JP3106689U - 刃物研磨装置 - Google Patents

Abstract

【課題】刃先の研磨面を砥石と水平になるように簡単に設定でき、刃物を前後に移動させるだけで所定の刃先角度で均一に研磨することができる刃物研磨装置を提供するものである。
【解決手段】 キャスタ４を取付けた架台５と、基端側が前記架台５に上下動自在に固定された刃物支持プレート７と、この先端側に形成された傾斜板１３と、この傾斜板１３の裏面に、上下動自在に取付けられた刃物締付けプレート１５とから構成された刃物取付け台３と、ブロック状の砥石１とからなり、前記刃物支持プレート７の傾斜板１３と、刃物締付けプレート１５との間に研磨用のカンナの刃１９を挟んで固定し、刃先研磨面２１を水平にして砥石１の表面に接触させた状態で、刃物取付け台３を前後に移動させて研磨するようにしたものである。
【選択図】 図１

Description

本考案は、刃物研磨装置に関するものである。

一般にカンナやノミなどの大工道具の刃や、包丁などの刃を研ぐ場合、ブロック状の砥石に刃先の研磨面が水平になるように所定の角度に傾けた状態で前後に移動させて研磨している。従来、この刃を手に持って前後に移動させる代わりに、モーターにより砥石が前後に移動する刃物研磨装置も提案されている（例えば特許文献１）。

しかしながら何れの場合も、刃先の研磨面が砥石と水平になるように手で保持しないと、刃先の角度が変わったり、均一に研磨できない問題があった。また刃先の研磨面は、砥石の上面を均等に移動させないと砥石が片減りしたり、曲面状に摩耗してきて、精度良く研磨できなくなる問題もあった。
特開平１１ー２８５９５４号公報

本考案は上記問題を改善し、刃先の研磨面を砥石と水平になるように簡単に設定でき、刃物を前後に移動させるだけで所定の刃先角度で均一に研磨することができる刃物研磨装置を提供するものである。

本考案の請求項１記載の刃物研磨装置は、キャスタを取付けた架台と、基端側が前記架台に上下動自在に固定された刃物支持プレートと、この先端側に形成された傾斜板と、この傾斜板の裏面に、上下動自在に取付けられた刃物締付けプレートとから構成された刃物取付け台と、ブロック状の砥石とからなり、前記刃物支持プレートの傾斜板と刃物締付けプレートとの間に研磨用刃物を挟んで固定し、研磨用刃物の刃先研磨面を水平にして砥石の表面に接触させた状態で、刃物取付け台を前後に移動させて研磨するようにしたことを特徴とするものである。

本考案の請求項２記載の刃物研磨装置は、刃物支持プレートの傾斜板より後方の部分に貫通口を開口して、傾斜板と刃物締付けプレートとの間に研磨用刃物を挟んだ状態で、研磨用刃物の基端側が貫通口から突出するようにしたことを特徴とするものである。

本考案の請求項３記載の刃物研磨装置は、傾斜板の基端側に、隙間調整ねじを下方に向かって貫通して取付け、傾斜板と刃物締付けプレートとの間に研磨用刃物を挟んだ状態で、隙間調整ねじの先端を刃物締付けプレートの上面に当接させるようにしたことを特徴とするものである。

本考案の請求項４記載の刃物研磨装置は、刃物取付け台がキャスタを取付けた架台と、この上部に突設した支持ブラケットと、これを水平方向に回動自在に支持する角度調整ねじとからなり、支持ブラケットを水平方向に任意の角度に回動させ、角度調整ねじを締付けて架台に固定するようにしたことを特徴とするものである。

本考案に係る請求項１記載の刃物研磨装置によれば、刃物取付け台により刃先の研磨面がブロック状の砥石の上面に水平に接触し、キャスタにより前後に水平に移動しながら研磨されるので、刃先を設定した角度で均一に研磨することができる。

また請求項２記載の刃物研磨装置によれば、傾斜板と刃物締付けプレートとの間に研磨用刃物を挟んだ状態で、研磨用刃物の基端側が貫通口から突出するようにしたので、刃が大きかったり、刃を取外せない柄の付いたノミなどは、貫通口から上方に突出させて取付ることができる。

また請求項３記載の刃物研磨装置によれば、傾斜板と刃物締付けプレートとの間に研磨用刃物を挟んだ状態で、隙間調整ねじの先端を刃物締付けプレートの上面に当接させるようにしたので、刃物締付けプレートが傾かずに刃を強固に挟持することができる。

また請求項４記載の刃物研磨装置によれば、刃物支持プレートを取付けた支持ブラケットを水平方向に任意の角度に回動させて架台に固定することにより、研磨面を砥石の長手方向に対して傾斜して移動させて、砥石の上面全体で均一に且つ水平に研磨することができ、片減りを防止することができる。

カンナの刃や包丁の刃を簡単に所定の刃先角度で研磨することができる刃物研磨装置を実現した。

以下本考案の実施例を図１ないし図３を参照して詳細に説明する。図において１はブロック状の砥石で、砥石支持台２の上部に嵌め込んで固定されている。また３は刃物取付け台で、これは２個のキャスタ４、４を取付けた架台５の上部中央にＬ形の支持ブラケット６が接合されて、ここに刃物支持プレート７が取付けられている。

架台５に取付けた２個のキャスタ４、４は平行に固定されている。また架台５の上部中央に取付けた支持ブラケット６には縦方向に長孔８が開孔され、刃物支持プレート７の基端側のＬ形に折曲した接合部９に取付けたボルト１１を、前記支持ブラケット６の長孔８に貫通させて、この先端に螺合させたノブ１２を締付けることにより、刃物支持プレート７の高さを調整できるようになっている。

また刃物支持プレート７は図３に示すように平面へら状をなし、その先端側は下方に向かって傾斜した傾斜板１３が形成されている。また刃物支持プレート７の傾斜板１３より後方の部分には、半割長円形状の貫通口１４が開口されている。また図２に示すように、傾斜板１３の裏面には、先端が尖った刃物締付けプレート１５が設けられている。この刃物締付けプレート１５にはその両側にボルト１６が裏面側か取付けられ、このボルト１６は傾斜板１３を貫通して蝶ナット１７で固定されるようになっている。

上記構成の刃物研磨装置は、先ず刃物締付けプレート１５に突設されたボルト１６に螺合している蝶ナット１７を緩めて、傾斜板１３との間に広い隙間を形成して、ここにカンナの刃１９を、その刃先２０を下に向けて挿入する。次に再び蝶ナット１７を締付けると、刃物締付けプレート１５が上昇して、これと傾斜板１３との間で、カンナの刃１９を挟持させる。

次にノブ１２を緩めて刃物支持プレート７の位置を調整し、傾斜板１３の先端の刃先２０の研磨面２１がブロック状の砥石１に水平に接触させた状態でノブ１２を締めて取付け高さを設定する。この場合、刃先２０の研磨面２１がブロック状の砥石１と水平に接触しない時は、Ｌ形の支持ブラケット６と接合部９との間にシムなどを介在させて調整する。

この後、刃物支持プレート７を手で押えて刃物取付け台３を前後に移動させると、刃物取付け台３は架台５にキャスタ４、４が平行に取付けられているので、円滑に前後に移動させることができる。従って刃物取付け台３により刃先２０の研磨面２１がブロック状の砥石１の上面に接触して水平に移動しながら研磨されるので、刃先２０は設定した角度で均一に研磨することができる。このため熟練を要せずに誰でも簡単にカンナの刃１９の研磨を行なうことができる。

また傾斜板１３の後方の刃物支持プレート７には貫通口１４が開口されているので。刃を取外せない柄の付いたノミなども、刃先２０だけを挟持し、長い柄の部分は貫通口１４から上方に突出させるので、柄の長い刃物の研磨も行なうことができる。

なお刃先２０の角度が例えば６０度程度の大きい場合や、１５度程度の小さい場合には、これに合わせて水平な刃物支持プレート７と先端側の傾斜板１３との傾斜角度が異なるものを数種類用意しておき、ノブ１２を外して刃物支持プレート７を交換して使用する。

図４および図５は本考案の異なる他の実施例を示すもので、この刃物取付け台３は、２個のキャスタ４、４が水平方向に回転自在に架台５に取付けられている。またこの上部中央にＬ形の支持ブラケット６がボルト２２と蝶ナット１７で構成された角度調整ねじ２３により水平方向に回転自在に取付けられている。また刃物支持プレート７の接合部９にはナット２４が溶接され、ここにＬ形の支持ブラケット６の長孔８を通して締付けねじ２５が螺合し、刃物支持プレート７の高さを調整できるようになっている。

また刃物支持プレート７は図５に示すように平面Ｔ形に形成され、その先端側は下方に向かって傾斜した傾斜板１３が形成されている。また図４に示すように、傾斜板１３の裏面には刃物締付けプレート１５が設けられている。この刃物締付けプレート１５にはその両側にボルト１６が取付けられ、このボルト１６の先端側は傾斜板１３を貫通して蝶ナット１７で固定されるようになっている。また傾斜板１３の基端側には、隙間調整ねじ２６が取付けられ、その先端が刃物締付けプレート１５の上面に当接するようになっている。

上記構成の刃物研磨装置は、先ず刃物締付けプレート１５に突設されたボルト１６に螺合している蝶ナット１７を緩めて、傾斜板１３との間に広い隙間を形成して、ここに包丁の刃２７を、その刃先２０を下に向けて挿入し、柄２８は刃先２０に沿って横方向に突出させる。次に蝶ナット１７を締付けると、刃物締付けプレート１５が上昇して、これと傾斜板１３との間で、包丁の刃２７を挟持させる。この時、隙間調整ねじ２６を回転させて、隙間が包丁の刃２７の厚さとほぼ同じになるように、先端を刃物締付けプレート１５の上面に当接させると、刃物締付けプレート１５が傾かずに包丁の刃２７を強固に挟持することができる。

次に締付けねじ２５を緩めて刃物支持プレート７の取付高さを調整し、包丁の刃２７の刃先２０の研磨面２１がブロック状の砥石１に水平に接触させた状態で締付けねじ２５を締めて取付け高さを設定する。また架台５に取付けたキャスタ４、４を、ブロック状の砥石１の長手方向に沿って平行になるように設定する。更に角度調整ねじ２３を調整して刃先２０を、ブロック状の砥石１の長手方向に対して角度αになるように調整する。

この後、刃物支持プレート７を手で押えて刃物取付け台３を砥石１に沿って前後に移動させると、刃物取付け台３はキャスタ４、４により、円滑に前後に移動し、包丁の刃２７の刃先２０は、砥石１に対して傾斜した状態で移動して研磨される。

従って刃先２０の研磨面２１がブロック状の砥石１の上面に接触して水平に移動しながら研磨されるので、刃先２０は設定した角度で均一に研磨することができると共に、砥石１の上面全体で研磨するので、均一に且つ水平に摩耗していき、片減りを防止することができる。

なお上記説明では包丁を研磨する場合について説明したが、ナイフや、ハサミ、ナタ、彫刻刀などの研磨にも広く使用することができる。

本考案の一実施例による刃物研磨装置の斜視図である。 図１の刃物研磨装置を示す側面図である。 図２の刃物研磨装置を示す平面図である。 本考案の他の実施例による包丁の刃を研磨する刃物研磨装置の側面図である。 図４の刃物研磨装置を示す平面図である。

符号の説明

１ ブロック状の砥石
２ 砥石支持台
３ 刃物取付け台
４ キャスタ
５ 架台
６ Ｌ形の支持ブラケット
７ 刃物支持プレート
８ 長孔
９ 接合部
１１ ボルト
１２ ノブ
１３ 傾斜板
１４ 貫通口
１５ 刃物締付けプレート
１７ 蝶ナット
１９ カンナの刃
２０ 刃先
２１ 研磨面
２２ ボルト
２３ 角度調整ねじ
２４ ナット
２５ 締付けねじ
２６ 隙間調整ねじ
２７ 包丁の刃

Claims (4)

1. キャスタを取付けた架台と、基端側が前記架台に上下動自在に固定された刃物支持プレートと、この先端側に形成された傾斜板と、この傾斜板の裏面に、上下動自在に取付けられた刃物締付けプレートとから構成された刃物取付け台と、ブロック状の砥石とからなり、前記刃物支持プレートの傾斜板と刃物締付けプレートとの間に研磨用刃物を挟んで固定し、研磨用刃物の刃先研磨面を水平にして砥石の表面に接触させた状態で、刃物取付け台を前後に移動させて研磨するようにしたことを特徴とする刃物研磨装置。
2. 刃物支持プレートの傾斜板より後方の部分に貫通口を開口して、傾斜板と刃物締付けプレートとの間に研磨用刃物を挟んだ状態で、研磨用刃物の基端側が貫通口から突出するようにしたことを特徴とする請求項１記載の刃物研磨装置。
3. 傾斜板の基端側に、隙間調整ねじを下方に向かって貫通して取付け、傾斜板と刃物締付けプレートとの間に研磨用刃物を挟んだ状態で、隙間調整ねじの先端を刃物締付けプレートの上面に当接させるようにしたことを特徴とする請求項１記載の刃物研磨装置。
4. 刃物取付け台がキャスタを取付けた架台と、この上部に突設した支持ブラケットと、これを水平方向に回動自在に支持する角度調整ねじとからなり、支持ブラケットを水平方向に任意の角度に回動させ、角度調整ねじを締付けて架台に固定するようにしたことを特徴とする請求項１記載の刃物研磨装置。