JP3105909B2 - 有限体上の演算器 - Google Patents

有限体上の演算器

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JP3105909B2 JP02225376A JP22537690A JP3105909B2 JP 3105909 B2 JP3105909 B2 JP 3105909B2 JP 02225376 A JP02225376 A JP 02225376A JP 22537690 A JP22537690 A JP 22537690A JP 3105909 B2 JP3105909 B2 JP 3105909B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は有限体上の演算器、特に光デイスクや光磁気
デイスク,衛生通信等の通信路に対するデータの誤りを
検出及び訂正する誤り訂正符号の分野に使用される有限
体上の演算器に関するものである。
[従来の技術] 近年、光デイスク等のメモリーシステムをはじめとす
る各種デイジタルシステムの信頼性向上の方法として、
誤り訂正符号の適用が浸透してきている。なかでも、BC
H符号は実用上非常に重要な符号であり、衛生通信や光
デイスク,光磁気デイスク等に広く利用されている。こ
こで、BCH符号の処理は有限体上の加算と乗算とによつ
て行うことができる。
[発明が解決しようとしている課題] しかしながら、BCH符号の処理の装置化において、加
算は排地的論理和(EXOR)によつて簡単に実現すること
ができるが、乗算は比較的複雑な回路を必要とした。
また最近は、ISOで提案されているLDC(ロングデイス
タンスコード)などでは、有限体GF(28)上の原始多項
式 p(x)=x8+x5+x3+x2+1 の根αの88乗をβとし、βの演算によつてBCH符号の処
理を行つている。この場合αとβとでは変換テーブルが
異なるために、更に回路が複雑になつていた。
本発明は、上述の欠点を除去し、ある有限体の元をあ
る原始多項式のいずれの根を用いて多項式表現した場合
でも、原始多項式の根に依存しない有限体上の演算器を
提供する。
[課題を解決するための手段] この課題を解決するために、本発明の有限体上の演算
器は、ある有限体の原始多項式の根をαとしたとき、β
(=αのm乗;mは任意の整数)の多項式で表現された前
記有限体上の元の演算を行なう有限体上の演算器であっ
て、多項式で表現された前記有限体上の2つの元の各次
数の係数同士の排地的論理和を求める加算器と、前記α
の多項式で表現された前記有限体上の2つの元を入力し
て、当該2つの元の乗算結果を前記αの多項式表現で出
力する乗算器とを有し、前記βの多項式で表現された前
記有限体上の2つの元について、前記加算器に入力した
ときの出力を当該2つの元の加算結果の前記βの多項式
表現とするとともに、前記乗算器に入力したときの出力
を当該2つの元の乗算結果の前記βの多項式表現とする
ことを特徴とする。
前記乗算器が、前記αの多項式で表現された前記有限
体上の第1及び第2の元を入力する入力手段と、前記第
1の元を入力し、各段で前記αを乗じる複数段接続され
たα倍手段と、該α倍手段への入力及び各段の出力のそ
れぞれに、前記第2の元の係数の対応する1つを乗じる
乗算手段と、該乗算手段の出力の総和を求めて前記第1
及び第2の元の積のαの多項式での表現として出力する
加算手段とを有する。
[作用] かかる構成において、ある有限体の元をある原始多項
式のいずれの根を用いて多項式表現した場合でも、同一
の加算器と乗算器とから構成された演算器でそれらの元
を演算して、同じ根を用いた多項式表現による演算結果
を得ることができる。
[実施例] 以下、添付図面に従つて一実施例を説明する。
有限体上の演算器は、有限体上の加算器と乗算器との
組合せによつて構成できる。すなわち、有限体上の加算
器は、原始多項式に関わりなく第1図のようなEXORによ
つて簡単に実現できる。一方、有限体上の乗算器は、原
始多項式が定まれば、次のような演算によつて1つの乗
算器によつて実現できる。
1つの原始多項式に対する根をαとすると、β(=α
)も同じ原始多項式の根となるので、αの多項式で表
現された2元の積をαの多項式として求める乗算器と、
βの多項式で表現された2元の積をβの多項式として求
める乗算器とは、同じ回路となる。
GF(28)の原始多項式 p(x)=x8+x4+x3+x2+1 を例にとつた場合、その乗算器は第2図のように実現で
きる。ここで、第2図は第3図のαを掛ける回路と簡単
な積及び和の回路とを組み合わせたものである。
まず、αを掛ける回路について説明する。
αをx8+x4+x3+x2+1=0の根としたとき、任意の
yが、 y=y0+y1α+y2α+…+y7αと表わされるとす
ると、 α・y=y0α+y1α+y2α+…+y7α ここで、α+α+α+α+1=0より、 α・y=y0α+y1α+y2α+…+y7(α+α +α+1) =y7+y0α+(y1+y7)α+(y2+y7)α +(y3+y7)α+y4α+y5α+y6α よつて、α倍の演算は第3図の回路で実現できる。すな
わち、第3図の入力A[7:0]の8ビツトを[y7,y6,…,
y0]とすると、出力Y[7:0]の8ビツトは[y6,…,y3
+y7,y2+y7,y1+y7,y0,y7]となる。
次に、第2図の乗算器の動作について説明する。
任意のz=z0+z1α+…+z7αに対して、 y・z=z0y+z1・yα+z2・yα+…+z7・yα
であり、y・αは第2図において、7段接続された
第3図のα倍演算器の第k段目の出力である。
y・α=yk0+yk1α+…+yk7αとすれば、 zk・yα=zk・yk0+zk・yk1α+…+zkyk7α zk・ykiはANDをとればよいから、zk・yαはAND
(一方がzkで共通、他方がyki(i=0…7)の入力)
8個の並列となり、 ここで、積(AND)zk・ykiの8個の和(EXOR)は、NA
ND8個のEXORに等しいので、第2図のごとき構成にな
る。つまり、第2図はαによつて多項式表現された任意
の2元を乗ずる回路である。すなわち、第2図の入力A
[7:0]を[y07,y06,…,y00]、B[7:0]を[z7,z6,
…,z0]とすれば、α倍と積及び和とがなされて、出力
Y[7:0]の8ビツトには、 が出力される。
これによつて、第1図の加算器と上式の根αによる第
2図の乗算器との組み合わせにより、β(=αm;mは任
意の整数)を元とする任意の演算器が構成できる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、ある有限体の
元をある原始多項式のいずれの根を用いて多項式表現し
た場合でも、同一の構成の演算器でそれらの元を演算し
て、同じ根を用いた多項式表現による演算結果を得るこ
とができるので、これにより、原始多項式の根に存在し
ない有限体上の演算器が実現できるという効果がある
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例の有限体上の加算器、 第2図は本実施例の有限体上の乗算器、 第3図は本実施例の原始多項式の根αを掛ける回路であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 13/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ある有限体の原始多項式の根をαとしたと
    き、β(=αのm乗;mは任意の整数)の多項式で表現さ
    れた前記有限体上の元の演算を行なう有限体上の演算器
    であって、 多項式で表現された前記有限体上の2つの元の各次数の
    係数同士の排地的論理和を求める加算器と、 前記αの多項式で表現された前記有限体上の2つの元を
    入力して、当該2つの元の乗算結果を前記αの多項式表
    現で出力する乗算器とを有し、 前記βの多項式で表現された前記有限体上の2つの元に
    ついて、前記加算器に入力したときの出力を当該2つの
    元の加算結果の前記βの多項式表現とするとともに、前
    記乗算器に入力したときの出力を当該2つの元の乗算結
    果の前記βの多項式表現とすることを特徴とする有限体
    上の演算器。
  2. 【請求項2】前記乗算器が、 前記αの多項式で表現された前記有限体上の第1及び第
    2の元を入力する入力手段と、 前記第1の元を入力し、各段で前記αを乗じる複数段接
    続されたα倍手段と、 該α倍手段への入力及び各段の出力のそれぞれに、前記
    第2の元の係数の対応する1つを乗じる乗算手段と、 該乗算手段の出力の総和を求めて前記第1及び第2の元
    の積のαの多項式での表現として出力する加算手段とを
    有することを特徴とする請求項1記載の有限体上の演算
    器。
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