JP3115058B2 - 気相成長方法、気相成長装置および微粒子生成装置 - Google Patents

気相成長方法、気相成長装置および微粒子生成装置

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JP3115058B2
JP3115058B2 JP03278241A JP27824191A JP3115058B2 JP 3115058 B2 JP3115058 B2 JP 3115058B2 JP 03278241 A JP03278241 A JP 03278241A JP 27824191 A JP27824191 A JP 27824191A JP 3115058 B2 JP3115058 B2 JP 3115058B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体等の製造に用い
られる気相成長装置による気相成長方法及び気相成長方
法による微粒子生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】反応炉内にガス(原料ガス、キャリアガ
ス等)を供給し、反応炉内に配置した基板ホルダ上に載
置されヒータ等の加熱手段により加熱されると共に、回
転駆動手段で回転される基板に薄膜を気相成長させる従
来の気相成長装置では、シリコンエピタキシャル成長
や、GaAsエピタキシャル成長等の成長結果が報告さ
れる。
【0003】例えば、K.Sugawara,J.El
ectrochem.Soc.,Vol.119,N
O.12,P.1749(1972).に開示されてい
る気相成長装置は、原料ガス:SiCl4 ,基板温度:
1050〜1250℃,反応炉内圧力:200〜800
Torr,基板回転数60〜1030rpm,基板ホル
ダの直径:50mm,整流板無し、のように構成されて
おり、この気相成長装置では原料ガスにSiCl4 が用
いられている。原料ガスがSiCl4 では、高成長速度
を得るためには、基板温度をかなり高温にしなければな
らない。また、この試験結果は、理論的予測とは相違を
示す点がみられ、おそらくは、基板上に均一なガスの供
給が行なわれていないと推測される。また、ウエハ径は
小さい。
【0004】また、M.E.Colitrin et
al.,J.Electrochem.Soc.,Vo
l.136,No.3,P.819(1989).に開
示されている技術は、整流板と基板が無限円板モデルに
よるシミュレーションで、原料ガス:SiH4 ,基板温
度:800〜1300K(527〜1027℃),反応
炉内圧力:1気圧,基板回転数(0〜1000rp
m),整流板と基板間の距離:1.1cm,のように構
成されており、この文献における技術では、単にシミュ
レーションを行なっただけである。そのために、現実の
装置においては、非常に重要な問題となる気相中におけ
る原料ガスの分解による粉の発生については考慮されて
いない。
【0005】また、反応炉内圧力が1気圧(大気圧)な
ので、ガスの熱膨張による浮力の効果が大きくなって現
実の装置でこの条件で膜成長を行うと膜厚分布が不均一
になると推測される。また、整流板が基板に近いので、
加熱される整流板において原料ガスが分解、付着し、粉
が基板上に落下すると推測される。
【0006】また、特開平1−297820号公報に開
示されている気相成長装置は、高速回転する基板上に配
設したノズルから原料ガスを供給する構成であるが、こ
の気相成長装置では、原料ガスを供給するノズルの位置
等の調整が難しく、かつ再現性が悪いと推測される。ま
た、基板からの熱により、ノズルが加熱されると原料ガ
スが分解し、粉が発生してノズルが詰まったり、粉が基
板上に落下すると推測される。
【0007】このように、従来の気相成長装置では、気
相中において分解し易いSiH4 等の原料ガスを用い
て、比較的低温で高速成長を比較的大面積で実現しよう
という試みはあまりなされていない。
【0008】また、基板上に形成される成膜も気相中に
おける原料ガスの分解反応や、基板上の境界層の厚みを
制御することが困難なために均一性が悪くなる。また、
気相中において、粉が発生すると基板上に落下して膜質
を悪化させたり、更に、粉が排気配管やポンプ等に付着
することによって、排気能力を低下させる。
【0009】また、近年、気相成長方法(CVD法)に
よって金属超微粒子触媒、硅素、アルミナ超微粒子、磁
気材料等の微粒子を製造する微粒子生成装置が実用化さ
れている。
【0010】図9は、従来の気相成長方法(CVD法)
による微粒子生成装置の一例を示す概略図である。この
図に示すように、従来の微粒子生成装置では、円筒状の
反応管100を高周波コイル101で加熱し、高温の反
応管100内にガス供給装置102から供給管103を
介して原料ガス(例えばSiH4 )を供給することによ
って微粒子を生成していた。生成された微粒子は、排出
管104を介して貯蔵部105に捕集される。
【0011】ところで、上記した従来の微粒子生成装置
では、原料ガスが反応管100内において滞留時間分布
を持つために、生成される微粒子の粒径分布の制御が困
難であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記したように従来の
気相成長装置は、比較的低温において、大面積において
均一、高速成長を行う試みはあまりなされていなかっ
た。
【0013】低温成長を行ったり、高速成長を行なわせ
る場合には、水素化硅素等の分解し易い原料ガスを用い
るが、このような原料ガスを大量に供給すると、気相中
で大量に粉が発生して基板に付着し、膜質を悪化させ
る。また、結晶成長的に有利な高温域においては、原料
が基板に到達する前にほとんど消耗してしまい、結晶成
長が不可能になったり、原料ガス利用効率が極端に悪く
なったりする。
【0014】また、従来の気相成長法による微粒子生成
装置では、生成される微粒子の粒径分布を制御すること
が困難であった。
【0015】本発明は上記した課題を解決する目的でな
され、気相中における原料ガスの分解による粉の発生を
防止し、効率的に原料ガスを基板に供給可能で、高品質
な成膜を行うことができる気相成長方法と、生成される
微粒子の粒径分布を制御することができる気相成長方法
による微粒子生成装置を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために請求項1に記載の発明は、反応炉内に気相中にお
いて分解し易い原料ガスを均一な流速で供給する流速均
一手段を介して供給し、前記反応炉内に配置した基板ホ
ルダ上に載置され加熱手段により加熱される前記基板ホ
ルダ上の基板に薄膜を気相成長させる気相成長装置にお
いて、前記反応炉内の圧力を調整する圧力調整手段と、
前記基板を回転させる回転駆動手段とを有し、前記圧力
調整手段により前記反応炉内圧力を大気圧よりも低くな
るように調整して、前記回転駆動手段により前記基板を
少なくとも500rpm以上で回転させながら前記基板
上に薄膜を気相成長させることを特徴としている。
【0017】また請求項3に記載の発明に係る気相成長
法による微粒子生成装置は、内部に回転体を配設した反
応炉と、前記回転体を回転軸を介して回転駆動する回転
駆動手段と、該回転駆動手段の回転駆動を制御する回転
駆動制御手段と、前記反応炉内を加熱する加熱手段と、
前記反応炉内にガスを供給するガス供給手段と、前記反
応炉に排気管を介して接続した微粒子捕集手段とを具備
したことを特徴としている。
【0018】
【作用】本発明者は、気相成長装置で基板上に薄膜を気
相成長させる際に、気相中における反応炉内での原料ガ
スの滞留時間と、基板回転数との関係に付いて鋭意研究
を重ねた結果、原料ガスの気相滞留時間は基板回転数に
反比例することが判明した。
【0019】以下、原料ガスの気相滞留時間と基板回転
数との関係について説明する。ガスの流れの中に置かれ
た基板表面には、境界層と呼ばれるガスの流れが基板に
より妨げられるような部分が生じる。この境界層では、
ガスの温度や原料ガス濃度が、供給されたガスと大きく
異なっている。
【0020】そして、原料ガスの気相中での反応には、
境界層内における原料ガスの滞留時間が大きな影響を与
える。ここで、基板回転数が十分大きい場合には、境界
層の厚みの程度を算出することが可能なために、境界層
内の原料ガス滞留時間の程度を算出することが可能とな
る。以下に、基板回転数が大きい場合の境界層内原料ガ
ス滞留時間の成長条件依存性の導出過程を示す。
【0021】境界層内においては、原料ガスは拡散によ
って基板表面まで移動するものとすると、境界層内を原
料ガスが拡散により移動する時定数τは、下記の(1) 式
で与えられる。
【0022】
【数1】
【0023】ここで、δ:境界層の厚み、D:原料ガス
の拡散係数である。また、基板回転数が十分に大きい場
合は、δのオーダーは理論的に、下記の(2)式で与えら
れる。
【0024】
【数2】
【0025】ここで、ν:ガスの動粘度、ω:基板回転
数である。
【0026】また、原料ガスの拡散係数Dと境界層の厚
みδの薄膜成長条件依存性は、下記の(3) ,(4) 式で与
えられる。
【0027】
【数3】
【0028】
【数4】
【0029】ここで、T:基板温度、P:成長圧力であ
る。
【0030】従って、原料ガスの境界層内滞留時間τの
操作条件依存性は、下記の(5) 式で与えられる。
【0031】
【数5】
【0032】となる。(5) 式は、原料ガスの気相滞留時
間が基板回転数に反比例することを示している。
【0033】このように、基板の回転数により、境界層
内原料ガス滞留時間、すなわち、気相中における原料ガ
スの反応の程度を制御することが可能となる。よって、
原料ガスが分解しやすいSiH4 ,Si2 6,Si3
8 等の水素化硅素の場合には、基板回転数を大きくす
ることにより、気相中における原料ガスの分解反応を抑
制することができる。
【0034】また、成長圧力は減圧とすることにより、
ガスの熱膨張による浮力の効果による熱対流を防止する
ことができ、基板の回転支配による流れを形成すること
が可能となる。
【0035】よって、請求項1に記載の気相成長方法に
おいては、反応炉内圧力を大気圧よりも低くなるように
調整し、基板を高速回転(少なくとも500rpm以
上)で回転さながら薄膜を成長させることによって、原
料ガスの分解による粉の生成を抑制し、原料ガスを効率
的に基板に供給することができる。そのため、基板に粉
が付着しにくくなって高品質成膜が可能であり、かつ、
原料ガスの利用効果が向上する。結晶成長的に有利であ
る高温域においても、原料ガスの消耗を低減して従来型
装置では成膜不可能な成長条件においても、基板回転効
果により成膜が可能となる。
【0036】上述の効果は、気相中において容易に反応
しやすい、複数の原料ガスを用いた場合にも同様に作用
する。
【0037】また、気相成長によって微粒子を生成する
微粒子生成装置では、内部に回転体を配設した反応炉内
に、前記回転体に対して垂直方向から均一な速度分布で
原料ガスを供給すると、回転体上の境界層内に原料ガス
が滞留する時間は一定となる。このため、反応炉内で原
料ガスが分解して粒子が生成される場合、ほぼ均一な粒
径の粒子が生成される。
【0038】そして、上記したように、境界層内におけ
る原料ガスの滞留時間は回転体の回転数に反比例するこ
とにより、回転体の回転数によって反応炉内で生成され
る粒子の粒径を制御することができる。
【0039】よって、請求項3に記載の本発明に係る微
粒子生成装置においては、回転体の回転を制御すること
によって、生成される微粒子の粒径を任意に制御するこ
とができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
【0041】図1は、本発明の一実施例に係る気相成長
装置を示す概略図である。この図に示すように、反応炉
1内の上部には、複数の小径孔2aが形成されている円
盤状の開口率が例えば0.1の整流板2と、ガス供給管
3を介してガス(原料ガス、キャリアガス等)を供給す
るガス供給装置4が配設されており、反応炉1内の下部
には、基板(本実施例ではシリコン基板)5を載置する
基板ホルダ6と、基板ホルダ6を着脱自在に支持する回
転軸7と、基板ホルダ6および基板5を加熱するヒータ
8が配設されている。
【0042】ガス供給管3は、整流板2の上方で反応炉
1の上部側面に配置されている。整流板2は、基板5か
ら十分離して(例えば5cm以上)配置されている。
【0043】また、反応炉1の外側下部には、基板ホル
ダ6を支持した回転軸7を回転駆動する回転駆動装置9
と、回転駆動装置9の回転駆動を制御する回転駆動制御
装置10と、排気管11を介して反応炉1内の圧力調整
および未反応ガス等を排気する排気装置12と、反応炉
1内で生成される粉等を捕集するフィルタ13が配設さ
れている。
【0044】ヒータ8には、ヒータ電源14と、温度制
御装置15と、基板5の温度を測定する放射温度計等の
温度計16が接続されており、温度計16は、反応炉1
の上部側面の整流板2の下方に形成した石英窓17の外
側に配設されている。
【0045】本実施例に係る気相成長装置は上記のよう
に構成されており、排気装置12で反応炉1内を排気し
て反応炉内圧力を調整(大気圧以下)し、ヒータ8によ
って基板ホルダ6を加熱して基板5を所定温度(例えば
800℃以上)に上昇させると共に、回転駆動装置9の
回転駆動により基板ホルダ6および基板5を所定の回転
数(500rpm以上)で回転させ、ガス供給装置4か
らガス供給管3を介して反応炉1内に、整流板2の小径
孔2aを通して原料ガス(本実施例では、原料ガスは分
解しやすいSiH4 、Si2 6等の水素化硅素が用い
られる)をキャリアガス(例えばH2 )と共に供給する
ことによって、基板5上に半導体薄膜が気相成長する。
【0046】この時、原料ガスは、整流板2の小径孔2
aを通ることによって、均一な流速で基板5上に供給さ
れる。また、整流板2は、基板5から十分離して(例え
ば5cm以上)配置されているので、ヒータ8によって
加熱されることによる温度上昇が低減される。このた
め、整流板2で原料ガスが分解されることはない。ま
た、整流板2は、冷却手段を用いて冷却してもよい。
【0047】図2は、上記した気相成長時における基板
5の回転数と、反応炉1内で原料ガスの分解によって発
生する粉の相対濃度との関係を示す図である。尚、この
時の成長条件は、基板温度:1000℃,反応炉内圧
力:38Torr,トータルガス流量:30リットル/
分である。
【0048】この実験結果から明らかなように、基板5
を500rpm程度以上の高回転で回転させると、気相
中における粉の生成が大幅に抑制される。
【0049】この時、基板5の回転数は、回転駆動制御
装置10で回転駆動装置9の回転駆動を制御することに
よって一定の回転数(例えば500rpm以上)に制御
され、また、基板5の温度は、温度計16から入力され
る温度情報に基づいてヒータ電源14に流すヒータ電流
を温度制御装置15で制御することによって、所定の温
度(本実施例では1000℃)に制御される。
【0050】このように、基板5を500rpm以上、
特に数千rpmの高速で回転させることにより、ガスを
基板5の回転によるポンプ効果によって基板5近傍まで
引付け、境界層を薄くすることができるので、原料ガス
の気相中における分解反応を抑制して、粉の発生を防止
することができる。原料ガスが粉になりにくくなると、
基板5の表面に到達する原料ガスの分量が多くなり、原
料ガス利用効率が向上し、高速成長も可能となる。また
基板5に付着する粉も減少する。
【0051】また、図3は、上記した気相成長時におけ
る基板5の回転数と薄膜の成長速度との関係を示す図で
ある。尚、この時の成長条件は、基板温度:1050
℃,反応炉内圧力:38Torr,トータルガス流量:
30リットル/分である。
【0052】この実験結果から明らかなように、基板5
の回転数が500rpm程度よりも低い場合には、原料
ガスが気相中においてほとんど分解して粉になってしま
うために、基板上に原料ガスが到達できず、基板5上に
薄膜が気相成長しないが、基板5の回転数が500rp
m以上の場合には、気相中における粉の生成が抑制さ
れ、原料ガスが基板5に到達することが可能になるの
で、基板5上に薄膜が気相成長する。また、基板面内膜
厚分布も良好であり、6インチの基板面内で±1%以内
の膜厚分布が得られた。膜厚分布は、基板回転効果によ
り排出されるガス流入と、供給するトータルガス供給両
をほぼ等しくすることにより均一になり、任意の回転数
において、反応炉内圧力やトータルガス流量を最適化す
ることにより、均一な成膜を行うことが可能である。成
長圧力が減圧の方が、ガスの浮力が膜厚方向に対して悪
影響を与えにくいため、好ましい。
【0053】また、上記した気相成長装置により、気相
中において粉を発生し易い複数の原料ガスを使用し、基
板5上に酸化膜、窒化膜等の薄膜成長を行わせる場合で
も、上記の場合と同様に極めて有効に適用できる。
【0054】例えば、上記した気相成長装置で、原料ガ
ス:SiH4 …500cc/min,O2 …2リットル
/min,キャリアガス:N2 …30リットル/mi
n,反応炉内圧力:38Torr,基板温度:500
℃,として基板5上にSiO2 膜を成長させる場合に、
基板5を低速回転(十rpm以下)あるいは回転させな
い場合には、気相中において原料ガスのほぼ全てが粉に
なって薄膜成長が行われないが、上記同様基板5を50
0rpm以上の高速で回転させることにより、SiO2
膜が成長する。
【0055】このように、気相中において粉を発生し易
い複数の原料ガスを使用し、基板5上に酸化膜、窒化
膜、高誘電体膜、金属膜、半導体膜等の薄膜成長を行わ
せる場合でも、基板5を500rpm以上の高速で回転
させることにより、気相中に原料ガスの分解による粉の
発生を抑制することができる。
【0056】また、前記実施例において基板回転数が大
きくなると、細かい粉が発生しやすく、排気系の下流側
まで運ばれ易くなる。このような場合でも、フィルタ1
3によって粉を捕集することにより、排気管のつまり
や、排気ポンプ等の故障を低減させ、連続して高品質な
薄膜成長を行うことができる。また、粉になる原料ガス
が少なくなるので、原料ガスの利用効率が向上する。
【0057】また、前記実施例では、整流板2によって
原料ガスを基板5上に均一な流速で供給する構成であっ
たが、整流板2の代りに図4に示すように、下広がりの
テーパ部1aを形成した反応炉1を用いて、反応炉1の
上部から原料ガスを反応炉1内に供給する気相成長装置
でも、前記同様原料ガスを基板5上に均一な流速で供給
することができる。他の構成は、図1に示した気相成長
装置と同様である。
【0058】基板上に均一にガスを供給することは、均
一な成膜を行う上で、また、理想的な回転の効果を得る
上で不可欠である。特に大口径基板(例えば4インチ以
上)においては、ガス供給方法が膜厚分布に与える影響
は顕著となる。
【0059】図5は、本発明の一実施例に係る微粒子生
成装置を示す概略図である。この図に示すように、本実
施例に係る微粒子生成装置は、微粒子生成部20と微粒
子捕集部30とで構成されている。
【0060】微粒子生成部20は、カーボン等から成る
円板21と、円板21を回転自在に支持する回転軸22
を内部に配設した反応炉23と、回転軸22を反応炉2
3の外側下部から回転駆動する回転駆動装置24と、回
転駆動装置24の回転駆動を制御する回転駆動制御装置
25と、反応炉23の外周面に配置した反応炉23内を
加熱する高周波コイル26と、反応炉23内に供給管2
7を介してガス(原料ガス、キャリアガス等)を供給す
るガス供給装置28とで構成されている。
【0061】微粒子捕集部30は、排気装置31と、サ
イクロン32と、サイクロン32の下部にバルブ33を
介して接続されている粒子貯蔵装置34と、微粒子生成
部20の反応炉23の下部とサイクロン32間に接続さ
れた排気管35とで構成されている。
【0062】また、反応炉23内の基板21が配置され
ている周囲及び排気管35の周面には、それぞれヒータ
29,36が配設されている。
【0063】本実施例に係る微粒子生成装置は上記のよ
うに構成されており、反応炉23内を排気管35を通し
て排気装置31で排気して反応炉内圧力を所定の圧力
(例えば76Torr)に調整し、高周波コイル26で
円板21を所定の温度(例えば1100℃)に加熱し
て、回転駆動装置24の回転駆動により円板21を所定
の回転数(例えば700rpm)で回転させ、ガス供給
装置28によりキャリアガス(例えばH2 )と共に原料
ガス(例えばSiH4 )を反応炉23内に供給すること
によって、微粒子(粒径は例えば0.1μm以下)40
が生成される。円板21の加熱方法は抵抗加熱、ランプ
加熱等の他の手段を用いてもよい。
【0064】そして、反応炉23内で生成された微粒子
40は、排気装置31による排気により排気管35を通
してサイクロン32内に導入され、バルブ33を通して
粒子貯蔵装置34内に捕集される。粒子捕集のための手
段は、サイクロンに限らず、フィルタ等の他の手段を用
いてもよい。
【0065】図6は、円板21の回転数と生成される微
粒子の平均粒径との関係を示す実験結果である。この実
験結果から明らかなように、回転駆動制御装置25によ
って回転駆動装置24の回転駆動を制御して円板21の
回転数を変化させることにより、生成される微粒子の平
均粒径分布を任意に制御することができる。このよう
に、平均粒径分布を任意に制御することができるので、
気相成長法(CVD法)によって製造される例えば磁気
記録材料、金属微粒子触媒、アルミナ超微粒子、光学素
子等に用いられる超微粒子を、最適な平均粒径分布で製
造することができる。
【0066】図7は、原料ガスの供給の時間経過に応じ
て円板21の回転数を任意に制御した時の図であり、こ
のような円板21の回転制御を行うことにより、図8に
示すような粒径密度分布を持つような微粒子を生成する
ことができる。
【0067】また、反応炉23内の下部及び排気管35
をそれぞれヒータ29,36によって加熱することによ
り、生成される微粒子40を、反応炉23の内壁や排気
管35の内周面等に付着するのを防止して効率よく捕集
することができる。また、粉により反応炉や排気管内が
つまることが少なくなり、連続的な運転が可能となる。
【0068】また、前記実施例で示した微粒子生成装置
において、高周波コイル26による反応炉23の加熱、
あるいは排気装置31による反応炉23内の圧力、ある
いは回転駆動装置24による円板21の回転のうち、少
なくともいずれかを制御することによっても、生成され
る微粒子の粒径分布を制御することができる。
【0069】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて具体的に説明し
たように本発明に係る気相成長方法によれば、基板を少
なくとも500rpm以上で回転させながら気相成長を
行うことにより、気相中における原料ガスの分解のよる
粉の生成を抑制して、基板上に効率よく均一な薄膜を成
長させることができる。
【0070】また、気相中における原料ガスの分解によ
る粉の生成が抑制されることにより、基板上に粉が付着
することが防止されるので、高品質な薄膜を成長させる
ことができ、更に、原料ガス利用効率も向上する。
【0071】また、本発明に係る微粒子生成装置によれ
ば、回転体の回転数を任意に制御することによって、任
意の粒径分布の微粒子を容易に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る気相成長装置を示す概
略図である。
【図2】基板回転数と粉の相対濃度との関係を示す図で
ある。
【図3】基板回転数と薄膜成長速度との関係を示す図で
ある。
【図4】本発明の他の実施例に係る気相成長装置を示す
概略図である。
【図5】本発明の一実施例に係る微粒子生成装置を示す
概略図である。
【図6】円板回転数と微粒子の平均粒径との関係を示す
図である。
【図7】原料ガス供給の時間経過と円板回転数との関係
を示す図である。
【図8】図7に示した円板の回転数制御によって生成さ
れる微粒子の粒径密度分布を示す図である。
【図9】従来の微粒子生成装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1,23 反応炉 2 整流板(流速均一手段) 3,28 ガス供給装置 5 基板 6 基板ホルダ 7,22 回転軸 8 ヒータ(加熱手段) 9,24 回転駆動装置 10,25 回転駆動制御装置 12,31 排気装置(圧力調整手段) 14 ヒータ電源 15 温度制御装置 16 温度計 20 微粒子生成部 21 円板(回転体) 26 高周波コイル 30 微粒子捕集部 32 サイクロン 34 粒子貯蔵装置 40 微粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−196544(JP,A) 特開 平4−372120(JP,A) 特開 昭61−242011(JP,A) 特開 平3−270126(JP,A) 特開 平4−125919(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 H01L 21/31 H01L 21/68 C23C 16/00 C30B 25/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応炉内に気相中において分解し易い原
    料ガスを供給し、前記反応炉内に配置した基板ホルダ上
    に載置され加熱手段により加熱される基板に薄膜を気相
    成長させる気相成長方法において、 前記反応炉内の圧力を調整する圧力調整手段と、 前記基板を回転させる回転駆動手段とを有し、 前記圧力調整手段により気相成長中の前記反応炉内圧力
    を大気圧よりも低くなるように調整し、前記回転駆動手
    段により前記基板を少なくとも500rpm以上で回転
    させながら前記基板上に薄膜を気相成長させることを特
    徴とする気相成長方法。
  2. 【請求項2】 前記原料ガスは、少なくとも水素化珪素
    を含んでいることを特徴とする請求項1記載の気相成長
    方法。
  3. 【請求項3】 反応炉内に気相中において分解し易い原
    料ガスを供給し、前記反応炉内に配置した基板ホルダ上
    に載置され加熱手段により加熱される基板に薄膜を気相
    成長させる気相成長装置において、 気相成長中の前記反応炉内圧力を大気圧よりも低くなる
    ように調整し、前記基板を少なくとも500rpm以上
    で回転させながら前記基板上に薄膜を気相成長させるこ
    とを特徴とする気相成長装置。
  4. 【請求項4】 反応炉と、前記反応炉内にガスを供給す
    るガス供給手段と、前記反応炉内に配設された回転体
    と、前記回転体を回転軸を介して回転駆動する回転駆動
    手段と、該回転駆動手段の回転駆動を制御して回転体の
    回転数を変化させることにより、前記ガスから生成され
    る微粒子の平均粒径分布を任意に制御する回転駆動制御
    手段と、前記反応炉に接続され、前記微粒子を捕集する
    微粒子捕集手段とを具備したことを特徴とする微粒子生
    成装置。
  5. 【請求項5】 前記回転体を加熱する加熱手段を備える
    ことを特徴とする請求項4に記載の微粒子生成装置。
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