JP3113136U - 鉄道車両用のボイスレコーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】異常事態発生時付近の音声記録を容易に抽出して再生可能な、鉄道車両用のボイスレコーダを提供する。
【解決手段】鉄道車両用のボイスレコーダであって、鉄道車両内の音声が入力される1以上の入力部31,34,38と、前記入力部31,34,38から入力された音声を記録媒体Mに録音する録音手段112と、鉄道車両に生じた異常事態を検知する検知手段111と、異常事態が検知された場合に、録音手段112に録音動作の停止信号を与える制御手段111とを備え、録音手段112は、録音動作を開始すると、前記制御手段から停止信号を受け取り、且つ検知手段111で異常事態が検知されてから所定時間が経過するまでの間、連続して録音動作を行い、その後、録音動作を停止する。
【選択図】図1

Description

本考案は、列車、電車などの鉄道車両に搭載されるボイスレコーダに関する。
鉄道車両には、鉄道車両の走行速度の履歴を記録する装置等が搭載されており、鉄道車両の走行状態を記録している。このような記録は、万が一、鉄道車両に異常事態が発生した場合において、その異常事態の原因究明の一助となる。
ところで、従来、鉄道車両には、乗務員室間で、乗務員同士(例えば運転士と車掌)が業務連絡を行うための乗務員間連絡装置や、非常時において、客室の乗客と乗務員室の乗務員とが通話を行うための非常通報装置が搭載されている(例えば、特許文献1,2)。
特開2004−182129号公報 特開2005−130072号公報
鉄道車両の走行状態の記録のみでは、異常事態の原因を究明するのに時間を要するおそれがある。ここで、上述したような、乗務員間連絡装置や非常通報装置を用いた通話を録音しておけば、異常事態の原因究明のさらなる一助として利用することができる。
しかしながら、従来、鉄道車両には、鉄道車両内における音声を録音する装置が搭載されていなかった。また、鉄道車両に録音装置を搭載する場合には、録音された音声の中から異常事態発生時付近の音声が容易に抽出できるようにする必要がある。また、異常事態発生時付近の音声が確実に録音されるようにする必要がある。
本考案の目的は、上記した事情に鑑みなされたものであり、異常事態発生時付近の音声記録を容易に抽出して再生可能な、鉄道車両に搭載されるボイスレコーダを提供することにある。
また、本考案の他の目的は、異常事態発生時付近の音声記録を確実に録音できるようにした、鉄道車両に搭載されるボイスレコーダを提供することにある。
本考案は、上記課題を解決するために以下のような手段を採用した。
即ち、本考案は、鉄道車両に搭載されるボイスレコーダであって、
鉄道車両内の音声が入力される1以上の入力部と、
前記入力部から入力された音声を記録媒体に録音する録音手段と、
鉄道車両に生じた異常事態を検知する検知手段と、
前記異常事態が検知された場合に、前記録音手段に録音動作の停止信号を与える制御手段とを備え、
前記録音手段は、録音動作を開始すると、前記制御手段から停止信号を受け取り、且つ前記検知手段で異常事態が検知されてから所定時間が経過するまでの間、連続して録音動作を行い、その後、録音動作を停止する
ことを特徴とする。
また、本考案は、鉄道車両に搭載されるボイスレコーダであって、
鉄道車両内の音声が入力される1以上の入力部と、
電源からの電力供給を受けて、前記入力部から入力された音声を記録媒体に録音する録音手段と、
前記電源からの電力供給が停止された場合に、前記録音手段に録音動作用の電力を供給する補助電源とを備え、
前記補助電源は、前記電源の電力供給が停止されてから所定時間が経過するまでの間、前記電源の代わりに前記録音手段に電力を供給し、
前記録音手段は、録音動作を開始すると、前記電源及び前記補助電源からの電力供給が停止されるまでの間、連続して録音動作を行う
ことを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記録音手段が、電源からの電力供給を受けて録音動作を行い、
前記電源からの電力供給が停止された場合に、前記電源の代わりに前記録音手段に電力を供給する補助電源をさらに備え、
前記検知手段は、前記電源からの電力供給が停止されたことを異常事態として検知し、
前記録音手段は、前記電源からの電力供給が停止されると、前記補助電源からの電力供給を受けて、前記録音動作を行うことを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記検知手段が、鉄道車両に搭載された加速度センサが所定値以上の加速度を検知したことを異常事態として検知することを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記検知手段が、鉄道車両に搭載された傾斜センサが所定値以上の鉄道車両の傾斜角度を検知したことを異常事態として検知することを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記検知手段が、異常事態の発生時にオンにされる手動スイッチのオン信号が検知されたことを異常事態として検知することを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記録音手段が、前記記録媒体に対し、順次的に且つエンドレスな音声録音を行うことを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記録音手段が、音声を単位時間毎に分割した音声ファイルを作成し、この音声ファイルを前記記録媒体に記録することを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、時刻を計時する時計をさらに備え、
前記録音手段は、前記時計から得た時刻が付された音声ファイルを前記記録媒体に記録することを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記録音手段が、脱着自在な記録媒体の装着部を含むことを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記録音手段が、前記記録媒体としての脱着自在な不揮発性の半導体メモリを装着する装着部を含むことを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記1以上の入力部の一つは、前記鉄道車両に搭載された乗務員間連絡装置間を結ぶ音声回線と接続され、この音声回線を流れる音声信号が入力されることを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記1以上の入力部の一つは、前記鉄道車両に搭載された非常通報装置と非常受報装置とを結ぶ音声回線と接続され、この音声回線を流れる音声信号が入力されることを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記鉄道車両に設けられた乗務員室の中で生じた音声を集音するマイクロホンをさらに備え、
前記1以上の入力部の一つは、前記マイクロホンに接続され、このマイクロホンに入力された音声信号が入力されることを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記録音手段が、複数の入力部のそれぞれから入力される音声を、入力部に対応する複数の記録媒体の1つに録音することを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記録音手段が、情報処理装置上で再生可能なデータ形式で前記記録媒体に音声を録音することを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記マイクロホンと、前記鉄道車両に搭載された乗務員間連絡装置間を結ぶ乗務員間連絡用音声回線との間に設けられたスイッチと、
前記乗務員間連絡用音声回線の使用状態を検知する手段と、
前記乗務員間連絡音声回線が未使用の場合に前記スイッチをオンにし、使用中の場合に前記スイッチをオフにするオン/オフ制御手段とをさらに備えることを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記マイクロホンと、前記鉄道車両に搭載された、前記鉄道車両に搭載された非常通報装置と非常受報装置とを結ぶ非常通話用音声回線との間に設けられた第2のスイッチと、
前記非常通話用音声回線の使用状態を検知する手段と、
前記非常通話用音声回線が未使用の場合に前記スイッチをオンにし、使用中の場合に前記スイッチをオフにするオン/オフ制御手段をさらに備えることを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記乗務員間連絡用音声回線と接続された入力部には、未使用状態の乗務員間連絡通話用音声回線を介して伝達される他のボイスレコーダからの音声信号が入力されることを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記非常通話用音声回線と接続された入力部には、未使用状態の乗務員間連絡通話用音声回線を介して伝達される他のボイスレコーダからの音声信号が入力されることを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記録音手段が、前記乗務員間連絡用音声回線と接続された入力部に入力された、乗務員間連絡通話の音声と、前記他のボイスレコーダからの音声との双方を、同一の記録媒体に録音する場合には、これらの音声を区別するための識別子を付与して録音することを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記録音手段が、前記非常通話用音声回線と接続された入力部に入力された、非常通話の音声と、前記他のボイスレコーダからの音声との双方を、同一の記録媒体に録音する場合には、これらの音声を区別するための識別子を付与して録音することを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記複数の入力部が、前記鉄道車両に搭載された乗務員間連絡装置間を結ぶ第1の音声回線に接続された入力部と、前記鉄道車両に搭載
された非常通報装置と非常受報装置とを結ぶ第2の音声回線に接続された入力部とを含み、
前記第1及び第2の音声回線の使用状態を検知する手段をさらに備え、
前記録音手段は、前記第1及び第2の音声回線の一方が使用中であり、他方が未使用である場合には、使用中の音声回線に接続された入力部に入力される音声を、この使用中の音声回線に接続された入力部に対応する記録媒体と、未使用の音声回線に接続された入力部に対応する記録媒体との双方に録音することを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記マイクロホンが、鉄道車両に搭載された車内放送装置又は自動放送装置に接続されていることを特徴とする。
また、本考案によるボイスレコーダは、前記異常検知手段が、前記鉄道車両の状態を検知するセンサの出力が異常な値を示したことを異常事態として検知することを特徴とする。
実用新案登録請求の範囲に記載された発明は、適宜組み合わせることが可能である。
本考案によれば、異常事態発生時付近の音声記録を容易に抽出して再生可能な、鉄道車両用のボイスレコーダを提供することができる。
本考案によれば、異常事態発生時付近の音声記録を確実に録音できるようにした、鉄道車両用のボイスレコーダを提供することができる。
以下、本考案の実施形態を図面を参照して説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本考案は、実施形態の構成に限定されない。
図1は、本考案によるボイスレコーダの実施形態(ボイスレコーダ100)を示す図である。図1において、ボイスレコーダは、鉄道車両に搭載される。以下、構成要素について個別に詳細に説明する。
〈鉄道車両〉
図1に示す例では、鉄道車両は、二つの先頭車と、先頭車間に挟まれる中間車とからなる。各先頭車には、乗務員室と客室とが設けられ、中間車には客室が設けられている。なお、鉄道車両は、一方の先頭車(図1では左側の先頭車)を先頭として走行する。
〈乗務員間連絡装置〉
鉄道車両には、乗務員間で業務連絡を行うための乗務員間連絡装置(以下、「連絡装置
」と表記)が、乗務員室毎に配置されている。図1に示す例では、連絡装置11A及び1
1Bが設けられている。連絡装置11Aと連絡装置11Bとは、二重回線の音声回線12や制御線(図示せず)で結ばれている。各連絡装置11A及び11Bは、マイク及びスピーカが内蔵された送受話器を有している。
連絡装置11A及び11Bを用いて乗務員間で業務連絡が行われる場合、発呼側の連絡装置(例えば11A)の送受話器がフックアップされる。すると、制御線を発呼信号が流れて他方の連絡装置11Bに至り、当該連絡装置11Bが呼び出される(呼び出し音が鳴る)。
これに対し、連絡装置11Bの送受話器をフックアップして呼び出しに応答すると、両
者間の音声回線が開かれ、双方向の通話が可能な状態となる。各送受話器から入力される音声は、音声回線を通じて相手方の送受話器に至り、出力される。このようにして、乗務員間での通話が行われる。
〈非常通報装置〉
鉄道車両には、乗務員と乗客とが非常通話を行うための非常通報装置が設けられている。非常通報装置は、各客室に配置される非常通報器13と、各乗務員室に配置される非常受報器14A,14Bと、各非常受報器14A,14Bに接続された送受話器15A,15Bとを含んでいる。
非常通報器13及び非常通報器14A,14Bは、二重回線の音声回線16及び制御線(図示せず)により相互に結ばれている。各非常通報器13は、非常通報ボタンと、送受話部とを含んでいる。各非常受報器14A,14Bは、非常通報ブザーと、応答ボタンと、モニタスピーカと、割込ボタンとを含んでいる。
なお、上述した連絡装置間を結ぶ音声回線12及び制御線,並びに非常通報器−非常受報器間を結ぶ音声回線16及び制御線は、先頭車間に引き通された複数の引き通し線のいずれかを用いて構成される。
或る客室で、非常通報器13の非常通報ボタンが押されると、非常信号が制御線を通じて各非常受報器14A,14Bに伝達され、各非常受報器14A,14Bの非常通報ブザーが鳴動する。この非常通報に対し、乗務員は、非常通報器の応答ボタンを押すことで、応答することができる。
例えば、非常受報器14Aで応答ボタンが押され、送受話器15Aを取り上げると、その送受話器15と、非常通報ボタンが押された非常通報器13の送受話部との間で、音声回線が開かれ、両者間で双方向の通話が可能となる。このときの通話は、応答ボタンを押さなかった(応答ボタンを押すのが遅かった)側の非常受報器14Bのモニタスピーカから出力される。乗務員は、モニタスピーカから出力される音声に基づき、割込ボタンを押し、送受話器15Bを用いて、通話に割り込むことができる。
〈ボイスレコーダ〉
ボイスレコーダ100は、上述したような、連絡装置11A−11B間の通話、非常通報器13−非常受報器14A,14B(送受話器15A,15B)間の通話を、録音する。さらに、ボイスレコーダ100は、ボイスレコーダ100に接続され、乗務員室に配置されたマイクロホン21Aに入力された音声を録音する。
ボイスレコーダ100は、鉄道車両に複数台搭載することができる。例えば、図1に示すように、乗務員室毎に、ボイスレコーダ100A,100Bが配置されるようにすることができる。これにより、ボイスレコーダ100A及び100Bの一方が異常事態によって破損しても、ボイスレコーダ100A及び100Bの他方で録音を行うことができる。即ち、一方のボイスレコーダを他方のバックアップとして利用できる。
ボイスレコーダ100A及び100Bは同一の構成及び機能を有しているので、ボイスレコーダ100Aを例として、その構成を詳細に説明する。
《ボイスレコーダの電源》
ボイスレコーダ100は、車両電源からDC100V又はDC24Vの電源電圧を受け取って動作する。即ち、ボイスレコーダ100は、ノーフューズブレーカ23が中間に挿入された電力供給線24と接続されている。電力供給線24は、メモリ脱着スイッチ(電
源スイッチとして利用可能)101を介してDC100VとDC24Vとの一方を選択す
る切換スイッチ102に接続されている。
切換スイッチ102は、DC100V用の電力供給線103に接続された第1の接点と、DC24V用の電力供給線104に接続された第2の接点とを有している。電力供給線103は、DC100VをDC24Vに変換するDC−DCコンバータ(直流−直流変換
器)105の入力端子に接続されている。DC−DCコンバータ105の出力端子は、逆
流防止用のダイオード106及び107を介して定電圧電源回路(AVR)108の入力端子に接続されている。
定電圧電源回路108は、電力供給線109及び110のそれぞれを介してコントロールユニット(以下「制御部」と表記:検知手段、制御手段に相当)111,及び録音ユニット(「録音手段に相当)112と接続されており、制御部111及び録音部112に安定した動作用の電力を供給する。
また、DC−DCコンバータ105は、グラウンドスイッチ25を介して接地されている。一方、電力供給線104は、逆流防止用のダイオード114,及びダイオード107を介してAVR108の入力端子に接続されている。また、ダイオード114の出力端子は、配線115を介して、制御部111に設けられた車両電源断(車両電源の供給停止)検出用の端子に接続されている。
また、ダイオード107の出力端子とAVR108の入力端子との間には、バックアップ電源(補助電源に相当)113が接続されている。バックアップ電源113は、鉄道車両に異常事態が生じて車両電源が断の状態となった場合でも、所定時間が経過するまでの間、制御部111及び録音ユニット112が正常に録音動作を行うための電力を供給するためのバックアップ電源であり、蓄電池(バッテリ)を用いて構成されている。
バックアップ電源113は、車両電源からの電力供給が停止されてから(制御部111
で電力供給停止が検知されてから)、少なくとも所定時間(例えば、数秒〜数十秒,或いは数分)が経過するまでの間、制御部111及び録音ユニット112に適正な動作電力を供
給可能な容量を有している。
このバックアップ電源113は、蓄電池に代えて、例えばコンデンサと抵抗器との組み合わせで構成することができる。この場合、車両電源からの電力供給時において、コンデンサへの充電が行われ、車両電源からの供給が停止されると、コンデンサの放電により、制御部111及び録音ユニット112にAVR108を介して動作電圧を供給する。
《録音ユニット》
録音ユニット112は、マイクロホン21Aに入力された音声,連絡装置11A−11B間の通話、非常通報器13−非常受報器14A,14B(送受話器15A,15B)間の通話を録音する。
録音ユニット112は、電源投入(スイッチ101のオン及び車両電源からの電力供給)によってその録音動作を開始し、制御部111から録音動作の停止信号(録音停止信号)を受け取らない限り、録音動作を継続する(連続的に行う)ように構成されている。
録音ユニット112は、乗務員室内の音声を集音するボイスレコーダ専用のマイクロホン21Aからの音声信号を受信するチャネルCH1,乗務員間連絡通話の音声信号を受信するチャネルCH2,及び非常通話の音声信号を受信するチャネルCH3からなる、音声信号の受信端子を有している。
チャネルCH1の受信端子は、信号線31(入力部),制御部111に含まれた増幅器32,及び信号線33を介してマイクロホン21Aと接続されている。また、チャネルCH2の受信端子は、信号線34(入力部),制御部111に含まれた増幅器35,及び信号線37を介して、音声回線12に接続されている。また、チャネルCH3の受信端子は、信号線38(入力部),増幅器39,及び信号線40を介して、音声回線16に接続されている。
録音ユニット112は、記録媒体Mの装着部41,各受信端子から入力される音声信号を復調する復調器42、復調された音声信号をアナログ−ディジタル変換するA/D変換器43,A/D変換された信号から記録媒体Mに応じたデータ形式の音声ファイルを作成する作成部44,音声ファイルを記録媒体Mに書き込む書込部45,及び音声ファイルの作成時刻を得るための時計ブロック46等から構成される。
記録媒体Mとして、例えば、耐震性に優れた半導体メモリが適用される。また、電力供給の停止によって記録内容が失われないように、不揮発性の半導体メモリが適用される。さらに、鉄道車両からボイスレコーダ100全体ではなく、記録媒体Mのみの取り出しを可能とすべく、録音ユニット112に対して脱着自在な可搬性を有する半導体メモリが適用される。このような特徴を持つ半導体メモリとして、フラッシュメモリ(例えばコンパ
クトフラッシュ(登録商標)メモリ)を適用可能である。
記録媒体Mは、最大録音時間を考慮した記憶容量を持つ。例えば、記録媒体Mとしてコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリを適用する場合には、192MBのものを適用することで最大約4時間の録音が可能である。また、1GBのコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリを適用すると、最大約24時間の録音が可能となる。
また、装着部41は、複数の記録媒体Mを同時に装着可能に構成されている。装着部41は、フラッシュメモリが記録媒体Mとして適用される場合には、フラッシュメモリが挿入されるスロットと、このスロット内に設けられたコネクタ等から構成することができる。装着部41に装着された記録媒体Mは、書込部45と接続される。
本実施形態では、チャネルCH1〜CH3に応じた装着部41A,41B及び41Cが
用意されており、各チャネルCH1〜CH3の音声が個別の記録媒体M1〜M3に格納されるように構成されている。
作成部44は、チャネル毎に、A/D変換器43からのディジタルデータ(音声データ)を蓄積し、この音声データが所定の時間単位(例えば1分)毎に分割された音声ファイルを作成する。図2は、作成部44の機能ブロック図である。作成部44は、チャネルCH1,CH2,CH3に対応するバッファ141A,141B,141Cと、各バッファ141A,141B,141Cに対応するファイル生成部142A,142B,142Cとを有している。
バッファ141AにはチャネルCH1に対応する音声データが蓄積され、バッファ141BにはチャネルCH2に対応する音声データが蓄積され、バッファ141CにはチャネルCH3に対応する音声データが蓄積される。
ファイル生成部142Aは、バッファ141Aに単位時間分の音声データが蓄積された時点で、その音声データをバッファ141Aから読み出し、この音声データに対する音声ファイルを作成する。このとき、音声ファイルは、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置上で再生可能な形式で作成される。例えば、情報処理装置上で、データ形式変換ソフ
トを用いて再生可能なデータ形式への変換が可能なデータ形式で音声ファイルが作成される。
このとき、ファイル生成部142Aは、録音時刻として、例えば、音声ファイルの先頭に位置する音声データの蓄積を開始した時刻、音声ファイルの作成開始時刻、又は作成完了時刻を時計ブロック46から取得し、音声データに付加する。ここで、ファイル作成部142Aは、録音時刻を音声ファイル名として付加する。これによって、別にファイル名を付加する必要がなくなり、記録媒体Mの記憶領域を有効利用できる。
ファイル生成部142Aは、音声ファイルの作成が完了すると、音声ファイルを書込部45へ向けて出力する。ファイル生成部142B及び142Cもファイル生成部141Aと同様の処理を行う。
但し、ファイル生成部142B及び142Cのそれぞれは、音声ファイル名の作成において、録音ユニット112に設けられたレジスタ47に格納された識別子を取り出し、録音時刻と識別子とを組み合わせたファイル名(例えば、録音時刻の前又は後ろに識別子が
付加されたファイル名)を生成する。レジスタ47は、ファイル生成部142Bによって
参照されるレジスタ1と、ファイル生成部142Cによって参照されるレジスタ2とからなる。識別子は、音声の種類を示すものである。識別子の詳細については後述する。
図1に戻って、書込部45は、作成部44から入力される音声ファイルを適宜の記録媒体Mに書き込む。この例では、書込部45は、チャネルCH1に対応する音声ファイルを装着部41Aに装着された記録媒体M1に書き込み、チャネルCH2に対応する音声ファイルを装着部41Bに装着された記録媒体M2に書き込み、チャネルCH3に対応する音声ファイルを装着部41Cに装着された記録媒体M3に書き込む。このような書込処理は、可能な限り音声を記録媒体M上で残すべく、作成部44で音声ファイルの作成が完了すると同時に開始される。
また、書込部45は、記録媒体Mに対し、順次的に且つエンドレスな録音を行う。即ち、書込部45は、例えば、記録媒体Mの先頭又は最後尾アドレスから順に、音声ファイルを書き込む。その後、これ以上音声ファイルを書き込めない状態になると、書込部45は、再び先頭又は最後尾アドレスから順に音声ファイルを書き込む。このように、書込部45は、記録媒体Mが音声ファイルで一杯になると、記録時の古いものから順に上書きを行う。これによって、記録媒体Mには、録音が停止された時点から一定時間(記録媒体Mの
最大記録時間)遡った時点までの音声が記録される。従って、最新に記録されたものから
音声ファイルを遡ることで、異常事態の発生時の前後の音声ファイルを容易に特定することができる。
時計ブロック46は、現在時刻を計時する時計と、時計の時刻合わせ用スイッチと、時計で計時される時刻を表示する表示部とを含んでいる。但し、この時計ブロック46に適用される時計として、電波時計を適用することで、時刻合わせ用スイッチを省略することができる。
なお、記録媒体Mに記録された音声ファイルは、再生用ソフトウェアを搭載した汎用のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置上で、再生が可能である。このとき、録音時刻を指定することで、音声ファイルを再生することができるようにしても良い。また、ボイスレコーダ100が再生機能を持つように構成することが可能である。
《音声の冗長記録》
マイクロホン21Aは、増幅器52,及びスイッチ53を介して音声回線12の下り側
(100A→100B方向)に接続されている。また、マイクロホン21Aは、増幅器54,及びスイッチ55を介して音声回線16の下り側(100A→100B方向)に接続されている。一方、ボイスレコーダ100B側のマイクロホン21Bに関しても、同様の構成を有している。
スイッチ53が閉じると、マイクロホン21Aからの音声信号が、増幅器52で増幅された後、音声回線12の下り側を通じてボイスレコーダ100BのチャネルCH2に入力されることになる。また、スイッチ55が閉じると、マイクロホン21Aからの音声信号が、増幅器54で増幅された後、音声回線16の下り側を通じてボイスレコーダ100BのチャネルCH3に入力されることになる。
一方、ボイスレコーダ100B側のスイッチ53が閉じると、マイクロホン21Bからの音声信号が、増幅器52で増幅された後、音声回線12の上り側,信号線34等を通じてボイスレコーダ100AのチャネルCH2に入力されることになる。また、ボイスレコーダ100B側のスイッチ55が閉じると、マイクロホン21Bからの音声信号が、増幅器54で増幅された後、音声回線16の上り側を通じてボイスレコーダ100AのチャネルCH3に入力されることになる。スイッチ53及び55の開閉制御は、制御部111によって、音声回線12及び16の使用状況を考慮して行われる。
以上のような構成によって、ボイスレコーダ100の一方側のマイクロホン21(例え
ば、ボイスレコーダ100A側のマイクロホン21A)で集音された乗務員室内の音声を
、未使用の音声回線12及び/又は16を通じて、ボイスレコーダ100Aだけではなく、他方のボイスレコーダ100Bでも、冗長的に録音することができる。
これにより、ボイスレコーダ100Aに装着された記録媒体M1が破損しても、ボイスレコーダ100Bに装着された記録媒体Mから、マイクロホン21Aで集音された音声を得ることができる。
《制御部》
制御部111は、録音ユニット112の動作を制御する。制御部111は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ,プロセッサにより実行されるプログラ
ムやこのプログラムの実行時に使用されるデータを格納したメモリ,入出力インタフェース等から構成される。
制御部111は、鉄道車両に起こった異常事態を検知し、録音ユニット112による録音動作を、異常事態の検知から所定時間後に停止させる。制御部111は、異常事態を検知するため、次の構成を備えている。
即ち、制御部111は、信号線116,117及び118を通じて入力される、加速度センサ81の出力信号,傾斜センサ82の出力信号,及び手動スイッチ83のオン/オフ信号を、それぞれ受け取るように構成されている。
加速度センサ81及び傾斜センサ82は、鉄道車両の適宜の位置にそれぞれ取り付けられている。加速度センサ81は、鉄道車両の加速度を検知し、その出力信号を信号線116に出力する。また、傾斜センサ82は、鉄道車両の傾斜角度を検知し、その出力信号を信号線117に出力する。また、手動スイッチ83は、乗務員室に設けられており、通常はオフ状態であるが、異常事態を察した乗務員によりオンにされる。
加速度センサ81の出力信号,傾斜センサ82の出力信号,及び手動スイッチ83のオン/オフ信号は、録音ユニット112による録音動作の停止条件が満たされているか否か
を判断するための信号として制御部111に与えられる。制御部111のメモリには、加速度センサ81の出力の閾値(規定値),傾斜センサ82の出力の閾値(規定値)が予め格納されている。
図3は、制御部111による異常事態検知処理を示すフローチャートである。この異常事態検知処理は、電源投入と同時に開始されるようにすることができる。処理が開始されると、制御部111は、加速度センサ81の出力(出力値)と規定値とを比較し(S01)、出力値が規定値よりも大きい場合(S01;YES)に、異常事態が発生したと判断する。
また、制御部111は、傾斜センサ82の出力(出力値)と規定値とを比較し(S02)、出力値が規定値よりも大きい場合(S02;YES)に、異常事態が発生したと判断する。また、制御部111は、手動スイッチ83のオン信号が入力された場合(S03;YES)に、異常事態が発生したと判断する。
また、制御部111は、信号線115を通じて入力される電流を監視する。ノーフューズブレーカ23のオフ,或いは電力供給線24の切断等によって車両電源からの電力供給が停止された場合には、信号線115から入力される電流が零になる。制御部111は、電流が零になることで、車両電源が断状態になったと判断し(図3のS04;YES)、異常事態が発生したと判断する。
なお、鉄道車両には、上記した加速度センサが傾斜センサだけではなく、特定機器の温度検知センサ,火災センサ,モータや戸閉装置の異常を検知するセンサ等の、鉄道車両の状態を検知する様々なセンサが搭載されている。このため、これらのセンサのそれぞれの出力が正常か否かの判定を、異常検知の判定に含めるようにしても良い。そして、少なくともいずれか1つのセンサの出力が異常を示す場合に、異常事態が生じたと判定するようにしても良い。
制御部111は、異常事態が発生したことを検知(異常事態発生と判断)した場合に、録音ユニット112による録音動作を停止させるため、次の構成を備える。即ち、制御部111は、録音ユニット112と、録音制御線120を通じて接続されている。制御部111は、制御部111は、加速度センサの出力,傾斜センサの出力,手動スイッチのオン/オフ信号のいずれかに基づいて異常事態が発生したと判断した場合に、録音制御線120を通じて録音停止信号を録音ユニット112に与える。
また、制御部111は、録音制御線121を介して、録音ユニット112と接続されている。制御部111は、車両電源断を検知した場合に、録音制御線121を通じて、録音停止信号を録音ユニット112に与える。
録音ユニット112は、図示しないタイマスイッチ71を有している。録音停止信号が受信されると、タイマスイッチ71による計時が開始される。計時時間は所定時間(例え
ば、数秒〜数十秒、或いは数分)に設定される。タイマスイッチ71のタイマがタイムア
ウトになると、録音ユニット112は動作を停止する。
このようにして、録音ユニット112は、異常事態が制御部111で検知されると、所定時間後に録音動作を停止する。従って、記録媒体Mに記録された音声ファイルを最後に記録されたものから順にたどれば、異常事態発生時直前の音声に容易にたどり着くことができる。即ち、異常事態発生直前の音声を容易に抽出することができる。そして、このような音声を異常事態の原因究明の一助として利用することができる。
なお、上述した構成に代えて、制御部111がタイマを有し、異常事態を検知してから
タイマの計時を開始し、タイマがタイムアウトになると、録音停止信号を録音ユニット112に入力するようにしてもよい。この場合、録音ユニット112は、録音停止信号を受け取ると、直ちに録音動作を停止する。
また、バックアップ電源113の容量を調整し、車両電源断の場合に、上記した所定時間だけバックアップ電源113の放電が継続するように構成しても良い。このようにすれば、放電によってバックアップ電源113からの電力供給が停止することで、録音動作が自動的に停止される。この場合には、制御部111による電源断の判断、この判断に基づく録音停止信号の供給に係る構成は不要となる。
また、制御部111は、連絡装置の制御線から引き出された信号線1180と接続されている。制御部111は、信号線1180を通じて、連絡通話の開始及び終了を示す制御信号を受け取ることができる。制御部111は、これらの制御信号に基づいて、音声回線12の使用/未使用を判断する。
また、制御部111は、非常通報装置の制御線から引き出された信号線1190と接続されている。制御部111は、信号線1190を通じて、非常通話の開始及び終了を示す制御信号を受け取ることができる。制御部111は、これらの制御信号に基づいて、音声回線の使用/未使用を判断する。
制御部111は、音声回線12及び16の使用/未使用に応じて、スイッチ53及び55のオン/オフ制御、及びレジスタ47への識別子書込を行う。図4は、制御部111のメモリに格納された制御テーブルを示す図である。図4に示すように、制御テーブルは、連絡通話の音声回線12,及び非常通話用の音声回線16の使用/未使用の状態に応じたスイッチ53及び55の状態が格納されている。
制御部111は、制御テーブルに従って、スイッチ53及び55をオン/オフする。図4に示す例では、未使用の音声回線に対し、マイクロホン21Aに入力された乗務員室の音声(室音)が送出されるように、スイッチ53及び55のオン/オフ状態が規定されている。但し、音声回線12及び16の双方が未使用である場合には、スイッチ53及び55の一方のみがオンにされるようになっていても良い。
このような制御は、ボイスレコーダ100A及び100Bの双方で行われる。制御部111は、スイッチ53及び55のオン/オフ状態に基づいて、レジスタ47(図1,図2)
に書き込むべきレジスタ値(識別子)を決定する。
図5(A)は、レジスタ47のレジスタ1に書き込まれるレジスタ値(識別子)を示すテーブルであり、図5(B)は、レジスタ47のレジスタ2に書き込まれるレジスタ値(識別子)を示すテーブルである。
制御部111は、音声回線12が使用されている場合には、連絡通話を意味する識別子“0”を、レジスタ1に書き込む。一方、音声回線12が未使用である場合には、ボイスレコーダ100Bによって、マイクロホン21Bによって集音された乗務員室内の音声(
他方の室音)が、音声回線12を通じてボイスレコーダ100AのチャネルCH2に入力
される。このため、制御部111は、音声回線12が未使用である場合には、他方の室音を意味する識別子“1”をレジスタ1に書き込む。
また、制御部111は、音声回線16が使用されている場合には、非常通話を意味する識別子“0”を、レジスタ2に書き込む。一方、音声回線16が未使用である場合には、ボイスレコーダ100Bによって、マイクロホン21Bによって集音された乗務員室内の
音声(他方の室音)が、音声回線16を通じてボイスレコーダ100AのチャネルCH3に入力される。このため、制御部111は、音声回線16が未使用である場合には、他方の室音を意味する識別子“1”をレジスタ2に書き込む。
識別子の書込は、制御部111と録音ユニット112間に設けられた制御線123を通じて行われる。上述したように、レジスタ1及び2に書き込まれる識別子は、作成部44(図2)のファイル生成部141B及び141Cのそれぞれが作成する音声ファイル名の一部として使用される。
従って、記録媒体M2に記録される音声ファイルに関し、音声ファイル名に含まれた識別子を参照すれば、その音声ファイルに記録された音声の種類、即ち、連絡通話であるのか他方の室音であるのかを容易に把握することができる。同様に、記録媒体M3に記録される音声ファイルに関し、音声ファイル名に含まれた識別子を参照すれば、その音声ファイルに記録された音声の種類、即ち、非常通話であるのか他方の室音であるのかを容易に把握することができる。但し、この識別子に係る構成は付加的なものであって、連絡通話又は非常通話と室音との区別無く、音声ファイルが記録媒体M2やM3に記録されるようにしても良い。
なお、上述した制御部111による異常事態検知、停止信号出力等の各機能は、電気・電子回路によって実現することも可能である。
《錠》
記録媒体Mが装着された録音ユニットは、図1に示すように、筐体130内に収容される。筐体130は、記録媒体Mの脱着に際して取り外される蓋131を有している。蓋131は、例えば、筐体130に対してネジ止めされる。また、蓋131には、錠132が設けられており、錠132を図示しない鍵でロックすると、ネジを外しても蓋131は取り外せない状態となる。
記録媒体Mには、乗務員室の音声が常時録音される状態となる。このため、乗務員のプライバシーを保護すべく、鍵は、責任あるものによって厳重に管理され、記録媒体Mの取り出しが安易に行われないようにされる。
〈変形例〉
上述した実施形態は、以下の変形が可能である。図6は、図1に示したボイスレコーダ100の変形例を示す。図6に示すボイスレコーダ100Aは、制御部111の増幅器35及び39の後段にそれぞれ設けられた逆流防止用のダイオード50及び51と、ダイオード50及び51の後段に設けられ、信号線37と信号線40との間を接続/接続開放するスイッチ136とを有する点で、図1に示したボイスレコーダ100と異なる。
スイッチ136が閉じた場合には、増幅器35から出力される音声信号が、信号線37及び40に流れることが可能となり、且つ増幅器37から出力される非常通話の音声信号が信号線37及び40に流れることが可能となる。
スイッチ136は、連絡通話と非常通話との一方のみが行われている場合に、制御部111によってオンにされる。即ち、連絡通話が行われ且つ非常通話が行われていない場合、又は非常通話が行われ且つ連絡通話が行われていない場合にオンとなり、連絡通話又は非常通話をチャネルCH2及びCH3へ伝達することができる。
これによって、二つの記録媒体M2及びM3に、同一の音声(連絡通話又は非常通話)を冗長的に記録することができる。もっとも、一つのチャネルに対して複数の記録媒体Mが
用意され、書込部45でミラーリングが行われる様にしても良いが、このようにすれば、簡易な構成で(記録媒体Mの装着可能数を増やさなくても)、一つのボイスレコーダ100内でミラーリングを行うことができる。即ち、鉄道車両に一つのボイスレコーダが搭載される場合において、記録媒体間で音声ファイルの冗長性を確保することができる。
但し、上記構成を採用する場合には、他方のボイスレコーダ100Bにおけるスイッチ53及び55を常時オフにするか、スイッチ136と、スイッチ53及び55とを状況に応じて使い分ける必要がある。例えば、通常時は、スイッチ53及び55を常時オフとしてスイッチ36の開閉制御を行い、異常事態が制御部111で検知すると、スイッチ136をオフにして、スイッチ53及び55のオン/オフ制御が行われるようにする。
なお、上述した室音の冗長記録に係る構成は、本考案の付加的な構成要素であり、必須のものではない。従って、図1に示したレジスタ47,増幅器52及び54,スイッチ53及び55,信号線1180及び1190,制御線123,並びに作成部44の識別子に係る構成は、省略が可能である。
また、マイクロホン21A,21Bは、鉄道車両に搭載される車内放送用の(車内放送
装置又は自動放送装置の)マイクロホンと兼用されるように構成しても良い。この場合、車内放送用の音声が、チャネルCH1の音声として録音されることになる。
また、鉄道車両に搭載された車内放送用の増幅器(制御増幅器と呼ばれる)の電源部をボイスレコーダが共有するように構成しても良い。この場合、ボイスレコーダと制御増幅器とが一体に構成されるようにするのが好ましい。
図1は、本考案のボイスレコーダの実施形態の説明図である。 図2は、図1に示した録音ユニット中の作成部の構成図である。 図3は、異常事態検知処理の例を示すフローチャートである。 図4は、制御部によって使用される制御テーブルの例を示す図である。 図5は、録音ユニットのレジスタに書き込まれるレジスタ値(識別子)の説明図である。 図6は、本考案のボイスレコーダの変形例を示す図である。
符号の説明
M・・・記録媒体
11A,11B・・・乗務員間連絡装置
12,16・・・音声回線
21A,21B・・・マイクロホン
46・・・時計ブロック(時計)
100・・・ボイスレコーダ
111・・・コントロールユニット(検知手段、制御手段)
112・・・録音ユニット(録音手段)
113・・・バックアップ電源(補助電源)

Claims (25)

  1. 鉄道車両に搭載されるボイスレコーダであって、
    鉄道車両内の音声が入力される1以上の入力部と、
    前記入力部から入力された音声を記録媒体に録音する録音手段と、
    鉄道車両に生じた異常事態を検知する検知手段と、
    前記異常事態が検知された場合に、前記録音手段に録音動作の停止信号を与える制御手段とを備え、
    前記録音手段は、録音動作を開始すると、前記制御手段から停止信号を受け取り、且つ前記検知手段で異常事態が検知されてから所定時間が経過するまでの間、連続して録音動作を行い、その後、録音動作を停止する
    ことを特徴とする鉄道車両用のボイスレコーダ。
  2. 鉄道車両に搭載されるボイスレコーダであって、
    鉄道車両内の音声が入力される1以上の入力部と、
    電源からの電力供給を受けて、前記入力部から入力された音声を記録媒体に録音する録音手段と、
    前記電源からの電力供給が停止された場合に、前記録音手段に録音動作用の電力を供給する補助電源とを備え、
    前記補助電源は、前記電源の電力供給が停止されてから所定時間が経過するまでの間、前記電源の代わりに前記録音手段に電力を供給し、
    前記録音手段は、録音動作を開始すると、前記電源及び前記補助電源からの電力供給が停止されるまでの間、連続して録音動作を行う
    ことを特徴とする鉄道車両用のボイスレコーダ。
  3. 前記録音手段は、電源からの電力供給を受けて録音動作を行い、
    前記電源からの電力供給が停止された場合に、前記電源の代わりに前記録音手段に電力を供給する補助電源をさらに備え、
    前記検知手段は、前記電源からの電力供給が停止されたことを異常事態として検知し、
    前記録音手段は、前記電源からの電力供給が停止されると、前記補助電源からの電力供給を受けて、前記録音動作を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  4. 前記検知手段は、鉄道車両に搭載された加速度センサが所定値以上の加速度を検知したことを異常事態として検知する
    ことを特徴とする請求項1又は3に記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  5. 前記検知手段は、鉄道車両に搭載された傾斜センサが所定値以上の鉄道車両の傾斜角度を検知したことを異常事態として検知する
    ことを特徴とする請求項1,3,4のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  6. 前記検知手段は、異常事態の発生時にオンにされる手動スイッチのオン信号が検知されたことを異常事態として検知する
    ことを特徴とする請求項1,3〜5のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  7. 前記録音手段は、前記記録媒体に対し、順次的に且つエンドレスな音声録音を行う
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  8. 前記録音手段は、音声を単位時間毎に分割した音声ファイルを作成し、この音声ファイルを前記記録媒体に記録する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  9. 時刻を計時する時計をさらに備え、
    前記録音手段は、前記時計から得た時刻が付された音声ファイルを前記記録媒体に記録する
    ことを特徴とする請求項8に記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  10. 前記録音手段は、脱着自在な記録媒体の装着部を含む
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  11. 前記録音手段は、前記記録媒体としての脱着自在な不揮発性の半導体メモリを装着する装着部を含む
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  12. 前記1以上の入力部の一つは、前記鉄道車両に搭載された乗務員間連絡装置間を結ぶ乗務員間連絡用音声回線に接続され、この音声回線を流れる音声が入力される
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  13. 前記1以上の入力部の一つは、前記鉄道車両に搭載された非常通報装置と非常受報装置とを結ぶ非常通話用音声回線に接続され、この音声回線を流れる音声が入力される
    ことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  14. 前記鉄道車両に設けられた乗務員室の中で生じた音声を集音するマイクロホンをさらに備え、
    前記1以上の入力部の一つは、前記マイクロホンに接続され、このマイクロホンに入力された音声が入力される
    ことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  15. 前記録音手段が、複数の入力部のそれぞれから入力される音声を、入力部に対応する複数の記録媒体の1つに録音する
    ことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  16. 前記録音手段は、情報処理装置上で再生可能なデータ形式を持つ音声データを生成し、この音声データを前記記録媒体に音声を録音する
    ことを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  17. 前記マイクロホンと、前記鉄道車両に搭載された乗務員間連絡装置間を結ぶ乗務員間連絡用音声回線との間に設けられたスイッチと、
    前記乗務員間連絡用音声回線の使用状態を検知する手段と、
    前記乗務員間連絡音声回線が未使用の場合に前記スイッチをオンにし、使用中の場合に前記スイッチをオフにするオン/オフ制御手段とをさらに備える
    ことを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  18. 前記マイクロホンと、前記鉄道車両に搭載された、前記鉄道車両に搭載された非常通報装置と非常受報装置とを結ぶ非常通話用音声回線との間に設けられた第2のスイッチと、
    前記非常通話用音声回線の使用状態を検知する手段と、
    前記非常通話用音声回線が未使用の場合に前記スイッチをオンにし、使用中の場合に前記スイッチをオフにするオン/オフ制御手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項14〜17のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  19. 前記乗務員間連絡用音声回線と接続された入力部には、未使用状態の乗務員間連絡通話用音声回線を介して伝達される他のボイスレコーダからの音声が入力される
    ことを特徴とする請求項12〜18のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  20. 前記非常通話用音声回線と接続された入力部には、未使用状態の乗務員間連絡通話用音声回線を介して伝達される他のボイスレコーダからの音声が入力される
    ことを特徴とする請求項13〜19のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  21. 前記録音手段は、前記乗務員間連絡用音声回線と接続された入力部に入力された、乗務員間連絡通話の音声と、前記他のボイスレコーダからの音声との双方を、同一の記録媒体に録音する場合には、これらの音声を区別するための識別子を付与して録音する
    ことを特徴とする請求項19又は20に記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  22. 前記録音手段は、前記非常通話用音声回線と接続された入力部に入力された、非常通話の音声と、前記他のボイスレコーダからの音声との双方を、同一の記録媒体に録音する場合には、これらの音声を区別するための識別子を付与して録音する
    ことを特徴とする請求項19〜21のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  23. 前記複数の入力部は、前記鉄道車両に搭載された乗務員間連絡装置間を結ぶ第1の音声回線に接続された入力部と、前記鉄道車両に搭載された非常通報装置と非常受報装置とを結ぶ第2の音声回線に接続された入力部とを含み、
    前記第1及び第2の音声回線の使用状態を検知する手段をさらに備え、
    前記録音手段は、前記第1及び第2の音声回線の一方が使用中であり、他方が未使用である場合には、使用中の音声回線に接続された入力部に入力される音声を、この使用中の音声回線に接続された入力部に対応する記録媒体と、未使用の音声回線に接続された入力部に対応する記録媒体との双方に録音する
    ことを特徴とする請求項15に記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  24. 前記マイクロホンは、鉄道車両に搭載された車内放送装置又は自動放送装置に接続されている
    ことを特徴とする請求項14に記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
  25. 前記異常検知手段は、前記鉄道車両の状態を検知するセンサの出力が異常な値を示したことを異常事態として検知する
    ことを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の鉄道車両用のボイスレコーダ。
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