JP3108921B1 - 外面付着型一方向弁付き容器の気体吸引装置及び該容器の減圧方法 - Google Patents

外面付着型一方向弁付き容器の気体吸引装置及び該容器の減圧方法

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JP3108921B1
JP3108921B1 JP11302361A JP30236199A JP3108921B1 JP 3108921 B1 JP3108921 B1 JP 3108921B1 JP 11302361 A JP11302361 A JP 11302361A JP 30236199 A JP30236199 A JP 30236199A JP 3108921 B1 JP3108921 B1 JP 3108921B1
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守也 田中
彬 小椋
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Abstract

【要約】 【課題】 負圧源を運転状態にしながら複数個の保存用
容器の減圧操作を連続的に実施しても、シート状一方向
弁の容器外表面への吸着を確実に行える外面付着型一方
向弁付き容器の気体吸引装置及び該容器の減圧方法を提
供する。 【解決手段】 気体吸引装置は、気体本体1の負圧源に
可撓性ホース8を介して吸引カップ9を接続し、該吸引
カップ9は端部に開口部9aを有し、かつ壁面に内外に
貫通する外気導入孔10を設けた構成からなる。該気体
吸引装置の使用により、減圧操作時は外気導入孔10を
指で塞いで高負圧を発生させ、減圧操作終了時に指を離
して吸引カップ9内の負圧を緩和するので、シート状一
方向弁の浮き上がりを防止し、効率的に作業を実施する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外面付着型一方向
弁付き容器の気体吸引装置及び該容器の減圧方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、先に特願平11−2888
4号、特願平11−227551号等により、食品等を
腐敗させることなく長期間保存可能にする保存用容器を
提案し、この独特の保存用容器は既に市場に広く利用さ
れるに至っている。
【0003】図5は、このような保存用容器の一例を示
したもので、広口瓶等の容器本体50にパッキン52を
介して蓋51を着脱自在に螺着し、その蓋51に開口5
3を設け、その外側から一方向弁機能をもつ弾性シート
54で塞いで容器内部を負圧状態に維持するようにした
ものである。この一方向弁の機能を有する弾性シート5
4は、開口53からオフセットした位置に通気孔55を
有し、容器内部の負圧により蓋51の表面に吸着保持さ
れると共に、開口53の部分を内側へ湾曲変形させた状
態になっている。
【0004】上記のように保存用容器の内部を負圧に
し、弾性シート54を蓋51の上面に吸着保持させる方
法としては、図6(A),(B)に示すような、以下に
説明する減圧操作によって行われている。
【0005】まず、蓋51の外表面の開口53を塞ぐよ
うに弾性シート54を載せる。このときの弾性シート5
4は、通気孔55が開口53からオフセットした位置関
係になるようにする。次いで、この弾性シート54の外
側に吸引カップ56の開口部56aを当接させ、その開
口部56aの内側に開口53と通気孔55とが囲まれる
ようにする。負圧源を運転状態にして吸引カップ56に
吸引力を作用させると、図6(A)に示すように、弾性
シート54が湾曲状に吸い上げられながら、容器内部の
空気が開口53から通気孔15を経て吸い出されてい
く。
【0006】容器内部が所定の負圧になったところで負
圧源の運転を止めると、図6(B)に示すように、弾性
シート54が容器側に吸いつけられ、蓋51の外表面に
吸着されて開口53の部分が内側に湾曲状態になる。こ
のように容器内部は弾性シート54で完全シールされる
ため、外部からの空気や雑菌の侵入がなく、かつ負圧に
維持されると共に、容器内部の活性酸素が減少するた
め、内部の食品は長期間にわたり腐敗せずに保存される
ようになる。
【0007】しかしながら、上述した減圧操作を複数個
の保存用容器について連続的に行う場合には、負圧源を
連続運転状態にしながら行うと、1個の容器について減
圧操作を終了して吸引カップ56を引き離そうとする
と、その吸引カップ56の吸引圧が強いために弾性シー
ト54が吸いつけられ浮き上がり、折角負圧状態にした
容器が元の大気圧に戻ってしまうことがある。このよう
な不具合は、容器毎に減圧操作を終了する度に負圧源を
停止すれば解消する。しかし、負圧源の運転を容器毎に
いちいち停止していたのでは、減圧操作の作業効率が低
下し、また起動時の負荷は非常に大きいのでエネルギー
損失が増大するという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、複数
個の保存用容器を減圧操作する場合、負圧源を運転状態
にしながら連続的に実施しても、シート状一方向弁の容
器外表面への吸着を確実に行えるようにする外面付着型
一方向弁付き容器の気体吸引装置及び該容器の減圧方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の外面付着型一方向弁付き容器の気体吸引装置は、
器側の開口の外側に、該開口からオフセットした位置に
通気孔を設けた一方向弁機能をもつ弾性シートを載せ、
該弾性シートの外側に吸引カップの開口部を前記開口と
通気孔とを囲むように当接させて気体吸引を行う装置で
あり、前記吸引カップを負圧源に可撓性ホースを介し
続し、該吸引カップ壁面に内外に貫通する外気導入
孔を設けた構成からなることを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の外面付着型一方向弁付き容
器の減圧方法は、上記気体吸引装置を使用し、前記負圧
源を運転状態にしながら、前記吸引カップの外気導入孔
を開状態にして前記開口部を容器外面に載置した一方向
弁機能をもつ弾性シートの外側に当接させ、次いで前記
外気導入孔を閉止状態にして前記容器内部の気体を吸引
し、該容器内部が所定の負圧状態になったとき前記外気
導入孔の閉止を解除することを特徴とするものである。
【0011】上述のように吸引カップに外気導入孔を設
けたので、吸引カップをシート状一方向弁に当接させ容
器内部を減圧操作する時、減圧操作中は外気導入孔を閉
止状態にすることにより吸引カップ内を効率よく高負圧
状態にすることができ、また減圧操作終了時に上記外気
導入孔の閉止を解除することにより吸引カップ内の高負
圧状態を緩和するため、吸引カップを容器から離すとき
にシート状一方向弁を随伴させることなく離すことでき
る。したがって、負圧源を運転状態にしたままでも、複
数個の容器の減圧操作を連続的に確実に実施することが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
を参照して説明する。
【0013】図1は本発明の実施形態からなる気体吸引
装置を示す。
【0014】装置本体1には、不図示の吸引ポンプと該
吸引ポンプを駆動するための不図示のモータとが負圧源
として内設されている。装置本体1の下部には移動用の
キャスター2と、停止時の移動防止用の制動板3が設け
られている。また、上部に上記負圧源(駆動用モータ)
の起動スイッチ4、電源ランプ5、ヒューズ取付部6が
設けられ、さらに上部に搬送用の把手12が設けられて
いる。
【0015】また、装置本体1内のモータから、該モー
タに対する電力供給用の導電コード7が延長し、また吸
引ポンプから可撓性ホース8が延長し、その先端に吸引
カップ9が接続されている。
【0016】図2は上記吸引カップの詳細を示し、
(A)は縦断面図、(B)は側面図ずある。吸引カップ
9は把持部9bを筒状に形成し、その先端に吸引用の開
口部9aを設けている。開口部9aは、図6によって説
明したように、保存用容器を減圧操作するときに一方向
弁機能をもつ弾性シート54の表面に当接させる箇所で
ある。把持部9bの壁面には内外に貫通する外気導入孔
10が設けられ、さらにこの外気導入孔10に並べて手
元スイッチ11が設けられている。手元スイッチ11
は、装置本体1内の負圧源を遠隔でオン・オフするよう
にしたものである。
【0017】上記吸引カップ9の把持部9bは、ペンを
握るときのように親指と人指し指との間に挟むようにし
て把持するようになっている。このように把持部9bを
ペンホルダー式に握るとき、外気導入孔10と手元スイ
ッチ11を前方側に位置させ、例えば人指し指或いは親
指の指先第一関節までの内側で操作することができる。
すなわち、外気導入孔10は指先を当てることにより閉
止することができ、また手元スイッチ11も指先でオン
・オフ操作することができる。
【0018】図3(A),(B)は、吸引カップの他の
例を示し、(A)は縦断面図、(B)は平面図である。
【0019】この吸引カップ9は、把持部9bがマウス
型に形成され、下部に開口9aが設けられている。外気
導入孔10と手元スイッチ11は、平面視長手方向の左
側面に設けられている。したがって、この吸引カップ9
は、手の平を下向きにし、パソコンのマウスを操作する
ときのように握り、左側面の外気導入孔10と手元スイ
ッチ11を親指の指先で操作することができる。
【0020】吸引カップ9に対する外気導入孔10と手
元スイッチ11の位置は任意であり、例えば上記の左側
面の代わりに、外気導入孔10を鎖線で示すような前方
側にするか、或いは右側面にすれば、人指し指によって
操作することができる。
【0021】図4(A),(B)は、吸引カップのさら
に他の例を示し、(A)は縦断面図、(B)は平面図で
ある。
【0022】この吸引カップ9は、把持部9bが偏平な
饅頭型に形成され、下部に開口9aを設けられている。
また、外気導入孔10と手元スイッチ11は把持部9b
の上部側に設けられている。
【0023】この吸引カップ9も、上記マウス型の場合
と同様に手の平を下向きにして握り、外気導入孔10と
手元スイッチ11とを前方側或いは右側面に位置させる
と、それぞれ人指し指で操作することができ、また左側
面に位置させると、親指で操作することができる。
【0024】次に、本発明の気体吸引装置を使用して、
複数個の外面付着型一方向弁付き容器を連続的に減圧操
作する方法を、図6(A),(B)を参照して説明す
る。ここで外面付着型一方向弁付き容器とは、図5に示
すように、蓋の開口を外側から一方向弁機能をもつ弾性
シートでシール状態に塞ぐように構成した容器のことで
ある。ここで、容器や蓋の形態は特に限定されるもので
なく、図5に示す広口瓶のほか、例えばホテルパン、ボ
ールなど何でもよく、パッキン52,開口53を有し、
通気孔55を有する弾性シート54が蓋に密着するもの
であればよい。
【0025】まず、準備工程で、減圧操作を行う複数個
の保存容器の蓋51の外表面に、それぞれ開口53を塞
ぐように弾性シート54を載せる。また、装置本体1の
起動スイッチ4または吸引カップ9の手元スイッチ11
をオンにして、負圧源(吸引ポンプ)を運転状態にす
る。
【0026】作業者は吸引カップ9の把持部9bを把持
し、外気導入孔10を塞がないように保持しながら、先
端の開口部9aを最初の容器に対して弾性シート54の
上面に当接させる。この当接は開口部9aの内側に通気
孔55と開口53とが囲まれるように行う。
【0027】次いで、この当接状態を維持したまま、指
先で外気導入孔10を塞ぐと、外気が導入されなくなる
ので吸引カップ9内が高負圧になり、図6(A)に示す
ように、弾性シート54が湾曲状に吸い上げられ、容器
内部の空気が開口53から通気孔15を経て吸い上げら
れるため、容器内部が負圧になっていく。
【0028】容器内部が所定の負圧に達したところで、
外気導入孔10に当てていた指を離すと、吸引カップ9
内に外気が侵入するため内部の負圧が緩和し、容器内部
から気体が吸われなくなる。したがって、図6(B)に
示すように、弾性シート54が容器の負圧に吸いつけら
れて蓋51の外表面に吸着保持され、開口53の部分が
内側に湾曲状態になる。
【0029】次いで、吸引カップ9を弾性シート54か
ら離すと、上記のように吸引カップ9内は外気の導入に
より負圧が緩和され、弾性シート54でシールされた容
器内部の負圧よりも小さくなっているので、弾性シート
54が吸引カップ9側に吸着されて浮き上がることはな
い。すなわち、弾性シート54が蓋51の外表面に吸着
保持された状態が、そのまま維持される。
【0030】以後、次の保存用容器に上記減圧操作を順
次繰り返すことにより、全ての保存用容器の減圧操作が
終了するまで負圧源を運転状態にしたままにすることが
できる。また、このように負圧源を終始運転状態にして
いても、各保存用容器を確実に負圧にし、一方向弁機能
をもつ弾性シートを容器外表面に対し確実に吸着させて
効率的に作業することができる。
【0031】本発明において、上述のように吸引カップ
9に外気導入孔10と共に手元スイッチ11を併設する
ようにすると、大きな容積を占める装置本体1(吸引ポ
ンプや駆動モータ)を作業に邪魔にならないように遠隔
地に離すことができ、減圧操作作業を円滑化するので、
作業性を向上することができる。
【0032】また、外気導入孔10と手元スイッチ14
とを一体にし、外気導入孔10を閉止すると手元スイッ
チ14がオンし、外気導入孔10を開放すると手元スイ
ッチ14がオフするような一体構造にすることも可能で
ある。
【0033】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、吸引カ
ップに外気導入孔を設けたので、吸引カップをシート状
一方向弁に当接させ容器内部を減圧操作する時、減圧操
作中は外気導入孔を閉止状態にすることにより吸引カッ
プ内を効率よく高負圧状態にすることができ、また減圧
操作終了時に上記外気導入孔の閉止を解除することによ
り吸引カップ内の高負圧状態を緩和するため、吸引カッ
プを容器から離すときにシート状一方向弁を随伴させる
ことなく離すことできる。したがって、負圧源を運転状
態にしたままでも、複数個の容器の減圧操作を連続的に
確実に実施することができる。また、負圧源の起動回数
を低減し、省エネルギー効果も得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる気体吸引装置を示す
斜視図である。
【図2】図1の装置に使用されている吸引カップを示
し、(A)は縦断面図、(B)は側面図である。
【図3】本発明に使用される吸引カップの他の例を示
し、(A)は縦断面図、(B)は側面図である。
【図4】本発明に使用される吸引カップの更に他の例を
示し、(A)は縦断面図、(B)は側面図である。
【図5】食品等の保存用容器の縦断面図である。
【図6】図5の保存用容器を減圧操作する際の説明図で
あり、(A)は保存用容器の内部空気を吸引中の状態を
示す縦断面図。(B)は(A)の吸引操作を終了した後
の状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 装置本体(負圧源) 8 可撓性ホース 9 吸引カップ 9a 開口部 9b 把持部 10 外気導入孔 11 手元スイッチ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器側の開口の外側に、該開口からオフ
    セットした位置に通気孔を設けた一方向弁機能をもつ弾
    性シートを載せ、該弾性シートの外側に吸引カップの開
    口部を前記開口と通気孔とを囲むように当接させて気体
    吸引を行う装置であり、前記吸引カップを負圧源に可撓
    性ホースを介して接続し、該吸引カップ壁面に内外に
    貫通する外気導入孔を設けた構成からなる外面付着型一
    方向弁付き容器の気体吸引装置。
  2. 【請求項2】 前記吸引カップに前記負圧源の起動をオ
    ン・オフする手元スイッチを設けた請求項1に記載の気
    体吸引装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の気体吸引装置を
    使用し、前記負圧源を運転状態にしながら、前記吸引カ
    ップの外気導入孔を開状態にして前記開口部を容器外面
    に載置した一方向弁機能をもつ弾性シートの外側に当接
    させ、次いで前記外気導入孔を閉止状態にして前記容器
    内部の気体を吸引し、該容器内部が所定の負圧状態にな
    ったとき前記外気導入孔の閉止を解除する外面付着型一
    方向弁付き容器の減圧方法。
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