JP3112574B2 - 部品装着装置のスケール調整方法および同装置 - Google Patents

部品装着装置のスケール調整方法および同装置

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JP3112574B2
JP3112574B2 JP04232165A JP23216592A JP3112574B2 JP 3112574 B2 JP3112574 B2 JP 3112574B2 JP 04232165 A JP04232165 A JP 04232165A JP 23216592 A JP23216592 A JP 23216592A JP 3112574 B2 JP3112574 B2 JP 3112574B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、IC等の電子部品のよ
うな小片状のチップ部品を所定位置に装着するために吸
着ノズルを有するヘッドユニットを備えるとともに、装
着位置補正のために画像処理手段を備えた部品装着装置
において、上記画像処理手段のスケールを調整する方法
および同装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、吸着ノズルを有する部品装着用の
ヘッドユニットにより、テープフィーダー等の部品供給
部からチップ部品を吸着して、位置決めされているプリ
ント基板上に移送し、プリント基板の所定位置に装着す
るようにした部品装着装置は一般に知られている。この
装置においては、上記ヘッドユニットとプリント基板と
が相対的にX軸方向およびY軸方向に移動可能とされる
とともに、吸着ノズルがZ軸方向に移動可能かつ回転可
能とされ、各方向の移動および回転のための駆動機構が
設けられている。
【0003】この部品装着装置においては、チップ部品
が吸着ノズルに吸着された段階ではチップ部品の位置
(中心位置および回転角)にばらつきがあるので、その
チップ部品の位置を検出し、それに基づいて装着位置を
補正することが要求される。そのために、吸着ノズルに
より吸着されたチップ部品を撮像するCCDカメラ等の
撮像手段と、この撮像手段により撮像したチップ部品の
画像からその位置を検出する画像処理手段を設け、その
位置検出に基づいて装着位置の補正量を求めるようにし
たものも知られている。上記画像処理手段は、撮像した
チップ部品の画像を画像処理画面上で操作することによ
り、その中心位置および回転角を求め、ノズル位置から
のずれ量を求めるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように部品装着装
置に撮像手段および画像処理手段を設けて位置検出、ず
れ量の演算等を行なう場合に、部品装着用の駆動系統の
座標系と画像処理画面上の座標系との対応関係、つまり
画像処理画面上の座標系による場合の単位長さ(1画素
のx方向とy方向の長さ)が駆動系統における場合のど
の程度の長さ(X軸方向、Y軸方向の長さ)になるかと
いう対応関係、および両座標系の角度の対応関係を、予
め調べておくことにより、画像処理画面から求められる
位置等を駆動系等の駆動量に換算できるようにしておく
必要がある。
【0005】この対応関係を簡単に求める手法として
は、予め縦横2辺の長さを測定しておいた小片を吸着ノ
ズルにより吸着させて撮像し、その小片の画像処理画面
上の長さと実際の長さとの対応関係を求めるというよう
な手法が考えられる。しかし、このような手法による
と、実際の長さの測定誤差および画像処理画面の読み取
りの誤差があり、さらに、エンコーダ等で調べられる駆
動系統の駆動量と実際の長さとの間にも多少の誤差があ
るため、上記対応関係の精度が乏しい。
【0006】そこでより正確に上記対応関係を求める手
法として、ヘッドユニットをX軸方向およびY軸方向に
移動させることにより、ヘッドユニットに設けられた被
撮像部分を一直線上にない3点にわたって移動させ、そ
の各点についてそれぞれ、駆動系統の座標系による座標
と上記画像処理画面の座標系による座標とを調べ、これ
らに基づいて対応関係を求めることが考えられる。この
手法によると、実際に駆動系等を移動させた上で上記3
点の座標を求めているので、駆動系等の駆動量と画像処
理画面の座標系による長さとの対応関係が精度良く求め
られる。
【0007】しかし、このような3点ティーチングの方
法は、装着装置の構造によっては採用困難な場合があ
る。
【0008】例えば、ヘッドユニットとプリント基板と
を相対的にX軸方向およびY軸方向に移動可能とする構
造としては、ヘッドユニットをX,Y軸のうちの一方向
にのみ移動可能とする一方、プリント基板を保持するス
テーションを他方向に移動可能とすることも考えられ、
このようにすれば、処理能率向上のため多数のノズルを
ヘッドユニットに設ける場合などに有利となるが、この
ようにヘッドユニットが一方向にのみ移動可能である
と、一直線上にない3点に移動させるということができ
ない。
【0009】本発明はこのような事情に鑑み、ヘッドユ
ニットの移動方向が制限されているような構造の部品装
着装置に適用するような場合であっても、駆動系統の座
標系と画像処理画面上の座標系との対応関係を精度良く
求めることができる部品装着装置のスケール調整方法お
よび同装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、吸着ノズルによりチップ部品を吸着してこれを所定
位置に装着するヘッドユニットを備えるとともに、上記
吸着ノズルに吸着されたチップ部品を撮像手段により撮
像してその画像からチップ部品の位置を検出する画像処
理手段を備え、この画像処理手段による位置検出に基づ
いて部品装着位置を補正するようにした部品装着装置に
おける上記画像処理手段のスケールを調整する方法であ
って、ヘッドユニットを一定方向に移動させることによ
りヘッドユニットに設けられた被撮像部分の所定位置を
上記画像処理手段の画像処理画面に対応する領域内の第
1点と第2点とに移動させ、上記第1点および第2点に
ついてそれぞれ部品装着装置の駆動系統の座標系による
座標と上記画像処理画面の座標系による座標とを測定す
るとともに、一定箇所で上記被撮像部分を回転させて、
異なる複数の方向において上記画像処理画面上の被撮像
部分の所定2点間距離を測定し、上記第1点および第2
点についての各座標と上記複数方向の2点間距離とか
ら、上記画像処理画面の座標系と上記駆動系統の座標系
との対応関係を求めるようにしたものである。
【0011】また、吸着ノズルによりチップ部品を吸着
してこれを所定位置に装着するヘッドユニットを備える
とともに、上記吸着ノズルに吸着されたチップ部品を撮
像手段により撮像してその画像からチップ部品の位置を
検出する画像処理手段を備え、この画像処理手段による
位置検出に基づいて部品装着位置を補正するようにした
部品装着装置において、ヘッドユニットを一定方向に直
線的に移動可能とするヘッドユニット駆動手段を設け、
かつ、ヘッドユニットに被撮像部分を回転可能とする回
転用駆動手段を設けるとともに、ヘッドユニット駆動手
段の駆動に応じて被撮像部分の所定位置が移動する軌跡
上の第1点および第2点を駆動系統の座標系による座標
で測定する手段と、上記第1点および第2点を画像処理
手段の画像処理画面上の座標で測定する手段と、上記被
撮像部分を回転させて、異なる複数の方向において上記
画像処理画面上での被撮像部分の所定2点間距離を測定
する手段と、これらの測定値に基づいて、上記画像処理
画面の座標系と上記駆動系統の座標系との対応関係を求
める演算手段とを設けたものである。
【0012】
【作用】上記構成によると、画像処理画面上の被撮像部
分の所定2点間距離が異なる複数の方向において求めら
れることにより、処理画面上のx,y両方向のスケール
の比率が正確に求められ、これと上記各点の座標によ
り、上記対応関係を示すx方向、y方向、回転方向の係
数値が精度良く求められる。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1および図2は本発明の一実施例による物品認識装置
を備えた部品装着装置の全体構造を示している。これら
の図において、基台1上には、X軸方向(搬送方向)に
延びるプリント基板搬送用のコンベア2が配設され、プ
リント基板3が上記コンベア2上を搬送され、後記作業
ステーション6A,6Bの一定位置で停止されるように
なっている。
【0014】上記コンベア2の配設部分の両側方には、
部品供給部4が配置されている。この部品供給部4は多
数列の供給テープ4aを備え、各供給テープ4aは、そ
れぞれ、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状の
チップ部品を等間隔に収納、保持し、リールに巻回され
ている。供給テープ4aの繰り出し端にはラチェット式
の送り機構が組込まれ、後記ヘッドユニット5A,5B
により繰り出し端からチップ部品がピックアップされる
につれて、供給テープ4aが間欠的に繰り出され、上記
ピックアップ作業を繰返し行なうことが可能となってい
る。
【0015】また、上記基台1の上方には、部品装着用
のヘッドユニット5A,5Bが装備され、ヘッドユニッ
ト5A,5Bと作業ステーション6A,6B上のプリン
ト基板3とが相対的にX軸方向およびY軸方向(水平面
上でX軸と直交する方向)に移動可能とされ、特に当実
施例では、プリント基板3を保持する作業ステーション
6A,6BがY軸方向に移動可能とされる一方、ヘッド
ユニット5A,5BがX軸方向に移動可能となってい
る。
【0016】これらの構造を具体的に説明すると、図で
は2枚のプリント基板3に対して同時的に装着作業を行
なうことができるようにして処理能率を高めるため、ヘ
ッドユニット5A,5Bおよび作業ステーション6A,
6Bが2つずつ配備されており、作業ステーション6
A,6Bは、X方向にずれた2箇所に配設されている。
各作業ステーション6A,6Bは、プリント基板3を保
持するための基板保持装置を有し、上記コンベア2から
移載装置を介して作業ステーション6A,6B上に送り
込まれたプリント基板3を保持し得るようになってい
る。
【0017】この各作業ステーション6A,6Bの配置
箇所においてはそれぞれ、ベース7上に、互いに平行に
Y軸方向に延びる2本のガイドレール8が所定間隔をお
いて互いに平行に配置されるとともに、Y軸方向の送り
機構として、一方のガイドレール8の近傍に、Y軸サー
ボモータ10により回転駆動されるボールねじ軸9が配
置されている。そして、上記作業ステーション6A,6
Bの両側部がガイドレール7に移動自在に支持され、か
つ、作業ステーション6A,6Bに設けられたナット部
分11が上記ボールねじ軸9に螺合している。このよう
な構造により、部品装着作業時には、作業ステーション
6A,6Bが、プリント基板3を保持した状態で、上記
ボールねじ軸9の回転につれてY軸方向に移動するよう
になっている。
【0018】また、基台1の上方には、ヘッドユニット
5A,5BをX軸方向移動可能に保持するためのX軸フ
レームが設けられ、図では2本のX軸フレーム13A,
13Bが、所定間隔をおいて互いに平行に、それぞれX
軸方向に延びている。このX軸フレーム13A,13B
には、その上下両側の側部にX軸ガイド14が形成され
るとともに、X軸方向の送り機構として、上下のX軸ガ
イド間に位置するボールねじ軸15と、このボールねじ
軸15を回転駆動するX軸サーボモータ16とが設けら
れている。そして、上記X軸ガイド14にヘッドユニッ
ト5A,5Bが移動自在に支持され、かつ、このヘッド
ユニット5A,5Bに設けられた図外のナット部分が上
記ボールねじ軸15に螺合し、ボールねじ軸15の回転
によってヘッドユニット5A,5BがX軸方向に移動す
るようになっている。
【0019】上記Y軸方向およびX軸方向の移動量は、
サーボモーター10,16に対して具備されたエンコー
ダ等からなる測定手段(図6参照)によって測定される
ようになっている。
【0020】上記ヘッドユニット5A,5Bには、チッ
プ部品を吸着する吸着ノズル20が設けられ、図示の例
では各ヘッドユニット5A,5Bにそれぞれ16本ずつ
吸着ノズル20が設けられている。図3および図4に詳
しく示すように、上記各吸着ノズル20は、Z軸ガイド
21に沿ってZ軸方向(上下方向)の移動が可能とされ
るとともに、R軸(ノズル中心軸)回りの回転が可能と
されており、吸着ノズル20に対するZ軸サーボモータ
22およびR軸サーボモータ23がヘッドユニット5
A,5Bに具備されている。そして、上記Z軸サーボモ
ータ22の駆動によりZ軸ボールねじ軸24を介して吸
着ノズル20が上下動され、また、R軸サーボモータ2
3の駆動によりR軸ボールねじ軸25、R軸ラック26
およびR軸ピニオン27を介して吸着ノズル20が回動
されるようになっている。さらに、ヘッドユニット5
A,5Bには、プリント基板3に予め付されているマー
ク(図示せず)を検出することによってプリント基板3
の位置を検出する基板位置検出用CCDカメラ28が取
り付けられている。
【0021】また、基台1上でヘッドユニット5A,5
BのX軸方向移動範囲内の適宜位置に対応する箇所、例
えば作業ステーション6A,6Bの配置箇所と部品供給
部4との間の箇所に、部品位置検出のための撮像手段と
してのCCDカメラ31と、撮像時の照明用のランプハ
ウス32が設けられている。
【0022】図5は、画像処理系統を概略的に示し、こ
の図において、部品位置検出のためのCCDカメラ31
は画像処理ユニット(画像処理手段)33に接続されて
いる。なお、上記ヘッドユニット5A,5Bに具備され
た基板位置検出用CCDカメラ28も画像処理ユニット
33に接続されている。
【0023】また、上記ランプハウス32は、ファイバ
ーケーブル34を介してフラッシュユニット35に接続
され、このフラッシュユニット35が上記画像処理ユニ
ット33に接続されている。そして上記画像処理ユニッ
ト33が、コントローラ36に接続されている。
【0024】図6は、吸着ノズル20等を具備するヘッ
ドユニット5(5A,5B)とCCDカメラ31、ラン
プ(照明)37および照明用電源38を模式的に示すと
ともに、画像処理ユニット33およびコントローラ36
の機能的構成を示している。39は吸着ノズル20に吸
着されたチップ部品である。
【0025】この図において、画像処理ユニット33に
は、部品位置検出手段41と、距離測定手段42とが含
まれている。上記部品位置検出手段41は、チップ部品
39の吸,装着の一連の作業が自動的に行なわれる装着
作業中に、吸着ノズル20による部品吸着後にCCDカ
メラ31で撮像されたチップ部品39の画像から、この
チップ部品39の中心位置および回転角度を検出するも
のであり、さらに、後記スケールデータ調整時には、ワ
ーク位置を検出して画像処理画面上の座標を求める機能
を有する。また、上記距離測定手段42は、後記スケー
ルデータ調整時に、後に詳述するような図10(b)中
のCE間の距離、およびDF間の距離の測定を行なうも
のである。
【0026】上記画像処理ユニット33に接続されたコ
ントローラ36は、マイクロコンピュータ等からなり、
ROMおよびRAM等の記憶手段43と、命令・計算手
段44と、インターフェース45と、ヘッドユニット駆
動部46、吸着ノズル回転部47、吸着ノズル上下駆動
部48、作業ステーション駆動部49などの各種駆動部
とを含んでいる。そして、ヘッドユニットなどの移動量
を検出する移動量検出手段50やその他の各種センサ5
1および吸着用真空の給排切換用バルブ52、各種サー
ボモータ10,16,22,23等が上記インターフェ
ース45および駆動部46〜49に電気的に接続されて
いる。さらに、キーボード53およびCRT54がコン
トローラ36に接続されている。
【0027】上記記憶手段43には、一連の部品装着作
業などのシーケンスおよび各種データが記憶されるとと
もに、後記スケールデータが書換え可能に記憶されるよ
うになっている。
【0028】また、上記命令・計算手段44は、上記部
品装着作業などのシーケンスを実行するようになってい
る。さらにこの命令・計算手段44は、後記スケールデ
ータ調整時に、ヘッドユニットの移動によりワークを第
1点と第2点とに移動させ、さらに所定箇所でワークを
回転させるようにするとともに、上記第1点および第2
点についての、部品装着装置駆動系統の座標系による座
標を測定する手段55と、この測定手段55と上記部品
位置検出手段41および距離測定手段42による測定値
からスケールデータを演算する手段56とを含んでい
る。
【0029】このような装置を用いた部品装着処理およ
びスケール調整方法の具体例を、フローチャートによっ
て説明する。
【0030】図7および図8のフローチャートは、部品
装着処理の全体を示している。図7において、先ずステ
ップS1で、キーボードの装着作業開始スイッチがON
となるまで待機される。このスイッチがONとなったと
きに、画像処理手段における画像処理画面の座標系と部
品装着装置の駆動系統の座標系との対応関係を示すデー
タ(以下、スケールデータと呼ぶ)が未存在か否かの判
定(ステップS2)、光学系(カメラ、照明等)の変更
が有ったか否かの判定(ステップS3)および後記ステ
ップS16,ステップS19で前回調整時から調べられ
た画像処理の累積エラー数Eが所定数Ea以上に多発し
ているか否かの判定(ステップS4)が行なわれる。そ
して、これらの判定のうちの少なくとも1つがYESの
場合は、後記スケールデータ調整のルーチン(ステップ
S5)が実行されてから、ステップS6に移る。ステッ
プS5が実行されると、累積エラー数はゼロにリセット
される。
【0031】また、ステップS2〜S4が全てNOのと
きは、既にスケールデータが存在するとともにその変更
を要しないため、そのままステップS6に移る。
【0032】ステップS6以降は自動的に部品装着を行
なう一連の処理であり、先ず初期的処理としては、搬入
されるプリント基板3に応じて、装着されるべきチップ
部品の個数、種類などを示す基板データが選択されると
ともに(ステップS6)、後記アドレスカウンタが初期
化のためクリアされ(ステップS7)、そしてプリント
基板3が作業ステーション6A,6B上に搬入されて位
置決めされる(ステップS8)。
【0033】次に、ヘッドユニット5A,5Bの作動お
よび吸着ノズル20の作動により、吸着ノズル20が部
品供給部4へ移動されて、各吸着ノズル20に供給され
る負圧でチップ部品が吸着される(ステップ9,S1
0)。そして、他に吸着可能なノズル、部品が残されて
いないか否かの判定(ステップS11)に基づき、これ
がYESであればステップS9,S10の処理が繰り返
される。必要数のチップ部品の吸着が終了すると、ヘッ
ドユニットがCCDカメラ31の上方へ移動される(ス
テップS12)。
【0034】図8に移って、ステップS13では、カメ
ラ31の上方を通過する各吸着ノズル20に対して照明
の照射(フラッシュ)が順次行なわれつつ、各吸着ノズ
ル20に吸着されたチップ部品がカメラ31で撮像され
て、その画像が取り込まれる。続いて、上記画像から部
品位置が検出され、それに基づいて吸着ノズル20の位
置から部品位置までのずれ量が算出される(ステップS
14)。上記部品位置の検出の仕方としては、例えば部
品の4辺の両端部リードエッジが画像の操作により求め
られてこれらから部品の中心位置および回転角が演算さ
れる。そして、ノズル位置からのずれ量が演算される
が、このずれ量は、後述のスケールデータ調整のルーチ
ンで求められている対応関係に基づき、ヘッドユニット
および作業ステーションに対する駆動系の駆動量に換算
されて求められる。
【0035】ステップS15では、吸着された部品につ
いて上記ステップS13、S14の部品認識処理が終了
したか否かが判定され、終了していなければステップS
13,S14が繰り返される。
【0036】認識処理が終了すると、吸着した部品のn
番目について認識エラーが発生したか否かが判定され
(ステップS16)、エラーがなければ、吸着ノズル2
0が上記ずれ量分だけ補正された装着位置へ移動され
(ステップS17)、装着位置で吸着ノズルの下降、負
圧供給カット等によりチップ部品の装着が行なわれる
(ステップS18)。ステップS16でエラーの発生が
判定されれば、エラー処理として、エラーカウンタがカ
ウントアップされ(ステップS19)、エラー数が記憶
手段に記憶される。。そして、吸着された全部品の装着
(もしくはエラー処理)が終了したか否かの判定(ステ
ップS20)に基づき、未終了であればステップS16
〜S20の処理が繰り返される。
【0037】装着が終了すると、エラーにより装着され
なかった部品があるか否かが判定され(ステップS2
1)、エラーにより装着されなかった部品が有った場合
はその部品を廃却してから(ステップS22)、ステッ
プS9に戻ることにより、エラーの分について部品吸着
からの処理が再度行なわれる。
【0038】上記エラーにより装着されなかった部品が
なかった場合は、装着のアドレスを示すアドレスカウン
タがカウントアップされる(ステップS23)ととも
に、1枚のプリント基板分の全部品の装着が終了したか
否かが判定され(ステップS24)、終了していなけれ
ばステップS9に戻ることにより、新たに吸着からの処
理が行なわれる。
【0039】ステップS24で終了と判定されると、プ
リント基板が搬出されるとともに(ステップS25)、
全プリント基板の装着終了か否かが判定され(ステップ
S26)、この判定がNOであれば、ステップS6に戻
ってそれ以下の処理が繰り返される。全基板装着終了と
なると、終わる。
【0040】図9は前記のステップS5で行なわれるス
ケールデータ調整のルーチンの処理の一例を示す。この
ルーチンにおいては、先ず、吸着ノズルによりワーク
(被撮像用部分となるチップ部品等の小片)が吸着され
る(ステップS31)。そして、図10(a)にも示す
ように、カメラ31により撮像される範囲内で、ヘッド
ユニットが駆動されることにより駆動系のX軸上の第1
点Aから第2点Bまでワークが移動され、その2点でワ
ークの位置検出(中心位置の検出)が行なわれて、駆動
系座標A(R1x,R1y),B(R2x,R2y)と画像処理
画面上の座標A(V1x,V1y),B(V2x,V2y)がそ
れぞれ得られる(ステップS32)。
【0041】次に、図10(b)にも示すように、駆動
系の軸上の1点(例えば上記第1点Aまたは第2点B)
で、R軸サーボモーターによりワークが0°,90°,
180°,270°の各角度に回転され、それぞれにお
けるワークの中心位置C,D,E,Fの検出が行なわ
れ、画像処理画面上の座標C(V3x,V3y),D
(V4x,V4y),E(V5x,V5y),F(V6x,V6y
が求められる(ステップS33)。ここで、続いて、換
算係数の比率が、次のように演算される(ステップS3
4)。
【0042】
【数1】
【0043】ここで、Vaxは画像処理画面上の点CE間
の距離、Vbyは同画面上の点DF間の距離であり、これ
らは上記座標から次のように求められる。
【0044】
【数2】
【0045】次に、X軸方向の換算係数およびY軸方向
の換算係数がそれぞれ次のように求められる(ステップ
S35)。
【0046】
【数3】
【0047】ただし、この式中のL,Vay,Vdx,Vdy
は,次のとおりである。
【0048】
【数4】
【0049】さらに、駆動系の座標軸(Rx ,Ry )X
軸、Y軸の方向に対する画像処理画面の座標軸(Vx ,
Vy )の傾きθが、次のように演算される(ステップS
36)。
【0050】
【数5】
【0051】以上のような方法によると、スケールデー
タ調整ルーチンにより、x,y方向の換算係数Sx,S
yと傾きθとがスケールデータとして求められる。この
場合に、上記ステップS33の処理で得られる各点C,
D,E,Fはワークの同一位置(中心位置)がワークの
回転により動いたものであり、E,FはそれぞれC,D
がワークの180°回転により移動した位置であって、
CE間の距離とDF間の距離とは実寸法としては当然に
同一のものであるから、実寸法に対する処理画面上の寸
法の割合についてのx方向とy方向との比率が正確に求
められる。そして、この比率と、上記第1点A、第2点
B等の各座標により、スケールデータとしての3つの未
知数Sx,Sy,θを求めるに足る関係式が得られる。
【0052】従って、ヘッドユニットがX軸方向にのみ
移動可能という制約のもとでも、スケールデータSx,
Sy,θが高精度に求められる。このスケールデータが
記憶手段43に記憶される。
【0053】そして、一連の部品装着処理としては、部
品吸着が行なわれてから撮像および画像処理による部品
位置の検出に基づいてずれ量が演算され(ステップS1
4)、その分だけ補正された装着位置にチップ部品が装
着されるが、上記ずれ量の演算の際にスケールデータS
x,Sy,θが用いられ、処理画面上の距離が駆動系に
おける実際の距離に換算される。その換算式としては、
ある2点間のX,Y方向距離を駆動系座標上でRLX、R
LY、処理画面上でVLX,VLYとすると、次のようにな
る。
【0054】
【数6】
【0055】このように換算されて補正が行なわれる場
合、スケールデータが精度良く求められていることによ
り、補正の精度も高められることとなる。
【0056】図11はスケールデータ調整ルーチンの別
の例を示し、この例でもステップS41,S42による
第1点Aおよび第2点Bの位置検出までの処理は、図9
のステップS31,S32と同じである。次に、図12
にも示すように、駆動系の軸上の1点で、R軸サーボモ
ーターの駆動によりワークが0°,90°の各角度に回
転され、それぞれにおいて処理画面上でのワークのx方
向、y方向の長さの検出が行なわれる。そして、本例で
は、上記各角度での長さがそれぞれVax,Vbyとされ、
以下、ステップS44での比率の演算、ステップS4
5,S46でのスケールデータの演算は、図9のステッ
プS34,S35,S36と同様に行なわれる。
【0057】この例による場合でも、ステップS43の
処理において測定される長さVax,Vbyは、実寸法では
全く同じ長さであるので、実寸法に対する処理画面上の
寸法の割合についてのx方向とy方向との比率が正確に
求められる。そしてその他は図9の例と同様にして、ス
ケールデータが精度良く求められることとなる。
【0058】なお、本発明は、上記実施例のようにヘッ
ドユニットがX軸、Y軸のうちの一方の方向にのみ移動
可能となっている部品装着装置に適用した場合にとくに
有用性が高いが、部品装着装置の構造はこれに限らず、
ヘッドユニットがX軸、Y軸の両方向に移動可能となっ
ている構造等にも適用することできる。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明は、部品位置検出に
基づく部品装着位置補正のために部品装着装置に設けら
れている画像処理手段のスケール調整を行なうものであ
って、ヘッドユニットを一定方向に移動させることでワ
ークを処理画面に対応する範囲内の第1点と第2点とに
移動させ、各点について駆動系統による座標と処理画面
上の座標とを測定するとともに、ワークを回転させて異
なる複数の方向について処理画面上でのワークの所定2
点間距離もしくは長さを測定し、これらの測定値に基づ
いて処理画面上の座標と駆動系の座標との対応関係を求
めるようにしているため、チップ部品の位置検出に基づ
く補正の際に必要な処理画面上の座標から駆動系の座標
への換算を、精度良く行なうことができる。特に、上記
対応関係を求める処理において、ヘッドユニットの移動
を伴う位置検出は、直線上の上記第1,第2の2点につ
いて行なえばよいので、ヘッドユニットの移動方向が一
方向に制限されている構造の装着装置に適用した場合で
も、上記対応関係を精度良く求めることができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による物品認識装置を備えた
部品装着装置の平面図である。
【図2】部品装着装置のヘッドユニット配置部分の正面
図である。
【図3】ヘッドユニットの拡大正面図である。
【図4】ヘッドユニットを図3のIV−IV線からみた
図である。
【図5】ヘッドユニットと画像処理装置等を概略的に示
した斜視図である。
【図6】画像処理および制御系統の機構的構成を示すブ
ロック図である。
【図7】部品装着の一連の処理の具体例を示すフローチ
ャートである。
【図8】図7のフローチャートに続くフローチャートで
ある。
【図9】スケールデータ調整のルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図10】(a)(b)はそれぞれ図9のルーチンの中
で行なわれる処理についての説明図である。
【図11】スケールデータ調整のルーチンの別の例を示
すフローチャートである。
【図12】図11のルーチンの中で行なわれる処理につ
いての説明図である。
【符号の説明】
5A,5B ヘッドユニット 20 吸着ノズル 31 CCDカメラ(撮像手段) 33 画像処理ユニット 36 コントローラ 41 部品位置検出手段 42 距離測定手段 44 命令・計算手段 55 座標測定手段 56 スケールデータ演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−22199(JP,A) 特開 平5−63398(JP,A) 特開 平5−315795(JP,A) 特開 平5−218696(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 13/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着ノズルによりチップ部品を吸着して
    これを所定位置に装着するヘッドユニットを備えるとと
    もに、上記吸着ノズルに吸着されたチップ部品を撮像手
    段により撮像してその画像からチップ部品の位置を検出
    する画像処理手段を備え、この画像処理手段による位置
    検出に基づいて部品装着位置を補正するようにした部品
    装着装置における上記画像処理手段のスケールを調整す
    る方法であって、ヘッドユニットを一定方向に移動させ
    ることによりヘッドユニットに設けられた被撮像部分の
    所定位置を上記画像処理手段の画像処理画面に対応する
    領域内の第1点と第2点とに移動させ、上記第1点およ
    び第2点についてそれぞれ部品装着装置の駆動系統の座
    標系による座標と上記画像処理画面の座標系による座標
    とを測定するとともに、一定箇所で上記被撮像部分を回
    転させて、異なる複数の方向において上記画像処理画面
    上の被撮像部分の所定2点間距離を測定し、上記第1点
    および第2点についての各座標と上記複数方向の2点間
    距離とから、上記画像処理画面の座標系と上記駆動系統
    の座標系との対応関係を求めるようにした部品装着装置
    のスケール調整方法。
  2. 【請求項2】 吸着ノズルによりチップ部品を吸着して
    これを所定位置に装着するヘッドユニットを備えるとと
    もに、上記吸着ノズルに吸着されたチップ部品を撮像手
    段により撮像してその画像からチップ部品の位置を検出
    する画像処理手段を備え、この画像処理手段による位置
    検出に基づいて部品装着位置を補正するようにした部品
    装着装置において、ヘッドユニットを一定方向に直線的
    に移動可能とするヘッドユニット駆動手段を設け、か
    つ、ヘッドユニットに被撮像部分を回転可能とする回転
    用駆動手段を設けるとともに、ヘッドユニット駆動手段
    の駆動に応じて被撮像部分の所定位置が移動する軌跡上
    の第1点および第2点を駆動系統の座標系による座標で
    測定する手段と、上記第1点および第2点を画像処理手
    段の画像処理画面上の座標で測定する手段と、上記被撮
    像部分を回転させて、異なる複数の方向において上記画
    像処理画面上での被撮像部分の所定2点間距離を測定す
    る手段と、これらの測定値に基づいて、上記画像処理画
    面の座標系と上記駆動系統の座標系との対応関係を求め
    る演算手段とを設けたことを特徴とする部品装着装置の
    スケール調整装置。
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