JP3114712B2 - 積層型lcノイズフィルタ - Google Patents

積層型lcノイズフィルタ

Info

Publication number
JP3114712B2
JP3114712B2 JP10352459A JP35245998A JP3114712B2 JP 3114712 B2 JP3114712 B2 JP 3114712B2 JP 10352459 A JP10352459 A JP 10352459A JP 35245998 A JP35245998 A JP 35245998A JP 3114712 B2 JP3114712 B2 JP 3114712B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
sheet
laminated
dielectric ceramic
capacitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10352459A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000183677A (ja
Inventor
重克 山本
貴博 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP10352459A priority Critical patent/JP3114712B2/ja
Publication of JP2000183677A publication Critical patent/JP2000183677A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3114712B2 publication Critical patent/JP3114712B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Filters And Equalizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LCノイズフィル
タに関し、詳しくは、電極が配設されたシートを積層す
ることによりコンデンサ部及びコイル部が形成された構
造を有する積層型LCノイズフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】LCノイズフィルタには、コイルパター
ンやコンデンサ電極パターンが形成されたセラミックシ
ートを積層することにより、セラミック中にコンデンサ
部とコイル部を配設してなる積層型LCノイズフィルタ
がある。
【0003】そして、この積層型LCノイズフィルタの
一つに、例えば、図4に要部の分解斜視図を示すととも
に、図5に等価回路図を示すような積層型LCノイズフ
ィルタがある。この積層型LCノイズフィルタは、第1
コイル部51と第2コイル部部52の2つのコイル部
と、ホット側コンデンサ電極63及びアース側コンデン
サ電極65からなるコンデンサ部53が内部に配設され
た素子54に、第1コイル部51の基端部(IN側端
部)51aと導通する第1外部電極55aと、第2コイ
ル部52の基端部(OUT側端部)52aと導通する第
2外部電極55bと、アース側コンデンサ電極65と導
通するアース用外部電極56とを備えてなる、いわゆる
T型のLCノイズフィルタがある。
【0004】そして、このT型のLCノイズフィルタ
は、図6に示すように、第1コイル部51を構成するコ
イルパターン61が配設された磁性体セラミックグリー
ンシート62と、コンデンサ部53を構成するホット側
コンデンサ電極63が配設された誘電体セラミックグリ
ーンシート64と、接地されるアース側コンデンサ電極
65が配設された誘電体セラミックグリーンシート66
と、第2コイル部52を構成するパターン67が配設さ
れた誘電体セラミックグリーンシート68と、図示しな
い外層シートを積層、圧着し、ビアホールを介して各パ
ターン(電極)を導通させた後、所定の条件で焼成を行
い、図4に示すように、外部電極55a,55b及びア
ース用外部電極56を形成することにより製造されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の積
層型LCノイズフィルタにおいては、第1コイル部51
及び第2コイル部52を構成するセラミックシートとし
て、所望のインダクタンスを取得できるように磁性体セ
ラミックシートが用いられており、また、コンデンサ部
53を構成するセラミックシートとして、所望の容量を
取得できるように誘電体セラミックシートが用いられて
いるため、磁性体セラミックと誘電体セラミックとの間
に、焼成時の収縮率に大きな差があると、両者を接合
(積層、圧着)して一体焼成しても十分に接合させるこ
とができず、所望の特性を備えたLCノイズフィルタを
得ることができないという問題点がある。
【0006】そこで、従来は、磁性体セラミックシート
と誘電体セラミックシートを構成するセラミック材料と
して、焼成時の収縮率の差の小さいセラミック材料を使
用して、一体焼成した場合に磁性体セラミックと誘電体
セラミックとが確実に接合した状態に保たれるようにし
ている。
【0007】しかし、セラミック材料の選択範囲が、収
縮率の差が小さい材料に限定され、誘電体セラミックと
しては、誘電率の低いものしか使用できないのが実情で
あり、例えば、電源ライン用のノイズフィルタとして用
いる場合に、電源ラインに必要な大きさの静電容量を得
ることができないというような問題点がある。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、コンデンサ部を構成するセラミック材料とコイル部
を構成するセラミック材料の収縮率の大きさに制約され
ることなく、セラミック材料を選択することが可能で、
所望の特性を実現することができる積層型LCノイズフ
ィルタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の積層型LCノイズフィルタは、コンデンサ
部とコイル部とを備えた積層型LCノイズフィルタにお
いて、 (a)コンデンサ部が、アース側コンデンサ電極を配設し
た誘電体セラミック材料を用いてなる誘電体セラミック
シート(アース電極配設シート)と、前記アース電極配
設シートと同じ誘電体セラミック材料を用いてなる誘電
体セラミックシートにホット側コンデンサ電極を配設し
た誘電体セラミックシート(ホット電極配設シート)が
交互に積層されているとともに、貫通電極が、アース側
コンデンサ電極と導通しないようにアース電極配設シー
トを貫通し、かつ、ホット側コンデンサ電極と導通する
ようにホット電極配設シートを貫通するように配設され
た構造を有し、 (b)コイル部が、前記アース電極配設シート及び前記ホ
ット電極配設シートを構成する誘電体セラミック材料と
同じ誘電体セラミック材料を用いてなる誘電体セラミッ
クシートに強磁性体材料を塗布した強磁性体配設シー
ト、又は強磁性体材料をシート状に成形してなる強磁性
体層を配設した強磁性体配設シートを積層することによ
り形成されているとともに、前記アース電極配設シート
及び前記ホット電極配設シートを貫通する貫通電極と一
体をなす貫通電極が、前記強磁性体配設シートを貫通す
るように配設された構造を有し、 (c)前記コンデンサ部を構成する誘電体セラミックシー
トと、前記コイル部を構成する誘電体セラミックシート
とが積層・接合されて、コンデンサ部とコイル部が一体
化しており、かつ、 (d)前記貫通電極の両端部が入出力部を構成しているこ
とを特徴としている。
【0010】コイル部に、コンデンサ部に用いられてい
るのと同じ誘電体セラミック材料を用いることにより、
コイル部とコンデンサ部の焼成時の収縮率が同じにな
り、収縮率の差によりコンデンサ部とコイル部とが接合
できなくなる事態を確実に回避することができるように
なるとともに、コイル部を、誘電体セラミックシートに
強磁性体材料を塗布した強磁性体配設シート、又は強磁
性体材料をシート状に成形してなる強磁性体層を配設し
た強磁性体配設シートを積層して形成することにより、
磁性体セラミックを用いなくても、LCノイズフィルタ
として必要なインダクタンスを確保することが可能にな
り、十分なノイズ抑制効果を備えた積層型LCノイズフ
ィルタを得ることが可能になる。なお、本発明におい
て、コイル部に用いる誘電体セラミックシートを、コン
デンサ部を構成する誘電体セラミックシートと同じ材料
にするという概念は、必ずしもまったく同一の材料を用
いることを意味するものではなく、同系の材料であっ
て、コイル部とコンデンサ部を容易に接合することがで
きる範囲内において若干の差異があるものをも含む概念
である。
【0011】また、本発明の請求項2の積層型LCノイ
ズフィルタは、前記コイル部の強磁性体配設シートに配
設された強磁性体材料が、Ni又はNiを主成分とする
合金を含有する材料であることを特徴としている。
【0012】本発明においては、コイル部を構成する強
磁性体配設シートに用いる強磁性体材料として、Fe、
Niその他の種々の材料を用いることが可能であるが、
フェライトのようなFeを含む材料を用いた場合、誘電
体の種類や焼成条件などとの関係により、時として焼成
工程でFeが誘電体中に拡散して絶縁抵抗が低下するこ
とがある。そのような場合に、Ni又はNiを主成分と
する合金を含有する材料を強磁性体材料として用いるこ
とにより、絶縁抵抗の低下を招いたりすることなく、信
頼性の高い積層型LCノイズフィルタを確実に得ること
が可能になり、本発明をより実効あらしめることができ
る。
【0013】また、請求項3の積層型LCノイズフィル
タは、コンデンサ部及びコイル部を組み合わせてなる積
層型LCノイズフィルタであって、前記コンデンサ部及
び前記コイル部の少なくとも一方が複数個配設されてい
ることを特徴としている。本発明は、一つのコンデンサ
部と一つのコイル部とを組み合わせたLCフィルタに限
定されるものではなく、1個以上のコンデンサ部やコイ
ル部を種々に組み合わせてなる種々のタイプの積層LC
ノイズフィルタ(例えば、T型LCフィルタやπ型LC
フィルタなど)を構成する場合に広く適用することが可
能である。
【0014】また、請求項4の積層型LCノイズフィル
タは、アース電極配設シートには無電極部が形成されて
いるとともに、前記強磁性体配設シートには強磁性体層
無形成部が形成されており、貫通電極は、アース電極及
び強磁性体層と導通しないように、前記アース電極配設
シートの無電極部及び強磁性体配設シートの強磁性体層
無形成部を貫通するように配設されているとともに、前
記貫通電極の両端部には一対の入出力電極が配設され、
かつ、 前記アース側コンデンサ電極と導通するようにア
ース用外部電極が配設されていることを特徴としてい
る。
【0015】アース電極配設シートに無電極部を、強磁
性体配設シートに強磁性体層無形成部をそれぞれ形成
し、貫通電極を、アース電極及び強磁性体層と導通しな
いように、無電極部及び強磁性体層無形成部を貫通する
ように配設するとともに、貫通電極の両端部に一対の入
出力電極を配設し、アース側コンデンサ電極と導通する
ようにアース用外部電極を配設することにより、複雑な
構造を必要とすることなく、請求項1〜3記載の積層型
LCノイズフィルタを確実に構成することが可能にな
り、本発明をより実効あらしめることができる。
【0016】また、請求項5の積層型LCノイズフィル
タは、前記入出力電極が、アース電極配設シート、ホッ
ト電極配設シート、及び強磁性体配設シートを備えた積
層体の、少なくとも上面及び下面の一部を含む領域に形
成されており、前記アース用外部電極が、前記積層体の
少なくとも両端面の一部を含む領域に形成されているこ
とを特徴としている。
【0017】アース電極配設シート、ホット電極配設シ
ート、及び強磁性体配設シートを備えた積層体の、少な
くとも上面及び下面の一部を含む領域に入出力電極を形
成し、積層体の少なくとも両端面の一部を含む領域にア
ース用外部電極を形成することにより、複雑な構造を必
要とすることなく、表面実装型の積層型LCノイズフィ
ルタを構成することが可能になり、本発明をさらに実効
あらしめることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示し
て、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0019】図1(a)は本発明の一実施形態にかかる積
層型LCノイズフィルタ(この実施形態では、電源ライ
ン用のLCノイズフィルタ)を示す断面図であり、図1
(b)はその外観構成を示す斜視図、図2は要部の構成を
示す分解斜視図である。また、図3は図1の積層型LC
ノイズフィルタの等価回路を示す図である。
【0020】図1,2及び3に示すように、この積層型
LCノイズフィルタは、コンデンサ部1と、コイル部2
と、貫通導体3とを備えている。そして、これらコンデ
ンサ部1、コイル部2及び貫通導体3が内部に配設され
た構造を有する誘電体セラミック(この実施形態ではチ
タン酸バリウム系セラミック)4からなる素子5の表面
(図1では上下両面側)には、貫通導体3の両端部と導
通する一対の外部電極(入出力電極)6a,6bが形成
され、両端側にはコンデンサ部1のアース側コンデンサ
電極1aと導通するアース用外部電極7が形成されてい
る。
【0021】そして、この積層型LCノイズフィルタに
おいて、コンデンサ部1は、誘電体セラミック4中にア
ース側コンデンサ電極1a及びホット側コンデンサ電極
1bを配設することにより形成されている。そして、ホ
ット側コンデンサ電極1bは貫通導体3(3a)と導通
しており、アース側コンデンサ電極1aは、貫通電極3
(3a)とは導通せず、アース用外部電極7に接続され
ている。
【0022】また、コイル部2は、コンデンサ部1を構
成する誘電体セラミックと同じ誘電体セラミック4中
に、Niからなる強磁性体層8が配設されているととも
に、強磁性体層8を貫通するように貫通電極3(3b)
が配設されている。なお、この実施形態では、貫通電極
3(3b)は、強磁性体層8と導通しないように、中央
の強磁性体層無形成部9を貫通するように配設されてい
る。ただし、貫通電極3(3b)が、強磁性体層8と導
通するように配設された構造とすることも可能である。
【0023】次に、この実施形態の積層型LCノイズフ
ィルタの製造方法を、主として図2を参照しつつ説明す
る。 [コンデンサ部] まず、誘電体セラミック材料を用いて形成した誘電体セ
ラミックシート(グリーンシート)11に、アース側コ
ンデンサ電極1aを配設したアース電極配設シート11
aと、このアース電極配設シート11aと同じ誘電体セ
ラミック材料を用いて形成した誘電体セラミックシート
(グリーンシート)11に、ホット側コンデンサ電極1
bを配設した誘電体セラミックシート(ホット電極配設
シート)11bとを交互に積層する。そして、アース側
コンデンサ電極1aと導通しないように、アース電極配
設シート11aの中央の無電極部10を通ってアース電
極配設シート11aを貫通し、かつ、ホット側コンデン
サ電極1bと導通するようにホット電極配設シート11
bを貫通する貫通電極3(3a)を配設してコンデンサ
部1を形成する。
【0024】[コイル部] アース電極配設シート11a及びホット電極配設シート
11bを構成する誘電体セラミック材料と同じ材料を用
いてなる誘電体セラミックシート(グリーンシート)1
1に強磁性体層形成用のペースト(Niを強磁性体材料
として用いたペースト)8aを塗布して形成した強磁性
体配設シート11cを積層する。そして、アース電極配
設シート11a及びホット電極配設シート11bを貫通
する貫通電極3と一体をなす貫通電極3(3b)を、強
磁性体配設シート11cを貫通して配設することにより
コイル部2を形成する。この実施形態では、上述のよう
に、貫通電極3(3b)を、強磁性体配設シート11c
の中央の強磁性体層無形成部9を貫通するように配設す
る。
【0025】なお、貫通電極3(3a,3b)は、金属
線などの棒状の電極材料を用いて形成することも可能で
あり、また、導電ペーストを注入することにより形成す
ることも可能である。
【0026】また、上記コンデンサ部1とコイル部2を
形成するにあたっては、各誘電体セラミックシート11
をすべて積層した後、一括して圧着するようにしてもよ
く、また、コンデンサ部1とコイル部2とで、各誘電体
セラミックシート11をそれぞれ別々に積層、圧着した
後、両者を圧着するようにしてもよい。また、各誘電体
シートや強磁性体層を順次、印刷・積層して構成するこ
とも可能である。
【0027】そして、上記のようにして各誘電体セラミ
ックシート11を積層し、貫通導体3を配設することに
より形成した積層体を所定の条件で焼成した後、外部電
極形成用の導電ペーストを塗布して焼き付けることによ
り、外部電極6a,6b(図1)及びアース用外部電極
7(図1)を形成する。これにより、図1に示すような
構造を有する積層型LCノイズフィルタが得られる。
【0028】上記のように、コイル部に、コンデンサ部
に用いられているのと同じ誘電体セラミック材料からな
るセラミックシートを用いることにより、コイル部とコ
ンデンサ部の焼成時の収縮率を同じにして、収縮率の差
によりコンデンサ部とコイル部とが接合できなくなる事
態を確実に回避することが可能になるとともに、コイル
部を、誘電体セラミックシートに強磁性体材料を配設し
た強磁性体配設シートを積層して形成することにより、
磁性体セラミックを用いなくても、LCノイズフィルタ
として必要なインダクタンスを確保することが可能にな
り、十分なノイズ抑制効果を備えた積層型LCノイズフ
ィルタを得ることができる。
【0029】なお、上記実施形態では、一つのコンデン
サ部と一つのコイル部を組み合わせることにより形成さ
れた積層型LCノイズフィルタを例にとって説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、1個以上
のコンデンサ部やコイル部を種々に組み合わせてなる、
例えば、図5に示すような、いわゆるT型LCノイズフ
ィルタや、特に図示しないπ型LCノイズフィルタな
ど、種々のタイプのフィルタに広く適用することが可能
である。
【0030】また、上記実施形態では、強磁性体材料と
してNiを用いた場合について説明したが、Niに限ら
ず、Niを含む合金、Feその他の磁性体材料を用いる
ことが可能である。ただし、フェライトのようなFeを
含む材料を用いた場合、誘電体の種類や焼成条件などと
の関係により、時として焼成工程でFeが誘電体中に拡
散して絶縁抵抗が低下することがあるので、そのような
場合には、Ni又はNiを主成分とする合金を含有する
材料を強磁性体材料として用いることが望ましい。
【0031】また、上記実施形態では、強磁性体層を誘
電体セラミックシートの表面に塗布、配設した場合につ
いて説明したが、強磁性体層をシート状に成形して誘電
体セラミックシート上に配設するように構成することも
可能である。
【0032】また、上記実施形態では、誘電体セラミッ
ク材料としてチタン酸バリウムを用いた場合を例にとっ
て説明したが、本発明においては、誘電体セラミック材
料の種類に特別の制約はなく、酸化チタン、チタン酸ス
トロンチウム、低温焼成が可能なガラス系セラミックス
など、種々の誘電体セラミック材料を用いることが可能
である。
【0033】本発明は、さらにその他の点においても上
記実施形態に限定されるものではなく、コンデンサ部の
ホット側及びアース側のコンデンサ電極のパターンや積
層数、コイル部の強磁性体層のパターンや積層数、外部
電極やアース用外部電極の配設態様などに関し、発明の
要旨の範囲内において、種々の応用、変形を加えること
が可能である。
【0034】
【発明の効果】上述のように、本発明(請求項1)の積
層型LCノイズフィルタは、コイル部に、コンデンサ部
に用いられているのと同じ誘電体セラミック材料を用い
るとともに、コイル部を、誘電体セラミックシートに強
磁性体材料を塗布した強磁性体配設シート、又は強磁性
体材料をシート状に成形してなる強磁性体層を配設した
強磁性体配設シートを積層して形成しているので、コイ
ル部とコンデンサ部の焼成時の収縮率を同じにして、収
縮率の差によりコンデンサ部とコイル部とが接合できな
くなる事態を確実に回避することが可能になるととも
に、強磁性体を配設した誘電体セラミックシートを積層
して形成したコイル部において、LCフィルタとして必
要なインダクタンスを確保することが可能になり、十分
なノイズ抑制効果を備えた積層型LCノイズフィルタを
提供することができるようになる。
【0035】また、本発明においては、コイル部を構成
する強磁性体配設シートに用いる強磁性体材料として、
Fe、Niその他の種々の物質を用いることが可能であ
るが、フェライトのようなFeを含む材料を用いた場
合、誘電体の種類や焼成条件などとの関係により、時と
して焼成工程でFeが誘電体に拡散して絶縁抵抗を低下
させることがある。そのような場合に、請求項2のよう
に、Ni又はNiを主成分とする合金を含有する材料を
強磁性体材料として用いることにより、絶縁抵抗の低下
を招いたりすることなく、信頼性の高い積層型LCノイ
ズフィルタを確実に得ることが可能になり、本発明をよ
り実効あらしめることができる。
【0036】また、本発明は、一つのコンデンサ部と一
つのコイル部とを組み合わせたLCフィルタに限定され
るものではなく、請求項3のように、1個以上のコンデ
ンサ部やコイル部を種々に組み合わせてなる種々のタイ
プの積層LCノイズフィルタ(例えば、T型LCフィル
タやπ型LCフィルタなど)を構成する場合に広く適用
することができる。
【0037】また、請求項4の積層型LCノイズフィル
タのように、アース電極配設シートに無電極部を、強磁
性体配設シートに強磁性体層無形成部をそれぞれ形成
し、貫通電極を、アース電極及び強磁性体層と導通しな
いように、無電極部及び強磁性体層無形成部を貫通する
ように配設するとともに、貫通電極の両端部に一対の入
出力電極を配設し、アース側コンデンサ電極と導通する
ようにアース用外部電極を配設するようにした場合、複
雑な構造を必要とすることなく、請求項1〜3記載の積
層型LCノイズフィルタを確実に構成することが可能に
なり、本発明をより実効あらしめることができる。
【0038】また、請求項5の積層型LCノイズフィル
タのように、アース電極配設シート、ホット電極配設シ
ート、及び強磁性体配設シートを備えた積層体の、少な
くとも上面及び下面の一部を含む領域に入出力電極を形
成し、積層体の少なくとも両端面の一部を含む領域にア
ース用外部電極を形成するようにした場合、複雑な構造
を必要とすることなく、表面実装型の積層型LCノイズ
フィルタを構成することが可能になり、本発明をさらに
実効あらしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態にかかる積層型LC
ノイズフィルタを示す断面図、(b)はその外観構成を示
す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる積層型LCノイズ
フィルタの要部構成を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる積層型LCノイズ
フィルタの等価回路を示す図である。
【図4】従来の積層型LCノイズフィルタの要部構成を
示す分解斜視図である。
【図5】積層型LCノイズフィルタの等価回路を示す図
である。
【図6】従来の積層型LCノイズフィルタの製造方法を
示す図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ部 1a アース側コンデンサ電極 1b ホット側コンデンサ電極 2 コイル部 3(3a,3b) 貫通導体 4 誘電体セラミック 5 素子 6a,6b 外部電極(入出力電極) 7 アース用外部電極 8 強磁性体層 8a Niを強磁性体として用いたペースト 9 強磁性体層無形成部 10 無電極部 11 誘電体セラミックシート 11a アース電極配設シート 11b ホット電極配設シート 11c 強磁性体配設シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−267972(JP,A) 特開 平6−20839(JP,A) 特開 平9−266430(JP,A) 特開 平7−235448(JP,A) 実開 平4−91416(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 7/075 H01F 27/00 H01G 4/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンデンサ部とコイル部とを備えた積層型
    LCノイズフィルタにおいて、 (a)コンデンサ部が、アース側コンデンサ電極を配設し
    た誘電体セラミック材料を用いてなる誘電体セラミック
    シート(アース電極配設シート)と、前記アース電極配
    設シートと同じ誘電体セラミック材料を用いてなる誘電
    体セラミックシートにホット側コンデンサ電極を配設し
    た誘電体セラミックシート(ホット電極配設シート)が
    交互に積層されているとともに、貫通電極が、アース側
    コンデンサ電極と導通しないようにアース電極配設シー
    トを貫通し、かつ、ホット側コンデンサ電極と導通する
    ようにホット電極配設シートを貫通するように配設され
    た構造を有し、 (b)コイル部が、前記アース電極配設シート及び前記ホ
    ット電極配設シートを構成する誘電体セラミック材料と
    同じ誘電体セラミック材料を用いてなる誘電体セラミッ
    クシートに、強磁性体材料を塗布した強磁性体配設シー
    ト、又は強磁性体材料をシート状に成形してなる強磁性
    体層を配設した強磁性体配設シートを積層することによ
    り形成されているとともに、前記アース電極配設シート
    及び前記ホット電極配設シートを貫通する貫通電極と一
    体をなす貫通電極が、前記強磁性体配設シートを貫通す
    るように配設された構造を有し、 (c)前記コンデンサ部を構成する誘電体セラミックシー
    トと、前記コイル部を構成する誘電体セラミックシート
    とが積層・接合されて、コンデンサ部とコイル部が一体
    化しており、かつ、 (d)前記貫通電極の両端部が入出力部を構成しているこ
    とを特徴とする積層型LCノイズフィルタ。
  2. 【請求項2】前記コイル部の強磁性体配設シートに配設
    された強磁性体材料が、Ni又はNiを主成分とする合
    金を含有する材料であることを特徴とする請求項1記載
    の積層型LCノイズフィルタ。
  3. 【請求項3】コンデンサ部及びコイル部を組み合わせて
    なる積層型LCノイズフィルタであって、前記コンデン
    サ部及び前記コイル部の少なくとも一方が複数個配設さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層型
    LCノイズフィルタ。
  4. 【請求項4】前記アース電極配設シートには無電極部が
    形成されているとともに、前記強磁性体配設シートには
    強磁性体層無形成部が形成されており、 前記貫通電極は、アース電極及び強磁性体層と導通しな
    いように、前記アース電極配設シートの無電極部及び強
    磁性体配設シートの強磁性体層無形成部を貫通するよう
    に配設されているとともに、 前記貫通電極の両端部には一対の入出力電極が配設さ
    れ、かつ、 前記アース側コンデンサ電極と導通するようにアース用
    外部電極が配設されていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の積層型LCノイズフィルタ。
  5. 【請求項5】前記入出力電極が、アース電極配設シー
    ト、ホット電極配設シート、及び強磁性体配設シートを
    備えた積層体の、少なくとも上面及び下面の一部を含む
    領域に形成されており、 前記アース用外部電極が、前記積層体の少なくとも両端
    面の一部を含む領域に形成されていることを特徴とする
    請求項4記載の積層型LCノイズフィルタ。
JP10352459A 1998-12-11 1998-12-11 積層型lcノイズフィルタ Expired - Lifetime JP3114712B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10352459A JP3114712B2 (ja) 1998-12-11 1998-12-11 積層型lcノイズフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10352459A JP3114712B2 (ja) 1998-12-11 1998-12-11 積層型lcノイズフィルタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000183677A JP2000183677A (ja) 2000-06-30
JP3114712B2 true JP3114712B2 (ja) 2000-12-04

Family

ID=18424226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10352459A Expired - Lifetime JP3114712B2 (ja) 1998-12-11 1998-12-11 積層型lcノイズフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3114712B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101508540B1 (ko) * 2013-08-09 2015-04-06 삼성전기주식회사 기판 내장용 적층 세라믹 전자부품 및 적층 세라믹 전자부품 내장형 인쇄회로기판
KR102427927B1 (ko) * 2017-11-10 2022-08-02 삼성전기주식회사 3단자 적층형 커패시터

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000183677A (ja) 2000-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3812377B2 (ja) 貫通型三端子電子部品
US6727782B2 (en) Multilayered LC composite component and method for manufacturing the same
US4322698A (en) Laminated electronic parts and process for making the same
JP2001076953A (ja) 積層型コイル部品及びその製造方法
JP2716022B2 (ja) 複合積層電子部品
JP3114712B2 (ja) 積層型lcノイズフィルタ
JPS6228891B2 (ja)
JP3123209B2 (ja) 複合電子部品
JPH0878991A (ja) チップ型lcフィルタ素子
JP3139270B2 (ja) Lc複合部品
JP2909122B2 (ja) 積層複合部品
JPH0115159Y2 (ja)
JPH04196804A (ja) Lcフィルタ
JP2835122B2 (ja) 積層複合部品とその製造方法
JP2000223315A (ja) 積層チップコイル部品
JP3492766B2 (ja) 分布定数型ノイズフィルタ
JPH0410676Y2 (ja)
JPH09153752A (ja) フィルタ
JPH0410674Y2 (ja)
JPH07169651A (ja) 積層チップフィルタ
JP2700833B2 (ja) セラミック複合電子部品およびその製造方法
JPH10126193A (ja) Lcフィルタ部品
JPH06152300A (ja) 積層形emiフィルタ
JPH08236409A (ja) 積層複合部品およびその製造方法
JP2002111421A (ja) ノイズフィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000829

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080929

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080929

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090929

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090929

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130929

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term