JP3113774B2 - プラスチック成形用スクリュ - Google Patents

プラスチック成形用スクリュ

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JP3113774B2
JP3113774B2 JP06117949A JP11794994A JP3113774B2 JP 3113774 B2 JP3113774 B2 JP 3113774B2 JP 06117949 A JP06117949 A JP 06117949A JP 11794994 A JP11794994 A JP 11794994A JP 3113774 B2 JP3113774 B2 JP 3113774B2
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武敏 石川
寛 菅野
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックの射出成
形機や押出機などに用いられるもので、副フライトによ
って樹脂材料のメルトとソリッドを分離するバリアフラ
イト型プラスチック成形用スクリュに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のプラスチック成形用スクリュにつ
いて、図5を参照して説明する。図5で示されるプラス
チック成形用スクリュは、バリアフライト型スクリュと
称呼されるもので、スクリュ101は、樹脂材料が供給
される供給部Aおよび供給部Aを通ってきた樹脂材料を
圧縮、混練して溶融する溶融部B、溶融された樹脂材料
を計量する計量部Cに区分されている。スクリュ101
の外側はバレル(図示せず)で囲まれている。スクリュ
101は、駆動機構(図示せず)によって例えば矢印Y
の方向に回転する構成になっている。
【0003】スクリュ101の表面には、主フライト1
02が螺旋状に設けられている。主フライト102で挟
まれた領域は樹脂材料が移動するチャンネル103を構
成している。チャンネル103部分には、主フライト1
02の外径よりも径が小さい副フライト104が螺旋状
に設けられ、チャンネル103をソリッド溝105とメ
ルト溝106に区分している。副フライト104は、溶
融部Bの始端近傍で主フライト102から分岐し、終端
近傍で主フライト102に合体している。
【0004】上記した構成でスクリュ101が回転する
と、樹脂材料は、供給部Aから溶融部Bのソリッド溝1
05に案内され、ソリッド溝105に沿って移動する。
その際、樹脂材料は圧縮され溶融される。溶融した樹脂
材料、即ちソリッド溝105中のメルトは、Tadmo
r理論に基づき、副フライト104とバレルとの間隙を
通ってメルト溝106に収容される。溶融されずにソリ
ッド溝105に残る樹脂材料、即ちソリッドベッドはそ
の後のソリッド溝105の進行中に溶融され、メルト溝
106に収容される。このようにして均一なメルトが生
成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したような副フラ
イトを持つプラスチック成形用スクリュは、スクリュ1
01が回転している時に、ソリッド溝105のソリッド
ベッドがバレルとの間に挟まり、機械的に破壊され溶融
されないで吐出される現象、いわゆるブレークアップ現
象が少ない利点がある。
【0006】しかし、運転条件は広い範囲で変化するの
で、いろいろな運転条件に対し、理想的な溶融状態を維
持することは必ずしも容易ではない。例えばスクリュが
高速に回転する場合、ソリッドベッドが溶融されないま
まスクリュの先端方向に移送されることがある。このよ
うな場合、ブレークアップ現象が起こる。また、計量部
において、ソリッドがメルト中に浮遊するなど不完全な
溶融状態で吐出されることもある。このように吐出され
る溶融物に半溶融物が含まれていると、溶融度合にばら
つきがあるため、温度ムラや、顔料を混入させたときの
分散ムラなどの欠陥が生じ易い。
【0007】なお、不完全な溶融状態をなくすために、
計量部にミキシング機構を追加する方法がある(特公昭
58−2056号公報参照)。この場合、ミキシング機
構を追加する分だけスクリュが大型になってしまう。ま
た、スクリュが高速に回転する場合に、ミキシング機構
の部分で過度なせん断発熱を生じる問題もある。また、
ミキシング機構部において溶融物が滞留し易くなる欠点
もある。
【0008】本発明は、上記した欠点を解決し、樹脂材
料のメルトの均質化が図れるプラスチック成形用スクリ
ュを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂材料が供
給される供給部およびこの供給部から送られる樹脂材料
を溶融する溶融部、この溶融部で溶融された樹脂材料を
計量する計量部から構成され、かつ、螺旋状に形成され
た主フライトと、この主フライトから分岐し、そして前
記主フライトに合体し、外径が前記主フライトより小さ
い副フライトとを有するプラスチック成形用スクリュに
おいて、前記主フライトと前記副フライトに挟まれるソ
リッド溝の深さを、深い領域と浅い領域が前記ソリッド
溝の延長方向に反復するようにし、かつ、共通する前記
主フライトと前記副フライトで挟まれる部分の前記ソリ
ッド溝の底面に段差を設けたことを特徴としている。
【0010】
【作用】上記した構成によれば、樹脂材料は供給部を経
て溶融部に送られてくる。このとき、樹脂材料は溶融部
のソリッド溝に案内され、ソリッド溝に沿って移動す
る。このとき、ソリッド溝は、深い領域と浅い領域が前
記ソリッド溝の延長方向に反復して現れる。そのため、
ソリッド溝を移動する樹脂材料は圧縮・伸長され、また
置換作用を受け溶融する。溶融した樹脂材料は副フライ
トを越えてメルトとしてメルト溝に収納される。
【0011】上記したように、ソリッド溝は、深い領域
と浅い領域が前記ソリッド溝の延長方向に反復する構造
になっているので、樹脂材料は繰り返し圧縮や伸長を受
けることになり、溶融が促進される。また、共通する主
フライトと副フライトで挟まれる部分のソリッド溝を分
割し、その部分の底面に段差を設けている。この場合、
樹脂材料がソリッド溝を移動中にソリッド溝底面の段差
部分を横切る。その際に、樹脂材料がせん断作用を受
け、樹脂材料の溶融がより促進される。
【0012】
【実施例】本発明の一実施例について図1を参照して説
明する。プラスチック成形用スクリュは、樹脂材料が供
給される供給部、および供給部から送られる樹脂材料を
圧縮、混練して溶融する溶融部、溶融した樹脂材料を計
量する計量部から構成されており、図1はその溶融部の
一部を示す側面図である。
【0013】スクリュ11には主フライト12が螺旋状
に設けられ、隣り合う主フライト12で挟まれた領域は
樹脂材料が移動するチャンネル13になっている。チャ
ンネル13は、副フライト14によってソリッド溝13
aとメルト溝13bに2分されている。この場合、スク
リュ11の先端側がソリッド溝13aに、そして他方が
メルト溝13bになっている。
【0014】副フライト14は、溶融部の始端近傍にお
いて主フライト12から分岐し、溶融部の終端近傍にお
いて主フライト12に合体し、主フライト12間のチャ
ンネル13部分に螺旋状に形成されている。副フライト
14の外径は主フライト12より小さくなるように選ば
れている。なお、主フライト12および副フライト14
が形成されたスクリュ11の外側はバレル15で囲まれ
ている。
【0015】ソリッド溝13aは、共通する主フライト
12と副フライト14で挟まれた部分で、A1、A2の
ように2分されている。そして、その部分で、底面に段
差が形成されている。図1の線分d−dを断面した図2
で示されるように、ソリッド溝13aの底面を形成する
円柱は23a、23bのように2分された部分で階段状
の段差が形成されている。また、ソリッド溝13aの底
面を形成する円柱の中心はスクリュ11の回転軸に平行
で、ある距離だけ偏位している。そのため、ソリッド溝
13aの深い領域と浅い領域が、ソリッド溝13aの回
転角度で180度ごとに反復して変化する。なお、矢印
Yはスクリュ11の回転方向を示す。
【0016】上記した構成で、スクリュ11が回転する
と、樹脂材料はチャンネル13内を移動し順次スクリュ
の先端方向に送られていく。例えば、樹脂材料はホッパ
(図示せず)から供給部の始端に供給され、供給部のチ
ャンネル13内を進行する。その際、バレル15から熱
が加えられ予熱される。予熱された樹脂材料は供給部か
ら溶融部に送られる。このとき、溶融部の始端近傍にお
いて樹脂材料はソリッド溝13aの方に案内され、ソリ
ッド溝13aに沿って移動する。
【0017】このとき、ソリッド溝13aは、深くなっ
たり浅くなったり深さが反復して変化しているので、樹
脂材料はソリッド溝13aを移動中に圧縮や伸長作用を
受け溶融する。溶融した樹脂材料は、Tadmor理論
で説明されるように、ソリッド溝13aから、副フライ
ト14とバレル15の間隙を通りメルト溝13bに移
り、メルトとして収容される。
【0018】このとき、溶融していない樹脂材料はチャ
ンネル13のソリッド溝13aにソリッドベッドとして
残る。ソリッド溝13aに残ったソリッドベッドは、ソ
リッド溝13aに沿ってさらに移動する。そして、ソリ
ッド溝13aの進行中に繰り返し圧縮・伸長作用を受
け、機械的に破壊され、溶融される。なお、ソリッドベ
ッドはソリッド溝13a内の置換作用によっても、混
練、分散され、均質なメルトに変換される。また、主フ
ライト側のソリッド溝A1と副フライト側のソリッド溝
A2間を交互に移動する際に、段差によってせん断作用
を受け溶融が促進される。また、樹脂材料に混入した顔
料や添加剤の分散が良くなり、メルトがより均質化され
る。そして、メルト溝13bに順次収容されていく。
【0019】なお、樹脂材料が溶融部を進行するにつれ
てメルトの量が多くなる。しかし、計量部に近付くにし
たがってメルト溝13bの断面積が大きくなるように作
られているので、増大するメルトを十分収容できる構造
になっている。なお、メルト溝13bの断面積が大きく
なるのと反対にソリッド溝13aは徐々に小さくなって
いる。
【0020】本発明の他の実施例について図3を参照し
て説明する。この実施例の場合、図1の実施例とソリッ
ド溝13aの形状が相違するだけで、その他の部分は同
一であるので、図1と対応する部分に同一の符号を付
し、ソリッド溝13aの形状についてのみ説明する。
【0021】この実施例でも、ソリッド溝13aは、共
通する主フライト12と副フライト14で挟まれた部分
で、B1、B2のように2分されている。そして、その
部分で、底面に段差が形成される。即ち、図3の線分e
ーeを断面した図4に示されるように、ソリッド溝13
aの底面は正方形の角柱で構成され、また、24a、2
4bのように2分された部分で階段状の段差が設けられ
ている。なお、矢印Yはスクリュ11の回転方向を示
す。また、ソリッド溝13aの底面を構成する角柱をス
クリュの軸に対して傾斜させ、ソリッド溝13aの底面
を斜めに構成している。
【0022】この実施例の場合も、ソリッド溝13aの
延長方向で溝の深い領域と浅い領域がソリッド溝の回転
角度で180度ごとに反復して変化する。またソリッド
溝13aの底面はスクリュの軸に対して傾斜し、ソリッ
ド溝13aの底面には段差が形成されている。
【0023】このため、樹脂材料の、圧縮、伸長作用や
置換作用、段差部分を移動する際のせん断作用が促進さ
れ、より低温の場合でも混練、分散ができるようにな
る。また、せん断作用によって樹脂材料に混入した顔料
や添加剤の分散が良くなり、メルトの均質化が図られ
る。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂材料のメルトの均
質化が図れるプラスチック成形用スクリュを実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明する側面図である。
【図2】図1を一部で断面した断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を説明する側面図である。
【図4】図3を一部で断面した断面図である。
【図5】従来例を説明する側面図である。
【符号の説明】
11…スクリュ 12…主フライト 13…チャンネル 13a…ソリッド溝 13b…メルト溝 14…副フライト 15…バレル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−269734(JP,A) 特開 昭61−242809(JP,A) 特開 昭61−16812(JP,A) 特開 昭55−28817(JP,A) 実開 昭49−99856(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84 B29C 47/62

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂材料が供給される供給部およびこの
    供給部から送られる樹脂材料を溶融する溶融部、この溶
    融部で溶融された樹脂材料を計量する計量部から構成さ
    れ、かつ、螺旋状に形成された主フライトと、この主フ
    ライトから分岐し、そして前記主フライトに合体し、外
    径が前記主フライトより小さい副フライトとを有するプ
    ラスチック成形用スクリュにおいて、前記主フライトと
    前記副フライトに挟まれるソリッド溝の深さを、深い領
    域と浅い領域が前記ソリッド溝の延長方向に反復するよ
    うにし、かつ、共通する前記主フライトと前記副フライ
    トで挟まれる部分の前記ソリッド溝の底面に段差を設け
    ことを特徴とするプラスチック成形用スクリュ。
JP06117949A 1994-05-31 1994-05-31 プラスチック成形用スクリュ Expired - Lifetime JP3113774B2 (ja)

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