JP3116281B2 - 食品その他の要鮮度保持品の鮮度保持法 - Google Patents

食品その他の要鮮度保持品の鮮度保持法

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JP3116281B2 JP24163290A JP24163290A JP3116281B2 JP 3116281 B2 JP3116281 B2 JP 3116281B2 JP 24163290 A JP24163290 A JP 24163290A JP 24163290 A JP24163290 A JP 24163290A JP 3116281 B2 JP3116281 B2 JP 3116281B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、食品その他の要鮮度保持品を容器内に収容
したままその内部を減圧し、次いでこの内部に鮮度保持
用ガスを充填してその内部をそれら収容物の鮮度保持に
好適なガス組成にするのを可能とし、更にその後容器の
密封作業を不要にして、食品その他の要鮮度保持品の鮮
度保持のための取扱いを容易に行えるようにした鮮度保
持法に関する。
〔従来の技術〕
従来、食品その他の要鮮度保持品は出荷元から出荷す
る場合、適宜な容器やフィルム等の包装体を利用して、
それらの鮮度保持に好適なガス組成下に密封包装して出
荷するときがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
このようにしたときには、要鮮度保持品が野菜類、果
物の場合には、それの生理代謝や呼吸作用によって損耗
や退色したり、又魚類、肉類の場合には、退色したりす
るのを有効に防止して鮮度の保持には効果的である。し
かし、これら要鮮度保持品を適宜な容器やフィルム等の
包装体を利用して、その鮮度保持に好適なガス組成下に
密封包装することは、その作業自体が面倒である。とり
わけ、大量、且つ迅速にこれら要鮮度保持品の鮮度保持
のための取扱いを行うことに支障がある。
こうした従来の問題点に鑑み、本発明者は、要鮮度保
持品の鮮度保持のための取扱いを容易に行えることを可
能とする研究を目ざし、本発明に至ったのである。
〔課題を解決するための手段〕
このように食品その他の要鮮度保持品の鮮度保持のた
めの取扱いを容易に行えるようにすることを目的とし
て、請求項1に係る発明は、発泡合成樹脂製の容器本体
と蓋体との接合部に互いに嵌合する嵌合手段の一方と他
方とを設け、両嵌合手段の接合面にこの嵌合手段の長さ
方向に通気路を設けるとともに、該通気路の適所に該通
気路から容器内に連通する内面側開口を設け、該内面側
開口から嵌合手段の長さ方向に所定の距離を隔てた位置
に通気路から容器外に連通する外面側開口を設けること
により、閉蓋時に容器内外に連通し、この内外に圧力差
が存在しない場合には自由な空気又は他のガスの流動が
実質的に遮断される断面積及び/又は長さとした通気用
連通部が形成された容器内に、食品その他の要鮮度保持
品を収容して閉蓋する工程と、前記通気用連通部を通じ
て容器内の空気のほぼ全体又は一部を強制脱気する工程
と、前記通気用連通部を通じて容器内に鮮度保持用ガス
を充填する工程と、よりなる食品その他の要鮮度保持品
の鮮度保持法を、又、請求項2に係る発明は、強制予
冷、差圧予冷、真空予冷等の各予冷法で一定温度に調整
され、且つ発泡合成樹脂製の容器本体と蓋体との接合部
に互いに嵌合する嵌合手段の一方と他方とを設け、両嵌
合手段の接合面にこの嵌合手段の長さ方向に通気路を設
けるとともに、該通気路の適所に該通気路から容器内に
連通する内面側開口を設け、該内面側開口から嵌合手段
の長さ方向に所定の距離を隔てた位置に通気路から容器
外に連通する外面側開口を設けることにより、閉蓋時に
容器内外に連通し、この内外に圧力差が存在しない場合
には自由な空気又は他のガスの流動が実質的に遮断され
る断面積及び/又は長さとした通気用連通部が形成され
た容器内に、食品その他の要鮮度保持品を収容して閉蓋
する工程と、脱気チャンバー内で前記通気用連通部を通
じて容器内の空気のほぼ全体又は一部を強制脱気する工
程と、前記脱気チャンバー内で前記通気用連通部を通じ
て容器内に鮮度保持用ガスを充填する工程と、よりなる
食品その他の要鮮度保持品の鮮度保持法をそれぞれ要旨
とする。又、請求項3では、請求項1、2に係る食品そ
の他の要鮮度保持品の鮮度保持法において、容器が、嵌
合手段の一方及び/又は他方の接合面側にこの嵌合手段
の長さ方向に所要の長さの通気路となる凹溝を設け、こ
の凹溝の一端に容器内に向けた内面側開口を、他端に容
器外に向けた外面側開口をそれぞれ設けた保冷容器であ
るものを例示した。更に、請求項4では、鮮度保持用ガ
スの充填後の容器内のガス組成が、収容物の生理代謝や
呼吸作用又は酸化作用を抑制するのに好適な状態に調整
されたことを例示した。又、請求項5では、容器内に充
填する鮮度保持用ガスのガス圧を大気圧以上にすること
を、又請求項6では、鮮度保持用ガスとして、低温のも
のを利用することをそれぞれ例示した。そして、請求項
7では、鮮度保持用ガスとして、常温のものを利用する
ことを例示した。
〔作 用〕
而して、食品その他の要鮮度保持品を容器内に収容し
て閉蓋し、これをその内部を減圧状態にできる、例えば
真空チャンバー内に収納し、この真空チャンバー内を減
圧させることで、容器内の空気のほぼ全体又は一部を容
器本体と蓋体との嵌合手段の接合面に設けた通気用連通
部を通じて強制脱気させ、次いで真空チャンバー内を復
圧させるときに、この復圧用ガスに要鮮度保持品の鮮度
保持用ガスを用い、続いて容器内にこのガスを充填し、
容器内を収容物の鮮度保持に好適なガス組成下におくも
のである。この容器内からの脱気時には、通気用連通部
の持つ容器内外に圧力差が存在しない場合には自由な空
気又は他のガスの流動の実質的な遮断効果に抗して容器
内部の空気が強制的に排気され、又容器内に鮮度保持用
ガスを充填して容器内外の圧力がほぼ同圧になった後に
は容器内部に鮮度保持用ガス又はこれと空気の混合ガス
が充満するとともに、この通気用連通部の自由な空気又
は他のガスの流動の実質的な遮断効果によって容器に外
部の空気が流入することが遮断され、容器内部に鮮度保
持用ガス又はこれと空気の混合ガスが実質的に封入状態
で保持されるのである。
〔実施例〕
本発明に係る食品その他の要鮮度保持品の鮮度保持法
の詳細を容器の一例として保冷容器を用い、その内部に
要鮮度保持品を収容して閉蓋し、これを真空チャンバー
内に収納し、内部の収容物を予冷した後、容器内部に鮮
度保持用ガスを充填する場合を想定して説明する。第1
図,第2図にはこうした保冷容器の態様の一例を示して
いる。図中1として示すのは発泡合成樹脂製の上面が開
口した函体状の容器本体、2はこの容器本体1の上面開
口を気密状態で閉止する同じく発泡合成樹脂製の蓋体で
ある。この保冷容器は、容器本体1に対して蓋体2を気
密状態で閉止できるようにその両者の接合部に嵌合手段
を設けている。図示した容器では、容器本体1の側壁3
上面の内面側に沿って凸条4をその側壁3の全周に設け
るとともに、蓋体2の下面外周にはこの凸条4に嵌合さ
れる凹5を同じくその下面外周の全周に設けている。そ
して、この容器を閉蓋したときには、容器本体1側の凸
条4に蓋体2側の凹条5が嵌合されるのであるが、この
とき凸条4と凹条5の間に内外連通する通気用連通部6
が形成されるように、蓋体2の対角線位置にある角部を
間にはさんで凹条5の外側面から底面にかけて通気路と
なる凹溝7を設け、更にはこの凹溝7の凹条5の内側面
側に位置する一端にこの凹溝7に連通させて凹条5内側
面に扇形状の凹所を形成して容器内に向けた内面側開口
8と凹条5の外側面側に位置する他端に凹溝7に連通さ
せて蓋体2の外周下面に扇形状の凹所を形成して容器外
に向けた外面側開口9をそれぞれ設けている。ここで、
通気用連通部6の少なくとも凹溝7の断面積及び/又は
長さは、この容器を閉蓋して容器内外に圧力差が存在し
ない場合には粘性抵抗と境膜摩擦抵抗により自由な空気
又は他のガスの流動が実質的に遮断される程度に形成さ
れている。ここで、境膜摩擦抵抗とは、ある面に薄く付
着した空気層又は他のガス層はその周囲を仮りに完全な
真空状態としても取除くことができないとされる境膜理
論から、この薄く付着した空気層又は他のガス層とその
外側を流動しようとする空気又は他のガスの間に生じる
抵抗である。
次に、第3図、第4図にはそれぞれ第1図、第2図に
示す保冷容器の変形例を示している。第3図に示す保冷
容器は、容器本体1側に設けた凸条4の角部を間にはさ
んだ上面から外側面にかけて凹溝7を設け、この凹溝7
に連通させて凸条4上面に内面側開口8と凸条4外側の
側壁3上面に外面側開口9を第1図、第2図に示す容器
と同様、扇形状の凹所に形成して、この容器の閉蓋時、
容器内外を連通させる通気用連通部6を設けたものであ
る。又、第4図に示す保冷容器は、容器本体1の側壁3
上面の凸条4の長さ方向にこの凸条4上面から外側面に
凹溝7を設け、この凹溝7に連通させて凸条4上面に内
面側開口8と凸条4外側の外壁3上面に外面側開口9を
同じく第1図、第2図に示す容器と同様、扇形状の凹所
に形成して、通気用連通部6を設けたものである。
そして、これら保冷容器では、容器本体1と蓋体2の
接合部に設けた嵌合手段の適所の接合面側にこの嵌合手
段の長さ方向に通気路となる凹溝7を設け、この凹溝7
の一端から容器内に向けた内面側開口8と他端から容器
外に向けた外面側開口9を形成して、容器を閉蓋したと
きに内外連通する通気用連通部6を設けたものである。
このため、容器本体1内に要鮮度保持品を収容して蓋体
2で閉蓋し、これをこのまま真空チャンバー内に少なく
とも外面側開口9が塞がれないように複数、連接並びに
積段して置き、この真空チャンバー内を、例えば5mmHg
程度に減圧させたときには、容器内の空気が内面側開口
8より凹溝7を通じて外面側開口9から容器外に強制脱
気され、容器内に収容した収容物の保持している水分の
一部を蒸発させ、気化潜熱を奪うことにより、約2〜5
℃程度に予冷することができるのである。この容器内か
らの脱気時には、通気用連通部6の少なくとも凹溝7の
持つ粘性抵抗と少なくともこの凹溝7を構成する壁面に
薄く付着して流動することのない空気層や他のガス層と
ここを流動しようとする空気や他のガスの間に生じる境
膜摩擦抵抗に抗して容器内部の空気が強制的に排気され
るのである。予冷操作の後、本発明では、真空チャンバ
ー内を復圧させるとき、この復圧用ガスに、この容器内
部に収容した要鮮度保持品の生理代謝や呼吸作用又は酸
化作用を抑制させて鮮度保持を図るために鮮度保持用ガ
スを用い、続いてこのガスを今度は外面側開口9より凹
溝7を通じて内面側開口8から容器内に充填する。そし
て、容器内外の圧力がほぼ同圧になった後には、容器内
に鮮度保持用ガスが充満し、しかも容器内のガスは冷や
されて密度が大きくなって流動しにくくなっているとと
もに、空気や他のガスが少なくともこの凹溝7を流動す
る際に生じる粘性抵抗と境膜摩擦抵抗によって、容器内
に外部の空気が流入することが実質的に遮断され、容器
内部に鮮度保持用ガスが実質的に封入状態で保持される
のである。
こうした保冷容器では、いったん鮮度保持用ガスを容
器内に充填すれば、それの通気用連通部6を介して容器
内外が連通していても、それの粘性抵抗と境膜摩擦抵抗
が有効に発揮されて、外面側開口9を外部から粘着テー
プ等で封着しなくても、内部の鮮度保持用ガスを実質的
に封入状態に保持できるのである。そして、容器内の鮮
度保持用ガスが外部の空気とより置換されにくいように
するには、復圧用の鮮度保持用ガスのガス圧を、例えば
1.1気圧にする等して、大気圧以上にしたり、又は鮮度
保持用ガスとして低温のガスを利用し、充填後、容器内
で熱膨張させるようにすることも適宜考慮される。
この鮮度保持用ガスとしては、収容物の生理代謝や呼
吸作用又は酸化作用を抑制するのに好適な混合ガス又は
単一ガスが利用されるものであって、例えば要鮮度保持
品が野菜類、果物類であって、それの生理代謝の抑制を
目的とする場合には、二酸化炭素の濃度が高いガスが有
効であって、例えば窒素が70%、酸素が25〜20%、二酸
化炭素が5〜10%のガス、窒素が30%、酸素が30%、二
酸化炭素が40%のガス、又窒素が60〜80%、二酸化炭素
が40〜20%のガス等が利用可能である。そして、このよ
うに二酸化炭素の濃度が高いガスでは微生物の発生も抑
制され、収容物の腐敗を防止する上で有効なものと考え
られる。又、野菜類、果物類の呼吸作用を抑制する場合
には、空気中の酸素濃度よりも酸素濃度が低いガスか、
又は全く酸素を含まないガスを利用するものが好まし
い。これらのガスを利用したときには、容器内に入れた
野菜類、果物類がそれの生理代謝によってエチレンガス
を放出したり、又そのエチレンガスの容器内での濃度が
高まることによってそれ自身の損耗が促進されたり、そ
れの呼吸作用によって容器内が徐々に昇温して時間の経
過とともに予冷状態が損なわれ、その内部の昇温とそれ
にともなって呼吸作用が更に高まることによって、ある
とき鮮度が急激に低下するのを防止できるのである。
又、要鮮度保持品が魚類、肉類の場合、それらの退色
を防止するためには、例えば酸素70〜80%、二酸化炭素
30〜20%のガスを利用するのが好適であった。
図示した保冷容器にかかわらず、嵌合手段の一方と他
方となる凸条4や凹条5を容器の外周全周に設けること
なく、角部を間にはさんだ四隅にだけ設けたり、又は相
対向した一対の辺に設けたりすることもできる。又、内
面側開口8並びに外面側開口9の形状としては図示した
ような扇形状の凹所以外に、種々のものが考えられる
が、その断面形状は粘性抵抗と境膜摩擦抵抗が有効に発
揮されるような形状、例えばスリット状に形成すれば、
容器内の空気を強制脱気させやすく、又容器内外の圧力
差が存在しなくなった場合に空気又は他のガスの流動を
実質的に遮断しうるものとして好ましいものとなる。更
に、凹溝7は嵌合手段の一方と他方の双方、即ち凸条4
と凹条5の両者にまたがって設けることも可能である。
そして、容器本体1と蓋体2の間に設ける通気用連通
部6の断面積及び/又は長さが、容器内外に圧力差が存
在しない場合には粘性抵抗と境膜摩擦抵抗により自由な
空気又は他のガスの流動が実質的に遮断される程度に形
成した保冷容器とは、種々の実験の結果、例えば以下に
示すようなものである。第5図(イ)に示すように凹溝
7幅aを5mm,高さを4mm、折曲部から凹溝7端部までの
長さbを30mmとし、内面側開口8並びに外面側開口9の
幅cを20mm,高さを2mmにそれぞれして、第5図(ロ)に
示すように長さ440mm、幅320mm、高さ185mmに成形した
発泡ポリスチレン製の容器の容器本体1側又は蓋体2側
の角部を間にはさんで通気用連通部6を四つ設けた保冷
容器や第6図(イ)に示すように凹溝7幅dを5mm,高さ
を3mm、長さeを60mmとし、内面側開口8並びに外面側
開口9の幅fを20mm,高さを2mmにそれぞれして、第6図
(ロ)に示すように長さ440mm、幅320mm、高さ185mmに
形成した発泡ポリスチレン製の容器の容器本体1側又は
蓋体2側の角部以外の位置に通気用連通部6を四つ設け
た保冷容器等を一例として示すことができる。ここで、
粘性抵抗と境膜摩擦抵抗をより大きくするには、第5図
(イ),(ロ)に示すように凹溝7を折曲させたり、凹
溝7の幅と深さによる断面積を小さくしたり、又は長さ
を長くする等が適宜考慮されるのである。そして、この
凹溝7は設ける数を増したり、断面積を小さくしたり、
又は長さを長くすることにより、効果を有効に発揮させ
ることができるから、これらの要件を考慮して必要な凹
溝の数、更には凹溝の断面積や長さを適宜設定すればよ
いのである。
次に、第7図,第8図,第9図には保冷容器の他の態
様を示している。この保冷容器では、容器本体1の側壁
3上面の内面側に沿って凸条4をその側壁3の全周に設
けるとともに、蓋体2の下面外周にはこの凸条4に嵌合
される凹条5を同じくその下面外周の全周に設けてい
る。そして、この容器を閉蓋したときには、容器本体1
側の凸条4に蓋体2側の凹条5が嵌合されるのである
が、このとき凸条4と凹条5の間には第9図に示すよう
な通気路となる隙間10が凸条4上面側と凸条4外側面側
に形成されるように凸条4と凹条5の大きさ関係及び/
又は位置関係が決定されている。尚、図中11は蓋体2下
面に下設した容器本体1の側壁3内面側に沿ってこの容
器本体1の開口上部に内装される内装凸部である。そし
て、この内装凸部11を設けることによって容器を閉蓋し
たとき、この容器の外周全長に隙間10が形成されること
になる。次に、8,9はそれぞれこうした隙間10に連通さ
せて容器の対角線位置の角部を間にはさむとともに、位
置を変位させて扇形状の凹所に形成して設けた前記第1
図〜第4図に示す保冷容器と同様、容器内に向けた内面
側開口と容器外に向けた外面側開口である。ここで、少
なくともこの隙間10の断面積及び/又は内面側開口8と
外面側開口9間の隙間10の長さは、ここを通過しようと
する空気や他のガスの間に生じる粘性抵抗と凸条4の上
面と外側面並びに凹条5の底面と内側面に薄く付着して
流動することのない空気層や他のガス層とここを通過す
る空気や他のガスの間に生じる境膜摩擦抵抗によって、
内面側開口8と外面側開口9間に圧力差が存在しない場
合には空気や他のガスの流動が実質的に遮断される程度
に形成されている。そして、容器本体1内に要鮮度保持
品を収容して蓋体2で閉蓋したときには、容器本体1側
の凸条4と蓋体2側の凹条5の間に隙間10が容器の外周
全長に形成され、しかも第7図,第8図,第9図に示す
ように間隔をあけ、且つ位置を変化させて設けた内面側
開口8と外面側開口9がこの隙間10に連通する。即ち、
この保冷容器では隙間10、内面側開口8、外面側開口9
から通気用連通部6が形成されるのである。こうした保
冷容器の一例としては、例えば第10図(イ)(ロ)
(ハ)に示すように発泡ポリスチレン55倍成形品よりな
る肉厚が全て22mmの内寸法が長さ405mm、幅295mm、高さ
135mmの容器本体1と蓋体2よりなる気密状態に閉蓋で
きる容器に、容器本体1側に設ける凸条4の幅gを10mm
としてこの凸条4の上面側と外面側に2mmの隙間10が形
成されるようにするとともに、内面側開口8の幅hを30
mm、高さiを2mm、又外面側開口9の幅jを20mm、高さ
kを2mmにそれぞれして、(イ)に示すような位置関係
に形成して通気用連通部6を設けたもの等を示すことが
できる。
本発明では、この他、容器本体1内に入れた要鮮度保
持品を差圧チャンバーを利用した差圧予冷法で予冷した
り、又は強制予冷チャンバーを利用した強制予冷法で予
冷した後蓋体2で閉蓋し、それをその内部をある程度ま
で減圧状態にできる脱気チャンバー内に入れ、この脱気
チャンバー内で容器内の空気のほぼ全体又は一部を脱気
させ、続いて容器内に鮮度保持用ガスを充填し、容器本
体1と蓋体2との嵌合手段の接合面に設けた通気用連通
部6の粘性抵抗と境膜摩擦抵抗によってこのガスを容器
内に実質的に封入状態で保持させたりするものである。
又、強制予冷法、差圧予冷法、真空予冷法等の各予冷
法で予冷した後の要鮮度保持品を容器に収容して、脱気
チャンバー内に置き、その後前記した工程を行うように
することも可能である。
更に、収容物を入れた容器を真空チャンバー内に収納
して約2〜5℃程度まで予冷される前に減圧させるのを
停止し、次いで鮮度保持用ガスを容器内に充填し、収容
物を半予冷状態と鮮度保持用ガスによる相乗効果によっ
て鮮度保持を図るようにすることもできる。このように
すれば、真空チャンバーを利用して予冷する場合には、
約20〜30分程度その操作にかかるが、その時間を短くで
きるため、真空チャンバーの利用効率、更には要鮮度保
持品の鮮度保持のための取扱い効率が向上する。又、真
空チャンバーでは、通常5〜20mmHg程度まで減圧させる
が、このときには30〜50mmHg程度の減圧度でも十分であ
って、真空チャンバーで用いられる高価な真空ポンプを
利用する必要がなく、一般的なポンプを利用でき、設備
費のかからないチャンバーでの取扱いが可能となる。更
に、個々の容器内を、ブロアやコンプレッサー等を用い
て脱気させるような操作も又、本発明の一態様として考
慮される。
又、要鮮度保持品としては、予冷したもの以外に、常
温のもの、又は加熱したものを利用することもでき、と
りわけびわ、メロン等の水分の含有が多く、肉厚の果物
類では予冷したときには低温障害を生じるおそれがある
ため、従来鮮度保持に手間がかかって問題があったが、
本発明に適したものといえるのである。このときには、
鮮度保持用ガスとして、常温のものを利用するのが好ま
しい。
更に、要鮮度保持品としては、野菜類、果物類、魚
類、肉類の他、ハム等加工食品その他の食品等を利用す
ることも可能である。そして、ハム等では外装のための
フィルム等の包装体を省略して容器内に入れて利用する
こともできる。又、個々に段ボール箱に入れた要鮮度保
持品を一括して容器内に入れて鮮度保持を図るようにす
ることも可能である。
そして、容器内の空気を一部脱気させるときには、脱
気させる空気の割合に応じて、容器内に充填する鮮度保
持用ガスのガス組成を調整して、容器内に鮮度保持用ガ
スを充填した後、その内部のガス組成が収容物の生理代
謝や呼吸作用又は酸化作用を抑制するのに好適な状態に
なるようにするものである。
本発明で用いる容器として、発泡合成樹脂製のものを
用いたときには、内部に光が透過して、要鮮度保持品が
野菜類、果物類の場合には光合成を行うことにより、損
耗が生じることが問題となる。こうしたことから、容器
の内面側及び/又は外面側に光透過を遮断できるように
アルミ蒸着層その他の光透過遮断層を設けたり、容器を
構成する発泡ビーズにカラービーズを用いることが適宜
考慮される。陽気を構成する発泡ビーズにカラビーズを
用いる場合、その光透過の遮断性能は、白、灰、黒の順
に良好であり、又黄、緑、青の順に良好になることが実
験の結果、判明した。
又、発泡合成樹脂製の容器はある種のガスではその透
過が問題となる場合があるが、容器内面側及び/又は外
面側にガス透過を遮断するための層を前記したようなア
ルミ蒸着層を光透過遮断層と併用させて設けたり、又は
合成樹脂のフィルムやシートを貼り付ける等して設ける
ことも適宜考慮される。
〔発明の効果〕
以上のようになる本発明に係る食品その他の要鮮度保
持品の鮮度保持法にあっては、容器内部を容器本体と蓋
体との嵌合手段の接合面に設けた通気用連通部を通じて
脱気させ、次いでその内部に鮮度保持用ガスを充填し、
このガスの充填後には通気用連通部の持つ容器内外に圧
力差が存在しない場合には自由な空化又は他のガスの流
動の実質的な遮断効果によって、容器内部の鮮度保持用
ガスを実質的に封入状態に保持するものであるから、容
器の密封作業を不要にして要鮮度保持品の鮮度保持のた
めの取扱いを容易に行えるようになり、とりわけ要鮮度
保持品の鮮度保持に適した温度と鮮度保持用ガスの相乗
効果によって、鮮度保持の信頼性が増し、長時間、長距
離の輸送、又長時間の保管が可能になる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明に係る食品その他の要鮮度保持品の鮮度
保持法に用いる保冷容器の態様の一例を示す斜視図、第
2図は同じくその一部を示す斜視図、第3図は第1図,
第2図に示す保冷容器の変形例の一部を示す斜視図、第
4図は同じく第1図,第2図に示す保冷容器の同じく他
の変形例の一部を示す斜視図、第5図(イ)(ロ),第
6図(イ)(ロ)はそれぞれ保冷容器の要部の大きさ関
係、位置関係を示す説明図、第7図は保冷容器の他の態
様の一例を示す斜視図、第8図は同じくその一部を示す
斜視図、第9図は同じくその要部を示す縦断面図、第10
図(イ)(ロ)(ハ)は保冷容器の要部の大きさ関係、
位置関係を示す説明図である。 1:容器本体、2:蓋体、 3:側壁、4:凸条、 5:凹条、6:通気用連通部、 7:凹溝、8:内面側開口、 9:外面側開口、10:隙間、 11:内装凸部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A23B 7/148 A23B 4/00 A23L 3/36 7/148 7/04 7/14 4/06 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 3/00 - 3/54 A23B 4/00 - 9/34

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡合成樹脂製の容器本体と蓋体との接合
    部に互いに嵌合する嵌合手段の一方と他方とを設け、両
    嵌合手段の接合面にこの嵌合手段の長さ方向に通気路を
    設けるとともに、該通気路の適所に該通気路から容器内
    に連通する内面側開口を設け、該内面側開口から嵌合手
    段の長さ方向に所定の距離を隔てた位置に通気路から容
    器外に連通する外面側開口を設けることにより、閉蓋時
    に容器内外に連通し、この内外に圧力差が存在しない場
    合には自由な空気又は他のガスの流動が実質的に遮断さ
    れる断面積及び/又は長さとした通気用連通部が形成さ
    れた容器内に、食品その他の要鮮度保持品を収容して閉
    蓋する工程と、 前記通気用連通部を通じて容器内の空気のほぼ全体又は
    一部を強制脱気する工程と、 前記通気用連通部を通じて容器内に鮮度保持用ガスを充
    填する工程と、 よりなる食品その他の要鮮度保持品の鮮度保持法。
  2. 【請求項2】強制予冷、差圧予冷、真空予冷等の各予冷
    法で一定温度に調整され、且つ発泡合成樹脂製の容器本
    体と蓋体との接合部に互いに嵌合する嵌合手段の一方と
    他方とを設け、両嵌合手段の接合面にこの嵌合手段の長
    さ方向に通気路を設けるとともに、該通気路の適所に該
    通気路から容器内に連通する内面側開口を設け、該内面
    側開口から嵌合手段の長さ方向に所定の距離を隔てた位
    置に通気路から容器外に連通する外面側開口を設けるこ
    とにより、閉蓋時に容器内外に連通し、この内外に圧力
    差が存在しない場合には自由な空気又は他のガスの流動
    が実質的に遮断される断面積及び/又は長さとした通気
    用連通部が形成された容器内に、食品その他の要鮮度保
    持品を収容して閉蓋する工程と、 脱気チャンバー内で前記粘性抵抗と境膜摩擦抵抗に抗し
    て通気用連通部を通じて容器内の空気のほぼ全体又は一
    部を強制脱気する工程と、 前記脱気チャンバー内で前記通気用連通部を通じて容器
    内に鮮度保持用ガスを充填する工程と、 よりなる食品その他の要鮮度保持品の鮮度保持法。
  3. 【請求項3】容器が、嵌合手段の一方及び/又は他方の
    接合面側にこの嵌合手段の長さ方向に所要の長さの通気
    路となる凹溝を設け、この凹溝の一端に容器内に向けた
    内面側開口を、他端に容器外に向けた外面側開口をそれ
    ぞれ設けた保冷容器である請求項1又は2記載の食品そ
    の他の要鮮度保持品の鮮度保持法。
  4. 【請求項4】鮮度保持用ガスの充填後の容器内のガス組
    成が、収容物の生理代謝や呼吸作用又は酸化作用を抑制
    するのに好適な状態に調整された請求項1〜3のいずれ
    かに記載の食品その他の要鮮度保持品の鮮度保持法。
  5. 【請求項5】容器内に充填する鮮度保持用ガスのガス圧
    を大気圧以上にした請求項1〜4のいずれかに記載の食
    品その他の要鮮度保持品の鮮度保持法。
  6. 【請求項6】鮮度保持用ガスとして、低温のものを利用
    した請求項1〜5のいずれかに記載の食品その他の要鮮
    度保持品の鮮度保持法。
  7. 【請求項7】鮮度保持用ガスとして、常温のものを利用
    した請求項1〜5のいずれかに記載の食品その他の要鮮
    度保持品の鮮度保持法。
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