JP3118156B2 - ツール保持装置 - Google Patents

ツール保持装置

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JP3118156B2
JP3118156B2 JP07019123A JP1912395A JP3118156B2 JP 3118156 B2 JP3118156 B2 JP 3118156B2 JP 07019123 A JP07019123 A JP 07019123A JP 1912395 A JP1912395 A JP 1912395A JP 3118156 B2 JP3118156 B2 JP 3118156B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電動ハンマー等の工具
にツールを抜け止めするためのツール保持装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
電動ハンマーにおいては、図5に示すように、破砕用ツ
ールの六角軸部101に設けた細径部分101aに対し
て横方向からリテーナピン103を係合させることによ
って、破砕用ツールを工具本体に対して抜け止めする機
構が採用されている。このリテーナピン103の周面に
は、破砕用ツールの六角軸部101を逃がすための切欠
部105が設けられており、リテーナピン103を少し
抜き出してストッパプレート107を回転自由な状態に
してやり、切欠部105とツール挿入孔109とが一致
する角度までリテーナピン103を回すことによってツ
ールを抜き取ることができるようにされている。そし
て、ハンマー使用中にリテーナピン103が回転してし
まわないように、リテーナピン103の先端にコイルス
プリング111を取り付けてリテーナピン103を出口
方向に付勢しておく構造となっている。
【0003】ところが、こうした電動ハンマーは使用中
にリテーナピンの先端がコンクリート等に当たる可能性
があるため、当たっても移動しないようコイルスプリン
グを強くしている。従って、ツールの取り替えやコイル
スプリングの組立において強い力を要していた。
【0004】そこで、本発明は、比較的弱いコイルスプ
リングを用いることを可能にして、ツールの取り替えや
ツール保持装置の組立の作業性を向上させることを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明の
ツール保持装置は、ツールホルダのブロック部に軸方向
にツール挿入孔を設けると共に、前記ツール挿入孔の一
部を横切ってブロック部を横方向に貫通するリテーナピ
ン挿入孔を設け、前記リテーナピン挿入孔にリテーナピ
ンを挿入し、該リテーナピンをツールに係合させてツー
ルの抜け止めとし、該リテーナピンの周面の一部に形成
した切欠部を前記ツール挿入孔に臨ませる角度に回転さ
せることでツールの脱着を可能とし、工具使用中には前
記リテーナピンとツールとの係合状態を維持させておく
ため、リテーナピンの先端に該先端を出口方向に付勢し
ておくスプリングを取り付けると共にリテーナピンから
側方に突出するストッパ部と工具本体側の第1のストッ
パ部とを係合させて回転できないようにしたツール保持
装置において、前記工具本体側に、前記第1のストッパ
部との間にリテーナピンの回転を許容するための空間を
空けて、さらに第2のストッパ部を形成したことを特徴
とする。
【0006】このツール保持装置によれば、ツールを脱
着するときにはリテーナピンを第1のストッパ部と第2
のストッパ部との間にリテーナ側のストッパ部が位置す
るまでスライドさせた上で回転させなければならない。
ところで、工具使用中にリテーナピンがスライドさせら
れてしまうことがあっても、丁度良い位置までスライド
される可能性はきわめて低く、しかも、丁度良い位置へ
スライドした上で回転するといったことの可能性は一層
低い。よって、本発明のツール保持装置によれば、比較
的弱いコイルスプリングを用いてもツールを確実に保持
できる。
【0007】ここで、前記ツールホルダのブロック部に
前記リテーナ側ストッパ部の外周に当接するストッパ面
を形成すると共に、該ストッパ面に、前記リテーナピン
を所定距離だけスライドさせたときにリテーナピン側の
ストッパ部を受け入れてリテーナピンの回転を許容する
溝を設け、当該溝を挟んだストッパ面によって前記第
1,第2のストッパ部を形成してやればよい。また、前
記溝を、リテーナ側ストッパ部の厚さと略等しい幅に形
成しておくとよい。この様な構成であれば、ツールホル
ダのブロック部に溝を設けるだけでよく、製造が簡単と
なり、部品が増えることもない。
【0008】また、これらのツール保持装置において、
前記スプリングに関して、前記第2のストッパ部を越え
てリテーナピンをスライドさせない様にバネ圧縮長さを
定めておけば、リテーナピンは第1,第2のストッパ部
の間の空間でしか回転させることができなくなる。
【0009】このように、本発明によればリテーナピン
の移動防止用として弱いスプリングを使用することも可
能になり、弱いスプリングを使用した場合には、従来よ
りもツールの取替えや保持装置へのリテーナピンの組み
付け等がやり易くなる。ただし、新規な構造的特徴によ
ってある位置でだけリテーナピンを回転できるようにし
てありうさえすればよく、スプリングをどの程度弱いも
のにするかは副次的な事項であって、適宜選択すればよ
く、従来と同じ強さのスプリングをそのまま用いるもの
も排除されるわけではない。ツール保持の確実性が向上
するという効果により、本発明の技術的意義が十分に発
揮されるからである。
【0010】
【実施例】次に、実施例としての電動ハンマーについて
説明する。実施例の電動ハンマーは、図1に示すよう
に、工具本体1に破砕用ツール5を挿入したとき、この
破砕用ツール5に設けた細径部分5aにリテーナピン1
0を係合させて抜け止めするためのツールホルダ20を
備えたものである。
【0011】リテーナピン10は、図2に示すように、
つまみ11と、ストッパプレート13と、係合軸部15
と、スプリング取付軸部17とからなる。係合軸部15
の周面の一部には、破砕用ツール5の断面と一致する切
欠部19が設けられている。また、スプリング取付軸部
17には止めピン挿入孔17aが穿設されている。そし
て、ストッパプレート13は、短辺側を曲線形状とした
略長方形の鍔である。
【0012】ツールホルダ20は、工具本体1に対して
ボルト止めするためのフランジ部21と、このフランジ
部21の中心部分に突設されたブロック部23とからな
る。このブロック部23には、軸方向に貫通する正六角
径のツール挿入孔25と、このツール挿入孔25の一部
を横切って横方向に貫通するリテーナピン挿入孔27
と、リテーナピン10のストッパプレート13の長辺と
係合するためのストッパ面29とが設けられている。こ
のストッパ面29には、ストッパプレート13の厚さと
略等しい幅で、かつ、ストッパプレート13の回転を許
容する深さの溝31が設けられ、この溝31を挟んで第
1,第2のストッパ面29a,29bを構成する様にし
てある。
【0013】そして、リテーナピン挿入孔27に対して
ストッパ面29の側からリテーナピン10を挿入し、コ
イルスプリング33をスプリング取付軸部17の周りに
位置するようにはめ込んだ後、スプリング取付軸部17
の先端からカップ形状のスプリング押さえ用のカバー部
品35をはめ込み、このカバー部品35を強く押し込ん
でスプリング取付軸部17の止めピン挿入孔17aを露
出させた状態にして止めピン37を挿入することによ
り、ツールホルダ20へのリテーナピン10の組付けを
行う。
【0014】この実施例の電動ハンマーに破砕用ツール
5を装着した状態では、図3(A)に示すように、リテ
ーナピン10の切欠部19をツール挿入孔25とは反対
側に向かせる角度に回転し、ストッパプレート13を第
1のストッパ面29aに係合させておく。そして、破砕
用ツール5の取り外しに当たっては、同図(B)に示す
ように、手でつまみ11を持ち、ストッパプレート13
が溝31に一致するところまでリテーナピン10を抜き
出し、ストッパプレート13を溝31内へと逃がしなが
ら、切欠部19をツール挿入孔25の方向へ向く角度へ
と回転させる。そして、手を離してやれば、同図(C)
に示すように、破砕用ツール5の六角部5bを通過させ
ることができる状態になる。
【0015】以上説明した実施例の電動ハンマーでは、
ストッパプレート13を溝31に一致させなければリテ
ーナピン10を回転することができない。従って、ハン
マー使用中にツールホルダ20が周辺の器物に衝突して
リテーナピン10が押し出されることがあっても、回転
可能な位置に丁度一致するといった確率は低く、さらに
回転するという確率に至っては一層低くなる。よって、
ツール保持装置に比較的弱いコイルスプリングを用いて
もツールを確実に保持できるとともに、ツールの取替え
やツール保持装置の組立において、リテーナピンへコイ
ルスプリングを挿入して止めピンで係止する作業でも強
い力を必要とせず楽に行える。
【0016】また、こうした効果を得るためには、ブロ
ック部23をやや大きめに切り欠いてやり、そこに溝3
1を掘るだけでよいから、製造自体がそれほど面倒でも
ないし、部品の増加もない。さらに、実施例では、図3
(B)を見ると分かる様に、コイルスプリング33は第
2のストッパ面29bを越えてリテーナピン10をスラ
イドさせない様にバネ定数及びバネ圧縮長さを定めてあ
り、リテーナピン10は溝31の空間でしか回転させる
ことができない構造となっている。
【0017】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の
要旨を逸脱しない限り種々なる態様に変形することが可
能である。例えば、図4に示すようにツールホルダ20
のブロック部23と所定距離離してフランジ部21から
突起41を形成してやり、これを第2のストッパ部とし
てもよい。
【0018】また、実施例はコンクリート等のはつり用
の電動ハンマーであったが、さく岩機はもちろん、衝撃
と回転とを行うハンマードリルへのツール取付部分の構
造として採用してもよく、これら以外の工具に応用して
もよいことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例としての電動ハンマーを示し(A)は
正面図、(B)は要部の縦断面図である。
【図2】 実施例の要部を示し、(A)は正面図、
(B)は一部破断した底面図である。
【図3】 実施例におけるツール脱着の様子を示す要部
の断面図である。
【図4】 変形例の要部の断面図である。
【図5】 従来例の要部の断面図である。
【符号の説明】
1・・・工具本体、5・・・破砕用ツール、5a・・・
細径部分、5b・・・六角部、10・・・リテーナピ
ン、13・・・ストッパプレート、15・・・係合軸
部、17・・・スプリング取付軸部、17a・・・止め
ピン挿入孔、19・・・切欠部、20・・・ツールホル
ダ、21・・・フランジ部、23・・・ブロック部、2
5・・・ツール挿入孔、27・・・リテーナピン挿入
孔、29・・・ストッパ面、29a・・・第1のストッ
パ面、29b・・・第2のストッパ面、31・・・溝、
33・・・コイルスプリング、35・・・カバー部品、
37・・・止めピン、41・・・突起。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ツールホルダのブロック部に軸方向にツ
    ール挿入孔を設けると共に、前記ツール挿入孔の一部を
    横切ってブロック部を横方向に貫通するリテーナピン挿
    入孔を設け、前記リテーナピン挿入孔にリテーナピンを
    挿入し、該リテーナピンをツールに係合させてツールの
    抜け止めとし、該リテーナピンの周面の一部に形成した
    切欠部を前記ツール挿入孔に臨ませる角度に回転させる
    ことでツールの脱着を可能とし、工具使用中には前記リ
    テーナピンとツールとの係合状態を維持させておくた
    め、リテーナピンの先端に該先端を出口方向に付勢して
    おくスプリングを取り付けると共にリテーナピンから側
    方に突出するストッパ部と工具本体側の第1のストッパ
    部とを係合させて回転できないようにしたツール保持装
    置において、 前記工具本体側に、前記第1のストッパ部との間にリテ
    ーナピンの回転を許容するための空間を空けて、さらに
    第2のストッパ部を形成したことを特徴とするツール保
    持装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のツール保持装置におい
    て、前記ツールホルダのブロック部に前記リテーナ側ス
    トッパ部の外周に当接するストッパ面を形成すると共
    に、該ストッパ面に、前記リテーナピンを所定距離だけ
    スライドさせたときにリテーナピン側のストッパ部を受
    け入れてリテーナピンの回転を許容する溝を設け、当該
    溝を挟んだストッパ面によって前記第1,第2のストッ
    パ部を形成したことを特徴とするツール保持装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のツール保持装置におい
    て、前記溝を、リテーナ側ストッパ部の厚さと略等しい
    幅に形成したことを特徴とするツール保持装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか記載のツ
    ール保持装置において、前記スプリングが、前記第2の
    ストッパ部を越えてリテーナピンをスライドさせない様
    にバネ圧縮長さが定められていることを特徴とするツー
    ル保持装置。
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