JP3106355B2 - 傾斜計 - Google Patents
傾斜計Info
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- JP3106355B2 JP3106355B2 JP09293114A JP29311497A JP3106355B2 JP 3106355 B2 JP3106355 B2 JP 3106355B2 JP 09293114 A JP09293114 A JP 09293114A JP 29311497 A JP29311497 A JP 29311497A JP 3106355 B2 JP3106355 B2 JP 3106355B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil tank
- displacement
- gap
- inclination
- floating body
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、地盤の沈下ある
いは隆起に伴う地盤の水平面に対する傾斜の方向と角
度、あるいは建造物の傾斜の方向と角度を測定する傾斜
計に関するのもである。
いは隆起に伴う地盤の水平面に対する傾斜の方向と角
度、あるいは建造物の傾斜の方向と角度を測定する傾斜
計に関するのもである。
【0002】
【従来の技術】自然の地殻変動や、埋立地・造成地の経
年地盤沈下や、新たな土木・建築工事に伴う周囲の基礎
地盤の変位などによって現れる地盤の水平方向に対する
傾斜変動あるいは地盤上の既存の建造物が受ける傾斜変
動を測定する装置として、従来、特開平7−29425
2号公開特許公報に示されるような水管式変位測定装置
が知られている。即ち、基準水槽に接続管を介して変位
水槽を連通接続し、この変位水槽の上面に3本の鉛直水
筒を三角形の各頂点の位置に配設し、各鉛直水筒内にフ
ロートを収納し、その上方に電気的センサーとなる渦電
流式の変位検出器を装着したものが知られている。そし
て地盤が前後左右どのような方向にでも傾斜した際に
は、3本の鉛直水筒内のフロートはそれぞれの変位検出
器に対して位置の変位をそれぞれ生じ、その二つ又は三
つのそれぞれの相対変位を、X方向、Y方向に配設され
たそれぞれの鉛直水筒の変位検出器により検出した検出
値の相互の関係からX方向の傾斜度とY方向の傾斜度を
検知するものである。しかしこのような傾斜測定装置
は、いわゆる水管式で3本組の鉛直水筒を形成したり、
基準水槽の設置や水管の配管を要し煩雑である。
年地盤沈下や、新たな土木・建築工事に伴う周囲の基礎
地盤の変位などによって現れる地盤の水平方向に対する
傾斜変動あるいは地盤上の既存の建造物が受ける傾斜変
動を測定する装置として、従来、特開平7−29425
2号公開特許公報に示されるような水管式変位測定装置
が知られている。即ち、基準水槽に接続管を介して変位
水槽を連通接続し、この変位水槽の上面に3本の鉛直水
筒を三角形の各頂点の位置に配設し、各鉛直水筒内にフ
ロートを収納し、その上方に電気的センサーとなる渦電
流式の変位検出器を装着したものが知られている。そし
て地盤が前後左右どのような方向にでも傾斜した際に
は、3本の鉛直水筒内のフロートはそれぞれの変位検出
器に対して位置の変位をそれぞれ生じ、その二つ又は三
つのそれぞれの相対変位を、X方向、Y方向に配設され
たそれぞれの鉛直水筒の変位検出器により検出した検出
値の相互の関係からX方向の傾斜度とY方向の傾斜度を
検知するものである。しかしこのような傾斜測定装置
は、いわゆる水管式で3本組の鉛直水筒を形成したり、
基準水槽の設置や水管の配管を要し煩雑である。
【0003】また従来この種の傾斜計として、図5に示
すような、差動トランスと振り子を組み合わせたものも
知られている。即ち、51は重錘(振り子体)で重錘支
持体51aに取り付けられ、重錘支持体51aは板状の
吊りばね52を介して、ケース54内の密閉室58の天
井部に支持具53によって吊り下げられている。Tは従
来から周知の差動トランスで、その差動トランスコイル
57はケース54の密閉室58に固定されており、その
差動トランス鉄心56は、差動トランスコイル57の中
心軸Wに沿う状態で、重錘支持体51aに取り付けられ
ている。55は密閉室58に充填したダンパー用のオイ
ルで、重錘51や差動トランスTや、重錘支持体51a
はオイル55中に置かれている。そしてケース54は傾
斜を測定しようとする箇所の構築物の壁面に取り付ける
もので、地盤が傾斜すると、ケース54及びこれに固定
した差動トランスコイル57も傾き、これに対し重錘5
1及び差動トランス鉄心56は鉛直方向に吊り下げられ
た状態を維持するので、差動トランス鉄心56に対する
差動トランスコイル57の相対位置関係が変化する。そ
してこの変化に対応した電気信号が差動トランスコイル
57から出力され、この信号変化を測定して地盤の傾斜
変化を検知するものである。しかしこのような従来の傾
斜計では、全方向にわたって生じ得る地盤の傾斜の方向
とその度合いを検知するためには、2個の傾斜計を、そ
の各重錘51の振れ方向を違えて設置する必要がある上
に、差動トランス鉄心56と差動コイル57の関係位置
の調整が煩雑であった。
すような、差動トランスと振り子を組み合わせたものも
知られている。即ち、51は重錘(振り子体)で重錘支
持体51aに取り付けられ、重錘支持体51aは板状の
吊りばね52を介して、ケース54内の密閉室58の天
井部に支持具53によって吊り下げられている。Tは従
来から周知の差動トランスで、その差動トランスコイル
57はケース54の密閉室58に固定されており、その
差動トランス鉄心56は、差動トランスコイル57の中
心軸Wに沿う状態で、重錘支持体51aに取り付けられ
ている。55は密閉室58に充填したダンパー用のオイ
ルで、重錘51や差動トランスTや、重錘支持体51a
はオイル55中に置かれている。そしてケース54は傾
斜を測定しようとする箇所の構築物の壁面に取り付ける
もので、地盤が傾斜すると、ケース54及びこれに固定
した差動トランスコイル57も傾き、これに対し重錘5
1及び差動トランス鉄心56は鉛直方向に吊り下げられ
た状態を維持するので、差動トランス鉄心56に対する
差動トランスコイル57の相対位置関係が変化する。そ
してこの変化に対応した電気信号が差動トランスコイル
57から出力され、この信号変化を測定して地盤の傾斜
変化を検知するものである。しかしこのような従来の傾
斜計では、全方向にわたって生じ得る地盤の傾斜の方向
とその度合いを検知するためには、2個の傾斜計を、そ
の各重錘51の振れ方向を違えて設置する必要がある上
に、差動トランス鉄心56と差動コイル57の関係位置
の調整が煩雑であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な従来の水管式の傾斜装置や、差動トランス方式の傾斜
装置の構造上の難点を取り除き、1個の傾斜計を傾斜変
動測定箇所に簡単に設置して、地盤や構築物に生ずる何
れの方向の傾斜であっても、その傾斜変動量を測定し得
るようにするものである。
な従来の水管式の傾斜装置や、差動トランス方式の傾斜
装置の構造上の難点を取り除き、1個の傾斜計を傾斜変
動測定箇所に簡単に設置して、地盤や構築物に生ずる何
れの方向の傾斜であっても、その傾斜変動量を測定し得
るようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明の傾斜計は、いずれの方向にも振れる振り
子体の外周面にあって、この振り子体に想定した水平面
上で互いに直交し且つこの振り子体の鉛直支軸と交わる
X軸、Y軸の延長上でこの鉛直支軸から等距離にある二
つの位置に、それぞれ標点を設定し、この各標点に対し
間隙を介してそれぞれ対向しこの間隙の変位に感応して
電気的信号を出力する変位センサーを配設し、この変位
センサーで検出した前記二つの間隙の変位量を基に任意
の方向の傾斜角の変動量を測定するようにしたものであ
る。
に、この発明の傾斜計は、いずれの方向にも振れる振り
子体の外周面にあって、この振り子体に想定した水平面
上で互いに直交し且つこの振り子体の鉛直支軸と交わる
X軸、Y軸の延長上でこの鉛直支軸から等距離にある二
つの位置に、それぞれ標点を設定し、この各標点に対し
間隙を介してそれぞれ対向しこの間隙の変位に感応して
電気的信号を出力する変位センサーを配設し、この変位
センサーで検出した前記二つの間隙の変位量を基に任意
の方向の傾斜角の変動量を測定するようにしたものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】この発明の傾斜計の基本的な実施
の形態は、傾斜を測定しようとする箇所の構築物に取り
付けられる外匡の内側に、前記外匡と共に動いて傾斜す
るオイルタンクを、前記外匡との間に空間を介して配設
し、前記オイルタンク内に、いずれの方向にも振れる振
り子体を鉛直方向に付勢して支持し、前記振り子体に想
定した水平面上で互いに直交し且つこの振り子体の鉛直
支軸と交わるX軸、Y軸の延長線上でこの鉛直支軸から
等距離にある前記振り子体の外周面上の二つの位置に、
それぞれ標点を設定し、この各標点に対し間隙を介して
それぞれ対向しこの間隙の変位に感応して電気的信号を
出力する変位センサーを前記オイルタンクの内壁に配設
し、前記変位センサーで検出した前記二つの間隙の変位
を基に前記箇所の任意の方向の傾斜角の変動量を測定す
るようにしたものであるが、その具体的実施例を以下に
説明する。
の形態は、傾斜を測定しようとする箇所の構築物に取り
付けられる外匡の内側に、前記外匡と共に動いて傾斜す
るオイルタンクを、前記外匡との間に空間を介して配設
し、前記オイルタンク内に、いずれの方向にも振れる振
り子体を鉛直方向に付勢して支持し、前記振り子体に想
定した水平面上で互いに直交し且つこの振り子体の鉛直
支軸と交わるX軸、Y軸の延長線上でこの鉛直支軸から
等距離にある前記振り子体の外周面上の二つの位置に、
それぞれ標点を設定し、この各標点に対し間隙を介して
それぞれ対向しこの間隙の変位に感応して電気的信号を
出力する変位センサーを前記オイルタンクの内壁に配設
し、前記変位センサーで検出した前記二つの間隙の変位
を基に前記箇所の任意の方向の傾斜角の変動量を測定す
るようにしたものであるが、その具体的実施例を以下に
説明する。
【0007】
【実施例】図1、図2において、1は円柱形の重錘、2
は重錘支持体、3はユニバーサル軸受の一種である球面
滑り軸受、4はオイルタンクで、重錘1は重錘支持体2
の下端に固着され、重錘支持体2の上端は、オイルタン
ク4の首部4aの上端に取り付けた球面滑り軸受3によ
って支持されている。そして重錘1は球面滑り軸受3を
支点として前後左右その他いずれの方向にも振れる振り
子体(いわゆる下げ振り式の振り子体)となっており、
重錘1はオイルタンク4内に配設されている。オイルタ
ンク4中にはオイル5が満たされており、重錘1はオイ
ル5中にあって、オイル5は重錘1の無用な振動を吸収
するダンパーの働きをする。円柱形の重錘1の円周面に
は、90度の角度を隔てて同じ高さ位置に二つの標点6
x,6yが取り付けられている。即ち、重錘1において
標点6x,6yを含む水平面Hを想定すると、その水平
面H上で重錘1の鉛直支軸Zにそれぞれ交わり且つ互い
に直交する軸X、軸Yの上にそれぞれ標点6xと標点6
yが位置し、標点6xと標点6yは鉛直支軸Zから等距
離にある。標点6xと標点6yは導電体で形成されてい
る。7x、7yは周知の渦電流式の変位センサーで、そ
れぞれ標点6x、6yに対し間隙d、d’を介して対向
しオイルタンク4の内周面に取り付けられている。渦電
流式の変位センサー7x、7yは前記間隙d、d’の大
きさに感応して電気的信号を出力する。この出力信号は
アンプ8によって増幅されてケーブル9を通じてコンピ
ュータ(図示せず)に送られ、コンピュータによって演
算処理されて重錘1が吊り下げられた箇所の傾斜の方向
と傾斜角の変動量が測定される。なお、10はこの傾斜
計の外匡でその上面に水準器11が設けられている。即
ち、傾斜を測定しようとする箇所の構築物の壁面に、重
錘1を内蔵した外匡10を取り付けるもので、地盤が沈
下あるいは隆起して地盤にいずれかの方向の傾斜が生じ
ると、その地盤上の構築物に取り付けられているオイル
タンク4も傾くが、重錘1は常に鉛直方向に垂下保持さ
れるので、標点6xと変位センサー7xの間の間隙d、
並びに標点6yと変位センサー7yの間の間隙d’の大
きさが変化し、変位センサー7x、7yにはそれぞれ間
隙d、d’の変化した大きさに対応した電気的出力信号
(そこに生じた傾斜の軸X方向の傾斜角度と軸Y方向の
傾斜角度にそれぞれ対応した出力信号)が生じ、この出
力信号がアンプ8を介してコンピュータに送られ、この
信号を基にコンピュータで演算してその箇所で生じた傾
斜変動の傾斜方向及び傾斜角度あるいは傾斜角の変動量
が算出されるものである。
は重錘支持体、3はユニバーサル軸受の一種である球面
滑り軸受、4はオイルタンクで、重錘1は重錘支持体2
の下端に固着され、重錘支持体2の上端は、オイルタン
ク4の首部4aの上端に取り付けた球面滑り軸受3によ
って支持されている。そして重錘1は球面滑り軸受3を
支点として前後左右その他いずれの方向にも振れる振り
子体(いわゆる下げ振り式の振り子体)となっており、
重錘1はオイルタンク4内に配設されている。オイルタ
ンク4中にはオイル5が満たされており、重錘1はオイ
ル5中にあって、オイル5は重錘1の無用な振動を吸収
するダンパーの働きをする。円柱形の重錘1の円周面に
は、90度の角度を隔てて同じ高さ位置に二つの標点6
x,6yが取り付けられている。即ち、重錘1において
標点6x,6yを含む水平面Hを想定すると、その水平
面H上で重錘1の鉛直支軸Zにそれぞれ交わり且つ互い
に直交する軸X、軸Yの上にそれぞれ標点6xと標点6
yが位置し、標点6xと標点6yは鉛直支軸Zから等距
離にある。標点6xと標点6yは導電体で形成されてい
る。7x、7yは周知の渦電流式の変位センサーで、そ
れぞれ標点6x、6yに対し間隙d、d’を介して対向
しオイルタンク4の内周面に取り付けられている。渦電
流式の変位センサー7x、7yは前記間隙d、d’の大
きさに感応して電気的信号を出力する。この出力信号は
アンプ8によって増幅されてケーブル9を通じてコンピ
ュータ(図示せず)に送られ、コンピュータによって演
算処理されて重錘1が吊り下げられた箇所の傾斜の方向
と傾斜角の変動量が測定される。なお、10はこの傾斜
計の外匡でその上面に水準器11が設けられている。即
ち、傾斜を測定しようとする箇所の構築物の壁面に、重
錘1を内蔵した外匡10を取り付けるもので、地盤が沈
下あるいは隆起して地盤にいずれかの方向の傾斜が生じ
ると、その地盤上の構築物に取り付けられているオイル
タンク4も傾くが、重錘1は常に鉛直方向に垂下保持さ
れるので、標点6xと変位センサー7xの間の間隙d、
並びに標点6yと変位センサー7yの間の間隙d’の大
きさが変化し、変位センサー7x、7yにはそれぞれ間
隙d、d’の変化した大きさに対応した電気的出力信号
(そこに生じた傾斜の軸X方向の傾斜角度と軸Y方向の
傾斜角度にそれぞれ対応した出力信号)が生じ、この出
力信号がアンプ8を介してコンピュータに送られ、この
信号を基にコンピュータで演算してその箇所で生じた傾
斜変動の傾斜方向及び傾斜角度あるいは傾斜角の変動量
が算出されるものである。
【0008】図3、図4はこの発明の傾斜計の他の実施
例を示している。図3、図4において、4はオイル5を
満たしたオイルタンクで、その下方に延びる首部4aの
下端に球面滑り軸受3が取り付けられている。12は円
柱形の浮き体で、浮き体12は浮き体連結部材13によ
って前記球面滑り軸受3に連結されている。浮き体12
はダンパー用のオイル5中に置かれて浮力が働いてお
り、浮き体12は球面滑り軸受3を支点として前後左右
その他いずれの方向にも振れる振り子体(いわゆる逆振
り式の振り子体)となっている。円柱形の浮き体12の
円周面には、90度、の角度を隔てて同じ高さ位置に二
つの標点6x,6yが取り付けられている。即ち、浮き
体12において標点6x,6yを含む水平面Hを想定す
ると、その水平面H上で浮き体12の鉛直支軸Zにそれ
ぞれ交わり且つ互いに直交する軸X、軸Yの上にそれぞ
れ標点6xと標点6yが位置し、標点6xと標点6yは
鉛直支軸Zから等距離にある。標点6xと標点6yは導
電体で形成されている。7x、7yは図1、図2に示し
たと同様の渦電流式の変位センサーで、それぞれ標点6
x、6yに対し間隙d、d’を介して対向しオイルタン
ク4の内周面に取り付けられている。渦電流式の変位セ
ンサー7x、7yは前記間隙d、d’の大きさに感応し
て電気的信号を出力する。この出力信号はアンプ8によ
って増幅されてケーブル9を通じてコンピュータ(図示
せず)に送られ、コンピュータによって演算処理されて
浮き体12が設置された箇所の傾斜の方向と傾斜角の変
動量が測定される。10はこの傾斜計の外匡でその上面
に水準器11が設けられている。そして傾斜を測定しよ
うとする箇所の構築物の壁面に、逆振り式の振り子とな
る浮き体12を内蔵した外匡10を取り付けておくと、
地盤が沈下あるいは隆起して地盤にいずれかの方向の傾
斜が生じた際に、その地盤上の構築物に取り付けられて
いるオイルタンク4も傾くが、浮き体12は浮力によっ
て鉛直方向に保持されるので、標点6xと変位センサー
7xの間の間隙d、並びに標点6yと変位センサー7y
の間の間隙d’の大きさが変化し、変位センサー7x、
7yにはそれぞれ間隙d、d’の変化した大きさに対応
した電気的出力信号(そこに生じた傾斜の軸X方向の傾
斜角度と軸Y方向の傾斜角度にそれぞれ対応した出力信
号)が生じ、この出力信号がアンプ8を介してコンピュ
ータに送られ、この信号を基にコンピュータで演算して
その箇所で生じた傾斜変動の傾斜方向及び傾斜角度ある
いは傾斜角の変動量が算出されるものである。
例を示している。図3、図4において、4はオイル5を
満たしたオイルタンクで、その下方に延びる首部4aの
下端に球面滑り軸受3が取り付けられている。12は円
柱形の浮き体で、浮き体12は浮き体連結部材13によ
って前記球面滑り軸受3に連結されている。浮き体12
はダンパー用のオイル5中に置かれて浮力が働いてお
り、浮き体12は球面滑り軸受3を支点として前後左右
その他いずれの方向にも振れる振り子体(いわゆる逆振
り式の振り子体)となっている。円柱形の浮き体12の
円周面には、90度、の角度を隔てて同じ高さ位置に二
つの標点6x,6yが取り付けられている。即ち、浮き
体12において標点6x,6yを含む水平面Hを想定す
ると、その水平面H上で浮き体12の鉛直支軸Zにそれ
ぞれ交わり且つ互いに直交する軸X、軸Yの上にそれぞ
れ標点6xと標点6yが位置し、標点6xと標点6yは
鉛直支軸Zから等距離にある。標点6xと標点6yは導
電体で形成されている。7x、7yは図1、図2に示し
たと同様の渦電流式の変位センサーで、それぞれ標点6
x、6yに対し間隙d、d’を介して対向しオイルタン
ク4の内周面に取り付けられている。渦電流式の変位セ
ンサー7x、7yは前記間隙d、d’の大きさに感応し
て電気的信号を出力する。この出力信号はアンプ8によ
って増幅されてケーブル9を通じてコンピュータ(図示
せず)に送られ、コンピュータによって演算処理されて
浮き体12が設置された箇所の傾斜の方向と傾斜角の変
動量が測定される。10はこの傾斜計の外匡でその上面
に水準器11が設けられている。そして傾斜を測定しよ
うとする箇所の構築物の壁面に、逆振り式の振り子とな
る浮き体12を内蔵した外匡10を取り付けておくと、
地盤が沈下あるいは隆起して地盤にいずれかの方向の傾
斜が生じた際に、その地盤上の構築物に取り付けられて
いるオイルタンク4も傾くが、浮き体12は浮力によっ
て鉛直方向に保持されるので、標点6xと変位センサー
7xの間の間隙d、並びに標点6yと変位センサー7y
の間の間隙d’の大きさが変化し、変位センサー7x、
7yにはそれぞれ間隙d、d’の変化した大きさに対応
した電気的出力信号(そこに生じた傾斜の軸X方向の傾
斜角度と軸Y方向の傾斜角度にそれぞれ対応した出力信
号)が生じ、この出力信号がアンプ8を介してコンピュ
ータに送られ、この信号を基にコンピュータで演算して
その箇所で生じた傾斜変動の傾斜方向及び傾斜角度ある
いは傾斜角の変動量が算出されるものである。
【0009】また上記実施例において、重錘支持体2あ
るいは浮き体連結部材13の種類や、浮き体12の形状
・構造は、傾斜計の反応性や安定性に影響を及ぼすと考
えられるが、様々な試験の結果、重錘支持体2あるいは
浮き体連結部材13としては玉チェーン、浮き体12の
構造としては浮き体12に襞を付け下部を塩化ビニール
にすると良い結果が得られた。
るいは浮き体連結部材13の種類や、浮き体12の形状
・構造は、傾斜計の反応性や安定性に影響を及ぼすと考
えられるが、様々な試験の結果、重錘支持体2あるいは
浮き体連結部材13としては玉チェーン、浮き体12の
構造としては浮き体12に襞を付け下部を塩化ビニール
にすると良い結果が得られた。
【0010】
【発明の効果】上記の実施例から明らかなように、この
発明の傾斜計によれば、構造複雑で調整が煩雑な基準水
槽や鉛直水筒や水管配管や、差動トランス等を要せず、
単一の傾斜計を測定箇所に簡単に取り付けて、その箇所
で生じた何れの方向の傾斜でもその傾斜変動の方向と傾
斜角度を測定することができる。
発明の傾斜計によれば、構造複雑で調整が煩雑な基準水
槽や鉛直水筒や水管配管や、差動トランス等を要せず、
単一の傾斜計を測定箇所に簡単に取り付けて、その箇所
で生じた何れの方向の傾斜でもその傾斜変動の方向と傾
斜角度を測定することができる。
【図1】この発明の一実施例の傾斜計の内部を示す縦断
面図。
面図。
【図2】図1のII−II’線断面図。
【図3】この発明の他の実施例の傾斜計の内部を示す縦
断面図。
断面図。
【図4】図3のIV−IV’線断面図。
【図5】従来の傾斜計の内部を示す断面図。
1 :重錘(振り子体) d
:間隙 2 :重錘支持体
d’:間隙 3 :球面滑り軸受(ユニバーサル軸受) H
:水平面 4 :オイルタンク T
:差動トランス 4a:オイルタンクの首部 W
:中心軸 5 :オイル X
:X軸 6x:標点 Y
:Y軸 6y:標点 Z
:鉛直支軸 7x:渦電流式の変位センサー 51 :重
錘(振り子体) 7y:渦電流式の変位センサー 51a:重
錘支持体 8 :アンプ 52 :吊
りばね 9 :ケーブル 53 :支
持具 10 :外匡 54 :
ケース 11 :水準器 55 :
オイル 12 :浮き体(逆振りの振り子体) 56 :
差動トランス鉄心 13 :浮き体連結部材 57 :
差動トランスコイル 58 :密閉室
:間隙 2 :重錘支持体
d’:間隙 3 :球面滑り軸受(ユニバーサル軸受) H
:水平面 4 :オイルタンク T
:差動トランス 4a:オイルタンクの首部 W
:中心軸 5 :オイル X
:X軸 6x:標点 Y
:Y軸 6y:標点 Z
:鉛直支軸 7x:渦電流式の変位センサー 51 :重
錘(振り子体) 7y:渦電流式の変位センサー 51a:重
錘支持体 8 :アンプ 52 :吊
りばね 9 :ケーブル 53 :支
持具 10 :外匡 54 :
ケース 11 :水準器 55 :
オイル 12 :浮き体(逆振りの振り子体) 56 :
差動トランス鉄心 13 :浮き体連結部材 57 :
差動トランスコイル 58 :密閉室
フロントページの続き (72)発明者 夏川 亨介 大阪府大阪市淀川区西宮原1丁目8番29 号 中央復建コンサルタンツ株式会社 内 (72)発明者 蜂須賀 義文 大阪府吹田市寿町2丁目26番5号 綜合 計測株式会社 内 (72)発明者 北後 征雄 大阪府大阪市淀川区西中島5丁目4番20 号 ジェイアール西日本コンサルタンツ 株式会社 内 (56)参考文献 特開 平8−159758(JP,A) 特開 昭63−63913(JP,A) 特開 昭63−101705(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 9/00 - 9/36
Claims (3)
- 【請求項 1】 傾斜を測定しようとする箇所の構築物
に取り付けられる外匡の内側に、前記外匡と共に動いて
傾斜するオイルタンクを、前記外匡との間に空間を介し
て配設し、前記オイルタンク内に、いずれの方向にも振
れる振り子体を鉛直方向に付勢して支持し、前記振り子
体に想定した水平面上で互いに直交し且つこの振り子体
の鉛直支軸と交わるX軸、Y軸の延長線上でこの鉛直支
軸から等距離にある前記振り子体の外周面上の二つの位
置に、それぞれ標点を設定し、この各標点に対し間隙を
介してそれぞれ対向しこの間隙の変位に感応して電気的
信号を出力する変位センサーを前記オイルタンクの内壁
に配設し、前記変位センサーで検出した前記二つの間隙
の変位を基に前記箇所の任意の方向の傾斜角の変動量を
測定することを特徴とする傾斜計。 - 【請求項 2】 傾斜を測定しようとする箇所の構築物
に取り付けられる外匡の内側に、前記外匡と共に動いて
傾斜するオイルタンクを、前記外匡との間に空間を介し
て配設し、前記オイルタンク内に、円柱状の重錘をユニ
バーサル軸受を介して吊り下げ、この重錘の円周面に9
0度の角度を隔てて導電体の標点を設定し、この各標点
に対し間隙を介してそれぞれ対向しこの間隙の変位に感
応して電気的信号を出力する渦電流式の変位センサーを
前記オイルタンクの内壁に配設し、前記変位センサーで
検出した前記二つの間隙の変位を基に前記箇所の任意の
方向の傾斜角の変動量を測定することを特徴とする傾斜
計。 - 【請求項 3】 傾斜を測定しようとする箇所の構築物
に取り付けられる外匡の内側に、前記外匡と共に動いて
傾斜するオイルタンクを、前記外匡との間に空間を介し
て配設し、前記オイルタンク内のオイル中に円柱状の浮
き体を配設し、この浮き体をその下方のユニバーサル軸
受に連結して前記浮き体を逆振りの振り子体とし、この
浮き体の円周面に90度の角度を隔てて導電体の標点を
設定し、この各標点に対し間隙を介してそれぞれ対向し
この間隙の変位に感応して電気的信号を出力する渦電流
式の変位センサーを前記オイルタンクの内壁に配設し、
前記変位センサーで検出した前記二つの間隙の変位を基
に前記箇所の任意の方向の傾斜角の変動量を測定するこ
とを特徴とする傾斜計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09293114A JP3106355B2 (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 傾斜計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09293114A JP3106355B2 (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 傾斜計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1194546A JPH1194546A (ja) | 1999-04-09 |
JP3106355B2 true JP3106355B2 (ja) | 2000-11-06 |
Family
ID=17790617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09293114A Expired - Fee Related JP3106355B2 (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 傾斜計 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3106355B2 (ja) |
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-
1997
- 1997-09-17 JP JP09293114A patent/JP3106355B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
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