JP3110260U - 鍵盤玩具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ピアノ等の鍵盤楽器を模倣した鍵盤玩具でありながら、鍵盤に割り当てられた音が出力可能とされるばかりか、音やメロディと連動して、あたかも人形等が演奏しているかのように動くようにされ、見ていても楽しい興趣の向上した鍵盤玩具を提供する。
【解決手段】 筐体2に、鍵盤状に形成された複数の鍵盤部材K1等と音声出力可能な音声出力器とが設けられた鍵盤玩具1であって、前記筐体2に設けられた複数の人形10等と、駆動源からの駆動を受けて回転可能な一本の軸体と、前記軸体に設けられる複数のカムと、複数の前記カムと接触して前記人形10等内に進退可能に配置される複数種類の進退部材と、前記人形10等の腕となるように、同人形10等の胴体部分に揺動可能に支持されて、前記進退部材の進退に対応して揺動する複数の揺動部材11等とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本考案は鍵盤玩具に関する。
従来から、ピアノ等の鍵盤楽器を模倣して、複数の鍵盤を備えた鍵盤玩具が提供されている。このような鍵盤玩具にあっては、その複数の鍵盤のそれぞれにスイッチを内蔵して、その鍵盤が押圧された場合に、そのスイッチがオンとされ、そして、そのスイッチに割り当てられた音がスピーカを通して出力されるように構成されている。従って、子供たちは、前記鍵盤を押圧して、スイッチをオンとさせ、任意の音を出力して楽しんでいた。
しかしながら、上述の鍵盤玩具にあっては、一般の鍵盤楽器のように、単に鍵盤を押して音を出力させて楽しむばかりで、玩具としての興趣に欠ける点がある。つまり、子供たちは、玩具に、音を出力させるばかりではなく、目でも楽しめる玩具を求める傾向にある。従って、一部の子供にあっては、この種の、単に鍵盤を押すだけの鍵盤玩具に、すぐに飽きてしまう問題があった。
本考案は、上記の事情に鑑みなされたものであって、ピアノ等の鍵盤楽器を模倣した鍵盤玩具でありながら、鍵盤に割り当てられた音が出力可能とされるばかりか、音やメロディと連動して、あたかも人形等が演奏しているかのように動くようにされ、見ていても楽しい興趣の向上した鍵盤玩具を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本考案は、以下の手段の鍵盤玩具を提供する。
請求項1に係る考案は、筐体に、鍵盤状に形成された複数の鍵盤部材と音声出力可能な音声出力器とが設けられた鍵盤玩具であって、前記筐体に設けられた複数の人形と、駆動源からの駆動を受けて回転可能な一本の軸体と、前記軸体に設けられる複数のカムと、複数の前記カムと接触して前記人形内に進退可能に配置される複数種類の進退部材と、前記人形の腕となるように、同人形の胴体部分に揺動可能に支持されて、前記進退部材の進退に対応して揺動する複数の揺動部材とを備えたことを特徴とする。
この考案に係る鍵盤玩具にあっては、一本の軸体が駆動源からの駆動を受けて回転され、その軸体が回転されることによって設けられた複数種類のカムも回転される。加えて、その複数種類のカムが回転されることによって、そのカムに接触された複数種類の進退部材も、そのカムの接触を受けて独自にそれぞれ進退することとなる。そして、揺動部材は、複数種類の進退部材のそれぞれの進退に対応して揺動する。従って、複数の揺動部材が、それぞれ独自に揺動することとなる。
請求項2に係る考案は、請求項1に記載の鍵盤玩具において、前記鍵盤部材のそれぞれに音声が設定され、前記鍵盤部材が押圧された場合に、設定された音声が前記音声出力器から出力されると共に、前記駆動源がオンとされ且つ所定時間経過後に前記駆動源がオフとされることを特徴とする。
この考案に係る鍵盤玩具にあっては、鍵盤部材を押圧することによって、音声出力器から音声が出力されると共に、上述した揺動部材も揺動することとなる。加えて、その揺動部材の揺動は、所定時間後に駆動源がオフとされることによって、自動的に停止する。従って、揺動部材の揺動が音声の出力と共に楽しむことができる上、自動的に停止されるために、子供たちは、何度でも鍵盤楽器を弾いているかのように、この鍵盤玩具を楽しむことができる。
請求項3に係る考案は、請求項2に記載の鍵盤玩具において、複数の前記鍵盤部材のそれぞれに設定される音声を、音階として構成されることを特徴とする。
この考案に係る鍵盤玩具にあっては、複数からなる鍵盤部材のそれぞれに設定される音声が音階として構成されるため、本物のピアノのように奏でることができる。従って、子供たちは、音楽を演奏するように、この鍵盤玩具を奏でることができる。
請求項4に係る考案は、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の鍵盤玩具において、それぞれにメロディが設定された複数のスイッチ部材を設け、前記スイッチ部材が押圧された場合に、設定されたメロディが前記音声出力器から出力されると共に、前記駆動源をオンとされ且つ所定時間経過後に前記駆動源がオフとされることを特徴とする。
この考案に係る鍵盤玩具にあっては、スイッチ部材を押圧することによって、音声出力器からメロディが出力されると共に、上述した揺動部材も揺動することとなる。加えて、その揺動部材の揺動は、所定時間後に駆動源がオフとされることによって、自動的に停止する。従って、揺動部材の揺動がメロディの出力と共に楽しむことができる上、自動的に停止されるために、子供たちは、何度でも鍵盤楽器を弾いているかのように、この鍵盤玩具を楽しむことができる。
請求項5に係る考案は、請求項4に記載の鍵盤玩具において、複数の前記スイッチ部材のそれぞれに設定されるメロディが、それぞれ異なることを特徴とする。
この考案に係る鍵盤玩具にあっては、複数からなるスイッチ部材のそれぞれに設定されるメロディが異なるように構成されるため、聴けるメロディの選択肢が増やされることとなる。従って、子供たちは、この鍵盤具で遊ぶ際の選択肢が増やされて、この鍵盤玩具をより楽しむことができる。
請求項6に係る考案は、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の鍵盤玩具において、点灯可能なランプ部材を設け、前記駆動源がオンとされた場合、前記ランプ部材を点灯させることを特徴とする。
この考案に係る鍵盤玩具にあっては、上述した揺動部材が揺動されると共に、ランプ部材は点灯されることとなる。従って、揺動部材の揺動に装飾的効果が付されて玩具としての興趣を高める。
請求項7に係る考案は、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の鍵盤玩具において、複数の前記人形が、それぞれ楽器を担うと共に、前記腕部が、前記楽器を叩打しているように揺動されることを特徴とする。
この考案に係る鍵盤玩具にあっては、人形の腕部が揺動することとなる。これによって、たとえば、人形に大太鼓を担わせ、腕部に大太鼓を叩打するバチを設けた場合、この人形の腕部が揺動することによって、楽器を叩打するように見えることとなる。また、その楽器を叩打している際には、上述したように音声出力器によって音声やメロディが出力される。つまり、その人形は、音声出力器から出力される音声やメロディに合わせて、あたかも楽器を演奏しているように見えるものとなる。従って、人形たちが、楽隊を形成して賑やかに演奏するように見えるものとなる。
請求項8に係る考案は、請求項7に記載の鍵盤玩具において、複数の前記人形の担う楽器のうち一部の楽器が、小太鼓若しくは鉄琴の何れか1つ若しくは両方で構成され、前記揺動部材の揺動する方向が第1進退部材に合わせた方向であることを特徴とする。
この考案に係る鍵盤玩具にあっては、揺動部材を構成する人形の腕部が、第1進退部材に合わせた方向に揺動することとなる。これによって、あたかも人形が、小太鼓若しくは鉄琴を叩打しているように、その第1進退部材に合わせた方向となる上下方向に人形の腕部は揺動する。また、それらの楽器を叩打している際には、上述したように音声出力器によって音声やメロディが出力される。つまり、その人形は、音声出力器から出力される音声やメロディに合わせて、あたかも楽器を演奏しているように見えるものとなる。従って、人形たちが、楽隊を形成して賑やかに演奏するように見えるものとなる。
請求項9に係る考案は、請求項7または請求項8に記載の鍵盤玩具において、複数の前記人形の担う楽器のうち一部の楽器が、大太鼓若しくはシンバルの何れか1つ若しくは両方で構成され、前記揺動部材の揺動する方向が第2進退部材に合わせた方向であることを特徴とする。
この考案に係る鍵盤玩具にあっては、揺動部材を構成する人形の腕部が、第2進退部材に合わせた方向に揺動することとなる。これによって、あたかも人形が、小太鼓若しくは鉄琴を叩打しているように、その第2進退部材に合わせた方向となる水平方向に人形の腕部は揺動する。また、それらの楽器を叩打している際には、上述したように音声出力器によって音声やメロディが出力される。つまり、その人形は、音声出力器から出力される音声やメロディに合わせて、あたかも楽器を演奏しているように見えるものとなる。従って、人形たちが、楽隊を形成して賑やかに演奏するように見えるものとなる。
この考案に係る鍵盤玩具によれば、ピアノ等の鍵盤楽器を模倣した鍵盤玩具でありながら、鍵盤に割り当てられた音が出力可能とされるばかりか、音やメロディと連動して、あたかも人形等が演奏しているかのように動くようにされ、見ていても楽しい興趣の向上した鍵盤玩具となる。
以下に、本考案に係る鍵盤玩具の実施の形態について、図示しながら説明する。なお、図1は本考案に係る鍵盤玩具の正面図、図2は図1の鍵盤玩具の内部構造を示す斜視図、図3は第1進退部材が内蔵された人形の斜視図、図4は図3の人形の内部部材の作動図、図5は第2進退部材が内蔵された人形の正面図、図6は図5の人形の内部部材の作動図である。
図1に示す鍵盤玩具1は、筐体2に、10個の鍵盤部材K1,K2,K3,K4,K5,K6,K7,K8,K9,K10で構成された鍵盤部Kと、4個のスイッチ部材Bとを備えると共に、楽器を担った人形20,30,40,50が4体設けられている。前記鍵盤部Kは、通常のピアノ等の鍵盤楽器と模倣されて形成されるものであって、この筐体2の前面部(図1では下側)に設けられ、その1つ1つを構成する前記鍵盤部材K1,K2,K3,K4,K5,K6,K7,K8,K9,K10は、『ド』、『レ』、『ミ』、『ファ』、『ソ』、『ラ』、『シ』、『ド』、『レ』、『ミ』と、それぞれに音階が割り当てられ、後に説明する音声記憶装置に記憶されて構成されている。また、前記鍵盤部材K1,K2等にあっては、前記筐体2に、上下に揺動可能に設けられると共に、下方に押圧された場合にスイッチがオンとされる接点スイッチが内蔵されている。前記鍵盤部材K1等に内蔵される接点スイッチがオンとされた場合には、その割り当てられた音階が、内蔵されるスピーカ(音声出力器)100(図2参照)によって出力されると共に、内蔵されるモータ(駆動源)70が駆動するように設定されている。
また、前記スイッチ部材B(B1,B2,B3,B4)は、前記鍵盤部Kの上面に位置する上面部3に、4つ設けられたものとなっている。前記スイッチ部材Bのそれぞれには、前記鍵盤部Kと同様に、それぞれにメロディが割り当てられ、後に説明する音声記憶装置に記憶されて構成されている。また、前記スイッチ部材Bにあっては、前記筐体2に、上下に揺動可能に設けられると共に、下方に押圧された場合にスイッチがオンとされる接点スイッチが内蔵されている。前記スイッチ部材Bに内蔵される接点スイッチがオンとされた場合には、その割り当てられたメロディが、内蔵されるスピーカ(音声出力器)100(図2参照)によって出力されると共に、内蔵される駆動源70が駆動するように設定されている。さらに、前記筐体2の上面部3には、公知のLEDが内蔵されて点灯可能なランプ部材101,102,103が3つ設けられ、前記駆動源70の駆動と共に点灯するように構成されている。
次に、この鍵盤玩具1の筐体2の内部4に配される各種部材について説明する。
すなわち、筐体2の内部4には、図示されない基盤が設けられる。この基盤は、音声が出力可能とされる音声出力器(スピーカ100等)と、前記駆動源70と、鍵盤部材K1等と、スイッチ部材B1等と、ランプ部材101等に接続されている。また、前記基盤上にあっては、CPU(Central Processing Unit)と、音声に関する情報を記憶する音声記憶装置等を含むROMと、音声を再生する音声再生回路とが、バスを介して接続されている。なお、これらの部材には、図示されない電池ボックスが接続されて、適宜な電力が供給される。
上述したように、前記鍵盤部材K1,K2,K3,K4,K5,K6,K7,K8,K9,K10及びスイッチ部材B(B1,B2,B3,B4)は、押圧されることによって、内蔵される接点スイッチがオンとされる。そうすると、前記音声記憶装置から、その接点スイッチに合わせて個別に記憶された音声に関する情報が引き出される。そして、音声再生回路によって、その情報に則して音声再生され、その再生された内容が、スピーカ100から出力されるようになっている。
前記音声記憶装置にあっては、上述したように、前記鍵盤部材K1等及びスイッチ部材Bのそれぞれに対応した個別の音声に関する情報が記憶されている。すなわち、前記鍵盤部材K1等にあっては、その10のそれぞれの鍵盤部材K1等に対応した、『ド』、『レ』、『ミ』、『ファ』、『ソ』、『ラ』、『シ』、『ド』、『レ』、『ミ』とハ長調音階となる異なる音階の音が記憶されている。たとえば、『ミ』と付される鍵盤部材K3が押圧された場合には、その鍵盤部材K3に対応した『ミ』の音声が、前記音声出力器100から出力されるように構成されている。また、前記スイッチ部材Bにあっては、その4つのそれぞれのスイッチ部材Bに対応した、異なるメロディが記憶されている。たとえば、4種類の前記スイッチ部材Bのうち、『象』の絵が付されたスイッチ部材B2が押圧された場合には、そのスイッチ部材B2に対応した『童謡のぞうさん』のメロディが、前記音声出力器100から出力されるように構成されている。なお、後に詳述するが、前記鍵盤部材K1等、及び、前記スイッチ部材B1等が押圧された場合には、前記駆動源70も駆動するように構成されている。
また、前記筐体2の内部4には、図2に示すように、断面が六角形に形成され、前記駆動源70からの駆動を受けて回転可能な一本の長軸状の軸体61が、4つの軸支部材51,52,53,54に軸支されて設けられる。前記軸体61には、前記駆動源70に設けられる駆動ギア71に歯合可能な軸体ギア72が設けられると共に、4つのカム62,63,64,65が等間隔に設けられている。
前記カム62,63,64,65のそれぞれは、略円柱体形状で形成される。そして、前記カム62,63,64,65のそれぞれには、その円柱体形状の高さ方向で偏心された位置に孔62a,63a,64a,65aが設けられ、該孔62a,63a,64a,65aに前記軸体61が挿通されている。なお、前記カム62,63,64,65の挿通される箇所は、それぞれ異なる偏心位置とされている(図示する例は2つが対となっている。)。そして、前記カム62,63,64,65のそれぞれには、図示するように、後に説明する人形10,20,30,40の下部から下方に突出した進退部材81,82,83,84の下部先端の半円球部81a,82a,83a,84aの先端が接触するものとなっている。
次に、前記筐体2の上面部3に取り付けられた人形10,20,30,40について説明する。この4体の人形10,20,30,40の外見形状は、人形10にあっては大太鼓を、人形20にあっては鉄琴を、人形30にあっては小太鼓を、人形40にあってはシンバルを担うように形成されている。そして、前記人形10,20,30,40のそれぞれには、揺動可能な腕部(揺動部材)11(12),21(22),31(32),41(42)が設けられている。また、前記人形10,20,30,40の内部構造にあっては、2種類の構造で構成されている。すなわち、前記人形10と人形40と内部構造が同一に、そして、前記人形20と人形30との内部構造が同一に構成されている。以下に、人形20及び人形40を例にあげて、その内部20b,40bを図3〜図6に示しながら説明する。
まず、鉄琴を担う前記人形20について説明する。人形20にあっては、図3に示すように、人形の形状をした筐体20aの内部20bに、背丈方向に伸びる長軸状に形成された第1進退部材81が内蔵される。前記第1進退部材81の下部は、前記筐体20a下部に設けられた孔20cから下方に突出して略円柱形状の下部円柱部81bが形成されている。そして、その第1進退部材81の下部先端には、円球を下側半分とされた形状の半円球部81aが形成されている。この半円球部81aの先端は、上述したように、前記カム62に当接する。
前記下部円柱部81bの上には、平板状に形成された板状部81cを介して、この人形20の腕部(揺動部材)21,22の端部に形成される係合突出部21a,22aと係合可能な第1係合部91と、その第1係合部91の上に円柱形状の柱部81dとが、前記下部円柱部81bと一体に形成されている。前記第1係合部91は、筐体20aの左右両側方向に、前記係合突出部21a,22aを係合可能とされる凹部91a,91bが設けられる。前記凹部91a,91bは、前記係合突出部21a,22aが前後に移動できるように、筐体20aの前後方向に伸びて形成されると共に、人形20の高さ方向に互いにずらされて形成される。
前記柱部81dは、この第1進退部材81の上部先端を形成するものであって、前記筐体20aの内部20bに形成される挿通凹部20dに挿通される。そして、前記柱部81dの周囲にはスプリングコイル91cが配されると共に、その上方には空間が形成されている。このように第1進退部材81が形成されることによって、該第1進退部材81は下方に付勢されながら上下に進退可能とされている。
次に、前記人形20の腕となるように、同人形20の胴体部分20Aに揺動可能に軸支され、且つ、前記第1進退部材81に係合された両腕部21,22について説明する。前記両腕部21,22にあっては、その腕の根元が、前記筐体20aの胴体部分20Aの左右両側に設けられた孔20eに回動可能に挿通され、該筐体20a内部20bに配される部材と係合されている。すなわち、前記腕部21,22の根元は、前記孔20e内で水平方向に伸びて回動可能な円柱形状の回動部21b,22bが形成され、該回動部21,22の内側には、前記孔20eの径より大きな径の円板形状で止め部21c,22cが形成されている。そして、前記止め部21c,22cの内側には、前記第1係合部91の凹部91a,91bと係合可能な前記係合突出部21a,22aが形成されている。前記係合突出部21a,22aは、図示するように、双方ともに、前記挿通部21b,22bの断面円の偏心位置から、水平方向に突出して形成されている。なお、前記腕部21,22の外側には、バチを手にしているかの如く、バチと人形の手とが一体となって形成されている。
上述したように構成された人形20の両腕部21,22のうち、腕部21を取り上げて、その揺動について図4を参照しながら説明する。すなわち、前記両腕部21,22は、前記第1進退部材81の上下進退に対応して、前記孔20e内を回動可能に構成されるものである。つまり、図4(a)、図4(b)、図4(c)の順に、前記第1進退部材81が下方から上方に進む際に、前記凹部91aに係合された前記腕部21の係合突出部21aも下方から上方に進むこととなる。そうすると、前記腕部21の一部となる前記回動部21bが前記孔20e内で軸支されているので、その上方への進みに伴って、腕部21の外側に形成されたバチが下方に進むこととなる。従って、その人形20の手に持たれたようなバチは、人形20に備えられた鉄琴を叩打するが如く、振り下ろされることとなる。なお、人形10にあっても、その内部は、この人形40と同様に構成されている。
次に、シンバルを担う前記人形40について説明する。人形40にあっては、図5に示すように、人形の形状をした筐体40aの内部40bに、背丈方向に伸びる長軸状に形成された第2進退部材84が内蔵される。前記第2進退部材84の下部は、前記筐体40a下部に設けられた孔40cから下方に突出して略円柱形状の下部円柱部84bが形成されている。そして、その第2進退部材84の下部先端には、円球を下側半分とされた形状の半円球部84aが形成されている。この半円球部84aの先端は、上述したように、前記カム64に当接する。
前記下部円柱部84bの上には、円柱状に形成された円柱部84cを介して、この人形40の腕部(揺動部材)41,42の端部に形成される係合突出部41a,42aと係合可能な第2係合部94と、その第2係合部94の上に円柱形状の柱部84dとが、前記下部円柱部81bと一体に形成されている。前記第2係合部94は、筐体40aの左右両側方向に、前記係合突出部41a,42aを係合可能とされる凹部94a,94bが設けられる。前記凹部94a,94bは、図5のC−C断面とされる図6(c)に示すように、凹部の互いが貫通されるように形成されており、前記係合突出部41a,42aが左上から右下に移動できるように、筐体40aの左上右下方向に伸びて形成される。
前記柱部84dは、この第2進退部材84の上部先端を形成するものであって、前記筐体40aの内部40bに形成される挿通凹部40dに挿通される。そして、前記柱部84dの周囲にはスプリングコイル94cが配されると共に、その上方には空間が形成されている。このように第2進退部材84が形成されることによって、該第2進退部材84は下方に付勢されながら上下に進退可能とされている。
次に、前記人形40の腕となるように、同人形40の胴体部分40Aに揺動可能に軸支され、且つ、前記第2進退部材84に係合された両腕部41,42について説明する。前記両腕部41,42にあっては、その腕の根元が、前記筐体40aの胴体部分40Aの左右両側に設けられた孔40eに回動可能に挿通され、該筐体40a内部40bに配される部材と係合されている。すなわち、前記腕部41,42の根元は、前記孔40e内で前記筐体40aの前後方向に移動可能な水平方向に伸びた摺動部41b,42bが形成される。また、前記摺動部41b,42bの内側には、前記筐体40aの内部40bに設けられる軸孔40fに挿通し軸支される、前記摺動部41b,42bから上下鉛直方向に伸びた円柱形状の回動軸部41c,42cが形成される。そして、前記回動軸部41c,42cの内側には、前記第2係合部94の凹部94a,94bと係合可能な前記係合突出部41a,42aが形成されている。前記係合突出部41a,42aは、図示するように、双方ともに、水平方向に突出して形成されている。なお、前記腕部41,42の外側には、シンバルを手にしているかの如く、シンバルと人形の手とが一体となって形成されている。
上述したように構成された人形40の両腕部41,42の揺動について図6を参照しながら説明する。すなわち、前記両腕部41,42は、前記第2進退部材84の上下進退に対応して、前記孔40e内を前記筐体40aの前後方向に進退可能に構成されるものである。つまり、図6(a)、図6(b)の順に、前記第2進退部材84が下方から上方に進む際に、前記凹部94a,94bに係合された前記腕部41,42の係合突出部41a,42aは、前方から後方に進むこととなる。そうすると、前記腕部41,42の一部となる回動軸部41c,42cが、前記筐体40aの内部40bに設けられる軸孔40f内で軸支されて回動する。従って、その人形40の両手に持たれたようなシンバルを互いにぶつけ合わせて鳴らすが如く、シンバルが接近してぶつかることとなる。なお、人形10にあっても、その内部は、この人形40と同様に構成されている。
以上のように、鍵盤玩具1を構成することによって、鍵盤部材K1,K2,K3,K4,K5,K6,K7,K8,K9,K10、若しくは、スイッチ部材B(B1,B2,B3,B4)が押圧された場合には、その割り当てられた音階、若しくは、メロディが、スピーカ(音声出力器)100から出力される。加えて、前記駆動源70の駆動によって前記軸体61は回転され、その回転によって、その軸体61に取り付けられたカム62,63,64,65も回転される。そうすると、そのカム62,63,64,65に先端が当接する第1進退部材82,83及び第2進退部材81,84は、そのカム62,63,64,65によって上下進退することとなる。そして、その結果、上述したように、腕として設けられた腕部11(12),21(22),31(32),41(42)は、第1,第2進退部材81等と腕部21等との係合によって、その上下進退に対応して、それぞれに担った楽器を演奏するが如く揺動することとなる。そして、所定時間経過後に、前記音階やメロディの出力が停止されると共に、前記駆動源70の駆動も停止される。また、前記ランプ部材101,102,103は、前記音階やメロディの出力中に点灯する。
以上、説明したように、前記鍵盤玩具1にあっては、設けられた複数の人形20,30,40,50の腕部(揺動部材)21,22が揺動することによって、それぞれに担った楽器を叩打しているように見え、あたかも楽隊が、出力される音楽を演奏しているかのような鍵盤玩具となる。従って、前記鍵盤玩具1によれば、鍵盤部材K1等を押圧して音階やメロディが好ましく出力されて楽しめると共に、楽隊がその音楽を演奏しているかのように見えて、興趣の向上した鍵盤玩具となる。
なお、本考案は上記実施の形態に限定されるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲において適宜の選択が可能である。
例えば、人形が担う楽器は、上述した大太鼓、鉄琴、小太鼓、シンバルに限定されず、各種の楽器を選択して担わせることが可能である。また、設けられる人形の人数や、鍵盤の数、スイッチ部材の数にあっても、これに限定されることなく、適宜の数を選択することが可能である。
本考案に係る鍵盤玩具の正面図である。 図1の鍵盤玩具の内部構造を示す斜視図である。 第1進退部材が内蔵された人形の斜視図である。 図3の人形の内部部材の作動図である。 第2進退部材が内蔵された人形の正面図である。 図5の人形の内部部材の作動図である。
符号の説明
1 鍵盤玩具
2 筐体
10,20,30,40 人形
11,12,21,22,31,32,41,42 揺動部材(腕部)
K1,K2,K3,K4,K5,K6,K7,K8,K9,K10 鍵盤部材

Claims (9)

  1. 筐体に、鍵盤状に形成された複数の鍵盤部材と音声出力可能な音声出力器とが設けられた鍵盤玩具であって、
    前記筐体に設けられた複数の人形と、
    駆動源からの駆動を受けて回転可能な一本の軸体と、
    前記軸体に設けられる複数のカムと、
    複数の前記カムと接触して前記人形内に進退可能に配置される複数種類の進退部材と、
    前記人形の腕となるように、同人形の胴体部分に揺動可能に支持されて、前記進退部材の進退に対応して揺動する複数の揺動部材とを備えたことを特徴とする鍵盤玩具。
  2. 前記鍵盤部材のそれぞれに音声が設定され、
    前記鍵盤部材が押圧された場合に、設定された音声が前記音声出力器から出力されると共に、前記駆動源がオンとされ且つ所定時間経過後に前記駆動源がオフとされることを特徴とする請求項1に記載の鍵盤玩具。
  3. 複数の前記鍵盤部材のそれぞれに設定される音声を、音階として構成されることを特徴とする請求項2に記載の鍵盤玩具。
  4. それぞれにメロディが設定された複数のスイッチ部材を設け、
    前記スイッチ部材が押圧された場合に、設定されたメロディが前記音声出力器から出力されると共に、前記駆動源をオンとされ且つ所定時間経過後に前記駆動源がオフとされることを特徴とする請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の鍵盤玩具。
  5. 複数の前記スイッチ部材のそれぞれに設定されるメロディが、それぞれ異なることを特徴とする請求項4に記載の鍵盤玩具。
  6. 点灯可能なランプ部材を設け、
    前記駆動源がオンとされた場合、前記ランプ部材を点灯させることを特徴とする請求項1から請求項5のうち何れか一項に記載の鍵盤玩具。
  7. 複数の前記人形が、それぞれ楽器を担うと共に、
    前記腕部が、前記楽器を叩打しているように揺動されることを特徴とする請求項1から請求項6のうち何れか一項に記載の鍵盤玩具。
  8. 複数の前記人形の担う楽器のうち一部の楽器が、小太鼓若しくは鉄琴の何れか1つ若しくは両方で構成され、前記揺動部材の揺動する方向が第1進退部材に合わせた方向であることを特徴とする請求項7に記載の鍵盤玩具。
  9. 複数の前記人形の担う楽器のうち一部の楽器が、大太鼓若しくはシンバルの何れか1つ若しくは両方で構成され、前記揺動部材の揺動する方向が第2進退部材に合わせた方向であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の鍵盤玩具。

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