JP3111455B2 - 音響信号再生装置 - Google Patents

音響信号再生装置

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JP3111455B2
JP3111455B2 JP02031495A JP3149590A JP3111455B2 JP 3111455 B2 JP3111455 B2 JP 3111455B2 JP 02031495 A JP02031495 A JP 02031495A JP 3149590 A JP3149590 A JP 3149590A JP 3111455 B2 JP3111455 B2 JP 3111455B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A 産業上の利用分野 本発明は、音響信号をヘッドホン装置により再生する
音響信号再生装置に関する。
B 発明の概要 本発明は、基準信号源から送出される位置検出用の基
準信号を聴取者の頭部上の2箇所に配設される一対の信
号検出器により感受し、これら信号検出器の出力信号に
基づいて演算手段により仮想音源から聴取者の両耳に至
る音響伝達特性を求め、この伝達特性に基づいて音響信
号を音響信号処理手段より処理することによって、仮想
音源に対するバイノーラル再生を行う音響信号再生装置
であって、仮想音源の位置を設定する音源位置設定手段
を設け、音源位置設定手段からの仮想音源位置情報によ
り演算手段で得られる伝達特性を制御することによっ
て、任意の位置に設定された仮想音源から安定したバイ
ノーラル再生動作を行うことができると共に、音響信号
再生装置の操作性の向上を図ったものである。
C 従来の技術 従来、音響信号をヘッドホンユニットにより再生する
ヘッドホン装置のように、聴取者の頭部に装着されるこ
とにより両耳介近傍の対応して支持される一対のヘッド
ホンユニットを用いて音響信号の再生を行う場合に、音
像の方向感や頭外定位感等を良好なものとする方法とし
て、バイノーラル方式が知られている。
このバイノーラル方式を採用した音響再生システム
は、例えば、特公昭53−283号公報に記載されているよ
うに、ヘッドホン装置により再生される音響信号に対し
て、予め所定の信号処理を施すものである。
ところで、音像の方向感や頭外定位感等は、左耳及び
右耳の聴取する音の音量差、時間差、位相差等により決
定されるものである。すなわち、上記信号処理とは、例
えば聴取者から離間させて配置されたスピーカ装置によ
り音響再生を行う場合に、音源すなわちスピーカ装置か
ら聴取者の左右の耳までの距離の差異及び聴取者の頭部
近傍での反射や回折等により生ずる音響効果と等価な音
響効果が、ヘッドホン装置により再生される音響出力に
おいて生ずるようにする信号処理である。このような信
号処理は、左耳用及び右耳用の音響信号に上記音響効果
と等価な信号処理を施すものであり、例えば、所定のイ
ンパルスレスポンスを有する等化器やフィルタ等を介し
て得られる信号を所謂畳み込み積分する処理により行わ
れるものである。
ところで、聴取者から離間させて配置されたスピーカ
装置により音響再生を行う場合には、聴取者が移動した
り頭部の方向を回転させても音像の絶対的な位置、すな
わち仮想的な音源(以下仮想音源という)の位置は変化
しないので、聴取者の感じる音像の相対的な方向及び位
置が変化する。これに対し、ヘッドホン装置を用いてバ
イノーラル方式により音響再生を行う場合には、聴取者
が頭部の方向を回転させるとヘッドホン装置も該頭部と
共に回転させられるので、聴取者の感じる音像の相対的
な方向及び位置は変化しない。
このようにヘッドホン装置を用いてバイノーラル再生
を行う場合には、聴取者の頭部の方向変化に対する音像
の変位状態の差異によって、音像が聴取者の頭部内に形
成されてしまい、音像を聴取者の前方に定位させること
が困難であり、しかも、その前方の音像は上昇してしま
う傾向がある。
そこで、従来、特開昭42−227号公報や特公昭54−192
42号公報に記載されているように、聴取者の頭部の方向
変化を検出し、この検出結果に基づいて上記信号処理の
状態を変化させることにより、ヘッドホン装置において
良好な前方定位感が得られるようにした音響信号再生シ
ステムが提案されている。このような音響信号再生シス
テムにおいては、聴取者の頭部に所謂ジャイロコンパス
や磁針等の方向検出装置が配設されている。そして、上
記方向検出装置による検出結果に基づき、音響信号を処
理する上記等化器やフィルタの特性、畳み込み積分の係
数を制御するようにして、聴取者から離間されて配置さ
れたスピーカ装置による音響再生と同様の音場感を得よ
うとするものである。
D 発明が解決しようとする課題 ところで、上述の如きジャイロコンパス等による方向
検出装置をヘッドホン装置に設けた従来のバイノーラル
音響再生システムでは、聴取者の頭部の方向変化に応じ
て音響信号に施す信号処理の内容を制御することによ
り、原理的に良好な音像定位感を得ることができるので
あるが、上記聴取者の頭部の方向変化を検出するための
方向検出装置が大型で重量も大きな機構となるために、
聴取位置を固定した据え置き型の構成を採用せざるを得
ないでいた。すなわち、上記ジャイロコンパス等による
方向検出装置は、自由に動き回る聴取者の頭部にヘッド
ホン装置と共に装着して使用するには大型で重量も大き
過ぎるという問題点があり、特に携帯型のヘッドホン装
置には実用的でなかった。また、従来のバイノーラル音
響再生システムでは、聴取者の感ずる音像の絶対的な位
置は固定され、その位置を自由に設定することができ
ず、また操作性に問題があった。
本発明は、上述の如き従来の実情に鑑みてなされたも
のであり、簡単な操作で音像の位置を自由に設定するこ
とができ、自由に動き回る聴取者の頭部に装着されるヘ
ッドホン装置により安定したバイノーラル再生を行うこ
とができる音響再生装置の提供を目的とする。
E 課題を解決するための手段 本発明は、上述の目的を達成するために、位置検出用
の基準信号を送出する基準信号源と、聴取者の頭上の2
箇所に配設され、上記基準信号源から送出される基準信
号を感受する一対の信号検出器と、所望の仮想音源の位
置を設定する音源位置設定手段と、上記一対の信号検出
器の出力信号及び上記音源位置設定手段からの仮想音源
位置情報に基づいて上記仮想音源から聴取者の両耳に至
る音響伝達特性を求める演算手段と、上記演算手段によ
り求められた音響伝達特性に基づいて左チャンネル及び
右チャンネルの音響信号をそれぞれ処理する音響信号処
理手段と、上記音響信号処理手段を介した音響信号を再
生するヘッドホン装置とを備えることを特徴とする。
F 作用 本発明に係る音響信号再生装置において、音源位置設
定手段は、演算手段に仮想音源位置情報を送り、該演算
手段は、基準信号源から送出される位置検出用の基準信
号を感受する一対の信号検出器の出力信号及び上記音源
位置設定手段からの仮想音源位置情報に基づいて、所望
の位置に設定される仮想音源から聴取者の両耳に至る音
響伝達特性を求める。上記音響信号処理手段は、上記演
算手段により求められた音響伝達特性に基づいて左チャ
ンネル及び右チャンネルの音響信号をそれぞれ処理し、
信号処理済の音響信号を一対のヘッドホン装置に供給す
る。
G 実施例 以下、本発明に係る音響信号再生装置の一実施例につ
いて、図面に従い詳細に説明する。
この音響信号再生装置は、第1図に示すように、ヘッ
ドバンド(1)により聴取者の頭部(M)に装着され該
聴取者の左右両耳介の近傍に対応して一対のヘッドホン
ユニット(2L),(2R)を支持するようにしたヘッドホ
ン装置(10)を備える。
このヘッドホン装置(10)の上記ヘッドバンド(1)
には、支持アーム(3L),(3R)を突出形成した2個の
スライダ(4L),(4R)が摺動自在に装着されており、
基準信号源(11)から送出される位置検出用の基準信号
を感受する一対の信号検出器(5L),(5R)が上記支持
アーム(3L),(3R)の先端部分に設けられている。す
なわち、上記一対の信号検出器(5L),(5R)は、上記
ヘッドバンド(1)に摺動自在に装着されたスライダ
(4L),(4R)に突出形成された支持アーム(3L),
(3R)の先端部分に設けられることにより、上記ヘッド
バンド(1)及び一対のヘッドホンユニット(2L),
(2R)すなわちヘッドホン本体から離隔した位置に上記
支持アーム(3L),(3R)により支持されている。
この実施例において、上記基準信号源(11)は、超音
波信号源(12)と、この超音波信号源(12)からの超音
波信号を基準信号として送出する超音波スピーカ(13)
とから構成されている。そして、上記基準信号を感受す
る一対の信号検出器(5L),(5R)には、それぞれ超音
波マイクロホンが用いられる。
上記超音波スピーカ(13)から送出される超音波すな
わち上記位置検出用の基準信号は、第2図のAに示すよ
うに、所定の時間毎に所定レベルの超音波が間歇的に送
出されるパースト波や、あるいは所定周期でレベルが所
定の変動をするようになされた所謂レベル変調波等のよ
うに、位相検出が可能になされた超音波である。
上記ヘッドホン装置(10)に設けられた上記一対の信
号検出器(5L),(5R)は、上記超音波スピーカ(13)
から送出される超音波を用いた位置検出用の基準信号を
感受して、聴取者と上記超音波スピーカ(13)との相対
位置関係に応じた時間遅れを有する第2図のB及びCに
示すような各検出信号を出力する。
上記一対の信号検出器(5L),(5R)は、上記ヘッド
バンド(1)に摺動自在に装着されたスライダ(4L),
(4R)に突出形成された支持アーム(3L),(3R)の先
端部分に設けられ、上記ヘッドバンド(1)及び一対の
ヘッドホンユニット(2L),(2R)すなわちヘッドホン
本体を聴取者の頭部(M)に装着した状態で、ヘッドホ
ン本体から離隔した位置に上記支持アーム(3L),(3
R)により支持されるので、聴取者が移動したり、頭部
(M)を回転させた場合でも、音波スピーカ(13)から
送出される超音波を極めて良好に感受して、上記位置検
出用の基準信号を安定に且つ正確に検出することができ
る。また、上記一対の信号検出器(5L),(5R)は、上
記ヘッドバンド(1)に沿って上記スライダ(4L),
(4R)を摺動させて、上記位置検出用の基準信号の検出
に最適な位置に調整することができる。例えば、上記ヘ
ッドバンド(1)により聴取者の頭部(M)に装着され
該聴取者の左右両耳介の近傍に対応して支持される上記
ヘッドホンユニット(2L),(2R)の位置は、聴取者の
頭部(M)の形状や大きさに依存し、個人差があるの
で、上記ヘッドホンユニット(2L),(2R)の位置に対
応するように上記一対の信号検出器(5L),(5R)の位
置を調整することができる。
これらの信号検出器(5L),(5R)により得られる各
検出信号は、演算装置(14)に供給される。
上記演算装置(14)は、上記位置検出用の基準信号の
上記各信号検出器(5L),(5R)による各検出信号が供
給される第1及び第2のエッジ検出回路(16),(17)
と上記超音波信号源(12)からの超音波信号すなわち上
記位置検出用の基準信号が供給される第3のエッジ検出
回路(18)を備える。
上記第1及び第2のエッジ検出回路(16),(17)
は、上記各信号検出器(5L),(5R)による各検出信号
の各立ち上がりエッジを検出して、該各立ち上がりエッ
ジに対応する第2図のD及びEに示すような各パルス信
号を出力する。上記第1及び第2のエッジ検出回路(1
6),(17)により得られる各パルス信号は、距離算出
回路(20)及び両耳時間差検出回路(21)に供給され
る。また、上記第3のエッジ検出回路(18)は、上記超
音波信号源(12)からの超音波信号の立ち上がりエッジ
を検出して、該立ち上がりエッジに対応する第2図のF
に示すようなパルス信号を出力する。上記第3のエッジ
検出回路(18)により得られるパルス信号は、上記距離
算出回路(20)に供給される。
上記距離算出回路(20)は、第2図中のΔT1で示す上
記第3のエッジ検出回路(18)により得られるパルス信
号と上記第1のエッジ検出回路(16)により得られるパ
ルス信号における対応するパルス間の時間差t1と、第2
図中にΔT2で示す上記第3のエッジ検出回路(18)によ
り得られるパルス信号と上記第2のエッジ検出回路(1
7)により得られるパルス信号における対応するパルス
間の時間差t2とを検出する。そして、これら各時間差
t1,t2と音速Vとに基づき、第3図中に矢印lで示す、
上記超音波スピーカ(13)と上記聴取者の頭部(M)の
中心との距離lを算出する。これらの距離l及び上記各
時間差t1,t2を示す信号は、伝達特性算出回路(22)に
送られる。
なお、上記音速Vは、予め上記距離算出回路(20)に
定数として設定しておいてもよく、また、気温、湿度、
気圧等の変動に伴って変更されるようにしておいてもよ
い。また、上記距離lの算出に際しては、上記各信号検
出器(5L),(5R)と上記頭部(M)の中心との位置関
係や、上記頭部(M)の形状や大きさに基づく補正を行
うようにしてもよい。
上記両耳時間差検出回路(21)は、第2図中にΔT3
示す上記第1のエッジ検出回路(16)のパルス信号と上
記第2のエッジ検出回路(17)のパルス信号における対
応するパルス間の時間差t3を検出する。この時間差t3
示す信号は、上記伝達特性算出回路(22)に送られる。
すなわち、上記伝達特性算出回路(22)は、上記各時
間差t1,t2,t3、上記距離l、上記音速V及び上記頭部
(M)の半径rとを用いて、第3図中に矢印θで示す上
記超音波スピーカ(13)に対する上記頭部(M)の方向
を示す角度θを算出する。該角度θは、例えば、 θ≒sin-1{V2(t1+t2)t3/4rl} ‥‥‥‥(第1
式) により求めることができる。
また、上記伝達特性算出回路(22)には、音源位置設
定回路(19)で設定される上記超音波スピーカ(13)の
位置を基準位置とする仮想音源位置の情報が供給され
る。例えば、音源位置設定回路(19)において、操作部
のスイッチ等を操作することにより、現在の聴取者の正
面方向を仮想音源の方向とし、仮想音源と聴取者の頭部
(M)の中心の距離を設定する。この設定された位置情
報が伝達特性算出回路(22)に供給される。具体的には
第3図中に矢印θで示す上記超音波スピーカ(13)の
位置を基準とする仮想音源(15)の方向を示す角度θ
及び第3図中に矢印l0で示す聴取者の頭部(M)の中心
と仮想音源(15)の距離l0の情報が供給される。そし
て、上記伝達特性算出回路(22)は、上記超音波スピー
カ(13)と聴取者の頭部(M)の中心の相対位置関係を
示す上記角度θ及び距離lの情報、及び初期設定された
状態の聴取者の頭部(M)の中心と仮想音源(15)の相
対位置関係を示す角度θ及距離l0の情報から、聴取者
の頭部(M)の位置の移動及び回転に対応して、仮想音
源(15)に対する現在の聴取者の頭部(M)の相対位置
関係を示す角度と距離を算出して、上記仮想音源(15)
の指向性等を考慮した伝達特性を求める。
この伝達特性算出回路(22)により得られる仮想音源
の指向性等を考慮した伝達特性情報は、音響信号処理回
路(23)に供給される。
そして、上記ヘッドホンユニット(2L),(2R)に
は、音響信号供給源(24)から出力される左チャンネル
及び右チャンネル音響信号SL,SRが、上記音響信号処理
回路(23)から一対の増幅器(25L),(25R)を介して
供給される。
上記音響信号供給源(24)は、所定の左チャンネル及
び右チャンネル音響信号SL,SRを出力する装置であっ
て、例えば、各種の記録ディスク再生装置、記録テープ
再生装置、又は電波受信装置等である。
上記音響信号処理回路(23)は、上記音響信号供給源
(24)から送られる上記左チャンネル及び右チャンネル
音響信号SL,SRに所定の信号処理を行う回路であり、上
記伝達特性算出回路(22)により得られる仮想音源の指
向性等を考慮した伝達特性情報が供給される第1乃至第
4の信号処理部(26a),(26b),(26c),(26d)を
備えている。これらの各信号処理部(26a),(26b),
(26c),(26d)では、上記伝達特性情報に基づいて、
聴取者に対向して離間されて設置された左チャンネル用
及び右チャンネル用の一対のスピーカ装置で形成される
音源を仮想音源として左チャンネル及び右チャンネル音
響信号SL,SRを再生する場合の該聴取者の各耳に対する
伝達特性を表現するインパルスレスポンスが設定され
る。
すなわち、上記第1の信号処理部(26a)は、右チャ
ンネル音響信号SRが再生された音響の右耳に対する伝達
特性を表現するインパルスレスポンス{hRR(t,θ)}
を設定する。上記第2の信号処理部(26b)は、右チャ
ンネル音響信号SRが再生された音響の左耳に対する伝達
特性を表現するインパルスレスポンス{hRL(t,θ)}
を設定する。上記第3の信号処理部(26c)は、左チャ
ンネル音響信号SLが再生された音響の右耳に対する伝達
特性を表現するインパルスレスポンス{hLR(t,θ)}
を設定する。上記第4の信号処理部(26d)は、左チャ
ンネル音響信号SLが再生された音響の左耳に対する伝達
特性を表現するインパルスレスポンス{hLL(t,θ)}
を設定する。
この音響信号処理回路(23)において、上記右チャン
ネル音響信号SRは、上記第1及び第2の信号処理部(26
a),(26b)に送られる。該第1の信号処理部(26a)
では、上記インパルスレスポンス{hRR(t,θ)}の畳
み込み積分よる信号処理を上記右チャンネル音響信号SR
に施す。また、上記第2の信号処理部(26b)では、上
記インパルスレスポンス{hRL(t,θ)}の畳み込み積
分よる信号処理を上記右チャンネル音響信号SRに施す。
さらに、上記左チャンネル音響信号SLは、上記第3及
び第4の信号処理部(26c),(26d)に送られる。該第
3の信号処理部(26c)では、上記インパルスレスポン
ス{hLR(t,θ)}の畳み込み積分よる信号処理を上記
左チャンネル音響信号SLに施す。また、上記第4の信号
処理部(26d)では、上記インパルスレスポンス{h
LL(t,θ)}の畳み込み積分よる信号処理を上記左チャ
ンネル音響信号SLに施す。
そして、上記第1及び第3の信号処理部(26a),(2
6c)の出力信号は、右側用加算器(27R)により互いに
加算される。この右側用加算器(27R)の出力信号は、
上記右側増幅器(25R)を介して右耳用音響信号ERとし
て上記右側ヘッドホンユニット(2R)に送られて再生さ
れる。
また、上記第2及び第4の信号処理部(26b),(26
d)の出力信号は、左側用加算器(27L)により互いに加
算される。この左側用加算器(27L)の出力信号は、上
記左側増幅器(25L)を介して右耳用音響信号ELとして
上記左側ヘッドホンユニット(2L)に送られて再生され
る。
つぎに、上記音源位置設定回路(19)及び伝達特性算
出回路(22)の具体的な構成例について説明する。
上記音源位置設定回路(19)は、第4図に示すよう
に、仮想音源の方向を一定方向、例えば現在の聴取者の
頭部(M)の正面方向に設定するためのトリガを発生す
るスイッチ(31)、上記聴取者の頭部(M)の中心と仮
想音源の距離l0を好みの値に調整するためのボリューム
(32)、上述した聴取者の頭部(M)の形状や大きさに
基づく補正(以下個人差補正という)を行うボリューム
(33)、上記スイッチ(31)、ボリューム(32),(3
3)で設定された仮想音源位置の情報及び後述する複数
人分の所望の仮想音源位置の情報等を記憶するメモリ
(34)、該メモリ(34)を制御するメモリコントローラ
(35)、該メモリコントローラ(35)の制御に基づいて
上記メモリ(34)に記憶されている上記仮想音源位置情
報等を例えば個人別毎に選択し、上記伝達特性算出回路
(22)に出力するセレクタ(36)から構成される。
また、上記伝達特性算出回路(22)は、例えば、仮想
音源位置を上記超音波スピーカ(13)の位置としたとき
の超音波スピーカ(13)に対する聴取者の頭部(M)の
相対位置関係を示す角度θと距離lに対応した伝達特性
情報が順次記憶されているROM等で構成される伝達特性
情報テーブル(43)、上記超音波スピーカ(13)の位置
を基準位置とした聴取者の頭部(M)の角度θ及び距離
lの情報により伝達特性情報テーブル(43)から伝達特
性情報を読み出すためのアドレスを算出するアドレス演
算回路(41)、上記音源位置設定回路(19)からの設定
された仮想音源位置情報と上記アドレス演算回路(41)
からのアドレスに基づいて所定の伝達特性情報を読み出
すテーブル読み出し回路(42)を有する。
このような構成を有する音源位置設定回路(19)及び
伝達特性算出回路(22)において、スイッチ(31)、ボ
リューム(32)を用いて、例えば第5図のAに示すよう
に仮想音源位置を超音波スピーカ(13)の位置に設定し
た場合の伝達特性情報の読み出しは以下のようにして行
われる。
聴取者の頭部(M)が超音波スピーカ(13)からθ回
転し、距離l離れたとき、アドレス演算回路(41)は、
これらの角度θ及び距離lから伝達特性情報テーブル
(43)に供給するアドレスを演算する。この場合、第5
図のAに示すように仮想音源位置が基準信号源の位置と
一致することから、このアドレスがテーブル読み出し回
路(42)を介してそのまま伝達特性情報テーブル(43)
に供給され、伝達特性情報テーブル(43)から所定の伝
達特性情報が読み出され、音声信号処理手段(23)に供
給される。そして、音声信号処理手段(23)において、
仮想音源の位置を超音波スピーカ(13)の位置とする左
耳用及び右耳用の各音響信号EL,ERが実時間処理で得ら
れる。この結果、聴取者の移動及び頭部(M)の回転に
伴う伝達特性の変化に実時間で対応させた信号処理を行
うことができ、例えば、聴取者に対向するように離間し
て前方に設置された一対のスピーカ装置により音響信号
を再生する場合と同様に仮想音源が移動することのない
良好な頭外定位感及び前方定位感が得られる。
また、例えば第5図のBに示すように、上記音源位置
設定回路(19)において、仮想音源の方向をスイッチ
(31)を操作したときの聴取者の正面方向、すなわち超
音波スピーカ(13)に対して角度θとし、ボリューム
(32)を用いて仮想音源と聴取者の頭部(M)の距離を
所望の距離l0に設定する場合の伝達特性情報の読み出し
は以下のようにして行われる。
アドレス演算回路(41)は、超音波スピーカ(13)の
位置を基準とした聴取者の頭部(M)の位置を常時検出
し、その位置情報、すなわち超音波スピーカ(13)に対
する聴取者の頭部(M)の方向を示す角度θに対応する
アドレスを演算しており、このアドレス演算回路(41)
から得られる上記スイッチ(31)を操作したときの角度
θに対応するアドレスがメモリコントローラ(35)を
介してメモリ(34)に記憶される。また、同時にボリュ
ーム(32)で調整された上記距離l0に対応するアドレス
がメモリコントローラ(35)を介してメモリ(34)に記
憶される。換言すると基準信号の位置に対する設定され
た仮想音源位置のアドレスがメモリ(34)に記憶され
る。そして、聴取者の頭部(M)が超音波スピーカ(1
3)からθ回転し、距離lはなれたとき、上記アドレス
演算回路(41)は、上述と同様にこれらの角度θ及び切
距離lに対応するアドレスを演算し、このアドレスをテ
ーブル読み出し回路(42)に供給する。また、セレクタ
(36)はメモリコントローラ(35)の制御のもとにメモ
リ(34)に記憶されている上記設定された仮想音源位置
のアドレスをテーブル読み出し回路(42)に供給する。
テーブル読み出し回路(42)は、上記アドレス演算回路
で得られるアドレスから、超音波スピーカ(13)に対す
る仮想音源位置の相対位置を示すアドレスを減算して、
伝達特性情報テーブル(43)に供給する。すなわち、例
えば角度(θ−θ)及び距離(l−l0)に対応するア
ドレスを求め、このアドレスを伝達特性情報テーブル
(43)に供給する。そして、音声信号処理手段(23)に
おいて、音源位置設定回路(19)において設定された所
望の位置を仮想音源の位置とする左耳用及び右耳用の各
音響信号EL,ERが実時間処理で得られる。この結果、聴
取者の移動及び頭部(M)の回転に伴う伝達特性の変化
に実時間で対応させた信号処理を行うことができ、例え
ば、聴取者に対向するように離間して前方に設置された
一対のスピーカ装置により音響信号を再生する場合と同
様に仮想音源が移動することのない良好な頭外定位感及
び前方定位感が得られる。さらに、仮想音源の位置を上
述のようにスイッチ(31)、ボリューム(32)を用いて
所望の位置に簡単に設定することができる。
以上のように、上記超音波スピーカ(13)の位置を仮
想音源の基準位置として、仮想音源位置と聴取者の頭部
(M)との相対位置関係を示す上記角度θ及び距離l0
の情報、及び超音波スピーカ(13)の位置と聴取者の頭
部(M)との相対位置関係を示す上記角度θ及び距離l
の情報から、所望の仮想音源位置に対する頭部(M)の
上記回転角度及び仮想音源からの相対距離を算出して、
上記所望の仮想音源の指向性等を考慮した伝達特性を求
め、この伝達特性を示す情報に基づいて左耳用及び右耳
用の各音響信号EL,ERが実時間処理で得られる。したが
って、この音響信号再生装置によれば、聴取者の移動及
び頭部(M)の回転に伴う伝達特性の変化に実時間で対
応させた信号処理を行うことにより、例えば、第6図の
A,B,Cに示すように、聴取者(P)に対向するように離
間して前方に設置された一対のスピーカ装置(SL),
(SR)により音響信号を再生する場合と同様に仮想音源
が移動することのない良好な頭外定位感及び前方定位感
が得られる。さらに、仮想音源の位置をスイッチ(3
1)、ボリューム(32)を用いて所望の位置に簡単に設
定することができる。
ここで、第6図には、聴取者(P)が一対のスピーカ
装置(SL),(SR)で形成される仮想音源に対してAに
示すように位置している状態から仮想音源に近づいた状
態をBに示し、さらに、聴取者(P)が頭部(M)を右
スピーカ装置(SR)側に移動及び回転した状態をCに示
してある。この実施例の音響信号再生装置では、上述の
ように聴取者の移動及び頭部(M)の回転に伴う伝達特
性の変化に実時間で対応させた信号処理を行うことによ
り、仮想音源が移動することのない良好な頭外定位感及
び前方定位感が得られ、上記第6図のA,B,Cのいずれの
状態にも対応するバイノーラル再生を行うことができ
る。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではな
く、例えば、第7図に示すように上記スイッチ(31)、
ボリューム(32),(33)をヘッドホンユニット(2
L),(2R)の何れか1つに設けるようにしてもよい。
また、第8図に示すように上記スイッチ(31)、ボリュ
ーム(32),(33)をヘッド装置と演算装置(14)の間
の位置に設けられた遠隔操作ボックス50に設けるように
してもよい。すなわち、これらの場合、仮想音源位置を
設定するための操作用のスイッチ(31)等が聴取者の手
元にあるので、操作性をより向上させることができる。
また、上記スイッチ(31)、ボリューム(32),(3
3)を光線や電波を用いた遠隔操作装置、所謂ワイヤレ
スリモコンに設け、遠隔操作できるようにしてもよい。
また、ヘッドホン装置(10)にヘッドホン装置を頭部
(M)に装着したことを検出する例えばスイッチを設
け、このスイッチと上記スイッチ(31)を連動させるよ
うにしてもよい。すなわち、ヘッドホン装置(10)を装
着したときの聴取者の頭部(M)の正面方向を自動的に
仮想音源の方向とすることにより、操作がさらに簡単に
なる。
また、上記メモリ(34)を不揮発性メモリとし、製造
元においてメモリ(34)の標準的な仮想音源位置の情報
を予め記憶させておき、電源投入に同時してこの製造元
で設定された標準値に設定(リセット)するようにして
もよい。すなわち、製造元で設定されたバイノーラル再
生に適した仮想音源位置、例えば最も自然に感じるよう
に設定された標準値から常にバイノーラル再生を開始さ
せることができる。
また、上記メモリ(34)を不揮発性メモリとし、電源
遮断直前において設定されていた仮想音源位置の情報、
個人差補正の情報を記録しておき、つぎの電源投入の際
に、該記憶されている仮想音源位置の情報等を用いるよ
うにしてもよい。すなわち、電源投入毎の仮想音源位置
等の設定を不要にすることができる。
また、上記メモリ(34)を不揮発性メモリとする共
に、複数人の設定値を記憶するようにしてもよい。すな
わち、各人の設定値を、例えばスイッチボタン1つで設
定することができる。
また、上記メモリ(34)を不揮発性メモリとし、音響
信号(ソース)の種類、例えば、クラシック音楽、ポピ
ラー音楽、演歌等に対応して、種々の仮想音源位置の情
報等をメモリ(34)に予め記憶しておくようにしてもよ
い。すなわち、音響信号の種類に対応したバイノーラル
再生を簡単に行うことができる。
H 発明の効果 上述のように、本発明に係る音響信号再生装置では、
仮想音源の位置を設定する音源位置設定手段を設け、演
算手段により、基準信号源から送出される位置検出用の
基準信号を感受する一対の信号検出器の出力信号及び音
源位置設定手段からの仮想音源位置情報に基づいて、所
望の位置に設定される仮想音源から聴取者の両耳に至る
音響伝達特性を求める。そして、音響信号処理手段は、
上記演算手段により求められた音響伝達特性に基づいて
左チャンネル及び右チャンネルの音響信号をそれぞれ処
理し、信号処理済の音響信号を一対のヘッドホン装置に
供給するので、仮想音源位置を所望の位置に設定するこ
とができる。また、聴取者が移動した場合にも設定され
た所望の仮想音源位置が移動することのない極めて自然
な音像定位感が得られる適正なバイノーラル再生を行う
ことができる。さらに、上記音源位置設定手段を、例え
ば上述のように聴取者の正面方向を仮想音源方向にする
設定スイッチ等で構成することによって、操作性が良い
バイノーラル再生用の音響信号再生装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る音響信号再生装置の構成を模式的
に示すブロック図であり、第2図は上記音響信号再生装
置の演算装置に供給される信号の状態を概略的に示すタ
イムチャートであり、第3図は上記音響信号再生装置の
演算装置により算出される距離及び角度を示す模式図で
あり、第4図は音源位置設定回路及び伝達特性算出回路
の具体的な構成例を示すブロック図であり、第5図は仮
想音源位置の設定例を示す平面図であり、第6図は上記
音響信号再生装置によるバイノーラル再生の動作を説明
するための仮想音源と聴取者との相対位置関係を示す平
面図であり、第7図はヘッドホン装置に仮想音源位置設
定のためのスイッチ等を具備したときの外観斜視図であ
り、第8図はヘッド装置と演算装置との間に設けられた
遠隔操作ボックスに仮想音源位置設定のためのスイッチ
等を具備したときの外観斜視図である。 (2L),(2R)……ヘッドホンユニット (5L),(5R)……信号検出器 (10)……ヘッドホン装置 (11)……基準信号源 (14)……演算装置 (19)……音源位置設定回路 (23)……音響信号処理回路
フロントページの続き (72)発明者 矢部 進 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−204200(JP,A) 特開 昭59−44199(JP,A) 特開 昭58−116900(JP,A) 特開 昭53−137101(JP,A) 特開 昭53−137102(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 1/10,3/00,5/00 H04S 1/00 - 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】位置検出用の基準信号を送出する基準信号
    源と、 聴取者の頭上の2箇所に配設され、上記基準信号源から
    送出される基準信号を感受する一対の信号検出器と、 所望の仮想音源の位置を設定する音源位置設定手段と、 上記一対の信号検出器の出力信号及び上記音源位置設定
    手段からの仮想音源位置情報に基づいて上記仮想音源か
    ら聴取者の両耳に至る音響伝達特性を求める演算手段
    と、 上記演算手段により求められた音響伝達特性に基づいて
    左チャンネル及び右チャンネルの音響信号をそれぞれ処
    理する音響信号処理手段と、 上記音響信号処理手段を介した音響信号を再生するヘッ
    ドホン装置と を備えることを特徴とする音響信号再生装置。
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