JP3108626U - テント構造物用光触媒シート接合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光触媒層を除去することなく容易に得られ、接合部の外観が損なわれず、しかも接合部汚れが目立たないテント構造物用光触媒シート接合体の提供。
【解決手段】 熱可塑性樹脂層2とその全面に形成された光触媒層6とを有する複数のシート1a,1bの接合体であって、その重ね合わせ接合界面に含まれる光触媒層が分断されており、この分断片の間隙を介して、互に対向する熱可塑性樹脂層が溶融圧着接合されており、前記接合部8a,8bに連続して幅0.2〜2.0mmの非圧着接合端部10a,10bが設けられ、この端部に、接合部からはみ出した熱可塑性樹脂の一部分が融着一体化して前記接合部に連続する突出部11a,11bが形成されている。
【選択図】 図3

Description

本考案は、光触媒層を全面に有するシート同士の接合体に関するものであり、更に詳しく述べるならば、日除けテント、軒出しテント、テント倉庫などの膜材構造物施工に用いるテント構造物用光触媒シート接合体に関するものである。
中・大型テント、テント倉庫、日除けテント、トラック用の幌、看板用バックリットなどに広く使用されている産業資材シートは、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、ガラス繊維などの織物を基材として、これに軟質ポリ塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂で被覆した防水性耐久膜材であるが、これらのシートには、それを屋外での長期にわたる使用に伴って煤塵汚れが蓄積し、その外観が次第に薄汚れてしまい、さらにこの汚れを洗浄除去しようにも、汚れを完全に落とすことが困難であることが問題であった。そこでこれらの膜材表面に、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂などによる防汚層を設けたシートが開発され、これらが汎用となってからは、以前の汚れ問題は軽減したが、しかし、この場合には、降雨で流れ落ちた煤塵を含む汚水、特ににわか雨程度の降雨で洗い流された汚水が、シート表面を伝って流れ落ち、そのまま乾燥することにより形成される筋痕が経時的に次第に目立つようになる現象、いわゆる雨筋汚れの問題が顕著に発生するという問題がある。
最近、酸化チタンなどの光触媒活性物質による有機物分解効果が注目され、光触媒物質を表面に配置した物品及び建築材料などが多数提案され、テント膜材においても軟質ポリ塩化ビニル樹脂層の最外面に光触媒層を形成したシートが提案されている。(特許文献1:特開平10−237769号公報)。この膜材はセルフクリーニング性を有するため洗浄することなくテント膜材外観を美麗に維持し、しかも光触媒による親水性効果により、雨筋汚れが目立ちにくいという特徴を有しているものである。(非特許文献1:光機能材料研究会、第5回シンポジウム光触媒反応の最近の展開 P74 (1998))
しかし、これらの光触媒層形成シートは、その表面が酸化チタンなどによる数ミクロン〜数十ミクロンの無機物層で覆われていることにより、シート同士の熱溶着接合、すなわち従来の軟質ポリ塩化ビニル樹脂加工などにより、従来の産業資材では可能であった高周波溶着法、熱板溶着法、熱風溶着法などによる溶着縫製ができないという問題があり、この問題は解決不能として諦められていた。このためこれらの溶着縫製を従来通りに実施する手段として、のりしろとなる接合部の光触媒層を機械的削り取りにより除去して溶着縫製する方法、(特許文献2:特開平11−300833号公報)、また、シート端部の断面同士を突き合わせ、突き合わせ部の裏面をテープ状のシール材で溶着する接合方法などが実施されている。しかし光触媒層を強制的に削り取る方法では、一度設けた数ミクロン〜数十ミクロンの光触媒層を除去しなければならない煩わしさ、グラインダーなどによる機械的研摩による膜材損傷、複雑なのりしろ部分の形成が困難、溶着接合部からの溶融はみ出し部分が汚れるなどの問題があり、また後者では端部断面突き合わせ部に隙間を生じたり、裏面シール材がテントの透かし陰となって見苦しいのが現状である。従来、ポリ塩化ビニル樹脂シートの最外層に光触媒層を形成した防汚性シートが優れた防汚性を示すことは既に認知されていたが、その接合方法が煩雑で難しく、溶着接合部の溶融はみ出し部分が汚れるため光触媒層を形成した防汚性シートの普及に大きな障害となっていた。
上記の理由により、光触媒層形成シート接合体を容易に製造することができれば、セルフクリーニング性に優れ、しかも雨筋汚れが目立ち難い、中・大型テント、テント倉庫、日除けテント、トラック用幌、バックリット看板などのテント構造物用膜材の接合体として、さらに利用が急増することが予想される。
特開平10−237769号公報 特開平11−300833号公報 光機能材料研究会、第5回シンポジウム、光触媒反応の最近の展開 P.74(1998)
本考案は、以上の事情に鑑みてなされたもので、光触媒層を機械的削り取りで除去することなく、また、シート端部同士の突き合わせ部の裏面シールすることなくして、従来困難とされていたシート接合体、すなわち、光触媒層が接合部界面に存在したままで、しかも接合部が汚れ難いテント構造物用光触媒シート接合体を提供しようとするものである。
本考案によるテント構造物用光触媒シート接合体は、
熱可塑性樹脂層と、その全面上に形成された光触媒層とを有する複数の熱可塑性樹脂シートの接合体であって、互に隣り合う1対のシートの互に対向する縁端部が、所定の幅をもって重ね合わせられ、この重ね合わされた縁端部において、その端末部に、前記縁端部の長手方向に沿って伸びる0.2〜2.0mm幅の非圧着接合端部を残して、互に熱溶融圧着された接合部が形成されていて、前記接合部の接合界面に位置する光触媒層は、それをはさんで互に対向する2層の熱可塑性樹脂層の間で、海−島状に分断されていて、前記2層の熱可塑性樹脂層は、前記光触媒層の分断間隙(海)を介して互に融着しており、前記溶融した熱可塑性樹脂の一部分が、前記非圧着接合端部と、それに対向するシートとの間隙にはみ出して、前記非圧着接合端部に融着一体化し、それによって前記接合部に連続する突出部が形成されていることを特徴とするものである。
本考案のテント構造物用光触媒シート接合体において、前記接合部中の、前記熱可塑性樹脂層上に形成されている光触媒層の表面に、接合前にマークされた面積表示域の面積が、接合後に、150〜200%の面積変化率で増大していることが好ましい。
本考案のテント構造物用光触媒シート接合体において、前記シートが繊維布帛基布層と、その両面に形成されたポリ塩化ビニル樹脂被覆層を有し、その一面以上に光触媒層が設けられていることが好ましい。
上記の説明から明らかなように、本考案に係るテント構造物用光触媒シート接合体は、従来の光触媒シート接合体の製造の際の工程、すなわちポリ塩化ビニル樹脂シートに光触媒層を形成した防汚性シートの接合に従来行われていた接合部の光触媒層をのりしろとして削り取ったり、またシート同士の断面を突き合わせ、突き合わせ部の裏面をテープ状のシール材で接合したりする工程の必要もなく、そのままシート同士を重ね合わせて熱溶着して得られる接合体である、本考案で接合体においては、特に接合部に突出部を設けることにより、接合部に溶着はみ出し部がないことにより、接合体全体が均一に防汚効果、並びに雨筋汚れ防止効果を発揮しうるものであり、中・大型テント、テント倉庫、日除けテント、トラック用幌、バックリット看板などのテント構造物に容易に利用することができる。また本考案の光触媒シート接合体は、既存の高周波溶着機(ウエルダー)、熱板融着機などを用いて容易に実施可能である。
上記のように構成された本考案のテント構造物用光触媒シート接合体は、光触媒層を機械的削り取りで除去する必要がなく、又、シート端部同士の突き合わせ部の裏面をシールする必要なく、溶着接合体を得たものである。これらの光触媒シート接合体は、好ましくは繊維布帛基布の両面に熱可塑性樹脂(例えばポリ塩化ビニル樹脂被覆層)が形成され、その一面以上の全面に光触媒層が設けられた複数のシートの接合体であり、各シートは、それが用いられる中・大型テント、テント倉庫、日除けテント、トラック用の幌、看板用バックリットなどの、テント膜構造物の採寸設計に合わせて立体的に溶着接合され、フレーム構造体に装着使用することができる。
本考案のテント構造物用光触媒シート接合体において、シート接合体全面に形成された光触媒層の有機物分解作用により経時的に蓄積される煤塵汚れ、雨筋汚れなどを分解し、この分解物を降雨で洗い流すことにより、これらのテント膜構造物の接合部を含めた表面外観を美麗に保つことが可能となる。また本考案のテント構造物用光触媒シート接合体は、光触媒層を削り取ることなく、そのままシートの縁側部を重ねあわせて熱溶着、特に高周波溶着したものであるが、それにも関わらずテント構造物として十分な接合部強度、剥離強度を有する接合構造体である。
テント構造物用光触媒シートの熱溶着において、市販の高周波溶着機、または熱板溶着機を用いて各々のシートの縁端部を、その非圧着接合端部(幅0.2〜2.0mm)を残して、所定のラップ幅、例えば5〜20mm幅の接合部が形成されるように重ね合わせ、5〜20mm幅の平刃金型(押面は平面)を使用して、上記接合部に高周波溶着、または熱板溶着法により溶融圧着を施してシートを接合する。このとき、光触媒層を介して対向する2層の熱可塑性樹脂層は溶融して、圧力により流動し、それによって、光触媒層は海−島状に分断され、溶融した熱可塑性樹脂層は、光触媒層の分断隙間(海)を介して、互に融着する。各シートの圧着されていない前記端部と、それに対向するシートとの間に、溶融した熱可塑性樹脂の一部が接合部からはみ出して前記非圧着接合端部と融着一体化し、それによって、上記接合部に連続する突出部が形成されている。高周波溶着の場合、テント構造物用シートの熱可塑性樹脂は、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などの誘電損失tanδの大きい熱可塑性樹脂、及びこれらの樹脂と他の熱可塑性樹脂との相溶ブレンド物による被覆層を有するものから選ばれることが好ましい。熱接着の場合は、加熱により溶融し、接着する熱可塑性樹脂、すなわち、上記高周波融着用樹脂及びポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、オレフィン系エラストマーなどが用いられる。
以下、本考案のテント構造物用光触媒シート接合体の一例を図面に基づいて詳述する。
本考案に使用されるテント構造物用光触媒シートの好ましい一例を説明する。本考案に使用するテント構造物用光触媒シートは、厚さ0.3〜2.0mm、幅が50〜300cmであることが好ましく、繊維布帛基布の表裏両面に軟質ポリ塩化ビニル樹脂による50〜500μm厚さの熱可塑性樹脂層が設けられ、この表・裏熱可塑性樹脂層の少なくとも一層の表面に光触媒層が形成されている。熱可塑性樹脂層と光触媒層との間には接着層が設けられてもよく、熱可塑性樹脂として、可塑剤含有ポリ塩化ビニル系樹脂が用いられたときには、必要に応じて接着層とこのポリ塩化ビニル系樹脂層との間に可塑剤移行防止層が設けられていてもよい。
基布用繊維布帛は、例えば、ポリエステル(PET)繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の繊維糸条(フィラメント、または紡績糸)を経糸、および又は緯糸として織編された織物、特に平織物から選ばれることが好ましい。例えば軟質ポリ塩化ビニル樹脂による熱可塑性樹脂層は、ペースト塩ビ組成物の含浸、塗工〜ゲル化処理による形成、またはストレート塩ビ組成物の熱混練〜圧延によるフィルムの貼着、またはこれらの併用により形成される。熱可塑性樹脂層にフタル酸エステル系可塑剤などの液状可塑剤が含まれるときは、熱可塑性樹脂層表面に可塑剤移行防止層を設けることが好ましく、可塑剤移行防止層を形成する材料としては、可塑剤に高い非相溶性を有する熱可塑性樹脂膜であれば特に限定はないが、好ましくはアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂などから選ばれ、その厚さは3〜50μm程度であることが好ましい。光触媒層は、好ましくは酸化チタン(TiO2)、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、酸化鉄(Fe23)などの光触媒微粒子を最大75重量%含む金属酸化物ゲルもしくは金属水酸化物ゲル溶液の塗布・乾燥により形成される。光触媒層は、熱可塑性樹脂層、又はその上に形成された可塑剤移行防止層、又はさらにその上に設けられた接着層上に、0.1μm以上5μm以下の厚さに形成された塗膜であることが好ましい。接着層は、アクリル−シリコン樹脂、エポキシ−シリコン樹脂等のシリコン変性樹脂、ポリシロキサン含有樹脂、コロイダルシリカ含有樹脂などを含むことが好ましく、その厚さは0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。
図1は、本考案に用いるテント構造物用光触媒シートの一実施例として、例えば厚さ0.38mm、幅94cmのテント構造物用光触媒シート1の断面説明図であり、これは熱可塑性樹脂層2/繊維布帛基布3/熱可塑性樹脂層2/可塑剤移行防止層4(樹脂層2が可塑剤を含む場合)/接着層5/光触媒層6の積層構成を有している。
図2−(a)、及び(b)、並びに図3は、本考案のテント構造物用光触媒シート接合体の製造工程の一例を示す斜視説明図である。
本考案のテント構造物用光触媒シート接合体7は図2−(a)及び(b)に示されているように、光触媒シート1a及び1bを、その縁端部9a,9bにおいて、光触媒層6を削り取ることなく重ね合わせ、この重ね合わせ縁端部9a,9bからそれぞれの端部10a,10b(幅:0.2〜2.0mm)を非圧着接合端部として残して、幅5〜20mmの接合部8a,8bに熱溶融圧着接合を施す。この接合は高周波溶着、または熱板溶着により行うことができる。得られる光触媒シート接合体(7)の接合部界面に、シート1bの光触媒層6bが含まれている。図3は本考案の接合体の接合状況を示す説明図であって、光触媒層6bに接触しているシート1aの熱可塑性樹脂層2a、及びシート1bの熱可塑性樹脂層2bは、それぞれ、接合部8a,8bにおいて加圧下に溶融されたとき、その一部分は流動し、非圧着端部10a,10b側にはみ出して、はみ出し樹脂部分15a,15bを形成するから、熱可塑性樹脂層の溶融表面積が拡大され、このためそれに接触している光触媒層6bは海−島状に分断され、この光触媒層の分断隙間を介して、互に対向している熱可塑性樹脂層2a,2bが、互に融着合体する。この溶融圧着により、端部10a,10bと、対向するシート1b,1aとの間の隙間にはみ出した熱可塑性樹脂2a,2bの部分15a,15bが、前記非圧着端部10a,10bに溶着一体化して、縁端部同士による接合部8a,8bに連続した突出部11a,11bを形成する。
前記溶融圧着接合工程において、光触媒層6を介して対向している1対の熱可塑性樹脂層2は溶融し、かつ圧着によりその部分15a,15bは、接合部からはみ出すから、海−島状に分断された光触媒層も、溶融した熱可塑性樹脂層の界面において、流延拡散し、その見掛け面積を拡大する。すなわち接合部において、熱可塑性樹脂層の裏面に接合される光触媒層の表面に、接合前に、所定の面積を有する表示域(接合部の幅の約半分程度の直径を有する円又は、正方形であることが好ましい)をマークしておき、溶融圧着接合の後に、接合部を引きはがして、前記表示域(通常、もとの円形は楕円形となり、もとの正方形は長方形となっている)の面積を測定すれば、溶融圧着接合による光触媒層の面積変化率が求められる。本考案の接合体においては、光触媒層の面積変化率は、150〜200%であることが好ましく、より好ましくは175〜200%である。
図4(a)に示されているように、接合前に接合部8に正方形の表示域12aをマークする。この正方形の表示域12aは、接合後には、図4(b)に示されているように、ほぼ長方形の表示域12bに面積拡大する。接合後の表示域12bの面積はシートを透かして求めるか、接合部を剥がして求めることができる。特に剥がして求めるときには本体シートの切れ端でテストし、150〜200%の面積変化率が得られる溶着条件を確認してから本体シートの溶着を行うことが好ましい。また表示域の面積変化率は透明で均質なフィルムに表示域の形状を写し、この切り取り部の質量比から求めることもでき、簡便法としては、溶融圧着接合用金型の幅方向の寸法変化率(150〜200%)で代用することもできる。表示域の面積変化率が150%未満では溶着が不十分であるか、全く溶着できないことがあり、またそれが200%を超える場合は、接合部の熱可塑性樹脂層(2)が薄く圧延されすぎて剥離強度が不十分になることがある。表示域の面積変化率が150〜200%の範囲内にある時、溶着後の光触媒層が分断されていて、それをはさんで対向する熱可塑性樹脂層中に海−島状に散在しており、このとき、分断された光触媒層の分断隙間(海)を介して溶融接合した熱可塑性樹脂層の厚さは50〜500μmであることが好ましい。
光触媒層の分断片と、熱可塑性樹脂層とが混在する海−島構造の一例を図5に示す。
本考案のテント構造物用光触媒シート接合体の各光触媒シートが、図1に示されているように熱可塑性樹脂層2上に、可塑剤移行防止層4及び接着層5を有する場合、接着層5は、光触媒層6とともに分断されて、海−島状分断片を形成し、可塑剤移行防止層4は、熱可塑性樹脂層2とともに、分断片の隙間(海)を介して互に融着連続する連続相を形成する。
本考案のテント構造物用光触媒接合体における接合部の状態をさらに説明する。図3に示されているように、シート1a,1bの重ね合わされた縁端部9a,9bにおいて、接合部8a,8bに連続する非圧着端部10a、又は10bと、それに対向するシート1b又は1aとの間に、溶融熱可塑性樹脂の一部分15a,15bがはみ出し、この、はみ出し樹脂部分15a又は15bは非圧着端部10a又は10bに融着一体化して、接合部8a,8bに連続する突出部11a又は11bを形成する。通常、この突出部11a,11bは、それぞれ、シート1b,1aに、はみ出し樹脂部分15a,15bにより接合されている。従って、接合体中において、はみ出し樹脂部分15a,15bが露出されることはない。このため、はみ出し樹脂部分に局部的汚れを生ずることがない。
また、この場合、接合部の表面に露出している光触媒層は、溶融圧着接合において、接合金型の加圧面に密着しているから、分断されることはなく、或は少なく、実用上十分な光触媒作用を発揮することができる。
従来の光触媒シート接合体において、各シートの縁端部に非圧着接合端部を設けることなく溶融圧着接合すると、図6に示されているように、接合部から溶融した熱可塑性樹脂の一部がはみ出して、はみ出し樹脂部分15a,15bが各シートの接合部の縁端末に露出形成される。この露出したはみ出し樹脂部分15a,15bは、得られる接合体の外観を損い、かつ汚れ易いという問題を発生する。本発明においては、接合部に連続する突出部11a,11bにおいて、はみ出し樹脂部分15a,15bはそれぞれ、光触媒層6a,6bを有するシート1a,1bの非圧着接合端部10a,10bにより被覆されていて外観を損することがなく、かつ汚れからも保護されている。
本考案において、非圧着接合端部の幅は0.2〜2.0mmである。この幅が0.2mm未満であると、はみ出し樹脂部を十分に被覆できない。またそれが2.0mmを越えると、非圧着端部とそれに対向するシートとの間隙を、はみ出し樹脂部が十分に充填することができなくなり、充填されていない間隙にゴム又は塵が溜まりやすく、それにより接合部の汚れの原因となる。
本考案において、接合部の接合界面に位置する光触媒層の溶融圧着接合による面積変化率を150〜200%とするには、高周波印加(陽極電流)のアンペア数を上げたり、印加時間を長くしたり、また押圧力を増大するなど、またこれらの組み合わせにより調整することができる。本考案を確実に実施するには5〜20mm幅の平刃金型(べた刃と呼ぶこともある)を使用して接合部を溶融圧着することが好ましい。押圧面に凹凸が賦型された金型(ギザギザ形状からギザ刃と呼ぶこともある)を用いると、溶融した樹脂が金型の凹凸賦型部に入り込むため、光触媒層に対する分断効果が十分に得らず、接合部の接着強度が不十分となることがある。また平刃金型を用いることにより上記面積変化率の測定にも都合がよい。平刃金型の幅が5mm未満では、得られる接合部の剪断強力が不十分になることがあるので、この場合には同じ接合部内に2ヶ所以上の溶着作業を施すことが必要となる。またその幅が20mmを越えると溶着界面における光触媒層の分断が不均一になりこのため接合部の剥離強度が不均一となることがある。また溶着後の光触媒層の海−島分断状態の観察は、硝酸銀水溶液の塗布、及びブラックライト照射によって目視、または拡大写真により確認することが可能である(図4参照)。
本考案のテント構造物用光触媒シート接合体は、接合部に位置する光触媒層を接合前に除去することなく製造し得るものであるため、本考案は、接合工程が容易になり、かつ、溶融圧着接合の際に接合部からはみ出した熱可塑性樹脂による汚れを生ずることがなく、安価に、汚れ防止性能の高いテント構造物用光触媒シート接合体の提供を可能にするものである。
本考案のテント構造物用光触媒シート接合体を形成するためのシートの一例の積層構造を示す説明図。 図2(a)は、本考案のテント構造物用光触媒シート接合体の製造工程における接合前の2枚のシートの配置状態を示す説明図であり、図2(b)は、図2(a)の2枚シートを重ね合わせた状態を示す説明図。 本考案のテント構造物用光触媒シート接合体の接合部分の構成を示す斜視説明図。 図4(a)は、本考案のテント構造物用光触媒シート接合体の、接合に供する光触媒シートの接合部に、接合前に面積表示域をマークした状態を示す説明図。図4(b)は、図4(a)に示された光触媒シートの接合後の面積表示域の形状を示す説明図。 本考案のテント構造物用光触媒シート接合体の接合界面における光触媒層の海−島分断状態の説明図。 非圧着接合端部を有しない光触媒シート接合体(従来技術)の接合部の接合状態を示す斜視説明図。
符号の説明
1,1a,1b 光触媒シート
2,2a,2b 熱可塑性樹脂層
3 繊維布帛基布
4 可塑剤移行防止層
5 接着層
6,6a,6b 光触媒層
7 接合体
8,8a,8b 接合部
9a,9b 重ね合わされた縁端部
10,10a,10b 非圧着接合端部
11a,11b 突出部
12a 接合前の表示域
12b 接合後の表示域
13 光触媒層の島状分断片
14 熱可塑性樹脂の海状連続相
15a,15b 熱可塑性樹脂の接合部からはみ出した部分

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂層2と、その全面上に形成された光触媒層6とを有する複数の熱可塑性樹脂シートの接合体であって、互に隣り合う1対のシート1a,1bの互に対向する縁端部9a,9bが、所定の幅をもって重ね合わせられ、この重ね合わされた縁端部において、その端末部に、前記縁端部の長手方向に沿って伸びる0.2〜2.0mm幅の非圧着接合端部10a,10bを残して、互に熱溶融圧着された接合部8a,8bが形成されていて、前記接合部の接合界面に位置する光触媒層は、それをはさんで互に対向する2層の熱可塑性樹脂層の間で、海−島状に分断されていて、前記2層の熱可塑性樹脂層は、前記光触媒層の分断間隙(海)を介して互に融着しており、前記溶融した熱可塑性樹脂の一部分15a,15bが、前記非圧着接合端部と、それに対向するシートとの間隙にはみ出して、前記非圧着接合端部に融着一体化し、それによって前記接合部に連続する突出部11a,11bが形成されていることを特徴とするテント構造物用光触媒シート接合体。
  2. 前記接合部中の、前記熱可塑性樹脂層上に形成されている光触媒層の表面に、接合前にマークされた面積表示域12aの面積が、接合後に、150〜200%の面積変化率で増大している、請求項1に記載のテント構造物用光触媒シート接合体。
  3. 前記シートが、繊維布帛基布層3と、その両面に形成されたポリ塩化ビニル樹脂被覆層を有し、その1層又は両層上に光触媒層が設けられている、請求項1に記載のテント構造物用光触媒シート接合体。
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