JP3117919B2 - 熱延金属板の仕上出側温度の制御方法および熱延金属板の仕上出側温度の制御装置 - Google Patents
熱延金属板の仕上出側温度の制御方法および熱延金属板の仕上出側温度の制御装置Info
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- JP3117919B2 JP3117919B2 JP08254785A JP25478596A JP3117919B2 JP 3117919 B2 JP3117919 B2 JP 3117919B2 JP 08254785 A JP08254785 A JP 08254785A JP 25478596 A JP25478596 A JP 25478596A JP 3117919 B2 JP3117919 B2 JP 3117919B2
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Description
る金属板の熱間仕上圧延に際して、冷却設備を制御し
て、仕上出側温度(FDT)の制御を行うものに係わ
り、特に、熱延鋼板を仮想分割した切板を制御対象とし
て、高精度で仕上出側温度の制御を行う技術に関する。
対象となる熱延鋼板に対して圧延処理を行いながら、ス
トリップクーラント等の冷却装置で冷却を行い、仕上出
側温度を所望の値にする技術としては、オペレータが、
熱延鋼板の鋼材の種類や熱延鋼板の厚さや速度を考慮
し、長年の経験によって、どの程度冷却水を鋼板に噴射
すれば、仕上出側温度がどの程度になるかを判断して、
冷却装置を操作するのが主流であった。
仕上圧延機を通板する鋼板に対し仕上圧延機のスタンド
間でスタンド間注水設備により部分注水を行って圧延機
出側の仕上出側温度を目標になるようにする熱間圧延に
おいて、予め設定した温度モデルおよび各部位毎の実績
パラメータに基づいて、前記鋼板の仕上圧延工程内にお
ける温度変化を算出し、この結果に基づいて注水制御を
行う技術が開示されているが鋼板の速度変化が考慮され
ていなかった。さらに、特開平8−150409号公報
には、圧延材の先端から所定距離離れた点が仕上圧延機
内を通過する通過時間とサーマルランダウンを時間に換
算した換算時間を求め、それら通過時間と換算時間を足
し算して評価関数を求め、その評価関数を用いて、スト
リップクーラントのオン・オフのタイミングを求める技
術が開示されていた。
は、熱延鋼板の長手方向での仕上出側温度の目標値を一
定の値として、仕上出側温度制御を行っていた。
オペレータの操作に依存する手法によれば、生産性を向
上するための圧延速度の高速化や圧延速度の加減速率の
増大によって、冷却装置の操作が難しくなり、熟練した
オペレータであっても、熱延鋼板の仕上出側温度が所望
の範囲内になるように操作することは非常に困難であ
り、製品の品質低下等を招いていた。特に、圧延設備が
巨大化して、ストリップクーラント等の冷却設備が多く
配置されるようになると、オペレータの操作の困難性
は、増大する一方であった。
開示されている「スタンド間注水の自動制御方法」は、
鋼板の速度変化を考慮した制御方法にはなっておらず、
圧延速度の高速化や圧延速度の加減速率の変化に対応し
うるものではなかった。
技術開示されている「圧延材温度制御方式」は、速度パ
ターンを考慮しているものの、先端部の仕上入側温度
(FET)しか、制御に用いないため、いわゆるスキッ
ドマーク等の温度変動に対処しうるものではない。
念を導入して、熱間圧延設備における巻取温度制御を行
う技術について、特開平8−90036号公報、特開平
8−90037号公報等において、技術開示されている
が、仕上出側温度測定位置以降での温度制御に関し、存
在する設備も相違するから、仕上出側温度制御に適用す
ることはできない。
仕上出側温度の予測に誤差が生じることがあり、熱延鋼
板の長手方向の仕上出側目標温度を一定にするのでは不
都合が生じる場合があった。また、熱延鋼板先端部にお
いては、他の部分に比べ過冷却が起こりやすく、過冷却
による鋼板の硬化によって、圧延ロールを損傷してしま
う事態の発生等が問題となっており、この場合、熱延鋼
板先端部の仕上出側目標温度を他の部分より高くして、
冷却設備の注水タイミングを遅らせて過冷却を防ぐこと
が望ましい。したがって、熱延鋼板の仕上出側目標温度
を、熱延鋼板長さ方向に変化するように予め定めた補正
値で補正して、適切かつ高精度の温度制御を行うことも
切望されていた。
決するために創作されたものであり、その目的は、金属
板の熱間仕上圧延において、特に熱延鋼板の速度変化や
仕上入側温度変化が存在しても、熱延鋼板の仕上出側温
度(FDT)の制御を精度良く行う手段、特に、熱延鋼
板を仮想分割した各切板を制御対象として、高精度で仕
上出側温度の制御を行う手段を提供する点にある。
方向において、仕上温度目標値を補正して、より適切か
つ高精度に、仕上出側温度の制御を行う手段を提供する
点にある。
め、請求項1記載の発明によれば、冷却設備の注水動作
によって、熱延金属板の仕上出側温度(FDT)を制御
する方法であって、金属板を、所定長さを有するように
仮想分割した切板からなると想定して、各切板に対し
て、仕上圧延設備の入側温度を把握し、仕上圧延設備を
複数のゾーンに分割したときの、各ゾーン内での搬送時
間を求め、前記入側温度および前記搬送時間に基づい
て、仕上出側温度(FDT)が目標値に最も近くなるよ
うな注水パターン、および、注水タイミングを求め、前
記注水パターンを参照し、前記注水タイミングにしたが
って、注水動作を行うように、各冷却設備を制御する、
熱延金属板の仕上出側温度の制御方法が提供される。
項1において、求めた注水タイミングにしたがって注水
動作を行う際に、冷却設備毎に、その注水動作を行う指
令時刻と指令内容とを登録したタイマーテーブルを準備
し、該タイマーテーブルの登録内容にしたがって、各冷
却設備が注水動作を行うことを特徴とする、熱延金属板
の仕上出側温度の制御方法が提供される。
求項1および2のいずれかにおいて、前記注水パターン
を求める際に、前記目標値を、金属板長さ方向に変化す
るように予め定めた補正値で補正することを特徴とす
る、熱延金属板の仕上出側温度の制御方法が提供され
る。
の発明によれば、冷却設備の注水動作によって、熱延金
属板の仕上出側温度(FDT)を制御する装置であっ
て、仕上圧延設備の入側温度を測定する温度計と、冷却
設備の注水パターンおよび注水タイミングを求める機能
を少なくとも有する処理装置と、を備え、該処理装置
は、金属板を、所定長さを有するように仮想分割した切
板からなると想定し、該切板毎に対応して、仕上圧延設
備を複数のゾーンに分割したときの、各ゾーン内での切
板の搬送時間を求める手段と、前記温度計での測定結
果、および、各ゾーン内での搬送時間に基づいて、仕上
出側温度(FDT)が目標値に最も近くなるような注水
パターン、および、注水タイミングを求める手段と、前
記注水パターンを参照して、前記注水タイミングにした
がって、注水動作を行うように、冷却設備を制御する手
段と、を有する、熱延金属板の仕上出側温度の制御装置
が提供される。
入側温度を測定し、処理装置が冷却設備の注水パターン
および注水タイミングを求める。そして、処理装置が備
える各手段によって、鋼板を、仕上圧延設備の入側で、
所定長さを有するように仮想分割した切板からなると想
定し、該切板毎に対応する周期で、仕上圧延設備内を複
数のゾーンに分割したときの、各ゾーン内での切板の搬
送時間を求め、さらに、前記温度計での測定結果、およ
び、各ゾーン内での搬送時間を参照して、仕上出側温度
(FDT)が目標値に最も近くなるような注水パター
ン、および、注水タイミングを求めて、求めた注水パタ
ーンを参照して、求めた注水タイミングにしたがって、
注水動作を行うように、冷却設備を制御するように動作
する。
注水動作を行う際に、冷却設備毎に、その注水タイミン
グを登録したタイマーテーブルを処理装置に設けてお
き、処理装置が、このタイマーテーブルの登録内容にし
たがって、各冷却設備の注水動作を制御するようにした
装置態様や、処理装置が、注水パターンを求める際に、
目標値を、金属板長さ方向に変化するように予め定めた
補正値で補正する手段を備えた装置態様も考えられる。
参照しつつ説明する。本明細書中、「切板」とは、鋼板
1を仕上圧延設備の出側で、所定長さ(例えば、5
(m))を有するように仮想分割したものであって、仕
上圧延設備の入側でも前記所定の長さに対応した長さの
複数の切板からなっているものとする。切板の長さは一
定とすると各処理が容易であるので、一定として説明す
るが、切板の長さは一定でなくても良く、長さ方向の位
置によって変えても良い。
る装置構成について説明する。本装置は、進行方向に進
む鋼板1を圧延する圧延スタンド(F1〜F7)と、各
スタンドの入側に配設され、鋼板1に冷却水を注水する
ストリップクーラント(以下、単に「冷却設備」とも称
する:2a〜2n)と、圧延設備の入側に配設され、鋼
板1の進行距離を計測するためのメジャーリングロール
20と、鋼板1の仕上入側温度(FET)を測定するた
めのFET計30と、鋼板1の仕上出側温度(FDT)
を測定するためのFDT計40と、を有している。
FET計30の信号を入力し、所定の処理信号を、注水
パターン決定装置200に出力するトラッキング装置1
00と、前記トラッキング装置100の信号と、前記F
ET計30の信号とを入力し、各ストリップクーラント
の開閉パターンである注水パターンと注水タイミングと
を決定し、その注水動作を行う指令時刻と指令内容と
を、注水出力装置300のタイマーテーブル310に出
力する注水パターン決定装置200と、前記注水パター
ン決定装置200の信号を入力し、注水動作を行う指令
時刻と指令内容を登録したタイマーテーブル310の内
容を参照して、各冷却設備の注水、停止指令を、各冷却
設備2a〜2nのバルブの開閉制御を行うバルブ制御装
置400に出力する注水出力装置300と、前記注水出
力装置300の信号を入力し、それぞれの冷却設備のバ
ルブの開閉を行って、冷却水の注水、停止を行うバルブ
制御装置400と、を備える。
たロードセル(図示せず)からの荷重印加信号(鋼板1
の圧延スタンドF1への進入信号に相当する)、およ
び、圧延スタンドF1に設けたロール回転検出器(図示
せず)から出力される圧延ロールの回転数(鋼板1の進
行距離に相当する)を示しており、図中符号bは、圧延
スタンドF7に設けたロードセル(図示せず)からの荷
重印加信号(鋼板1の圧延スタンドF7への進入信号に
相当する)、および、圧延スタンドF7に設けたロール
回転検出器(図示せず)から出力される圧延ロールの回
転数(鋼板1の進行距離に相当する)を示している。
300内に設けたRAM等の記憶デバイスで実現可能で
あり、このタイマーテーブル310は、注水パターン決
定装置200等の他の装置内に設けても良い。なお、ト
ラッキング装置100、注水パターン決定装置200、
注水出力装置300、および、バルブ制御装置400
は、例えば、動作プログラムを内蔵したROM等の記憶
媒体、動作プログラムにしたがった動作を行うCPU、
ワークエリアや記憶エリアを有するRAM等の各種の電
子デバイスで実現できるので、トラッキング装置10
0、注水パターン決定装置200、注水出力装置30
0、および、バルブ制御装置400は、1台のパーソナ
ルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置
で実現できる。
ず、トラッキング装置100の動作から説明する。トラ
ッキング装置100は、FET計30が測定したFET
と、メジャーリングロール20が計測する鋼板1の進行
距離とを入力し、FETが第1の所定値以上になったと
きに、鋼板1の先端部がFET計30の位置に存在する
と判断し、逆に、FETが第2の所定値以下になったと
きに、鋼板1の尾端部がFET計30の位置を通過した
と判断する処理や、鋼板1の先端部がFET計30の位
置に存在すると判断した時点以降、メジャーリングロー
ル20が計測する鋼板1の進行距離が、切板長さ進む毎
に、新たな切板がFET計30の位置に進入したとし
て、注水パターン決定装置200が所定の処理を行うよ
うに起動する。
部が圧延スタンドF1に進入した後は、当該圧延スタン
ドF1のロール回転数で検出し、また、鋼板1の先端部
が圧延スタンドF7に進入した後は、当該圧延スタンド
F7のロール回転数で検出するようにしてもよい。もち
ろん、圧延スタンドF1、F7のみならず、全ての圧延
スタンンドにロードセルとロール回転検出器を設けて、
順次、鋼板1の先端部が進入した圧延スタンドのロール
回転数に基づいて、切板長さ毎の、鋼板1の進行距離を
求めて、新たな切板の進入を検出するようにしてもよ
い。
出力装置300、および、バルブ制御装置400の動作
概要を説明する。注水パターン決定装置200は、図5
に示すフローチャートの手順で、各切板のFDTが予め
定めたFDT目標値に最も近くなるように注水パターン
を決定し、決定した注水パターンに基づいて、注水状態
を変更する冷却設備に対する指令内容と指令時刻とを、
タイマーテーブル310に登録する。
から各冷却設備までの距離、圧延する熱延鋼板の切板長
さ、速度の変化パターン等の初期条件を、図示しない入
力装置を介して注水パターン決定装置200に入力し、
初期条件を格納する。
の切板がFET計30に進入してから開始するとして説
明しているが、FET計30の上流に鋼板の先端を検出
するフォトインタラプタ等のセンサーを配置し、このセ
ンサーの出力で処理を開始しても良い。
の切板がFET計30に進入してから、最後の切板がF
ET計30に進入するまで、各切板がFET計30に進
入する毎に、ステップS508〜514の処理を行う。
次の切板がFET計30に到達するまでの間は、ステッ
プS504を繰り返し、また、最後の切板がFET計3
0を通過した場合は終了とする。
0によって切板のFETを測定し、ステップS510
で、各ゾーンの搬送予定時刻を計算し、さらに、ステッ
プS512で、前記FET実測値、前記各ゾーンの搬送
予定時刻およびFDT目標値に基づいて、FDTの計算
値が最もFDT目標値に近くなる注水パターンを求め
る。
の注水パターンと当該切板の注水パターンとを比較し
て、注水状態に変更のある冷却設備について、該冷却設
備の変更後の注水状態である注水または停止の指令内容
と、該冷却設備に当該切板が到達する時刻から当該切板
のFET計通過時刻を引いた値である指令時刻とを、タ
イマーテーブル310に登録する。
切板毎に行い、注水状態を変更する冷却設備がある場
合、前記登録を行うが、冷却設備がない場合、前記登録
は行わない。タイマーテーブル310の初期値として、
最初の切板の注水状態と指令時刻零とを登録する。
フローチャートの手順で、所定の周期毎にステップS6
04〜S608を行うように、ステップS602におい
て処理し、各切板のFDTが目標値に最も近くなる注水
パターンとなるように、バルブ制御装置400を介して
冷却設備を制御する。
10を参照して、指令時刻が零以下である場合、注水状
態を変更する冷却設備があると判定し、ステップS60
6で該当する冷却設備の注水状態を変更し、ステップS
608でタイマーテーブル310を書き換える。
ない場合、注水状態を変更する冷却設備がないと判定
し、ステップS608でタイマーテーブル310を書き
換える。ステップS608での書き換えは、指令時刻が
零以下である冷却設備の指令内容と、指令時刻を削除
し、指令時刻が零以下でない冷却設備については、該指
令時刻から所定周期の時間を減ずる。
対し、指令時刻の零と最初の切板の注水状態とが登録さ
れるので、ステップS604で、指令時刻が零以下であ
るから注水状態を変更する冷却設備があると判定され、
ステップS606で、タイマーテーブル310の注水状
態をバルブ制御装置400に出力し、バルブ制御装置4
00が各冷却設備を前記注水状態に制御し、最初の切板
の注水パターンで注水する。次のステップS608で指
令時刻が零以下であるので冷却設備の指令内容と、指令
時刻が全てタイマーテーブル310から削除される。次
に、注水パターンに基づいてタイマーテーブル310を
登録する手順と、タイマーテーブル310の動作につい
て説明する。注水出力装置300の所定の処理周期を
0.2秒とする。
は1番目の切板から10番目の切板まで同じであったと
すると、注水パターンは、切板がFET計30を通過す
る毎に決定されるが、前回の切板の注水パターンと今回
の切板の注水パターンが同じであれば、タイマーテーブ
ル310に登録は行われない。図中のtは、最初の切板
がFET計30を通過した時刻を零とした場合の経過時
刻である。
る時間間隔が1秒で一定であり、かつ、FET計30か
ら冷却設備1に到達するのに4秒、冷却設備2に到達す
るのに8秒、冷却設備2に到達するのに12秒、冷却設
備4に到達するのに16秒、…、と一定とした場合であ
る。
と、該切板の冷却パターンが決定され、10番目の切板
の冷却パターンと比較し、注水状態に変更のある冷却装
置3について停止から注水に変更することになる。
から、冷却設備3の注水を変更するまでの指令時刻は、
11番目の切板がFET計30を通過した時刻が10
秒、該切板が冷却設備3に到達する時刻が22秒である
から、前記差である12秒(=22−10)となる。
図4(c)に示すようにタイマーテーブル310の冷却
設備3に対応する位置に登録される。この登録は、なに
も登録されていないタイマーテーブル310に登録した
場合である。
時刻は、登録後、所定の時間である0.2秒経過する毎
に0.2秒減じられ、登録された指令時刻12.0秒
は、図4(d)に示す内容を経て、12.0秒経過後に
零となっている。指令時刻が零以下となっていると、図
5のフローチャートで説明したように、注水状態を変更
する冷却設備があると判定され、冷却設備3の注水状態
が停止から注水に変更される。さらに、次のステップの
タイマーテーブル310の書き換えで、指令時刻が零以
下であるので該指令内容と、指令時刻が削除される。
がFET計30を通過した後に、図2に示した1番目の
注水パターンと、指令時刻の零とが、図4(a)のよう
にタイマーテーブル310に登録される。指令時刻の零
と最初の切板の注水状態とが登録されるので、ステップ
604で、指令時刻が零以下であるから注水状態を変更
する冷却設備があると判定され、ステップ606で該当
する冷却設備の注水状態が最初の切板の注水パターンに
制御される。次のステップ608で指令時刻が零以下で
あるので冷却設備の指令内容と、指令時刻が全てタイマ
ーテーブル310から削除される。
マーテーブルの登録状態は、図4(b)に示すように、
なにも登録されていない状態となる。その後、11番目
の切板が、FET計を通過するまでは、注水パターンの
変更がないので、タイマーテーブル310に登録がされ
ない。
通過すると、該切板の冷却パターンが決定され、11番
目の切板の冷却パターンと比較し、注水状態に変更のあ
る冷却設備3について注水から停止に変更することにな
る。冷却設備3の注水を変更するまでの指令時刻は、1
2秒(=23−11)となる。指令内容の停止と指令時
刻の12秒とが、図4(e)に示すように、タイマーテ
ーブル310の冷却設備3に対応する9番目の切板に対
して登録された次の位置に登録される。
0を通過すると、該切板の冷却パターンが決定され、1
2番目の切板の冷却パターンと比較し、注水状態に変更
のある冷却装置2について注水から停止に変更すること
になる。13番目の切板がFET計30を通過してか
ら、冷却設備2の注水を変更するまでの指令時刻は、1
1番目の切板がFET計30を通過した時刻が12秒、
該切板が冷却設備3に到達する時刻が20秒であるか
ら、前記差である8秒(=20−12)となる。指令内
容の停止と指令時刻の8秒とが、図4(f)に示すよう
にタイマーテーブル310の冷却設備2に対応する位置
に登録される。
録後、8秒経過すると、図4(g)に示すように冷却設
備2に対応する指令時刻は零となっている。指令時刻が
零以下となっていると、図5のフローチャートで説明し
たように、注水状態を変更する冷却設備があると判定さ
れ、冷却設備2の注水状態が注水から停止に変更され
る。さらに、次のステップのタイマーテーブル310の
書き換えで、指令時刻が零以下であるので、冷却設備2
に対応する指該指令内容と、指令時刻が削除される。次
の所定時間経過した時刻20.2秒のタイマーテーブル
310は図4(h)に示すようになる。以上のようにし
て、タイマーテーブル310を用いた冷却設備の制御動
作が行われる。
の求め方について説明する。注水パターンを求めるに
は、ゾーン内搬送時間を求めておく必要があるが、ゾー
ン内搬送時間の求め方については、後に説明する。
延設備間で、どのように鋼板が冷却されていくかを示す
概念の説明図である。図面下側は、圧延設備を模式的に
表現したものであって、F1〜F7は、圧延スタンドを
示し、鋼板が図中、左から右に進行して圧延される。符
号a〜gは、冷却設備、30は、FET計、40は、F
DT計であり、図1では図示しない、酸化膜を高圧水の
噴射で除去するデスケーリング装置50も示している。
そして、図中符号A(白色で表現)は、空冷の温度計算
区間、符号B(斜線で表現)は、水冷または空冷の温度
計算区間(冷却装置で注水するとき、水冷の温度計算区
間となる)、さらに、符号C(黒色で表現)は、圧延の
温度計算区間を示しており、このような3種類の計算区
間が、鋼板の進行方向に配列されており、各区間をゾー
ンと称する。
て、切板の位置(横軸)により変化する鋼板温度(縦
軸)の変化の様子を実線で示しており、実線の左端部
は、FET計30で測定したFET測定値、実線の右端
部は、計算で求めたFDTを示しており、左右方向の点
線は、FDT目標値を示していて、縦方向の2つの点線
で囲まれた区間が、ゾーンに対応している。例えば、図
3上図側の符号a、b、cは、夫々、下図側の冷却設備
a、b、cに対するゾーンである。
注水パターンで鋼板の冷却を行った場合の鋼板温度の変
化の様子を示すものであり、注水パターン決定装置20
0は、FDT温度が、最もFDT目標値に近くなるよう
な注水パターンを各切板に対して決定し、決定した注水
パターンを前記注水パターンテーブル310に登録す
る。
を空冷、水冷、および圧延区間(ゾーン)に分けて、各
ゾーンでの温度降下量(ΔT)を求めていき、FDTを
求める。まず、各ゾーンにおいて、ΔTは、以下の式で
定義されることが知られている。 (a)空冷、水冷区間での温度降下量(ΔT)。
気温度、hは板厚、そして、Δtは区間通過時間、即
ち、ゾーン内の搬送時間となる。なお、fは、関数を表
す。また、αは、空冷時α=f1(Ts、Ta)、水冷
時α=f2(W、Ts、Tw)、但しWは、冷却水量、
Twは、水温である。 (b)圧延区間での温度降下量(ΔT)。
b=g2(hin、hout、Troll、λrol
l、Ts、λs、Δt)、ΔTc=g3(hin、ho
ut、μ、D、P、Δt)であり、g1、g2、g3は
夫々関数を表し、hinは入側板厚、houtは出側板
厚、Kmは変形抵抗、Trollはロールの表面温度、
λrollはロールの熱伝導率、λsは鋼板の熱伝導
率、μはロールと鋼板との摩擦係数、Dはロール直径、
Pは圧延荷重を表し、そして、Δtは区間通過時間、即
ち、ゾーン内の搬送時間となる。また、添字a、b、c
は、加工発熱、鋼板とロールとの熱伝達、摩擦発熱を意
味する。
0で測定したFETを出発点として、各ゾーンでの温度
降下ΔTを順次求めていき、FDT計40の位置でのF
DT計算温度が求められることになる。
注水パターンを変更し、FET計30で測定したFE
T、ゾーン内の搬送時間の情報を参照して、上述した式
を用いて、各切板に対する、FDT計40の位置でのF
DT計算温度を求め、どの注水パターンが最適であるか
を決定する。計算に必要な定数は、予め設定されている
ものとする。
ケーリング装置50および圧延スタンドに対応するゾー
ン以外のゾーンは、全て空冷の温度計算区間となり、空
冷区間での温度変化が小さく、FDT計40の配置位置
での温度は、FDT目標値より、かなり高くなってい
る。そこで、次に、別の注水パターンを仮定し、温度計
算を行ったものが、実線(2)であり、実線(2)に対
する注水パターンによれば、新たに冷却設備aを注水状
態にし(符号aで示すゾーンの太線で表現する)、水冷
区間を設定することになる。この結果、FDT計40の
配置位置での温度は、FDT目標値に近づいた。
度計算を行ったものを示したのが、実線(3)であり、
これに対する注水パターンは、新たに冷却設備bも注水
状態にし(符号bで示すゾーンの太線で表現する)、水
冷区間を設定したため、FDT計40の配置位置での温
度は、FDT目標値により近づいた。同様に、別の注水
パターンを仮定して、温度計算を行ったものを示したの
が、実線(4)であり、これに対する注水パターンは、
新たに冷却設備cも注水状態にし(符号cで示すゾーン
の太線で表現する)、水冷区間を設定したため、FDT
計40の配置位置での温度は、FDT目標値よりも低く
なった。
「FDT計算値−FDT目標値」が正であり、かつ、最
もその差が小さくなる注水パターン(実線(3)に対応
する注水パターン)と、「FDT計算値−FDT目標
値」が負であり、かつ、最もその差が小さくなる注水パ
ターン(実線(4)に対応する注水パターン)とで、
「FDT計算値−FDT目標値」の絶対値が小さくなる
ほうのパターン(実線(4)に対応する注水パターン)
を、注水パターンとして決定し、該注水パターンが示す
冷却装置の注水、停止状態を、図2に示すような注水テ
ーブルに記憶させておく処理を行う。以上のようにし
て、注水パターン決定装置200によって、注水パター
ンが求まる。
る、各ゾーン内における切板の搬送時間を求める手法に
ついて、図20、21、22を参照して説明する。図2
0は、FET計30、設備n、FDT計40が圧延工程
内に配置され、注目する切板aが、設備nのゾーンを通
過する通過時間、即ち、ゾーンの入側から出側までの搬
送予定時間を求めるための説明図である。各ゾーンの長
さは圧延工程内で予め定めておけばよく、図20の場合
は、説明の都合上一例を示したに過ぎない。
る)が、FET計30の位置に存在するとし、切板aの
前に既にFET計30を通過した長さ(仮想板長さ)を
Laとすれば、「La=切板長さ×(a−1)」とな
る。また、設備n入側までの仮想長さLn は、FET計
30から設備nの入側までの間に存在する各ゾーンにつ
いて、ゾーン長さ、ゾーンでの鋼板の板厚、および鋼板
の仕上出側板厚を「ゾーン長さ×ゾーンでの鋼板の板厚
/鋼板の仕上出側板厚」に入力して算出し、それらの総
和で求める。また、設備nの出側までの仮想長さLn+1
は、FET計30から設備nの出側までの間に存在する
各ゾーンについて、ゾーン長さ、ゾーンでの鋼板の板
厚、および鋼板の仕上出側板厚を「ゾーン長さ×ゾーン
での鋼板の板厚/鋼板の仕上出側板厚」に入力して算出
し、それらの総和で求める。
き、切板aが設備n入側の位置に存在するときの、FE
T計30を通過した仮想板長さは、「La+Ln 」であ
り、また、切板aが設備n出側の位置に存在するとき
の、FET計30を通過した仮想板長さは、「La+L
n+1 」となる。したがって、FET計30を通過した仮
想板長さが「La+Ln 」と「La+Ln+1 」のときの
時間差が、切板aが、設備nの入側から出側に行くまで
の通過時間、即ち、設備nのゾーンの搬送予定時間とな
る。
る速度パターンは、例えば図21に図示したものであ
り、このような速度パターンは予め定められているもの
とし、速度パターンは、横軸に、鋼板先端がFET計3
0を通過してからの時間を示し、縦軸に、鋼板の仕上出
側(F7側)相当の速度をとったものである。そして、
図21に示すように、速度パターンの各折点での「L:
仮想板長さ、v:速度、t:先端がFET計を通過して
からの時間、a:加速度」も、夫々(L0、v0、t
0、a0)、(L1、v1、t1、a1)、(L2、v
2、t2、a2)、(L3、v3、t3、a3)として
予め与えられている。なお、折点での「L、v、t、
a」は、スレッディング速度、トップ速度、板厚、材料
長さ等によって決定される。
ら、それぞれの切板が各ゾーンに到着するまでの搬送時
刻は、図21の速度パターンを時間積分すると距離とな
るから、前記速度パターンを速度と加速度に基づいて、
ある時間まで積分した値が、仮想板長さ「La+Ln 」
に等しくなるとして求める。また、切板が設備nの入側
に到着してから該出側に到着するまでのゾーン内の搬送
予定時間は、前記速度パターンを速度と加速度に基づい
て、ある時間まで積分した値が、仮想板長さ「La+L
n+1 」に等しくなるとして求めた時間から、前記仮想板
長さ「La+L n 」に等しくなるとして求めた時間を引
いて求める。例えば、仮想板長さ「La+Ln 」に等し
くなる場合の時間が、図22(a)に示すように時間t
1よりも小さく、仮想板長さ「La+Ln+1 」に等しく
なる場合の時間が、図22(b)に示すように時間t1
よりも大きく、かつ時間t2よりも小さい場合について
具体的に説明する。
の時間Δtを求める。今、図22(a)において、斜線
で示す面積Sは、FET計30を通過した仮想板長さ
「La+Ln 」に相当するものとする。これは、速度を
時間積分すると距離になるからである。よって、「S=
La+Ln 」として、Δtを求める。具体的には、「S
(=La+Ln )=v0×Δt+0.5×a0×Δt×
Δt」より、Δtについての2次方程式が得られ、これ
を解いてΔt、即ち、切板aが設備n入側に到達するま
での時間を求める。
設備n出側に到達するまでの時間「t1+Δt’」の求
め方について説明する。なお、t1は、最初の折点aに
対する時間である。今、FET計30を通過した仮想板
長さ「La+Ln+1 」から、時間t1での仮想板長さL
1を減算した値、「La+Ln+1 −L1」からΔt’を
求めることを考える。なお、「La+Ln+1 」、L1の
値は、既に分かっている。右下斜め斜線で示す面積S1
と右上斜め斜線で示す面積S2とが、FET計30を通
過した仮想板長さ「La+Ln+1 」に相当する。今、t
0 =0なので、「S1(=L1)=v0×t1+0.5
×a0×t1×t1」、「S2(=La+Ln+1 −L
1)=v1×Δt’+0.5×a1×Δt’×Δt’」
より、「S1+S2=La+Ln+1 =(v0×t1+
0.5×a0×t1×t1)+(v1×Δt’+0.5
×a1×Δt’×Δt’)」より、Δt’についての2
次方程式が得られ、これを解いてΔt’を求める。そし
て、Δt、Δt’、t1が分かれば、「t1+Δt’−
Δt」なる演算を行うことにより、切板aの、設備nの
ゾーン内の搬送予定時間が求まることになる。
0は、1つの切板(a)がFET計30の位置に到達し
たときに、既にFET計30を通過した仮想板長さ(L
a)を求めておき、さらに、あるゾーンを構成する2点
(設備nの入側と出側)に到達したときの、FET計3
0を通過した仮想板長さ(La+Ln とLa+Ln+1)
を各点毎に求め、2点での仮想板長さ(La+Ln 、L
a+Ln+1 )に対応する時間を、速度パターンを用いて
求めることにより、各ゾーンでの搬送時間を求める。
の効果について説明する。図7は、圧延条件、図8
(b)、(a)は従来の注水パターン、FDTの実績、
図8(d)、(c)は本発明の注水パターン、FDTの
実績を示している。
圧延が終了しても、圧延速度の変化によるスキッドマー
クは残るため、FETに凹凸が見られる。従来の注水パ
ターンの設定は、FETのサーマルランダウン(時間と
ともに温度低下すること)と、F7速度の変化(図7
(b))とを考慮して求めるものであり、切板毎の制御
概念はなかった。したがって、圧延速度を増すにつれ
て、注水量が多くなるように、また、圧延速度が一定の
場合には、時間経過にしたがってFETが低下するの
で、ストリップクーラントの注水量が少なくなるよう
に、図8(b)に示すような注水パターンを決定してい
た。このように、スキッドマークに対応する注水量の増
減を行うように、注水パターンを決定していないため、
図8(a)に示すように、FDT実績値の経時変化は、
目標値を中心に、その許容範囲を越えるような凹凸の変
化が見られることになる。一方、本発明による方法によ
れば、切板毎にFETを把握して注水パターンを決定す
るので、スキッドマークによるFETの凹凸状の変化に
合わせて、ストリップクーラントの注水量を増減するこ
とが可能となる。したがって、図8(b)に示す従来の
注水パターンに対し、図8(d)の斜線部で示されるよ
うに、FETが比較的高い部分での注水量を増やし、逆
に、FETが比較的低い部分での注水量を減らすような
注水パターンが決定され、結果として、実線に示すよう
な注水パターンで注水が行われることになる。これによ
り、FDTの変動は従来よりも少なくなり、図8(c)
に示すように、コイル全長に渡って、目標値を中心とす
る許容範囲内に収まるように、FDTを制御することが
できた。
する。本実施形態は、FDT目標値に対して、鋼板長手
方向の補正を行う点に特徴がある。そして、この補正は
切板単位で行う。
補正、加速部補正、定常部補正、尾端部補正等が挙げら
れ、この様子を図9に示す。鋼板の先端から尾端にかけ
て、先端部のFDT目標値の補正を考慮する「先端部補
正」、鋼板が加速される部分のFDT目標値の補正を考
慮する「加速部補正」、鋼板が定常速度になる部分のF
DT目標値の補正を考慮する「定常部補正」、尾端部の
FDT目標値の補正を考慮する「尾端部補正」が、示さ
れている。もちろん、これらは、FDT目標値の補正の
一例であり、これらの補正は、予め、切板単位で設定さ
れているものとする。そして、図1に示す注水パターン
決定装置200は、図示しない入力装置を介して、これ
らの補正を指示する情報が与えられたとき、これらの情
報を、図示しない、補正テーブルに格納し、この格納内
容を参照して、温度補正を考慮した注水パターンを決定
する点に、本実施形態の特徴がある。補正テーブルは、
注水パターン決定装置200に設けておいたRAM等の
記憶デバイスで実現可能である。
板番号と、補正の内容が対応して登録されている。な
お、各補正の内容は、FDT目標温度に所定値を加算ま
たは減算して補正することが挙げられる。もちろん、全
ての切板に対して補正を行わなくてもよく、補正を行わ
ない切板に対しては、通常のFDT目標値を用いて、注
水パターンを決定すればよい。
1に示すが、図5と同じ動作の説明は省略する。なお、
装置構成は、基本的に図1に示すものでよく、前述した
ように、注水パターン決定装置200が、図9に示すよ
うな補正テーブルを備えているものとする。
は、ステップS502〜S510に対応し、また、ステ
ップS1113〜S1114がステップS512〜S5
14に対応するため、図5に対する新たな処理ステップ
は、ステップS1112のみである。
10までの処理は、ステップS502〜S510までの
処理と同じである。ただし、ステップS1102で、図
示しない入力装置を操作して、補正テーブルに、切板単
位にFDT目標温度を補正するための情報を格納してお
く。
水パターン決定装置200は、予め与えておいたFDT
目標値と、補正テーブルの内容を考慮し、当該切板のF
DT目標値を補正する。例えば、当該切板の補正内容
が、目標値に対して、20(℃)低くする補正である場
合には、「FDT目標値−20」なる温度を、FDT目
標値とする。
プS512以下の処理と同じであるので省略する。この
ように、本実施形態によれば、注水パターンを求める際
に、FDT目標値を、鋼板長さ方向に変化するように予
め定めた補正値で補正しておくので、より適切かつ精度
良く、FDTの値を目標値に近づけるFDT制御を行う
ことが可能となる。
明する。まず、先端部補正の必要性を説明する。鋼板1
の最先端エッヂ部は、その側面と進行方向の面とから熱
が放出されるため、他の部分と比べて、温度降下が顕著
であり、特に水冷が行われると、最先端部の温度が急激
に低下し、最先端エッヂ部が硬化して、圧延スタンド噛
み込み時に、ワークロールを損傷させる事態も生じう
る。なお、このワークロールの損傷による傷が圧延過程
で鋼板に転写されると、通常、ロールマークと称される
ような鋼板の品質の劣化につながる。また、次に圧延が
行われるべき圧延スタンドまで進行する間、鋼板に張力
が作用しない時に、冷却装置からの注水作用が、鋼板の
上下面で異なると鋼板先端に反りが生じて、次に圧延が
行われるべき圧延スタンドに正確に噛み込まず圧延処理
を中断するおそれがあった。したがって、先端部の冷却
は、他の部分より少なめに行うか、または、行わないこ
とが望ましい。
FDT目標値に補正値を加えて、先端部のFDT目標値
を通常のFDT目標値よりも高くする。例えば、図12
に示すように、最先端部に相当する切板から3枚目の切
板までに対するFDT目標値をFDT許容上限(要求さ
れる品質から定められる)となるように、補正値を加え
るとともに、4枚目の切板より尾端側の切板に対して
は、補正を行わず、通常のFDT目標温度を目標値とし
ている。
としたため、図13(b)に示すように、先端部に対す
る注水動作は行われず、注水動作が遅れて行われること
になる。これにより、図13(a)に示すように、先端
から3枚目の切板付近までに対するFDTは高いもの
の、ロールマークが生じず、その後、略FDT目標値に
制御される。なお、ステンレス等の鋼材に対しては、特
に、先端部での水冷による反りが発生しなくなり、通板
が安定して行われることを確認した。
行った場合、例えば、最先端部から30切板目まで補正
を行った場合の効果を、FDT温度ばらつきの点から示
したものであり、図14(a)は補正を行わなかった場
合、図14(b)は補正を行った場合を示している。図
中、横軸は、先端部の特定位置におけるFDTの実績値
を示しており、縦軸は、割合を示している。この場合、
FDT許容下限温度は、通常のFDT目標値−20
(℃)、FDT許容上限温度は、通常のFDT目標値+
50(℃)であり、補正を行わない場合、FDT許容下
限温度を越えてしまうものが、一定の確率で生じてしま
うが、先端部の目標値を5℃上げる補正を行った場合に
は、全てFDT許容範囲内に収まったことを確認した。
うことにより、鋼板先端部の過冷却を防止し、そのFD
Tを、FDT許容範囲内に収めることができる。次に、
鋼板が加速する場合の補正(加速部補正)について説明
する。
に、鋼板が、所定数番目の切板から圧延速度が速くなる
加速度部を有する場合であって、この場合には、図15
(a)に示すように、加速の影響により、温度計算値と
FDTの実績が異なり、実際のFDT(FDT実績値)
が、温度計算値より小さくなる。これは、冷却装置中を
加速しながら進行するときの、注水タイミングの設定が
ずれていることなどが原因となっている。図15は、鋼
板の加速の影響により、注水タイミングが早すぎる場合
である。そこで、図15(c)に示すように、加速部の
FDT目標値を補正する。具体的には、温度計算値とF
DT実績値の差である20(℃)分、所定長さの切板の
FDT目標値に補正値を加える。その結果、図15
(d)実線に示すように、FDTの実績を本来のFDT
目標値に近づけることができた。なお、図15(d)点
線は、補正をしない場合のFDTの推移を示しており、
鋼板の加速によって、本来のFDT目標値と実際のFD
Tの値との差が大きくなることが示されている。このこ
とを、さらに具体的に、図16を参照して説明する。図
16(a)〜(c)は、従来の問題点について、図16
(d)〜(f)は、本発明の効果についての説明図であ
る。
比較的大きな加速度で鋼板を進行させながら圧延処理す
るケースを示しており、この加速によって、注水タイミ
ングが早くなるように注水タイミングがずれてしまい、
図16(c)に示すように、FDT目標値に対して、1
0(℃)も、実際のFDTが下がってしまうことを示し
ている。なお、この場合の、冷却設備の注水量を図16
(b)に示す。これに対して、本発明では、図16
(d)に示すように、加速部に対応する切板のFDT目
標値を、FDT降下分(10(℃))だけ補正する。具
体的には、加速部に対応する切板のFDT目標値に、1
0(℃)に相当する補正値を加えたものを、FDT目標
とする。
従来に比べて、注水動作の開始タイミングが遅くなり、
加速部に対しても、注水を多くしすぎることがなくな
り、結果として、図16(f)に示す様に、従来存在し
たFDTの加速部での降下は生じないことになった。こ
のように、加速部に対応する切板のFDT目標値を、F
DT降下分(10(℃))だけ補正することにより、従
来存在したFDTの加速部での降下は生じない。
になる場合(定常部)を想定して、図16(d)に示す
ように、補正値で補正する部分の長さaを定めておき、
定速度になった後は、補正を行わないFDT目標値を用
いる(定常部補正)ことによって、鋼板が加速後、定速
度進行しても、図16(f)に示すように、従来存在し
ていたFDTの加速部での降下を除去しつつ、定速度に
対しても、本来のFDT目標値になるような制御を行う
ことが可能になる。
するケース(尾端部補正)について、図17を参照して
説明する。鋼板尾端部も、鋼板先端部同様に、ロールマ
ークが生じやすい部分であるので、鋼板尾端部に対する
注水動作を行わないようにすることが望ましい。
板までのFDT目標値に対して補正を行った様子を示し
ており、この場合、制御する上での目標値がFDT許容
上限となるように補正値を設定している。これにより、
図17(b)に示すように、実線で示す従来例に比べ
て、冷却設備による注水動作が早めに終了する。これ
は、尾端部でのFDT目標値を補正して、通常のFDT
目標値よりも高く設定したため、冷却設備の注水動作が
停止されるように制御されたからである。図17(c)
には、この時のFDTの変化の様子を示しており、尾端
部近辺のFDTは若干上昇するものの、ロールマークの
発生抑制には、顕著な効果を奏する。
圧延速度と、尾端部が仕上ミルを抜け出すときの速度差
が非常に大きな場合の圧延速度を示しており、このケー
スでも、加速度補正で説明したのと同様な理由により、
制御誤差が生じてしまう。
に示すように、減速の加速度を考慮して、減速部に対応
する所定部分の切板のFDT目標値を補正して、即ち、
減速部に対応する所定部分の切板のFDT目標値に対し
て補正値を加えて、冷却設備の注水動作を早めに停止さ
せる。図18(b)は、点線で示す従来例に比べて、補
正によって、冷却設備の注水動作を早めに停止し(早止
め)、尾端部の冷却が早めに停止されている様子を示し
ている。これにより、図18(d)に示すように、点線
で示す従来例のように、冷却装置の停止タイミングが遅
くなり、FDTの実績が本来のFDT目標値より大幅に
低下することはない。即ち、実線で示すように、適切な
停止タイミングで冷却設備の注水が停止するので、FD
Tの実績が本来のFDT目標値より大幅に低下すること
はなくなる。このように、尾端部のFDT目標値を補正
することによって、FDTの極端な低下を防止すること
ができる。
9(a)に示すように、鋼板の加速中に、鋼板尾端部が
仕上ミルを抜けてしまう場合や、例えば、図19(b)
に示すように、最高速度に達する前に、いわゆる尻り抜
け速度までの減速が開始される場合等、各種の圧延速度
パターンに対しても、FDT目標値を補正することによ
って、冷却設備を適切なタイミングで注水、停止制御す
ることができることになる。
に、FDT目標値を、切板単位に予め定めた補正値で補
正するので、より適切かつ精度良く、FDTの実績値を
本来の目標値に近づけるFDT制御を行うことが可能と
なる。
速部補正、定常部補正、尾端部補正は、FDT目標値の
補正の数例にすぎず、切板単位に、FDT目標値を補正
し、補正した目標値に対する注水パターンを求め、鋼板
の冷却を適切に行うものであれば、いかなる態様で補正
値を設定しても良い。即ち、先端部補正、加速部補正、
定常部補正、尾端部補正等は、熱延鋼板の品質管理上、
最も効果のある補正態様を示したにすぎない。なお、各
実施形態において、表示装置を設けておき、表示装置
に、初期条件として入力した情報、FDT目標値を補正
する補正パターンの設定状態、注水パターンの決定情
報、FDTの目標値と実績値等を表示するようにして、
オペレータの手動介入や、装置の動作状態を容易に把握
可能とすると、さらに操作性の良い制御を実現できるこ
とになる。
Tを計測するのではなく、先端部の切板のFETのみを
実測して、先端部以降のFETについては、予め構築し
ていた温度モデルを用いての計算によって求めること、
即ち、FET予測をすることによって、切板毎の注水パ
ターンを求めて、切板毎のFDT制御を行うようにして
も良い。
明によれば、金属板が、複数の切板からなると想定し
て、各切板に対して、仕上圧延設備の入側温度を把握
し、仕上圧延設備内を複数のゾーンに分割したときの、
各ゾーン内での搬送時間を求め、さらに、仕上出側温度
が目標値に最も近くなるような注水パターン、および、
注水タイミングを求め、注水パターンを参照し注水タイ
ミングにしたがって注水動作を行うように各冷却設備を
制御するので、各切板を制御対象とする、高精度のFD
T制御方法が実現できる。
項1において求めた注水タイミングにしたがって注水動
作を行う際に、冷却設備毎に、その注水動作を行う指令
時刻と指令内容とを登録したタイマーテーブルを準備
し、該タイマーテーブルの登録内容にしたがって、各冷
却設備が注水動作を行うので、冷却設備の注水動作制御
を、簡易な装置構成で行うことが可能になる。
項1および2のいずれかにおいて、前記注水パターンを
求める際に、前記目標値を、金属板長さ方向に変化する
ように予め定めた補正値で補正するので、より適切かつ
精度良く、FDTの実績値を本来の目標値に近づけるF
DT制御を行うことが可能となる。
装置を構成する各手段が、金属板が、複数の切板からな
ると想定して、該切板毎に対応する周期で、仕上圧延設
備内を複数のゾーンに分割したときの、各ゾーン内での
切板の搬送時間を求め、さらに、仕上出側温度が目標値
に最も近くなるような注水パターン、および、注水タイ
ミングを求め、注水パターンを参照し注水タイミングに
したがって、注水動作を行うように冷却設備を制御する
ので、各切板を制御対象とする、高精度のFDT制御装
置が実現可能になる。
る。
る。
すフローチャートである。
図である。
図である。
図である。
図である。
補正)の説明図である。
図である。
図である。
である。
である。
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 冷却設備の注水動作によって、熱延金属
板の仕上出側温度(FDT)を制御する方法であって、 金属板を、所定長さを有するように仮想分割した切板か
らなると想定して、 各切板に対して、 仕上圧延設備の入側温度を把握し、 仕上圧延設備を複数のゾーンに分割したときの、各ゾー
ン内での搬送時間を求め、 前記入側温度および前記搬送時間に基づいて、仕上出側
温度(FDT)が目標値に最も近くなるような注水パタ
ーン、および、注水タイミングを求め、前記注水パター
ンを参照し、前記注水タイミングにしたがって、注水動
作を行うように、各冷却設備を制御する、熱延金属板の
仕上出側温度の制御方法。 - 【請求項2】 請求項1において、 求めた注水タイミングにしたがって注水動作を行う際
に、 冷却設備毎に、その注水動作を行う指令時刻と指令内容
とを登録したタイマーテーブルを準備し、 該タイマーテーブルの登録内容にしたがって、各冷却設
備が注水動作を行うことを特徴とする、熱延金属板の仕
上出側温度の制御方法。 - 【請求項3】 請求項1および2のいずれかにおいて、 前記注水パターンを求める際に、前記目標値を、金属板
長さ方向に変化するように予め定めた補正値で補正する
ことを特徴とする、熱延金属板の仕上出側温度の制御方
法。 - 【請求項4】 冷却設備の注水動作によって、熱延金属
板の仕上出側温度(FDT)を制御する装置であって、 仕上圧延設備の入側温度を測定する温度計と、冷却設備
の注水パターンおよび注水タイミングを求める機能を少
なくとも有する処理装置と、を備え、 該処理装置は、 金属板を、所定長さを有するように仮想分割した切板か
らなると想定し、該切板毎に対応して、 仕上圧延設備を複数のゾーンに分割したときの、各ゾー
ン内での切板の搬送時間を求める手段と、前記温度計で
の測定結果、および、各ゾーン内での搬送時間に基づい
て、仕上出側温度(FDT)が目標値に最も近くなるよ
うな注水パターン、および、注水タイミングを求める手
段と、前記注水パターンを参照して、前記注水タイミン
グにしたがって、注水動作を行うように、冷却設備を制
御する手段と、を有する、熱延金属板の仕上出側温度の
制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08254785A JP3117919B2 (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | 熱延金属板の仕上出側温度の制御方法および熱延金属板の仕上出側温度の制御装置 |
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