JP3109031B2 - カード型液晶記録媒体及び該記録媒体の作製方法 - Google Patents

カード型液晶記録媒体及び該記録媒体の作製方法

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JP3109031B2 JP03317879A JP31787991A JP3109031B2 JP 3109031 B2 JP3109031 B2 JP 3109031B2 JP 03317879 A JP03317879 A JP 03317879A JP 31787991 A JP31787991 A JP 31787991A JP 3109031 B2 JP3109031 B2 JP 3109031B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカード型液晶記録媒体、
及び該記録媒体の作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂体中に液晶を分散させた情報記録層
を有する画像記録媒体を用い、電圧印加露光により液晶
の配向を変調して画像記録することが提案されている。
このような画像記録は、透明支持体、透明導電層、光導
電層からなる感光体と、樹脂体中に液晶を分散させた情
報記録層、透明導電層、透明支持体からなる記録媒体と
を対向配置し、感光体と記録媒体の透明導電層間に電圧
を印加した状態で感光体側、あるいは記録媒体側から画
像露光すると、光導電層の露光部が導電性になって感光
体と記録媒体の間で放電が生じて情報記録層に強電界が
加わり、その結果、樹脂体中に分散している液晶の配向
が変化し、可視像として記録されるものである。この場
合、樹脂体中に分散される液晶がスメクティック液晶の
場合には特にメモリ性が大きく、電界を取り去っても変
調を受けた配向はそのまま維持され、長期間放置しても
画像読取りが可能である。この可視化像は液晶の等方相
転移付近の温度にまで加熱することにより消去されるの
で、再使用が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような液晶を用い
た記録媒体において感光体と対向させて電圧印加露光に
より情報記録層に記録した場合、情報記録層表面に液晶
の滲み出し現象が起こり、情報記録に際してノイズにな
るという問題があり、また感光体と記録媒体との間隔を
一定に保持するのが困難であるという問題がある。
【0004】ところで、液晶記録媒体は光学的に容易に
読み取りができるのでカードとして利用するのに適して
いるが、その場合には感光体と液晶記録媒体とを一体に
形成して両者の間隔を固定してしまうのが望ましい。し
かし、このようなカード型液晶記録媒体とした場合に
は、情報記録層上に透明電極等を形成する必要がある
が、樹脂体中に液晶を分散させた情報記録層は柔らか
く、このような情報記録層上への電極形成は困難である
とともに、傷つき易く、また前述の液晶の滲み出しも問
題になる。特にカードのように人手に触れるなど過酷な
環境下に置かれる場合は傷の発生や変形が生じ易く、こ
れがノイズとなってデータの信頼性に影響するので、カ
ードとして使用するためには、このようなノイズ原因の
除去は極めて重要である。
【0005】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、液晶の滲み出し、電極のひび割れ、傷、変形等の発
生を防止可能なカード型液晶記録媒体及び該記録媒体の
作製方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のカード型液晶記
録媒体は、透明基板上に、順次、複数の帯状透明電極か
らなるエリア選択電極、光導電層、透明絶縁層、樹脂体
中に液晶相を分散固定した情報記録層、透明共通電極が
積層されたことを特徴とする。また、本発明のカード型
液晶記録媒体は、情報記録層を形成する樹脂が紫外線硬
化型樹脂であること、透明基板にはスルーホール電極が
形成され、エリア選択電極、透明共通電極はスルーホー
ル電極を通して透明基板裏面側へ接続されていることを
特徴とする。
【0007】本発明のカード型液晶記録媒体の作製方法
は、カード状透明基板の対向する2辺の一方の辺に沿っ
て複数の、他方の辺に沿って少なくとも1つ以上のスル
ーホール電極を形成する段階、一方の辺に沿う複数のス
ルーホール電極をそれぞれ覆うとともに、他方の辺に向
かって延びる複数の帯状透明電極からなるエリア選択電
極を透明基板の表面側に形成する段階、エリア選択電極
を覆って全面に光導電層、透明絶縁層、樹脂体中に液晶
相を分散固定した情報記録層を順次積層する段階、前記
他方の辺に沿うスルーホール電極上の各層を除去して該
スルーホール電極を露出させる段階、露出したスルーホ
ール電極を含んで表面側全面に透明共通電極を形成する
とともに、該透明共通電極上に保護層を形成する段階か
らなり、透明基板裏面側に露出したスルーホール電極よ
りエリア選択電極、透明共通電極を取り出すようにした
ことを特徴とする。
【0008】また、本発明のカード型液晶記録媒体の作
製方法は、スルーホール電極の形成は、透明基板の対向
する一方の辺に沿う複数領域を除いてパターン状にレジ
スト印刷する段階、前記複数領域内に孔開け加工する段
階、スルーホールメッキする段階からなること、エリア
選択電極の形成は、前記他方の辺に沿うスルーホール電
極を含む帯状領域を除いてレジスト印刷する段階、全面
にITOをスパッタリングする段階、レジスト除去する
段階からなること、透明基板裏面にハードコート層を設
ける段階を含むこと、さらに、透明基板裏面側を覆う保
護フィルムを貼付したことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明は、樹脂体中に液晶相を分散固定した情
報記録層を含む記録媒体と感光体とをカード状にして一
体形成することにより、液晶の滲み出し等がなく、スペ
ーサを省略するとともに、透明基板上にエリア選択電極
を、情報記録層上に透明共通電極を形成し、各電極をス
ルーホール電極を通して透明基板裏面側から取り出せる
ようにしたので、カード型記録媒体の情報記録層上に形
成した透明電極を傷つけることがなく、また変形を生ず
ることを防止することができ、カードとしての使用に十
分耐えることが可能となる。
【0010】
【実施例】まず、図1により本発明のカード型液晶記録
媒体の基本的構成について説明する。図1(a)は平面
図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図であり、1
は透明基板、2はエリア選択電極(ITO電極)、3は
光導電層、3aは電荷発生層、3bは電荷輸送層、5は
透明絶縁層、6は情報記録層、7は透明共通電極(IT
O電極)、8は保護層である。
【0011】プラスチック、ガラス等からなる透明基板
1上にスパッタ等で全面にITOを形成し、例えば、塩
化ビニールシート等を用いて帯状に、かつ領域9を露出
させてマスキングし、塩酸と硝酸の混合液でエッチング
して複数の帯状ITOからなるエリア選択電極2を形成
する。この電極上に領域10の電極部分が露出するよう
に、順次、電荷発生層3a、電荷輸送層3bからなる光
導電層3をコーティングした後、透明絶縁層5、情報記
録層6を形成する。領域10の電極部分の露出は、全面
に各層を形成した後、端部を削りとって行うようにして
もよい。透明絶縁層5は含フッ素ポリマーからなる光導
電層と情報記録層とのバリアであり、電圧ロスを少なく
するために薄く形成し、可能であればない方が望まし
い。次いで、情報記録層6の全面にITO電極7を形成
するが、情報記録層は柔らかく、この上に形成されるI
TO電極7は傷つき易いので保護層8を形成する。
【0012】図1に示す情報記録層6は低分子の液晶材
料を樹脂体中に分散固定させた液晶ー高分子複合膜であ
り、液晶材料としてはスメクチック液晶、ネマチック液
晶、コレステリック液晶あるいはこれらの混合物を使用
することができるが、液晶の配向性を保持し、情報を永
続的に保持させる、所謂、メモリー性の観点からはスメ
クチック液晶を使用するのが好ましい。
【0013】スメクチック液晶としては、液晶性を呈す
る物質の末端基の炭素鎖が長いシアノビフェニル系、シ
アノターフェニル系、フェニルエステル系、更に弗素系
等のスメクチックA相を呈する液晶物質、強誘電性液晶
として用いられるスメクチックC相を呈する液晶物質、
或いはスメクチックH、G、E、F等を呈する液晶物質
等が挙げられる。
【0014】又、ネマチック液晶を使用してもよく、ス
メクチック或いはコレステリック液晶と混合することに
よりメモリー性を向上させることができ、例えば、シッ
フ塩基系、アゾキシ系、アゾ系、安息香酸フェニルエス
テル系、シクロヘキシル酸フェニルエステル系、ビフェ
ニル系、ターフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、
フェニルピリジン系、フェニルオキサジン系、多環エタ
ン系、フェニルシクロヘキセン系、シクロヘキシルピリ
ミジン系、フェニル系、トラン系等の公知のネマチック
液晶を使用できる。
【0015】尚、液晶材料を選ぶ際には、屈折率の異方
向性の大きい材料の方がコントラストがとれるので好ま
しい。
【0016】樹脂体としては、液晶材料と共通の溶媒に
相溶性を有する溶媒可溶型の樹脂、例えばメタクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、及びこれら
を主体とした共重合体等、或いはモノマー、オリゴマー
の状態で液晶材料と相溶性を有する或いは共通の溶媒に
相溶性を有する放射線硬化型樹脂、例えばアクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル等、更に熱硬化型樹脂、
例えばエポキシ樹脂、シリコン樹脂等を挙げることがで
きるが、特に紫外線硬化型樹脂を使用すると液晶を多く
含有させても液晶の滲み出し等の現象が抑制され、表面
への液晶の滲み出しによる画像ムラや、情報記録層表面
に積層される透明電極層のひび割れ等の発生による導電
性の低下を防止することができる。
【0017】このような紫外線硬化型樹脂としては、モ
ノマー、オリゴマーの状態で、例えばジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、イソシ
アヌール酸(エチレンオキサイド変性)トリアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ネオペンチル
グリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリ
レート等の多官能性モノマー或いは多官能性ウレタン
系、エステル系オリゴマー、更にノニルフェノール変性
アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の単官
能性モノマー或いはオリゴマー等が挙げられる。
【0018】紫外線硬化型樹脂を用いて架橋構造とする
ことで、液晶の滲み出しが防止でき、かつスパッタ法等
により直接ITO電極を設けることができる。。
【0019】又、ポリビニルアルコール等と液晶材料を
混合してマイクロカプセル化したものも使用できる。
【0020】液晶材料と樹脂体との混合比は、液晶材料
の含有量が10重量%〜90重量%、好ましくは40重
量%〜80重量%となるように配合するとよく、10重
量%未満であると情報記録して液晶相が配向しても透過
性が低く、また90重量%を越えると液晶の滲み出し等
の現象が生じるので好ましくない。液晶は樹脂中に多く
含有させることにより、コントラスト比を向上させ、動
作電圧を低くすることができる。
【0021】情報記録層の形成方法は、溶媒可溶型の場
合には樹脂体と液晶材料を溶媒に溶解し、その溶液を光
導電層上又は後述する透明絶縁層上にブレードコータ
ー、ロールコーター、或いはスピンコーター等の一般的
なコーターによりコーティングし、溶媒を乾燥除去して
形成されるが、紫外線硬化型樹脂の場合には更に紫外線
照射して硬化させることにより形成される。必要に応じ
てコーティング適性を上げる或いは表面性を良くするた
めにレベリング剤を添加するとよい。又、コーティング
法により情報記録層を形成することにより、情報記録層
の膜厚を均一に制御することができる。ラミネート法に
よると、溶媒の使用が難しく、又、ギャップの均一性を
得るのが難しい。均一にするにはスペーサを介する必要
がありノイズの原因となるからである。
【0022】膜厚は解像性に影響を与えるが、乾燥後膜
厚0.1μm〜10μm、好ましくは3μm〜8μmと
すると高解像性を維持しつつ、動作電圧も低くすること
ができる。膜厚が薄すぎると情報記録部のコントラスト
が低く、又、厚すぎると動作電圧が高くなるので好まし
くない。
【0023】光導電層3は、光が照射されると照射部分
で光キャリア(電子、正孔)が発生し、それらのキャリ
アが層幅を移動することができる導電性層であり、特に
電界が存在する場合にその効果が顕著である層である。
以下、光導電材料及び光導電層の形成方法について説明
する。
【0024】(A) シリコン光導電層としては、(1)
シリコン単体、(2) 不純物をドーピングしたもの(B、
Al、Ga、In、Tl等をドーピングによりP型(ホ
−ル輸送型)にしたもの、P、Ag、Sb、Bi等をド
ーピングによりN型(電子輸送型)にしたもの)があ
り、形成方法としては、シランガス、不純物ガスを水素
ガスなどと共に低真空中に導入し(10-2〜1Torr)、
グロー放電により加熱、或いは加熱しない電極基板上に
堆積して成膜するか、単に加熱した電極基板上に熱化学
的に反応形成するか、或いは固体原料を蒸着、スパッタ
ー法により成膜し、単層、或いは積層で使用する。膜厚
は1〜50μmである。
【0025】(B)セレン光導電層としては、(1) セレ
ン単体、(2) セレンテルル、(3) ひ素セレン化合物(As
2Se3) 、(4) ひ素セレン化合物+Te等があり、蒸着、ス
パッター法により作製する。又、これら(1) 〜(4) を組
み合わせ、積層型光導電層としてもよい。膜厚はシリコ
ン光導電層と同様である。
【0026】(C)硫化カドミウム (CdS )光導電層と
しては、コーティング、蒸着、スパッタリング法により
作製する。蒸着の場合はCdS の固体粒をタングステンボ
ードにのせ、抵抗加熱により蒸着するか、EB(エレク
トロンビーム)蒸着により行う。またスパッタリングの
場合はCdS ターゲットを用いてアルゴンプラズマ中で基
板上に堆積させる。この場合、通常はアモルファス状態
でCdS が堆積されるが、スパッタリング条件を選択する
ことにより結晶性の配向膜(膜厚方向に配向)を得るこ
ともできる。コーティングの場合は、CdS 粒子(粒径1
〜100μm)をバインダー中に分散させ、溶媒を添加
して基板上にコーティングするとよい。。
【0027】(D)酸化亜鉛(Zn O)光導電層は、コー
ティング法或いはCVD法で作製される。コーティング
法としては、ZnS 粒子(粒径1〜100μm)をバイン
ダー中に分散させ、溶媒を添加して基板上にコーティン
グを行って得られる。またCVD法としては、ジエチル
亜鉛、ジメチル亜鉛等の有機金属と酸素ガスを低真空中
(10-2〜1Torr)で混合し、加熱した電極基板(15
0〜400℃)上で化学反応させ、酸化亜鉛膜として堆
積させる。この場合も膜厚方向に配向した膜が得られ
る。
【0028】(E)有機光導電層としては、単層系光導
電層、機能分離型光導電層とがある。 (イ)単層系光導電層は、下記の電荷発生物質と電荷輸
送物質の混合物からなっている。
【0029】〈電荷発生物質〉光を吸収して電荷を生じ
易い物質であり、例えば、アゾ系顔料、ジスアゾ系顔
料、トリスアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ペリレ
ン系顔料、ピリリウム系染料、シアニン系染料、メチン
系染料が使用される。
【0030】〈電荷輸送物質系〉電離した電荷の輸送特
性がよい物質であり、例えばヒドラゾン系、ピラゾリン
系、ポリビニルカルバゾール系、カルバゾール系、スチ
ルベン系、アントラセン系、ナフタレン系、トリジフェ
ニルメタン系、アジン系、アミン系、芳香族アミン系等
がある。
【0031】また、電荷発生系物質と電荷輸送系物質に
より錯体を形成させ、電荷移動錯体としてもよい。
【0032】通常、光導電層は電荷発生物質の光吸収特
性で決まる感光特性を有するが、電荷発生物質と電荷輸
送物質とを混ぜて錯体をつくると、光吸収特性が変わ
り、例えばポリビニルカルバゾール(PVK)は紫外域
でしか感ぜず、トリニトロフルオレノン (TNF)は4
00nm波長近傍しか感じないが、PVKーTNF錯体
は650nm波長域まで感じるようになる。
【0033】このような単層系光導電層の膜厚は、10
〜50μmが好ましい。
【0034】(ロ)機能分離型光導電層 電荷発生物質は光を吸収し易いが、光をトラップする性
質があり、一方、電荷輸送物質は電荷の輸送特性はよい
が、光吸収特性はよくない。そのため両者を分離し、そ
れぞれの特性を十分に発揮させようとするものであり、
以下の電荷発生層と電荷輸送層を積層したタイプであ
る。
【0035】〈電荷発生層〉電荷発生層3aを形成する
物質としては、例えばアゾ系、ビスアゾ系、トリスアゾ
系、フタロシアニン系、酸性ザンセン染料系、シアニン
系、スチリル色素系、ピリリウム色素系、ペリレン系、
メチン系、a-Se 、a-Si 、アズレニウム塩系、スクア
リウム塩系等がある。
【0036】〈電荷輸送層〉電荷輸送層3bを形成する
物質としては、例えばヒドラゾン系、ピラゾリン系、P
VK系、カルバゾール系、オキサゾール系、トリアゾー
ル系、芳香族アミン系、アミン系、トリフェニルメタン
系、多環芳香族化合物系等がある。
【0037】機能分離型光導電層の作製方法としては、
まず電荷発生物質を溶剤に溶かして電極上に塗布し、次
に電荷輸送層を溶剤に溶かして電荷輸送層に塗布し、電
荷発生層を0.1〜10μm、電荷輸送層を10〜50
μmの膜厚とするとよい。
【0038】なお、単層系、機能分離型の何れの場合に
も、バインダーとしてシリコーン樹脂、スチレン−ブタ
ジエン共重合体樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、飽
和又は不飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、フェノール樹脂、ポリ
メチルメタアクリレート(PMMA)樹脂、メラミン樹
脂、ポリイミド樹脂等を電荷発生材料と電荷輸送材料各
1部に対し、0.1〜10部添加して付着し易いように
する。コーティング法としては、ディッピング法、蒸着
法、スパッター法等を使用することができる。
【0039】透明電極層は、比抵抗値が106 Ω・cm以
下であれば、特に材質は限定されず、金属薄膜導電膜、
無機金属酸化物導電膜、四級アンモニウム塩等の有機導
電膜等である。このような電極は支持体上に蒸着、スパ
ッタリング、CVD、コーティング、メッキ、ディッピ
ング、電解重合等の方法により形成される。またその膜
厚は電極を構成する材料の電気特性、および情報記録の
際の印加電圧により変化させる必要があるが、例えばI
TO膜では100〜3000Å程度である。
【0040】透明基板1は、カード型液晶記録媒体を強
度的に支持するものであり、情報記録層を支持すること
ができるある程度の強度を有していれば、その材質、厚
みは特に制限がなく、ガラス、プラスチックシート等の
剛体が使用される。なお、透明基板において透明電極層
が設けられる面の他方の面には、必要に応じて反射防止
効果を有する層を積層するか、また反射防止効果を発現
しうる膜厚に透明基板を調整するか、更に両者を組み合
わせることにより反射防止性を付与してもよい。
【0041】透明絶縁層6は、光導電層が溶媒を使用し
て形成される有機感光層の場合に特に適しており、光導
電層と情報記録層の相互作用により液晶が溶出したり、
又液晶の溶媒により光導電材料が溶出することにより画
像ムラが生じるのを防止することを目的として設けられ
るものである。
【0042】従って、透明絶縁層は有機光導電層形成材
料、情報記録層形成材料のいずれに対しても相溶性を有
しないことが必要であり、また導電性を有する場合には
空間電荷の拡散が生じ、解像度の劣化が生じることから
絶縁性が要求される。また透明絶縁層は情報記録層にか
かる分配電圧を低下させる、或いは解像性を悪化させる
ので、その膜厚は薄い方が好ましく1μm以下とすると
よい。
【0043】但し、薄くすることにより、経時的な相互
作用による画像ノイズの発生ばかりでなく、積層塗布す
る時にピンホール等の欠陥による浸透の問題が生じる。
浸透性は積層塗布する材料の固形分比率、溶媒の種類、
粘度により異なることから、積層塗布されるものについ
てその膜厚は適宜設定される。またこれらの問題を防止
するために下記材料を積層して用いることもできる。
又、各層に掛かる電圧分配を考慮した場合、薄膜化と共
に誘電率の高い材料が好ましい。
【0044】このような透明絶縁層は、無機材料として
SiO2 、TiO2、CeO2、Al2O3 、GeO2、Si3N4 、AlN 、Ti
N 等を使用し、蒸着法、スパッタ法により積層するとよ
く、また有機溶剤に対して相溶性の少ない水溶性樹脂と
してポリビニルアルコール、水系ポリウレタン、水ガラ
ス等の水溶液を使用し、スピンコート法、ブレードコー
ト法、ロールコート法等により積層してもよく、更に塗
布可能な弗素樹脂、例えば環状エーテル構造を有するパ
ーフルオロ樹脂を弗素系溶剤に溶解し、スピンコート法
により塗布するか、またブレードコート法、ロールコー
ト法等により積層してもよい。
【0045】塗布型の透明絶縁材料を選択する際には、
その溶媒が光導電層を溶解しない、且つ情報記録層を塗
布形成する際に情報記録層を構成する材料に溶解しな
い、或いは塗布する際の溶媒に溶解しないことが必要で
ある。
【0046】尚、光導電層が無機材料より形成される場
合には、情報記録層との液晶滲み出し等の相互作用がな
い場合には、透明絶縁層を設ける必要はない。
【0047】図1に示す構成の記録媒体においては、共
通電極とどのエリア選択電極に電圧を印加するかにより
記憶領域を選択し、ある領域にはカラー画像、他の領域
にはモノクロ画像、また他の領域にはデジィタルデータ
というように領域を選んで情報の書込みができるので、
カードしての利用性を高めることができる。
【0048】次に、図2、図3により本発明のカード型
液晶記録媒体の作製方法について説明する。図2(a)
において、例えば幅54mm、長さ86mm、厚み18
8μmのPET基板11を用意し、その裏面に必要に応
じて基板の傷つき防止のためのハードコート層12を形
成する。この基板の両面に、図2(b)に示すように、
スクリーン印刷法等によりレジスト13、14をパター
ン状に印刷し、基板の表裏両面の両側の縁部には、図2
(c)の平面図に示すように、レジストのない領域1
5、l6を形成し、次いで、領域15、16の部分にド
リル、ポンチ、レーザ加工等により、例えば3mmφ程
度の孔を開ける(図2(d))。この状態で両面からス
ルーホールメッキ18を施した後(図2(e))、レジ
ストを除去してスルーホール電極19a、19bを形成
するとともに、ハードコートを形成した側に必要に応じ
て弱粘着性ポリプロピレンからなる保護フィルム20を
貼付する(図2(f))。次いで、図2(g)断面図、
図2(h)平面図に示すように、感光層、情報記録層等
を積層する側において、一方のスルーホール電極19a
を覆って帯状にレジスト21を印刷した後、全面にIT
Oをスパッタにより形成する(図2(i))。そして溶
剤で溶かしてレジストを除去し、スルーホール電極19
bに接続された複数の帯状のITOからなるエリア選択
電極22を形成する(図3(j))。次いで、エリア選
択電極22を覆って全面に電荷発生層23、電荷輸送層
24をコーティングして光導電層を形成した後、さらに
透明絶縁層25、情報記録層26をコーティング形成す
る(図3(k))。次いで、図3(m)平面図で示す領
域27をジクロルメタン、アセトンで2回程拭き取り、
図3(l)に示すように電極19aを露出させた後、全
面にIOTをスパッタして透明共通電極28を形成す
る。次いで、フッ素系溶剤で溶かすことのできる含フッ
素ポリマーからなる保護層29をフッ素系溶剤でコーテ
ィングする(図3(o))。フッ素系溶剤はLCPC層
を溶かさないので保護層として含フッ素ポリマーは特に
適している。
【0049】なお、透明共通電極側のスルーホールは複
数でなく1つでもよく、その場合には図2(b)におけ
るパターン状レジスト印刷、図2(c)の孔開け加工の
段階で1つになるようにすればよい。
【0050】こうしてカード型に形成した液晶記録媒体
は、保護フィルム20を剥がすか、一部を除去すること
により、基板裏面側からスルーホール電極19a、19
bにより電極取り出しがができるので、情報記録層上に
形成された強度的に弱いITOには触れずにすみ、過酷
な条件下においてもITOに傷をつけないようにするこ
とができ、また、電極取り出し部分には大きな力が加わ
る場合があっても、基板上であるので電極の変形を防ぐ
ことができる。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、液晶の滲
み出し、情報記録層上に形成されるITO電極の傷つ
き、変形等を防止することができ、強度的にも十分カー
ドとして耐えることが可能なカード型液晶記録媒体を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカード型液晶記録媒体の基本的構成
を示す図である。
【図2】 カード型液晶記録媒体の作製方法を説明する
図である。
【図3】 カード型液晶記録媒体の作製方法を説明する
図である。
【符号の説明】
1…透明基板、2…エリア選択電極、3…光導電層、3
a…電荷発生層、3b…電荷輸送層、5…透明絶縁層、
6…情報記録層、7…透明共通電極、8は保護層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−221919(JP,A) 特開 平2−93519(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/135 G02F 1/1343 G02F 1/1333 G02F 1/13 505 G11B 7/24 G03G 15/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、順次、複数の帯状透明電
    極からなるエリア選択電極、光導電層、透明絶縁層、樹
    脂体中に液晶相を分散固定した情報記録層、透明共通電
    極が積層されたカード型液晶記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記情報記録層を形成する樹脂は、紫外
    線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1記載のカ
    ード型液晶記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の記録媒体において、透明
    基板にはスルーホール電極が形成され、エリア選択電
    極、透明共通電極はスルーホール電極を通して透明基板
    裏面側へ接続されていることを特徴とするカード型液晶
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 カード状透明基板の対向する2辺の一方
    の辺に沿って複数の、他方の辺に沿って少なくとも1つ
    以上のスルーホール電極を形成する段階、一方の辺に沿
    う複数のスルーホール電極をそれぞれ覆うとともに、他
    方の辺に向かって延びる複数の帯状透明電極からなるエ
    リア選択電極を透明基板の表面側に形成する段階、エリ
    ア選択電極を覆って全面に光導電層、透明絶縁層、樹脂
    体中に液晶相を分散固定した情報記録層を順次積層する
    段階、前記他方の辺に沿うスルーホール電極上の各層を
    除去して該スルーホール電極を露出させる段階、露出し
    たスルーホール電極を含んで表面側全面に透明共通電極
    を形成するとともに、該透明共通電極上に保護層を形成
    する段階からなり、透明基板裏面側に露出したスルーホ
    ール電極よりエリア選択電極、透明共通電極を取り出す
    ようにしたことを特徴とするカード型液晶記録媒体の作
    製方法。
  5. 【請求項5】 前記スルーホール電極の形成は、透明基
    板の対向する一方の辺に沿う複数領域を除いてパターン
    状にレジスト印刷する段階、前記複数領域内に孔開け加
    工する段階、スルーホールメッキする段階からなる請求
    項4記載のカード型液晶記録媒体の作製方法。
  6. 【請求項6】 エリア選択電極の形成は、前記他方の辺
    に沿うスルーホール電極を含む帯状領域を除いてレジス
    ト印刷する段階、全面にITOをスパッタリングする段
    階、レジスト除去する段階からなる請求項4記載のカー
    ド型液晶記録媒体の作製方法。
  7. 【請求項7】 透明基板裏面にハードコート層を設ける
    段階を含む請求項4記載のカード型液晶記録媒体の作製
    方法。
  8. 【請求項8】 さらに、透明基板裏面側を覆う保護フィ
    ルムを貼付したことを特徴とする請求項4記載のカード
    型液晶記録媒体の作製方法。
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