JP3117800U - イカ釣り針の傘針固定構造およびイカ釣り針 - Google Patents

イカ釣り針の傘針固定構造およびイカ釣り針 Download PDF

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Abstract

【課題】 イカ釣針を引き上げる際の水の抵抗等の力を受けても、イカ釣針が振れたり重くなったり、針の屈曲変形、各針が左右に移動して相互に接近する不具合を防止できる、イカ釣り針の傘針固定構造を提供すること。
【解決手段】 イカ釣り針の傘針の折曲げ部の一部を被覆してこれを固定するための傘針固定構造は、該傘針3を構成する各針をそれぞれ個別に嵌合させるための溝を備えた波形ワッシャー1と、該波形ワッシャー1を該傘針3に対して押圧するための補強用ワッシャー2とからなることを、基本的な構成とする。該波形ワッシャー1の径は、該傘針3の径よりも小さくする。
【選択図】 図1−1

Description

本考案はイカ釣り針の傘針固定構造およびイカ釣り針に係り、特に、釣られたイカや海流等によって力が加わった場合であっても、針の屈曲変形、各針が左右に移動して相互に接近する不具合等を効果的に防止することのできる、イカ釣り針の傘針固定構造およびイカ釣り針に関する。
本願出願人は、イカ釣り針において、傘針の折曲げ部を被覆する補強板の周囲に凹凸襞を圧搾形成し、その凹凸襞によって補強板自体を強固にするとともに、傘針の各針の折曲げ部を襞内に嵌合させる構造を、過去において考案した(特許文献1)。これにより、針の折曲げ部が補強されて、針にイカが引っ掛けられて緊張しても、針が屈曲変形したり、各針が左右に移動して相互に接近したりするような不具合を、ある程度は解消することができる。
昭和38年実用新案登録願第76308号「烏賊釣針」
しかしながら、特許文献1の考案にはなお、次のような問題があった。
(a)該考案の波形ワッシャー(凹凸襞付きの補強板)は、幅広で深い椀形のワッシャーであるため、イカ釣針を引き上げる際に水の抵抗が増してイカ釣針が振れたり、重くなったり、針の屈曲変形や、各針が左右に移動して相互に接近する不具合の防止には、限界がある。
(b)また、イカ釣針に対して横方向から当たる海流等の力により流される度合いが大きい。
(c)特にそでイカ用釣針のように傘針が大形のものである場合には、これらの欠点は、より重大である。
本考案が解決しようとする課題は、かかる上記従来技術の問題点を解消し、イカ釣針を引き上げる際の水の抵抗の増加や、横方向から当たる海流等の力を受けても、イカ釣針が振れたり重くなったりする不具合、針の屈曲変形、各針が左右に移動して相互に接近する不具合を、より効果的に防止することのできる、イカ釣り針の傘針固定構造およびイカ釣り針を提供することである。
本願考案者は上記課題について検討した結果、従来技術においては傘針の折曲げ部を広く深く被覆していた波形ワッシャーの被覆度合いを改善し、さらに補強用のワッシャーを別途設けて併用することによりこれを解決できることを見出し、本考案に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で実用新案登録請求される考案、もしくは少なくとも開示される考案は、以下の通りである。
(1) イカ釣り針の傘針の折曲げ部の一部を被覆してこれを固定するためのイカ釣り針の傘針固定構造であって、該構造は、該傘針を構成する各針をそれぞれ個別に嵌合させるための凹凸襞を備えた波形ワッシャーと、該波形ワッシャーを該傘針に対して押圧するための補強用ワッシャーとからなることを特徴とする、イカ釣り針の傘針固定構造。
(2) 前記波形ワッシャーは、これによる被覆が、略U字状をなす前記傘針の折曲げ部のうち、先端側の直線部より手前側すなわち底辺部に対してなされるように形成されていることを特徴とする、(1)に記載のイカ釣り針の傘針固定構造。
(3) 前記波形ワッシャーは、その径が、前記底辺部の直線部の径の1/5以上4/5以下に形成されていることを特徴とする、(1)または(2)に記載のイカ釣り針の傘針固定構造。
(4) 前記補強用ワッシャーは前記波形ワッシャーと同一径かもしくはこれよりも小径に形成されていることを特徴とする、(1)ないし(3)のいずれかに記載のイカ釣り針の傘針固定構造。
(5) 前記波形ワッシャーの凹凸襞の溝は、前記傘針の各針の線径以上の深さに形成されていることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載のイカ釣り針の傘針固定構造。
(6) 前記補強用ワッシャーは前記波形ワッシャーよりも厚手に形成されていることを特徴とする、(1)ないし(5)のいずれかに記載のイカ釣り針の傘針固定構造。
(7) (1)ないし(6)のいずれかに記載の傘針固定構造を用いてなることを特徴とする、イカ釣り針。
本考案のイカ釣り針の傘針固定構造およびイカ釣り針は上述のように構成されるため、これによれば、イカ釣針を引き上げる際の水の抵抗の増加や、横方向から当たる海流等の力を受けても、イカ釣針が振れたり重くなったりする不具合や、針の屈曲変形の不具合、さらにはまた、各針が左右に移動して相互に接近する不具合を、より効果的かつ実用的に防止することができる。
つまり本考案の構造は、傘針の底部全体を被覆し、それ自体に水の抵抗が大きく掛かるような幅広で深い椀形の従来技術とは異なり、より小径かつ浅い構造を用いるものであり、それ故に、イカ釣針を引き上げる際の水の抵抗は相当小さくなり、したがってイカ釣針が振れたり、重くなったりすることが、有効に防止される。それにより、針の屈曲変形や、各針が左右に移動して相互に接近するような不具合も防止される。
また、イカ釣針に対して横方向から当たる海流等の力も、従来技術より軽減されるため、海流等により流される不具合も相当軽減され、各針が左右に移動して相互に接近するような不具合が防止される。特にそでイカのような大型のイカ用の釣針においては、これら本考案の効果は絶大なものがある。
以下、本考案を図面により詳細に説明する。
図1−1は、本考案のイカ釣り針の傘針固定構造の実施例について、組み立てられたイカ釣り針の傘針側から見た写真図である。同様に、
図1−2は、図1−1に示す実施例について、側方から見た写真図、
図1−3は、図1−1に示す実施例について、傘針側からの斜視の写真図、そして、
図1−4は、図1−1に示す実施例について、撚り戻し具側からの斜視の写真図である。また、
図2は、本実施例傘針固定構造を用いたイカ釣り針の全体を示す写真図である。
これらの図に示されるようにイカ釣り針の傘針の折曲げ部の一部を被覆してこれを固定するための本考案の構造は、該傘針3を構成する各針をそれぞれ個別に嵌合させるための凹凸襞、つまり溝を備えた波形ワッシャー1と、該波形ワッシャー1を該傘針3に対して押圧するための補強用ワッシャー2とからなることを、基本的な構成とする。
かかる構成により本発明傘針固定構造では、該傘針3を構成する各針は、該波形ワッシャー1の凹凸襞(溝)にそれぞれ個別に嵌合がなされ、さらに該補強用ワッシャー2が該波形ワッシャー1の外方から該傘針3に対して押圧され、これら2種のワッシャー1、2は挿通される軸杆5の先端に設けられた止め輪4をもって固定されるとともに、該傘針3の姿勢を固定した状態で押圧する。
各図に示されるように該波形ワッシャー1は、これによる被覆が、略U字状をなす前記傘針3の折曲げ部のうち、先端側の直線部より手前側、すなわち底辺部に対してなされるように形成されている。したがって、傘針補強構造の平面面積は比較的狭く、また椀形構造のように水の逃げ場のない構造ではないため、イカ釣り針を上方に引き上げる際の上方からの水の抵抗が少ない。したがって、イカ釣針が振れたり、重くなったりすることが、有効に防止され、さらに針の屈曲変形や、各針が左右に移動して相互に接近するような不具合防止に効果がある。
上述の水の抵抗を弱める効果を確実に得るために、前記波形ワッシャー1は、その径を特に、前記底辺部の直線部の径の1/5以上4/5以下に形成されたものとしてもよい。より望ましくは、底辺部の直線部の径の2/3程度にすると、一層実用性が向上する。たとえば、傘針底辺部の直線部の径が33mmである場合は、該波形ワッシャーの径は約22mmとすれば、得られる結果は良好である。
図3、4、5はいずれも、本考案の傘針固定構造における波形ワッシャーと補強用ワッシャーの別の構成例を示す平面視の説明図である。これらに示されるように、補強用ワッシャー22等は波形ワッシャー12等と比較して、小径であっても、また同一径もしくは略同一径であってもよい。また図5のように補強用ワッシャー24の方が波形ワッシャー14よりも大径であることも、本考案は排除しないが、上方からの水の抵抗を受けやすくなるため、図1−1等、あるいは図3、4のように、補強用ワッシャーは波形ワッシャーと同一径かもしくはこれよりも小径に形成されていることが望ましい。
図6−1、6−2は、図1−1等に示した実施例において、傘針固定構造を設ける前の状態の傘針を示す、それぞれ平面視、略側面視の写真図である。図1−1等との比較で明らかなように、本考案の傘針固定構造は上記従来技術よりもその全体サイズが小さく、水の抵抗等による影響が相当軽減される構造のものである。
図1−1等の実施例で示されるように、前記波形ワッシャー1の凹凸襞つまり溝は、前記傘針3の各針の線径以上の深さに形成されていることが望ましい。すなわち、該傘針3において放射状に広がる針先が嵌合するように、凹凸に成形された該波形ワッシャー1の溝によって、各針先相互の接近を確実に防止するためには、溝の深さを各針の線径以上の深さに設定することが望ましい。かかる構成により、各針がその弾力によって溝から外れてしまう恐れを解消することができる。
たとえば、線径2mmの線材により針を形成する場合、溝の深さは2mm以上とするのがよい。なお、このようにして溝を望ましい深さに成形するためには、針先相互の間隙の広さの設定には限界があることを考慮し、前記波形ワッシャーの板材として板厚の薄い板材(たとえば溝深さ2mm以上の場合は0.5mmの板厚のもの等)を使用すれば、良好な結果が得られる。
また、前記補強用ワッシャー2は前記波形ワッシャー1よりも厚手の材料を用いて形成されたものとすることができる。本考案の傘針固定構造は、2種のワッシャー1、2を併せ用いることによりなるが、もし薄い板材で成形加工した波形ワッシャーのみを使用した場合は、針先に掛かったイカの重量により、U字状に曲げられた針先底辺部が押し上げられ、各針先が開くように曲がって変形してしまい、接触している波形ワッシャーも変形して溝が浅い状態となってしまい、各針先相互が接近することとなってしまうことが避けられない。この問題は、イカがそでイカ等の大形であるほど、重大となる。
本考案では補強用ワッシャー2を用いることにより、これを有効に防止することができる。つまり、該補強用ワッシャー2を該波形ワッシャー1に重ねて取着し固定することによって、傘針3の各針の曲がりが防止され、その結果、荷重よる波形ワッシャー1の変形が防示される。
たとえば、波形ワッシャーとして上述の0.5mm厚の板材を用いる場合は、これよりも厚手の1mm程度の板厚の材料により、補強用ワッシャーを形成すれば、良好な結果が得られる。
図7−1、7−2は、図1−1等に示す実施例に用いる波形ワッシャーの各平面視、側面視の写真図である。また、
図8−1、8−2は、図1−1等に示す実施例に用いる補強用ワッシャーの各平面視、側面視の写真図である。
本考案の傘針固定構造を用いて、傘針の姿勢・位置が良好かつ確実に固定されたイカ釣り針を形成することができる。これにより、針の変形が防止されてイカ釣り針の耐久性が向上し、かつイカ釣りにおけるイカの脱落や釣り上げ過程における余計な労力の軽減がなされるため、大形のそでイカ等のイカ釣りを始めとして、イカ釣り漁業および関連分野において、利用価値の高い考案である。
本考案のイカ釣り針の傘針固定構造の実施例について、組み立てられたイカ釣り針の傘針側から見た写真図である。 図1−1に示す実施例について、側方から見た写真図である。 図1−1に示す実施例について、傘針側からの斜視の写真図である。 図1−1に示す実施例について、撚り戻し具側からの斜視の写真図である。 本実施例傘針固定構造を用いたイカ釣り針の全体を示す写真図である。 本考案の傘針固定構造における波形ワッシャーと補強用ワッシャーの別の構成例を示す平面視の説明図である。 本考案の傘針固定構造における波形ワッシャーと補強用ワッシャーの別の構成例を示す平面視の説明図である。 本考案の傘針固定構造における波形ワッシャーと補強用ワッシャーの別の構成例を示す平面視の説明図である。
図1−1等に示した実施例において、傘針固定構造を設ける前の状態の傘針を示す平面視の写真図である。 図1−1等に示した実施例において、傘針固定構造を設ける前の状態の傘針を示す略側面視の写真図である。 図1−1等に示す実施例に用いる波形ワッシャーの平面視の写真図である。 図1−1等に示す実施例に用いる波形ワッシャーの側面視の写真図である。 図1−1等に示す実施例に用いる補強用ワッシャーの平面視の写真図である。 図1−1等に示す実施例に用いる補強用ワッシャーの側面視の写真図である。
符号の説明
1、12、13、14…波形ワッシャー
2、22、23、24…補強用ワッシャー
3…傘針
4…止め輪
5…軸杆
6…外装筒体

Claims (7)

  1. イカ釣り針の傘針の折曲げ部の一部を被覆してこれを固定するためのイカ釣り針の傘針固定構造であって、該構造は、該傘針を構成する各針をそれぞれ個別に嵌合させるための凹凸襞を備えた波形ワッシャーと、該波形ワッシャーを該傘針に対して押圧するための補強用ワッシャーとからなることを特徴とする、イカ釣り針の傘針固定構造。
  2. 前記波形ワッシャーは、これによる被覆が、略U字状をなす前記傘針の折曲げ部のうち、先端側の直線部より手前側すなわち底辺部に対してなされるように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のイカ釣り針の傘針固定構造。
  3. 前記波形ワッシャーは、その径が、前記底辺部の直線部の径の1/5以上4/5以下に形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のイカ釣り針の傘針固定構造。
  4. 前記補強用ワッシャーは前記波形ワッシャーと同一径かもしくはこれよりも小径に形成されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のイカ釣り針の傘針固定構造。
  5. 前記波形ワッシャーの凹凸襞の溝は、前記傘針の各針の線径以上の深さに形成されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のイカ釣り針の傘針固定構造。
  6. 前記補強用ワッシャーは前記波形ワッシャーよりも厚手に形成されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載のイカ釣り針の傘針固定構造。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の傘針固定構造を用いてなることを特徴とする、イカ釣り針。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20170001246U (ko) * 2015-10-01 2017-04-11 김봉진 주꾸미 낚싯바늘
KR20170001270U (ko) * 2015-10-02 2017-04-12 김봉진 오징어 낚싯바늘
KR200485442Y1 (ko) * 2016-11-14 2018-02-21 김봉진 문어 낚싯바늘 유닛

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