JP3114550B2 - 芯鞘型複合紡績糸およびその製造方法 - Google Patents

芯鞘型複合紡績糸およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芯鞘型複合紡績糸およ
びその製造方法に関する。さらに詳しくは、芳香族ポリ
アミド短繊維とポリエステル短繊維とからなる芯鞘型複
合紡績糸で、耐切創性、耐熱性、耐摩耗性に優れ、アウ
トドアスポーツなどの機能性の要求される用途分野に提
供できる衣料用素材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル繊維は、力学的性
質、熱安定性、ウォッシャブル性、染色性などに優れて
いるため、衣料用、産業資材用、インテリア用など極め
て広い用途に使用されている。
【0003】一方、近年では、スノーボード、フィッシ
ング、登山などのアウトドアスポーツへの参加人口の伸
びが著しく、それにともない衣料用素材も従来以上に耐
久性が要求されるようになり、特に、耐切創性、耐熱
性、耐摩耗性などの機能性を向上したものが望まれてい
る。
【0004】これに対して、耐熱性に優れ、耐摩耗性が
高く、糸強度が高い芳香族ポリアミド繊維が幅広く用い
られるようになり、例えば芳香族ポリアミド繊維 100%
のフィラメント糸や紡績糸を部分的に用いて交織したも
のが、実公平1−36600号公報、特公昭62−26
900号公報、特開平2−292036号公報などで提
案されている。これらはいずれも引裂抵抗性、耐切創性
は向上するものの、芳香族ポリアミド繊維の有する欠点
ともいえる繊維のフィブリル化によるフロスティングや
染色性不良が生じるという欠点がある。
【0005】これら欠点を解決するものとして、特開平
3−830号公報では芯部に芳香族ポリアミド繊維、鞘
部にポリエステル繊維を配置した芯鞘型複合紡績糸が提
案されている。
【0006】しかしながら、この方法は従来公知の混紡
方式にて二層構造を有する紡績糸とする方法であるた
め、紡績糸表面において部分的に芳香族ポリアミド繊維
が現れ、紡績糸の内層に芳香族ポリアミド繊維を完全に
包み込むことができず満足できる芯鞘型複合紡績糸を得
ることができなかった。そのため、上記した芳香族ポリ
アミド繊維に起因するフロスティングや染色性などの欠
点を解決するに至っていない。また、たとえ二層化がで
きたとしても、内層の芳香族ポリアミド繊維と外層のポ
リエステル繊維の物性差が大きく、紡績糸として二層化
により両繊維が別々の挙動を起こし、例えばこの紡績糸
の引張強度特性は、繊維伸度が芳香族ポリアミド繊維成
分とポリエステル繊維成分とで大幅に異なることから、
低伸度の芳香族ポリアミド繊維のみの強度特性が現れ、
ポリエステル繊維は強度特性に寄与しないという欠点が
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
解決することができる、芳香族ポリアミド繊維とポリエ
ステル繊維から構成されてなり、強度特性、耐切創性、
耐熱性、耐摩耗性さらには染色性に優れた芯鞘型複合紡
績糸およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の芯鞘型複合紡績糸は、次の構成からなる。
【0009】すなわち、芯部が短繊維束A、鞘部が短繊
維束Bからなる複合紡績糸であって、該短繊維束Aがポ
リエステル短繊維と芳香族ポリアミド短繊維との混紡か
らなり、該短繊維束Bがポリエステル短繊維であること
を特徴とする芯鞘型複合紡績糸である。
【0010】また、本発明の芯鞘型複合紡績糸の製造方
法は、次の構成からなる。
【0011】すなわち、繊維束の幅方向にドラフト倍率
が次第に高くなるように配置された一対のテーパーロー
ラーからなるフロントトップローラーおよびフロントボ
トムローラーを有するリング精紡機に、ポリエステル短
繊維と芳香族ポリアミド短繊維とからなる短繊維束A
と、ポリエステル短繊維からなる短繊維束Bを、該短繊
維束Aを該短繊維束Bの送り出し量より低くなるように
供給し、該短繊維束Aを芯部として該短繊維束Bを巻回
せしめ、実撚りを付与することを特徴とする芯鞘型複合
紡績糸の製造方法である。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の芯鞘型複合紡績糸は、芳香族ポリ
アミド繊維が紡績糸表面へ出現する部分を概略なくし、
紡績糸の芯部(内層部)に配置させ、そのことによりフ
ロスティングや染色性を向上させ、しかも二層化の欠点
である物性差が大きい繊維の糸内個別挙動をなくすこと
によって、ポリエステルおよびポリアミド繊維のもつ各
特性を十分に発揮させる紡績糸とするものである。
【0014】すなわち、本発明の芯鞘型複合紡績糸は、
芯部に配置する短繊維群として芳香族ポリアミド繊維単
一のものではなく、ポリエステル繊維と芳香族ポリアミ
ド繊維を混紡してなるものを用いて構成されている。芯
部にポリエステル繊維と芳香族ポリアミド繊維との混紡
糸を用いてなることにより、両者のもつ特性差を緩和さ
せることができ、さらにその上に鞘部としてポリエステ
ル繊維で被覆することにより芳香族ポリアミド繊維をほ
ぼ完全に包み込んでなる芯鞘型複合紡績糸である。
【0015】本発明の芯鞘型複合紡績糸の芯部を構成す
る短繊維束Aについて詳細に説明する。
【0016】芯部を構成する短繊維束Aはポリエステル
短繊維と芳香族ポリアミド短繊維との混紡からなる繊維
束である。ここでいうポリエステルとはポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの溶融
紡糸可能なポリエステル重合体で、これら重合体には必
要に応じてイソフタル酸、ポリエチレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコールなどの第3成分を一種ない
し数種類、共重合させたものも含まれる。短繊維束Aを
構成するポリエステル繊維の断面形状、単繊維繊度、糸
物性は特に限定されるものではないが、好ましくはその
破断伸度が10〜40%のものである。
【0017】一方、芳香族ポリアミド繊維は、一般に引
張強度15〜30g/d、破断伸度2〜5%、熱分解開
始温度500℃の物性を有し、一般の合成繊維より強
度、耐熱性がはるかに高いものである。具体的には、ポ
リ(p−フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(m−フ
ェニレンイソフタルアミド)、芳香族共重合ポリアミド
などがあげられる。これらの芳香族ポリアミドはその優
れた強度特性から、主に産業資材分野によく使われてい
る。衣料分野においては、芳香族ポリアミド繊維の欠点
である染色性不良およびフィブリル化によるフロスティ
ングなどにより耐摩耗性が劣るなどの問題によりあまり
用いられていない。
【0018】本発明では、こうした芳香族ポリアミド短
繊維をポリエステル短繊維と混紡することにより複合紡
績糸の芯部として用いるものであり、芳香族ポリアミド
短繊維の特性を活かした紡績糸として衣料用に適用でき
るものである。
【0019】芯部としての短繊維束Aを構成するポリエ
ステル短繊維と芳香族ポリアミド短繊維の混紡からなる
繊維束は、通常の紡績方式を経て作成されるスライバー
や粗糸であって、紡績方式は特に限定されるものでな
い。
【0020】また本発明の芯鞘型複合紡績糸において、
紡績糸中に占める芳香族ポリアミド短繊維の比率は、耐
切創性、耐熱性、耐摩耗性などの機能性を付与する観点
から10重量%以上であることが好ましく、フィブリル
化によるフロスティングの改良および染色性を良くする
観点から40重量%以下であることが好ましい。なお、
この構成比率を達成するため、芯部を構成する短繊維束
Aの中に占める芳香族ポリアミド短繊維の比率が15〜
85重量%の範囲であることが好ましい。
【0021】次に、本発明の芯鞘型複合紡績糸の鞘部を
構成する短繊維束Bについて説明する。
【0022】この鞘部を構成する短繊維束Bはポリエス
テル繊維であり、短繊維束Aを構成するポリエステル繊
維と同一でもよいが、断面形状および単繊維繊度など変
更してもよく、ポリマもポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートなど、およびそれに必要に
応じてイソフタル酸、ポリエチレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコールなどの第3成分を一種ないし数
種類を共重合したポリエステル重合体でもよい。また、
異色効果を付与する場合には、カチオン可染ポリエステ
ルからなるを好ましく採用できる。
【0023】また、本発明における短繊維束Aおよび短
繊維束Bの断面形状および単繊維繊度は特に限定される
ものではない。繊維長についても紡績方法に合わせ、特
に限定しないが、紡績糸の品質を向上せしめる観点から
は、短繊維束Aと短繊維束Bの繊維長は同じであること
が好ましい。
【0024】本発明の紡績糸の撚数は特に限定しない
が、撚係数Kで2.8〜4.5の範囲がよい。ここで、
撚数=撚係数K×(番手)1/2 である。
【0025】次に、本発明の芯鞘型複合紡績糸の製造方
法について説明する。
【0026】本発明の芯鞘型複合紡績糸の製造方法は、
一対のテーパーローラーからなるフロントトップローラ
ーおよびフロントボトムローラーを有するリング精紡機
により、ガイドを介してフロントローラーの送り出し量
の高い側へ通したエプロンドラフト後の短繊維束Bと、
送り出し量の低い側へ通したエプロンドラフト後の短繊
維束Aを同時に精紡し、短繊維束Aを中心に短繊維束B
が実撚付与時に順次巻回され、芯部の短繊維束Aをこよ
り状に包み込む状態で糸形成させるという方法である。
【0027】図1は、本発明の芯鞘型複合紡績糸の製造
方法の一例を示す工程概略図である。
【0028】図1は、精紡機のドラフト、加撚の概要を
示すもので、精紡機に供給される短繊維束Aおよび短繊
維束Bがそれぞれバックローラー3に供給され、エプロ
ンドラフト4を経て一対のテーパーフロントローラーに
把持される。この時、フロントローラーの送り出し量の
高い側へトランペット1を介して短繊維束Bを、フロン
トローラーの送り出し量の低い側へトランペット2を介
して短繊維束Aを供給する。フロントローラーに把持さ
れ出てきた両成分を合体させ、リング、トラベラで実撚
を付与し通常の方法で糸管に巻き取る。
【0029】芯鞘型複合紡績糸全体として紡績糸の中に
占める芳香族ポリアミド短繊維の比率を10〜40重量
%とすることが、芳香族ポリアミドを均一に被覆する観
点から好ましく、また芯成分の短繊維束Aの中に占める
芳香族ポリアミド短繊維の比率が15〜85重量%の範
囲になるようにして精紡することが好ましい。
【0030】なお、短繊維束Aと短繊維束Bの太さを適
宜選択し、両繊維束との間隔を3〜15mm程度としたリ
ング精紡機により同時に精紡することによって本発明の
芯鞘型複合紡績糸を得ることができる。これら間隔の程
度は両成分の送り出し量の差、すなわち短繊維束Bの巻
回状態を変えるものであり、重なり状態や複合糸の物性
をみて設定することができる。
【0031】図2は、本発明の芯鞘型複合紡績糸の製造
方法で用いるテーパーボトムローラーの一例を示す正面
図である。
【0032】図3は、本発明の芯鞘型複合紡績糸の製造
方法で用いるテーパートップローラーの一例を示す正面
図である。
【0033】本発明で用いるリング精紡機には、図2に
示すように、フロントボトムローラー6はスピンドルに
対応して1錘ずつテーパー形状とする。そして、これら
テーパーフロントボトムローラー6に対応するように図
3に示すごとく同一テーパー方向で表面がゴムコットか
らなる一対のトップローラーを、従来のトップローラー
と同様にペンジョラムアームに装着し荷重をかけるよう
にする。
【0034】トップローラーは表面にゴムコットを装着
し、ボトムローラーテーパー部と同一方向とする。テー
パー角度はボトムテーパー角度と略同一とし、作用幅も
ボトムテーパー幅と略同様とするが、やや小さめでも差
支えない。
【0035】本発明の製造方法においては、上述のごと
く、一対のテーパーローラーからなるボトムローラー、
トップローラーを装着させ、通常の方法でスライバーや
粗糸を把持させる。したがって、フリース幅方向に沿っ
てドラフトが変わり、細径部に把持された短繊維束Aに
太径部に把持された短繊維束Bが順次巻回されて、被覆
性に優れた芯鞘型複合紡績糸を得ることができる。
【0036】粗糸A、Bのフリースは、コレクター等で
コントロールすることができる。
【0037】なお、短繊維束Aを構成するポリエステル
短繊維と芳香族ポリアミド短繊維との混紡からなる繊維
束としては、通常の紡績方式を経て作成されるスライバ
ーや粗糸のほかに紡績糸であってもよい。
【0038】
【実施例】以下、実施例をあげて、本発明をさらに具体
的に説明する。
【0039】なお、実施例における特性値等の測定法は
次の通りである。
【0040】(1)切創性(切創抵抗力) 枠体の中央部に約3mmの間隔で2枚の試料シートを把持
し、この試料シートのスリット部に角度60度で2辺に
刃のある刃綱の刃を垂直に立てて当て、この刃先を試料
シートに500mm/分の速度で押し付け荷重をかけてい
ったときの試料シートが切創される最大荷重を測定して
評価した。
【0041】(2)摩耗強度(フロスティング) JIS L 1096の「一般織物試験方法」により測
定した。
【0042】(3)防融性(煙草熱溶融性) 360℃に加熱された金属棒(直径約0.6cm)の先端
に試料を5秒間接触させた時の穴開きの程度を5級(穴
開きなし)〜1級(完全に穴が開く)の5段階で級判定
した。
【0043】(4)L値 SMカラーコンピューター(スガ試験機株式会社製)を
使って、明度L値を測定した。
【0044】[実施例1、比較例1〜2]繊度1.5
d、繊維長51mmのポリエステル短繊維60%と、繊度
1.5d、繊維長51mmの芳香族ポリアミド(ポリ(p
−フェニレンテレフタルアミド))短繊維(デュポン・
東レ・ケブラー社製“ケブラー”(商標))を40重量
%原綿混紡したものを通常の紡績方法で、太さ0.3g
/mの粗糸を作成した。
【0045】一方、繊度1.5d、繊維長51mmのポリ
エステル短繊維100%を同様の紡績方法で太さ0.3
g/mの粗糸をそれぞれ作成した。
【0046】これら2本の粗糸を一対のフロントテーパ
ーローラーを有する2インチリング精紡機に仕掛けた。
【0047】ポリエステル繊維と芳香族ポリアミド繊維
を混紡した粗糸をトランペットを通してフロントローラ
ーの送り出し量の低い側へバックローラから供給し、フ
ロントローラーの送り出し量の高い側へポリエステル短
繊維100%からなる粗糸を、トランペットを通して供
給した。精紡トータルドラフトは30.4倍で、芯鞘型
複合紡績糸の番手を30S(綿番手)、撚り係数はK=
4.0(21.9T/in)とした。各粗糸のフリース間隔を5mm
にしてドラフト、合体させ、その後通常の方法で糸管に
巻き取り、芯鞘比率50/50の芳香族ポリアミド繊維
20%の芯鞘複合紡績糸を得た。
【0048】また、比較として、上記と同様のポリエス
テル繊維および芳香族ポリアミド繊維を各々100%で
太さ0.8g/m、0.2g/mの粗糸を作成し、上記
と同一のテーパーローラーを有する精紡機(トータルド
ラフトは50.7倍)で、芳香族ポリアミド繊維を内
層、ポリエステル繊維を外層とする同一番手、同一撚数
の芳香族ポリアミド繊維20%の芯鞘複合紡績糸を得た
(比較例1)。
【0049】一方、ポリエステル繊維80%および芳香
族ポリアミド繊維20%を原綿混紡して、1.0g/m
の粗糸を作成し、常法の紡績方法により、芳香族ポリア
ミド繊維20%を単層で均一に混合されてなる紡績糸
(番手、撚数は実施例1と同じ)の均一混紡紡績糸を得
た(比較例2)。
【0050】得られたこれら各種紡績糸をそれぞれ経
糸、緯糸使いで、織り密度96×70本/inで布帛とし
た後、通常の染色方法(130℃×60min)にてポリエステル
繊維を染色し、芳香族ポリアミド繊維の紡績糸表面への
出現状態(アラミド繊維カバリング性)、引裂強力、染
色性、耐切創性、耐摩耗性(摩耗強度)、防融性などを
評価した。
【0051】その評価結果を表1に示す。
【0052】
【表1】 表1に示すように、比較例2の芳香族ポリアミド繊維2
0%の原綿混紡糸はポリアミド繊維が紡績糸表面に多数
出現し、染色性、発色性の劣るものであった。また、比
較例1の芳香族ポリアミド繊維が内層、ポリエステル繊
維が外層にそれぞれ独立して配置された芯鞘複合紡績糸
は、芳香族ポリアミド繊維の紡績糸表面への出現は比較
例2に比し改善されるものの、本発明の実施例1にくら
べ引裂強力、染色性、耐切創性、耐摩耗性(摩耗強
度)、防融性など劣るものであった。
【0053】
【発明の効果】本発明の芯鞘型複合紡績糸は、芯部にポ
リエステル繊維と芳香族ポリアミド繊維との混紡からな
る繊維束を、鞘部にポリエステル繊維を配置することに
より、芳香族ポリアミド繊維が均一に被覆された芯鞘型
複合紡績糸であり、芳香族ポリアミド繊維の持つ欠点を
解決し、強度特性、耐切創性、耐熱性、耐摩耗性さらに
は染色性に優れた、アウトドアスポーツなどの機能性の
要求される用途分野に提供できる衣料用素材を得ること
ができる。
【0054】また、本発明の芯鞘型複合紡績糸の製造方
法によれば、一対のフロントテーパーローラーを有する
2インチリング精紡機を用い、芯部を構成するポリエス
テル繊維と芳香族ポリアミド繊維との混紡からなる繊維
束をフロントローラーの送り出し量の低い側へ供給し、
鞘部を構成するポリエステル繊維をフロントローラーの
送り出し量の高い側へ供給することにより、芳香族ポリ
アミド繊維を均一に被覆することができ、強度特性、耐
切創性、耐熱性、耐摩耗性さらには染色性に優れた衣料
用素材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の芯鞘型複合紡績糸の製造方法の一例を
示す工程概略図である。
【図2】本発明の芯鞘型複合紡績糸の製造方法で用いる
フロントボトムローラーの一例を示す正面図である。
【図3】本発明の芯鞘型複合紡績糸の製造方法で用いる
フロントトップローラーの一例を示す正面図である。
【符号の説明】
A:ポリエステル短繊維と芳香族ポリアミド短繊維との
混紡からなる粗糸 B:ポリエステル短繊維からなる粗糸 1,2:トランペット 3:バックローラー 4:エプロンドラフト 5:テーパーを有するフロントトップローラー 6:テーパーを有するフロントボトムローラー 7:芯鞘型複合紡績糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−268738(JP,A) 特開 昭63−275736(JP,A) 特開 平6−248528(JP,A) 特開 平6−248501(JP,A) 特開 平3−830(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D02J 1/00 - 13/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯部が短繊維束A、鞘部が短繊維束Bから
    なる複合紡績糸であって、該短繊維束Aがポリエステル
    短繊維と芳香族ポリアミド短繊維との混紡からなり、該
    短繊維束Bがポリエステル短繊維であることを特徴とす
    る芯鞘型複合紡績糸。
  2. 【請求項2】繊維束の幅方向にドラフト倍率が次第に高
    くなるように配置された一対のテーパーローラーからな
    るフロントトップローラーおよびフロントボトムローラ
    ーを有するリング精紡機に、ポリエステル短繊維と芳香
    族ポリアミド短繊維とからなる短繊維束Aと、ポリエス
    テル短繊維からなる短繊維束Bを、該短繊維束Aを該短
    繊維束Bの送り出し量より低くなるように供給し、該短
    繊維束Aを芯部として該短繊維束Bを巻回せしめ、実撚
    りを付与することを特徴とする芯鞘型複合紡績糸の製造
    方法。
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