JP3111009B2 - クローラ式車両の走行装置 - Google Patents

クローラ式車両の走行装置

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JP3111009B2
JP3111009B2 JP07354031A JP35403195A JP3111009B2 JP 3111009 B2 JP3111009 B2 JP 3111009B2 JP 07354031 A JP07354031 A JP 07354031A JP 35403195 A JP35403195 A JP 35403195A JP 3111009 B2 JP3111009 B2 JP 3111009B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベル、油
圧クレーンあるいはブルドーザ等に用いて好適なクロー
ラ式車両の走行装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、左,右両側にサイドフレームが
設けられたクローラ式車両のトラックフレームと、該ト
ラックフレームの各サイドフレーム端部に一体的に設け
られたモータブラケットと、該モータブラケットにモー
タケーシングの外周側が固着され該モータケーシング内
に容量可変部を有するアキシャルピストン型可変容量式
の走行用油圧モータと、該油圧モータのモータケーシン
グ内に設けられ制御圧が供給されることにより該油圧モ
ータの容量可変部を傾転駆動する傾転アクチュエータ
と、前記油圧モータのモータケーシング内に設けられ該
傾転アクチュエータに供給する制御圧をパイロット圧に
応じて切換えることにより前記油圧モータの容量を変化
させる油圧パイロット式の容量制御弁(パイロット弁)
と、前記油圧モータにより走行用の減速機を介して駆動
される履帯とを備えたクローラ式車両の走行装置は、例
えば特開昭63−170568号公報に記載の斜板式油
圧モータの変速装置等によって知られている。
【0003】この種の従来技術によるクローラ式車両の
走行装置では、前記走行用油圧モータの駆動力を減速機
等を介して履帯に伝達させることにより、該履帯に周回
動作を行わせて、車両を路面上で走行させる。そして、
前記傾転アクチュエータに供給する制御圧を容量制御弁
で切換えることにより、油圧モータの容量を最大にした
場合には、該油圧モータが低速、高トルクで回転し、車
両の走行速度を低く抑えることができる。
【0004】また、前記油圧モータの容量を最小にした
場合には、該油圧モータが高速、低トルクで回転し、走
行速度を速くすることができる。このように油圧モータ
の回転速度およびトルクを、路面の状況(坂道の傾斜角
等)に合わせて適宜に制御することにより、履帯等の走
行装置を装備したクローラ車両を路面上で円滑に走行さ
せるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による走行装置では、モータケーシング内に設け
られる容量制御弁を、油圧モータの長さ方向(軸方
向)、即ち履帯(サイドフレーム)の幅方向に対して平
行に配向させる構成であるから、モータケーシング全長
がサイドフレームの幅寸法よりも大きくなり、モータケ
ーシングの端部がサイドフレーム(履帯)から横方向に
はみ出してしまう場合があるため、従来技術では、土砂
等の掘削作業時や路上走行時に、モータケーシングに土
砂、岩石等が直接衝突し易くなり、該モータケーシング
が早期に破損、損傷等を受けて、油圧モータを円滑に運
転させるのが難しくなるという問題がある。さらに、容
量制御弁に接続される油圧パイロット用の配管もサイド
フレームから外部にはみ出し易くなり、該配管に土砂、
岩石等が衝突して破損、損傷等を受け易くなるという問
題がある。
【0006】一方、他の従来技術として、モータケーシ
ング内に設けられる容量制御弁を該モータケーシングの
径方向に沿って配設することにより、モータケーシング
全体の大きさ(全長)をトラックフレームや履帯の幅寸
法よりも小さくして、モータケーシングの端部に岩石等
が直接衝突してしまうのを防止できるようにした可変型
油圧モータ(以下、他の従来技術という)が、例えば特
開平2−298671号(特公平5−71795号)公
報に開示されている。
【0007】しかし、このような他の従来技術では、容
量制御弁をパイロット配管用の接続部と共に、履帯の接
地面に対してほぼ垂直となる方向に配向させているた
め、パイロット配管を前記接続部に接続するときに、サ
イドフレームの長さ方向に延びたパイロット配管の先端
側を前記接続部の近傍側で90度に近い角度に湾曲させ
て接続する必要がある。
【0008】この結果、配管の引廻し作業が難しくな
り、配管時の作業性が低下するばかりでなく、このよう
にパイロット配管を湾曲させて容量制御弁の接続部に接
続すると、該パイロット配管の長さが必要以上に長くな
ってしまい、該配管内を流通する圧油の圧力損失や漏洩
事故等が生じ易いという問題がある。
【0009】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はモータケーシングの全長を確実
に短くでき、路上走行時や掘削作業時に油圧モータが外
部からの岩石等で損傷されるのを効果的に防止できると
共に、容量制御弁に接続されるパイロット配管の引廻し
作業等を容易に行うことができ、油圧モータの円滑な作
動を長期に亘って補償できるようにしたクローラ式車両
の走行装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、左,右両側にサイドフレームが設けら
れたクローラ式車両のトラックフレームと、該トラック
フレームの各サイドフレーム端部に一体的に設けられた
モータブラケットと、該モータブラケットにモータケー
シングの外周側が固着され該モータケーシング内に容量
可変部を有するアキシャルピストン型可変容量式の走行
用油圧モータと、該油圧モータのモータケーシング内に
設けられ制御圧が供給されることにより該油圧モータの
容量可変部を傾転駆動する傾転アクチュエータと、前記
油圧モータのモータケーシング内に設けられ該傾転アク
チュエータに供給する制御圧をパイロット圧に応じて切
換えることにより前記油圧モータの容量を変化させる油
圧パイロット式の容量制御弁と、前記油圧モータにより
走行用の減速機を介して駆動される履帯とを備えたクロ
ーラ式車両の走行装置に適用される。
【0011】そして、請求項1に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記容量制御弁を、前記履帯の駆動方向
でかつ該履帯の接地面に対して略平行となる方向に近付
けるように、前記モータケーシングの径方向に配向して
設け、該容量制御弁に外部からパイロット圧を供給する
パイロット配管、前記モータブラケットに沿って略直
線状に伸長させる構成としたことにある。
【0012】このように構成することにより、モータケ
ーシングの径方向に容量制御弁をコンパクトに配設で
き、油圧モータのモータケーシング全体が履帯の幅寸法
よりも大きくなるのを確実に防止することができる。そ
して、容量制御弁にパイロット圧を供給するパイロット
配管をモータブラケットに沿って略直線状に引き廻すこ
とができ、パイロット配管に大きな湾曲部や屈曲部等を
設ける必要がなくなる。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、前記油圧
モータのモータケーシングは、前記減速機が取付けられ
る筒状のケーシング本体と、前記減速機とは反対側で該
ケーシング本体を施蓋するリアケーシングとからなり、
該リアケーシング内に、外部の油圧源に接続される一対
の給排通路と、該各給排通路の途中にそれぞれ配設され
たカウンタバランス弁および一対のオーバロードリリー
フ弁と、前記各給排通路のうち高圧側の圧油を制御圧と
して選択し該制御圧を高圧通路に導く高圧選択弁とを設
け、前記容量制御弁を、前記リアケーシング内に形成さ
れ該高圧選択弁の高圧通路に連通したスプール摺動穴
と、該スプール摺動穴内に挿嵌され前記傾転アクチュエ
ータに供給すべき前記制御圧を摺動位置に応じて切換え
るスプールと、該スプールの一端側に設けられ該スプー
ルを常時初期位置に向けて付勢する弁ばねと、該弁ばね
に抗して前記スプールを摺動変位すべく該スプールの他
端側に設けられ前記パイロット配管からのパイロット圧
が供給される油圧パイロット部とからなる構成としてい
る。
【0014】このように構成することにより、減速機を
ケーシング本体側に配設すると共に、リアケーシング内
に給排通路、カウンタバランス弁、各オーバロードリリ
ーフ弁、高圧選択弁および容量制御弁等を全てまとめて
配設でき、容量制御弁のスプール摺動穴、スプール、弁
ばねおよび油圧パイロット部等を、これら給排通路、カ
ウンタバランス弁、各オーバロードリリーフ弁および高
圧選択弁等の間にコンパクトに配置することができる。
【0015】さらに、請求項3に記載の発明は、前記容
量制御弁のスプールを、前記リアケーシング内に一対の
給排通路と略平行に配向して設け、前記容量制御弁の油
圧パイロット部に接続される前記パイロット配管を、前
記一対の給排通路を油圧源に接続する一対の油圧配管に
対して略平行に伸長するように前記モータブラケット内
に配設したことにある。
【0016】このように構成することにより、容量制御
弁のスプールと各給排通路とをリアケーシング内に略平
行に配設でき、これらに接続されるパイロット配管と各
油圧配管とを略平行に配設できるから、パイロット配管
が各油圧配管と交差したりするのを防止でき、これらの
各配管をモータブラケット内で互いに略平行に引廻すよ
うにして配管作業を容易に行うことができる。
【0017】さらにまた、請求項4に記載の発明は、前
記油圧モータを、前記ケーシング本体とリアケーシング
との間に回転可能に設けられた駆動軸と、該駆動軸に一
体的に設けられ軸方向に複数のシリンダが形成されたロ
ータと、該ロータの各シリンダ内に往復動可能に挿嵌さ
れた複数のピストンと、該各ピストンがシューを介して
摺動する平滑面を有し前記容量可変部を構成する斜板
と、該斜板とケーシング本体との間に設けられ前記傾転
アクチュエータを構成する一対の傾転制御ピストンとを
備えた斜板型の油圧モータとし、前記容量制御弁は、前
記高圧選択弁で高圧側として選択した制御圧を、前記一
対の傾転制御ピストンのいずれか一方に選択的に供給す
ることにより前記斜板を傾転駆動する構成としたことに
ある。
【0018】これにより、容量制御弁は外部からのパイ
ロット圧に応じて高圧選択弁からの制御圧を一対の傾転
制御ピストンのいずれか一方に選択的に供給でき、この
ときの制御圧で傾転制御ピストンを作動させることによ
り、斜板の傾転角度を変えつつ、モータ容量を可変に制
御できる。そして、モータ容量を変化させたときには、
ロータの各シリンダ内を往復動する各ピストンのストロ
ーク量が斜板の傾転角に応じて変わることにより、各シ
リンダ内に給排される圧油が増,減し、油圧モータ(駆
動軸)の回転速度を変化させることができる。
【0019】一方、請求項5に記載の発明は、前記高圧
選択弁の高圧通路を、前記一対の給排通路間に位置し前
記油圧モータの駆動軸に対して略同軸となるように配設
し、前記容量制御弁のスプール摺動穴を、前記油圧モー
タの駆動軸に対して略垂直となるように前記リアケーシ
ングの中央位置で径方向に配向したことにある。
【0020】これにより、高圧選択弁の高圧通路を一対
の給排通路間に位置してリアケーシングの中心部に配設
でき、容量制御弁のスプール摺動穴を高圧通路と略垂直
方向で連通させることができる。そして、容量制御弁の
スプールを油圧パイロット部からのパイロット圧で摺動
変位させることにより、高圧通路からの制御圧を傾転ア
クチュエータに切換えて供給でき、油圧モータの容量制
御を確実に行うことができる。
【0021】また、請求項6に記載の発明は、前記油圧
モータのモータケーシングを、該モータケーシング全体
を前記履帯の幅方向内側に収納するように、前記モータ
ブラケットに固着して設ける構成としたことにある。
【0022】この結果、油圧モータのモータケーシング
全体を履帯の幅方向内側に収納でき、モータケーシング
の端部が履帯の幅方向外側にはみ出してしまうのを確実
に防止できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
クローラ式車両の走行装置を油圧ショベルに適用した場
合を例に挙げて、添付図面に従って詳細に説明する。
【0024】図中、1は当該油圧ショベルの走行装置全
体を構成する下部走行体、2は該下部走行体1上に旋回
可能に設けられた上部旋回体を示し、該上部旋回体2
は、旋回フレーム3上に設けられた運転室4、機械室5
およびカウンタウェイト6から大略構成され、旋回フレ
ーム3の前部中央には土砂等の掘削作業を行う作業装置
7が設けられている。また、運転室4内には後述の操作
レバー48A,50A等が設けられ、機械室5内には原
動機(図示せず)と共に後述の油圧ポンプ52および補
助ポンプ53等が装備されている。
【0025】8は下部走行体1の本体を構成するトラッ
クフレームを示し、該トラックフレーム8は、その上側
中央部に上部旋回体2の旋回フレーム3が旋回可能に取
付けられたセンタフレーム9と、該センターフレーム9
の左,右両側に設けられ前,後に伸長した一対のサイド
フレーム10,10とから大略構成されている。
【0026】ここで、各サイドフレーム10は上,下,
左,右の板体から縦長の筐体として形成され、その内側
面には後述の油圧配管47A,47B、パイロット配管
49等が該サイドフレーム10の伸長方向に沿ってそれ
ぞれ配設されている。
【0027】11は各サイドフレーム10の一側端部に
設けられたモータブラケット(片方のみ図示)を示し、
該モータブラケット11は図2および図3に示す如く、
外形が略半楕円形状をなした平板からなるブラケット本
体12と、該ブラケット本体12の外形に沿って略U字
状に湾曲した細長の板材からなる外枠板13とによって
構成されている。そして、外枠板13の内側面はその幅
方向左側端部(図3参照)がブラケット本体12の外側
端面に溶接等で固着されると共に、ブラケット本体12
の前側端面および外枠板13の前側端面は、サイドフレ
ーム10の一側端部に溶接等で固着されている。
【0028】また、外枠板13の幅寸法は図3に示すよ
うに寸法L1 に設定されている。さらに、ブラケット本
体12はその中央部に円形状のモータ取付穴12Aが穿
設されると共に、該モータ取付穴12Aの外周側には複
数のボルト挿通穴12B,12B,…(2個のみ図示)
が穿設され、後述のケーシング15が各ボルト18等を
介してモータ取付穴12Aの外周側に一体的に取付けら
ている。
【0029】14はアキシャルピストン型可変容量式の
走行用油圧モータを示し、該油圧モータ14は斜板型の
油圧モータにより構成され、後述の斜板28を傾転駆動
して油圧モータ14の容量を変化させることにより、油
圧ショベル(車両)の走行速度とトルクとを可変に制御
する構成となっている。
【0030】15はモータケーシングとしてのケーシン
グを示し、該ケーシング15は、後述の減速機54が取
付けられる段付筒状のケーシング本体16と、減速機1
5とは反対側で該ケーシング本体16の開口端側を施蓋
する後述のリアケーシング19とから構成され、ケーシ
ング本体16は小径筒部16Aと大径筒部16Bとから
段付筒状体として形成されている。そして、該小径筒部
16Aの内周側には、ケーシング本体16の径方向に離
間して一対の傾転制御シリンダ16C,16Dがそれぞ
れ形成されている。また、前記大径筒部16Bは内周側
がロータ収容部17となり、該ロータ収容部17内には
後述の駆動軸20、ロータ23等が収容されている。
【0031】ここで、前記大径筒部16Bの外周側には
径方向外向きに環状フランジ部16Eが延設され、該環
状フランジ部16Eには周方向に離間して複数のねじ穴
16F,16F,…が形成されている。そして、ケーシ
ング本体16は、各ボルト18等をそれぞれブラケット
本体12の各ボルト挿通穴12内に挿通して、環状フラ
ンジ部16Eの各ねじ穴16Fに螺着させることによ
り、モータブラケット11に一体的に取付けられてい
る。
【0032】19はモータブラケット11内に収容され
たリアケーシングを示し、該リアケーシング19は図3
ないし図4に示す如く、厚肉の円板部19Aと、該円板
部19Aの裏面側中央部に一体形成され、該円板部19
Aの軸方向に突出した角板部19Bとから構成され、円
板部19Aの内側端面中央部には軸受収容部19Cが形
成されている。
【0033】ここで、リアケーシング19の表面とケー
シング本体16の環状フランジ部16Eとの間の距離
は、外枠板13の幅寸法L1 よりも小さい寸法L2 (L
2 <L1 )に設定され、リアケーシング19は確実にモ
ータブラケット11内に収容されるようになっている。
【0034】20はケーシング15の軸方向に配設され
た駆動軸で、該駆動軸20は、そのリア側がリアケーシ
ング19の軸受収容部19Cにリア軸受21を介して回
転可能に支持されると共に、フロント側がケーシング本
体16の小径筒部16Aにフロント軸受22を介して回
転可能に支持されている。
【0035】23はケーシング本体16のロータ収容部
17内に位置して駆動軸20とスプライン結合され、該
駆動軸20と一体回転可能に設けられたロータを示し、
該ロータ23には駆動軸20の周囲に位置して、軸方向
に延びる複数のシリンダ24,24,…が形成され、該
各シリンダ24内にはピストン25,25,…が往復動
可能に挿嵌されている。
【0036】26はリアケーシング19とロータ23と
の間に位置してリアケーシング19に固定された切換弁
板で、該切換弁板26はロータ23の各シリンダ24と
間欠的に連通する一対の給排ポート26A,26Aを有
し、該各給排ポート26Aは後述する給排通路35A,
35Bと連通するようになっている。また、切換弁板2
6とロータ23とは摺動面23Aを介して常時摺接し、
ロータ23の各シリンダ24を、摺動面23Aに開口す
るシリンダポート24A、および切換弁板26の各給排
ポート26Aを介して給排通路35A,35Bと間欠的
に連通させている。
【0037】27,27,…は各ピストン25の突出端
に揺動可能に設けられた複数のシューを示し、該各シュ
ー27の先端側は、後述する斜板28の平滑面28Aに
摺接することにより、ロータ23が斜板28に対して円
滑に回転するのを補償している。
【0038】28は容量可変部を構成する円板状の斜板
を示し、該斜板28はロータ収容部17内に位置してケ
ーシング本体16のフロント側に設けられている。そし
て、該斜板28は、各シュー27が摺接する平滑面28
Aが駆動軸20の軸心O−Oに対して傾斜し、その中央
部には駆動軸20が挿通される軸挿通穴28Bが穿設さ
れている。また、斜板28の平滑面28A裏面側には、
後述の支承部材30に係合する半球状をなした一対の係
合凹部28C(1個のみ図示)が凹設されている。
【0039】29はロータ収容部17内に位置して斜板
28とケーシング本体16の小径筒部16Aとの間に設
けられた傾転制御板、30は該傾転制御版29上に固着
され、斜板28の係合凹部28Cに係合する半球状をな
した一対の支承部材(1個のみ図示)で、該支承部材3
0は斜板28の支点となり、該斜板28をロータ収容部
17内で円滑に傾転させるものである。
【0040】31,32は傾転アクチュエータとしての
一対の傾転制御ピストンをそれぞれ示し、該傾転制御ピ
ストン31,32は、ケーシング本体16の傾転制御シ
リンダ16C,16D内にそれぞれ摺動可能に挿嵌され
ている。
【0041】33,34はケーシング15に形成された
傾転制御通路を示し、該各傾転制御通路33,34は、
リアケーシング19側に設けられ後述する容量制御弁4
3のスプール摺動穴43A内に連通するリア側通路33
A,34Aと、ケーシング本体16側に設けられ傾転制
御シリンダ16C,16Dに連通する本体側通路33
B,34Bとから構成され、これらリア側通路33A,
34Aと本体側通路33B,34Bとは、ケーシング本
体16にリアケーシング19を取付けることにより液密
状態に連結されている。
【0042】そして、該各傾転制御通路33,34は容
量制御弁43からの制御圧を傾転制御シリンダ16C,
16D内に選択的に供給し、この制御圧で傾転制御ピス
トン31,32を斜板28の裏面に向けて押動すること
により、斜板28が支承部材30を支点として傾転駆動
される。
【0043】35A,35Bはリアケーシング19の内
部にそれぞれ形成された一対の給排通路を示し、該給排
通路35A,35Bは一端側が図2ないし図6に示す如
く、角板部19Bの前側端部から後述する履帯56の接
地面57と略平行に突出し、その先端側は圧油給排ポー
ト36A,36Bとなっている。また、給排通路35
A,35Bの他端側は、その途中部位が図5に示す後述
のチェック弁38A,38B側でリアケーシング19の
軸方向へとL字状に屈曲し、その先端側(図示せず)は
切換弁板26の給排ポート26A、26A、ロータ23
のシリンダポート24A等を介して各シリンダ24とそ
れぞれ連通している。
【0044】ここで、給排通路35A,35Bの一端側
(圧油給排ポート36A,36B側)は、リアケーシン
グ19の角板部19B内を円板部19Aの径方向で互い
に平行となるように略直線状に延び、給排ポート36
A,36Bには後述の油圧配管47A,47Bが接地面
57に対して略平行となるように接続される。また、前
述の如くリアケーシング19をモータブラケット11内
に収容させることにより、給排ポート36A,36Bは
モータブラケット11の内部に確実に配設されている。
【0045】さらに、圧油給排ポート36A,36B
は、油圧配管47A,47Bを介して油圧ポンプ52と
タンク51に接続され、油圧ポンプ52からの圧油が後
述の方向切換弁48を介して圧油給排ポート36A,3
6Bの一方に導かれる。そして、この圧油は給排通路3
5A,35Bを介してロータ23の各シリンダ24に給
排されることにより、ロータ23と共に駆動軸20が回
転駆動されるようになっている。
【0046】37は給排通路35A,35Bの途中に配
設されたカウンタバランス弁を示し、該カウンタバラン
ス弁37は、リアケーシング19の円板部19Aに対し
て径方向で、かつ給排通路35A,35Bの伸長方向に
沿って角板部19B内に配向された一対のチェック弁3
8A,38Bと、給排通路35A,35Bの伸長方向に
対して直交するように角板部19B内に配設され、給排
通路35A,35Bを介して該各チェック弁38A,3
8Bに対して並列に接続された圧力制御弁39とから構
成されている。
【0047】そして、チェック弁38A,38Bは、油
圧ポンプ52から油圧モータ14に向けて圧油が流通す
るのを許し、逆向きの流れを阻止する。また、圧力制御
弁39は給排通路35Aと給排通路35Bとの間に生じ
る圧力差により、方向切換弁48にほぼ連動して図7に
示す中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)に切換
えられ、給排通路35A,35Bのうち低圧側となる油
圧モータ14からの戻り油をタンク51側に戻すように
なっている。
【0048】40A,40Bは給排通路35A,35B
の途中に設けられた一対のオーバロードリリーフ弁を示
し、該オーバロードリリーフ弁40A,40Bは図5に
示す如く、リアケーシング19の後側(圧油給排ポート
36A,36Bとは反対側)の位置で給排通路35A,
35Bの伸長方向に沿って配向されている。そして、前
記各オーバロードリリーフ弁40A,40Bは、油圧モ
ータ14の慣性回転時に給排通路35A,35B内に過
剰圧が発生すると、この過剰圧を給排通路35A,35
Bのうちの低圧側にリリーフすべく開弁するようになっ
ている(図7参照)。
【0049】41はリアケーシング19に設けられた高
圧選択弁を示し、該高圧選択弁41は図5および図7に
示す如く、カウンタバランス弁37と各オーバロードリ
リーフ弁40A,40Bとの間に位置して給排通路35
A,35Bの途中に設けられている。そして、該高圧選
択弁41は、例えば給排通路35A,35Bと後述の高
圧通路42とに接続される3つのポートを有し、給排通
路35A,35Bを流れる圧油のうちの高圧側の圧油を
制御圧として選択的に高圧通路42に導くようになって
いる。
【0050】42はリアケーシング19に設けられた高
圧通路を示し、該高圧通路42は図4に示す如く、上流
側が高圧選択弁41に連通し下流側が後述のスプール摺
動穴43Aに連通している。そして、高圧通路42は給
排通路35A,35B間に位置して駆動軸20の軸心O
−Oに対して略同軸となるように配設されている。
【0051】43は傾転制御通路33,34を高圧通路
42,タンク通路44に選択的に接続するように、リア
ケーシング19の角板部19Bに設けられた容量制御弁
を示し、該容量制御弁43は図4および図6に示す如
く、角板部19Bの中央位置で前,後方向に延びるよう
に形成され、一端側が角板部19Bの前側端部から外部
に開口したスプール摺動穴43Aと、該スプール摺動穴
43Aに摺動可能に挿嵌されたスプール43Bと、該ス
プール43Bの一端側に伸縮自在に設けられ、該スプー
ル43Bを常時初期位置(図6の状態)に向けて付勢す
る弁ばね43Cと、一端側が接続口43D1 となり、他
端側がスプール摺動穴43Aの端部に嵌着された油圧パ
イロット部43Dとから大略構成されている。
【0052】ここで、前記スプール摺動穴43Aは、そ
の中間位置で高圧通路42に連通し、中間位置両側で傾
転制御通路33,34のリア側通路33A,34Bに連
通している。また、油圧パイロット部43Dの接続口4
3D1 にはパイロット配管49が接続されている。そし
て、前記スプール摺動穴43Aは、駆動軸20の軸線O
−Oに対して略垂直となるように配向されると共に、各
履帯56の接地面57(各履帯56の駆動方向方向であ
る矢示A方向)に対しては略平行となる方向に近付くよ
うにケーシング15の径方向に配設している。
【0053】これによって、容量制御弁43は、リアケ
ーシング19の角板部19B内で各給排通路35A,3
5Bおよび一対のオーバロードリリーフ弁40A,40
と共に互いに略平行に配向され、油圧パイロット部4
3Dを接地面57に対して略平行に配向させている。ま
た、前述の如くリアケーシング19をモータブラケット
11内に収容させることにより、油圧パイロット部43
Dはモータブラケット11内に確実に配設される。
【0054】そして、前記油圧パイロット部43Dに
は、速度切換弁50を介してパイロット配管49からの
パイロット圧が供給されることにより、このパイロット
圧に応じてスプール43Bをスプール摺動穴43A内で
摺動変位させ、容量制御弁43を図7中の切換位置
(a)または(b)に切換える。この結果、高圧通路4
2は傾転制御通路33,34のうちのいずれか一方に選
択的に連通し、他方の傾転制御通路33または傾転制御
通路34がタンク通路44を介してタンク51に連通す
る。
【0055】そして、高圧通路42からの圧油は、容量
制御弁43からの制御圧となって傾転制御シリンダ16
C,16Dのうちの一方に選択的に供給され、傾転制御
ピストン31,32のうちの一方が斜板28の裏面を押
圧することにより、斜板28が支承部材30を支点とし
て最大傾転位置と最小傾転位置との間で傾転駆動され
る。
【0056】45は高圧通路42から分岐して、先端側
がリアケーシング19の軸受収容部19C内に開口した
油通路を示し、該油通路45内には図4に示す如く、高
圧選択弁41により選択された高圧側の圧油が導入され
る。また、油通路45は高圧通路42から連続して駆動
軸20の軸心O−Oと略同軸に延在して設けられ、軸受
収容部19C内に開口した油通路45の開口端側には閉
塞プラグ46が嵌着されている。
【0057】47A,47Bは油圧配管で、該油圧配管
47A,47Bは図7に示す如く、基端側(図示せず)
が油圧ポンプ52またはタンク51に接続され、先端側
は図2に示す如く各サイドフレーム10の内側面に沿っ
て延び、各サイドフレーム10の一側端部に形成された
貫通穴(図示せず)等を介して給排ポート36A,36
Bに接続されている。そして、油圧配管47A,47B
の先端側は接地面57に対して略平行となってモータブ
ラケット11内を略直線状に延びるように配設される。
【0058】また、油圧配管47A,47Bの途中には
図7に示す如く、方向切換弁48が設けられ、該方向切
換弁48はオペレータが操作レバー48Aを傾転操作す
ることにより、中立位置(イ)から切換位置(ロ)また
は(ハ)に切換えられる。そして、この切換位置
(ロ),(ハ)に応じて、油圧ポンプ52からの圧油が
油圧配管47A,47Bの一方を通じて圧油給排ポート
36A,36Bの一方に導かれるようになっている。
【0059】49はパイロット配管で、該パイロット配
管49は図7に示す如く基端側(図示せず)が補助ポン
プ53またはタンク51に接続され、先端側は各サイド
フレーム10の伸長方向に沿って延び、油圧パイロット
部43D(容量制御弁43)の接続口43D1 に接続さ
れている。そして、パイロット配管49の先端側は前記
油圧配管47A,47Bに対して略平行となってモータ
ブラケット11内を略直線状に延びるように配設され
る。
【0060】また、パイロット配管49の途中には図7
に示す如く、速度切換弁50が設けられ、該速度切換弁
50は、操作レバー50Aに対する操作に応じて切換位
置(c)または(d)に切換えられる。そして、この切
換位置(c),(d)に応じて、補助ポンプ53からの
圧油がパイロット配管49から油圧パイロット部43D
にパイロット圧として供給されるようになっている。
【0061】51は作動油等の油液を収容したタンク、
52は該タンク51内の油液を方向切換弁48を介して
給排ポート36A,36Bに給排するメインの油圧ポン
プ、53は補助ポンプを示し、該補助ポンプ53はタン
ク51内の油液を速度切換弁50を介して容量制御弁4
3の油圧パイロット部43Dにパイロット圧として供給
するものである。
【0062】54は油圧モータ14のケーシング本体1
6に回転可能に設けられ、内部に遊星歯車減速機構(図
示せず)を備えた走行用の減速機(片方のみ図示)を示
し、該減速機54は外周側に駆動輪としてのスプロケッ
ト55が取付けられ、該スプロケット55は、後述する
履帯56等と噛合するようになっている。そして、油圧
モータ14が回転すると、この回転は減速機54で減速
された後、スプロケット55を介して履帯56に伝達さ
れる。
【0063】56はスプロケット55等を介して各サイ
ドフレーム10の周囲にその長さ方向に沿って巻装され
た履帯を示し、該履帯56は減速機54を介してスプロ
ケット55を回転させることにより周回動作を行い、履
帯56の接地面57上を矢示A方向に向けて走行するよ
うになっている。
【0064】本実施例による油圧ショベルの走行装置は
上述の如き構成を有するもので、油圧ポンプ52からの
圧油を油圧モータ14に給排して該油圧モータ14を回
転駆動し、この回転を減速機54等を介して各履帯56
に伝達することにより、該履帯56に周回動作を行わせ
て、当該油圧ショベルを路面上で走行させる。また、油
圧ポンプ52からの圧油を作業装置7に供給するときに
は、作業装置7を作動させることにより土砂等の掘削作
業を行う。
【0065】ここで、油圧モータ14の作動について説
明すると、まず、図7に示す方向切換弁48が中立位置
(イ)から切換位置(ロ)に切換えられたときには、油
圧ポンプ52からの圧油が油圧配管47A、給排ポート
36Aを介して給排通路35Aに導入され、切換弁板2
6の給排ポート26A、ロータ23のシリンダポート2
4A等を介して各シリンダ24内に供給される。これに
より、ピストン25からシュー27を介した斜板28へ
の押圧力が発生し、この押圧力の横方向成分によってシ
ュー27が斜板28の平滑面28Aを周方向に沿って滑
動し、これと一体的にピストン25、ロータ23が回転
し、同時にスプライン結合部を介して駆動軸20が回転
する。
【0066】そして、ロータ23の回転に伴い、各シリ
ンダ24がシリンダポート24A、切換弁板26の給排
ポート26Bを介して低圧側となる給排通路35Bに連
通すると、この給排通路35Bに導かれた戻り油は、方
向切換弁48とほぼ同期して切換位置(ロ)をとる圧力
制御弁39および油圧配管47B等を介してタンク51
に排出される。
【0067】このとき、高圧通路42には高圧選択弁4
1により選択された給排通路35A側の圧油が制御圧と
なって導入される。そして、容量制御弁43が、例えば
切換位置(a)に切換えられた状態では、高圧通路42
と傾転制御通路33とが連通すると共に、傾転制御通路
34とタンク通路44とが連通し、ケーシング本体16
の傾転制御シリンダ16C内に高圧通路42内の制御圧
が供給される。これにより、図4に示すように、傾転制
御ピストン31が伸長すると共に傾転制御ピストン32
が縮小するから、斜板28は傾転制御ピストン31に押
圧され支承部材30を支点として傾転し、最大傾転位置
を保持するようになる。
【0068】このようにして、斜板28を最大傾転位置
に保持することにより、各ピストン25のストローク量
は最大となり、ロータ23が回転するのに必要な流量が
増加するから、駆動軸20を低速、高トルクで回転させ
ることができ、当該油圧ショベルの走行速度を低く抑え
ることができる。
【0069】また、容量制御弁43が、例えば切換位置
(b)に切換えられた場合には、高圧通路42と傾転制
御通路34とが連通すると共に、傾転制御通路33とタ
ンク通路44とが連通し、ケーシング本体16の傾転制
御シリンダ16D内に高圧通路42内の制御圧が供給さ
れる。これにより、傾転制御ピストン31が縮小すると
共に傾転制御ピストン32が伸長するから、斜板28は
傾転制御ピストン32に押圧され支承部材30を支点と
して傾転し、最小傾転位置を保持するようになる。
【0070】このようにして、斜板28を最小傾転位置
に保持することにより、各ピストン25のストローク量
は最小となり、ロータ23が回転するのに必要な流量が
減少するから、駆動軸20を高速、低トルクで回転させ
ることができ、当該油圧ショベルの走行速度を速くする
ことができる。
【0071】一方、方向切換弁48が中立位置(イ)か
ら切換位置(ハ)に切換えられると、油圧ポンプ52か
らの圧油は、油圧配管47B、給排ポート36Bを介し
て給排通路35Bに導入され、切換弁板26の給排ポー
ト26A、ロータ23のシリンダポート24A等を介し
て各シリンダ24内に供給されるから、駆動軸20は上
述した場合とは逆方向に回転し、当該油圧ショベルの進
行方向を逆方向に切換えることができる。
【0072】このとき、高圧通路42には高圧選択弁4
1により選択された給排通路35B側の圧油が制御圧と
して導入され、この制御圧は容量制御弁43の切換位置
(a),(b)に応じて傾転制御シリンダ16C,16
Dのうちの一方に供給され、上述した場合と同様に斜板
28の傾転角を制御することにより、駆動軸20の回転
速度およびトルクが制御される。
【0073】ここで、路上走行時あるいは岩石等の掘削
作業時に、油圧モータ14を装備したトラックフレーム
8には土砂や岩石等が跳上げられてしまう。
【0074】しかし、本実施例では、リアケーシング1
9内に配設される容量制御弁43を、接地面57の駆動
方向(図2中の矢示A方向)および履帯56の接地面5
7に対して略平行となる方向に配向させると共に、リア
ケーシング19に配設される給排通路35A,35Bお
よび一対のオーバロードリリーフ弁40A,40Bを容
量制御弁43に対して略平行に配向させる構成としてい
る。
【0075】この結果、油圧モータ14のリアケーシン
グ19内に給排通路35A,35B、カウンタバランス
弁37および各オーバロードリリーフ弁40A,40B
と共に容量制御弁43全体をコンパクトに収容でき、リ
アケーシング19の板厚寸法を可能な限り小さくできる
と共に、容量制御弁43の油圧パイロット部43Dおよ
び給排ポート36A,36B等を各サイドフレーム10
の端部側に向けて接地面57に対し略平行に配向させる
ことができる。
【0076】そして、リアケーシング19の表面とケー
シング本体16の環状フランジ部16Eとの間の距離
を、外枠板13の幅寸法L1 よりも小さい寸法L2 (L
2 <L1 )に容易に設定することができ、ケーシング1
5を環状フランジ部16Eを介してモータブラケット1
1に取付けたときには、ケーシング15を履帯56(ト
ラックフレーム8)の幅方向内側に確実に収容すること
ができる。
【0077】また、各油圧配管47A,47Bおよびパ
イロット配管49を、それぞれ給排ポート36A,36
Bおよび油圧パイロット部43Dの接続口43D1 に接
続したときには、各配管47A,47B,49を互いに
交差させることなく、モータブラケット11のブラケッ
ト本体12および接地面57等に対して略平行で、かつ
直線状に伸長するように、外枠板13内に確実に配設
(収容)することができる。
【0078】従って本実施例では、パイロット配管49
の先端側を容量制御弁43の油圧パイロット部43Dに
接続する配管作業を各油圧配管47A,47Bと共に容
易に行うことができ、各配管47A,47B,49等の
引廻し作業を簡略化できると共に、これらの配管47
A,47B,49等の途中部位に大きな屈曲部等が生じ
るのを防止でき、圧油の漏洩や圧力損失等が発生する可
能性を大幅に減少させることができる。
【0079】また、路上走行時あるいは岩石等の掘削作
業時に、油圧モータ14側に土砂、岩石等が跳上げられ
るような場合でも、このような岩石等がリアケーシング
19側に直接衝突して、ケーシング15および各配管4
7A,47B,49が破損、損傷されるのを効果的に防
止でき、油圧モータ14の円滑な作動を長期に亘って補
償することができる。
【0080】さらに、高圧選択弁41の高圧通路42を
一対の給排通路35A,35B間に位置して油圧モータ
14の中心軸(駆動軸20)上に配設すると共に、容量
制御弁43のスプール摺動穴43Aを高圧通路42と垂
直方向で連通させるように、容量制御弁43をリアケー
シング19の中央位置に径方向で配向して設ける構成と
したから、容量制御弁43を高圧選択弁41やカウンタ
バランス弁37等と共にリアケーシング19内によりコ
ンパクトに収容でき、リアケーシング19を含めた油圧
モータ14のケーシング15全体を小型化でき、全長寸
法を短くできる等の効果を奏する。
【0081】なお、前記実施例では、油圧モータ14の
リアケーシング19内に径方向に延びるように配設した
容量制御弁43を、図2に例示するように履帯56の接
地面57と略平行に配向させるものとして述べたが、本
発明は図2に例示した配向状態に限るものではなく、例
えば油圧モータ14の中心と外枠板13の前側端面との
結ぶ図2中の仮想線(角度α)の範囲内で、容量制御弁
43が接地面57と略平行となる方向に近付けるよう
に、容量制御弁43を油圧モータ14のケーシング15
(リアケーシング19)内に配設してもよい。
【0082】また、前記実施例では、二速式の油圧モー
タを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、傾
転角を最小、最大だけでなく、中間位置も選択できる可
変容量型斜板式油圧モータまたは斜軸式油圧モータ等に
適用してもよい。
【0083】さらに、前記実施例では、クローラ式車両
の走行装置として油圧ショベルの下部走行体1を例に挙
げて説明したが、本発明はこれに限らず、油圧クレー
ン、ブルドーザ等に装備される走行装置に適用してもよ
い。
【0084】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、容量制御弁を、履帯の駆動方向でかつ該履帯の接
地面に対して略平行となる方向に近付けるように、モ
タケーシングの径方向に配向して設け、該容量制御弁に
外部からパイロット圧を供給するパイロット配管を、モ
ータブラケットに沿って略直線状に伸長させる構成とし
たから、走行用油圧モータのモータケーシング全長を確
実に短くできると共に、モータケーシング全体が履帯の
幅寸法よりも大きくなるのを防し、パイロット配管を
含めてモータケーシング全体を履帯の幅方向内側に確実
に収容することができる。
【0085】従って、当該走行装置の路上走行時等に
は、油圧モータ側に土砂、岩石等が跳上げられるような
場合でも、このような土砂等がモータケーシングに直接
衝突して、該モータケーシングおよびパイロット配管等
が破損、損傷されるのを効果的に防止でき、油圧モータ
の円滑な作動を長期に亘って補償することができる。ま
た、パイロット配管をモータブラケットに沿って略直線
状に引廻すことができ、該パイロット配管を容量制御弁
に接続するときの配管作業を容易に行うことができると
共に、このパイロット配管の途中部位に大きな湾曲部等
が生じるのを防止でき、圧油の漏洩や圧力損失等が発生
する可能性を大幅に減少させることができる。
【0086】また、請求項2に記載の発明では、油圧モ
ータのリアケーシング内に一対の給排通路、カウンタバ
ランス弁、一対のオーバロードリリーフ弁と共に容量制
御弁をコンパクトにまとめて配設でき、モータケーシン
グ全体を小型化して、該モータケーシングに岩石が衝突
する等の可能性を大幅に減じることができる。
【0087】さらに、請求項3に記載の発明では、リア
ケーシング内に容量制御弁のスプールと一対の給排通路
とを略平行に配向して設けているから、容量制御弁に接
続されるパイロット配管と各給排通路に接続される各油
圧配管とを、モータブラケット内で互いに略平行に引廻
すようにして配管作業を行うことができ、配管時の作業
性を大幅に向上できると共に、これらの各配管が岩石等
で損傷されるのを確実に防止できる。
【0088】さらにまた、請求項4に記載の発明では、
走行用油圧モータを斜板型の油圧モータとし、前記容量
制御弁は高圧選択弁で高圧側として選択した制御圧を、
一対の傾転制御ピストンのいずれか一方に選択的に供給
することにより斜板を傾転駆動する構成としたから、容
量制御弁により外部からのパイロット圧に応じて高圧選
択弁からの制御圧を一対の傾転制御ピストンのいずれか
一方に選択的に供給でき、この制御圧で傾転制御ピスト
ンを作動させることにより、斜板の傾転角を安定させて
可変に制御できる。
【0089】また、請求項5に記載の発明では、高圧選
択弁の高圧通路を一対の給排通路間に位置してリアケー
シングの中心部に配設でき、容量制御弁のスプール摺動
穴を高圧通路と略垂直方向で連通させることができるか
ら、高圧選択弁の高圧通路を中心としてその周囲に一対
の給排通路やカウンタバランス弁等を配設でき、これら
を容量制御弁と共にリアケーシング内によりコンパクト
に収容できる。
【0090】さらに、請求項6に記載の発明では、前記
油圧モータのモータケーシング全体を前記履帯の幅方向
内側に収納することにより、モータケーシングの端部が
履帯の幅方向外側にはみ出してしまうのを確実に防止で
き、岩石等によってモータケーシングが損傷されるのを
より効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による油圧ショベルの走行装置
等を示す一部破断の斜視図である。
【図2】図1中のサイドフレーム、油圧モータ、履帯、
パイロット配管および油圧配管等を示す要部拡大図であ
る。
【図3】図2中の矢示III −III 方向拡大断面図であ
る。
【図4】図3中の油圧モータを拡大して示す縦断面図で
ある。
【図5】図4中の矢示V−V方向拡大断面図である。
【図6】図4中の矢示VI−VI方向拡大断面図である。
【図7】図1中の油圧ショベルに搭載された走行用の油
圧回路図である。
【符号の説明】
1 下部走行体(走行装置) 8 トラックフレーム 10 サイドフレーム 11 モータブラケット 14 油圧モータ 15 ケーシング(モータケーシング) 16 ケーシング本体 19 リアケーシング 20 駆動軸 23 ロータ 24 シリンダ 25 ピストン 27 シュー 28 斜板(容量可変部) 28A 平滑面 31,32 傾転制御ピストン(傾転アクチュエータ) 35A,35B 給排通路 37 カウンタバランス弁 40A,40B オーバロードリリーフ弁 41 高圧選択弁 42 高圧通路 43 容量制御弁 43A スプール摺動穴 43B スプール 43C 弁ばね 43D 油圧パイロット部 47A,47B 油圧配管 48 方向切換弁 49 パイロット配管 51 タンク 52 油圧ポンプ(油圧源) 53 補助ポンプ 54 減速機 56 履帯 57 接地面
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−229615(JP,A) 特開 平2−298671(JP,A) 特開 昭63−170568(JP,A) 実開 昭62−45401(JP,U) 実開 昭63−165232(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 55/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左,右両側にサイドフレームが設けられ
    たクローラ式車両のトラックフレームと トラックフレームの各サイドフレーム端部に一体的に
    設けられたモータブラケットと モータブラケットにモータケーシングの外周側が固着
    され該モータケーシング内に容量可変部を有するアキシ
    ャルピストン型可変容量式の走行用油圧モータと 油圧モータのモータケーシング内に設けられ制御圧が
    供給されることにより該油圧モータの容量可変部を傾転
    駆動する傾転アクチュエータと 記油圧モータのモータケーシング内に設けられ該傾転
    アクチュエータに供給する制御圧をパイロット圧に応じ
    て切換えることにより前記油圧モータの容量を変化させ
    る油圧パイロット式の容量制御弁と 記油圧モータにより走行用の減速機を介して駆動され
    る履帯とを備えたクローラ式車両の走行装置において、 前記容量制御弁は、前記履帯の駆動方向でかつ該履帯の
    接地面に対して略平行となる方向に近付けるように、前
    記モータケーシングの径方向に配向して設け、 容量制御弁に外部からパイロット圧を供給するパイロ
    ット配管、前記モータブラケットに沿って略直線状に
    伸長させる構成としたことを特徴とするクローラ式車両
    の走行装置。
  2. 【請求項2】 前記油圧モータのモータケーシングは、
    前記減速機が取付けられる筒状のケーシング本体と、前
    記減速機とは反対側で該ケーシング本体を施蓋するリア
    ケーシングとからなり、該リアケーシング内には、外部
    の油圧源に接続される一対の給排通路と、該各給排通路
    の途中にそれぞれ配設されたカウンタバランス弁および
    一対のオーバロードリリーフ弁と、前記各給排通路のう
    ち高圧側の圧油を制御圧として選択し該制御圧を高圧通
    路に導く高圧選択弁とを設け、前記容量制御弁は、前記
    リアケーシング内に形成され該高圧選択弁の高圧通路に
    連通したスプール摺動穴と、該スプール摺動穴内に挿嵌
    され前記傾転アクチュエータに供給すべき前記制御圧を
    摺動位置に応じて切換えるスプールと、該スプールの一
    端側に設けられ該スプールを常時初期位置に向けて付勢
    する弁ばねと、該弁ばねに抗して前記スプールを摺動変
    位すべく該スプールの他端側に設けられ前記パイロット
    配管からのパイロット圧が供給される油圧パイロット部
    とから構成してなる請求項1に記載のクローラ式車両の
    走行装置。
  3. 【請求項3】 前記容量制御弁のスプールは、前記リア
    ケーシング内に一対の給排通路と略平行に配向して設
    け、前記容量制御弁の油圧パイロット部に接続される前
    記パイロット配管は、前記一対の給排通路を油圧源に接
    続する一対の油圧配管に対して略平行に伸長するように
    前記モータブラケット内に配設してなる請求項2に記載
    のクローラ式車両の走行装置。
  4. 【請求項4】 前記油圧モータは、前記ケーシング本体
    とリアケーシングとの間に回転可能に設けられた駆動軸
    と、該駆動軸に一体的に設けられ軸方向に複数のシリン
    ダが形成されたロータと、該ロータの各シリンダ内に往
    復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストン
    がシューを介して摺動する平滑面を有し前記容量可変部
    を構成する斜板と、該斜板とケーシング本体との間に設
    けられ前記傾転アクチュエータを構成する一対の傾転制
    御ピストンとを備えた斜板型の油圧モータとし、前記容
    量制御弁は、前記高圧選択弁で高圧側として選択した制
    御圧を、前記一対の傾転制御ピストンのいずれか一方に
    選択的に供給することにより前記斜板を傾転駆動する構
    成としてなる請求項2または3に記載のクローラ式車両
    の走行装置。
  5. 【請求項5】 前記高圧選択弁の高圧通路は、前記一対
    の給排通路間に位置し前記油圧モータの駆動軸に対して
    略同軸となるように配設し、前記容量制御弁のスプール
    摺動穴は、前記油圧モータの駆動軸に対して略垂直とな
    るように前記リアケーシングの中央位置で径方向に配向
    してなる請求項2,3または4に記載のクローラ式車両
    の走行装置。
  6. 【請求項6】 前記油圧モータのモータケーシングは、
    該モータケーシング全体を前記履帯の幅方向内側に収納
    するように、前記モータブラケットに固着して設ける構
    成としてなる請求項1,2,3,4または5に記載のク
    ローラ式車両の走行装置。
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