JP3115371U - 舗装構造体 - Google Patents

舗装構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP3115371U
JP3115371U JP2005006192U JP2005006192U JP3115371U JP 3115371 U JP3115371 U JP 3115371U JP 2005006192 U JP2005006192 U JP 2005006192U JP 2005006192 U JP2005006192 U JP 2005006192U JP 3115371 U JP3115371 U JP 3115371U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten slag
pavement structure
weight
water
slag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005006192U
Other languages
English (en)
Inventor
泰弘 佐藤
周二 山本
渉 山田
Original Assignee
三和グランド株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三和グランド株式会社 filed Critical 三和グランド株式会社
Priority to JP2005006192U priority Critical patent/JP3115371U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3115371U publication Critical patent/JP3115371U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Road Paving Structures (AREA)

Abstract


【課題】 透水性および保水性を有することはもちろんのこと、価格を低減することができるとともに省資源・省ゴミに貢献することができる舗装構造体を提供する。
【解決手段】 舗装構造体102は、溶融スラグ粒子を含有し、溶融スラグ粒子の重量1に対してセメントを重量比で0.08〜0.3の割合で含有し、セメントの重量1に対して有機系接着剤または膨張性混和材を重量比で0.01〜0.2の割合で含有し、板状の形状を有している。溶融スラグは、環境汚染の虞がないスラグである。舗装構造体102では、溶融スラグが、地方自治体のゴミ処理施設や下水汚泥処理施設で得られる原料であるから、輸送コストを低減することができる。また、溶融スラグの原料として焼却炉に残る残渣物を用いているので、天然資源の使用量を低減することができ、かつ最終的に埋立処分される廃棄物の量を低減することができる。
【選択図】 図3

Description

本考案は、家庭ゴミ等を焼却炉で焼却した後に残る残渣物を利用した舗装構造体に関する。
道路や駐車場では、アスファルトやコンクリートを用いて舗装が行われている。ところが、これら舗装構造体は、多孔質でないため、雨量が多いときには雨水が地中へ浸み込まず、河川や下水道への負荷が大きくなり洪水の原因となったり、舗装表面に溜まった雨水による自動車のスリップや歩行者の転倒が生じやすかった。また、真夏には、舗装表面での直射日光の照り返しが大きいため歩行者を不快にさせたり、舗装構造体の蓄熱のためヒートアイランドの原因になっていた。
そこで、透水性および保水性を有する多孔質の水砕スラグを用いた舗装構造体が提案されている(たとえば特許文献1)。水砕スラグは、鉄鉱石を原料として製鉄所の高炉で生成される溶融状態のスラグを水で急冷することによって得られる。
特許第3050793号公報
ところで、特許文献1の舗装構造体の場合、必要とされるコストの大部分は、原料である水砕スラグの輸送コストが占めているが、水砕スラグの製造場所は、工業地帯などに立地場所が限定された製鉄所であるため、輸送コストの低減が困難であった。このため、舗装構造体の価格の低減を図ることができなかった。一方、舗装構造体の材料として廃棄物を再利用することにより、省資源・省ゴミに貢献することが望まれている。
したがって、本考案は、透水性および保水性を有することはもちろんのこと、価格を低減することができるとともに省資源・省ゴミに貢献することができる舗装構造体を提供することを目的としている。
本考案の舗装構造体は、溶融スラグ粒子の重量1に対してセメントを重量比で0.08〜0.3の割合で含有し、セメントの重量1に対して有機系接着剤または膨張性混和材を重量比で0.01〜0.2の割合で含有し、板状の形状を有していることを特徴とする。
溶融スラグは、シリカ(SiO)、石灰(CaO)、アルミナ(Al)および酸化鉄(Fe)を主成分としており、透水性および保水性は、多孔質に形成された水砕スラグとほぼ同じである。溶融スラグは、暗褐色に近い色を示し、最大乾燥密度が1.5g/cm〜2.0g/cmであり、形状は平均径が0.01〜10mm程度の粒状である。
溶融スラグは、たとえば溶融炉を備えた地方自治体のゴミ処理施設や下水汚泥処理施設で得られる。たとえば、ゴミ処理施設の場合、家庭等から出された可燃ゴミ(燃えるゴミ)を焼却炉で焼却し、その後に焼却炉に残る残渣物(残り滓)を溶融炉で溶融する。この場合、溶融炉の温度は、たとえば重油バーナにより、1200℃〜1500℃に管理される。そして、溶融された残渣物は、水で冷却することによって溶融スラグとして連続的に取り出される。
溶融スラグは、上記のように焼却炉に残る残渣物(残り滓)を溶融炉において1200℃以上の高温で溶融することにより得られるので、残渣物に含まれているダイオキシン類やシアン・有機リン化合物などの有機化合物は分解されるとともに、残渣物に含まれている鉛などの重金属は、その内部に固定化されるので外部へ溶出しない。これにより、溶融スラグによる環境汚染の虞はない。
本考案の舗装構造体では、多孔質の水砕スラグとほぼ同じ透水性および保水性を有し、かつ環境汚染の虞がない溶融スラグを用いているので、多孔質の水砕スラグを用いた舗装構造体とほぼ同じ特性を得ることができる。しかも、溶融スラグは、水砕スラグとは異なり、工業地帯などに立地場所が限定された製鉄所ではなく、地方自治体のゴミ処理施設や下水汚泥処理施設で得られる原料であるから、輸送コストを低減することができる。したがって、製品の価格を低減することができる。また、溶融スラグの原料として焼却炉に残る残渣物を用いているので、天然資源の使用量を低減することができ、かつ最終的に埋立処分される廃棄物の量を低減することができる。したがって、省資源・省ゴミに貢献することができる。
また、溶融スラグ粒子の重量1に対するセメントの配合割合を0.08以上としているので、舗装構造体としての強度や一体性を向上させることができるとともに、溶融スラグ粒子の重量1に対するセメントの配合割合を0.3以下としているので、舗装構造体の透水性および保水性を向上させることができる。
ここで、舗装構造体の強度を高めるために種々の構成を用いることができる。たとえば、舗装構造体は、多孔質の水砕スラグを含有することにより、大きな強度を得ることができる。水砕スラグは、高炉で生成される溶融状態のスラグを水で急冷し、粉砕することで得られる。水砕スラグは、明灰色に近い色を示し、最大乾燥密度が1.2g/cm〜1.7g/cmであり、mm単位以下の無数の空孔を有した多孔質状(ポーラス状)の材質を有し、形状は平均径が0.01〜10mm程度の粒状である。
この場合、溶融スラグ粒子の重量1に対して水砕スラグ粒子を重量比で1.5未満の割合で含有することが好適である。溶融スラグ粒子に水砕スラグ粒子を加えていくと舗装構造体の強度が増加していくが、溶融スラグ粒子の重量1に対する水砕スラグの配合割合が1.5以上になると、舗装構造体の強度が飽和して、それの大きな増加が望めなくなり、かつ溶融スラグの使用により得られる舗装構造体の低価格の効果が薄れるからである。
有機系接着剤または膨張性混和材は、特殊混和剤として用いている。有機系接着剤または膨張性混和材は、舗装構造体の収縮を抑える収縮抑制剤として機能する。収縮が起こると、クラックが発生し、舗装構造体の強度が低下する。有機系接着剤または膨張性混和材によって収縮を抑制することで、クラックの発生を抑制し、舗装構造体の強度を確保する。
有機系接着剤としては、例えば変性エチレン酢酸ビニル系の接着剤を利用することができる。有機系接着剤としては、モルタルの接着性を増強する目的に販売されている増強剤を利用することができる。膨張性混和材としては、市販の膨張性コンクリート混和材を利用することができる。
有機系接着剤および膨張性混和材のセメントに対する配合量が1重量%を下回ると、収縮抑制剤としての効果が小さくなり好ましくない。また、セメントに対するその配合量が20重量%超えると、得られる舗装構造体の透水性が低下し、本考案の製品が有する優位性が低下するので好ましくない。なお、セメントに対する有機系接着剤および膨張性混和材のより好ましい配合割合は、2〜10重量%である。
本考案の舗装構造体は、原料を現場で混練し、舗装する場所に直接流し込んで得ることも、あるいは工場等でブロック形状(あるいは所定の形状)に成形して得ることもできる。後者の場合、工場等で製造した舗装構造体を通常のブロックやタイルと同じように舗装材料として利用すればよい。
本考案の舗装構造体は、1.0×10−2cm/sec以上の透水係数と250リットル/mの以上の保水性を有する。また、本考案の舗装構造体は、5%以下のSB値を有する。
本考案の舗装構造体では、溶融スラグを、多孔質性に富む水砕スラグとともに骨材として用いることによって、最低でも1.0×10−2cm/sec程度、サンプル試験によれば4.1×10−2cm/secといった大きな透水係数が得られる。このため、雨水の浸透が良い。また、骨材が多孔質であるので、250リットル/m以上の高い保水性が得られる。したがって、降雨を舗装構造体自体で貯水する能力に優れている。そして、これらの機能により、いわゆる打ち水効果(打ち水の気化熱によって舗装面の温度を低下させる効果)が極めて高く現れる優位性がある。これにより、いわゆるヒートアイランド現象を大きく緩和することができる。
また、本考案の舗装構造体は、乾燥状態で水に浸けた場合に70mm以上の吸い上げ能力を示す。これは、保水能力に加えて、毛管現象により水分を吸い上げる能力が高いことを示している。この能力により、本考案の舗装構造体には、舗装構造体を設置する路床、路盤からの水分の吸い上げ効果も得ることができ、路床、路盤に含まれる水分をも利用した舗装構造体表面の冷却作用を得ることができる。よって、舗装構造体を設置する路床、路盤の保水性が高い場合、打ち水効果をより長く維持することができる。また、路床、路盤に水分が含まれている場合、打ち水(散水)をしなくても、路床、路盤から水分を吸い上げ、表面の冷却効果を発揮させることができる。
また、透水性が高いので、激しい降雨があっても、舗装面から大地への雨水の適度な浸透が起こり、また高い吸水性および保水性があるので、下水や河川等に急激に雨水が流れ込む不都合を緩和する機能が高い。このような性質は、道路、遊歩道、公園あるいは広場といった場所における舗装構造として極めて有用となる。また、舗装面から大地への雨水の浸透が起こるので、地下水を豊富にすることができる。これにより、地中環境の改善を行うことができるので、地中生物や植物の育成を活性化することができる。
透水係数は、一定圧力で試験体に加えた水の流入量と流出量とが等しくなった時おける浸透流量を単位面積、単位時間当たりで表した値であり、多孔質中における水の移動のし易さを表す指標である。この値が大きい程、水が浸透し易い性質であるといえる。
透水係数は、ダルシーの法則を用いた定水位透水試験、変水位透水試験、または圧密透水試験により求めることができる。
保水性とは、単位体積あたりに保持可能な水量である。保水性は、試料を24時間水に浸し、その後重量を測定することで求められる。
透水係数が大きくても保水性が低ければ、舗装構造体の保水能力が低く、打ち水効果を長時間維持することができない。また逆に、保水性が高くても透水係数が小さければ、降雨量が多い時に舗装構造体に浸透する雨水が少なく、舗装面から雨水が周囲に流れ出てしまい、下水や河川への負担が大きくなってしまう。本考案では、骨材が多孔質性なため、舗装構造体に適したバランスのよい透水係数と保水性が得られる。
また、本考案の舗装構造体は、骨材の粒子自体に細かい空隙が存在している材料を用いているので、直射熱が分散され、いわゆる照り返しがきつくなく、また舗装面の温度がコンクリートやアスファルトのように高温にならないという優位性がある。また、溶融スラグおよび水砕スラグは、角張った形状を有しているので、舗装構造体の表面に細かい程度な凹凸形状が形成され、それにより、濡れても滑りにくい、水がはねにくい、適度な摩擦があり歩きやすい、といった優位性が得られる。
さらに本考案の舗装構造体は、上述のように骨材が角張った形状であり、しかもその粒自体が多孔質状であり、さらにその多孔質構造を構成する空隙が不定形かつ大きさが多様であるので、衝撃を吸収する能力に優れている。具体的には、弾性反発試験によるSB値が3〜5%と比較的ソフトな硬さを有している。ちなみに、コンクリート舗装のSB値は15%程度であり、アスファルト舗装のSB値は7%程度である。この性質は、優れた歩行感覚や、公園や広場といった場所での安全性の確保といった観点からみて優れた性質となる。また、上記舗装用材料の混練物を路盤上に直接流し込み固めることによって舗設を行うことができるので、路盤上にブロックを配列する場合とは異なり、段差が生じず、平坦性に優れている。これにより、上記場所において、より安全性を確保することができる。
SB値とは、直径25.4mm、重さ66.7gの鋼球を1mの高さより自由落下させた際における試料表面からの剛球の跳ね返りの高さを%で表した値である。SB値は、試料の材質が硬質であれば大きくなり、弾性が大きければ小さな値となる。SB値が小さい程、衝撃の吸収性に優れているといえる。
本考案の舗装構造体によれば、溶融スラグは、水砕スラグとは異なり、工業地帯などに立地場所が限定された製鉄所ではなく、地方自治体のゴミ処理施設や下水汚泥処理施設で得られる原料であるから、輸送コストを低減することができる。したがって、製品の価格を低減することができる。また、溶融スラグの原料として焼却炉に残る残渣物を用いているので、天然資源の使用量を低減することができ、かつ最終的に埋立処分される廃棄物の量を低減することができる。したがって、省資源・省ゴミに貢献することができる等の効果が得られる。
1.実施形態の製造例
以下、本考案の舗装構造体の製造方法の一例を具体的に説明する。本実施形態では、骨材として、溶融スラグと水砕スラグを用い、バインダーとしてポルトランドセメントを用い、収縮抑制剤として機能する特殊混和剤として変性エチレン酢酸ビニル系の接着剤または膨張性混和材を用いた。他に、好みの色を付けるための顔料および水道水を用いた。
溶融スラグは、地方自治体の溶融炉を備えているゴミ処理施設で得られた。具体的には、可燃ごみを焼却する焼却炉で最終残渣物を得、溶融炉でその最終残渣物を1200℃以上に加熱して溶融させ、それを水で急冷し、粉砕することで得た。得られた溶融スラグは、平均最大乾燥密度が1.8g/cm、平均径が8mm、80重量%以上が2〜15mm程度の径を有する粒状であった。
この溶融スラグは、シリカ(SiO)を33重量%、石灰(CaO)を23重量%、アルミナ(Al)を17重量%、酸化鉄(Fe)を7重量%含んでいた。また、環境への悪影響が懸念される微量含有物を測定したところ、カドミウム、鉛、砒素、セレンの含有量は0.01(mg/リットル)未満、六価クロムの含有量は0.05(mg/リットル)未満、総水銀の含有量は0.0005(mg/リットル)未満であり、厚生省の通知にある基準を満たしていることが確認された。下記表1に溶融スラグと高炉水砕スラグとの成分を比較したものを示す。
Figure 0003115371
表1から分かるように、溶融スラグの主要成分は、高炉水砕スラグと類似性が高く、高炉水砕スラグと混合して骨材として用いる場合の適合性に優れている。
水砕スラグは、製鉄所の高炉で得られた溶融状態の最終残渣物を水で急冷し、粉砕することで得た。この水砕スラグは、平均最大乾燥密度が1.5g/cm、平均径が7mm、80重量%以上が2〜10mm程度の径を有する粒状であった。この水砕スラグは、シリカ(SiO)を34重量%、石灰(CaO)を42重量%、アルミナ(Al)を13重量%、酸化鉄(Fe)を0.4重量%含んでいた。
セメントは、市販のポルトランドセメントである、特殊混和剤は、変性エチレン酢酸ビニル系の有機系接着剤であるトマックエバー200(商品名)またはタイトメント(商品名)を用いた。このトマックエバー200(商品名)またはタイトメント(商品名)は、モルタルの接着増強剤として市販されている。また、膨張性混和材は、エクスパン(商品名)を用いた。エクスパン(商品名)は、膨張性混和材として市販されている。
顔料は、薄い茶色を付与するための粉末(または粒状)の顔料を用いた。顔料は、市販されているものの中から適当なものを採用することができる。以上説明した材料を用い、下記表2に示す配合で試料を製造した。なお、下記表2の配合において、特殊混和剤(有機系接着剤および膨張性混和材)のセメントに対する割合は10重量%となる。
Figure 0003115371
図1は、試料(舗装構造体)の製造に利用する枠型の概要を示す斜視図である。図2は、枠型に表2の配合の混練物を流し込み、固化させた状態を示す斜視図である。図3は、得られた試料の概要を示す斜視図である。
以下、製造手順を説明する。まず、通常のモルタルを練るのに用いる容積100リットルのミキサーを40回転/分の回転速度で回転させた状態で、溶融スラグ、セメント、および顔料をこの順に投入し、2分空練り(水を入れない状態での練り)を行った。その後、特殊混和剤と水を加えて2分の本練りを行って、流動性のある混練物を得た。
上記混練物を10cm×50cm×50cmの木製の枠型101に流し込み、表面をならした後、5日間の養生を行なって硬化させて図2の試料(舗装構造体)102を得、さらに、枠101をはずして図3に示す試料102を得た。ここでは、試料として板状のものを製造する例を説明したが、実際の施工においては、舗装を行う場所に直接混練物を流し込み、直接舗装構造体を作ってもよい。
なお、上記表2の配合割合にはある程度の幅があり、溶融スラグ粒子が±60kg、セメントが±30kg、特殊混和剤がセメントに対して±20重量%の範囲で配合の調整が可能である。
2.実施形態の品質
温度20±2℃、湿度80%以上の環境下で28日間放置した試料102について、JIS R 5201に従ったセメント物理試験を行った結果、試料102の曲げ強度および圧縮強度は45kgf/cm、330kgf/cmであった。これに対して、路面の舗装に用いる透水性コンクリートの曲げ強度は25kgf/cm程度、圧縮強度は150kgf/cm程度であるので、試料102の強度は十分に実用になる値であるといえる。また、試料102を濡らしたときの表面について、ASTM E 303(振子式・スキッドレジスタンス・テスター法)に従った滑り試験を行った結果、すべり抵抗値は75BPNであった。これにより、試料102の表面は滑り難いことが判った。
また、上記表2の配合において、溶融スラグに対する重量比を変えて水砕スラグを加え、溶融スラグに対する水砕スラグの重量比と曲げ強度との相関について調べた結果を以下に示す。図4は、溶融スラグに対する水砕スラグの重量比と舗装構造体の曲げ強度の値(kgf/cm)との関係を示すグラフであり、(A)は、上記重量比が0〜0.06の場合の上記関係を示すグラフ、(B)は、上記重量比が1.0〜1.6の場合の上記関係を示すグラフである。
なお、図4に示すデータにおいて、溶融スラグと水砕スラグとの合計配合量を表2の溶融スラグの配合量と同じにして、溶融スラグに対する水砕スラグの重量比を変えている。図4に示すデータにおいて、溶融スラグと水砕スラグ以外の材料の配合割合は全て表2に記載された値と同じである。なお、重量比と曲げ強度の上記関係について、図4(A)に示す重量比と図4(B)に示す重量比との間のデータの図示を省略しているが、その間では、重量比が大きくなるにつれて、曲げ強度が増加していくデータが得られた。
上記試験の結果、溶融スラグに対する水砕スラグの重量比が大きくなるにつれて、舗装構造体の曲げ強度が増加していくが、図4(B)のグラフから判るように、上記重量比が1.5以上になると、曲げ強度が飽和し、それの大きな増加が望めないことが判った。したがって、溶融スラグに対する水砕スラグの重量比が1.5未満であるのが好適であることが判った。この場合、図4(A)のグラフから判るように、上記重量比が0.02未満では、曲げ強度が急激に増加し、上記重量比が0.02以上では、曲げ強度が緩やかに増加していくことが判った。このように上記重量比が0.02未満では、重量比の小さな変化によって曲げ強度が大きく変化するため、溶融スラグに対する水砕スラグの重量比を0.02以上とするのが、より好適であることが判った。
本実施形態の舗装構造体102では、多孔質の水砕スラグとほぼ同じ透水性および保水性を有し、かつ環境汚染の虞がない溶融スラグを用いているので、多孔質の水砕スラグを用いた舗装構造体とほぼ同じ特性を得ることができる。しかも、溶融スラグは、水砕スラグとは異なり、工業地帯などに立地場所が限定された製鉄所ではなく、地方自治体のゴミ処理施設や下水汚泥処理施設で得られる原料であるから、輸送コストを低減することができる。したがって、製品の価格を低減することができる。また、溶融スラグの原料として焼却炉に残る残渣物を用いているので、天然資源の使用量を低減することができ、かつ最終的に埋立処分される廃棄物の量を低減することができる。したがって、省資源・省ゴミに貢献することができる。
本考案の舗装構造体は、地方自治体のゴミ処理施設や下水汚泥処理施設で得られる溶融スラグの有効な再利用を図ることができる点で産業上有用である。また、本考案の舗装構造体は、歩行者や自然環境に優しいので、遊歩道の舗装、道路の舗装、公園の舗装、各種広場の舗装への利用に適している。
試料の製造に用いる枠型を示す斜視図。 枠型内で硬化させられた試料を示す斜視図。 得られた試料を示す斜視図。 溶融スラグに対する水砕スラグの重量比と舗装構造体の曲げ強度との関係を示す図であり、(A)は上記重量比が0〜0.06の場合の上記関係を示す図、(B)は、上記重量比が1.0〜1.6の場合の上記関係を示すグラフ。
符号の説明
101…枠型、102…試料(舗装構造体)。

Claims (3)

  1. 溶融スラグ粒子の重量1に対してセメントを重量比で0.08〜0.3の割合で含有し、
    前記セメントの重量1に対して有機系接着剤または膨張性混和材を重量比で0.01〜0.2の割合で含有し、板状の形状を有していることを特徴とする舗装構造体。
  2. 前記溶融スラグ粒子の重量1に対して、多孔質の水砕スラグ粒子を重量比で1.5未満の割合で含有していることを特徴とする請求項1に記載の舗装構造体。
  3. ブロック状の形状を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の舗装構造体。
JP2005006192U 2005-08-02 2005-08-02 舗装構造体 Expired - Fee Related JP3115371U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005006192U JP3115371U (ja) 2005-08-02 2005-08-02 舗装構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005006192U JP3115371U (ja) 2005-08-02 2005-08-02 舗装構造体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3115371U true JP3115371U (ja) 2005-11-04

Family

ID=43277633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005006192U Expired - Fee Related JP3115371U (ja) 2005-08-02 2005-08-02 舗装構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3115371U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020012345A (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 日本軽金属株式会社 高放熱性の舗装材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020012345A (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 日本軽金属株式会社 高放熱性の舗装材
JP7139178B2 (ja) 2018-07-20 2022-09-20 日本軽金属株式会社 高放熱性の舗装材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100547608B1 (ko) 개선된 고성능 투수콘크리트
JP2008019557A (ja) 舗装構造
KR100957790B1 (ko) 황토 포장 재료 및 포장 시공 방법
JP5561921B2 (ja) 土系固化材
JP3016135B2 (ja) 舗装用れんが
JP2007145669A (ja) 保水性ブロックとその製造方法
JP5366369B2 (ja) 土系固化材及び土系固化材の舗装方法
JP3115371U (ja) 舗装構造体
JP2005180166A (ja) 舗装構造
JP4785817B2 (ja) 舗装構造
JP2007008733A (ja) 保水性および透水性が調節可能な水分保水調節コンクリート製品
JP3446409B2 (ja) 透水性セラミックブロックの製造方法
JP4387995B2 (ja) 瓦舗装材
KR101155043B1 (ko) 정수슬러지를 이용한 고화재 및 그 제조방법
JP2015014114A (ja) 土舗装用組成物及び土舗装方法
JP4140228B2 (ja) 保水性固化体用水硬材及び保水性固化体
JP3101388U (ja) 舗装構造体
JP3589898B2 (ja) 透水性舗装構造
JP2005320190A (ja) セメント
JP2004251110A (ja) 保水性舗装構造
JP2001293449A (ja) 遮水構造材及びその施工方法
JP2002180410A (ja) 舗装用材料およびその成形体の製造方法
JP4572079B2 (ja) 舗装用保水材組成物及び保水性舗装の施工方法
JP3826899B2 (ja) 高空隙路盤材及び半剛性路盤工法
JP4479330B2 (ja) 保水性固化体用水硬材及び保水性固化体

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A623 Registrability report

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A623

Effective date: 20070205

A623 Registrability report

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A623

Effective date: 20070320

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070405

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080921

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090921

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090921

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees