JP3108105B2 - 共沈剤及び核酸の抽出方法 - Google Patents

共沈剤及び核酸の抽出方法

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JP3108105B2
JP3108105B2 JP09505013A JP50501397A JP3108105B2 JP 3108105 B2 JP3108105 B2 JP 3108105B2 JP 09505013 A JP09505013 A JP 09505013A JP 50501397 A JP50501397 A JP 50501397A JP 3108105 B2 JP3108105 B2 JP 3108105B2
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貢 薄井
真理 山口
才仁 金島
旦治 青木
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Sanko Junyaku Co Ltd
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    • C07H1/08Separation; Purification from natural products
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、血液、尿、髄液、痰、精液、細胞、組織、
生検標本等の生物材料及び/又は被験試料からの核酸抽
出の過程におけるアルコール処理による核酸の回収操作
において、核酸と同じ挙動を示し、遠心分離操作により
目視可能な沈殿物として沈殿し、高い回収率で再現性よ
く核酸を回収するために使用する共沈剤及びその共沈剤
を用いた核酸の抽出方法に関する。
背景技術 最近核酸プローブを用いた研究や診断が急速に進歩
し、検体処理の簡略化及び核酸以外の不純物を取り除き
高純度に核酸を精製することが重要となっている。
たとえば、核酸ハイブリダイゼーションを行う場合、
DNA試料の精製が不十分だとDNAに蛋白が結合したり、ま
た炭水化物を含んでいると制限酵素によるDNAの消化を
阻害するため、制限酵素の塩基配列を認識することがで
きず、満足の行く成績を得ることができない。また、RN
A試料を用いた核酸ハイブリダイゼーションを行う場合
も、RNA試料の精製が不十分であると核酸ハイブリダイ
ゼーションで満足の行く成績を得ることができない。核
酸ハイブリダイゼーションを行う場合または制限酵素に
よるDNAの消化を行う場合には、あらかじめDNAを充分に
精製することが大切である。
非放射性標識法によるプローブの検出の場合、不純物
が混入した試料を用いると試薬に用いた抗体やアビジン
が非特異的に不純物に結合し、判定を誤ってしまうこと
がある。
精製DNAまたはRNAを調製するには通常基本的に4つの
操作を行う必要がある。すなわち、細胞の溶解、除
蛋白と脱炭水化物、分離濃縮、洗浄精製の4つの操
作である。細胞の溶解にはリゾチーム、アクロモペプ
チダーゼなどの細胞壁溶解酵素やプロテインナーゼK等
の蛋白分解酵素を用いたり、アルカリやSDS等の界面活
性剤を用いて細胞を破壊する。
また結核菌やぶどう球菌等強固な細胞壁を持つ微生物
の場合、ビーズや超音波を用いて物理的に破壊させたり
する。場合によってはこれに併用して細胞壁溶解酵素や
蛋白分解酵素を作用させたり、アルカリや界面活性剤添
加を組合わせて行う。
の除蛋白と脱炭水化物については従来よりフェノー
ル・クロロホルム法による抽出が最も多く使用されてい
る。しかしこのフェノール・クロロホルム法は毒性が強
いうえ時間と手間がかかるため大変扱いにくいという問
題があった。
即ち、このフェノール・クロロホルム法においては、
DNAは水性液体層(上層)に、変性蛋白質は水性液体層
と有機液体層(下層)との中間層に綿状の白い層をつく
るので、その白い層を吸い込まないようにDNA層を注意
深く口の広いピペットを用いて静かに吸い取り、新しい
マイクロチューブに移すというような面倒な作業を必要
とする。この操作には、時間がかかりかつ熟練を必要と
するからDNA回収の再現性に悪影響を及ぼし、しかも大
量処理が困難であった。
の後に分離濃縮操作においては、核酸を含む水性
液体から100%のイソプロピルアルコール又は100%のエ
タノール等で核酸(DNAまたはRNA)を沈殿させて分離濃
縮するが、従来の分離濃縮操作では、核酸を含む水性液
体の塩濃度が高いため、この段階でイソプロピルアルコ
ール(終濃度が50%)又はエタノール(終濃度が70%)
等を加えても、核酸の沈殿物が無色透明であるため確認
できず、この段階で核酸沈殿物を捨ててしまうことがあ
り、十分に核酸を回収することができなかった。核酸の
抽出効率と抽出の正確度は、第一に、この分離濃縮操作
時の核酸と共沈剤をいかにもれなく回収するかに依存す
る。
洗浄精製においては、通常70%エタノールを用い
て、分離濃縮された核酸から不純物を取り除き精製す
る。
これまでに抽出法を簡便に効率よく行うためにフェノ
ール・クロロホルム法の改良が試みられているが、フェ
ノールの危険性を避けるためにフェノール・クロロホル
ムを用いない方法も開発されている。
たとえば、リンパ球に感染するHIV−1、EBウイルス
を検査するために、血液サンプルからDNAを抽出する場
合、ヘパリン採血した血液をトリトンX−100で処理、
遠心後沈殿物にグアニジンイソチオシアネートを加えた
後イソプロパノールを加えDNAを析出、エタノール洗浄
を行う方法があり、この方法では2時間以内にDNAを抽
出することができる。
この方法はたいへん簡単ではあるが、対象試料が血液
に限られ必ずしも一般的ではない。
さらに、迅速に核酸を抽出分離するための核酸抽出カ
ラムを用いた方法もあるが、高価であるため処理コスト
がかかるという問題があり、一般には使いにくいという
問題がある。
最近安価にかつ迅速に核酸を抽出する方法としてCTAB
(臭化セチルトリメチルアンモニウム)等の陽イオン界
面活性剤のDNA結合性を利用した方法が報告されている
(特開平2−31696号公報)。
この方法は細胞破壊の前処理後、CTABを加え有機溶剤
中で核酸とCTABの複合体を形成させた後、高塩濃度の水
溶液に溶解してDNAとCTABを解離し、エタノールまたは
イソプロパノールでDNAを回収する方法である。この方
法は危険性の高いフェノールは使わないものの実際には
遠心、洗浄も多く操作も面倒である。
上記の問題点を解決し、核酸を簡便、迅速かつ高純度
に抽出・精製する傾斜(デカンテーション)又は転倒分
取可能な方法として、生物材料から核酸を溶出するため
の前処理を行ったのち、この前処理した生物材料にチキ
ソトロピック増粘剤を含む非親水性の高比重有機液体と
水性液体を加えて混合し、遠心分離後、上層と下層の境
界面に非流動性の凝集層を形成し、上層の核酸を分離抽
出するようにした核酸の抽出方法、いわゆる凝集分配法
は既に提案されている(特開平4−220738号公報)。
一方、近年、ポリメラーゼチェインリアクション(Po
lymerase chain reaction以下、PCRと略称する)とリバ
ーストランスクリプションポリメラーゼチェインリアク
ション(Revers transcription Polymerase chain reac
tion以下、RT−PCRと略称する)の開発により極めて微
量の核酸を短時間に増幅し検出することが可能となっ
た。このPCRやRT−PCRによる核酸の検出では、まず目的
の遺伝子を増幅し、その増幅DNAをアガロースゲル電気
泳動法やハイブリダイゼーション法などを用いて検出す
るが、確実に検出できるか否かは被験試料からの核酸の
抽出とそれに続くcDNA合成とPCRに用いられるプライマ
ーに大きく依存している。
ことに微量な核酸の抽出においては、保存状況による
被験試料成分の質的変化や病気の進展にともなう核酸の
量的変化に影響されることなく、高純度でしかも高回収
率に抽出できる方法でなければならない。
現在、核酸の抽出にはグアニジンチオシアネートとフ
ェノール及びクロロホルムを組み合わせた方法(AGPC法
と呼ばれる)が広く用いられているが、微量な核酸の抽
出において特に留意すべき点は、タンパク質を除いた後
のイソプロピルアルコールやエタノール等によるアルコ
ール沈殿操作における確実な核酸の回収である。
一般的に被験試料中の核酸が微量な時は、アルコール
による沈殿操作時に各種生物由来のリボソームRNAやト
ランスファーRNAを共沈剤として添加するが、目的の核
酸がRNAの場合は、抽出したRNAを逆転写反応によりDNA
に変換してからPCRによる増幅反応を行うために、共沈
剤が逆転写反応を阻害してしまう問題点がある。また、
グリコーゲン等を共沈剤として添加した場合、抽出した
核酸との親和性が低くまた沈殿物は目視不能又は確認が
困難なために微量な核酸の抽出には問題がある。
本発明は、上記の従来技術の問題点に鏡みて発明され
たもので、イソプロピルアルコールやエタノール等のア
ルコール沈殿による核酸を含む水性液体からの核酸の分
離濃縮操作の過程において、核酸と親和性を有し、逆転
写反応と競合せず、PCR反応を阻害しないで、テクニカ
ルエラーを最小限に抑えるべく、白い沈殿物または青い
沈殿物として目視を可能にすると同時に核酸の回収率を
確実にする共沈剤及びその共沈剤を用いた核酸の抽出方
法を提供するものである。
発明の開示 上記課題を解決するために、本発明の共沈剤は、生物
材料及び/又は被験試料から遠心分離操作によって核酸
を抽出する過程において、核酸と同じ挙動を示し、各種
アルコールによる分離濃縮処理時に白色又は青色の目視
可能な沈殿物として沈殿する性質を有する。上記アルコ
ールとしてはイソプロピルアルコール又はエタノールな
どが用いられる。マイクロチューブ等の遠心分離管を用
いる遠心分離操作においては、上記沈殿物は遠心分離管
の底に付着する。
本発明の共沈剤として使用する物質は、デンプンやデ
ンプンの構成成分であるアミロース、アミロペクチン、
またはこれらの誘導体を使用し、アルコール沈殿におけ
る微量な核酸を白い沈殿物または青い沈殿物として目視
を可能にするようにしたものである。即ち、本発明の共
沈剤として用いられる物質は、長鎖グルコース結合多糖
類、色素修飾長鎖グルコース結合多糖類又はこれらの誘
導体が好適である。
本発明で用いられる共沈剤の長鎖グルコース結合多糖
類の具体例としては、デンプンやデンプンの誘導体であ
る、ソリュブルスターチ(Soluble Starch),コーンス
ターチ(Corn Starch),ポテトスターチ(Potato Star
ch),ポテトソリュブルスターチ(Potato soluble Sta
rch),ホイールスターチ(Wheat Starch),スターチ
アズール(Starch Azure)等を挙げることができる。
または、デンプンの構成成分やその誘導体である、コ
ーンアミロペクチン(Corn Amylopectin),ポテトアミ
ロペクチン(Potato Amylopectin),アミロペクチンア
ンスラニレート(Amylopectin Anthranilate),アミロ
ペクチンアズール(Amylopectin Azure),インソリュ
ブルコーンアミロペクチン(Insoluble Cone Amylopect
in),ソリュブルポテトアミロペクチン(Soluble Pota
to Amylopectin),コーンアミロース(Cone Amylos
e),ポテトアミロース(Potato Amylose),アミロー
スアズール(Amylose Azure)などを用いることが好ま
しい。
色素修飾長鎖グルコース結合多糖類の修飾される色素
として好適な色素にアズールがあげられる。アズール
(Azure)としては、レマゾールブリリアントブルーア
ール(Remazol Brilliant Blue R),レマゾールブリリ
アントブルーアール−ディ−キシラン(Remazol Brilli
ant Blue R-D- Xylan),レマゾールブリリアントバイ
オレット5アール(Remazol Brilliant Violet 5R)な
どを用いることができる。
共沈剤を溶解する適当な水溶液には、蒸留水、また
は、T.E緩衝液(一般的には50mMのトリスヒドロキシメ
チルアミノエタン−塩酸緩衝液pH8.0・20mMのEDTA)等
の緩衝液や塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシ
ウム,塩化マグネシウム,酢酸ナトリウム,塩化アンモ
ニウム,酢酸アンモニウム,硫酸アンモニウム等の無機
塩およびその混合物があり、通常、約0.1M〜10.0Mの範
囲の濃度で使用する。本発明で用いられる共沈剤の濃度
は0.5〜100μg/ml、好ましくは5〜50μg/mlである。
本発明の核酸の抽出方法の第1の態様は、生物材料及
び/又は被験試料から核酸を溶出するための前処理を行
ったのち、この前処理した生物材料及び/又は被験試料
の蛋白質の除去処理を行い、核酸を含む水性液体を分離
し、分離した当該核酸を含む水性液体にイソプロピルア
ルコール又はエタノール等のアルコールを加えて混和し
遠心分離して核酸を分離濃縮せしめるにあたり、核酸と
ともに沈殿する共沈剤として上記共沈剤を用いるもので
ある。
上記方法における除蛋白処理としては、フェノールに
よる相分離抽出、カオトロピック剤による蛋白質の可溶
化、陽イオン界面活性剤による核酸複合体の形成、ガラ
スフィルターによる核酸の捕捉又は磁気ビーズによる核
酸の捕捉を用いることができる。
また、本発明の核酸の抽出方法の第2の態様は、生物
材料及び/又は被験試料から核酸を溶出するための前処
理を行ったのち、この前処理した生物材料及び/又は被
験試料にチキソトロピック増粘剤を含む非親水性の高比
重有機液体と水性液体を加えて混合し、遠心分離後、上
層と下層の境界面に非流動性凝集層を形成させることに
より核酸を含有する上層を容易に分離し、分離した当該
核酸を含む水性液体にイソプロピルアルコール又はエタ
ノール等のアルコールを加え、混和し遠心分離して核酸
を分離濃縮せしめるにあたり、核酸とともに沈殿する共
沈剤として上記共沈剤を用いるものである。この核酸の
抽出方法は、一般に凝集分配法と呼ばれる。
本発明でいう生物材料及び/又は被験試料とは、血
液、尿、髄液、痰、精液、細胞、組織、生検標本、酵
母、真菌、細胞、ウイルス、培養細胞等を指称するもの
である。
本発明方法において上層と下層の境界面で凝集層を形
成させるキチソトロピック増粘剤としては、蛋白質等の
汚染物質と結合性がありかつ高比重有機液体に分散性の
ある増粘剤が用いられる。
本発明で用いられるチキソトロピック増粘剤として
は、ベントナイト有機誘導体を用いるのが好ましい。
ベントナイト有機誘導体には、スメクタイト粘土の有
機誘導体、ヘクトライト粘土の有機誘導体、モンモリイ
ナイト粘土の有機変性体、精製したスメクタイト粘土、
特殊処理スメクタイト粘土、精製有機鉱物粘土等を用い
ることができる。
本発明のチキソトロピック増粘剤として用いられるス
メクタイト粘土の有機誘導体としては、BENTONE 27(エ
ヌ・エル・インダストリィズ・インコーポレーテッド
製、チクソトロープ及びゲル化剤の商品名)、BENTONE
34(エヌ・エル・インダストリィズ・インコーポレーテ
ッド製、チクソトロープ及びゲル化剤の商品名)、BENT
ONE 38(エヌ・エル・インダストリィズ・インコーポレ
ーテッド製、チクソトロープ及びゲル化剤の商品名)、
BENTONE SD−1(エヌ・エル・インダストリィズ・イン
コーポレーテッド製、チクソトロープ及びゲル化剤の商
品名)、BENTONE SD−2(エヌ・エル・インダストリィ
ズ・インコーポレーテッド製、チクソトロープ及びゲル
化剤の商品名)、BENTONE SD−3(エヌ・エル・インダ
ストリィズ・インコーポレーテッド製、チクソトロープ
及びゲル化剤の商品名)、等を好適に挙げることができ
る。
また、本発明のチキソトロピック増粘剤として用いら
れるモンモリナイト粘土の有機変性体としてはBENTONE
128(エヌ・エル・インダストリィズ・インコーポレー
テッド製、チクソトロープ及びゲル化剤の商品名)、BE
NTONE 500(エヌ・エル・インダストリィズ・インコー
ポレーテッド製、チクソトロープ及びゲル化剤の商品
名)、精製したスメクタイト粘土としてはMACALOID、特
殊処理スメクタイト粘土としては、BENTONE EW(エヌ・
エル・インダストリィズ・インコーポレーテッド製、チ
クソトロープ及びゲル化剤の商品名)、精製有機鉱物粘
土としてはBENTONE LT(エヌ・エル・インダストリィズ
・インコーポレーテッド製、チクソトロープ及びル化剤
の商品名)等を好適に挙げることができる。
また、本発明のチキオトロピック増粘剤として用いら
れるスメクタイトの有機誘導体としては、BENTONE 34
(エヌ・エル・インダストリィズ・インコーポレーテッ
ド製、チクソトロープ及びゲル化剤の商品名)、BENTON
E SD−3(エヌ・エル・インダストリィズ・インコーポ
レーテッド製、チクソトロープ及びゲル化剤の商品
名)、BENTONE LT(エヌ・エル・インダストリィズ・イ
ンコーポレーテッド製、チクソトロープ及びゲル化剤の
商品名)、BENTONE EW(エヌ・エル・インダストリィズ
・インコーポレーテッド製、チクソトロープ及びゲル化
剤の商品名)、MACALOID等を好適に挙げることができ
る。
しかし、本発明で用いられるチキソトロピック増粘剤
は、本発明における非流動性の凝集層を形成するもので
あれば使用可能であり、上記した増粘剤に限定されるも
のではない。
本発明でいう高比重有機液体とは、水に難溶性又は不
溶性の密度(gcm-3)として1.05以上の有機液体が適当
である。
高比重有機液体として好適に用いられるものには、四
塩化炭素、二硫化炭素等の無機化合物、クロロホルム、
1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、トリクロ
ロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、
ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化
合物、2,2,2−トリフルオロエタノール、フェノール等
のアルコール、フルフラール等のアルデヒド、炭酸プロ
ピレン、リン酸トリエチル等の酸誘導体、ニトロメタ
ン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、スルホラン等の
硫黄化合物がある。
また、上記の高比重有機液体の安定剤として添加する
適当なアルコールとしては、メタノール、エタノール、
1−プロパノール、2−プロパノール、イソアミルアル
コール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチル
アルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコー
ル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール
等を使用する。
核酸を上層に溶出するための水性液体としては、水ま
たは塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,
塩化マグネシウム,酢酸ナトリウム,塩化アンモニウ
ム,酢酸アンモニウム,硫酸アンモニウム等の無機塩お
よび塩酸ジメチルアミン,塩酸トリメチルアミン等の有
機塩を水溶液として用い、通常、約0.1M〜10.0Mの範囲
の濃度で使用するのが好ましい。この時核酸の回収率を
高くするために、この水溶液に0.01〜10%の適当な陰イ
オン界面活性剤または非イオン性界面活性剤を加えても
よい。高比重有機液体層と水性液体層との比は約1:5か
ら5:1であり、これらの層は混和されたのち遠心分離に
よって形成された境界面の凝集層によって、下層の高比
重有機液体層と上層の水性液体層とに分配させられ、傾
斜(デカンテーション)で水性溶媒層(上層)が取り出
される。
本発明の共沈剤は、核酸の抽出操作におけるどの段階
でも単独あるいは他の共沈剤といっしょに添加すること
ができる。例えば、核酸抽出前の生物材料中に直接添
加するか、又は、生物材料を破壊(細胞の溶解)して核
酸を溶出するときに添加する、タンパク質の除去操作
のときに添加する、核酸の分離濃縮操作のときに添加
する、核酸の洗浄精製操作のときに添加するのいずれ
の段階においても添加可能である。
上記した生物材料の破壊は、生物材料をキレート剤を
含め緩衝液(pH5〜9)中で前処理したのち、細胞膜ま
たは細胞壁等を破壊するために通常は約0.1%〜10.0%
(W/V)の範囲の濃度の陰イオン界面活性剤や非イオン
性界面活性剤等の膜溶解剤と約1M〜5Mのグアニジンチオ
シネートまたは約1M〜5Mの塩酸グアニジン等のタンパク
変性剤で処理することをいう。場合によっては細胞膜や
細胞壁等を破壊するための酵素によって処理してもよ
い。
上記した細胞膜や細胞壁等を破壊するための酵素とし
て好適に用いられるものは、約1mg/mlから50mg/mlの濃
度のリゾチーム、アクロモペプチダーゼ、リゾスタフィ
ン、リチカーセ、ムタノリシン等の膜溶解剤によって、
もしくは約10μg/mlから20mg/mlの濃度のタンパク変性
剤、たとえばプロテアーゼK、プロナーゼ、ペプシン、
パパイン等がある。
上記したような前処理を行うと、生物材料は上記した
キレート剤、膜溶解剤、タンパク変性剤等を含む水溶液
に溶解し、この水溶液中には核酸と各種の生物物質が可
溶化する。
次に、蛋白質の除去操作は、大きく分けてフェノール
やチキソトロピック増粘剤を用いる相分配法と蛋白質を
可溶化する方法の2つがある。
前者のフェノールでは、水飽和フェノールまたは緩衝
液飽和フェノールを用いて、フェノールの蛋白質変性作
用と水溶液と2層に分離する性質を利用して蛋白質を除
去する。
一方、チキソトロピック増粘剤によるタンパク質の除
去操作は、チキソトロピック増粘剤を含む高比重有機液
体、または高比重有機液体の混合物、もしくはこれらの
高比重有機液体とアルコールの混合物と核酸を上層に抽
出するための水性液体を可溶化した生物材料中に加えて
混合したのち遠心分離する。この時、蛋白質等の汚染物
質と結合したチキソトロピック増粘剤は、遠心分離によ
る遠心力と高比重有機液体の浮力により中間層(境界
面)に集められる。
その結果、チキソトロピック増粘剤の濃度が高くなり
増粘効果に伴った粘性の変化によって非流動凝集層が形
成され、傾斜(デカンテーション)により蛋白質を除去
する。後者では、1価の陰イオンでイオン半径の大きな
ヨウ素イオン(I-)やトリフルオロ酢酸イオン(CF3COO
-)等のカオトロピックイオンを用いて、蛋白質などの
疎水性分子の水溶性を増加させてその疎水結合を弱める
ことにより蛋白質を除去する。
上記したのアルコールによる核酸の分離濃縮操作
は、例えば、核酸を含む水溶液に等量の100%イソプロ
パノール(終濃度が50%)、又は2倍量の100%エタノ
ール(終濃度が70%)を加えて核酸を分離濃縮させれば
よい。
上記したのアルコールによる核酸の洗浄精製操作
は、70%エタノールを加えて核酸を洗浄精製させればよ
い。
本発明は、C型肝炎、肝臓ガン等の発症原因とされる
ウイルスの核酸であるHCV−RNAの抽出において、特に有
用である。
図面の簡単な説明 図1は、本発明方法による転倒分取においての核酸を
含む水性液体層の分離の手順を示すもので、マイクロチ
ューブにおける上層と下層の分離状態を示す図面であ
る。
図2は、本発明方法による転倒分取によっての核酸を
含む水性液体層の分離の手順を示すもので、マイクロチ
ューブにおける上層と下層の界面に非流動性の凝集層が
形成された状態を示す図面である。
図3は、本発明方法による転倒分取によっての核酸を
含む水性液体層の分離の手順を示すもので、転倒分取操
作によって上層を新しいマイクロチューブに移す状態を
示す図面である。
図4は、本発明方法による核酸を含む水性液体の分離
濃縮の手順を示すもので、核酸を含む水性液体にアルコ
ールを添加した状態を示す図面である。
図5は、本発明方法による核酸を含む水性液体の分離
濃縮の手順を示すもので、共沈剤と核酸との沈殿物の生
成状態を示す図面である。
図6は、本発明方法による核酸を含む水性液体の分離
濃縮の手順を示すもので、図5の状態から混和液体を廃
棄した状態を示す図面である。
発明を実施するための最良の形態 以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明
がこれらの実施例に限定されるものでないことは勿論で
ある。
〔実施例1〕 C型肝炎ウイルスの5′−非翻訳(noncoding)領域
をクローニングして合成したHCV−RNAを101コピー〜104
コピー/100μlとなるように調製したものを100μlと
共沈剤として10μgのアミロペクチンアズール(Amylop
ectin Azure)〔シグマ社製品番号A4640(SIGMA Produc
t Number A4640)〕を1.5mlの滅菌済マイクロチューブ
に加え、セパジーン−RV〔三光純薬(株)製核酸抽出試
薬〕の試薬I(共沈剤としてグリコーゲンを含む)を30
0μl加えて均一に混合した後、300μlのセパジーン−
RV〔三光純薬(株)製核酸抽出試薬〕の試薬IIと600μ
lのセパジーン−RV〔三光純薬(株)製核酸抽出試薬〕
の試薬IIIを添加して上下に10分間激しく振盪混和す
る。0℃(氷水中)で15分間放置した後、12,000rpmで1
5間(4℃)遠心分離を行ない、HCV−RNAを含む上層
(水層)をデカンテーションにより別のマイクロチュー
ブに移す。上層(水層)と等量の100%インプロピルア
ルコールを加え転倒混和後、−20℃で45分間放置したHC
V−RNAを析出させ、12,000rpmで15分間(4℃)の遠心
分離を行い、上清を除去し、マイクロチューブの底に付
着しているペレット(HCV−RNAは青い共沈物として目視
で確認できる)に70%エタノールを加え混和する。さら
に12,000rpmで10分間(4℃)遠心分離した後、上清を
除去する(HCV−RNAは青い共沈物として目視で確認でき
る)。次に約5分間減圧乾燥して滅菌再蒸留水に溶解
し、この溶解液についてcDNA合成反応を行った後、2段
階(Two step)PCR法を行った。増幅されたPCR産物は2
%アガロースゲル電気泳動後、エチジウムブロマイドに
て染色し、バンドの有無により抽出効率を確認し、その
結果を表2に示した。
上記のcDNA合成反応は、HCR−RNA抽出画分に予め調整
したマスターミックス(Master Mix.)〔滅菌蒸留水3.7
5μl,5×ファーストストランドバッファー(first stra
nd buffer)2μl,2.5mMディエヌティピーミックスチャ
ー(dNTPmixture)2μl,0.1エムディティティ(MDTT)
1μl,10pmolアンチセンスプライマー(Antisens prime
r)0.5μl〕を加え、70℃で1分間,55℃で1分間反応
させた後、急冷し、アールエヌエーエスイン(RNasin)
〔プロメガ(Promega)社製〕0.5μl,エムエムエルヴィ
リバーストランスクリプターゼ(MMLVreverse transcri
ptase)〔ビーアールエル(BRL)社製〕0.25μlを加
え、37℃で30分間および95℃で5分間の逆転写反応を行
った。
上記の2段階(Two step)PCR法は、合成したcDNA全
量(10μl)に、10×反応緩衝液(reaction buffer)
2.5μl,2.5mMディエヌティピーミックスチャー(dNTPmi
xture)2μl,滅菌蒸留水10.2μl,10pmolセンスプライ
マー(sensprimer)0.25μl,5U/μlタクDNAポリメラー
ゼ(Taq DNA polymerase)〔宝酒造(株)製〕0.05μl
を加え、94℃で1分間,55℃で1分間,72℃で1分間,30
サイクルでファースト(1st)PCRを行った。次に、10×
反応緩衝液(reaction buffer)5μl,2.5mMディエヌテ
ィピーミックスチャー(dNTPmixture)1μl,滅菌蒸留
水41.9μl,内側の10pmolプライマー(Primer)〔センス
プライマー(sensprimer),アンチセンスプライマー
(antisensprimer)〕各0.5μl,5U/μlタクDNAポリメ
ラーゼ(Taq DNA Polymerase)0.1μlにファースト(1
st)PCR産物1μlを加えて、94℃で1分間,55℃で1分
間,72℃で1分間,30サイクルでセカンド(2nd)PCRを行
った。PCRに使用したプライマーは、HCV−RNAの5′−
非翻訳領域に設定したプライマーを使用した。
この時の実施例におけるHCV−RNAの抽出の操作性にお
いては、イソプロピルアルコールによる沈殿操作からHC
V−RNAを青い共沈物として目視で確認できた。また、表
1に示すごとく、回収率においても、確実に101コピー
の合成HCV−RNAを抽出することができた。
〔比較例1〕 本発明の共沈剤(アミロペクチンアズール)を添加し
ないこと以外は、実施例1と同様の実験を行い、その結
果を表1に示した。本比較例では、イソプロピルアルコ
ールによる核酸の分離濃縮操作において、核酸の目視は
できなかった。
〔実施例2〕 上記した実施例1で使用した1.5mlのマイクロチュー
ブを2.2mlのマイクロチューブに変えて、600μlの100
%イソプロピルアルコールの代わりに、1200μlの100
%のエタノールを加えて、実施例1と同様に同じ合成HC
V−RNAを用いてHCV−RNAの抽出を行った。
この時の実施例におけるHCV−RNAの抽出の操作性にお
いては、100%のエタノールによる沈殿操作からHCV−RN
Aを青い共沈物として目視で確認できた。また、回収率
においても、確実に101コピーの合成HCV−RNAを抽出す
ることができた(表2)。
〔実施例3〕 HCV陰性の新鮮なヒト正常血清を用いて、C型肝炎患
者血清を101倍〜107倍まで希釈して調製した100μlの
被験試料を1.5mlの滅菌剤マイクロチューブに加え、セ
パジーン−RV〔三光純薬(株)性核酸抽出試薬〕の試薬
I(共沈剤としてグリコーゲンを含む)を300μl加え
て均一に混和した後、300μlのセパジーン−RV〔三光
純薬(株)製核酸抽出試薬〕の試薬IIと600μlのセパ
ジーン−RV〔三光純薬(株)製核酸抽出試薬〕の試薬II
Iを添加して上下に10分間激しく振盪混和する。0℃
(氷水中)で15分間放置した後、12,000rpmで15分間
(4℃)遠心分離を行ない、HCV−RNAを含む上層(水
層)をデカンテーションにより別のマイクロチューブに
移す。上層(水層)に共沈剤として30μgのアミロペク
チンアズール(Amylopectin Azure)〔イグマ社製品番
号A4640(SIGMA Product Number A4640)〕と600μlの
イソプロピルアルコールを加え転倒混和後、−20℃で45
分間放置してHCV−RNAを析出させ、12,000rpmで15分間
(4℃)の遠心分離を行い、上清を除去し、マイクロチ
ューブの底に付着しているペレット(HCV−RNAは青い共
沈物として目視で確認できる)に70%エタノールを加え
混和する。さらに12,000rpmで10分間(4℃)遠心分離
した後、上清を除去する(HCV−RNAは青い共沈物として
目視で確認できる)。次に約5分間減圧乾燥して滅菌再
蒸留水に溶解し、この溶解液について実施例1と同様に
cDNA合成反応を行った後、2段階(Two step)PCR法を
行った。増幅されたPCR産物は2%アガロースゲル電気
泳動後、エチジウムブロマイドにて染色し、バンドの有
無により抽出効率を確認した。
この時の実施例におけるHCV−RNAの抽出の操作性にお
いては、イソプピルアルコールによる沈殿操作からHCV
−RNAを青い共沈物として目視で確認できた。また、回
収率においても、確実に105倍希釈の患者血清からHCV−
RNAを抽出することができた(表3)。
〔実施例4〕 上記した実施例1で使用した1.5mlのマイクロチュー
ブを2.2mlのマイクロチューブに変えて、600μlの100
%イソプロピルアルコールの代わりに、1200μlの100
%エタノールを加えて、実施例1と同様に同じHCV患者
血清を用いてHCV−RNAの抽出を行った。
この時の実施例におけるHCV−RNAの抽出の操作性にお
いては、100%のエタノールによる沈殿操作からHCV−RN
Aを青い共沈物として目視で確認できた。また、回収率
においても、確実に105倍希釈の患者血清からHCV−RNA
を抽出することができた(表4)。
〔実施例5〕 従来公知のAGPC法に本発明の共沈剤を加えて実験を行
った。HCV陰性の新鮮なヒト正常血清を用いて、C型肝
炎患者血清を101倍〜107倍まで希釈して調製した100μ
lの被験試料を1.5mlの滅菌済マイクロチューブに加え
た後、200μlの溶解液(4Mグアニジンチオシアネート,
2−メルカプトエタノール)と共沈剤として5μlの酵
母由来tRNA(4mg/ml)を加えて溶解する。次いで、200
μlの水飽和フェノール,17μlの2M酢酸ナトリウム,40
μlのクロロホルム・イソアミルアルコール(49:1)を
加えよく混和し、4℃,15分間放置した。放置後、12,00
0rpmで15分間(4℃)遠心分離を行ない、HCV−RNAを含
む上層(水層)を別のマイクロチューブに移す。上層
(水層)に等量の100%イソプロピルアルコールを加え
転倒混和後、−20℃で一晩放置してHCV−RNAを析出さ
せ、12,000rpmで15分間(4℃)の遠心分離を行い、上
清を除去し、マイクロチューブの底に付着しているペレ
ットに共沈剤として30μgのアミロペクチンアズール
(Amylopectin Azure)〔シグマ社製品番号A4640(SIGM
A Product Number A4640)〕と70%エタノールを加え混
和する。さらに12,000rpmで10分間(4℃)遠心分離し
た後、上清を除去する(HCV−RNAは青い共沈物として目
視で確認できる)。次に約5分間減圧乾燥(室温)して
滅菌再蒸留水に溶解し、この溶解液について実施例1と
同様にcDNA合成反応と2段階(Two step)PCR法を行
い、増幅されたPCR産物を2%アガロースゲル電気泳動
で確認した。
この時の実施例におけるHCV−RNAの抽出の操作性にお
いては、イソプピルアルコールによる沈殿操作からHCV
−RNAを青い共沈物として目視で確認できた。また、回
収率においても、比較例2のAGPC法と比較して同等もし
くは同等以上の成績であった(表5)。
〔比較例2〕 本発明の共沈剤(アミロペクチンアズール)を添加し
ないこと以外は、実施例5と同様の条件で実験を行い、
その結果を表5に示した。本比較例における沈殿物は目
視不能であった。
〔実施例6〕 アミロペクチンアズールの代わりにアミロペクチンを
用いた以外は実施例5と同様の実験を行った。100%イ
ソプロピルアルコールによる分離濃縮においてHCV−RNA
を白い共沈物として確認できた。また、回収率において
も実施例5と同様であった。
続いて、添付図面に基づいて本発明方法の操作を説明
する。
図1は、生物材料の破壊と同時に蛋白質の汚染物質が
変性して、核酸および核酸以外の不純物が分散している
水溶液体11と、生物材料中の汚染物質等と結合性があり
かつ相分配抽出において上層と下層の境界面で非流動性
凝集層を形成して傾斜(デカンテーション)又は転倒に
よる核酸の分離を可能ならしめるためのチキソトロピッ
ク増粘剤を含む高比重有機液体、または高比重有機液体
の混合物、もしくはこれらの高比重有機液体とアルコー
ルの混合物12とをマイクロチューブT1に分離した状態を
示した図面である。
図2は、DNAを含む水性液体の上層13と、遠心分離に
よる遠心力と高比重有機液体の浮力により、蛋白質等と
結合したチキソトロピック増粘剤が中間層(境界面)に
集められ、チキソトロピック増粘剤の濃度が高くなり、
その増粘効果に伴う粘性の変化により形成された非流動
性凝集層14と、蛋白質等の汚染物質を含む高比重有機液
体、または高比重有機液体の混合物、もしくはこれらの
高比重有機液体液体とアルコールの混合物の下層15とに
分離した状態を示す図面である。
図3はデカンテーションで新しいマイクロチューブT2
にDNAを含む水性液体の上層13を移した状態を示す図面
である。
図4はマイクロチューブT2に移した核酸(DNA)を含
む水性液体13にアルコール16を加えた状態を示す図面で
ある。図4において両者を混和して混和液体18とし、さ
らに遠心分離すると、図5に示すごとく、有色の沈殿物
(共沈剤+核酸)17がマイクロチューブT2の底に付着す
る。図6は混和液体18を廃棄し、有色沈殿物17のみをマ
イクロチューブT2内に残した状態を示す図面である。本
発明の共沈剤は図1〜図5のどの段階で添加してもよ
い。
産業上の利用可能性 被検試料中に微量にしか存在しないHCV−RNAを確実に
回収するために、本発明においては、各抽出操作のどの
段階でも共沈剤を添加することにより、イソプロピルア
ルコール沈殿時やエタノール沈殿時に、HCV−RNAの存在
を青い沈殿物として確実に目視確認できるため、抽出操
作時に発生するテクニカルエラーを最小限に抑える効果
がある。
本発明はセパジーン−RV〔三光純薬(株)製核酸抽出
試薬〕での使用に限定したものでないことは勿論である
が、対照に用いたAGPC法や他の抽出法においてもイソプ
ロピルアルコール沈殿時やエタノール沈殿時に、HCV−R
NAの存在を青い沈殿物として確実に目視確認使用するこ
とが可能である。
本発明による共沈剤は、各抽出段階のHCV−RNAの回収
操作において、HCV−RNAと同じ挙動を示すために、HCV
−RNAの回収率が向上する。
本発明による共沈剤は、逆転写反応やPCR反応と競合
しなく、及び/又はそれらの反応を阻害しないために、
これらの反応による検出感度に影響を与えない。
本発明方法によれば、上層と下層の境界面に非流動凝
集層が形成されるため境界面が明瞭になり、なお、かつ
傾斜(デカンテーション)によって上層の核酸を含む水
性液体層を容易に分離できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−238101(JP,A) 特開 平6−1799(JP,A) 特開 平6−46856(JP,A) 特開 平7−236499(JP,A) 日本生化学会編「新生化学実験講座2 核酸▲I▼−分離精製−」(1991−7 −10)株式会社東京化学同人p.15 今堀和友ら監修「生化学事典(第1 版)」(1984−4−10)株式会社東京化 学同人p.20 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) BIOSIS(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生物材料及び/又は被験試料から遠心分離
    操作によって核酸を抽出する過程において、核酸と同じ
    挙動を示し、アルコールによる分離濃縮処理時に有色の
    目視可能な沈殿物として沈殿する性質を有し、アミロペ
    クチンアズールであることを特徴とする共沈剤。
  2. 【請求項2】上記アルコールがイソプロピルアルコール
    又はエタノールであることを特徴とする請求項1記載の
    共沈剤。
  3. 【請求項3】生物材料及び/又は被験試料から核酸を溶
    出するための前処理を行ったのち、この前処理した生物
    材料及び/又は被験試料の蛋白質の除去処理を行い、核
    酸を含む水性液体を分離し、分離した当該核酸を含む水
    性液体にアルコールを加えて混和し遠心分離して核酸を
    分離濃縮せしめるにあたり、核酸と共に沈殿する共沈剤
    として請求項1又は2記載の共沈剤を用いることを特徴
    とする核酸の抽出方法。
  4. 【請求項4】上記蛋白処理が、フェノールによる相分離
    抽出、カオトロピック剤による蛋白質の可溶化、陽イオ
    ン界面活性剤による核酸複合体の形成、ガラスフィルタ
    ーによる核酸の捕捉又は磁気ビーズによる核酸の捕捉で
    あることを特徴とする請求項3記載の核酸の抽出方法。
  5. 【請求項5】生物材料及び/又は被験試料から核酸を溶
    出するための前処理を行ったのち、この前処理した生物
    材料及び/又は被験試料にチキソトロピック増粘剤を含
    む非親水性の高比重有機液体と水性液体を加えて混合
    し、遠心分離後、上層と下層の境界面に非流動性凝集層
    を形成させることにより核酸を含有する上層を容易に分
    離し、分離した当該核酸を含む水性液体にアルコールを
    加えて混和し遠心分離して核酸を分離濃縮せしめるにあ
    たり、核酸と共に沈殿する共沈剤として請求項1又は2
    記載の共沈剤を用いることを特徴とする核酸の抽出方
    法。
  6. 【請求項6】上記アルコールがイソプロピルアルコール
    又はエタノールであることを特徴とする請求項3〜5の
    いずれか1項記載の核酸の抽出方法。
  7. 【請求項7】前記核酸がHCV−RNAであることを特徴とす
    る請求項3〜6のいずれか1項記載の核酸の抽出方法。
  8. 【請求項8】前記共沈剤の濃度が0.5〜100μg/mlである
    ことを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項記載の核
    酸の抽出方法。
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