JP3111737B2 - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

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JP3111737B2
JP3111737B2 JP05073376A JP7337693A JP3111737B2 JP 3111737 B2 JP3111737 B2 JP 3111737B2 JP 05073376 A JP05073376 A JP 05073376A JP 7337693 A JP7337693 A JP 7337693A JP 3111737 B2 JP3111737 B2 JP 3111737B2
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    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/0042Driving elements, brakes, couplings, transmissions specially adapted for pumps
    • F04C29/005Means for transmitting movement from the prime mover to driven parts of the pump, e.g. clutches, couplings, transmissions
    • F04C29/0057Means for transmitting movement from the prime mover to driven parts of the pump, e.g. clutches, couplings, transmissions for eccentric movement
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C17/00Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing
    • F01C17/06Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements
    • F01C17/063Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements with only rolling movement

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スクロール型圧縮機に
関し、詳しくは駆動軸に突設するスライドキーの改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロール型圧縮機(以下、単に
圧縮機という。)として、特開平2−176179号公
報記載のものが知られている。この圧縮機では、ハウジ
ング内に固定側板及び固定渦巻体からなる固定スクロー
ルが固定され、この固定スクロールには可動側板及び可
動渦巻体からなる可動スクロールが互いに180°位相
をずらして噛合されている。また、ハウジングには駆動
軸が軸受を介して回転自在に支承され、駆動軸の後端に
はスライドキーが突設されている。このスライドキーに
は摺動可能に駆動ブッシュが嵌合され、この駆動ブッシ
ュは自転防止機構との協働により軸受を介して可動スク
ロールを公転のみ可能に支承している。スライドキー
は、図10に示すように、駆動軸の軸心をOs、駆動ブ
ッシュの軸心をObとした場合、駆動軸の回転方向Mと
反対にα°傾斜するキー軸線S上に軸心Opが位置して
いる。
【0003】この圧縮機では、駆動軸が軸心Osを中心
として方向Mで回転されれば、駆動ブッシュはスライド
キーにより駆動されて軸心Obを中心として、つまり運
転始動時に設定距離OsObを公転半径Rとする公転円
rcに沿って回転する。駆動ブッシュの回転は軸受を介
して可動スクロールに伝達され、可動スクロールが自転
防止機構により自転を防止されていることから、可動ス
クロールは公転運動のみ実行される。これによって固定
スクロールと可動スクロールとの噛合により形成される
圧縮室が順次容積を縮小させながら中心方向へ移動され
るため、冷媒ガスを流体吸入口から圧縮室内に吸入し、
圧縮室内の冷媒ガスを順次圧縮して吐出室へ吐出する。
【0004】このとき、偏心方向にy軸、偏心方向と直
角にx軸をとり、公転円rcに駆動ブッシュの軸心Ob
で接する接線lを引けば、スライドキーには、駆動軸か
らキー軸線Sに直角かつ回転方向M側に駆動力Fが作用
するとともに、駆動ブッシュの自転運動及び可動スクロ
ールの公転運動を行なうべく遠心力Fcがy軸のプラス
方向に作用している。これにより、駆動ブッシュは、ス
ライドキーとの嵌合によりキー軸線Sに沿った限られた
調整直線摺動が許容されている。
【0005】つまり、駆動力Fをx軸(接線l)に平行
な分力Ftと、接線lに垂直な分力Fnとに分解すれ
ば、分力Ftは、ほぼ接線l上に作用する駆動ブッシュ
が可動スクロールから受ける圧縮反力と釣り合う。ま
た、遠心力Fcが小さくても、駆動力Fと遠心力Fcと
の合力Fpは必ずy軸のプラス側に傾斜し、合力Fpの
y軸成分Fpnは可動スクロールの可動渦巻体を固定ス
クロールの固定渦巻体に押し付けるように作用するた
め、可動スクロールの可動渦巻体が固定スクロールの固
定渦巻体へ押し付けられ、駆動軸の低回転時にも圧縮室
の径方向の気密が確保されている。
【0006】同時に、駆動ブッシュは、偏心量Rを減少
する方向(y軸のマイナス側)へも調整摺動可能である
ため、両渦巻体の相対位置関係に生じる微差を吸収する
とともに、圧縮機の停止時や異物混入等における可動ス
クロールの逆転に起因する両渦巻体の破壊を回避するこ
とができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の圧
縮機では、図11に示すように、キー軸線Sが駆動ブッ
シュの軸心Obを通るものであるならば、キー軸線S上
に位置するスライドキー90の軸心Opを駆動軸の軸心
Osから直接的に計測することができず、軸心Opの位
置決めが困難である。そして、かかる困難性の下でスラ
イドキー90の軸心Opに基づき偏心方向(y軸方向)
から駆動軸の反回転方向にα°傾斜するキー軸線Sを仮
定し、キー軸線Sと平行に摺動面90aを形成しなけれ
ばならない。
【0008】このため、この場合にはスライドキーの形
成が困難であることから、圧縮機の量産化に多大なコス
トを要してしまう。そこで、本出願人は、特願平4−3
17101号において、両渦巻体の破壊を回避しつつ、
駆動軸の低回転時にも圧縮室を気密に維持することが可
能であるとともに、製造コストの低廉化を実現すること
のできる圧縮機を提案した。この圧縮機では、図12に
示すように、駆動軸の内端93aにおいて、軸心Osか
ら駆動ブッシュの軸心Obまでの距離OsObを公転半
径Rとする公転円rcとし、この公転円rcに駆動ブッ
シュの軸心Obで接する接線lと、駆動軸の軸心Osか
ら駆動軸の反回転方向にα°傾斜するキー軸線Sとを引
き、接線lとキー軸線Sとの交点を軸心Opとする円柱
状凸部94aを形成し、この円柱状凸部94aにキー軸
線Sと平行に二面幅を振り分け、これにより互いに対向
する摺動面94bをもつスライドキー94を形成してい
る。
【0009】しかしながら、かかる圧縮機では、接線l
の引き方によっては、スライドキーの周面が駆動軸の軸
心Os近傍に位置してしまうため、駆動軸の軸心Osに
凹設されるセンタ穴が周面と干渉する場合を生じる。ま
た、仮にセンタ穴と干渉しないようにスライドキーの周
面を形成したとしても、その周面はセンタ穴に係合され
るセンタと干渉する場合もある。これらの場合、センタ
穴が確保できないか又は無理にセンタ穴を確保してセン
タを係合させれば柱状凸部の変形を生じてしまう。この
ため、スライドキーを形成すべく柱状凸部に二面幅を振
り分ける切削加工が困難となり、未だ製造コストの充分
な低廉化を実現しにくいことが明らかとなった。
【0010】本発明は、両渦巻体の衝突を回避しつつ、
駆動軸の低回転時にも圧縮室を気密に維持することが可
能であるとともに、製造コストの低廉化を確実に実現す
ることを解決すべき課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の圧縮機では、上
記課題を解決するため、固定スクロールと、該固定スク
ロールと噛合することにより圧縮室を形成する可動スク
ロールと、軸受を介して回転自在に支承された駆動軸
と、該駆動軸の大径部内端に突設されたスライドキー
と、該スライドキーに摺動可能に嵌合され、自転防止機
構との協働により軸受を介して該可動スクロールを公転
のみ可能に支承する駆動ブッシュとを含み、該可動スク
ロールの公転運動によって該圧縮室が冷媒ガスを吸入す
るとともに該冷媒ガスの圧力を高めて吐出するスクロー
ル型圧縮機において、前記スライドキーは、前記駆動軸
の軸心から該駆動軸の反回転方向に傾斜するキー軸線を
引き、該駆動軸の軸心と前記駆動ブッシュの軸心との接
続線より該駆動軸の反回転方向側の象限に位置する該キ
ー軸線上の定点を軸心として柱状に形成され、該柱状部
には該キー軸線と平行に振り分けられた摺動面が設けら
れるとともに、前記定点位置は該駆動軸の軸心のセンタ
支持を可能とすべく選定されているという新規な手段を
講じている。
【0012】具体的な形態たる定点位置は、駆動軸の大
径部内端におけるスライドキーを突設させる基面、又は
スライドキーの頂面に存する。
【0013】
【作用】本発明の圧縮機では、スライドキーのキー軸線
が駆動軸の反回転方向に傾斜しているため、駆動軸の回
転数の高低にかかわらず、駆動力は必ず偏心方向側に傾
斜して作用する。このため、駆動力の偏心方向成分は可
動スクロールの可動渦巻体を固定スクロールの固定渦巻
体に押し付けるように作用し、両渦巻体の衝突を回避し
つつ、圧縮室を気密に維持することが可能となる。
【0014】また、駆動軸の軸心から設定角度でキー軸
線を引き、駆動軸の軸心と駆動ブッシュの軸心との接続
線より駆動軸の反回転方向側の象限に位置するキー軸線
上の定点を求めれば、その定点がスライドキーの軸心と
なるため、このスライドキーの軸心を駆動軸の軸心から
直接的に計測することが可能である。そして、この軸心
の位置決めが容易であることから柱状凸部が容易に形成
され、この柱状凸部にキー軸線と平行に二面幅を振り分
けることにより摺動面が得られ、スライドキーは容易に
形成される。このため、圧縮機の量産化にもさほどのコ
ストを要しない。
【0015】さらに、こうして形成されるスライドキー
の軸心となる定点位置は駆動軸の軸心のセンタ支持を可
能にすべく選定されており、センタ穴はスライドキーの
周面と干渉することなく駆動軸の軸心に確実に凹設さ
れ、かつセンタもスライドキーの周面と干渉することな
くセンタ穴に確実に係合される。このため、この際に柱
状凸部の変形は生じず、柱状凸部に二面幅を振り分ける
切削加工は容易となる。
【0016】なお、この圧縮機では、先の提案の圧縮機
のように公転円に駆動ブッシュの軸心で接する接線上に
スライドキーの軸心が存在しない。このため、この圧縮
機では、先の提案の圧縮機のように接線とキー軸線との
交点を柱状凸部の軸心としてスライドキーを形成するこ
とはできないが、柱状凸部の軸心を駆動軸の軸心から一
定距離計測することにより求めることができるため、先
の提案の圧縮機と比較してさほどスライドキーの加工が
面倒になることはない。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例1〜3を図
面を参照しつつ説明する。 (実施例1)この圧縮機は、図1に示すように、固定側
板21と、この固定側板21と一体に形成され外郭を形
成するシェル部22と、固定側板21の内側にインボリ
ュート曲線等により形成された固定渦巻体23とからな
る固定スクロール2が、可動側板41と、この可動側板
41の内側にインボリュート曲線等により形成された可
動渦巻体42とからなる可動スクロール4と噛合するこ
とにより、圧縮室39を形成している。
【0018】固定スクロール2のシェル部22と締結手
段により結合されたフロントハウジング30内には、軸
封装置31及び主軸受32を介し、図3に示すように、
駆動軸33がOs線を軸心として回転自在に支承されて
おり、駆動軸33の大径部33a内端にはスライドキー
34が突設されている。このスライドキー34には、図
1に示すように、カウンタウェイト35及び駆動ブッシ
ュ36が嵌合されている。この圧縮機はかかるスライド
キー34に最も特徴を有している。
【0019】すなわち、図2に駆動軸33の大径部33
aの基面を示すように、まず駆動軸33の軸心Osから
駆動ブッシュ36の軸心Obまでの距離を設定公転半径
Rとし、偏心方向にy軸、偏心方向と直角にx軸をと
る。また、駆動軸33の軸心Osから駆動軸33の回転
方向Mと反対にα°傾斜するキー軸線Sを引く。そし
て、y軸より駆動軸33の反回転方向側の象限に位置す
るキー軸線S上の定点Opを求める。つまり、この実施
例では、図2のx−y座標において、第1象限に位置す
るキー軸線S上の定点を求める。その定点はスライドキ
ーの軸心Opとなる。このため、このスライドキー34
の軸心Opは、駆動軸33の軸心Osから直接に計測さ
れ、容易に位置決めされる。
【0020】そして、かかる軸心Opを基準として精密
鍛造により円柱状凸部34aを形成する。ここで、軸心
Opは、周面が駆動軸33の軸心Osからある程度離反
されるべく、駆動軸33の軸心Osから一定距離計測す
ることにより求められており、駆動軸33の大径部33
a内端には、図3に示すように、センタ穴33bが確実
に凹設され、かつ旋盤のセンタ50もスライドキー34
の周面と干渉することなくセンタ穴33bに確実に係合
される。このため、この状態で切削加工により円柱状凸
部34aにキー軸線Sと平行に二面幅を振り分け、これ
により互いに対向する摺動面34bを形成する。なお、
スライドキー34の先端には突出方向と直角の貫通孔3
4cが貫設されている。こうして、スライドキー34が
容易に得られる。このため、この圧縮機では、切削加工
の際に円柱状凸部33aの変形は生じず、切削加工が容
易となり、量産化にもさほどのコストを要しない。
【0021】また、こうして加工性を向上させているに
もかかわらず、スライドキー34は、先の提案の圧縮機
におけるスライドキー(図12の符号94参照)と比較
して、さほど小型化されておらず、かつ駆動軸33の大
径部33aや駆動ブッシュ36も大型化していないた
め、運転時のスライドキー33の強度は充分に確保さ
れ、また圧縮機全体の体格の大型化を招来しない。
【0022】カウンタウェイト35には、図4に示すよ
うに、キー軸線Sに延在するスライド穴35aが貫設さ
れ、駆動軸33の大径部33a側に中心線Osの座ぐり
35bが形成されている。そして、図1及び図6に示す
ように、スライド穴35aにはスライドキー34が挿入
され、座ぐり35bが大径部33a内端と遊嵌されてい
る。こうして、このカウンタウェイト35は、スライド
穴35aにスライドキー34が嵌合されることにより調
整直線摺動が許容されているが、座ぐり35bと大径部
33a内端とはキー軸線Sに沿って間隔±Δで当接し、
スライド穴35aとスライドキー34とはかかる間隔±
Δでも当接しないようにされており、カウンタウェイト
35の調整直線摺動は座ぐり35bと大径部33a内端
との当接により制限されている。また、図4に示すよう
に、カウンタウェイト35の駆動ブッシュ36側には、
中心線Obの凸部35cがスライド穴35aによって変
形されつつ突設されている。
【0023】駆動ブッシュ36は、図5に示すように、
Ob線を中心線とし、スライド穴35aと同形のスライ
ド穴36aをもつ円柱状に形成されている。この駆動ブ
ッシュ36は、図1及び図6に示すように、スライド穴
36aにスライドキー34が挿入され、図1に示すよう
に、自転防止機構37との協働により、軸受38を介し
て可動スクロール4を公転のみ可能に支承している。ま
た、この駆動ブッシュ36には、図5に示すように、カ
ウンタウェイト35側に中心線Obの凹部36bがスラ
イド穴36aによって変形されつつ凹設され、図6に示
すように、凹部36bにカウンタウェイト35の凸部3
5cが係合されている。こうして、この駆動ブッシュ3
6はカウンタウェイト35とともに調整直線摺動可能に
なされ、駆動ブッシュ36の調整直線摺動は前記座ぐり
35bと大径部33a内端との当接により制限されてい
る。
【0024】スライド穴35a及びスライド穴36aに
挿入されたスライドキー34は、図1に示すように、突
出端の貫通孔34cにスナップリング51が係止され、
これによりカウンタウェイト35及び駆動ブッシュ36
の抜き止めと、駆動ブッシュ36及びカウンタウェィト
35のガタツキ防止がなされている。また、フロントハ
ウジング30にはカウンタウェイト34の周面と対向し
て冷凍回路と通じる冷媒吸入口8が貫設されている。こ
の冷媒吸入口8には、フロントハウジング30及び自転
防止機構37の一部を貫通することにより、カウンタウ
ェイト35を回避して圧縮室39と直接通じる吸入路9
が連通している。また、固定スクロール2の固定側板2
1の中央部分には吐出段階の圧縮室39と連通する吐出
口11が貫設されている。固定スクロール2にはリアハ
ウジング10が固定されており、吐出口11は逆止弁1
2を介してリアハウジング10の内部に形成された吐出
室13と連通し、吐出室13は図示しない冷媒吐出口で
冷凍回路と連通している。
【0025】以上のように構成されたこの圧縮機では、
図1に示す駆動軸33が車両用エンジンから電磁クラッ
チ等を介して回転される。これにより、図6に示すスラ
イドキー34が軸心Osを中心として駆動され、駆動ブ
ッシュ36が自転防止機構37との協働により可動スク
ロール4を軸心Osを中心として設定偏心量Rで公転さ
せる。そして、図1に示す固定側板21、固定渦巻体2
3、可動側板41及び可動渦巻体42により形成される
圧縮室39は順次容積を縮小させながら中心方向へ移動
されるため、冷凍回路より冷媒ガスが冷媒吸入口8から
吸入路9を経て圧縮室39に吸入される。その後、圧縮
室39の移動によって圧縮された冷媒ガスは、逆止弁1
2を押し開いて吐出口11から吐出室13へ吐出され
る。
【0026】ここで、図7に示すように、スライドキー
34には、駆動軸33からキー軸線Sに直角かつ回転方
向M側に駆動力Fが作用する。このとき、カウンタウェ
イト35は可動スクロール4の動的不均衡を吸収して振
動防止を図り、駆動ブッシュ36が可動スクロール4か
ら受ける偏心モーメントをほぼ相殺するため、スライド
キー34には遠心力は作用しない。これにより、駆動ブ
ッシュ36はカウンタウェイト35とともにキー軸線S
に沿った限られた調整直線摺動を行なう。
【0027】つまり、駆動力Fをx軸に平行な分力Ft
と、y軸に平行な分力Fnとに分解すれば、分力Ft
(Ft=F・cosα)は、駆動ブッシュ36が可動ス
クロール4から受けるほぼx軸と平行に作用する圧縮反
力と釣り合う。また、カウンタウェイト35により遠心
力が相殺されても、駆動軸33の回転数の高低にかかわ
らず、駆動力Fは必ず偏心方向(y軸のプラス側)に傾
斜して作用する。このため、駆動ブッシュ36は、分力
Fnにより設定偏心量Rを偏心量R+Δ・cosαまで
増加する方向(y軸のプラス側)へ調整直線摺動する。
よって、可動スクロール4の可動渦巻体42が固定スク
ロール2の固定渦巻体23へ押し付けられ、圧縮室39
の径方向のシールが確保されている。
【0028】同時に、駆動ブッシュ36は、分力Fnに
反して設定偏心量Rを偏心量R−Δ・cosαまで減少
する方向(y軸のマイナス側)へも調整摺動可能である
ため、両渦巻体23、42の相対位置関係に生じる微差
を吸収するとともに、圧縮機の停止時や異物混入等にお
ける可動スクロール4の逆転に起因する両渦巻体23、
42の衝突を回避することができる。
【0029】したがって、この圧縮機では、両渦巻体2
3、42の衝突を回避しつつ、駆動軸33の低回転時に
も圧縮室39を気密に維持することが可能であるととも
に、充分な耐久性及び搭載性を確保したまま、製造コス
トの低廉化を確実に実現することができる。 (実施例2)この圧縮機は、図8のx−y座標におい
て、第3象限に位置するキー軸線S上の定点をスライド
キーの軸心Opとしたものである。他の構成は実施例1
と同一であるため、詳説は省略する。
【0030】この圧縮機においても、スライドキー34
の摺動面34bがキー軸線Sと平行であることから、実
施例1の圧縮機と同様の調整直線摺動を行なうことがで
きる。また、この圧縮機でも、スライドキー34の軸心
Opは、周面が駆動軸33の軸心Osからある程度離反
されるべく、駆動軸33の軸心Osから一定距離計測す
ることにより求められており、実施例1の圧縮機と同
様、スライドキー34の加工が容易である。 (実施例3)この圧縮機では、図9に示すように、スラ
イドキー34の頂面にセンタ穴33bを凹設している。
また、図9のx−y座標において、駆動軸33の軸心O
sとスライドキー34の軸心Opとを一致させている。
他の構成は実施例1と同一であるため、詳説は省略す
る。
【0031】この圧縮機においても、スライドキー34
の摺動面34bがキー軸線Sと平行であることから、実
施例1の圧縮機と同様の調整直線摺動を行なうことがで
きる。また、この圧縮機では、スライドキー34の軸心
Opが駆動軸33の軸心Osと一致していることから、
実施例1の圧縮機と比較して、より一層スライドキー3
4の加工が容易である。
【0032】さらに、この圧縮機では、スライドキー3
4の頂面にセンタ穴33bを凹設していることから、ス
ライドキー34の大きさにかかわらず、スライドキー3
4の周面がセンタ50と干渉することは全くない。この
ため、この圧縮機では、スライドキー34の大型化が可
能であることから、優れた耐久性を発揮することができ
る。
【0033】なお、この圧縮機では、軸心Opと軸心O
sとが一致していることにより、摺動面34bと軸心O
sとの距離が実施例1、2の圧縮機と比較して短く、こ
れにより駆動軸33からの駆動力が駆動ブッシュ36に
伝達しにくいのではないかという危惧もあるが、この危
惧はスライドキー34の大型化に起因して摺動面34b
を大きな面積で確保できることから解決される。
【0034】実施例1〜3の圧縮機では円弧面及び摺動
面により形成されたスライドキーの周面がセンタ穴から
離反されているが、センタ穴が円弧面近傍に位置する場
合には、円弧面をセンタ穴及びセンタを回避すべく屈曲
させて形成することも可能である。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の圧縮機で
は、特許請求の範囲記載の構成を採用しているため、両
渦巻体の衝突を回避しつつ、駆動軸の低回転時にも圧縮
室を気密に維持することが可能であるとともに、製造コ
ストの低廉化を確実に実現することができる。
【0036】したがって、この圧縮機では、安価な製造
コストの下、両渦巻体の偏摩耗や微差の衝突等による摩
耗を防止して優れた耐久性を発揮することができるとと
もに、両渦巻体のシールを好適に行なうことにより優れ
た圧縮効率を発揮し、かつ優れた静粛性も実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の圧縮機の縦断面図である。
【図2】実施例1の圧縮機に係り、駆動軸の正面図であ
る。
【図3】実施例1の圧縮機における要部断面図である。
【図4】実施例1の圧縮機に係り、カウンタウェイトの
正面図である。
【図5】実施例1の圧縮機に係り、駆動ブッシュの正面
図である。
【図6】実施例1の圧縮機に係り、駆動軸、カウンタウ
ェイト及び駆動ブッシュを組付けた状態を示す一部断面
の正面図である。
【図7】実施例1の圧縮機に係り、駆動ブッシュとスラ
イドキーとの関係を示す模式図である。
【図8】実施例2の圧縮機に係り、駆動軸の正面図であ
る。
【図9】実施例3の圧縮機に係り、駆動軸の正面図であ
る。
【図10】従来の圧縮機における要部模式図である。
【図11】従来の圧縮機に係り、駆動軸の正面図であ
る。
【図12】先の提案の圧縮機に係り、駆動軸の正面図で
ある。
【符号の説明】
2…固定スクロール 4…可動スクロール 39…
圧縮室 32…主軸受 34…スライドキー 33…
駆動軸 33a…大径部 37…自転防止機構 38…
軸受 36…駆動ブッシュ 35…カウンタウェイト Os…駆動軸の軸心 Ob…駆動ブッシ
ュの軸心 R…公転半径 M…駆動軸の回転方向 S…キ
ー軸線 Op…スライドキーの軸心(定点) 34a…円柱状凸
部 33b…センタ穴 50…センタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 真也 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 311

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロールと、該固定スクロールと噛
    合することにより圧縮室を形成する可動スクロールと、
    軸受を介して回転自在に支承された駆動軸と、該駆動軸
    の大径部内端に突設されたスライドキーと、該スライド
    キーに摺動可能に嵌合され、自転防止機構との協働によ
    り軸受を介して該可動スクロールを公転のみ可能に支承
    する駆動ブッシュとを含み、該可動スクロールの公転運
    動によって該圧縮室が冷媒ガスを吸入するとともに該冷
    媒ガスの圧力を高めて吐出するスクロール型圧縮機にお
    いて、 前記スライドキーは、前記駆動軸の軸心から該駆動軸の
    反回転方向に傾斜するキー軸線を引き、該駆動軸の軸心
    と前記駆動ブッシュの軸心との接続線より該駆動軸の反
    回転方向側の象限に位置する該キー軸線上の定点を軸心
    として柱状に形成され、該柱状部には該キー軸線と平行
    に振り分けられた摺動面が設けられるとともに、前記定
    点位置は該駆動軸の軸心のセンタ支持を可能とすべく選
    定されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 【請求項2】定点位置は、駆動軸の大径部内端における
    スライドキーを突設させる基面に存することを特徴とす
    る請求項1記載のスクロール型圧縮機。
  3. 【請求項3】定点位置は、スライドキーの頂面に存する
    ことを特徴とする請求項1記載のスクロール型圧縮機。
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