JP3110500B2 - 血糖上昇抑制剤 - Google Patents

血糖上昇抑制剤

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JP3110500B2 JP03176906A JP17690691A JP3110500B2 JP 3110500 B2 JP3110500 B2 JP 3110500B2 JP 03176906 A JP03176906 A JP 03176906A JP 17690691 A JP17690691 A JP 17690691A JP 3110500 B2 JP3110500 B2 JP 3110500B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の単糖類およびそ
の誘導体を有効成分とする血糖上昇抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】コンズリトール (Conduritol) には、コ
ンズリトールA、B、C、D、E、Fの6種の異性体が
存在する。このうち、コンズリトールAは、次式:
【0003】
【化5】
【0004】で示される単糖であり、コンズランゴの樹
皮に存在することが知られている。コンズランゴは南米
西北部原産のガガイモ科に属するつる性植物であり、コ
ンズランゴの樹皮の粉末又は流エキスは芳香苦味健胃薬
として、それぞれ第11改正日本薬局法 D-332、D-334 に
収載されているが、含有成分のコンズリトールAの血糖
上昇抑制作用については知られていない。また、ギムネ
マ・シルベスタはインド原産のガガイモ科に属するつる
性植物であり、これより抽出されたギムネマ酸は腸管で
の糖の吸収を阻害することから血糖上昇抑制作用のある
ことが知られている (特開昭61-5023号公報) 。しか
し、ギムネマ・シルベスタより抽出されるコンズリトー
ルAの血糖上昇抑制作用については知られていない。
【0005】コンズリトールAはギムネマ・シルベスタ
及びコンズランゴ等の植物より抽出・精製により生成さ
れるが、合成によっても生成される。コンズリトールA
は、シクリット (環式多価アルコール) の一種であり、
天然に多く存在するイノシトール類と化学構造上類似し
たものである。従って合成及び生化学的にはコンズリト
ールAへの変換及びコンズリトールAの誘導体の生成の
可能性は大と云える。
【0006】しかし、現在のところイノシトール類から
のコンズリトールAおよびその誘導体の生成について一
部しか、又その生理効果については全く判っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、コンズリト
ールAおよびその誘導体の生理効果に着目し、これらを
有効成分とする血糖上昇抑制剤を提供することを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、コンズリトー
ルAおよびその誘導体は、ラットの反転腸を用いた糖吸
収試験により、腸管における糖の吸収阻害に効果を示す
とともに、ラットへの糖の経口投与試験において血糖上
昇を効果的に抑制することを知見し、本発明を完成し
た。
【0009】すなわち、本発明は、次式
【0010】
【化6】
【0011】で示されるコンズリトールAを有効成分と
する血糖上昇抑制剤にある。さらに、本発明は、コンズ
リトールAの誘導体を有効成分とする血糖上昇抑制剤に
ある。上記コンズリトールAの誘導体としては、次式
【0012】
【化7】
【0013】(R 1, R2 は H, アセチル基, 低級アルキ
ル基を示す、但し、R 1 及びR 2が同時にHの場合を除
く)で表される化合物が挙げられる。この化合物として
は、テトラアセチルコンズリトールA( R1=R2=A
c)、テトラメトキシコンズリトールA( R1=R2=M
e)、3,6-ジメトキシコンズリトールA( R1=Me R2=H
)、3,6-ジアセチルコンズリトールA( R1=Ac R2=H
)が挙げられる。
【0014】さらに上記コンズリトールAの誘導体とし
は、次式
【0015】
【化8】
【0016】で表されるジヒドロコンズリトールA及び
次式
【0017】
【化9】
【0018】で表されるコンズリトールAエポキサイド
が挙げられる。コンズリトールAおよびその誘導体は、
食事等での糖の摂取時に起こる血糖値の急激な上昇を抑
え、インシュリン分泌の負荷を軽減しうることから、イ
ンシュリン分泌能に欠陥のある糖尿病患者への治療剤と
して用いることができる。以下、本発明の詳細を説明す
る。
【0019】本発明の血糖上昇抑制剤の有効成分である
コンズリトールAは、ギムネマ・シルベスタ(Gymnema s
ylvestre R.Br.) 乾燥葉又はコンズランゴ(Marsdenia c
undurango Richenbach fil) 樹皮乾燥粉末から抽出・精
製することにより、あるいは公知の化学合成法(R. C. C
ambie, et al., Synthetic Communications, 19 (3,4),
537 (1989); Y. Sutbeyaz, et al., J. Chem. Soc., C
hem. Commun., 1330 (1988))に従って製造することがで
き、また、その誘導体はコンズリトールAから製造する
ことができ、本発明では、それらのいずれを用いてもよ
い。
【0020】式(I)のコンズリトールAは以下に示す
理化学的性質を有する。 1. 1H-NMR δ=3.85 (d, J=4.5, 2H, H2, 3) 4.22 (d, J=4.5, 2H, H1, 4) 5.80 (s, 2H, H5, 6) R. C. Cambie, et al., Synthetic Communications 19
(3,4), 537 (1989) 2. FT-IR 3038 (C-H), 1635 (C=C), 1317, 1290cm-1 3. 融点 147℃ 4. 元素分析 C6H10O4 とすると 理論値 (%): C…49.32 H… 6.85 O…43.82 測定値 (%): C…49.13 H… 6.87 O…44.00 5. 比旋光度 [α]20=0.00°(H2O中) 6. 結晶形状 針状結晶 (エタノール・n−ヘキサン結出) 7. GC-MS (TMS化) m/z =434, 332, 230, 204 また、式(II)のコンズリトールAの誘導体化合物の代
表的なものである 次式
【0021】
【化10】
【0022】テトラアセチルコンズリトールAの理化学
的性質は以下のとおりである。 分子式 CH14H1O 分子量 314 沸 点 152℃(0.2mm Hg) (非結晶) * * Gerda Dangschat and Hermann O.L.Fischer, Carbohy
drate Research. 164, 343-355, 1987 元素分析:C7H9O4と仮定する 理論値: C:53.51% H: 5.73% O:40.76% 測定値: C:53.29% H: 5.81% O:40.90%1 H−NMR δ=2.10 (d, J=5.8, 12H, ) 5.34 (d, J=5.2, 2H, H2, 3) 5.42 (d, J=4.6, 2H, H1, 4) 5.88 (s, 2H, H5, 6)
【0023】
【0024】また、式(III)のジヒドロコンズリトール
Aは以下の理学的性質をもっている。 分子式 C6H12O4 分子量 148 融 点 207℃ * Howard A.J.Carless and Ozer Z.Oak, Tetrahedron l
etters. 30, 13,1719-1720, 1989 元素分析:C3H6O2と仮定すると 理論値: C:48.65% H: 8.11% O:43.24% 測定値: C:48.51% H: 8.13% O:43.36%1 H−NMR δ=1.52 (m, 4H) 4.35 (d, 4H) FT−IR 2891cm-1(-CH2-,2量体) 1463cm-1(-CH2-,変角) また、式(IV)のコンズリトールAエポキサイドは、以
下の理学的性質を示す。
【0025】分子式 C6H10O5 分子量 162 融 点 110℃ * Nakajima Minoru and Kurihara Norio. Chem. Ber.,
94, 515-522,1961 元素分析:C6H10O5と仮定する 理論値: C:44.45% H: 6.17% O:49.38% 測定値: C:44.40% H: 6.22% O:49.38%1 H−NMR δ=3.55 (d, J=2.4, 2H, H5, 6) 3.70 (d, J=4.5, 2H, H2, 3) 4.10 (d, J=6.7, 2H, H1, 4)
【0026】
【0027】コンズリトールAの誘導体化合物におい
て、水素化、メチル化、一部アセチル化の化合物はアセ
チル化化合物に比べ、化学的性質はむしろコンズリトー
ルAに近く、より親水性であり、これらの誘導体もコン
ズリトールAと同様の効果を示すことは容易に推測され
る。また、コンズリトールAの二重結合部分を化学修飾
した単純な化合物としてのジヒドロコンズリトールA、
コンズリトールAエポキサイドは、コンズリトールAと
同等又はそれ以上の血糖上昇抑制効果を示した。
【0028】またアセチル化コンズリトールは水に難溶
性であることから製剤への適用に特徴的な用い方が可能
となる。なお、コンズリトールAの誘導体についてはそ
の他、式(II)の化合物の R1,R2 のエチル化から多価
脂肪酸に至る多くの誘導体が考えられ、その内コンズリ
トールAと同様、それ以上の血糖上昇抑制効果を示す化
合物が存在すると推測されるが、反応における不純物の
混合、水溶解性等から実際の適用は困難と考えられる。
【0029】上記コンズリトールAの誘導体は、食事等
での糖の摂取時に起こる血糖値の急激な上昇を抑え、イ
ンシュリン分泌の負荷を軽減しうることから、インシュ
リン分泌能に欠陥のある糖尿病患者への治療剤として用
いることが出来る。本発明の血糖上昇抑制剤の有効成分
である上記3種のコンズリトールAの誘導体はコンズリ
トールAから、実施例3〜5の方法で製造することがで
きる。
【0030】本発明の血糖上昇抑制剤を臨床に適用する
に際しては、有効成分としてコンズリトールAおよびそ
の誘導体を、固体又は液体の医薬用担体又は希釈剤、即
ち、賦形剤、安定剤等の添加剤とともに含む製剤とする
ことが好ましい。該医薬製剤において、前記有効成分の
担体成分に対する割合は、1〜90重量%の間で変動させ
うる。剤形及び投与形態としては、顆粒剤、細粒剤、散
剤、錠剤、カプセル剤、丸剤もしくは液剤等の剤形にし
て、又は原末のまま経口投与してもよい。
【0031】経口、経腸投与に適した医薬用の有機又は
無機の、固体又は液体の担体もしくは希釈剤を、本発明
の血糖上昇抑制剤を調製するために用いることができ
る。水、ゼラチン、乳糖、澱粉、ステアリン酸マグネシ
ウム、タルク、動植物油脂、ベンジルアルコール、ガ
ム、ポリアルキレングリコール、石油樹脂、やし油、ラ
ノリン又は医薬に用いられる他のキャリアー (担体) は
全て、本発明の血糖上昇抑制剤の担体として用いること
ができる。また、安定剤、湿潤剤、乳化剤や、浸透圧を
変えたり、配合剤の適切なpHを維持するための塩類を
補助薬剤として適宜用いることもできる。
【0032】更に、本発明の血糖上昇抑制剤は、糖尿病
の治療において、本発明の血糖上昇抑制剤とともに適切
に投与することができる他の医薬として有効な成分、例
えば他の適当な血糖上昇抑制剤を含有していてもよい。
顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤又はカプセル剤の場合に
は、本発明の血糖上昇抑制剤はコンズリトールAおよび
その誘導体を5〜80重量%含有しているのが好ましく、
液剤の場合には、対応する量 (割合) は、1〜30重量%
であるのが好ましい。
【0033】臨床投与量は、経口投与の場合、成人に対
しコンズリトールAおよびその誘導体として、1日量10
〜3000mgを内服するのが好ましいが、年令、症状により
適宜増減することも可能である。前記1日量の本発明の
血糖上昇抑制剤は、1日に1回、又は適当な間隔をおい
て1日2もしくは3回に分けて投与することが好まし
い。
【0034】
【実施例】以下、実施例、試験例により本発明を更に詳
細に説明するが、これらにより本発明は何ら限定される
ものではない。
【0035】
【実施例1】ギムネマ・シルベスタ乾燥葉を30%エタノ
ールにて抽出し、抽出液を蒸留濃縮するとともにエタノ
ール分を除去し、約10%の水溶液に塩酸を添加し、 pH
1.5とし、生成した沈澱を遠心分離により除去した。酸
析上清液を苛性ソーダにて中和し、イオン交換樹脂 (ア
ニオン、カチオン混床) カラムに通液し脱塩した。脱塩
液を活性炭カラムに通液し、水で溶出させた後、減圧蒸
発で濃縮し乾固させた。更に乾固物をn−プロパノール
に溶かし、活性アルミナカラムに通液した後、n−プロ
パノールにて溶出させ、溶出液を減圧蒸発で飽和状態ま
で濃縮し、10倍量の無水エタノールを加え結晶化させ、
結晶を真空乾燥し、純品コンズリトールAの白色粉末を
得た。
【0036】
【実施例2】コンズランゴ樹脂を粉末化し、n−ヘキサ
ンに浸漬した後、濾過し、n−ヘキサンを除去し、残渣
を乾燥し、完全にn−ヘキサンを除去した。乾燥物を試
料として以下実施例1と同様に処理してコンズリトール
Aの白色粉末を得た。 試験例1 反転腸糖吸収試験 8週令のウイスター系ラットに1ml/kg体重のネンブタ
ール麻酔薬を腹腔内に投与し、麻酔状況のラットを開腹
し、空腸部位を摘出し、リンゲル液 (5mM グルコースを
含む) で洗浄し、ガラス棒を用いて反転し、約30mmの反
転腸を作り、約400μのリンゲル液で満たし密封した。
一方、外液にコンズリトールA 0.05mg/ml、0.1mg/ml、
0.2mg/mlを添加した10mlのリンゲル液を入れ、それぞれ
の外液に上記反転腸を入れ、36℃で30分間浸漬し、内液
及び外液中のグルコース濃度を測定し、反転腸より吸収
されるグルコース量を見た。
【0037】グルコース濃度の測定は新ブラッドシュガ
ーテスト (ベーリンガー・マンハイム山之内社製) を用
いた。グルコース濃度の測定値は外液と内液とのグルコ
ース濃度差として表1に示した。表1より、コンズリト
ールA添加0.2mg/mlで完全にグルコースの吸収は抑制さ
れていることがわかる。
【0038】
【表1】
【0039】試験例2 治療効果試験 8週令のSD系雄ラット (体重約230g) 10頭を用い、5
頭ずつ2群に分け、12時間絶食後、1群にはグルコース
1g/kg体重、他の1群にはグルコース1g/kg体重+コン
ズリトールA 1mg/kg 体重をゾンデを用いて経口投与
し、投与後、15分、30分、60分、90分、120分に尾静脈
より採血し、血中のグルコース濃度を測定した。
【0040】グルコース濃度の測定は試験例1の方法を
用いた。グルコース濃度の測定値は0分よりの増加値と
して表2に示した。なお表中の値は5頭の平均値であ
る。表2より、コンズリトールA投与により血糖値上昇
は抑制されていることがわかる。
【0041】
【表2】
【0042】試験例3 急性毒性試験 コンズリトールAについて、ラット (雄5頭、雌5頭)
を用いた急性毒性試験を経口投与で行ったところ、OE
CD (Organization for Economic Cooperation and De
velopment)のガイドラインの最高投与量2000mg/kg 体重
で正常であったことから、ラットに対するコンズリトー
ルAの経口投与のLD50は2000mg/kg 体重以上と推考さ
れ、本発明の血糖上昇抑制剤は、安全性の高い医薬であ
ることが判明した。
【0043】
【実施例3】 テトラアセチルコンズリトールA コンズリトールA 1gをピリジン20mlに溶解し、無水酢
酸3.36ml加え、攪拌しながら24時間室温放置した。反応
終了後、氷冷した蒸溜水300ml中に反応液を入れピリジ
ンを除去後、分液ロートに移しエチルエーテル100mlを
加え二層分離した。エーテル層を分離し0.1N HCl 30ml
で2回洗浄した。エーテル層に無水硫酸ナトリウムを加
え脱水後、エーテルを減圧除去した。薄層クロマトにて
生成物を確認した後、シリカゲルカラム (1cm径×30cm
長、担体15ml) で精製しテトラアセチルコンズリトール
A 500mgを得た。
【0044】
【実施例4】 ジヒドロコンズリトールA コンズリトールA 1gを200mlナスフラスコに入れ、
少量のエタノールを加えて溶解し、それに活性炭に吸着
させたパラジウム 0.5gを加えた。ナスフラスコ中の空
気を吸引脱気した後、振盪しながら約5時間水素ガスで
フラスコ内を置換した。反応終了後、 No.2濾紙で濾過
しパラジウム触媒を濾別し、濾液のエタノール分を減圧
蒸発させ除去した。乾固物を極く少量の熱エタノールに
溶解し、−20℃で冷却し、析出した結晶を No.2濾紙で
濾過し、濾紙上の結晶をデシケーター中で乾燥させジヒ
ドロコンズリトールA 800mgを得た。
【0045】
【実施例5】 コンズリトールA エポキサイド コンズリトールA 800mgとメタ−クロロ過安息香酸1,44
8mgを120mlのメタノールに溶解し室温で4日間攪拌し
た。4日後メタノールをエパポレーターで除き、塩素化
合物を除くためエーテル80mlで3回洗浄した。エーテル
を除いた後、残渣に極少量のエタノールを加え溶解し、
−20℃で冷却し結晶化した。結晶を No.2濾紙で濾別
し、デシケーター内で一晩乾燥しコンズリトールAエポ
キサイド400mgを得た。 試験例4 反転腸吸収試験 ジヒドロコンズリトールA (diphydro conduritol A) 8週令のウィスター系ラットに1ml/kg体重のネンブタ
ール麻酔薬を腹腔内に投与し、麻酔状態のラットを開腹
し、空腸部位を摘出し、リンゲル液 (5mM グルコースを
含む) で洗浄し、ガラス棒を用いて反転し約30mmの反転
腸を作り、約400 μl リンゲル液で満たし密封した。一
方該液にジヒドロコンズリトールA 0.1mg/ml, 0.2mg/m
l, 0.3mg/ml を添加した10mlのリンゲル液を入れ、それ
ぞれの外液に上記反転腸を入れ36℃で30分間浸漬し、内
液及び外液中のグルコース濃度を測定し反転腸より吸収
されるグルコース量を見た。
【0046】グルコース濃度の測定は新ブラットシュガ
ーテスト (ベーリンガー・マンハイム山之内社製) を用
いた。グルコース濃度の測定値は外液と内液とのグルコ
ース濃度差として表3に示した。表3より、コンズリト
ールAジヒドロ物0.3mg/mlで完全にグルコースの吸収は
抑制されていることがわかる。
【0047】
【表3】
【0048】試験例5 コンズリトールAエポキサイド (Conduritol A-epoxid
e) 試験例4−1と同様に作成した反転腸を用いてコンズリ
トールAエポキサイドのグルコース吸収を見た。外液に
コンズリトールAエポキサイド0.1mg/ml, 0.2mg/ml, 0.
3mg/ml, 0.4mg/mlを添加した10mlのリンゲル液を入れ、
それぞれの外液に上記反転腸を入れ試験例4と同様に試
験した。
【0049】グルコースの濃度の測定値は外液と内液と
のグルコース濃度差として表4に示した。表4よりコン
ズリトールAエポキサイド添加0.4mg/mlで完全にグルコ
ースの吸収は抑制されていることがわかる。
【0050】
【表4】
【0051】試験例6 治療効果試験 8週令のSD系雄ラット (体重約230g) 25頭を用い、5
頭ずつ5群に分け、12時間絶食後、1群にはグルコース
1g/kg体重、他の4群にはそれぞれグルコース1g/kg体
重+コンズリトールA10mg/kg 体重、グルコース1g/kg
体重+テトラアセチルコンズリトールA10mg/kg 体重、
グルコース1g/kg体重+ジヒドロコンズリトールA10mg
/kg 体重、グルコース1g/kg体重+コンズリトールAエ
ポキサイド10mg/kg 体重、をゾンデを用いて経口投与
し、投与後、15分、30分、60分、120分に尾静脈より採
血し、血中のグルコース濃度を測定した。
【0052】グルコース濃度の測定は試験例1の方法を
用いた。グルコース濃度の測定値は0分よりの増加量と
して表5に示した。なお表中の値は5頭の平均値であ
る。表5より、コンズリトールAの誘導体、テトラアセ
チルコンズリトールA、ジヒドロコンズリトールA、コ
ンズリトールAエポキサイドは血糖上昇抑制剤であるコ
ンズリトールAに比べ同等及びそれ以上の血糖値上昇は
抑制されていることが判る。
【0053】
【表5】
【0054】試験例7 急性毒性試験 コンズリトールAの誘導体、テトラアセチルコンズリト
ールA、ジヒドロコンズリトールA、コンズリトールA
エポキサイドについて、ラット (雄5頭、雌5頭) を用
いた急性毒性試験を経口投与で行ったところ、OECD
(Organizationfor Economic Cooperation and Deuelop
ment)のガイドラインの最高投与量2000mg/kg 体重で正
常であったことから、ラットに対するこれらコンズリト
ールA誘導体の経口投与のLD50は2000mg/kg 体重以上
と推考され、本発明の血糖上昇抑制剤は安全性の高い医
薬であることが判明した。
【0055】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているから、コンズリトールA及びその誘導体であるテ
トラアセチルコンズリトールA、ジヒドロコンズリトー
ルA、コンズリトールAエポキサイドを有効成分とする
新規な血糖上昇抑制剤を提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // A61K 35/78 A61K 35/78 C (72)発明者 藤本 正 東京都千代田区丸の内1−5−1 大日 本製糖株式会社内 (72)発明者 月村 秀輝 東京都千代田区丸の内1−5−1 大日 本製糖株式会社内 (72)発明者 中野 長久 大阪府堺市金岡町2276−1 (56)参考文献 Hoppe−Seyler’s Ze itschrift fur Phys iologische Chemie, Vol.363,No.9,(1982)p. 947 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/047 A61K 31/075 A61K 31/215 A61K 31/336 A61P 3/10 A61K 35/78 CA(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式 【化1】 で示されるコンズリトールAを有効成分とする血糖上昇
    抑制剤。
  2. 【請求項2】 コンズリトールAの誘導体を有効成分と
    する血糖上昇抑制剤。
  3. 【請求項3】 コンズリトールAの誘導体が次式 【化2】 (R1, R2 は H, アセチル基、低級アルキル基を示す、但
    し、R 1 及びR 2が同時にHの場合を除く)で表される化
    合物である請求項2記載の血糖上昇抑制剤。
  4. 【請求項4】 コンズリトールAの誘導体が次式 【化3】 で表されるジヒドロコンズリトールAである請求項2記
    載の血糖上昇抑制剤。
  5. 【請求項5】 コンズリトールAの誘導体が次式 【化4】 で表されるコンズリトールAエポキサイドである請求項
    2記載の血糖上昇抑制剤。
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