確率の上昇を抑制し、これにより賞球排出数を抑制
し、以て実際のベース値が次第に下降して基準ベース値
に近付くように制御する。したがって、障害釘(特に第
1変動入賞装置7への入賞確率を通常は左右する命釘)
を調整しなくても、予め予定したベース値に実際の営業
結果として得られるベース値が近付き、営業の安定化を
図ることができる。そして、特別図柄表示装置6の賞態
様形成確率を所望する確率に設定できるので、この設定
により遊技機1ごとの個性を作り出すことができ、出玉
率、割数の調整はこれにより調整することができる。
【0047】上記した例では基準となるベース値は固定
したままであり、所望するベース値を設定することがで
きなかったが、この基準となるベース値は遊技機1ごと
に営業方針に従って所望する値を自由に設定できるよう
にしたのが本発明であり、段階的に用意したベース値を
選択して、変動始動入賞装置への入賞率を可変設定でき
るようにしてもよい。例えば、図11に示すように、基
準となるベース値を予め用意したベース値の中から選択
して設定する場合、設定操作部19に設けてある鍵20
bの鍵孔に鍵を挿入する。鍵が挿入されると、キー挿入
検出器84が鍵の挿入を検出して特別図柄確率設定記憶
制御手段72と確率設定表示制御手段73とベース値設
定記憶制御手段84とベース値設定表示制御手段85に
能動化信号を送出して、特別図柄確率設定記憶制御手段
72が特別図柄確率設定スイッチ74からの信号を有効
に受け得る状態にするとともに、確率設定表示制御手段
73が作動して7セグメント表示器からなる確率設定表
示器75に表示を開始させ、また、ベース値設定記憶制
御手段84がベース値設定スイッチ86からの信号を有
効に受け得る状態にするとともに、ベース値設定表示制
御手段85が作動して7セグメント表示器からなるベー
ス値設定表示器87に基準ベース値を可視表示するよう
にする。したがって、特別図柄確率設定スイッチ74を
操作すると、前記した実施例と同様に、特別図柄表示装
置6における当りの確率を6つの特別図柄表示装置用乱
数から選択して設定できる。
【0048】管理者がベース値設定スイッチ86を操作
することによりベース値設定記憶制御手段84に信号を
送ると、この信号を受けたベース値設定記憶制御手段8
4が基準ベース値選択手段88に信号を送るとともにベ
ース値設定表示制御手段85に信号を送る。
【0049】基準ベース値選択手段88は、上記信号を
受けると、予め記憶されているベース値1から6のうち
から上記信号に応じたベース値を1つ選択する。これら
ベース値は、例えば、ベース値1は「35」、ベース値
2は「45」、ベース値3は「50」、ベース値4は
「55」、ベース値5は「60」、ベース値6は「7
0」にしてある。したがって、例えばベース値設定スイ
ッチ86によりベース値設定表示器87の表示を「1」
に合わせると、基準ベース値選択手段88が「35」の
基準ベース値1を選択し、ベース値設定表示器87に
「3」が表示されるように合わせると、基準ベース値選
択手段88が「50」の基準ベース値3を選択し、…と
いうように、ベース値設定スイッチ86の操作により予
め用意された基準ベース値のうち任意のベース値を選択
することができ、選択したベース値がベース設定表示器
87に可視表示される。すなわち、本実施例において
は、基準ベース値選択手段84、ベース値設定スイッチ
86、ベース値1〜ベース値6が協働することで、外部
操作により第1変動入賞装置7への入賞率を設定変更可
能な設定変更手段として機能するのである。そして、所
望するベース値(例えば、「45」)を選択操作して鍵
を引き抜くと、このベース値がその日の営業における基
準ベース値として設定され、この基準ベース値がベース
値比較判定手段53に送られる。したがって、ベース値
比較判定手段53ではこの基準ベース値と実際の遊技に
おける現行ベース値との比較が行われる。
【0050】例えば、ベース値2を選択して営業を開始
した場合、打球発射装置11が打球を次々に発射する
と、発射球センサ22とファール球センサ25からの信
号にもとづいて有効発射球数演算手段51が有効発射球
数を演算し、この演算結果にもとづいてベース値演算手
段52が現在のベース値を算出し、この算出した現行ベ
ース値と基準ベース値選択手段88からの設定基準ベー
ス値とをベース値比較判定手段53が比較する。そし
て、設定した基準ベース値「45」に対してベース値演
算手段52からのベース値が「45」未満の場合には、
ベース値比較判定手段53が、実際の遊技のベース値が
低い状態であると判定し、強制当り外れ制御手段57に
その旨の信号を送る。したがって、この状態で打球が特
定入賞口8を通過して検出器26が第1特定入賞信号を
送出すると、普通図柄乱数生成手段55からの乱数に優
先して強制当り外れ制御手段57からの信号にもとづい
て普通図柄表示制御手段54が当りの図柄で普通図柄表
示装置10の変換表示を停止させ、強制的に当りにす
る。
【0051】普通図柄表示装置10の変換表示が当りの
例えば「7」で停止すると、前記したように、第1変動
入賞装置7が第2状態に変換する。第1変動入賞装置7
が第2状態に変換すると、打球が入賞し易くなり、実際
に打球が第1変動入賞装置7に入賞すると、該打球が入
賞球として処理されて球排出装置17から所定数(例え
ば7個)の球が賞球として排出され、また、上記入賞球
を検出した検出器30からの信号を受けたベース値演算
手段52が上記賞球数(7個)を加算してベース値を再
度算出するので、現行ベース値が上昇する。
【0052】一方、設定した基準ベース値「45」に対
してベース値演算手段52からのベース値が「45」を
超えた場合には、ベース値比較判定手段53が、実際の
遊技のベース値が高い状態であると判定し、強制当り外
れ制御手段57にその旨の信号を送る。したがって、こ
の状態で打球が特定入賞口8を通過して検出器26が第
1特定入賞信号を送出すると、普通図柄乱数生成手段5
5からの乱数に優先して強制当り外れ制御手段57から
の信号にもとづいて普通図柄表示制御手段54が外れの
図柄で普通図柄表示装置10の変換表示を停止させ、強
制的に外れにする。したがって、検出器26からの第1
特定入賞信号にもとづいて普通図柄乱数生成手段55が
生成した乱数が当りの乱数であっても第1変動入賞装置
7は第2状態に変換されることがない。即ち、強制制御
が行われなければ獲得したであろう賞球7個が排出され
ないこととなり、この間にも有効発射球数が増加して、
結果的に現行ベース値が強制的に低い方に調整されるこ
ととなる。
【0053】なお、前記した実施例と同様に、ベース値
比較判定手段53の判定結果の絶対値が所定の大きさに
なった場合に、強制当り外れ制御が有効に作動するよう
に構成してもよい。例えば、基準ベース値選択手段88
で選択した基準ベース値とベース値演算手段52で演算
した現行ベース値との差が所定値(例えば0.5)を超
えた場合にのみ強制当り外れ制御手段57を作動させる
ように構成してもよい。すなわち、基準ベース値選択手
段88からのベース値「45」に対してベース値演算手
段52からのベース値が「44.5」以下、または「4
5.5」以上である場合(基準ベース値と現行ベース値
との差の絶対値が「0.5」を超した場合)に、ベース
値比較判定手段53が強制当り外れ制御手段57に判定
信号を送り、この信号にもとづいて強制当り外れ制御手
段57が普通図柄表示装置10における遊技の出目を制
御するようにしてもよい。
【0054】また、上記した遊技機1において、基準ベ
ース値選択手段88により選択するベース値と確率設定
乱数選択手段69により選択する特別図柄表示装置用乱
数との組み合わせ方は、6×6=36通りあり、この組
み合せを適宜に選択することができる。この場合、特別
図柄表示装置用乱数に確率の高い乱数(例えば確率1/
150の特別図柄表示装置用乱数乱数1)を選択する
と、特別遊技の権利が発生する確率が高くなって賞球排
出数が短時間内に著しく増加して出玉率(割数)が高く
なり、換言すれば短時間で遊技者側が獲得する利益が急
激に大きくなって遊技店側の獲得する利益が急激に小さ
くなる状態となり、反対に特別図柄表示装置用乱数に確
率の低い乱数(例えば確率1/350の特別図柄表示装
置用乱数乱数6)を選択すると、特別遊技の権利が発生
する確率が極めて低くなって賞球排出数が短時間内に著
しく増加して出玉率(割数)が急激に高くなることは殆
どなくなり、換言すれば短時間で遊技者側が獲得する利
益が急激に大きくなって遊技店側の獲得する利益が急激
に小さくなるような状態には殆どならなくなる。また、
基準ベース値に高いベース値(例えばベース値「7
0」)を選択すると、特別遊技が行われなくても、平均
すれば100個の球を発射すれば70個の賞球が排出さ
れる割合で遊技を行うことができるので、比較的長時間
に亙って遊技を続けることができる状態(球モチが良い
状態)となり、反対に基準ベース値に低いベース値(例
えばベース値「35」)を選択すると、平均すれば10
0個の球を発射すれば35個の賞球が排出される割合で
遊技を行うことができるので、比較的短時間で遊技が終
ってしまう状態(球モチが悪い状態)となる。したがっ
て、各遊技機の特別図柄表示装置用乱数および基準ベー
ス値をそれぞれ営業方針に従って選択することが必要で
ある。
【0055】例えば、新装開店時には基準ベース値を高
くして球モチを良くするとともに、特別図柄表示装置用
乱数の確率を高くして特別遊技の権利が発生し易く設定
し、遊技者が長時間に亙って遊技できるような営業方針
に基づいて設定する場合には基準ベース値を高くして特
別図柄表示装置用乱数の確率を低くしたり中位に設定
し、短時間の内に勝負できる遊技機にするためには基準
ベース値を低く設定して特別図柄表示装置用乱数の確率
を高く設定し、短時間の内に遊技球を使い果して遊技店
側の一方的な利益獲得を目標とするためには基準ベース
値を低く設定するとともに特別図柄表示装置用乱数の確
率も低く設定する。
【0056】この様に、営業方針に従って各遊技機1の
特別図柄表示装置用乱数と基準ベース値を別個操作によ
って設定するように構成してもよいが、複数種類の組み
合せ(営業モード)を予め設定しておき、この営業モー
ドを選択すると自動的に特別図柄表示装置用乱数と基準
ベース値が設定できるように構成してもよい。
【0057】図12に示す実施例では、電気的制御装置
23にモード設定記憶制御手段91、モード設定表示制
御手段92などを設け、モード設定記憶制御手段91に
特別図柄表示装置用乱数と基準ベース値の組み合せ態様
を複数種類予め定めておくようにした設定変更手段を備
えるものである。例えば、「モード1」の別称「新装開
店モード」には特別図柄表示装置用乱数1(確率1/1
50)と基準ベース値6の「70」との組み合せを、
「モード2」の別称「遊びモード1」には特別図柄表示
装置用乱数5(確率1/300)と基準ベース値5の
「60」との組み合せを、「モード3」の別称「遊びモ
ード2」には特別図柄表示装置用乱数4(確率1/25
0)と基準ベース値4の「55」との組み合せを、「モ
ード4」の別称「勝負モード1」には特別図柄表示装置
用乱数1(確率1/150)と基準ベース値1の「3
5」との組み合せを、「モード5」の別称「勝負モード
2」には特別図柄表示装置用乱数2(確率1/200)
と基準ベース値2の「45」との組み合せを、「モード
6」の別称「回収モード」には特別図柄表示装置用乱数
6(確率1/350)と基準ベース値1の「35」との
組み合せを予め設定しておく。なお、図12に示す電気
的制御装置23における他の構成は、前記した実施例と
同様の構成である。
【0058】設定操作部19に設けた鍵20の鍵孔に鍵
を挿入すると、キー挿入検出器93が鍵の挿入を検出し
てモード設定記憶制御手段91とモード設定表示制御手
段92に能動化信号を送ってこれら両制御手段91,9
2を能動化し、営業モード設定スイッチ94を操作する
と、該営業モード設定スイッチ94からの信号よって
「モード1」乃至「モード6」のいずれか1つの営業モ
ードを選択することができる。そして、モード設定記憶
制御手段91において1つの営業モード(例えば「モー
ド2」)が選択されると、該営業モードを意味する信号
がモード設定表示制御手段92と確率設定乱数選択手段
69と基準ベース値選択手段88に送られる。
【0059】モード設定表示制御手段92がモード設定
記憶制御手段91から信号を受けると、モード設定表示
器95に営業モード、例えば「モード2」を可視表示す
る。したがって、管理者は、モード設定表示器95の表
示を見て確認しながら営業モードの設定作業を確実に行
うことができる。
【0060】確率設定乱数選択手段69がモード設定記
憶制御手段91から信号を受けると、該信号に応じた特
別図柄表示装置用乱数を選択する。例えば、「モード
2」を設定した場合には特別図柄表示装置用乱数5(確
率1/300)を選択する。
【0061】また、基準ベース値選択手段88がモード
設定記憶制御手段91からの信号を受けると、該信号に
応じた基準ベース値を選択する。例えば、「モード2」
を設定した場合には基準ベース値5の「60」を選択
し、この基準ベース値をベース値比較判定手段53に送
る。
【0062】したがって、この営業モードで営業を開始
すると、ベース値比較判定手段53は、ベース値「6
0」を基準にして現行ベース値との比較判定を行って普
通図柄表示装置10の出目を強制的に調整し、第1変動
入賞装置7に入賞して第2特定入賞信号が送られて特別
図柄表示装置6での可変表示の結果は、確率1/300
の特別図柄表示装置用乱数5により制御される。
【0063】なお、前記した各実施例ではベース値演算
手段52において現行ベース値を算出するに際して、第
1変動入賞装置7に入賞した打球を検出した第2特定入
賞信号に基づいて第1変動入賞装置7への入賞に基づく
賞球排出数と有効発射球数演算手段51からの有効発射
球数との割合を算出したが、本発明におけるベース値の
算出はこれに限定されるものではなく、著しく入賞確率
を高めた特別遊技状態における賞球排出数および有効発
射球数を除いた通常遊技状態における賞球排出数と有効
発射球数とによりベース値を算出してもよい。
【0064】例えば、図4に示すように、打球が入賞す
ると賞球排出が行われる一般入賞口63…にも夫々球検
出器96…を設けたり、或はこれらの入賞口63…に入
賞した入賞球が流下する流路に球検出器96を設け、こ
れら検出器96…からの信号に基づいて通常遊技状態に
おける賞球排出数を算出し、この賞球排出数を使用して
ベース値を算出してもよい。この様に、第1変動入賞装
置7以外に入賞したことによって排出される賞球数を計
算に入れてベース値を算出した方が、本来のベース値を
正確に算出することができる。しかし、第1変動入賞装
置7への入賞が大部分であり、他の入賞口63…への入
賞が極めて少なくなるような障害釘の配置を行った遊技
機1においては、第1変動入賞装置7への入賞を検出し
て、第1変動入賞装置7への入賞に基づく賞球の排出数
を使用してベース値を算出しても、目的を達することは
できる。
【0065】また、1の入賞に対して排出される賞球数
が全て同じである遊技機1の場合には、入賞球数×n
(例えばn=13)により賞球排出数を算出するが、入
賞口によって入賞価値が異なり、賞球排出数も異なる場
合には、それぞれの賞球排出数を算出してから加える。
なお、球排出装置17に、排出球検出器(図示せず)を
備えている場合には、この排出球検出器からの信号によ
り実際に排出された賞球の数を検出し、これにもとづい
て現行ベース値を算出してもよい。
【0066】また、ベース値を算出する際に、分母(ベ
ース値の元となる数)には遊技に要する遊技者の不利益
になる数として有効発射球数を用いたが、この分母とな
る数はこれに限定されないし、有効発射球数を発射球セ
ンサ22とファール球センサ25により検出し、これら
センサ22,25からの信号に基づいて有効発射数を算
出するものに限らない。例えば、当該遊技機1から排出
されるアウト球(いずれの入賞具にも入賞しなかった
球)を1個宛検出するアウト球検出器と、セーフ球(何
れかの入賞具に入賞した球)を1個宛検出するセーフ球
検出器とを設け、回収球検出手段としての両検出器から
の信号の和により有効発射球数を算出してもよい。
【0067】上記した実施例においては、基準ベース値
に実際の遊技における現行ベース値を近付けるために、
第1変動入賞装置7が第2状態に変換する確率を、普通
図柄表示装置10の所謂出目を制御することにより制御
したが、第1変動入賞装置7が第2状態に変換し続ける
時間を伸縮する(タイマ64の計時時間を増減する)
とにより、第1変動入賞装置7を第1状態へ復帰させる
終了条件を変更することで、第1変動入賞装置7への入
賞球の数、即ち賞球排出数を制御して現行ベース値を強
制的に増減させてもよい。更には、基準ベース値に実際
の遊技における現行ベース値を近付けるために、第1変
動入賞装置7に入賞したことにより排出される賞球の数
を可変とし、現行ベース値が基準ベース値よりも低い場
合には賞球排出数を増加し、反対に現行ベース値が基準
ベース値よりも高い場合には賞球排出数を減少すること
により調整してもよい。要するに、基準ベース値に現行
ベース値を近付ける制御を行うための通常還元率補正手
段は、その一部を構成する第1変動入賞装置7の作動確
率を制御したり、第1変動入賞装置7の作動時間を制御
したり、第1変動入賞装置7への入賞個数を制御した
り、第1変動入賞装置7への入賞球に対する賞球排出数
を制御する構成でもよい。
【0068】また、第1変動入賞装置7が第2状態に変
換した場合に、所定数の打球が入賞したならば第2状態
から第1状態に復帰するように構成(第1変動入賞装置
7を第2状態に変換させてから当該第1変動入賞装置7
へ所定個数の遊技球が入賞したことを、第1変動入賞装
置7を第1状態へ復帰させる終了条件に設定)し、この
所定数を基準ベース値と現行ベース値との差の大小にも
とづいて増減し、これにより賞球排出数を増減せしめ
て、現行ベース値を基準ベース値に近付けるように構成
してもよい。
【0069】なお、前記した実施例では特別図柄表示装
置6の可変表示が停止して賞態様を形成することを特別
遊技の権利発生条件としたが、本発明は、この遊技内容
に限定されるものではない。例えば、打球が特定の始動
入賞口に入賞すると変動入賞装置9が比較的短い所定時
間乃至所定回数だけ打球を受け入れない第1状態から打
球を受け入れ易い第2状態に変換し、この第2状態にお
いて、打球が特定の権利発生入賞口に入賞することによ
り特別遊技の権利を発生し、特別遊技では変動入賞装置
を所定の時間乃至所定回数だけ打球を受け入れない第1
状態から打球を受け入れ易い第2状態に変換し、この第
2状態で打球が継続入賞口39(権利発生入賞口と共通
でもよい)に入賞することを条件として特別遊技を継続
できるように構成してもよい。この場合、始動入賞口に
変動入賞装置を使用するとともに、特定入賞口と特定入
賞口に打球が入賞乃至通過することにより可変表示を行
う普通図柄表示装置を設けておき、基準ベース値と実際
の遊技による現行ベース値とを比較して、比較結果に基
づいて普通図柄表示装置の出目を制御して変動入賞装置
を打球が入り難い第1状態から打球が入り易い第2状態
に変換して現行ベース値を制御してもよいし、普通図柄
表示装置を設けずに、始動口たる変動入賞装置の第2状
態の継続時間や変換回数を強制的に制御してもよい。
【0070】また、上記した何れの実施例においても、
特別遊技の権利が発生したことにより直接第2変動入賞
装置を遊技者にとって不利な第1状態から遊技者にとっ
て有利な第2状態に変換して特別遊技を開始させるもの
に限らず、特別遊技の権利が発生した後に開放条件成立
始動口に打球が入賞することを条件として第2変動入賞
装置を第1状態から第2状態に変換する様にしてもよ
い。
【0071】なお、本発明において、特別図柄表示装置
6の確率を設定したり基準ベース値を設定するための設
定操作部19は、前記した実施例に限定されるものでは
ない。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る遊
技機によれば、遊技球の入賞に基づき補助遊技装置にお
ける補助遊技の始動条件を形成可能な始動入賞手段が、
当該始動入賞手段への遊技球の入賞状態を、遊技者にと
って不利な第1状態と遊技者にとって有利な第2状態と
に変換可能な変動始動入賞装置として構成されるため、
第1状態に変換されると遊技球の入賞率が低く、第2状
態に変換されると遊技球の入賞率が高い状態となり、こ
の変動始動入賞装置を変換制御手段が、所定遊技条件の
成立に基づき前記第2状態に変換させ、所要終了条件の
成立に基づき第2状態から第1状態に変換させるように
制御され、この様な変換制御手段による変動始動入賞装
置の変換制御によって、変動始動入賞装置への遊技球の
入賞率が変化することとなるが、外部操作により変動始
動入賞装置の入賞率を設定変更可能な設定変更手段によ
り設定された所定の入賞率に応じて、始動入賞率補正制
御手段が変換制御手段による前記第2状態の変動始動入
賞装置を前記第1状態へ変換させる前記所要終了条件を
変更制御することで、変動始動入賞装置への入賞率が前
記設定変更手段で設定された入賞率に補正制御されるも
のとしたので、従来のように障害釘の微妙な調整を行う
ことなく、容易且つ確実に目的の入賞率を実現すること
ができる。しかも、設定変更手段により変動始動入賞装
置への入賞率を設定変更することができるので、遊技店
の営業方針に応じて入賞率を容易且つ確実に変更するこ
とができ、遊技店にとって営業管理のし易い遊技機とな
る。また、請求項2に係る遊技機によれば、前記始動入
賞率補正制御手段が、変換制御手段による変動始動入賞
装置の変換制御における所要終了条件として設定された
所定時間を長くするように変更させれば、第2状態に変
換制御された変動始動入賞装置への入賞率を高くでき、
所要終了条件として設定された所定時間を短くするよう
に変更させれば、第2状態に変換制御された変動入賞装
置への入賞率を低くできるので、一層、容易且つ確実
に、設定された入賞率を実現することができる。また、
請求項3に係る遊技機によれば、前記始動入賞率補正制
御手段が、変換制御手段による変動始動入賞装置の変換
制御における所要終了条件として設定さ れた変動始動入
賞装置への入賞個数を多くするように変更させれば、第
2状態に変換制御された変動始動入賞装置への入賞率を
高くでき、所要終了条件として設定された変動始動入賞
装置への入賞個数を少なくするように変更させれば、第
2状態に変換制御された変動入賞装置への入賞率を低く
できるので、一層、容易且つ確実に、設定された入賞率
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技機の正面図である。
【図2】遊技機の背面図である。
【図3】遊技盤の正面図である。
【図4】遊技盤の背面図である。
【図5】第2状態における第1変動入賞装置の斜視図で
ある。
【図6】特別図柄表示装置の分解斜視図である。
【図7】回転ドラム式特別図柄表示装置を設けた遊技機
の正面図である。
【図8】回転ドラム式特別図柄表示装置の斜視図であ
る。
【図9】第2状態における第2変動入賞装置の斜視図で
ある。
【図10】基準ベース値を固定した実施例における電気
的制御装置のブロック図である。
【図11】複数のベース値から1の基準ベース値を選択
して設定できるようにした実施例における電気的制御装
置のブロック図である。
【図12】営業モードを選択するだけで特別図柄表示装
置の確率と基準ベース値を設定できるようにした実施例
における電気的制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 遊技機 2 前面枠 3 遊技盤 5 遊技部 6 特別図柄表示装置 7 第1変動入賞装置 8 第1の特定入賞口 9 第2変動入賞装置 10 普通図柄表示装置 11 打球発射装置 19 設定操作部 22 発射球センサ 23 電気的制御装置 25 ファール球センサ 26 普通図柄始動入賞検出器 30 特別図柄始動入賞検出器 51 有効発射数演算手段 52 ベース値演算手段 53 ベース値比較判定手段 54 普通図柄表示制御手段 55 普通図柄乱数生成手段 56 普通図柄当り判定手段 57 強制当り外れ制御手段 59 普通電動役物駆動制御手段 67 特別図柄票生制御手段 68 乱数取り出し手段 69 設定乱数選択手段 70 大当り判定手段 74 特別図柄確率設定スイッチ 75 特別図柄確率設定表示器 86 ベース値設定スイッチ 87 ベース値表示器 88 基準ベース値選択手段 94 営業モード設定スイッチ 95 モード設定表示器

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊技部を形成する遊技盤に、補助遊技を
    実行可能な補助遊技装置と、遊技球の入賞に基づき上記
    補助遊技の始動条件を形成可能な始動入賞手段と、を備
    え、該補助遊技装置における補助遊技の結果態様が予め
    定められた特別態様となったことに関連して遊技者にと
    って有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、 前記始動入賞手段は、当該始動入賞手段への遊技球の入
    賞状態を、遊技者にとって不利な第1状態と遊技者にと
    って有利な第2状態とに変換可能な変動始動入賞装置と
    して構成され、 所定遊技条件の成立に基づき前記変動始動入賞装置を前
    記第2状態に変換させ、所要終了条件の成立に基づき該
    第2状態の変動始動入賞装置を前記第1状態に変換させ
    る変換制御手段と、 前記変換制御手段に作用して、前記変動始動入賞装置の
    変換条件を変更させることに基づき、遊技に供された遊
    技球に対する該変動始動入賞装置への入賞率を所定の入
    賞率に補正制御可能な始動入賞率補正制御手段と、 前記始動入賞率補正制御手段により補正制御される前記
    所定の入賞率を、外部操作により設定変更可能な設定変
    更手段と、 を備え 前記始動入賞率補正制御手段は、前記変換制御手段に対
    して前記第2状態の変動始動入賞装置が前記第1状態に
    変換する前記所要終了条件を変更させることに基づき、
    遊技に供された遊技球に対する変動始動入賞装置への入
    賞率を前記設定変更手段で設定された入賞率に補正制御
    するようにし たことを特徴とする遊技機。
  2. 【請求項2】 前記変換制御手段は、前記所定遊技条件
    の成立に基づき前記変動始動入賞装置を前記第2状態に
    変換させてから所定時間経過することを所要終了条件と
    して、前記第2状態の変動始動入賞装置を前記第1状態
    に変換させる変換制御を行うものとし、 前記始動入賞率補正制御手段は、前記変換制御手段に対
    して前記第2状態の変動始動入賞装置が前記第1状態に
    変換する時間を変更させることに基づき、遊技 に供され
    た遊技球に対する変動始動入賞装置への入賞率を前記設
    定変更手段で設定された入賞率に補正制御するようにし
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 【請求項3】 前記変換制御手段は、前記所定遊技条件
    の成立に基づき前記変動始動入賞装置を前記第2状態に
    変換させてから当該変動始動入賞装置へ所定個数の遊技
    球が入賞したことを所要終了条件として、前記第2状態
    の変動始動入賞装置を前記第1状態に変換させる変換制
    御を行うものとし、 前記始動入賞率補正制御手段は、前記変換制御手段に対
    して前記第2状態の変動始動入賞装置が前記第1状態に
    変換する前記変動始動入賞装置への入賞個数を変更させ
    ることに基づき、遊技に供された遊技球に対する変動始
    動入賞装置への入賞率を前記設定変更手段で設定された
    入賞率に補正制御するようにした ことを特徴とする請求
    1に記載の遊技機。
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