JP3114402U - 使い捨てカイロ - Google Patents
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Abstract
【課題】使用時に違和感が少なく、かつ靴を脱いだときにも急速な温度上昇がなく、しかも靴の脱ぎ履きに差し障りがないうえ、外向きの面に鮮明な印刷を施すことができる、足の甲に貼付する使い捨てカイロを提供する。
【解決手段】偏平状袋1内に空気の存在下で酸化発熱する発熱組成物2が封入されており、前記偏平状袋1が気密性袋内に収納されてなる足の甲に貼付するためのカイロであって、前記偏平状袋の足の甲に貼付する側の貼付面材4が通気性層6または非通気性層、粘着剤層8および剥離紙9または剥離フィルムからなり、他方の外側に向いた外向面材5が非粘着性の非通気性層または通気性層を含むフィルムまたはシートからなる使い捨てカイロ。
【選択図】図2
【解決手段】偏平状袋1内に空気の存在下で酸化発熱する発熱組成物2が封入されており、前記偏平状袋1が気密性袋内に収納されてなる足の甲に貼付するためのカイロであって、前記偏平状袋の足の甲に貼付する側の貼付面材4が通気性層6または非通気性層、粘着剤層8および剥離紙9または剥離フィルムからなり、他方の外側に向いた外向面材5が非粘着性の非通気性層または通気性層を含むフィルムまたはシートからなる使い捨てカイロ。
【選択図】図2
Description
本考案は足の甲に貼付する使い捨てカイロに関する。
さらに詳しくは、適度な加温と装着感が良好な足の甲に貼付する使い捨てカイロに関する。
従来、空気の存在下で発熱する発熱組成物を通気性の収納袋(内袋)に収容し、この内袋を非通気性の袋(外袋)で包装した使い捨てカイロが知られている。かかるカイロとしては、手足や腰部を温めるもの以外に、足の裏、肩、臀部など身体の種々の部位を対象にしたものが提案されており、また所定の部位に貼りつけて当該部位を効果的に温めるために内袋の表面に粘着剤層を設けたものも提案されている。
このような使い捨てカイロは、外袋を開封して、内袋内の発熱組成物を空気と接触させることにより発熱が開始し、所定の時間温かい状態が維持されるが、一般的な使い捨てカイロでは、使用感ないしは触感を考慮して、内袋の材質として、柔らかく、かつ所定の強度を有する不織布が使われている(たとえば、特許文献1参照)。
また、不織布の代わりに合成樹脂積層フィルムを用いて、多色の細かい絵柄や模様を鮮明に印刷することができ、かつ、デザイン性や宣伝性が損なわれることなく、鮮明な印刷状態を保つことのできる使い捨てカイロが提案されている(たとえば特許文献2)。
ところで、足の加温用としては、靴底に敷くか足の裏に貼付するタイプのもののほか、足先や踵といった加温しにくい部分に適用するタイプのものが提案されている(たとえば特許文献3)。
しかし、貼付型のカイロには内容物による厚みがあり、足の裏の爪先部に使用すると爪先部が踵部よりも高くなってしまい、使用時に違和感があった。
ところで足の甲は肉が薄く、寒さを直接感じる部位であるにもかかわらず、その加温のための使い捨てカイロは開発されていなかった。
足の裏(爪先、踵)に使用する場合、足の裏に貼付する側の面に通気性をもたせたり、靴の底側の面に通気性をもたせたり、両方の面でバランスをとったりしている。しかし、いずれの場合でも、カイロと靴の間の隙間が少ないので、他の部位(腰など)に比べて内袋の通気量を多くする必要があり、カイロ自体の通気性を通常の設定よりも高めていた。
そのため、靴の中では適温を保つことはできるが、靴を脱いだときに通気量が急激に多くなり、発熱が進んで必要以上に温度が高くなったり、発熱保持時間が設定時間よりも短くなったりすることがあった。
したがって、使用形態で足の裏や爪先、踵よりも通気量は多いが、靴などで覆われているため腰などに使用する場合よりも通気量が少ない足の甲に使用するのに適した使い捨てカイロは知られていない。
本考案は、これらの事情に鑑み、足の甲に貼付する新しいタイプの使い捨てカイロとして、上述の課題を解決できる使い捨てカイロを提供することを目的とする。
すなわち本考案は、偏平状袋内に空気の存在下で酸化発熱する発熱組成物が封入されており、前記偏平状袋が気密性袋内に収納されてなる足の甲に貼付するためのカイロであって、前記偏平状袋の足の甲に貼付する側の貼付面材が通気性層または非通気性層、粘着剤層および剥離紙(剥離フィルムを含む。以下同様)からなり、他方の外側に向いた外向面材が非粘着性の非通気性層または通気性層を含むフィルムまたはシートからなる使い捨てカイロに関する。
本考案において、偏平状袋の貼付面材と外向面材との組合せとしては、貼付面材が非通気性層を有しており外向面材が通気性層を有していてもよいし、貼付面材が通気性層を有しており外向面材が非通気性層を有していてもよいし、貼付面材が通気性層を有しており、外向面材も通気性層を有していてもよい。
また、外向面材としては、印刷などが容易になることから非通気性合成樹脂フィルムで形成することもできる。
外向面材を通気性にする場合、不織布などで構成してもよいが、非通気性合成樹脂フィルムに微細な孔を穿設して通気性としてもよい。
貼付面材が通気性層を有しており、かつ外向面材も通気性層を有している場合、外向面材の水蒸気透過度が貼付面材の水蒸気透過度率よりも小さいことが望ましく、特に、外向面材の水蒸気透過度が貼付面材の水蒸気透過度の1/3以下となるようにすることが好ましい。
さらに、足の甲に輪郭に沿った形状に裁断してもよく、また、足の甲の凹凸に対応して発熱剤が個別に分散収納してもよい。
本考案の足の甲に用いる使い捨てカイロによれば、使用時に違和感が少なく、かつ靴を脱いだときにも急速な温度上昇がなく、しかも靴の脱ぎ履きに差し障りがない。
さらに、外向面材に鮮明な印刷を施すことができ、装着時の外観を向上させることもできる。
本考案は、偏平状袋内に空気の存在下で酸化発熱する発熱組成物が封入されており、前記偏平状袋が気密性袋内に収納されてなる足の甲に貼付するためのカイロであって、前記偏平状袋の足の甲に貼付する側の貼付面材が通気性層または非通気性層、粘着剤層および剥離紙からなり、他方の外側に向いた外向面材が非粘着性の非通気性層または通気性層を含むフィルムまたはシートからなる使い捨てカイロに関する。
以下、図面を参照しつつ、本考案の使い捨てカイロの一実施形態を詳細に説明する。ここで説明する使い捨てカイロの実施形態は、偏平状袋の足の甲に貼付する側の貼付面材が通気性合成樹脂フィルムおよび/または不織布からなる通気層、粘着剤層および剥離紙からなり、他方の外側に向いた外向面材が非粘着性の非通気性合成樹脂フィルムからなるものであるが、もちろんこの形態に限定されるものではない。
本考案の使い捨てカイロは、図1に示すように、偏平状袋(以下、内袋と称す)1内に空気の存在下で酸化発熱する発熱組成物2が封入されており、前記偏平状袋1が気密性袋(以下、外袋と称す)3内に収納されている。前記内袋1は、貼付面材4と外向面材5からなる。
前記外袋3は、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリカ蒸着フィルムおよび塩化ビニリデンコートフィルムなどの無孔フィルムからなることが好ましい。なかでも、酸素や水蒸気の非透過性、および、水素の適切な透過性の点で、塩化ビニリデンコートフィルムが好ましい。
前記無孔フィルムの厚さは、30〜300μmが好ましい。30μmより薄いと、製品を保護する上で、強度が不足する傾向にあり、300μmをこえると、フィルムの加工適正が低下し、経済的に不利益となる傾向にある。
前記内袋1の内部に封入され、空気の存在下で酸化発熱する発熱組成物2としては、たとえば鉄粉などの金属粉、活性炭、水、保水剤(木粉、バーミキュライト、けい藻土、パーライト、シリカゲル、アルミナ、吸水性樹脂など)、食塩などからなるものを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
つぎに内袋1の構造について、図2と図3を参照して説明する。
図2において、内袋1は互いの周囲が接着された貼付面材4と外向面材5と発熱組成物2から構成されている。
貼付面材4は、通気性合成樹脂フィルム6および/または不織布7からなる通気層、粘着剤層8および剥離紙9から構成されており、各層の材料は従来公知の材料を使用すればよい。
粘着剤層8は、貼付面の全体に設けるようにしてもよいし、縞模様、格子模様、水玉模様などの適宜の模様を形成するように部分的に設けるようにしてもよい。また、その厚さは、1〜100μmが好ましく、10〜60μmであることがより好ましい。
足の甲に貼付する本考案では、貼付面材4の通気性層の通気量が従来の足の裏に貼付するタイプの使い捨てカイロよりも少ない通気量に設定されている。
本考案の足の甲に貼付するタイプの使い捨てカイロの内袋1の通気性は、通常、JIS K 7129に規定されているA法(感湿センサー法)により測定した水蒸気透過度の値で、50〜3000g/m2・dayであり、好ましくは200〜1000g/m2・dayの範囲において適宜選定される。なお、後述するように、外向面材5の側も一部通気性にする場合は、上記範囲に追加する形で通気量を設定すればよい。
外向面材5はさらに図3に示すように、ポリアミド層10およびポリエチレン層11からなる合成樹脂積層フィルムで構成されていることが好ましい。この場合、ポリアミド層10側が内袋表面、ポリエチレン層11側が内袋内部を示している。
外向面材5の全体の厚さは、30〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。30μmより薄いと強度が低下し、破袋して中身がこぼれることがあり、200μmを超えると材料の柔軟性が低下し、カイロとしたときに使用感が損なわれることがある。
前記ポリアミド層10、すなわち、内袋表面側にあるフィルムの厚さは10〜25μmが好ましい。また、ポリアミド以外にもポリプロピレンやポリエステルなどが使用できる。最外層をポリアミドなどの滑性のよい合成樹脂とすることにより、靴の脱ぎ履きが容易になる。
前記ポリアミド層10上には、オフセット印刷、グラビア印刷およびホログラム印刷などの従来公知の方法により、図4に示すように、印刷が施され、印刷の模様12で表面を装飾することができる。
前記印刷の内容としては、各種動物やキャラクターを含む絵柄、模様、商品名、会社名、ハウスマーク、使用説明などあらゆるものが含まれ、本考案においてとくに限定されるものではない。本考案では合成樹脂フィルムに印刷が施されるので、通常の紙への印刷とほぼ同様に細かい絵柄や模様を実現することができ、また単色に限らず多色の印刷も容易に実現できる。このため、デザイン性や宣伝性に優れたカイロを得ることができる。
また印刷ではなく、ポリアミド層10に顔料を配合して、肌色や靴下の色に合わせた外観にして、使用を目立たなくさせることもできる。
前記ポリエチレン層11、すなわち、内袋内部側にあるフィルムは、熱融着などにより接着される。このポリエチレン層11の厚さは、10〜200μmが好ましく、15〜100μmがより好ましい。
また外向面材5は、内容物の隠蔽力を増すために、アルミニウム層(図示されていない)をポリアミド層10やポリエチレン層11の外側面、またはそれらの層の中間層として設けてもよい。アルミニウム層に代えて、または加えてアルミニウム蒸着層や乳白色合成樹脂層を設けてもよい。
前記のとおり、本実施形態では原則として、貼付面材4のみで内袋1の全通気量を賄っているが、季節や外気温、使用する状況(雪山など)などの、通常よりも高い発熱温度が要求される場合には、外向面材4に微小な孔を穿設することにより、通気性を追加的に付与してもよい。
ただし、靴を脱いだときの急激な温度上昇を回避するためには、外向面材5の水蒸気透過度を貼付面材4の水蒸気透過度よりも小さくする必要があり、特に、外向面材の水蒸気透過度が貼付面材の水蒸気透過度の1/3以下、さらには1/4以下となるように設定することが好ましい。
外向面材5として非通気性の合成樹脂積層フィルムを使用している場合、穿孔の際、積層フィルムが適度な厚さを有しているため、穿孔をそのままの形状で保持する。つまり、積層フィルムに充分な柔軟性を持たせながら、穿孔性を向上させることができ、積層フィルムの表裏で均一な大きさの穿孔とすることができる。そのため、通気性が安定化し、結果として、カイロの温度パフォーマンスが安定となる。さらに、製造時におけるバラツキの幅が小さくなることから、製品個々の品質のバラツキが減少し、品質の安定した製品を製造することができる。また、穿孔性が向上することで、より均一で微細な穿孔を設けることが可能となる。その結果、穿孔の大きさを小さくすることができ、発熱組成物などの内容物がこぼれにくくなる。穿孔の大きさは、0.1〜0.3mmが好ましい。
内袋1は、上記実施形態以外に、外向面材として穿孔しない非通気性の合成樹脂積層フィルムを用い、貼付面材として不織布や穿孔して通気性とした合成樹脂積層フィルムを用いてもよい。また、両面材とも不織布や穿孔して通気性とした合成樹脂積層フィルムを用いてもよい。
内袋1の大きさは、本考案において、とくに限定されるものではなく、足のサイズ、加温したい範囲などに応じて適宜選定すればよい。また、足の甲の輪郭に沿った形状に裁断してもよく、さらに、足の甲の凹凸に対応して発熱剤を個別に分散収容してもよい。
具体的な形状としては、矩形に限らず多角形、円形、楕円形、舌片形状、馬蹄形、ハート型など、他の形状を採用することもできる。
非限定的な形状を図5〜9に示す。図5〜7は足の甲の形状や加温したい範囲に応じた形状に裁断した例であり、図8〜9は、発熱組成物を分けて分散収容した例である。図9に示す例の場合、加温したい箇所の大きさに応じて小分けの内袋間を鋏などで裁断して使用することもできる。
1 内袋
2 発熱組成物
3 外袋
4 貼付面材
5 外向面材
6 通気性合成樹脂フィルム
7 不織布
8 粘着剤層
9 剥離紙
10 ポリアミド層
11 ポリエチレン層
12 印刷の模様
2 発熱組成物
3 外袋
4 貼付面材
5 外向面材
6 通気性合成樹脂フィルム
7 不織布
8 粘着剤層
9 剥離紙
10 ポリアミド層
11 ポリエチレン層
12 印刷の模様
Claims (11)
- 偏平状袋内に空気の存在下で酸化発熱する発熱組成物が封入されており、前記偏平状袋が気密性袋内に収納されてなる足の甲に貼付するためのカイロであって、前記偏平状袋の足の甲に貼付する側の貼付面材が通気性層または非通気性層、粘着剤層および剥離紙または剥離フィルムからなり、他方の外側に向いた外向面材が非粘着性の非通気性層または通気性層を含むフィルムまたはシートからなる使い捨てカイロ。
- 前記貼付面材が非通気性層を有しており、外向面材が通気性層を有している請求項1記載の使い捨てカイロ。
- 前記貼付面材が通気性層を有しており、外向面材が非通気性層を有している請求項1記載の使い捨てカイロ。
- 前記貼付面材が通気性層を有しており、外向面材が通気性層を有している請求項1記載の使い捨てカイロ。
- 前記外向面材が非通気性合成樹脂フィルムである請求項1または3記載の使い捨てカイロ。
- 前記非通気性合成樹脂フィルムに微細な孔を穿設した請求項1、2または4記載の使い捨てカイロ。
- 前記非通気性合成樹脂フィルムの表面に印刷が施されてなる請求項5または6記載の使い捨てカイロ。
- 前記貼付面材が通気性層を有しており、かつ外向面材の水蒸気透過度が貼付面材の水蒸気透過度よりも小さい請求項4記載の使い捨てカイロ。
- 前記外向面材の水蒸気透過度が、貼付面材の水蒸気透過度の1/3以下である請求項8記載の使い捨てカイロ。
- 足の甲に輪郭に沿った形状に裁断されてなる請求項1〜9のいずれかに記載の使い捨てカイロ。
- 足の甲の凹凸に対応して発熱剤が個別に分散収納されてなる請求項1〜10のいずれかに記載の使い捨てカイロ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005005203U JP3114402U (ja) | 2005-07-04 | 2005-07-04 | 使い捨てカイロ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005005203U JP3114402U (ja) | 2005-07-04 | 2005-07-04 | 使い捨てカイロ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3114402U true JP3114402U (ja) | 2005-10-27 |
Family
ID=43276716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005005203U Expired - Lifetime JP3114402U (ja) | 2005-07-04 | 2005-07-04 | 使い捨てカイロ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3114402U (ja) |
-
2005
- 2005-07-04 JP JP2005005203U patent/JP3114402U/ja not_active Expired - Lifetime
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