JP3111585B2 - 光センサー装置 - Google Patents

光センサー装置

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JP3111585B2
JP3111585B2 JP04013031A JP1303192A JP3111585B2 JP 3111585 B2 JP3111585 B2 JP 3111585B2 JP 04013031 A JP04013031 A JP 04013031A JP 1303192 A JP1303192 A JP 1303192A JP 3111585 B2 JP3111585 B2 JP 3111585B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリの原稿読
み取り装置などに用いられる光電変換素子を備えた半導
体装置(光センサー)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ等に用いられる原稿読み取
り装置の方式として、原稿からの映像を縮小結像して読
み取る縮小型と、原寸のままで読み取る密着型の2方式
がある。近年、装置の小型化が可能であること、および
光学系の調整が容易であることより、密着型の読み取り
装置の開発が盛んに行われている。そして、この装置に
用いられる光センサーとしては、アモルファス−シリコ
ン、CdS−Se等の薄膜を用いたものや、電荷結合デ
ィバイス(CCD)およびMOS型などのシリコン単結
晶を用いたものが一般的に採用されている。このうち、
シリコン単結晶を用いたものは、光電素子としてフォト
ダイオード、フォトトランジスタなどの高性能素子を用
いることができる。そして、フォトトランジスタを用い
たMOS方式の光センサーは、比較的安価で高性能を得
ることが可能であるため、実用化が進んでいる。
【0003】図14に、フォトトランジスタを用いたM
OS方式の光センサーの回路構成を示してある。この装
置は、フォトトランジスタにより構成された複数のセン
サー20.1〜20.n、この各トランジスタのベース
コレクタ間容量22.1〜22.n、各センサーからの
信号を読み出すためのスイッチ21.1〜21.nおよ
び各センサーと出力部をリセットするリセットスイッチ
24により構成されている。このような回路において
は、先ず、リセットスイッチ24とスイッチ21.1〜
21.nがオンされ、各センサーがリセットされる。こ
の状態において、各センサーのベースコレクタ間容量2
2.1〜22.nは一定の電圧に逆バイアスされる。そ
して、スイッチ21.1〜21.nがオフとなり、セン
サー20.1〜20.nが光を検知すると、その光量に
応じて電荷が生じ、ベースコレクタ間容量22.1〜2
2.nに保持されている電荷が放電される。次に、各ス
イッチ21.1〜21.nが走査回路からの信号25に
従い、順次オン・オフされる。この際に、各ベースコレ
クタ間容量22.1〜22.nが再充電されるため、ベ
ース・エミッタ間に電流が流れる。そして、トランジス
タ作用によりエミッタ・コレクタ間に増幅率hfe倍され
た電流が流れる。このようにして、各センサーに検知さ
れた光は電流に変換され、増幅されて出力側に現れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のフォトトランジ
スタを用いた光センサー装置は、フォトトランジスタの
増幅作用により、高感度の出力を得ることが可能であ
る。しかしながら、フォトトランジスタは、図15に示
すような特性を持っており、出力する際にベース・エミ
ッタ間の電位差VBEが小さいと、ベース・エミッタ電流
BEが指数関数的に流れ難くなる。このため、センサー
の検知する光量の少ないときは、一定の読出時間(数1
00n秒〜数μ秒)に、ベースエミッタ間容量22で放
電された電荷に相当するベース・エミッタ間の電流が流
れない。この結果、図16のIX部に示すように、光量の
少ない領域において、光センサーの出力が急激に低下す
る。このため、光電変換特性の線形性がくずれてしま
い、高感度なセンサーを得ることが困難となっている。
【0005】このような光センサー装置においては、読
出時間を長くすれば、光電変換特性の線形性を維持する
ことが可能であるが、原稿の読み取り時間が長くなるた
め、装置の高速化において障害となる。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記問題点に鑑
みて、短い読出時間で光量の小さい領域まで線形な光電
変換特性の維持された光センサー装置を実現することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、複数の光センサーと、これらの光セン
サーからの光出力電位が順次入力されるバッファ回路と
を備え、各光センサーは、光量に応じて電荷を発生する
光電変換手段と、この電荷が一定時間蓄積された電位変
動を上記光出力電位として出力する積分手段と、この光
出力電位を初期化する電位設定手段とを有、積分手段
、光電変換手段の出力を入力として所定の基準電圧に
対し作動する差動増幅回路と、この差動増幅回路の入出
力間に並列に接続された積分容量とを有し、上記バッフ
ァ回路は、光出力電位が入力される伝達容量と、この伝
達容量の出力に生ずる伝達電位を初期化する伝達電位初
期化手段とを有して成る光センサー装置において、バッ
ファ回路は、伝達電位がゲート電位に印加される出力用
FETを備えており、伝達電位初期化手段は、伝達電位
を出力用FETの閾値電位に初期化する閾値電位設定手
段であることを特徴とする
【0008】また、本発明は、複数の光センサーと、こ
れらの光センサーからの光出力電位が順次入力されるバ
ッファ回路とを備え、各光センサーは、光量に応じて電
荷を発生する光電変換手段と、この電荷が一定時間蓄積
された電位変動を上記光出力電位として出力する積分手
段と、この光出力電位を初期化する電位設定手段とを有
し、積分手段は、光電変換手段の出力を入力として所定
の基準電圧に対し作動する差動増幅回路と、この差動増
幅回路の入出力間に並列に接続された積分容量とを有
し、バッファ回路は、光出力電位がゲート電極に印加さ
れる出力用FETを備えて成る光センサー装置におい
て、出力用FETの出力側の電位を初期化する出力電位
リセット手段を有することを特徴とする
【0009】上記の伝達電位初期化手段としては、光出
力電位の初期化時に先立って伝達電位を初期化するもの
であることが望ましい。上記の閾値電位設定手段として
は、出力用FETと同じ構成の電位設定用FETを用い
ることができ、この電位設定用FETのドレインとゲー
ト電極とが短絡して用いることが有効である。
【0010】また、出力用FETが設けられている場合
は、出力用FETの出力側の電位を初期化する出力電位
リセット手段を備えていることが有効であり、さらに、
出力用FETの出力端に、この出力電位リセット手段の
動作中の貫通電流を遮断するスイッチ手段を設置するこ
とが望ましい。
【0011】
【作用】本発明の光センサー装置においては、光電変換
手段により光量に応じて発生された電荷が積分手段とし
て用いられる差動増幅回路の入力側に導かれ、この差動
増幅回路と並列に接続されている積分容量に蓄積され
る。このため、差動増幅回路の入力側の電位は一定で出
力側の電位が変化し、この変化が増幅されて差動増幅回
路より出力される。本発明の光センサー装置において
は、上記のような積分手段を用いて光電変換手段からの
信号を電圧変換しているため、光量の少ない領域におい
ても線形性の保持された光電変換手段の採用が可能とな
る。さらに、センサーから信号が読み出されるとき
は、光電変換手段からの電荷が積分容量に保持された状
態で読み出されるため、検知した光に対応する信号が破
壊されない。従って、センサーから繰り返して信号を
読み出すことも可能となる。
【0012】
【0013】また、光センサーからの出力電圧は、積分
容量の値に依存するので、センサーの感度の調整が容
易となる。さらに、差動増幅回路において、光電変換手
段からの電荷を電圧変化に変換しているため、各光電変
換手段固有の接合容量の偏差あるいは個々の配線容量の
偏差に起因するセンサー出力への影響が抑制される。
【0014】このような光センサーを複数用いることに
より、ファクシミリなどに用いられる線型性に優れた光
センサー装置を構成することが可能となる。そして、光
センサーからの光出力電位が順次入力されるバッファ回
路においては、この光出力電位がゲート電極に印加され
る出力用FETを採用することにより、ソースフォロワ
が構成される。
【0015】本発明に係る光センサー装置においては、
差動増幅器固有のオフセット電位の影響を排除すること
により、より高精度の情報を得ることができる。このた
めには、各光センサーの出力側に伝達容量を挿入しても
良いが、光センサーからの光出力電位の順次入力される
バッファ回路に伝達容量を設置することにより、装置の
簡略化が図られる。さらに、この伝達容量を各光センサ
ーの光出力電位の初期化に先立って初期化しておくこと
により、各光センサーの光出力電位を初期化する電位変
動を伝達することが可能となる。このため、光センサー
からは光量が少ないときに高レベルの光出力電位が出力
されるが、この伝達容量によりこの極性が変換され、光
量が多いときに高レベルの電位となる伝達電位が出力さ
れる。従って、この伝達容量を用いることにより、本発
明に係る光センサー装置からの出力がさらに高精度なも
のとなると同時に、従来からの光センサー装置と同様の
特性で出力することが可能となる。特に、バッファ回路
が伝達電位がゲート電位に印加される出力用FETを備
え、伝達電位初期化手段が伝達電位を出力用FETの閾
値電位に初期化する閾値電位設定手段であることによ
り、伝達容量からの伝達電位を出力FETの閾値電位に
初期設定できるため、閾値電位を除去したFET出力を
得ることができ、その分、高照度域が飽和し難くなり、
ダイナミックレンジを広くすることができる
【0016】また、作動増幅器の負荷を低減するため
に、出力用FETをソースフォロワとして採用する場合
は、出力用FETの出力端の電位を各光センサーからの
出力を伝達した後にリセットすることにより、他の光セ
ンサーからの出力との混同が避けられる。そして、この
リセットの際に、出力用FETに印加される光出力電位
あるいは伝達電位を貫通電流が流れない閾値以下として
も良いが、出力用FETの出力端に、リセット時の貫通
電流を防止するスイッチ手段を設置することにより、出
力用FETに印加される電流経路を再充電する時間を短
縮することが可能となるので、高速動作が可能となる。
【0017】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の実施例を説
明する。
【0018】図1に、本発明の実施例に係る光センサー
装置の回路構成を示してある。本例のセンサー装置は、
n個の光センサー10.1〜10.nで構成されてお
り、個々の光センサー10は、フォトダイオード1、こ
のフォトダイオード1の出力が反転入力に入力され、基
準電圧Vrefが非反転入力に入力されるオペアンプ
2、オペアンプ2と並列に接続され、フォトダイオード
1の出力とオペアンプ2の出力を接続する積分容量3並
びにリセットスイッチ6、およびオペアンプ2の出力に
接続されたコンデンサー4並びに出力スイッチ5により
構成されている。これらの光センサー10.1〜10.
nは並列に接続されており、各センサーの出力スイッチ
5.1〜5.nは、各センサーからの出力をリセットす
るリセットスイッチ7を経て、バッファ回路11のソー
スフォロワとして用いられているnチャンネルMOS8
のゲート8Gに接続されている。そして、このソースフ
ォロワの出力は、出力リセットスイッチ9を経て外部回
路12に接続されている。本例の各スイッチ5.1〜
n、6.1〜n、7、および9は、走査回路13の信号
により駆動される。
【0019】図2に、この光センサー装置の動作を説明
するタイミングチャートを示してある。本例の装置にお
いては、ソースフォロワ8のゲート入力8Gに接続され
たリセットスイッチ7と、ソースフォロワ8の出力8O
に接続されたリセットスイッチ9の他端はそれぞれ接地
されており、これらのスイッチ7、9は時間間隔T0で
オン・オフを繰り返す。これらのスイッチ7、9がオフ
状態のときは、各センサーからの出力がゲート8Gに印
加され、これに基づいた電位が出力8Oから外部回路に
出力される。なお、オン・オフを繰り返す時間が等しい
場合に限らず、各時間間隔を適宜設定しても勿論良い。
【0020】また、センサー10の出力スイッチ5は、
時間T0間だけオンとなり、この動作を時間間隔T1を
1サイクルとして繰り返す。出力スイッチ5がオンとな
っているときに、センサーの出力がソースフォロワ8に
供給される。従って、各センサーの出力スイッチ5.1
〜5.nは各々時間2×T0づつ遅れてオン・オフを行
う。すなわち、センサー10.1の出力スイッチ5.1
がオンした2×T0時間後に、センサー10.2の出力
スイッチ5.2がオンとなる。
【0021】センサー10のリセットスイッチ6は、時
間T2間オンとなり、この動作を出力スイッチ5と同様
に、時間T1を1サイクルとして繰り返す。各センサー
10.1〜nのリセットスイッチ6.1〜nの動作のタ
イミングは、上記にて説明した出力スイッチ5.1〜n
と同様である。
【0022】このような動作を繰り返す本例の各センサ
ーの状態は、先ず、時刻t1にオンとなったリセットス
イッチ6.1により、オペアンプ2.1の入力と出力が
短絡されて、入力電位Vinは、オペアンプ2の出力電
位Voutと同値となり、非反転入力に入力されている
基準電位Vrefにリセットされる。すなわち、このオ
ペアンプ2の入出力の各電位について以下の関係が成立
する。
【0023】 Vin = Vout ・・・(1) Vout=A(Vref−Vin) ・・・(2) (1)および(2)式より Vin =Vref(1/(1+1/A)) ・・・(3) ここで、Aはオペアンプ2の増幅率であり、増幅率Aが
1より非常に大きい場合は、VinおよびVoutはV
refに初期設定される。
【0024】時刻t2に、リセットスイッチ6.1がオ
フとなると、オペアンプ2.1において蓄積動作が開始
される。すなわち、フォトダイオード1.1が光を検知
すると、電荷が発生するため、この電荷が積分容量3.
1に蓄積される。従って、VinとVoutとにΔVの
電位差が生ずる。この状態は、出力スイッチが時刻t3
においてオンするまでの時間Tstの間継続し、この間
フォトダイオード1.1より光量に応じて電流Ipが流
れたとすると、ΔVは以下の式で表される。
【0025】 ΔV=Vin−Vout=Ip×Tst/C ・・・(4) ここで、Cは積分容量3.1の容量値である。この状態
におけるVinおよびVoutは、(2)および(4)
式より以下の通り表される。
【0026】 Vout=(Vref−ΔV)/(1+1/A) ・・・(5) Vin =Vref−(Vref−ΔV)/(A+1)・・(6) ここで、増幅率Aが1より非常に大きい場合は、 Vout = Vref−ΔV ・・・(7) Vin = Vref ・・・(8) となる。すなわち、フォトダイオード1.1よりの光量
に応じた電流Ipにより、オペアンプの出力電位Vou
tは、Ip×Tst/Cだけ降下し、入力電位Vin
は、Vrefに保たれることが判る。
【0027】時刻t3に出力スイッチ5.1がオンとな
ると、オペアンプ2.1から上記の出力電位Voutが
出力される。このように、オペアンプ2.1からは、光
量に応じた電流Ipの電圧変換された電位が出力され、
この電位Voutがソースフォロワ8のゲート8Gに印
加される。この際、リセットスイッチ7および9はオフ
となっている。バッファ回路11は、オペアンプ2の負
荷を低減するためのものであり、ソースフォロワとし
て、nチャンネル型のFETが用いられている。
【0028】この回路11においては、ゲート電位に出
力8Oであるソース電位が追従するため、ゲート8Gに
印加される各光センサー10.1〜nの出力に応じた電
位が出力される。図2にはソースフォロワの出力8Oの
例として、容量が負荷の場合の出力波形を示してある。
なお、各センサー10.1〜nの出力には、オペアンプ
2.1〜nの負荷を低減するために、ソースフォロワ8
のゲート容量に対応する容量4.1〜nが接続されてお
り、その他端は接地されている。
【0029】時刻t4において、リセットスイッチ7お
よび9がオンとなり、出力スイッチ5.1がオフとな
る。このため、ソースフォロワのゲート電位およびソー
ス電位は接地電位にリセットされる。次いで、時刻t
1’において、光センサー10.1ではリセットスイッ
チ6.1がオンとなり、新たなサイクルが開始される。
一方、次の光センサー10.2においては、出力スイッ
チ5.2がオンとなり、ソースフォロワ8の各リセット
スイッチ7、9がオフとなっているので、光センサー1
0.2の出力がゲート8Gに印加され、センサー10.
2の検知した光量に比例する電位が出力される。
【0030】図3に本装置の光電変換特性を示してあ
る。本例の装置においては、光量が0のときは電流Ip
は0であるので、この時の電位V0はVrefからソー
スフォロアでの電圧降下分Vthを引いた値となる。光
量が増加すると、電流Ipが増加するので、本例の光セ
ンサーからの出力電位は光量と比例して減少する。そし
て、オペアンプの正常動作の範囲から決定される下限値
L に到るまで光量に応じた線形性が確保される。この
ように、本例の光センサーにおいては、従来のフォトト
ランジスタを用いた光センサーでは、線形性を確保する
ことが困難であった弱い光量の領域であっても線形性が
確保できる。また、光量の少ない領域においても応答時
間に差はなく、短い読み取り時間で作動できる。さら
に、一般に、電位V0と下限値VL の差は2V程度であ
るため、十分なダイナミックレンジを確保することがで
きる。
【0031】図4に、本発明の光センサーの光電変換特
性を変化させたようすを示してある。本発明のセンサー
の出力電位は、積分容量に反比例するので、積分容量の
値を変化させることにより、センサーの感度の調整を容
易に行うことができる。このため、用途の応じた感度の
光センサー装置を安価に提供することができる。
【0032】さらに、フォトダイオードからの光電流を
積分容量に蓄積した後、オペアンプから出力電圧として
出力するため、フォトダイオードの接合容量のばらつ
き、あるいはダイオードからオペアンプに至るまでの配
線容量のばらつきなどに起因する個々の光センサーの特
性に出力側が影響されない。また、フォトダイオードに
印加されている電位は一定に保たれているので、光によ
り発生した電流は、全て積分容量に蓄えられる。従っ
て、出力として常にフォトダイオードの光電流に比例し
た電位差が得られるので、読み取り装置の読み取り位置
による感度のばらつきなどの不具合を抑制することがで
きる。
【0033】図5に、本例の光センサーに用いられてい
るオペアンプをCMOSを用いて構成した1例を示して
ある。図5に示している回路は、CMOSを用いたコン
パレータであって、電源電位VDDと接地電位との間に、
電流ミラー回路を構成するようにpチャンネルMOS1
10、111およびnチャンネルMOS112、113
を並列に設置するようにしている。この両者が接続され
た後に、nチャンネルMOS114を設置して電位V
LMT を入力して定電流源としている。そして、nチャン
ネルMOS112および113のゲートには、それぞれ
入力電位Vinおよび基準電位Vrefを印加し、出力
電位VoutをpチャンネルMOS110とnチャンネ
ルMOS112との間から取るようにしている。
【0034】図6に上記のコンパレータの入出力特性を
示してある。本例の光センサー装置においては、蓄積時
間Tstが0.1m秒〜10秒程度の積分回路として使
用するため、バイポーラ素子を用いた高速のオペアンプ
である必要はなく、上述したような回路構成のコンパレ
ータで十分な特性を得ることが可能である。従って、本
例のセンサー装置を安価に製造することが可能である。
【0035】上記のオペアンプに加え、リセットスイッ
チ等も全てMOSトランジスタで構成することが可能で
あり、フォトダイオードも含め、本例の光センサー装置
を1つの半導体基板上に構成することができる。このた
め、従来のフォトトランジスタを用いた光センサーと同
様に各種装置に組み込むことが可能である。
【0036】〔実施例2〕図7に、本実施例に係る光セ
ンサー装置の回路構成を示してある。本例のセンサー装
置も、n個のフォトダイオード1からなる光センサー1
0.1〜10.nで構成されている。個々の光センサー
10においても、実施例1と同様に、フォトダイオード
1、このフォトダイオード1の出力が入力されるオペア
ンプ2、さらにオペアンプ2と並列に接続された積分容
量3並びにリセットスイッチ6等から構成されている。
これらの構成の内、実施例1と共通する部分において
は、同じ符号を付し、説明を省略する。本例の光センサ
ー装置は、各光センサー10.1〜10.nの出力が順
次入力されるバッファ回路11において、各光センサー
からの出力が導入される部分に伝達用の伝達容量30が
挿入されている。すなわち、各センサー10.1〜1
0.nからの出力電位は、各センサーの出力スイッチ
5.1〜5.nにより選択され、伝達容量30の入力側
30aに印加される。
【0037】この結果伝達容量30の出力側30bに現
れた伝達電位が、バッファ回路11のソースフォロワと
して用いられているnチャンネルMOS8のゲート8G
に印加されるようになっている。さらに、出力側30b
とゲート8Gとの間には、出力側30bの電位を初期化
するリセットスイッチ7の一端が接続されている。そし
て、このリセットスイッチ7の他端には、ソースフォロ
ワであるMOS8と同様の構成のnチャンネルMOS3
1が接続されている。さらに、このMOS31のゲート
電極31gとドレイン31dが短絡されているので、リ
セットスイッチ7により、出力側30bの電位は、MO
S31の閾値電位Vth、すなわち、ソースフォロワ8
の閾値電位Vthに設定されるようになっている。
【0038】実施例1において説明したように、フォト
ダイオード1、オペアンプ2、積分容量3並びにリセッ
トスイッチ6を用いた光センサー10を採用することに
より、線型性の確保された、感度の良い光センサー装置
を実現することができる。このオペアンプ2には、個々
に微小なオフセット電位を有していることが一般的であ
る。従って、光量の少ない領域において、これらの微小
なオフセット電位により、個々の光センサーからの出力
電位のばらつきことがある。このため、高品位で高精度
な画像データを得るためには、このオフセット電位の影
響を除去することが望ましい。すなわち、図9に示すよ
うに、個々のオペアンプ特有のオフセット電位Vofに
より、オペアンプの非反転入力に基準電位Vrefを入
力しても、光センサーのリセットされた初期電位Vin
tは以下のようになる。
【0039】 Vint = Vref+Vof ・・・(11) 従って、式(7)に示した光センサーからの出力電位V
outは、 Vout = Vref+Vof−ΔV ・・・(12) となり、Vofだけシフトした電位が出力される。この
Vofは微小であるが、個々のオペアンプに固有のもの
であり、個々の光センサーからの出力のばらつきとして
現れるのである。従って、このオフセット電位Vofを
除去することにより、微小な光量領域まで線型性の確保
され、さらに高精度の光センサー装置を実現することが
できるのである。
【0040】このため、本装置においては、バッファ回
路11に伝達容量30を挿入し、この伝達容量30を用
いて各光センサー10.1〜10.nのオフセット電位
Vof.1〜Vof.nがキャンセルできるようにして
いる。さらに、本装置においては、各光センサー10.
1〜10.nの初期化時の電位変動を伝達容量30を介
して得ることにより、光量を比例した電位をバッファ回
路11から外部回路に出力できるようにしている。この
ため、本例の装置は、従来の光センサー装置と同様に、
光量が大きいときに電位の高い信号を出力できるので、
より使いやすい装置となっている。
【0041】次に、図8のタイミングチャートに基づ
き、本装置の各部の動作を説明する。
【0042】本例の装置においても、実施例1と同様に
スイッチ7、9は時間間隔T0のパルスによりオン・オ
フを繰り返す。従って、これらのスイッチ7、9がオフ
状態のときは、各センサーからの出力が伝達容量30を
介してゲート8Gに印加され、これに基づいた電位が出
力8Oから外部回路に出力される。なお、オン・オフを
繰り返す時間が等しい場合に限らず、各時間間隔を適宜
設定しても良いことは実施例1と同様である。また、各
光センサーの出力スイッチ5およびリセットスイッチ6
が時間T1を周期として駆動されることも実施例1と同
様である。本装置においては、光センサー10.1〜1
0.nの初期化時の電位変化をバッファ回路11に伝達
するため、先ず、出力スイッチ5がオンとなる。そし
て、伝達容量30の入力側30aの電位を各光センサー
10.1〜10.nにおいて光量が電圧変換された値に
初期設定する。そして、時間T0後、出力スイッチ5を
オン状態に保持したままリセットスイッチ6を時間T0
間オンとし、光センサーの出力電位を初期設定する。こ
れと同時に、伝達容量の入力側30aの電位が光量の電
圧変換分だけ上昇する。その後、すなわち、出力スイッ
チ5がオンしてから時間T0×2経過した後に出力スイ
ッチ5をオフとし、光センサーは光量の測定を再開し、
バッファ回路には次の光センサーを接続する。
【0043】これらの動作を時刻を追って説明する。時
刻t11において、出力スイッチ5.1がオンすること
により、光センサー10.1が選択される。この時刻t
11において、光センサー10.1の出力電位Vou
t.1は(12)式より以下の通りとなる。
【0044】 Vout.1= Vref+Vof.1−ΔV1 ・・・(13) ここでVof.1は、光センサー10.1固有のオフセ
ット電位であり、ΔV1は、式(4)に示す光センサー
10.1の感知した光量が電位変換された値である。そ
して、出力スイッチ5.1がオンとなっているので、伝
達容量30の入力側30aの電位は、Vout.1に設
定される。一方、伝達容量30の出力側30bの電位
は、リセットスイッチ7がオンとなっているので、MO
S31を介してソースフォロワ8の閾値電位Vthに設
定される。
【0045】次に、時刻t12において、光センサー1
0.1のリセットスイッチ6.1がオンとなると、オペ
アンプ2.1の出力は基準電位に初期設定される。この
際、上述したように、オペアンプ毎にオフセット電位が
存在するので、オペアンプ2.1の出力、すなわち、光
センサー10.1の出力は、 Vout.1’= Vref+Vof.1 ・・・(14) にリセットされる。これと同時に、伝達容量の入力側3
0aもVout.1’に設定される。従って、入力側3
0aの電位は、式(13)および(14)から判るよう
に、ΔV1上昇する。一方、出力側30bの電位Vtr
はリセットスイッチ7がオープンとなっているので、入
力側30aの電位変動に呼応して Vtr = Vth+ΔV1 ・・・(15) となる。このように、本装置の伝達容量30から出力さ
れる電位変動Vtrは、各光センサーのオフセット電位
に影響されない。また、この電位変動Vtrが印加され
るソースフォロワ8においては、時刻t11においてV
trが閾値Vthであるため出力電位は0である。ま
た、時刻t12においてVth+ΔV1がゲート電極に
印加されるので、このソースフォロワ8からはΔV1だ
け上昇した電位が出力される。従って、本装置の出力
は、光量が多いときに高い電位が出力されるようになっ
ており、従来用いられている光センサー装置と同様の、
一般的な極性を持った出力特性であるので、ファクシミ
リなどに組み込み易くなっている。
【0046】さらに、時刻t13において、出力スイッ
チ5.1がオフとなり、出力スイッチ5.2がオンとな
ると、実施例1において説明したように、光センサー1
0.1のオペアンプ2.1において光量に応じた蓄積動
作が開始される。また、バッファ回路11には、光セン
サー10.2の出力が印加され、伝達容量の入力側30
aは、以下に示す光センサー10.2の出力電位Vou
t.2に設定される。
【0047】 Vout.2= Vref+Vof.2−ΔV2 ・・・(16) そして、時刻t14において、光センサー10.2の出
力電位がリセットされると式(14)と同様に伝達容量
の入力側30aの電位も上昇し、 Vout.2’= Vref+Vof.2 ・・・(17) となる。従って、時刻t13において再度Vthにリセ
ットされている伝達容量の出力側30bの伝達電位Vt
hには、 Vtr = Vth+ΔV2 ・・・(18) が現れる。これによりソースフォロワ8からはΔV2が
出力される。
【0048】本装置においては各光センサー10.1〜
10.nに対して時間T1を1周期としてこれらの動作
を繰り返し、連続的な画像データの入力を可能としてい
る。
【0049】すなわち、時刻t11から時間T1後のt
11’において光センサー10.1の出力スイッチ5.
1が再度オンとなり、時刻t13から蓄積された光量が
電位に変換されてバッファ回路11に伝達される。時刻
t12、t13、t14からT0時間後の時刻t1
2’、t13’、t14’においても、それぞれ時刻t
12、t13、t14における動作が繰り返される。
【0050】このように、本例の装置においては、バッ
ファ回路に伝達容量を挿入することにより、各光センサ
ーの出力からオフセット電位の影響を削除した電位変動
を抽出することができる。従って、各光センサーに用い
られているオペアンプ固有の微小なオフセット電位の影
響をも除去することが可能であり、微弱な光量に対して
もばらつきを防止し、その光量に則した電位変動を出力
することが可能である。このように本例の光センサー装
置においては、オフセット電位の影響がでやすい低光量
域においても、線型性が維持され、さらに、ばらつきも
ない高精度の画像データを出力することができる。ま
た、出力信号として、従来の装置と同様に光量の大きな
場合に高レベルとなる信号が出力できるので、互換性に
富、使い易い装置が実現できる。
【0051】〔実施例3〕図10に、本実施例に係る光
センサー装置の回路構成を示してある。本例のセンサー
装置も、n個のフォトダイオード1からなる光センサー
10.1〜10.nで構成されている。個々の光センサ
ー10においても、実施例1と同様に、フォトダイオー
ド1、このフォトダイオード1の出力が入力されるオペ
アンプ2、さらにオペアンプ2と並列に接続された積分
容量3並びにリセットスイッチ6等から構成されてい
る。これらの構成の内、実施例1と共通する部分におい
ては、同じ符号を付し、説明を省略する。本例の光セン
サー装置は、短時間読出を可能とするための、各光セン
サー10.1〜10.nの出力をインピーダンス変換し
て出力するソースフォロワ8において、そのゲート電極
8Gに設置されていたリセットスイッチ7を省略するこ
とにより、さらに高速の出力を可能とする光センサー装
置である。
【0052】ソースフォロワ8の出力側は、次の光セン
サーに対応する出力との混同などが発生することを防止
するため、各光センサー10.1〜10.nからの出力
を伝達した後にリセットスイッチ9により低電位にリセ
ットされる。この際、ソースフォロワ8に印加されてい
る光センサーからの出力電位が、ソースフォロワ8であ
るMOSFETの閾値電位を越えている場合は、リセッ
トスイッチ9を通って大量の貫通電流が流れることとな
り、消費電流の点から大きな問題となる。従って、ソー
スフォロワ8の出力側のリセットスイッチ9をオンする
と同じタイミングで、光センサー出力側、すなわち、ソ
ースフォロワ8のゲート電位をリセットスイッチ7をオ
ンすることにより、低電位とし、この貫通電流を防止し
ている。
【0053】そして、リセットスイッチ7および9がオ
ンとなっている間は、光センサー10.1〜10.nの
出力スイッチ5.1〜5.nをオフとしているため、共
通線41およびゲート電極8Gの電位は0Vまで低下す
る。その結果、各光センサー10.1〜10.nのオペ
アンプ2.1〜2.nは、出力スイッチ5.1〜5.n
からソースフォロワ8のゲート電極8Gまでの共通線4
1をその都度充電する必要が生ずる。この共通線41の
配線容量は、1pF程度の値を持ち、また、各光センサ
ー10.1〜10.nからの出力電位は0V→2〜3V
と大きい。このため、光センサー装置に含まれる光セン
サー10の数が大きくなると、その充電時間が無視でき
なくなる。
【0054】図13に、実施例1に示した光センサー装
置におけるソースフォロワ8のゲート電位Vgの変化
と、ソースフォロワ8の出力側の電位変化Voの時間様
子をシミュレートした結果を示してある。このシミュレ
ーションにおいては、共通線41の容量を1pF、オペ
アンプの各トランジスタサイズを数μm程度で構成し、
クロック周波数は500KHzとしている。本図にて判
るように、リセットスイッチ9がオンとなる毎に、ゲー
ト電位Vgが0Vまで落ち込むため、ソースフォロワ8
の出力電位Voの立ち上がりはシャープにならず、ま
た、なかなか安定しない。
【0055】そこで、本実施例においては、ソースフォ
ロワ8の出力電位Voの立ち上がりを速くし、高速動作
を可能とするために、ゲート電極8G側のリセットスイ
ッチを省き、ゲート電位Vgの落ち込みを防止するよう
にしている。一方、ソースフォロワ8の出力側のリセッ
ト時に貫通電流が流れることを防止するため、ソースフ
ォロワ8の出力端8Oに遮断スイッチ40を設置してい
る。そして、ソースフォロワ8の出力側をリセットする
リセットスイッチ9がオンとなった時に、遮断スイッチ
40をオフとして貫通電流を防止している。
【0056】図11に示す本実施例のタイミングチャー
トに基づき、本装置の動作を説明する。なお、各光セン
サー10.1〜10.nの動作およびオペアンプの出力
は実施例1と同様につき説明を省略する。先ず、時刻t
21に、出力スイッチ5.1がオンすると、共通線41
の電位、すなわち、ソースフォロワ8の入力8Gの電位
は、オペアンプ2.1の出力電位と等しくなり、ソース
フォロワ8のゲート電位として基準電位VrefからΔ
V1だけ低い値が設定される。これと同時に、ソースフ
ォロワ8の出力側はリセットスイッチ9がオンとなりリ
セットされる。
【0057】しかし、ソースフォロワ8の出力端に設置
されている遮断スイッチ40がオフとなっているので、
貫通電流は流れない。次に時刻t22において、リセッ
トスイッチ9がオフとなり、遮断スイッチ40がオンと
なると、ソースフォロワ80の出力側に、その時のゲー
ト電位、すなわち、ΔV1に対応する出力電圧が現れ
る。この際、図2に示す実施例1と異なり、ソースフォ
ロワ8のゲート電極8Gは、すでに時刻t21からオペ
アンプ2.1の出力と接続されているので、時刻t22
においては、ソースフォロワ8の入力電位はオペアンプ
2.1の出力電位と略同電位となっている。従って、共
通線41およびゲート電極8Gを充電するための時間遅
れはなく、ソースフォロワ8からの出力電位の立ち上が
りはシャープとなる。このため、本装置の動作速度の向
上を図ることができる。
【0058】次に、時刻t23において、出力スイッチ
5.1、およびスイッチ10がオフとなり、光センサー
10.1のリセットスイッチ6.1、光センサー10.
2の出力スイッチ5.2およびリセットスイッチ9がオ
ンとなる。従って、共通線41およびソースフォロワ8
のゲート電極8Gにはオペアンプ2.2の出力ΔV2が
印加される。そして、ソースフォロワ8の出力側はリセ
ットされるが、遮断スイッチ10がオフとなっているの
で貫通電流は流れない。このように、本実施例において
は、実施例1と異なり、共通線41およびゲート電極8
Gにオペアンプ2.1の出力電位ΔV1からオペアンプ
2.2の出力電位ΔV2が直接印加される。従って、一
端0Vに下がった後、オペアンプ2.2の出力電位ΔV
2が印加される実施例1の装置と比較し、電位の変化量
も小さく、ソースフォロワ8のゲート電位も即座に追従
可能となっている。さらに、充電量が少ないため、オペ
アンプ2.2の消費電力も小さくて良い。
【0059】次に、時刻t24において、スイッチ9が
オフとなり、遮断スイッチ10がオンとなるので、ソー
スフォロワの出力側にオペアンプ2.2の出力電位ΔV
2に対応した出力電圧が現れる。なお、光センサー1
0.1は、実施例1と同様に、リセットスイッチ6.1
が時刻t25にオフとなるので、リセットが完了し、再
び積分動作を開始する。
【0060】図12に、本実施例におけるソースフォロ
ワ8のゲート電位Vgの変化と、ソースフォロワ8の出
力側の電位変化Voの時間変化の様子をシミュレートし
た結果を示してある。このシミュレーションにおいて
は、先に示したシミュレーション結果と同様に、共通線
41の容量を1pF、オペアンプの各トランジスタサイ
ズを数μm程度で構成し、クロック周波数は500KH
zとしている。本図にて判るように、図13に示したシ
ミュレーションの結果と異なり、ゲート電位Vgが0V
まで落ち込まず、リセットスイッチ9がオフとなった時
に、既に所定の電位となっているため、出力電位Voの
立ち上がりはシャープであり、良好な出力波形が得られ
ている。
【0061】このように、本実施例においては、ソース
フォロワの出力端に遮断スイッチを設けることにより、
ソースフォロワのリセット時の貫通電流を防止してい
る。従って、ソースフォロワのゲート電位が各センサー
の出力後に毎回0Vにリセットされることがなく、ゲー
ト電位を各センサーの出力電位に短時間に設定すること
ができる。さらに、ソースフォロワをリセットしている
時間、すなわち、ソースフォロワの出力側のリセットス
イッチがオンとなっている間に、次の光センサーの出力
電位をソースフォロワのゲート電位として印加すること
が可能となる。従って、ソースフォロワの出力側のリセ
ットが完了し、各光センサーに対応した出力電位を出力
する際には、すでに、ソースフォロワのゲート電位に、
選択された光センサーの出力電位を確立させることがで
きる。このため、ソースフォロワのリセットが完了して
から各光センサーの出力電位が印加される実施例1の装
置と比較し、ソースフォロワからの出力信号の立ち上が
りを良くすること可能となる。このように、本実施例に
おいては、ソースフォロワからの出力波形が、立ち上が
りがシャープで、短時間に各光センサーの出力電位に対
応した値に安定することから、さらに高速動作の可能な
光センサー装置を実現することができ、多数の光センサ
ーを用いた光センサー装置であっても、動作の早い装置
を実現することが可能となる。
【0062】なお、本例および実施例1においては、フ
ォトダイオードを用いているが、pinフォトダイオー
ドあるいはアバランシェフォトダイオードなどの種々の
フォトダイオードを用いて装置を構成することが可能で
ある。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る光セ
ンサー装置は、低照度領域においても線形性確保する
ことができると共に、バッファ回路が伝達電位がゲート
電位に印加される出力用FETを備え、伝達電位初期化
手段が伝達電位を出力用FETの閾値電位に初期化する
閾値電位設定手段であることにより、伝達容量からの伝
達電位を出力FETの閾値電位に初期設定できるため、
閾値電位を除去したFET出力を得ることができ、その
分、高照度域が飽和し難くなり、ダイナミックレンジを
広くすることができる
【0064】
【0065】
【0066】さらに、バッファ回路を構成する出力用F
ETの出力端に、出力用FETの出力側をリセットする
際の貫通電流を防止する遮断スイッチを設置することに
より、出力用FETの入力側のリセットを省略とするこ
とができる。このため、各光センサーの光出力電位を、
出力用FETの出力状態に先立って出力用FETのゲー
ト電位として確立することが可能となる。これにより、
出力用FETからの出力信号の立ち上がりをシャープと
し、高速動作の可能な光センサー装置を実現することが
できる。
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る光センサー装置の回路
構成を示す回路図である。
【図2】図1に示す光センサー装置の動作を示すタイミ
ングチャートである。
【図3】図1に示す光センサーの光電変換特性を示すグ
ラフ図である。
【図4】図1に示す光センサーの光電変換特性の変化を
説明するグラフ図である。
【図5】図1に示す光センサーに用いられているオペア
ンプの回路構成を示す回路図である。
【図6】図5に示すオペアンプの作動特性を示すグラフ
図である。
【図7】本発明の実施例2に係る光センサー装置の回路
構成を示す回路図である。
【図8】図7に示す光センサー装置の動作を示すタイミ
ングチャートである。
【図9】図1に示す光センサーの光電変換特性を説明す
るグラフ図である。
【図10】本発明の実施例3に係る光センサー装置の回
路構成を示す回路図である。
【図11】図10に示す光センサー装置の動作を示すタ
イミングチャートである。
【図12】図10に示す光センサー装置におけるバッフ
ァ回路の入力電位と出力電位の時間変動をシミュレーシ
ョンした結果を示すグラフ図である。
【図13】実施例1に示す光センサー装置におけるバッ
ファ回路の入力電位と出力電位の時間変動をシミュレー
ションした結果を示すグラフ図である。
【図14】従来のフォトトランジスタを用いた光センサ
ー装置の回路構成を示す回路図である。
【図15】図14に示すフォトトランジスタの作動特性
を示すグラフ図である。
【図16】図14に示す光センサーの光電変換特性を示
すグラフ図である。
【符号の説明】
1.1〜1.n ・・・ フォトダイオード 2.1〜2.n ・・・ オペアンプ 3.1〜3.n ・・・ 積分容量 4.1〜4.n ・・・ コンデンサー 5.1〜5.n ・・・ 出力スイッチ 6.1〜6.n ・・・ リセットスイッチ 7 ・・・ リセットスイッチ 8 ・・・ nチャンネルMOS 8G・・・ MOSのゲート入力 8O・・・ MOSの出力 9 ・・・ リセットスイッチ 10.1〜10.n ・・・ 光センサー 11 ・・・ バッファ回路 12 ・・・ 外部回路 13 ・・・ 走査回路 20.1〜20.n ・・・ フォトダイオード 21.1〜21.n ・・・ スイッチ 22.1〜22.n ・・・ ベースコレクタ間容量 24 ・・・ リセットスイッチ 25 ・・・ 走査回路からの信号 30 ・・・ 伝達容量 31 ・・・ リセット用FET 40 ・・・ 遮断スイッチ 41 ・・・ 共通線 110,111 ・・・ pチャンネルMOS 112,113,114 ・・・ nチャンネルMOS Vin ・・・ オペアンプの入力電位 Vout・・・ オペアンプの出力電位 Vref・・・ 基準電位 Vof ・・・ オフセット電位 V0 ・・・ オペアンプの初期電位 VL ・・・ オペアンプの作動下限値 T0,T1,T2 ・・・ 時間間隔 Tst ・・・ 蓄積時間 t1,t2,t3,t4・・・時刻 t11,t12,t13,t14・・・時刻
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−231537(JP,A) 特開 昭55−112533(JP,A) 特開 平1−165923(JP,A) 特開 昭56−158924(JP,A) 特開 平2−108781(JP,A) IEEE Transactions on Nuclear Scienc e,Vol.36,No.1,p.522− 527(1989年2月) Nuclear Instrumen ts and Methods in Physics Research, 226,p.200−203(1984年) MOSリニアイメージセンサ 1990年 (6月)カタログにおける「MOSリニ アイメージセンサ用駆動回路 C4070」 (浜松ホトニクス株式会社発行) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 1/44 G01J 1/46 H04N 1/028 H04N 5/335

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の光センサーと、これらの光センサ
    ーからの光出力電位が順次入力されるバッファ回路とを
    備え、前記光センサーは、光量に応じて電荷を発生する
    光電変換手段と、この電荷が一定時間蓄積された電位変
    動を前記光出力電位として出力する積分手段と、この光
    出力電位を初期化する電位設定手段とを有、前記積分
    手段は、前記光電変換手段の出力を入力として所定の基
    準電圧に対し作動する差動増幅回路と、この差動増幅回
    路の入出力間に並列に接続された積分容量とを有し、前
    記バッファ回路は、前記光出力電位が入力される伝達容
    量と、この伝達容量の出力に生ずる伝達電位を初期化す
    る伝達電位初期化手段とを有して成る光センサー装置に
    おいて、 前記バッファ回路は、前記伝達電位がゲート電位に印加
    される出力用FETを備えており、前記伝達電位初期化
    手段は、前記伝達電位を前記出力用FETの閾値電位に
    初期化する閾値電位設定手段であることを特徴とする光
    センサー装置
  2. 【請求項2】 請求項において、前記伝達電位初期化
    手段は、前記光出力電位の初期化時に先立って前記伝達
    電位を初期化することを特徴とする光センサー装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記閾値電
    位設定手段は、前記出力用FETと同じ構成の電位設定
    用FETであり、この電位設定用FETのドレインがゲ
    ート電極と短絡されていることを特徴とする光センサー
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記出力用FETの出力側の電位を初期化する出力電位
    リセット手段を有することを特徴とする光センサー装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項において、前記出力用FETの
    出力端に、前記出力電位リセット手段の動作中の貫通電
    流を遮断するスイッチ手段が設置されていることを特徴
    とする光センサー装置。
  6. 【請求項6】 複数の光センサーと、これらの光センサ
    ーからの光出力電位が順次入力されるバッファ回路とを
    備え、前記光センサーは、光量に応じて電荷を発生する
    光電変換手段と、この電荷が一定時間蓄積された電位変
    動を前記光出力電位として出力する積分手段と、この光
    出力電位を初期化する電位設定手段と を有し、前記積分
    手段は、前記光電変換手段の出力を入力として所定の基
    準電圧に対し作動する差動増幅回路と、この差動増幅回
    路の入出力間に並列に接続された積分容量とを有し、前
    記バッファ回路は、前記光出力電位がゲート電極に印加
    される出力用FETを備えて成る光センサー装置におい
    て、 前記出力用FETの出力側の電位を初期化する出力電位
    リセット手段を有することを特徴とする光センサー装
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