JP3113524B2 - 閾値マトリクスの作成方法並びに画像の2値化方法および装置 - Google Patents

閾値マトリクスの作成方法並びに画像の2値化方法および装置

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JP3113524B2 JP06293809A JP29380994A JP3113524B2 JP 3113524 B2 JP3113524 B2 JP 3113524B2 JP 06293809 A JP06293809 A JP 06293809A JP 29380994 A JP29380994 A JP 29380994A JP 3113524 B2 JP3113524 B2 JP 3113524B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多階調画像データを
ハーフトーン画像データに2値化する際に使用される閾
値マトリクスの作成方法、並びに、閾値マトリクスを用
いた画像の2値化方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷の分野では、連続調画像を再現する
ために、いわゆる網点を使用して連続調画像を2値化す
るのが普通である。網点は、濃度が高い領域では大きな
面積を有し、濃度が低い領域では小さな面積を有するよ
うに生成される。このような多数の網点が配列された印
刷物を肉眼で観察すると、元の連続調画像と同様の濃度
の高低のある画像が見える。
【0003】カラーの印刷物を作成するための複数の色
版では、色版相互間で生ずるモアレを防止するために、
各色版のスクリーン角度が互いに異なる値に設定され
る。YMCKの4色の色版を使用する場合には、例えば
0°,15°,75°,45°のスクリーン角度がそれ
ぞれ設定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、網点によって
連続調画像を再現する技術では、画像内のシャープなエ
ッジ(絵柄内の細線や文字などのエッジ)を十分に再現
できない場合があるという問題があった。
【0005】また、ロゼットパターンとよばれる干渉模
様や、カラー印刷物を再現する場合に元の印刷物の各色
の網点パターンと複数の色版の網点パターンとの干渉に
起因するモアレなどが十分に防止できない場合があると
いう問題もあった。
【0006】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、従来の網点によ
る技術に比べて画像内のシャープなエッジを良好に再現
することを目的とする。
【0007】この発明は、さらに、ロゼットパターンや
カラー印刷物を再現する場合のモアレなどの干渉模様の
発生を十分に防止することを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】上述の課題を
解決するため、この発明の請求項1に記載した閾値マト
リクスの作成方法は、(a)閾値マトリクス領域を互い
に等しいサイズの複数のサブマトリクスに分割し、各サ
ブマトリクス内に含まれる複数の閾値同士の差分を所定
の値に設定するとともに、各サブマトリクスにおいて前
記複数の閾値をランダムに配置する工程、を備える。
【0009】各サブマトリクス内の複数の閾値をランダ
ムに配置するので、従来の網点のための閾値マトリクス
に比べて閾値分布の空間周波数が高い。従って、このよ
うな閾値マトリクスを用いて2値化を行なえば、従来の
網点による技術に比べて画像内のシャープなエッジを良
好に再現することができる。
【0010】なお、この発明において「ランダム」とは
一見して規則性の無い状態を言い、乱数に従って決定さ
れた状態で無くてもよく、また、ある種の制限が課され
ていても良い。例えば、複数通りの選択肢の中から規則
性無く選択する場合も「ランダムに選択する」と呼ぶ。
【0011】請求項2に記載された閾値マトリクスの作
成方法では、閾値マトリクスはM1×M2 閾値マトリク
ス(M1 ,M2 はそれぞれ偶数)であり、工程(a)
は、M1 ×M2 マトリクス領域内に含まれる各2×2サ
ブマトリクス内の4つの閾値の配列を、比較的小さな2
つの閾値同士を対角に配置するとともに比較的大きな閾
値同士を対角に配置する8通りの組み合わせの中からラ
ンダムに選択する工程を含む。
【0012】2×2サブマトリクス内の4つの閾値の配
列の上記8通りの組み合わせは、4つの閾値の任意の配
列の全部の24通りの組み合わせの中で空間周波数の比
較的高い組み合わせである。従って、この8通りの中か
らランダムに選択すれば、閾値分布の空間周波数をより
高くすることが可能である。
【0013】請求項3に記載された閾値マトリクスの作
成方法では、さらに、(b)閾値配列が互いに異なる複
数のM1 ×M2 閾値マトリクスを生成する工程と、
(c)前記複数のM1 ×M2 閾値マトリクスを配列して
得られるL1 ×L2 閾値マトリクス(L1 ,L2 はそれ
ぞれM1 ,M2 の整数倍の整数)を生成する工程とを含
む。
【0014】複数のM1 ×M2 閾値マトリクスを配列し
たL1 ×L2 閾値マトリクスを作成するようにすれば、
繰り返しの周期がL1 ×L2 となりM1 ×M2 よりも大
きくなる。従って、2値化画像のほぼ同一濃度の領域に
おいて、閾値マトリクスの繰り返しに起因する規則的な
パターンを目立ち難くすることができる。
【0015】請求項4に記載された閾値マトリクスの作
成方法では、閾値マトリクスはM×M閾値マトリクス
(Mは2N の整数、Nは2以上の整数)であり、工程
(a)は、M×Mマトリクス領域内に含まれる各2×2
サブマトリクスTij(i,jは前記M×Mマトリクス領
域内における2×2サブマトリクスTijの座標を示す)
内の閾値の配置を数式1に従って設定するとともに、各
座標(i,j)において整数aij,bij,cij,dijの
値の組み合わせをランダムに決定する工程、を含む。
【0016】請求項5に記載された閾値マトリクスの作
成方法では、工程(a)は、さらに、前記各座標(i,
j)における整数aij,bij,cij,dijの値の組み合
わせを、0と1とが互いに対角に配置されるとともに、
2と3も互いに対角に配置される8通りの組み合わせの
中からランダムに選択する工程を含む。
【0017】請求項6に記載された閾値マトリクスの作
成方法では、閾値マトリクスはM×M閾値マトリクス
(Mは2N の整数、Nは2以上の整数)であり、工程
(a)は、数式2によって表わされるマトリクスTM
MxM をM×M閾値マトリクスとして、2×2基本サブマ
トリクスS1 内の成分a,b,c,dの値の組み合わせ
を、前記M×M閾値マトリクス内に含まれる2×2サブ
マトリクス毎にランダムに決定する工程を含む。
【0018】請求項7に記載された閾値マトリクスの作
成方法では、工程(a)は、さらに、2×2基本サブマ
トリクスS1 内の成分a,b,c,dの組み合わせを、
0と1とが互いに対角に配置されるとともに、2と3も
互いに対角に配置される8通りの組み合わせの中からラ
ンダムに選択する工程を含む。
【0019】請求項8に記載された閾値マトリクスの作
成方法では、さらに、(b)閾値配列が互いに異なる複
数のM×M閾値マトリクスを生成する工程と、(c)前
記複数のM×M閾値マトリクスを配列して得られるL1
×L2 閾値マトリクス(L1,L2 はそれぞれMの整数
倍の整数)を生成する工程を含む。
【0020】請求項9に記載された閾値マトリクスの作
成方法では、M×M閾値マトリクス内における最大値が
(M2 −2)であるか、または、最小値が1である。
【0021】こうすれば、多階調画像データがM×M階
調を有するデジタルデータである場合に、多階調画像デ
ータのすべての階調をM×M閾値マトリクスによって再
現することができる。
【0022】請求項10に記載された閾値マトリクスの
作成方法では、M×M閾値マトリクス内のM2 個の閾値
は、0〜(M2 −2)または1〜(M2 −1)の範囲の
すべての閾値が少なくとも1回出現し、1つの閾値は2
回出現する分布を有する。
【0023】請求項11に記載された閾値マトリクスの
作成方法では、工程(b)は、各M×M閾値マトリクス
内の最大値(M2 −1)または最小値をそれぞれ0〜
(M2−2)または1〜(M2 −1)の範囲からランダ
ムに選択された値に置き換えることによって、閾値配列
が互いに異なる複数のM×M閾値マトリクスを生成する
工程を含む。
【0024】こうすれば、複数のM×M閾値マトリクス
を全体として見たときに、M2 階調を滑らかに再現する
ことができる。
【0025】請求項12に記載した画像の2値化方法で
は、(a)請求項1ないし11のいずれかに記載の閾値
マトリクスを記憶する第1のメモリを準備する工程と、
(b)前記第1のメモリに記憶された閾値マトリクス内
の閾値を多階調画像データと比較することによって、前
記多階調画像データを2値化する工程とを備える。
【0026】請求項13に記載された画像の2値化方法
では、多階調画像データは複数の色成分を含み、工程
(a)は、前記複数の色成分に対してそれぞれ異なる閾
値マトリクスを作成して第1のメモリに記憶する工程を
含み、工程(b)は、(1)多階調画像データの複数の
色成分のそれぞれに応じた前記閾値マトリクスから閾値
を読出す工程と、(2)読出された前記閾値とその閾値
に対応する色成分の前記多階調画像データとを比較する
ことによって、前記多階調画像データの各色成分をそれ
ぞれ2値化する工程と、を含む。
【0027】複数の色成分についてそれぞれ異なる閾値
マトリクスを使用して2値化を行なえば、カラー印刷物
を再現する場合にも、モアレやロゼットパターンなどの
干渉模様の発生を十分に防止することができる。
【0028】請求項14に記載された画像の2値化方法
では、多階調画像データは複数の色成分を含み、工程
(a)は、閾値マトリクスを画像平面上に適用する際の
オフセットアドレスを前記複数の色成分に対してそれぞ
れ異なる値に設定する工程を含み、工程(b)は、
(1)多階調画像データの複数の色成分のそれぞれにつ
いて、前記オフセットアドレスに応じて前記閾値マトリ
クスから閾値を読出す工程と、(2)読出された前記閾
値とその閾値に対応する色成分の前記多階調画像データ
とを比較することによって、前記多階調画像データの各
色成分をそれぞれ2値化する工程と、を含む。
【0029】複数の色成分について互いに異なるオフセ
ットアドレスを設定すれば、複数の色成分について同一
の閾値マトリクスを使用しても、モアレやロゼットパタ
ーンなどの干渉模様の発生を十分に防止することができ
る。
【0030】請求項15に記載された画像の2値化方法
では、工程(a)は、さらに、複数の色成分に対するオ
フセットアドレスを記憶する第2のメモリを準備する工
程を含み、工程(1)は、前記多階調画像データの色成
分に応じて前記第2のメモリから前記オフセットアドレ
スを読出すとともに、該読出されたオフセットアドレス
に応じて前記第1のメモリから閾値を読出す工程を含
む。
【0031】請求項16に記載された画像の2値化方法
では、工程(a)は、さらに、複数の色成分に対するオ
フセットアドレスに応じて閾値分布をずらすことによっ
て各色成分毎に前記閾値マトリクスを生成し、第1のメ
モリに記憶する工程を含み、工程(1)は、前記多階調
画像データの色成分に応じて前記第1のメモリから閾値
を読出す工程を含む。
【0032】請求項17に記載された画像の2値化方法
では、複数の色成分に対するオフセットアドレスは、少
なくとも同一の走査線上において互いに異なる値を有す
る。
【0033】こうすれば、複数の色成分の2値化画像が
同じパターンを有することがないので、色ずれの発生を
防止できる。
【0034】請求項18に記載された画像の2値化装置
は、請求項1ないし11のいずれかに記載の閾値マトリ
クスを記憶する第1のメモリと、前記第1のメモリに記
憶された閾値マトリクス内の閾値を読出す読出手段と、
前記読出手段で読出された閾値を多階調画像データと比
較することによって、前記多階調画像データを2値化す
る比較手段と、を備える。
【0035】請求項19に記載された画像の2値化装置
では、多階調画像データは複数の色成分を含み、第1の
メモリは、前記複数の色成分に対してそれぞれ異なる閾
値マトリクスを記憶し、読出手段は、多階調画像データ
の複数の色成分のそれぞれに応じた前記閾値マトリクス
から閾値を読出す手段を含む。
【0036】請求項20に記載された画像の2値化装置
では、多階調画像データは複数の色成分を含み、前記2
値化装置は、さらに、複数の色成分に対するオフセット
アドレスを記憶する第2のメモリを備え、読出手段は、
前記多階調画像データの色成分に応じて前記第2のメモ
リから前記オフセットアドレスを読出す第1の手段と、
該読出されたオフセットアドレスに応じて前記第1のメ
モリから閾値を読出す第2の手段とを含む。
【0037】請求項21に記載された画像の2値化装置
では、多階調画像データは複数の色成分を含み、第1の
メモリは、複数の色成分に対するオフセットアドレスに
応じて閾値分布をずらすことによって各色成分毎に生成
された閾値マトリクスを記憶し、読出手段は、前記多階
調画像データの色成分に応じて前記第1のメモリから閾
値を読出す手段を含む。
【0038】請求項22に記載された画像の2値化装置
では、複数の色成分に対するオフセットアドレスは、少
なくとも同一の走査線上において互いに異なる値を有す
る。
【0039】請求項23に記載した画像の2値化方法で
は、工程(b)は、(1)閾値マトリクスを画像平面上
に適用する際のオフセットアドレスを、前記画像平面上
の座標位置に応じて異なる値に設定する工程と、(2)
前記オフセットアドレスに応じて前記閾値マトリクスか
ら閾値を読出す工程と、を含む。
【0040】こうすれば、1つの閾値マトリクスを用い
て、座標位置毎に異なる閾値パターンを発生させること
ができる。
【0041】請求項24に記載した画像の2値化方法で
は、工程(1)は、オフセットアドレスの値を副走査方
向の所定の周期毎に切換える工程、を備える。
【0042】こうすれば、1つの閾値マトリクスを用い
て、副走査方向の所定の周期毎に異なる閾値パターンを
発生させることができる。
【0043】請求項25に記載した画像の2値化方法で
は、工程(b)は、(1)画像平面上の座標位置に応じ
て異なる被演算値を生成する工程と、(2)前記閾値マ
トリクスから読み出された閾値と前記被演算値とに対し
て所定の演算を行なうことによって閾値を修正する工程
と、を含む。
【0044】こうすれば、座標位置毎に異なる被演算値
で閾値が調整されるので、座標位置毎に異なる閾値パタ
ーンを発生させることができる。
【0045】請求項26に記載した画像の2値化方法で
は、工程(2)は、閾値と被演算値との間で加算または
減算を行なう工程、を含む。
【0046】請求項27に記載した画像の2値化方法で
は、閾値マトリクスは0〜(M2 −2)(ここでMは2
N の整数,Nは2以上の整数)の範囲の閾値を含む閾値
マトリクスであり、工程(2)は、前記閾値と被演算値
とを加算して、2Nビットの2進数で表わされた加算結
果に桁上げが生じない閾値に関しては1を減算する工
程、を含む。
【0047】こうすれば、加算後の閾値を0〜(M2
2)に納めることができるので、2値化画像において多
階調画像データのすべての階調を再現することができ
る。
【0048】請求項28に記載した画像の2値化方法で
は、工程(2)は、被演算値と閾値の互いに対応する各
ビットの論理演算を行なうことによって、前記閾値の各
ビットを前記被演算値の各ビットのレベルに応じて反転
する工程、を含む。
【0049】この方法によっても、座標位置毎に異なる
閾値パターンを発生させることができる。
【0050】請求項29に記載した画像の2値化装置で
は、読出手段は、閾値マトリクスを画像平面上に適用す
る際のオフセットアドレスを、前記画像平面上の座標位
置に応じて異なる値に設定するオフセットアドレス発生
手段と、前記オフセットアドレスに応じて前記閾値マト
リクスから閾値を読出す手段と、を含む。
【0051】請求項30に記載した画像の2値化装置で
は、オフセットアドレス発生手段は、オフセットアドレ
スの値を副走査方向の所定の周期毎に切換える手段、を
備える。
【0052】請求項31に記載した画像の2値化装置
あ、読出手段は、画像平面上の座標位置に応じて異なる
被演算値を生成する被演算値発生手段と、前記閾値マト
リクスから読み出された閾値と前記被演算値とに対して
所定の演算を行なうことによって閾値を修正する演算手
段と、を含む。
【0053】請求項32に記載した画像の2値化装置で
は、演算手段は、閾値と被演算値との間で加算または減
算を行なう算術演算手段、を含む。
【0054】請求項33に記載した画像の2値化装置で
は、閾値マトリクスは0〜(M2 −2)(ここでMは2
N の整数,Nは2以上の整数)の範囲の閾値を含む閾値
マトリクスであり、演算手段は、前記閾値と被演算値と
を加算して、2Nビットの2進数で表わされた加算結果
に桁上げが生じない閾値に関しては1を減算する手段、
を含む。
【0055】請求項34に記載した画像の2値化装置で
は、演算手段は、被演算値と閾値の互いに対応する各ビ
ットの論理演算を行なうことによって、前記閾値の各ビ
ットを前記被演算値の各ビットのレベルに応じて反転す
る論理演算手段、を含む。
【0056】
【実施例】
A.基本マトリクスの構成:図1は、この発明の一実施
例において使用される基本の閾値マトリクスの一例を示
す平面図である。図1(a),(b),(c)は、2×
2、4×4、8×8の基本マトリクスBM2x2 ,BM
4x4 ,BM8x8 をそれぞれ示している。このような基本
マトリクスは、B.E.Beyer が提案した閾値配列を持つパ
ターンである。このような基本マトリクスのいずれかを
用いて多階調画像を2値化すると、その2値化画像の空
間周波数は、他の種類の閾値マトリクスを用いた2値化
画像の空間周波数よりも高いことが知られている。
【0057】図2(a)は4×4基本マトリクスBM
4x4 を2×2サブマトリクスTijに分割した図であり、
図2(b)は8×8基本マトリクスBM8x8 を2×2サ
ブマトリクスTijに分割した図である。なお、(i,
j)は2×2サブマトリクスTijの位置を示す座標であ
る。8×8基本マトリクスBM8x8 において、16個の
2×2サブマトリクスTijは、それぞれ4×4サブマト
リクスを構成する4つのグループG1,G2,G3,G
4に分類される。図2(b)における各2×2サブマト
リクスTijは、次の数式3によって表わされる。
【0058】
【数3】
【0059】数式3で示されたkijの値は、図2(b)
の8×8基本マトリクスBM8x8 については次の数式4
の通りである。
【0060】
【数4】
【0061】この数式4で示されたkijの配列パターン
は、図1(b)で示された4×4基本マトリクスBM
4x4 の閾値配列パターンと一致している。
【0062】数式3を、一般のM×Mの基本マトリクス
BMMxM (ただしMは2N 、Nは2以上の整数)に拡張
すると、M×M基本マトリクスBMMxM 内の各2×2サ
ブマトリクスTijは次の数式5によって表される。
【0063】
【数5】
【0064】B.実施例による閾値マトリクスの作成:
この発明に従って8×8の閾値マトリクスを作成する際
には、まず、図2(b)に示す16個の2×2サブマト
リクスTijのそれぞれにおいて、数式5の係数aij,b
ij,cij,dijの値を0,1,2,3から選んでランダ
ムに組み合わせる。なお、以下では、数式5の係数ai
j,bij,cij,dijのマトリクスを、単に「係数マト
リクスCM」と呼ぶ。
【0065】係数マトリクスCMの異なるパターンは全
部で24通り存在する。図3は、24通りのパターンの
中で、好ましい8通りのパターンを示す説明図である。
これらの8通りのパターンでは、比較的小さい値である
0と1とが互いに対角に配置され、また、比較的大きな
値である2と3も互いに対角に配置されている。なお、
このようなパターンを、以下では「対角パターン」と呼
ぶ。このような8通りの対角パターンは、他の16通り
のパターンよりも空間周波数が高いので、画像内のエッ
ジをよりシャープに再現することが可能である。
【0066】図4は、図2(b)の左上部の2×2サブ
マトリクスT11と同じ閾値を含む8通りの対角パターン
を示す図である。実施例で作成される8×8閾値マトリ
クスの2×2サブマトリクスT11は、これらの8通りの
対角パターンの中から選択されることが好ましい。とこ
ろで、前述した数式3から理解できるように、図2
(b)に示す16個の2×2サブマトリクスTijは、左
上部の2×2サブマトリクスT11に、前述の数式4で示
される定数kijをそれぞれ加算したものである。実施例
において各2×2サブマトリクスTijの閾値パターンを
決定する際には、数式3の右辺第1項に含まれる基本的
な2×2のパターンを、図4(または図3)に示される
8つの対角パターンの中から選択することができる。
【0067】図5は、各2×2サブマトリクスTijに関
して、8通りの対角パターンの中から1つをランダムに
選択して適用することによって得られた2×2サブマト
リクスTijを示す図である。例えば、左上部のグループ
G1に属する4つの2×2サブマトリクスT11,T21,
T12,T22は、それぞれ図3の(d),(d),
(g),(b)に示すパターンを適用したものである。
これらの4つの2×2サブマトリクスT11,T21,T1
2,T22は、次の数式6で表わすことができる。
【0068】
【数6】
【0069】図5の各2×2サブマトリクスTijにおい
て、4つの閾値成分を小さい順に並べたとき、その増加
量(差分)は、いずれの2×2サブマトリクスTijでも
16(=22(N-1),N=3)になる。一般に、M×M閾
値マトリクス内の各2×2サブマトリクスTij内の4つ
の閾値の差分は、22(N-1) (Nは2N =Mとなる整
数)である。これは、前述した数式5の右辺第1項に示
されている。
【0070】図6は、図5の2×2サブマトリクスTij
で構成される8×8閾値マトリクスTM8x8 を示す図で
ある。この8×8閾値マトリクスTM8x8 は、この発明
の実施例において多階調画像データの2値化に使用され
る閾値マトリクスの一例である。
【0071】なお、図5において、4つのグループG1
〜G4(4×4サブマトリクス)のそれぞれにおいて、
4つの2×2サブマトリクスTijの位置をランダムに配
置することもできる。各グループ(4×4サブマトリク
ス)内において、4つの2×2サブマトリクスTijを配
置する組み合わせは24通り存在するが、この場合に
も、図3と同様な8通りの対角パターンからランダムに
選択することが好ましい。図3の8通りの対角パターン
は、比較的小さな2つの閾値同士、および、比較的大き
な2つの閾値同士をそれぞれ対角に配置したパターンで
ある。同様に考えて、図5のグループG1内の4つの2
×2サブマトリクスTijを配置する際の対角パターン
は、比較的閾値の小さな2×2サブマトリクスT11,T
22を対角に配置し、比較的閾値の大きな2×2サブマト
リクスT21,T12を対角に配置するようなパターンであ
る。ここで、各2×2サブマトリクスTijを、閾値の組
という意味で「閾値セット」と呼ぶことにする。このと
き、対角パターンは、一般に、比較的小さな2つの閾値
セット同士、および、比較的大きな2つの閾値セット同
士をそれぞれ対角に配置したパターンであると定義する
ことができる。なお、閾値セットがより大きなマトリク
ス(例えば4×4マトリクス)である場合にも、同様に
対角パターンを考えることができる。
【0072】図5に示す各グループG1〜G4(4×4
サブマトリクス)内の4つの2×2サブマトリクスTij
の位置を、8通りの対角パターンの中からランダムに選
択した場合の例を図7に示す。図7において、各グルー
プG1〜G4(4×4サブマトリクス)に含まれる4つ
の2×2サブマトリクス同士の閾値の差分は、いずれの
グループでも4(=M2 /4×4,M=8)である。
【0073】さらに、4つのグループG1〜G4同士
(すなわち、4つの4×4サブマトリクス同士)の配置
を24通りの組み合わせの中の任意の1つから選択する
ようにしても良い。この場合も、8通りの対角パターン
の中の1つを選択することが好ましい。
【0074】以上のようにして得られた8×8閾値マト
リクスTM8x8 内の各2×2サブマトリクスTijは、次
の数式7のように表すことができる。
【0075】
【数7】
【0076】換言すれば、この数式7は、基本マトリク
スBMを表す数式5において、係数マトリクスCM(a
ij,bij,cij,dijの2×2マトリクス)の各成分a
ij,bij,cij,dijの値を一定値とせずに、各成分a
ij,bij,cij,dijの値を0〜3の中からランダムに
選んで配置したものでもある。なお、数式7は前述した
数式1と同じものである。
【0077】図7の閾値の配列は、数式7において、係
数kijの値を次の数式8のように設定したものである。
【0078】
【数8】
【0079】C.実施例における閾値マトリクスの他の
表現方法:図1(c)および図2(b)に示す8×8基
本マトリクスBM8x8 は、次の数式9によって表現する
ことも可能である。
【0080】
【数9】
【0081】マトリクスS1 は2×2サブマトリクスT
ijの基本パターンを示しており、同様に、S2 は4×4
サブマトリクス(すなわちグループG1〜G4)の基本
パターン(すなわち、4×4サブマトリクス)を示し、
3 は8×8マトリクス(すなわち8×8基本マトリク
スBM8x8 )を示している。この明細書では、基本閾値
マトリクスBMの中で、2×2以上で最も小さいサイズ
のサブマトリクスを「基本サブマトリクス」と呼ぶ。8
×8基本マトリクスBM8x8 では、2×2サブマトリク
スS1 が基本サブマトリクスである。9×9基本マトリ
クスでは、3×3サブマトリクスが基本サブマトリクス
になる。上述の数式9は8×8基本マトリクスBM8x8
を表わしているが、これを一般のM×M基本マトリクス
BMMxMに拡張すると、次の数式10のように表わすこ
とができる。
【0082】
【数10】
【0083】数式10において、2n 次のマトリクスS
n に含まれる係数マトリクスCMnは、4つの2n-1
のマトリクスSn-1 にそれぞれ加算する値を示してい
る。なお、前述した数式9は、数式10において、M=
8,N=3,a=0,b=1,c=2,d=3とした場
合に相当する。
【0084】一般に、M×M基本マトリクスBMMxM
数式10によって表現した場合には、図5および図6に
示す8×8閾値マトリクスTM8x8 は、次の手順で作成
できる。まず、8×8マトリクス(23 次のマトリクス
3 )に含まれる係数マトリクスCM3 の各成分a,
b,c,dの値をそれぞれ0,1,2,3に設定する。
この結果、マトリクスS3 は次の数式11で表わされ
る。
【0085】
【数11】
【0086】この時点では、マトリクスS3 に含まれる
4つのマトリクスS2 (U,V)(4×4マトリクス)の内容
は決定されていない。次に、数式11に含まれる4つの
マトリクスS2 (U,V)のそれぞれに含まれる係数マトリク
スCM2 (数式10)の各成分a,b,c,dの値をそ
れぞれ0,1,2,3に設定する。この結果、マトリク
スS3 は次の数式12で表わされる。
【0087】
【数12】
【0088】最後に、数式12に含まれる16個のマト
リクスS1 (2×2マトリクス)のそれぞれに含まれる
係数マトリクスCM1 (数式10)の各成分a,b,
c,dの値の組み合わせをランダムに設定する。この結
果、8×8マトリクスS3 は次の数式13で表わされ
る。
【0089】
【数13】
【0090】数式13のマトリクスの各要素の値を実際
に計算すると、図5および図6に示すマトリクスが得ら
れる。数式13から解るように、係数マトリクスCM1
の各成分a,b,c,dの値は、定数24 に乗算される
値である。同様に、係数マトリクスCM2 の各成分a,
b,c,dの値は定数22 に乗算される値であり、係数
マトリクスCM3 の各成分a,b,c,dの値は定数2
0 (=1)に乗算される値である。一般には、M×Mマ
トリクス内の2n 次のマトリクスSn (数式10の等
式)に含まれる係数マトリクスCMn (nは1〜Nの整
数であり、Nは2N =Mとなる整数)は、定数22(N-n)
に乗算される値である。
【0091】また、数式12と数式13を比較すれば解
るように、上述のようにして閾値マトリクスを作成する
際には、23 次のマトリクスS3 に含まれる16個のマ
トリクスS1 (U,V)(数式12参照)のそれぞれの内容が
異なっている。同様に、マトリクスS3 に含まれる4個
のマトリクスS2 (U,V)(数式11参照)のそれぞれを異
なるようにしてもよい。従って、実施例による8×8閾
値マトリクスTM8x8は、次の数式14で表現すること
ができる。
【0092】
【数14】
【0093】数式14をM×M閾値マトリクスTMMxM
に拡張すると、次の数式15が得られる。なお、数式1
5は前述した数式2と同じものである。
【0094】
【数15】
【0095】D.実施例の閾値マトリクスによる効果:
図8は、図1(c)に示す8×8基本マトリクスBM
8x8 と、図6に示す8×8閾値マトリクスTM8x8 と、
0〜63の閾値を単にランダムに配置した8×8マトリ
クスとを比較して示す図である。この実施例では、画像
データIDと閾値TDとの関係に応じて、次のような不
等式(1a),(1b)により各スポット(マトリクス
内の1単位)のオン/オフが決定される。 画像データID>閾値TD:オン(黒) …(1
a) 画像データID≦閾値TD:オフ(白) …(1
b)
【0096】図8(d),(e),(f)は、図8
(a),(b),(c)の3つのマトリクスに対して一
様な画像データID=32(濃度が50%)を適用した
場合のオン/オフのパターンであり、閾値が32未満の
スポットは黒化されている。図8(d)に示すように、
基本マトリクスBMを使用した場合には、格子状の規則
的な模様が発生していることが解る。このように、基本
マトリクスBMを使用した場合には、ほぼ一様な濃度の
画像領域において、画像の内容とは関係の無い規則的な
模様が発生し易い傾向にある。一方、この発明の実施例
による8×8閾値マトリクスTMを使用した場合、およ
び、完全にランダムなマトリクスを使用した場合には、
規則的な模様は発生していない。ところで、実施例によ
る8×8閾値マトリクスTMを使用した場合には、連続
する黒画素の部分(黒部分)が2×2を越える大きさを
有していないのに対して、完全にランダムなマトリクス
を使用した場合には、2×3または3×2以上の大きな
サイズの黒部分が生じている。従って、実施例による8
×8閾値マトリクスTM(図8(b))は、完全にラン
ダムなマトリクス(図8(c))に比べて空間周波数が
高いことが解る。
【0097】図8(e),(f)の2つのパターンを肉
眼で比較すると、異なる濃度の画像として観察される。
実施例による8×8閾値マトリクスTMでは画像データ
IDにほぼ比例して黒部分のサイズが増大して行くのに
対して、完全にランダムなマトリクスでは黒部分のサイ
ズが必ずしも画像データIDに比例しない傾向にある。
従って、実施例による8×8閾値マトリクスTMの方
が、完全にランダムなマトリクスに比べて、中間調をよ
り滑らかに再現できるという利点がある。このように、
元の画像に含まれていない規則的な模様が発生すること
がなく、しかも階調再現が滑らかであるという8×8閾
値マトリクスTMの利点は、前述した数式15におい
て、E(a)n-1 ,E(b)n-1 ,E(c)n-1 ,E
(d)n-1 で構成される係数マトリクスCMn を8通り
の対角パターンから選択したことに起因する効果であ
る。なお、係数マトリクスCMn の8通りの対角パター
ンは、次の数式16のように表わされる。
【0098】
【数16】
【0099】E.実施例による他の閾値マトリクス:上
記実施例では、8×8閾値マトリクスTM8x8 を生成し
たが、閾値マトリクスとしては、一般に、1/2ずつに
分割した時に最終的に2×2に分割することのできるマ
トリクス、すなわち、2N 次の任意の正方マトリクス
(Nは整数)を使用することが好ましい。具体的には、
16×16や32×32などが実際的な閾値マトリクス
である。
【0100】図9は、実施例による16×16閾値マト
リクスTM16x16 の一例を示す図である。但し、図9の
例では図示の便宜上、2×2サブマトリクス内の閾値の
関連性や、4×4サブマトリクス内の閾値の関連性を把
握し易いように、閾値を16進数で表記している。閾値
は0〜255の範囲の値を有する8ビットのデータで表
わされるが、図9から解るように、各4×4サブマトリ
クス内の4つの閾値の下位4ビット(最下位桁)は互い
に等しい。
【0101】図10は、図9に示す16×16閾値マト
リクスTM16x16 を4進数で表記した図である。図10
から解るように、16×16閾値マトリクスTM16x16
を4等分することによって得られる4つの8×8サブマ
トリクスを見ると、次のようなことが解る。すなわち、
各8×8サブマトリクス内のすべての閾値は、4進数の
最下位桁(2進数ではビット1,2)の値が同じであ
る。また、4つの8×8サブマトリクス同士を比較する
と、4進数の最下位桁の値が0〜3であり互いに異なっ
ている。
【0102】同様に、各8×8サブマトリクスを4等分
することによって得られる4つの4×4サブマトリクス
を見ると、次のことが解る。すなわち、各4×4サブマ
トリクス内のすべての閾値は、4進数の下位2桁(2進
数ではビット1〜4)の値が同じである。また、1つの
8×8サブマトリクスに含まれる4つの4×4サブマト
リクス同士を比較すると、4進数の下から2番目の桁
(2進数ではビット3,4)の値が0〜3であり互いに
異なっている。
【0103】また、各4×4サブマトリクスを4等分す
ることによって得られる4つの2×2サブマトリクスを
見ると、次のことが解る。すなわち、各2×2サブマト
リクス内のすべての閾値は、4進数の下位3桁(2進数
ではビット1〜6)の値が同じである。そして、1つの
4×4サブマトリクスに含まれる4つの2×2サブマト
リクス同士を比較すると、4進数の下から3番目の桁
(2進数ではビット5,6)の値が0〜3であり互いに
異なっている。なお、各2×2サブマトリクス内の4つ
の閾値は、4進数の最上位桁が0〜3であり互いに異な
っている。
【0104】図9,図10に示す16×16閾値マトリ
クスTM16x16 は、上述した数式15においてM=1
6,N=4と設定したものであり、次の数式17で表わ
される。
【0105】
【数17】
【0106】なお、図10に示す閾値マトリクスTM
16x16 では、数式17において、16×16マトリクス
4 の1つの係数マトリクスCM4 (E(a)3 ,E
(b)3,E(c)3 ,E(d)3 のマトリクス)は、
成分a,b,c,dの値の24通りのパターンの中から
ランダムに1つ選択したもので、(a,b,c,d)=
(2,1,0,3)の組み合わせである。また、各8×
8サブマトリクスS3 内の4つの係数マトリクスCM3
(E(a)2 ,E(b)2 ,E(c)2 ,E(d)2
マトリクス)は、成分a,b,c,dの値の8通りの対
角パターンの中からランダムに選択したものである。各
4×4サブマトリクスS2 内の16個係数マトリクスC
2 (E(a)1 ,E(b)1 ,E(c)1 ,E(d)
1 のマトリクス)は、いずれも成分a,b,c,dの値
をそれぞれ0,1,3,2に設定している。さらに、各
2×2基本サブマトリクスS1 内の64個の係数マトリ
クスCM1 (E(a)0 ,E(b)0 ,E(c)0 ,E
(d)0 のマトリクス)は、成分a,b,c,dの値の
8通りの対角パターンの中からランダムに選択してい
る。このように、漸化式で表わされる多段階のマトリク
ス構造の中のいくつかの段階においてのみ、成分a,
b,c,dの値のパターンをランダムに設定し、他の段
階では成分a,b,c,dの値のパターンを固定するこ
とが可能である。また、成分a,b,c,dの値のパタ
ーンをランダムに設定する場合にも、8通りの対角パタ
ーンからランダムに選択することも可能であり、また、
24通りのパターンからランダムに選択することも可能
である。
【0107】ところで、数式17もから解るように、係
数マトリクスCM4 {E(a)3 ,E(b)3 ,E
(c)3 ,E(d)3 }は、8ビットの閾値の下位第
1、第2ビットの値を決定している(図10参照)。同
様に、係数マトリクスCM3 {E(a)2 ,E(b)
2 ,E(c)2 ,E(d)2 }は、閾値の下位第3、第
4ビットの値を決定し、係数マトリクスCM2 {E
(a)1 ,E(b)1 ,E(c)1,E(d)1 }の値
は下位第5、第6ビットの値を、係数マトリクスCM1
{E(a)0 ,E(b)0 ,E(c)0 ,E(d)0
は下位第7、第8ビット(上位第2、第1ビット)の値
をそれぞれ決定している。
【0108】これを、一般式である数式15に当てはめ
ると、係数マトリクスCMn {E(a)n-1 ,E(b)
n-1 ,E(c)n-1 ,E(d)n-1 }は、2Nビットの
閾値のうちの下位から{2(N−n)+1}番目のビッ
トと{2(N−n)+2}番目のビットを決定している
ことが解る。このように、数式15の漸化式における係
数マトリクスCMn {E(a)n-1 ,E(b)n-1 ,E
(c)n-1 ,E(d)n-1 }は、2Nビットの閾値のう
ちの2ビットの値をそれぞれ決定しているものと考える
ことができる。
【0109】F.閾値マトリクスの組み合わせ:1つの
M×M閾値マトリクスを主走査方向および副走査方向に
繰り返し適用して2値化を行なうと、原画像には存在し
ないM×M閾値マトリクス特有の繰り返しパターンが2
値化画像に現われる可能性がある。そこで、このような
繰り返しパターンの発生を防止するために、複数のM×
M閾値マトリクスで構成されるL1 ×L2 閾値マトリク
ス(L1 ,L2 はMの整数倍の整数)を作成して使用す
るのが実際的である。なお、この際、複数のM×M閾値
マトリクスはそれぞれ異なる閾値分布を有するように作
成される。例えば、256個の異なる16×16閾値マ
トリクスを準備し、16行16列に配置することによっ
て256×256閾値マトリクスを生成することができ
る。
【0110】M×M閾値マトリクスを前述の数式15で
表わした場合において、漸化式Snの少なくとも1つの
段階において、係数マトリクスCMn の成分a,b,
c,dの値のパターンを所定の複数のパターンの中から
ランダムに選択するようにすれば、L1 ×L2 閾値マト
リクスを構成する複数のM×M閾値マトリクスとして、
互いに異なる閾値分布を作成することができる。
【0111】従って、このようなL1 ×L2 閾値マトリ
クスを用いてほぼ一様な濃度の画像データを2値化すれ
ば、L1 ×L2 閾値マトリクス内において規則的なパタ
ーンが出現しにくいという特徴がある。この場合、25
6個の16×16閾値マトリクスの全てを互いに異なる
閾値分布とする代わりに、部分的に同じ閾値分布を有す
る16×16閾値マトリクス複数個を隔離配置またはラ
ンダム配置して使用するようにしてもよい。
【0112】ところで、多階調画像データが2Nビット
(Nは2N =Mとなる整数)のデジタルデータである場
合には、その多階調画像データはM×M階調を有する。
この場合に、前述の不等式(1a),(1b)を採用し
たとき多階調画像データのすべての階調を再現するため
には、各M×M閾値マトリクス内における閾値の最大値
(M2 −1)を0〜(M2 −2)の範囲の値に置き換え
ればよい。例えば、16×16閾値マトリクスにおいて
閾値の範囲を0〜254とすれば、8ビットの多階調画
像データの範囲は0〜255なので、両者の比較によっ
て256階調が再現できる。なお、このように2Nビッ
トデータの最大値(M2 −1)を0〜(M2 −2)の範
囲の値で置換したM×M閾値マトリクスでは、0〜(M
2 −2)の範囲の閾値が少なくとも1回出現し、1つの
閾値は2回出現する(換言すると、前記範囲の閾値のう
ちのいずれか1つだけが2回出現し、他の閾値は全て1
回出現する)閾値分布を有する。
【0113】複数のM×M閾値マトリクスを配列してL
1 ×L2 閾値マトリクスを構成する場合には、L1 ×L
2 閾値マトリクス全体として階調を滑らかに再現できる
ような閾値分布を有することが望ましい。このために、
各M×M閾値マトリクス内の閾値の最大値(M2 −1)
を、0〜(M2 −2)の範囲の値からランダムに選択さ
れた値に置き換えるようにする。この時、次の数式18
に従って置換値TTを決定できる。
【0114】
【数18】
【0115】但し、数式18で計算した結果が(M2
1)になった場合には、αとβの内の少なくとも一方を
再設定する。このように、乱数を用いて閾値の最大値の
置換値TTを設定するようにすれば、置換値TTが0〜
(M2 −2)の範囲においてランダムに分布するので、
画像データの0〜(M2 −1)の階調を滑らかに再現で
きる。
【0116】なお、スポットのオン/オフの決定に際し
て、次のような不等式(2a),(2b)を採用した場
合は、閾値の最小値(=0)を1〜(M2 −1)の範囲
の値に置き換えればよい。 画像データID≧閾値TD:オン(黒) …(2
a) 画像データID<閾値TD:オフ(白) …(2
b)
【0117】G.複数の色成分に対する閾値マトリクス
の作成:カラー画像を再現する場合には、多階調画像デ
ータの複数の色成分ごとに2値化を行なう必要がある。
上述の閾値マトリクスを用いたカラー画像データの2値
化方法としては、以下に示すようないくつかの方法が考
えられる。
【0118】第1の方法は、上述のようなL1 ×L2 閾
値マトリクスをカラー画像データの各色成分毎にそれぞ
れ別個に生成する方法である。上述したように、閾値の
配列はランダムに行なわれるので、各色成分のためのL
1 ×L2 閾値マトリクスは互いに異なる閾値分布を有す
ることになる。従って、複数の色版を刷り重ねた場合に
もモアレやロゼットパターンが発生しないという利点が
ある。
【0119】第2の方法は、1つのL1 ×L2 閾値マト
リクスのみを準備し、2値化の際に、各色成分に適用す
るL1 ×L2 閾値マトリクスのオフセットアドレスをそ
れぞれ異なる値に設定する方法である。図11は、この
第2の方法を示す説明図である。ここでは、カラー画像
データが、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シア
ン),K(ブラック)の4つの色成分で構成されている
例において、画像平面の原点Oに対する各色成分のオフ
セットアドレスOY,OM,OC,OKを示している。
「256×256」と記載されているブロックが、1つ
のL1 ×L2 閾値マトリクスに相当し、画像平面上には
このL1 ×L2 閾値マトリクスが繰り返し適用される。
Y成分のオフセットアドレスOY(XY ,YY )は
(0,0)である。また、M成分のオフセットアドレス
OM(XM ,YM )、C成分のオフセットアドレスOC
(XC ,YC )、K成分のオフセットアドレスOK(X
K ,YK )は互いに異なる値に設定されている。これら
のオフセットアドレスは、L1×L2 閾値マトリクスを
構成するM×M閾値マトリクスの一辺のサイズMの整数
倍とすることが望ましいが、これ以外の任意の整数に設
定することが可能である。
【0120】このように、各色成分毎に異なるオフセッ
トアドレスを適用すれば、1つのL1 ×L2 閾値マトリ
クスをメモリに記憶しておくだけで、各色成分の閾値分
布を互いに異なるものとすることが可能である。従っ
て、複数の色版を刷り重ねた場合にもモアレやロゼット
パターンが発生しないという利点がある。さらに、この
第2の方法では、1つのL1 ×L2 閾値マトリクスをメ
モリに記憶しておくだけでよいので、閾値マトリクスを
作成する手間が少なく、かつ、メモリ容量を節約できる
という利点もある。
【0121】なお、1つのL1 ×L2 閾値マトリクスと
複数のオフセットアドレスを記憶しておく代わりに、図
11(a)〜(d)に斜線を付した閾値マトリクス(す
なわち、色成分毎のオフセットアドレスに応じて同じL
1 ×L2 閾値マトリクスの書き込みアドレスをずらした
各色成分毎の閾値マトリクス)を予め準備するようにし
てもよい。この場合にはメモリ容量の節約はできない
が、閾値マトリクスを作成する手間は少なくて済むとい
う利点がある。
【0122】H.座標位置に応じた閾値の調整:閾値マ
トリクスの繰り返しに起因する特定のパターンが2値化
画像に現われないようにするためには、閾値マトリクス
のサイズL1 ×L2 をできるだけ大きくすることが望ま
しい。一方、メモリ容量の節約の観点からは、閾値マト
リクスのサイズL1 ×L2 をできるだけ小さくすること
が望ましい。これらの相反する2つの要求は、メモリに
記憶する閾値マトリクスのサイズL1 ×L2 をできるだ
け小さくしつつ、画像平面上の座標位置に応じてメモリ
から読み出される閾値を調整することによって満足させ
ることが可能である。
【0123】画像平面上の座標位置に応じてメモリから
読み出される閾値を調整する方法としては、次の3つの
方法が考えられる。 (a)座標位置毎に異なるオフセットアドレスをメモリ
に与える方法。 (b)メモリから読み出された閾値と、座標位置毎に異
なる被演算値とから、所定の算術演算(加算、減算等)
を実行し、この結果得られた値を新たな閾値とする方
法。 (c)メモリから読み出された閾値に対して、座標位置
毎に異なる所定のビットを反転する方法。
【0124】図12は、上述の(a)の方法を示す説明
図である。図12(a)は、16×16閾値マトリクス
を主走査方向(Y方向)にのみ16個並べた16×25
6閾値マトリクスを斜線部で示している。この16×2
56閾値マトリクスに含まれる16個の16×16閾値
マトリクスは、互いに異なる閾値分布を有している。こ
のような閾値マトリクスを利用する場合には、図12
(b)に示すように、主走査方向のオフセットアドレス
の1次元配列(Y1 ,Y2 ,…Ym )の各値を副走査方
向Xに沿ってランダムに設定することによって、16×
256閾値マトリクス特有のパターンが2値化画像に現
われるのを防止することができる。なお、このmの値を
16に設定することによって、256×256閾値マト
リクスを疑似的に表現できる。
【0125】1つの閾値を8ビット=1バイトで表わす
場合には、256×256閾値マトリクスを記憶するた
めのメモリ容量は64Kバイトになるが、16×256
閾値マトリクスではこれが4Kバイトですむ。従って、
16×256閾値マトリクスを使用すれば、256×2
56閾値マトリクスを使用する場合に比べてメモリ容量
が大幅に節約できる。
【0126】図12(a),(b)の例において、カラ
ー画像データを再現する場合には、各色版毎に対して、
互いに異なるオフセットアドレスの1次元配列(Y1 ,
Y2,…Ym )を設定すればよい。この場合において、
少なくとも同一の走査線上に適用される各色成分のオフ
セットアドレスを互いに異なる値となるようにすること
が望ましい。こうすれば、複数の色成分の2値化画像が
完全に重なり合うことがないので、色ずれが生じるのを
防止できるという利点がある。
【0127】I.装置の構成:図13は、前述した図1
1の閾値マトリクスを利用する画像記録装置の構成を示
すブロック図である。この画像記録装置は、多階調画像
データIDを記憶する画像メモリ20と、L1 ×L2 閾
値マトリクスを記憶する閾値マトリクスメモリ30と、
多階調画像データIDと閾値TDとを比較して2値の記
録信号RSを生成する比較器40と、記録信号RSに従
って2値化画像を記録する出力装置50とを備えてい
る。この画像記録装置はまた、画像メモリ20の読出し
アドレスを生成するための回路として、クロック発生器
21,22と、分周回路23,24と、アドレスカウン
タ25,26とを備えている。さらに、閾値マトリクス
メモリ30の読出しアドレスを生成するための回路とし
て、オフセットアドレスメモリ31,32と、リングカ
ウンタ33,34とを備えている。なお、画像メモリ2
0と、オフセットアドレスメモリ31,32には、複数
の色成分のいずれか1つを示す色成分指定信号Scが、
図示しないコントローラ(例えばCPU)から与えられ
ている。
【0128】主走査クロック発生器21は、記録信号R
Sの1スポットに相当する周期を有する主走査基準クロ
ック信号RCLyを発生し、副走査クロック発生器22
は、記録信号RSの1主走査線に相当する周期を有する
副走査基準クロック信号RCLxを発生する。
【0129】走査開始信号STが発生すると、リングカ
ウンタ33,34は、それぞれ主走査オフセットアドレ
スメモリ31と副走査オフセットアドレスメモリ32か
らのデータ(オフセットアドレスデータ)をカウンタの
初期値(プリセット値)としてロードする。主走査オフ
セットアドレスメモリ31と副走査オフセットアドレス
メモリ32は、4つの色成分に対するオフセットアドレ
スデータをそれぞれ記憶しており、2ビットの色成分信
号Scに応じて4種類の異なるオフセットアドレスを出
力する。色成分毎のオフセットアドレスは、例えば図1
1(a)〜(d)にそれぞれ示すオフセットアドレスO
Y,OM,OC,OKである。
【0130】リングカウンタ33は、主走査オフセット
アドレスメモリ31からのオフセットアドレスデータO
Fyを初期値として、主走査基準クロック信号RCLy
のパルス数をカウントするL2 進のリングカウンタであ
る。また、リングカウンタ34は、副走査オフセットア
ドレスメモリ32からのオフセットアドレスデータOF
xを初期値として、副走査基準クロック信号RCLxの
パルス数をカウントするL1 進のリングカウンタであ
る。これらのリングカウンタ33,34からの出力がそ
れぞれ、閾値マトリクスメモリ30の主走査アドレス、
副走査アドレスとなり、このアドレスにより指定された
閾値が読み出される。なお、閾値マトリクスメモリ30
には、例えば図11に「256×256」と記された1
ブロックの閾値マトリクスが記憶されている。
【0131】一方、画像メモリ20のアドレスは次のよ
うに生成される。分周回路23,24は、主走査基準ク
ロック信号RCLyと副走査基準クロック信号RCLx
をそれぞれ1/Mに分周し、この分周したクロックCL
y,CLxがそれぞれアドレスカウンタ25,26に入
力される。アドレスカウンタ25,26は、クロックC
Ly,CLxのパルス数をカウントし、そのカウント値
をアドレスADy、ADxとして出力する。なお、分周
回路23,24の分周比は、それぞれ画像データIDの
1画素に対応する閾値の副走査方向の個数、主走査方向
の個数に基づき決定される値で、その副走査方向、主走
査方向の個数をそれぞれMx ,My とすると、分周回路
24,23の分周比はそれぞれ1/Mx ,1/My とな
る。また、画像データの1画素がM×M個の閾値に対応
する時には、分周回路23,24の分周比は、共に1/
Mに設定される。
【0132】閾値マトリクスメモリ30に記憶された閾
値TDは、リングカウンタ33,34から与えられるア
ドレスに応じて読出され、比較器40によって多階調画
像データIDと比較される。比較器40は、比較結果に
応じて各スポットのオン/オフを示す記録信号RSを生
成して出力装置50に供給する。出力装置50は例えば
製版用の記録スキャナであり、感光フィルムなどの記録
媒体上に各色成分の2値化画像を記録する。このように
して作成された各色成分の2値化画像にはそれぞれ規則
的なパターンが目立たず、かつ、これらの2値化画像を
刷り重ねて得られるカラー画像にはモアレやロゼットパ
ターンなどの干渉模様も発生しないという特徴がある。
【0133】図14は、座標位置に応じて閾値マトリク
スメモリ30のオフセットアドレスを変更する回路を備
えた画像記録装置の構成を示すブロック図である。図1
3との違いは、図13における2つのオフセットアドレ
スメモリ31,32の代わりに、乱数発生器61,62
が設けられている点と、OR回路63,64によって得
られる走査開始信号STと副走査方向クロックCLxと
の論理和がリングカウンタ31,32のロード端子に与
えられている点にある。
【0134】乱数発生器61,62で生成された乱数
は、副走査クロックCLxに同期して、リングカウンタ
31,32の初期値(すなわち、アドレスのオフセッ
ト)としてそれぞれロードされる。この結果、画像デー
タIDの1主走査線分の2値化が終了するたび、すなわ
ち画像信号IDの副走査一周期毎に、閾値マトリクスメ
モリ30の主走査アドレスと副走査アドレスのオフセッ
トアドレスが乱数によって与えられる。換言すれば、画
像内の副走査座標位置ごとに異なるオフセットアドレス
によって閾値マトリクスメモリ30から閾値が読み出さ
れる。
【0135】図15は、座標位置に応じて閾値マトリク
スメモリ30のオフセットアドレスを変更する回路を備
えた画像記録装置の他の構成を示すブロック図である。
図14との違いは、L1 進カウンタ66で副走査基準ク
ロック信号RCLxのパルス数をカウントし、そのキャ
リ信号をOR回路63,64に与えている点にある。こ
うすれば、閾値マトリクスメモリ30に記憶されたL1
×L2 閾値マトリクスが副走査方向の幅L1 だけ使用さ
れた時点でオフセットアドレスが変更される。前述した
図12(b)に示すようなオフセットアドレスの分布
は、図15の装置において、副走査方向のオフセットア
ドレス発生器としての乱数発生器62を省略し、リング
カウンタ34の初期値を常に0に設定することによって
実現される。
【0136】図14と図15との差異は、リングカウン
タ33,34にオフセットアドレスデータとしての乱数
をロードするタイミングが異なる点にある。リングカウ
ンタ33,34にオフセットアドレスデータをロードす
るタイミングは、図14や図15の例以外のものに設定
することも可能であり、例えば、任意(ランダム)なタ
イミングでもよい。
【0137】図16は、座標位置に応じた値を閾値に加
算する画像記録装置の構成を示すブロック図である。図
13との差異は、図13に示す2つのオフセットアドレ
スメモリ31,32を省略して、加算器70と、2つの
ラインメモリ71,72を含むラインメモリユニット7
3と、乱数発生器74を追加した点にある。
【0138】ラインメモリユニット73の一方には、乱
数発生器74より発生した乱数がL2 進リングカウンタ
33のキャリ信号CRyに同期して書き込まれる。一
方、他方のラインメモリからは同じくL2 進リングカウ
ンタ33のキャリ信号CRyに基づいて記憶されていた
乱数が順次出力されて、加算器70に与えられる。加算
器70は、ラインメモリユニット73から与えられた乱
数(被加算値)と、閾値マトリクスメモリ30から読み
出された閾値とを加算して比較器40に与えている。な
お、2つのラインメモリ71,72は、副走査方向のリ
ングカウンタ34のキャリ信号CRxに同期して交互に
かつ相補的に切換られる。従って、ラインメモリユニッ
ト73の一方のラインメモリ(例えば71)からキャリ
信号CRyに同期して順次RAy個の乱数が出力され
る。この同じ乱数列の出力はさらに(L1 −1)回繰り
返される。続いて、キャリ信号CRxの発生に基づいて
ラインメモリ71、72は相補的に切り換えられ、同様
に他方のラインメモリ(例えば72)からもキャリ信号
CRyに同期して順次RAy個の乱数が出力され、この
同じ乱数列の出力はさらに(L1 −1)回繰り返され
る。なお、この加算器70は、閾値の有効ビット外は無
視して加算を行なうもので、例えば閾値の有効ビットが
8で、閾値が250、被加算値が9のときは、新たな閾
値TDは3(=250+9−28 )となる。
【0139】図16の装置では、次のような効果があ
る。 (1)座標位置に応じて異なる被加算値を閾値に加算す
るので、閾値マトリクスメモリ30に記憶されている閾
値パターンとは異なる閾値パターンを座標位置ごとに生
成できる。 (2)2本のラインメモリ71,72は、画像データI
Dの1主走査分に相当する、すなわち記録信号RSの主
走査方向の画素数をL2 で除した値に相当する個数(R
Ay個)を有する乱数列をそれぞれ記憶しており、ま
た、閾値マトリクスの副走査方向の幅L1 毎に相補的に
切換えられるので、閾値マトリクスの副走査方向の幅L
1 と主走査方向の幅L2 とで構成される矩形のブロック
領域内では、同じ乱数(被加算値)が発生する。従っ
て、閾値マトリクスが部分的に使用されることがなく、
閾値マトリクスの全体から閾値が読み出されるので、2
値化画像において正確な階調値を表現できる。
【0140】なお、閾値マトリクスメモリ30に記憶さ
れる閾値がM×Mの場合は、リングカウンタ33,34
を共にM進のリングカウンタに変更するとともに、2つ
のラインメモリ71,72の切換えタイミングを指示す
る信号として副走査クロック信号CLxを、ラインメモ
リユニット73のアドレス端子に与えるクロック信号と
して主走査クロック信号CLyを用いればよい。この場
合は、画像信号IDの1画素単位で被加算値が変更され
る。
【0141】ところで、前述したように、多階調画像デ
ータが2Nビット(Nは2N =Mとなる整数)のデジタ
ルデータである場合には、多階調画像データのすべての
階調を再現するために、閾値マトリクス内の閾値を0〜
(M2 −2)の範囲にすることが好ましい。ところが、
図16の装置において、加算器70が単純な加算を行な
うと、閾値が(M2 −1)となってしまう可能性があ
る。そこで、加算器70は、2Nビットで表記された加
算結果に桁上げが生じたか否かを判断し、桁上げが生じ
ていない値から1をそれぞれ減算することによって、閾
値が(M2 −1)にならないようにする機能を有してい
る。
【0142】図17は、加算器70による演算結果の一
例を示す説明図である。ここでは図17(A)に示す4
×4閾値マトリクスが閾値マトリクスメモリ30に記憶
されているものと仮定する。これらの閾値に単純に5を
加算すると、図17(B)に示す閾値が得られる。図1
7(B)において、丸で囲んだ数値は4ビットの2進数
で桁上げが生じなかった値である。4×4閾値マトリク
スの閾値として好ましい範囲は0〜14であるのに対し
て、図17(B)では、値が15の閾値が存在している
ことが解る。そこで、加算器70は、桁上げの発生して
いない閾値からそれぞれ1を減算することによって、図
17(C)に示すような結果を出力する。こうすれば、
閾値を元の通り0〜14の範囲に納めることができる。
【0143】なお、前述のように、閾値マトリクス内の
閾値を1〜(M2 −1)の範囲に設定した場合について
は、被加算値を加算し、その結果、最上位ビットの桁上
げがあったものに1加算することにより、閾値の範囲を
1〜(M2 −1)の範囲で維持することができる。
【0144】図18は、座標位置に応じて閾値のビット
を反転する画像記録装置の構成を示すブロック図であ
る。図16との差異は、加算器70をビット反転ユニッ
ト80で置き換えた点にある。ビット反転ユニット80
は、8個のEXOR回路を含んでいる。各EXOR回路
の一方の入力端子には閾値マトリクスメモリ30から読
み出された8ビットの閾値の各ビットが入力されてお
り、他方の入力端子にはラインメモリユニット73から
出力された8ビットの値の各ビットが入力されている。
ラインメモリユニット73の出力のビットがHレベルの
場合には、これに相当する閾値のビットが反転して出力
され、逆に、ラインメモリユニット73の出力のビット
がLレベルの場合には、これに相当する閾値のビットが
そのまま出力される。すなわち、ラインメモリユニット
73の出力は、閾値と論理演算が行なわれる被演算値と
して使用されている。この結果、ラインメモリユニット
73の出力の各ビットのレベルに応じて閾値のいくつか
のビットが反転する。
【0145】図19は、8×8閾値マトリクスと、その
閾値のいくつかのビットを反転して得られる数種類の閾
値マトリクスの例を示す説明図である。図18の装置で
は、座標位置に応じて閾値のいくつかのビットが反転す
るので、座標位置に応じたランダムな閾値を使用して2
値化を行なうことができる。
【0146】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0147】(1)上記実施例では、閾値のマトリクス
構造をM次(Mは2N の整数)の正方マトリクスである
としていたが、M1 ×M2 閾値マトリクス(M1 ,M2
は偶数)を利用することも可能である。この場合にも、
M1 ×M2 閾値マトリクス内の各2×2サブマトリクス
内の閾値の配列を、8通りの対角パターンの中からラン
ダムに選択することが好ましい。
【0148】さらに、一般的に言えば、閾値マトリクス
を分割した最小単位のサブマトリクスは2×2に限ら
ず、3×3や5×5などの任意の素数のサイズのマトリ
クスでよい。この場合にも、閾値マトリクス領域は、互
いに等しいサイズの複数のサブマトリクスに分割され
る。そして、各サブマトリクスにおいて、複数の閾値同
士の差分が所定の値に設定される。図5および図6に示
す8×8閾値マトリクスTMは、サブマトリクスが2×
2であり、各サブマトリクス内の閾値同士の差分が16
である場合に相当する。
【0149】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に記載された方法によれば、各サブマトリクス内の複数
の閾値をランダムに配置するので、従来の網点のための
閾値マトリクスに比べて閾値分布の空間周波数を高くす
ることができるので、このような閾値マトリクスを用い
て2値化を行なえば、従来の網点による技術に比べて画
像内のシャープなエッジを良好に再現することができる
という効果がある。
【0150】請求項2および4ないし7に記載した方法
によれば、閾値分布の空間周波数をより高くすることが
できるという効果がある。
【0151】請求項3および8に記載された方法では、
2値化画像のほぼ同一濃度の領域において、閾値マトリ
クスの繰り返しに起因する規則的なパターンを目立ち難
くすることができるという効果がある。
【0152】請求項9および10に記載された方法によ
れば、多階調画像データがM2 階調を有するデジタルデ
ータである場合に、多階調画像データのすべての階調を
M×M閾値マトリクスによって再現することができると
いう効果がある。
【0153】請求項11に記載された方法によれば、複
数のM×M閾値マトリクス全体としてM2 階調を滑らか
に再現することができるという効果がある。
【0154】請求項12に記載された方法および請求項
18に記載された装置によれば、従来に比べて閾値マト
リクス内の閾値分布の空間周波数が高いので、画像内の
シャープなエッジを良好に再現することができるという
効果がある。
【0155】請求項13ないし16に記載された方法、
並びに、請求項19ないし21に記載された装置によれ
ば、カラー印刷物を再現する場合にもモアレやロゼット
パターンなどの干渉模様の発生を十分に防止することが
できるという効果がある。
【0156】請求項17に記載された方法および請求項
22に記載された装置によれば、複数の色成分の2値化
画像が同じパターンを有することがないので、色ずれの
発生を防止できるという効果がある。
【0157】請求項23ないし28に記載された方法お
よび請求項29ないし34に記載された装置によれば、
1つの閾値マトリクスを用いて、座標位置毎に異なる閾
値パターンを発生させることができる。
【0158】特に、請求項24に記載された方法および
請求項30に記載された装置によれば、1つの閾値マト
リクスを用いて、副走査方向の所定の周期毎に異なる閾
値パターンを発生させることができる。
【0159】また、特に、請求項27に記載された方法
および請求項33に記載された装置によれば、加算後の
閾値を0〜(M2 −2)に納めることができるので、2
値化画像において多階調画像データのすべての階調を再
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例において作成される閾値マ
トリクスの基本マトリクスBMを示す平面図。
【図2】4×4基本マトリクスBMを構成する2×2サ
ブマトリクスを示す平面図。
【図3】2×2サブマトリクスの閾値配列の8通りの対
角パターンを示す説明図。
【図4】2×2サブマトリクスT11に8通りの対角パタ
ーンをそれぞれ適用した場合に得られる8つのマトリク
スを示す説明図。
【図5】係数マトリクスCMを8通りの対角パターンの
内からランダムに選択することによって得られた2×2
サブマトリクスTijを示す平面図。
【図6】図5の2×2サブマトリクスTijで構成される
8×8閾値マトリクスを示す平面図。
【図7】図6で示された8×8閾値マトリクスの各グル
ープ内の2×2サブマトリクスをランダムに配置した2
×2サブマトリクスTijを示す平面図。
【図8】基本マトリクスBM8X8 と、8×8閾値マトリ
クスTM8X8 と、0〜63の閾値を単にランダムに配置
したマトリクスとを比較して示す説明図。
【図9】実施例による16×16閾値マトリクスTM
16X16 の一例を16進数表記で示す図。
【図10】実施例による16×16閾値マトリクスTM
16x16 を4進数表記で示す図。
【図11】閾値マトリクスのオフセットアドレスを色成
分毎に変更する方法を示す説明図。
【図12】閾値マトリクスのオフセットアドレスを座標
位置毎に変更する方法を示す説明図。
【図13】図11の閾値マトリクスを利用する画像記録
装置の構成を示すブロック図。
【図14】座標位置に応じて閾値マトリクスメモリ30
のオフセットアドレスを変更する回路を備えた画像記録
装置の構成を示すブロック図。
【図15】座標位置に応じて閾値マトリクスメモリ30
のオフセットアドレスを変更する回路を備えた画像記録
装置の他の構成を示すブロック図。
【図16】座標位置に応じた値を閾値に加算する画像記
録装置の構成を示すブロック図。
【図17】加算器70による演算結果の一例を示す説明
図。
【図18】座標位置に応じて閾値のビットを反転する画
像記録装置の構成を示すブロック図。
【図19】8×8閾値マトリクスと、その閾値のいくつ
かのビットを反転して得られる数種類の閾値マトリクス
の例を示す説明図。
【符号の説明】
20…画像メモリ 21…主走査クロック発生器 22…副走査クロック発生器 23…1/M分周器 24…1/M分周器 25…アドレスカウンタ(主走査) 26…アドレスカウンタ(副走査) 30…閾値マトリクスメモリ 31…主走査オフセットアドレスメモリ 32…副走査オフセットアドレスメモリ 33…L2 進リングカウンタ 34…L1 進リングカウンタ 40…比較器 50…出力装置 61,62…乱数発生器 63,64…OR回路 66…L1 進カウンタ 70…加算器 71,72…ラインメモリ 73…ラインメモリユニット 74…乱数発生器 80…ビット反転ユニット ADx…副走査アドレス ADy…主走査アドレス BMMxM …M×M基本マトリクス CLx…副走査クロック CLy…主走査クロック ID…画像データ O…原点 OFx…副走査オフセットアドレス OFy…主走査オフセットアドレス OY,OM,OC,OK…各色成分のオフセットアドレ
ス RCLx…副走査基準クロック信号 RCLy…主走査基準クロック信号 RS…記録信号 ST…走査開始信号 Sc…色成分信号 TD…閾値 TMMxM …M×M閾値マトリクス x…閾値マトリクス内の副走査座標 y…閾値マトリクス内の主走査座標 X…画像平面内の副走査座標 Y…画像平面内の主走査座標
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/40 - 1/409 G06T 1/00

Claims (34)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多階調画像データを2値化する際に使用
    される閾値マトリクスを作成する方法であって、(a)
    閾値マトリクス領域を互いに等しいサイズの複数のサブ
    マトリクスに分割し、各サブマトリクス内に含まれる複
    数の閾値同士の差分を所定の値に設定するとともに、各
    サブマトリクスにおいて前記複数の閾値をランダムに配
    置する工程、を備えることを特徴とする閾値マトリクス
    の作成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の閾値マトリクスの作成方
    法であって、 閾値マトリクスはM1 ×M2 閾値マトリクス(M1 ,M
    2 はそれぞれ偶数)であり、 工程(a)は、M1 ×M2 マトリクス領域内に含まれる
    各2×2サブマトリクス内の4つの閾値の配列を、比較
    的小さな2つの閾値同士を対角に配置するとともに比較
    的大きな閾値同士を対角に配置する8通りの組み合わせ
    の中からランダムに選択する工程を含む、閾値マトリク
    スの作成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の閾値マトリクスの作成方
    法であって、さらに、(b)閾値配列が互いに異なる複
    数のM1 ×M2 閾値マトリクスを生成する工程と、
    (c)前記複数のM1 ×M2 閾値マトリクスを配列して
    得られるL1 ×L2 閾値マトリクス(L1 ,L2 はそれ
    ぞれM1 ,M2 の整数倍の整数)を生成する工程とを含
    む、閾値マトリクスの作成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の閾値マトリクスの作成方
    法であって、 閾値マトリクスはM×M閾値マトリクス(Mは2N の整
    数、Nは2以上の整数)であり、 工程(a)は、M×Mマトリクス領域内に含まれる各2
    ×2サブマトリクスTij(i,jは前記M×Mマトリク
    ス領域内における2×2サブマトリクスTijの座標を示
    す)内の閾値の配置を数式1に従って設定するととも
    に、各座標(i,j)において整数aij,bij,cij,
    dijの値の組み合わせをランダムに決定する工程を含
    む、閾値マトリクスの作成方法。 【数1】
  5. 【請求項5】 請求項4記載の閾値マトリクスの作成方
    法であって、 工程(a)は、さらに、前記各座標(i,j)における
    整数aij,bij,cij,dijの値の組み合わせを、0と
    1とが互いに対角に配置されるとともに、2と3も互い
    に対角に配置される8通りの組み合わせの中からランダ
    ムに選択する工程を含む、閾値マトリクスの作成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の閾値マトリクスの作成方
    法であって、 閾値マトリクスはM×M閾値マトリクス(Mは2N の整
    数、Nは2以上の整数)であり、 工程(a)は、数式2によって表わされるマトリクスT
    MxM をM×M閾値マトリクスとして、2×2基本サブ
    マトリクスS1 内の成分a,b,c,dの値の組み合わ
    せを、前記M×M閾値マトリクス内に含まれる2×2サ
    ブマトリクス毎にランダムに決定する工程を含む、閾値
    マトリクスの作成方法。 【数2】
  7. 【請求項7】 請求項6記載の閾値マトリクスの作成方
    法であって、 工程(a)は、さらに、2×2基本サブマトリクスS1
    内の成分a,b,c,dの組み合わせを、0と1とが互
    いに対角に配置されるとともに、2と3も互いに対角に
    配置される8通りの組み合わせの中からランダムに選択
    する工程を含む、閾値マトリクスの作成方法。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし7のいずれかに記載の閾
    値マトリクスの作成方法であって、 さらに、(b)閾値配列が互いに異なる複数のM×M閾
    値マトリクスを生成する工程と、(c)前記複数のM×
    M閾値マトリクスを配列して得られるL1 ×L2 閾値マ
    トリクス(L1 ,L2 はそれぞれMの整数倍の整数)を
    生成する工程を含む、閾値マトリクスの作成方法。
  9. 【請求項9】 請求項4ないし8のいずれかに記載の閾
    値マトリクスの作成方法であって、 M×M閾値マトリクス内における最大値が(M2 −2)
    であるか、または、最小値が1である閾値マトリクスの
    作成方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の閾値マトリクスの作成
    方法であって、 M×M閾値マトリクス内のM2 個の閾値は、0〜(M2
    −2)または1〜(M2 −1)の範囲のすべての閾値が
    少なくとも1回出現し、1つの閾値は2回出現する分布
    を有する、閾値マトリクスの作成方法。
  11. 【請求項11】 請求項8記載の閾値マトリクスの作成
    方法であって、 工程(b)は、各M×M閾値マトリクス内の最大値(M
    2 −1)または最小値0をそれぞれ0〜(M2 −2)ま
    たは1〜(M2 −1)の範囲からランダムに選択された
    値に置き換えることによって、閾値配列が互いに異なる
    複数のM×M閾値マトリクスを生成する工程を含む、閾
    値マトリクスの作成方法。
  12. 【請求項12】 多階調画像データを所定の閾値マトリ
    クスと比較することによって2値化画像データを生成す
    る方法であって、(a)請求項1ないし11のいずれか
    に記載の閾値マトリクスを記憶する第1のメモリを準備
    する工程と、(b)前記第1のメモリに記憶された閾値
    マトリクス内の閾値を多階調画像データと比較すること
    によって、前記多階調画像データを2値化する工程と、
    を備えることを特徴とする画像の2値化方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の画像の2値化方法で
    あって、 多階調画像データは複数の色成分を含み、 工程(a)は、前記複数の色成分に対してそれぞれ異な
    る閾値マトリクスを作成して第1のメモリに記憶する工
    程を含み、 工程(b)は、(1)多階調画像データの複数の色成分
    のそれぞれに応じた前記閾値マトリクスから閾値を読出
    す工程と、(2)読出された前記閾値とその閾値に対応
    する色成分の前記多階調画像データとを比較することに
    よって、前記多階調画像データの各色成分をそれぞれ2
    値化する工程と、を含む画像の2値化方法。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の画像の2値化方法で
    あって、 多階調画像データは複数の色成分を含み、 工程(a)は、閾値マトリクスを画像平面上に適用する
    際のオフセットアドレスを前記複数の色成分に対してそ
    れぞれ異なる値に設定する工程を含み、 工程(b)は、(1)多階調画像データの複数の色成分
    のそれぞれについて、前記オフセットアドレスに応じて
    前記閾値マトリクスから閾値を読出す工程と、(2)読
    出された前記閾値とその閾値に対応する色成分の前記多
    階調画像データとを比較することによって、前記多階調
    画像データの各色成分をそれぞれ2値化する工程と、を
    含む画像の2値化方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の画像の2値化方法で
    あって、 工程(a)は、さらに、複数の色成分に対するオフセッ
    トアドレスを記憶する第2のメモリを準備する工程を含
    み、 工程(1)は、前記多階調画像データの色成分に応じて
    前記第2のメモリから前記オフセットアドレスを読出す
    とともに、該読出されたオフセットアドレスに応じて前
    記第1のメモリから閾値を読出す工程を含む、画像の2
    値化方法。
  16. 【請求項16】 請求項14記載の画像の2値化方法で
    あって、 工程(a)は、さらに、複数の色成分に対するオフセッ
    トアドレスに応じて閾値分布をずらすことによって各色
    成分毎に前記閾値マトリクスを生成し、第1のメモリに
    記憶する工程を含み、 工程(1)は、前記多階調画像データの色成分に応じて
    前記第1のメモリから閾値を読出す工程を含む、画像の
    2値化方法。
  17. 【請求項17】 請求項14ないし16のいずれかに記
    載の画像の2値化方法であって、 複数の色成分に対するオフセットアドレスは、少なくと
    も同一の走査線上において互いに異なる値を有する、画
    像の2値化方法。
  18. 【請求項18】 多階調画像データを所定の閾値マトリ
    クスと比較することによって2値化画像データを生成す
    る装置であって、 請求項1ないし11のいずれかに記載の閾値マトリクス
    を記憶する第1のメモリと、 前記第1のメモリに記憶された閾値マトリクス内の閾値
    を読出す読出手段と、 前記読出手段で読出された閾値を多階調画像データと比
    較することによって、前記多階調画像データを2値化す
    る比較手段と、を備えることを特徴とする画像の2値化
    装置。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の画像の2値化装置で
    あって、 多階調画像データは複数の色成分を含み、 第1のメモリは、前記複数の色成分に対してそれぞれ異
    なる閾値マトリクスを記憶し、 読出手段は、多階調画像データの複数の色成分のそれぞ
    れに応じた前記閾値マトリクスから閾値を読出す手段を
    含む、画像の2値化装置。
  20. 【請求項20】 請求項18記載の画像の2値化装置で
    あって、 多階調画像データは複数の色成分を含み、 前記2値化装置は、さらに、 複数の色成分に対するオフセットアドレスを記憶する第
    2のメモリを備え、 読出手段は、 前記多階調画像データの色成分に応じて前記第2のメモ
    リから前記オフセットアドレスを読出す第1の手段と、 該読出されたオフセットアドレスに応じて前記第1のメ
    モリから閾値を読出す第2の手段とを含む、画像の2値
    化装置。
  21. 【請求項21】 請求項18記載の画像の2値化装置で
    あって、 多階調画像データは複数の色成分を含み、 第1のメモリは、複数の色成分に対するオフセットアド
    レスに応じて閾値分布をずらすことによって各色成分毎
    に生成された閾値マトリクスを記憶し、 読出手段は、前記多階調画像データの色成分に応じて前
    記第1のメモリから閾値を読出す手段を含む、画像の2
    値化装置。
  22. 【請求項22】 請求項20または21記載の画像の2
    値化装置であって、 複数の色成分に対するオフセットアドレスは、少なくと
    も同一の走査線上において互いに異なる値を有する、画
    像の2値化装置。
  23. 【請求項23】 請求項12記載の画像の2値化方法で
    あって、 工程(b)は、(1)閾値マトリクスを画像平面上に適
    用する際のオフセットアドレスを、前記画像平面上の座
    標位置に応じて異なる値に設定する工程と、(2)前記
    オフセットアドレスに応じて前記閾値マトリクスから閾
    値を読出す工程と、を含む画像の2値化方法。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の画像の2値化方法で
    あって、 工程(1)は、オフセットアドレスの値を副走査方向の
    所定の周期毎に切換える工程、を備える画像の2値化方
    法。
  25. 【請求項25】 請求項12記載の画像の2値化方法で
    あって、 工程(b)は、(1)画像平面上の座標位置に応じて異
    なる被演算値を生成する工程と、(2)前記閾値マトリ
    クスから読み出された閾値と前記被演算値とに対して所
    定の演算を行なうことによって閾値を修正する工程と、
    を含む画像の2値化方法。
  26. 【請求項26】 請求項25記載の画像の2値化方法で
    あって、 工程(2)は、閾値と被演算値との間で加算または減算
    を行なう工程、を含む画像の2値化方法。
  27. 【請求項27】 請求項25記載の画像の2値化方法で
    あって、 閾値マトリクスは0〜(M2 −2)(ここでMは2N
    整数,Nは2以上の整数)の範囲の閾値を含む閾値マト
    リクスであり、 工程(2)は、前記閾値と被演算値とを加算して、2N
    ビットの2進数で表わされた加算結果に桁上げが生じな
    い閾値に関しては1を減算する工程、を含む画像の2値
    化方法。
  28. 【請求項28】 請求項25記載の画像の2値化方法で
    あって、 工程(2)は、被演算値と閾値の互いに対応する各ビッ
    トの論理演算を行なうことによって、前記閾値の各ビッ
    トを前記被演算値の各ビットのレベルに応じて反転する
    工程、を含む画像の2値化方法。
  29. 【請求項29】 請求項18記載の画像の2値化装置で
    あって、 読出手段は、 閾値マトリクスを画像平面上に適用する際のオフセット
    アドレスを、前記画像平面上の座標位置に応じて異なる
    値に設定するオフセットアドレス発生手段と、 前記オフセットアドレスに応じて前記閾値マトリクスか
    ら閾値を読出す手段と、を含む画像の2値化装置。
  30. 【請求項30】 請求項29記載の画像の2値化装置で
    あって、 オフセットアドレス発生手段は、オフセットアドレスの
    値を副走査方向の所定の周期毎に切換える手段、を備え
    る画像の2値化装置。
  31. 【請求項31】 請求項18記載の画像の2値化装置で
    あって、 読出手段は、 画像平面上の座標位置に応じて異なる被演算値を生成す
    る被演算値発生手段と、 前記閾値マトリクスから読み出された閾値と前記被演算
    値とに対して所定の演算を行なうことによって閾値を修
    正する演算手段と、を含む画像の2値化装置。
  32. 【請求項32】 請求項31記載の画像の2値化装置で
    あって、 演算手段は、閾値と被演算値との間で加算または減算を
    行なう算術演算手段、を含む画像の2値化装置。
  33. 【請求項33】 請求項31記載の画像の2値化装置で
    あって、 閾値マトリクスは0〜(M2 −2)(ここでMは2N
    整数,Nは2以上の整数)の範囲の閾値を含む閾値マト
    リクスであり、 演算手段は、前記閾値と被演算値とを加算して、2Nビ
    ットの2進数で表わされた加算結果に桁上げが生じない
    閾値に関しては1を減算する手段、を含む画像の2値化
    装置。
  34. 【請求項34】 請求項31記載の画像の2値化装置で
    あって、 演算手段は、被演算値と閾値の互いに対応する各ビット
    の論理演算を行なうことによって、前記閾値の各ビット
    を前記被演算値の各ビットのレベルに応じて反転する論
    理演算手段、を含む画像の2値化装置。
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