JP3111530B2 - 二酸化炭素変換方法 - Google Patents
二酸化炭素変換方法Info
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- Y02C—CAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
- Y02C20/00—Capture or disposal of greenhouse gases
- Y02C20/40—Capture or disposal of greenhouse gases of CO2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/151—Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions, e.g. CO2
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- Catalysts (AREA)
- Treating Waste Gases (AREA)
- Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】近年、地球環境保護の観点から、
二酸化炭素の除去・変換技術の重要性が高まり、さまざ
まな観点から研究が実施されている。二酸化炭素自体に
は、大きな毒性はないが、地球温暖化ガスとして排出規
制が必要といわれている。二酸化炭素は、石炭、石油な
どの化石燃料を燃焼した場合に生成し、発電などの基本
的工業プロセスにより生成するが、現在二酸化炭素排出
量を低下させる試みが種々行われている。二酸化炭素の
排出規制を実施するためには、省エネを促進し生成絶対
量を抑制することでも可能であるが、この場合経済成長
に悪影響を及ぼす懸念があり、また完全に抑止すること
は不可能である。一方、生成した二酸化炭素を固化しま
たは液化した後、海中へ保存する方法も研究されてい
る。しかしながら、この方法では、二酸化炭素の海洋生
体系への影響が明らかではなく、さらに、保存した二酸
化炭素の再利用は困難であり、最適な方法とは言い難
い。
二酸化炭素の除去・変換技術の重要性が高まり、さまざ
まな観点から研究が実施されている。二酸化炭素自体に
は、大きな毒性はないが、地球温暖化ガスとして排出規
制が必要といわれている。二酸化炭素は、石炭、石油な
どの化石燃料を燃焼した場合に生成し、発電などの基本
的工業プロセスにより生成するが、現在二酸化炭素排出
量を低下させる試みが種々行われている。二酸化炭素の
排出規制を実施するためには、省エネを促進し生成絶対
量を抑制することでも可能であるが、この場合経済成長
に悪影響を及ぼす懸念があり、また完全に抑止すること
は不可能である。一方、生成した二酸化炭素を固化しま
たは液化した後、海中へ保存する方法も研究されてい
る。しかしながら、この方法では、二酸化炭素の海洋生
体系への影響が明らかではなく、さらに、保存した二酸
化炭素の再利用は困難であり、最適な方法とは言い難
い。
【0002】最近では、二酸化炭素を種々の化合物へ変
換する試みがなされている。しかしながら、二酸化炭素
は炭素化合物中もっとも安定な化合物であるため、他の
炭素化合物に変換するためにはエネルギーが必要である
ことは言うまでもない。例えば、電気化学的に二酸化炭
素を還元する方法が知られている。電極触媒としては、
ニッケル、鉄、コバルト等の金属触媒のほか、コバルト
テトラポルフィリン、サイクラム−Ni等の錯体、イソ
クエン酸脱水素酵素、リンゴ酸酵素等の触媒を担持した
電極触媒を用いる検討が種々なされている。しかしなが
ら、これらの方法では、二酸化炭素還元の過電圧が高
く、電流効率、反応選択性の点で問題が多い。そのた
め、還元に必要な電気エネルギーが比較的多量に必要と
され、電気エネルギー源を何に求めるかの問題が存在
し、環境問題の観点からはいまだ好ましい方法とは言え
ない。また、光電気化学的に二酸化炭素を還元する方法
が知られている。これは、p型アモルファス炭化けい
素、p型酸化銅等の光電極触媒を用いて二酸化炭素をア
ルコールなどへ変換する方法である。
換する試みがなされている。しかしながら、二酸化炭素
は炭素化合物中もっとも安定な化合物であるため、他の
炭素化合物に変換するためにはエネルギーが必要である
ことは言うまでもない。例えば、電気化学的に二酸化炭
素を還元する方法が知られている。電極触媒としては、
ニッケル、鉄、コバルト等の金属触媒のほか、コバルト
テトラポルフィリン、サイクラム−Ni等の錯体、イソ
クエン酸脱水素酵素、リンゴ酸酵素等の触媒を担持した
電極触媒を用いる検討が種々なされている。しかしなが
ら、これらの方法では、二酸化炭素還元の過電圧が高
く、電流効率、反応選択性の点で問題が多い。そのた
め、還元に必要な電気エネルギーが比較的多量に必要と
され、電気エネルギー源を何に求めるかの問題が存在
し、環境問題の観点からはいまだ好ましい方法とは言え
ない。また、光電気化学的に二酸化炭素を還元する方法
が知られている。これは、p型アモルファス炭化けい
素、p型酸化銅等の光電極触媒を用いて二酸化炭素をア
ルコールなどへ変換する方法である。
【0003】しかしながら、この方法では、照射する光
は紫外光であり、この光を得るために多量のエネルギー
を必要とする。さらに、上記の反応はいずれも電解液中
における反応であり、二酸化炭素濃度、電極面積に制限
があるため、反応速度に大きな制約を受ける。
は紫外光であり、この光を得るために多量のエネルギー
を必要とする。さらに、上記の反応はいずれも電解液中
における反応であり、二酸化炭素濃度、電極面積に制限
があるため、反応速度に大きな制約を受ける。
【0004】一方、東京工業大学の玉浦らは、酸素欠損
マグネタイトが二酸化炭素を炭素に還元することを見い
だし、また、岡山大学の伊永らは、ストロンチウムフェ
ライトが同様に二酸化炭素を選択的に炭素に還元するこ
とを見いだした。これらの反応は、250〜350℃と
いう比較的低温で生じ、反応生成物はすべて固体炭素と
いう特徴を持つ。比較的低温で反応が進むため、火力発
電所などの排熱が利用可能であり、二酸化炭素変換に余
分なエネルギーを必要としないことから、地球環境問題
の解決に好適な触媒と期待される。さらに、その反応速
度も高く、かつ、反応選択性はほぼ100%である。
マグネタイトが二酸化炭素を炭素に還元することを見い
だし、また、岡山大学の伊永らは、ストロンチウムフェ
ライトが同様に二酸化炭素を選択的に炭素に還元するこ
とを見いだした。これらの反応は、250〜350℃と
いう比較的低温で生じ、反応生成物はすべて固体炭素と
いう特徴を持つ。比較的低温で反応が進むため、火力発
電所などの排熱が利用可能であり、二酸化炭素変換に余
分なエネルギーを必要としないことから、地球環境問題
の解決に好適な触媒と期待される。さらに、その反応速
度も高く、かつ、反応選択性はほぼ100%である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
触媒を実際の排ガス中の二酸化炭素の変換反応に適用す
るためには、排ガスからの二酸化炭素の精製技術が必要
である。これは、上記触媒のもつ強い還元性を二酸化炭
素の還元に利用するものであるが、反応ガス中に酸素な
どの酸化性ガスが存在すれば、選択的に反応し二酸化炭
素の反応効率は格段に低下する。二酸化炭素の精製分離
方法は、二酸化炭素選択透過膜を用いて行う方法、圧力
変化により、二酸化炭素を吸着剤に吸・脱着して精製す
る圧力変動吸着方式などが知られている。しかしなが
ら、これらの精製方法を二酸化炭素の変換方法と組み合
わせ、排ガス中の二酸化炭素の変換に適用する試みは未
だなされていない。
触媒を実際の排ガス中の二酸化炭素の変換反応に適用す
るためには、排ガスからの二酸化炭素の精製技術が必要
である。これは、上記触媒のもつ強い還元性を二酸化炭
素の還元に利用するものであるが、反応ガス中に酸素な
どの酸化性ガスが存在すれば、選択的に反応し二酸化炭
素の反応効率は格段に低下する。二酸化炭素の精製分離
方法は、二酸化炭素選択透過膜を用いて行う方法、圧力
変化により、二酸化炭素を吸着剤に吸・脱着して精製す
る圧力変動吸着方式などが知られている。しかしなが
ら、これらの精製方法を二酸化炭素の変換方法と組み合
わせ、排ガス中の二酸化炭素の変換に適用する試みは未
だなされていない。
【0006】本発明は、上記要請に答えるべく、火力発
電所などから生成する排ガス中の二酸化炭素を効率的に
変換し、有効利用をはかる方法を提案することを目的と
する。
電所などから生成する排ガス中の二酸化炭素を効率的に
変換し、有効利用をはかる方法を提案することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、二酸化炭素含
有ガスから圧力変動吸着(以下PSAと略記する)方式
により二酸化炭素を精製し、次いで、該二酸化炭素を触
媒を用いて炭素に変換することによる二酸化炭素変換方
法を要旨とするものである。本発明が提供する二酸化炭
素変換方法を適用することにより、火力発電所などで精
製する排ガス中の二酸化炭素を余分なエネルギーをほと
んど必要とせず、効率的に変換することが可能となる。
有ガスから圧力変動吸着(以下PSAと略記する)方式
により二酸化炭素を精製し、次いで、該二酸化炭素を触
媒を用いて炭素に変換することによる二酸化炭素変換方
法を要旨とするものである。本発明が提供する二酸化炭
素変換方法を適用することにより、火力発電所などで精
製する排ガス中の二酸化炭素を余分なエネルギーをほと
んど必要とせず、効率的に変換することが可能となる。
【0008】以下本発明の二酸化炭素変換方法を図面を
基に説明する。( )内の数字は、図面中の数字に対応
する。
基に説明する。( )内の数字は、図面中の数字に対応
する。
【0009】本発明が適用可能な二酸化炭素含有ガスと
して、例えば火力発電所やセメント製造などで排出され
る二酸化炭素含有排ガスを挙げることができる。このよ
うな排ガスは、前もって水分含有量を0.1mg/リッ
トル以下、とくに0.03mg/リットル以下にまで低
下させておくのが望ましい。再生の際水分が脱着され
ず、吸着・脱着を繰り返すにつれ、吸着剤中の水分量が
増加して二酸化炭素吸着容量が低下するからである。該
二酸化炭素含有ガスは、加圧機(1)によって吸着圧力
以上に加圧して二酸化炭素用吸着剤を有する二酸化炭素
精製塔(2)に導入する。PSAに使用される二酸化炭
素用吸着剤としては、現在、種々のものが知られてお
り、これらのすべてが本発明に適用可能である。例え
ば、PSAに使用される二酸化炭素用吸着剤としては、
シリカゲル、活性炭および合成または天然のゼオライト
が知られている。二酸化炭素の有効吸着量の点からは、
合成ゼオライトが優れていると一般に言われている。合
成ゼオライトは、通常ナトリウムX型ゼオライトが使用
され、これは13Xとして商業的に知られている。
して、例えば火力発電所やセメント製造などで排出され
る二酸化炭素含有排ガスを挙げることができる。このよ
うな排ガスは、前もって水分含有量を0.1mg/リッ
トル以下、とくに0.03mg/リットル以下にまで低
下させておくのが望ましい。再生の際水分が脱着され
ず、吸着・脱着を繰り返すにつれ、吸着剤中の水分量が
増加して二酸化炭素吸着容量が低下するからである。該
二酸化炭素含有ガスは、加圧機(1)によって吸着圧力
以上に加圧して二酸化炭素用吸着剤を有する二酸化炭素
精製塔(2)に導入する。PSAに使用される二酸化炭
素用吸着剤としては、現在、種々のものが知られてお
り、これらのすべてが本発明に適用可能である。例え
ば、PSAに使用される二酸化炭素用吸着剤としては、
シリカゲル、活性炭および合成または天然のゼオライト
が知られている。二酸化炭素の有効吸着量の点からは、
合成ゼオライトが優れていると一般に言われている。合
成ゼオライトは、通常ナトリウムX型ゼオライトが使用
され、これは13Xとして商業的に知られている。
【0010】吸着剤として合成ゼオライトを使用する場
合、吸着時の圧力は1〜50気圧とし、脱着時の圧力は
2〜0.1気圧ただし吸着時の圧力よりは低くする。ま
た、吸・脱着時の圧力差が大きいほど二酸化炭素の有効
吸着量は高くできるため、通常脱着は1気圧以下で実施
される。近年では、精製塔を複塔用い、二酸化炭素の精
製・脱着を連続的に実施するプロセスが種々提案されて
いる。図面には、もっとも基本的なシステムである二酸
化炭素精製塔を1塔のみ用いた方式を記載しているが、
本発明においても、二酸化炭素精製塔を2塔以上用いる
ことにより、二酸化炭素精製を連続的に実施することが
可能である。
合、吸着時の圧力は1〜50気圧とし、脱着時の圧力は
2〜0.1気圧ただし吸着時の圧力よりは低くする。ま
た、吸・脱着時の圧力差が大きいほど二酸化炭素の有効
吸着量は高くできるため、通常脱着は1気圧以下で実施
される。近年では、精製塔を複塔用い、二酸化炭素の精
製・脱着を連続的に実施するプロセスが種々提案されて
いる。図面には、もっとも基本的なシステムである二酸
化炭素精製塔を1塔のみ用いた方式を記載しているが、
本発明においても、二酸化炭素精製塔を2塔以上用いる
ことにより、二酸化炭素精製を連続的に実施することが
可能である。
【0011】二酸化炭素が吸着により分離された残ガス
は、導管(7)より系外に放出され、必要に応じて回収
される。二酸化炭素を吸着した後、該精製塔(2)への
排ガスの供給を止め、バルブ(10)を閉じる。以下、
これまでの工程を精製工程と呼ぶ。
は、導管(7)より系外に放出され、必要に応じて回収
される。二酸化炭素を吸着した後、該精製塔(2)への
排ガスの供給を止め、バルブ(10)を閉じる。以下、
これまでの工程を精製工程と呼ぶ。
【0012】次に、バルブ(3)を開けて吸着した二酸
化炭素を脱着させ、二酸化炭素貯蔵タンク(4)へ放出
し、続いてバルブ(5)を開けることによって、二酸化
炭素を脱着させつつすなわち吸着剤を再生しつつ二酸化
炭素の還元を行なうことができる。このような方式をと
ることにより、PSA方式で通常使用される真空ポンプ
などの減圧機を設ける必要がないこととなる。バルブ
(5)を経て二酸化炭素変換塔(6)に至った二酸化炭
素は、触媒と接触して炭素と酸素とに分解し、その酸素
が触媒に吸蔵されて体積を減じることによって、該触媒
が二酸化炭素変換能力を有するかぎり該変換塔内の圧力
は低い状態が維持され、ひいては二酸化炭素精製塔も脱
着可能な圧力に維持されるからである。すなわち、この
変換工程で必要なエネルギーは、二酸化炭素変換塔
(6)内の反応温度を保持するに必要な熱エネルギーの
みである。この熱エネルギーは、従来使われていなかっ
た排熱を利用することが出来る。しかも、変換塔に供給
される二酸化炭素は十分に精製されているために、触媒
は効率的に二酸化炭素の変換に使われる。
化炭素を脱着させ、二酸化炭素貯蔵タンク(4)へ放出
し、続いてバルブ(5)を開けることによって、二酸化
炭素を脱着させつつすなわち吸着剤を再生しつつ二酸化
炭素の還元を行なうことができる。このような方式をと
ることにより、PSA方式で通常使用される真空ポンプ
などの減圧機を設ける必要がないこととなる。バルブ
(5)を経て二酸化炭素変換塔(6)に至った二酸化炭
素は、触媒と接触して炭素と酸素とに分解し、その酸素
が触媒に吸蔵されて体積を減じることによって、該触媒
が二酸化炭素変換能力を有するかぎり該変換塔内の圧力
は低い状態が維持され、ひいては二酸化炭素精製塔も脱
着可能な圧力に維持されるからである。すなわち、この
変換工程で必要なエネルギーは、二酸化炭素変換塔
(6)内の反応温度を保持するに必要な熱エネルギーの
みである。この熱エネルギーは、従来使われていなかっ
た排熱を利用することが出来る。しかも、変換塔に供給
される二酸化炭素は十分に精製されているために、触媒
は効率的に二酸化炭素の変換に使われる。
【0013】二酸化炭素変換塔(6)は、二酸化炭素を
炭素に変換可能な触媒の少なくとも一種を有することが
必須である。二酸化炭素を炭素に変換する触媒として
は、鉄、酸素欠損マグネタイト、ストロンチウムフェラ
イト等が知られている。本発明のシステムには、これら
のいずれもが適応可能である。このうち酸素欠損マグネ
タイト、ストロンチウムフェライト等は、400℃以下
あるいは300℃以下で活性を示すので、排熱を利用す
ることができ好ましい。
炭素に変換可能な触媒の少なくとも一種を有することが
必須である。二酸化炭素を炭素に変換する触媒として
は、鉄、酸素欠損マグネタイト、ストロンチウムフェラ
イト等が知られている。本発明のシステムには、これら
のいずれもが適応可能である。このうち酸素欠損マグネ
タイト、ストロンチウムフェライト等は、400℃以下
あるいは300℃以下で活性を示すので、排熱を利用す
ることができ好ましい。
【0014】図面では該二酸化炭素変換塔(6)は、1
塔のみ記載しているが、複塔で構成することが可能であ
り、複塔で構成した場合、より効率的に二酸化炭素の変
換が実施可能である。二酸化炭素は、二酸化炭素変換塔
(6)内部の触媒と接触して炭素に変換する。変換に際
しては、反応に必要な温度まで塔内部を加熱する。例え
ば、酸素欠損マグネタイトを触媒に用いた場合には、2
50℃〜400℃好ましくは300℃〜350℃にする
ことにより反応が進む。
塔のみ記載しているが、複塔で構成することが可能であ
り、複塔で構成した場合、より効率的に二酸化炭素の変
換が実施可能である。二酸化炭素は、二酸化炭素変換塔
(6)内部の触媒と接触して炭素に変換する。変換に際
しては、反応に必要な温度まで塔内部を加熱する。例え
ば、酸素欠損マグネタイトを触媒に用いた場合には、2
50℃〜400℃好ましくは300℃〜350℃にする
ことにより反応が進む。
【0015】反応の進行にともない、二酸化炭素中の炭
素原子は、触媒表面または内部に炭素として析出し、酸
素原子は酸素欠損マグネタイト等の結晶構造内部に取り
込まれる。このようにして系内の圧力は低下する。本シ
ステムで適用する触媒は、二酸化炭素の変換量が限られ
ている。そのため、ある量の二酸化炭素を変換した時点
で反応が止まる。例えば、酸素欠損マグネタイトでは、
酸素欠損がなくなり、マグネタイトになった時点で反応
が止まると考えられている。この反応終了点は、系内部
の圧力低下の停止により判断が可能である。この二酸化
炭素を触媒により変換する工程を、以下、二酸化炭素変
換工程という。
素原子は、触媒表面または内部に炭素として析出し、酸
素原子は酸素欠損マグネタイト等の結晶構造内部に取り
込まれる。このようにして系内の圧力は低下する。本シ
ステムで適用する触媒は、二酸化炭素の変換量が限られ
ている。そのため、ある量の二酸化炭素を変換した時点
で反応が止まる。例えば、酸素欠損マグネタイトでは、
酸素欠損がなくなり、マグネタイトになった時点で反応
が止まると考えられている。この反応終了点は、系内部
の圧力低下の停止により判断が可能である。この二酸化
炭素を触媒により変換する工程を、以下、二酸化炭素変
換工程という。
【0016】反応が終了した触媒は、以下の操作により
に炭素を二酸化炭素以外の炭素化合物に合成し、かつ、
触媒能の再生化が可能である。すなわち、たとえば、反
応が終了した二酸化炭素変換塔のバルブ(5)を閉鎖
し、該塔内に酸素を含有するガスを導入する。この時、
二酸化炭素変換工程と同じ温度に系内を保持しておけ
ば、生成した炭素は、酸素により一酸化炭素に変換され
る。一酸化炭素を用いた有機化合物の合成は種々の方法
が提案されており、有効に再利用することが可能であ
る。炭素を除去した後、二酸化炭素変換塔(6)に水素
を供給し、塔内部の温度を300〜500℃にすること
により、触媒能の再生が可能である。これは、この工程
により触媒中に酸素欠損が再生されるためであると考え
られている。再生された触媒は、前記の二酸化炭素変換
工程に再使用可能である。また、酸素の代わりに水素を
塔内に供給し、塔内部の温度を500〜700℃にすれ
ば、炭素がメタンに変換すると同時に触媒が再生され
る。メタンの有効利用も種々の方法がある。以上の二酸
化炭素精製工程と二酸化炭素変換工程とを交互にまたは
並行してくり返し行なえば、二酸化炭素を連続的に処理
することができる。
に炭素を二酸化炭素以外の炭素化合物に合成し、かつ、
触媒能の再生化が可能である。すなわち、たとえば、反
応が終了した二酸化炭素変換塔のバルブ(5)を閉鎖
し、該塔内に酸素を含有するガスを導入する。この時、
二酸化炭素変換工程と同じ温度に系内を保持しておけ
ば、生成した炭素は、酸素により一酸化炭素に変換され
る。一酸化炭素を用いた有機化合物の合成は種々の方法
が提案されており、有効に再利用することが可能であ
る。炭素を除去した後、二酸化炭素変換塔(6)に水素
を供給し、塔内部の温度を300〜500℃にすること
により、触媒能の再生が可能である。これは、この工程
により触媒中に酸素欠損が再生されるためであると考え
られている。再生された触媒は、前記の二酸化炭素変換
工程に再使用可能である。また、酸素の代わりに水素を
塔内に供給し、塔内部の温度を500〜700℃にすれ
ば、炭素がメタンに変換すると同時に触媒が再生され
る。メタンの有効利用も種々の方法がある。以上の二酸
化炭素精製工程と二酸化炭素変換工程とを交互にまたは
並行してくり返し行なえば、二酸化炭素を連続的に処理
することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明を適用することにより、排ガス中
の二酸化炭素を効率的に変換させ、有効に利用すること
ができる。本発明による二酸化炭素変換システム及び変
換方法は、以下の点で従来の方法に比べ優れている。ま
ず第一に、従来のPSAによる二酸化炭素の精製・分離
には、脱着時に真空ポンプなどの減圧機が使用された。
しかし、本発明によれば、二酸化炭素を変換させる反応
器内部が変換反応により減圧され、それによって該反応
器に接続されている吸着装置内も減圧されるので、減圧
機を必要としない。しかも、反応にともない通常の真空
ポンプによるよりも圧力が低くなるので、吸着剤の有効
吸着量をきわめて高くすることができる。
の二酸化炭素を効率的に変換させ、有効に利用すること
ができる。本発明による二酸化炭素変換システム及び変
換方法は、以下の点で従来の方法に比べ優れている。ま
ず第一に、従来のPSAによる二酸化炭素の精製・分離
には、脱着時に真空ポンプなどの減圧機が使用された。
しかし、本発明によれば、二酸化炭素を変換させる反応
器内部が変換反応により減圧され、それによって該反応
器に接続されている吸着装置内も減圧されるので、減圧
機を必要としない。しかも、反応にともない通常の真空
ポンプによるよりも圧力が低くなるので、吸着剤の有効
吸着量をきわめて高くすることができる。
【0018】第二に、本発明で用いる触媒は、これまで
純粋な二酸化炭素の変換のみに使用されていたが、本発
明のシステムでは、排ガス中の二酸化炭素の変換が可能
となる。これは、前段階に吸着剤による二酸化炭素の生
成を実施するためである。しかも、該触媒は比較的低温
で作動するために、従来捨てられていた排ガスを熱源と
してこの二酸化炭素の変換に利用することができる。
純粋な二酸化炭素の変換のみに使用されていたが、本発
明のシステムでは、排ガス中の二酸化炭素の変換が可能
となる。これは、前段階に吸着剤による二酸化炭素の生
成を実施するためである。しかも、該触媒は比較的低温
で作動するために、従来捨てられていた排ガスを熱源と
してこの二酸化炭素の変換に利用することができる。
【0019】
【実施例】図面を基にして実施例を説明する。機器およ
び原材料の仕様は、下記のとおりであった。
び原材料の仕様は、下記のとおりであった。
【0020】 直径 高さ 容積 備考 cm cm リットル 二酸化炭素精製塔 18 65 16.5 加温用ジャケト付 二酸化炭素貯蔵タンク 14 65 10.0 二酸化炭素変換塔 30 30 21.2 ヒーター付 原料ガス:ボイラーの排ガスから水分を0.03mg/
リットルまで除いたもの その組成(vol%):二酸化炭素 窒素 酸素 25 70 5 吸着剤:合成ゼオライト成形体(13X) 10kg 触媒 :酸素欠損マグネタイト 20kg 原料ガスを圧縮機(1)で約4気圧に圧縮し、二酸化炭
素精製塔(2)に供給した。この吸着操作も次の脱着操
作も25℃で行なわせた。原料ガスの供給量が標準状態
換算2000リットルとなった時点で原料ガスの供給を
止め、バルブ(7)を閉じ、バルブ(3)を開いて二酸
化炭素を二酸化炭素貯蔵タンク(4)に導入した。二酸
化炭素精製塔内の圧力は、4気圧から3.7気圧に低下
した。次いで、バルブ(5)を開き、上記タンクの二酸
化炭素を二酸化炭素変換塔(6)に導入し、内部の空気
をバルブ(9)から排出し、酸素濃度が1vol%以下
となるまで置換し、バルブ(9)を閉じた。二酸化炭素
精製塔内の圧力は、3.1気圧に低下した。次に、変換
塔を350℃に加熱しその温度に保持したところ、二酸
化炭素精製塔内の圧力は徐々に低下し始めた。0.1気
圧に至って、圧力が低下しなくなり、反応が停止したと
認められたので、バルブ(3)及び(5)を閉鎖した。
リットルまで除いたもの その組成(vol%):二酸化炭素 窒素 酸素 25 70 5 吸着剤:合成ゼオライト成形体(13X) 10kg 触媒 :酸素欠損マグネタイト 20kg 原料ガスを圧縮機(1)で約4気圧に圧縮し、二酸化炭
素精製塔(2)に供給した。この吸着操作も次の脱着操
作も25℃で行なわせた。原料ガスの供給量が標準状態
換算2000リットルとなった時点で原料ガスの供給を
止め、バルブ(7)を閉じ、バルブ(3)を開いて二酸
化炭素を二酸化炭素貯蔵タンク(4)に導入した。二酸
化炭素精製塔内の圧力は、4気圧から3.7気圧に低下
した。次いで、バルブ(5)を開き、上記タンクの二酸
化炭素を二酸化炭素変換塔(6)に導入し、内部の空気
をバルブ(9)から排出し、酸素濃度が1vol%以下
となるまで置換し、バルブ(9)を閉じた。二酸化炭素
精製塔内の圧力は、3.1気圧に低下した。次に、変換
塔を350℃に加熱しその温度に保持したところ、二酸
化炭素精製塔内の圧力は徐々に低下し始めた。0.1気
圧に至って、圧力が低下しなくなり、反応が停止したと
認められたので、バルブ(3)及び(5)を閉鎖した。
【0021】次いで、変換塔の温度を350℃に保ち、
変換塔(6)内部に酸素を導入したところ、導管(9)
より標準状態換算380リットルの一酸化炭素がえられ
た。
変換塔(6)内部に酸素を導入したところ、導管(9)
より標準状態換算380リットルの一酸化炭素がえられ
た。
【0022】次いで、酸素の供給を停止し、水素ガスを
供給したところ、導管(9)より、水蒸気が検出され
た。さらに、水素の供給を止め、変換塔を外気より遮断
した。
供給したところ、導管(9)より、水蒸気が検出され
た。さらに、水素の供給を止め、変換塔を外気より遮断
した。
【0023】以上の操作をくり返したところ、ほぼ同様
の結果がえられた。
の結果がえられた。
【図1】本発明の一例のフローを示す図である。
1:圧縮機 2:二酸化炭素精製塔 3、5、7、8、9:バルブ 4:二酸化炭素貯蔵タンク 6:二酸化炭素変換塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C01B 31/02 101 B01J 23/74 301M (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/04 B01D 53/62 B01D 53/86 C01B 31/02
Claims (1)
- 【請求項1】二酸化炭素含有ガスから圧力変動吸着方式
により二酸化炭素を精製し、次いで、該二酸化炭素を触
媒を用いて炭素に変換させる二酸化炭素変換方法におい
て、触媒として、酸素欠陥マグネタイト及び/またはス
トロンチウムフェライトを用い、圧力変動吸着方式にお
ける脱着の際、吸着設備と二酸化炭素を変換させる設備
とを減圧機を介することなく連通させることを特徴とす
る二酸化炭素変換方法。
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---|---|---|---|
JP03235640A JP3111530B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 二酸化炭素変換方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03235640A JP3111530B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 二酸化炭素変換方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0549838A JPH0549838A (ja) | 1993-03-02 |
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ID=16989017
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP03235640A Expired - Fee Related JP3111530B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 二酸化炭素変換方法 |
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JP5146730B2 (ja) * | 2007-12-18 | 2013-02-20 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | ガス中の二酸化炭素を削減する方法及び二酸化炭素削減装置 |
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-
1991
- 1991-08-23 JP JP03235640A patent/JP3111530B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0549838A (ja) | 1993-03-02 |
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