JP3105250B2 - 微生物発酵の為の保護剤 - Google Patents

微生物発酵の為の保護剤

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 この発明は微生物発酵法と、更に具体的には、微生物
発酵によるセルロースの生産の為の改良された方法に関
する。
発明の背景 セルロースは植物並びに種々の微生物によって生産さ
れる。セルロースを生産する原核生物の微生物の例は、
Acetobacter(アセトバクター、酢酸菌)、Rhizobium
((リゾビウム、Rhizobium属の根粒バクテリア)、Agr
obacterium(アグロバクテリア、土壌菌の一種)及びAz
otobacter(アゾトバクテリア、Azotobacteraceae科Azo
tobacter属の空気中窒素の固定菌)である。Harris他の
Ann.Rev.Microbiol.,(1973年)を参照のこと。アセト
バクターは最も良く特徴が知られているセルロース生産
の微生物である。
アセトバクターは、特徴的にグラム陰性で、0.6〜0.8
μm×1.0〜4μmの棒の形をしたバクテリアである。
それは厳密に好気性であり、新陳代謝は呼吸に基づくが
決して発酵性ではない。更に、それはセルロースと化学
的に同一である多重ポリ‐β(1-4)グルカン鎖を同時
に生産するのが特徴である。多重セルロース鎖またはミ
クロフィブリルはバクテリアの細胞壁の場所で合成され
る。これらのミクロフィブリルはバクテリアによって培
養液(培地)の中に抽出される。
アセトバクターによって生産されるセルロースのミク
ロフィブリルは、寸法が約1.6nm×5.8nmの横断面を持
つ。静的培養、即ち、静置培養では、、バクテリア表面
のミクロフィブリルは結合して約3.2nmx133nmの横断面
寸法を持つフィブリルを形成する。この小さな横断面の
幅の寸法がアセトバクターによって生産されるセルロー
スと木材パルプ中に見出だされるセルロースとの間の主
な相違である。これらのアセトバクター生産のフィブリ
ルの小さな横断面の寸法は、普通の木材パルプのセルロ
ースよりも不随的に大きな表面積と相俟って、水溶液に
対する異常に大きな吸収能を有するセルロース製品へ導
く。この高い吸収能は、アセトバクターセルロースか
ら、包帯と紙製品などの幾つかの製品の開発へ導いてき
た。
1947年、Nature159巻:64〜65頁の中で、Hestrin他は
グルコースと酸素の存在でアセトバクターの非‐増殖性
の細胞がセルロースを合成することを発見した。その時
以来、アセトバクターはセルロースの生産を支える各種
の条件下に培養されてきた。例えば、1分間に約90〜10
0サイクルの往復振盪の下に成長した時は、細胞は大き
なゲルの塊の中に取り込まれた。培養液を渦巻き運動で
4時間攪拌する条件下に成長した時は、セルロースと細
胞から成る星形の(放射状の)ゲル本体が生成する。静
置培養として成長させた時は、空気/培地の界面に薄皮
(薄膜)が生成する。薄皮は、培養液を入れた容器の液
体表面と一般に同じ表面の形と領域を持つパッドとして
生成する。Hestrin and Schrammの論文、Biochem J、58
巻、345〜352頁を参照のこと。
静置培養では、アセトバクターによるセルロースの生
産は空気/液体媒体の界面で起こる。アセトバクターは
絶対好気生物(obligate aerobe)であり、従って各バ
クテリアは空気/液体の界面に一つのフィブリルを生産
し続ける。表面に新しいセルロースが形成されるに従っ
て、存在するセルロースは成長媒体の中に無理やり下向
きに押し込まれる。結果として、静置培養の状態で生産
されるセルロースの薄皮は、空気/培養液の界面で成長
するアセトバクターの細胞を支えるセルロース繊維の層
から構成される。重要なことだが、そのようにして生産
されるセルロースの容積は空気と培養液の間の界面によ
って制限される。
アセトバクターは、振盪培養で成長させた時でも同じ
ようにセルロースを生産する。しかしながら、幾つかの
理由から振盪培養からセルロースの高い生産性は以前に
は得ることが困難であった。溶存酸素濃度を高めた攪拌
状態の下で培養された時に、既知のアセトバクターの菌
株が非−生産者(セルロースの)に成り勝ちになる傾向
が、此れ迄に商業的に作ることができるセルロースの量
を厳しく制限してきた。米国特許第4,863,565号は、振
盪と静置の両方の状態でも長期の培養で安定なアセトバ
クターの菌株を多数開示している。この特許は、グルコ
ースを含む培地の上で成長させた時にグルコン酸とケト
−グルコン酸を生成する能力を厳しく減少したことを特
徴とする選ばれたアセトバクター菌株を記述している。
本発明に用いられる菌株、アセトバクターの1306−21は
この特許の中に開示された安定な菌株の一つである。
攪拌された培養液の中でセルロースの生産を制限して
きた第二の問題点は、培養液のセルロースと細胞の濃度
が増加するにつれて発酵媒体を酸素化するのに要求され
る高い攪拌速度に由来する。培養液の細胞密度が増加す
るに従って、培養液の酸素要求量は増加する。更に、高
いセルロース濃度では、発酵汁はより粘稠になり、この
ようにして空気相から液相への酸素の伝達速度が低下す
る。従って、攪拌速度を増加させることが、細胞の成長
とセルロースの生産を維持する為に培養液中の溶存酸素
の濃度を十分な水準に保つ為に必要である。しかしなが
ら、攪拌の増加は、セルロースの収量と容積生産性の実
質的な低下の為に生産されるセルロースの量にマイナス
の影響を与える。
アセトバクターによるセルロースの生産は、培養液の
攪拌速度が有意的に高められるに従って減少することが
示されてきた(例えば、後述の実施例1の中に与えられ
たデータを参照のこと)。攪拌速度を増加することは培
養液のセルロース対細胞比および/またはセルロース収
率に悪影響を与える可能性がある。これらの影響は、恐
らく培養液の攪拌速度が増加するに従って細胞とセルロ
ースの上に加わる剪断応力の増加に帰せられるだろう。
高い攪拌速度では、生産されるセルロースの品質にも影
響する。例えば、米国特許第4,863,565号を参照のこ
と。前記特許は、発酵汁の攪拌にインペラーを使用した
発酵槽(14リットル容)の試験で、発酵汁の特性(粘
度)と得られるセルロース(粒子サイズと粒子の形態
学、沈降速度、手抄きシートの地合)の性質が高いイン
ペラー速度(実施された実験の中では約600rpm以上)に
よって影響を受けることが見出されたこと開示してい
る。このような影響は、そのような速度での培養液の攪
拌が長時間になるほど顕著となった。
本発明はポリアクリルアミドとそれに密接に関連する
アニオン性の共重合体の使用を開示する。密接に関連す
るアニオン性の共重合体は、アクリルアミドとアクリル
酸(又はその塩)との組み合わせ重合またはポリアクリ
ルアミドのアミド官能基の部分加水分解から形成され
る。
ポリアクリルアミドは多くの異なる目的に使用されて
いる。それらは普通は液体を清澄化する為の凝集剤とし
て用いられる。ポリアクリルアミドの使用例を幾つか挙
げると、スラッジ(汚泥)の濃縮、ポリマーの回収、結
晶のコントロール、脱水助剤としての使用などがある。
同じく、この化合物は生産速度とケーキの固体捕集を増
加する為に減圧濾過と遠心分離の場合の助剤としても使
用できる。
発明の要約 本発明は振盪された培養液の中での微生物によるセル
ロースの生産の為の改良された方法を記述する。ここに
記述された改良された方法の効果は、この方法をセルロ
ース生産微生物の振盪フラスコと攪拌した発酵槽による
培養菌の成長に使用した時に観察されるセルロースの高
められた容積生産性と高められた収量によって代表され
る。
本発明は適当な栄養成長培地の中で成長する、セルロ
ースを生産することのできる微生物細胞の振盪された培
養液の中で微生物によるセルロースの好気性の生産方法
を開示する。この方法は次のステップから成る: (a)攪拌された培養液からのセルロースの収量を改善
するのに効果的な濃度で、約106〜約107ダルトン(dalt
ons)の重量平均分子量を有するポリアクリルアミド−
含有ポリマーを含む薬剤の存在で微生物細胞を培養し;
そして (b)微生物により生産されたセルロースを回収する。
攪拌された培養液の中でセルロース収量の最大の増加
を刺激するのに効果的な好ましいポリアクリルアミド−
含有ポリマーは、約106〜107ダルトンの重量平均分子量
を有する高分子量のポリマーである。これらの高分子量
のポリアクリルアミド−含有ポリマーの中でセルロース
製品の最大の増加を刺激したものは、ノニオン性とアニ
オン性のポリマーであった。カチオン性の強いポリマー
は、一般に細胞の成長に対して毒性が有ることが見出だ
された。
図面の簡単な説明 図1は種々の濃度のポリアクリルアミドFloxan(登録
商標)EA−1340の存在での発酵実験に対するセルロース
濃度vs.発酵時間の関係を示すグラフである。
好ましい実施態様 例えば、アセトバクターのようなセルロース生産微生
物の静置培養と攪拌培養に於ける細胞長とセルロース生
産は、培養液に対する溶存酸素の供給が不十分な為に制
限されることがある。しかしながら、攪拌速度の増加は
一方で高められた細胞成長を齎らすこともあるが、攪拌
の増加は必ずしもそれに相当するセルロース生産を増加
しない。事実、セルロース生産微生物培養液の攪拌が増
加するにつれて、セルロース収量は減少する。いかなる
特定の理論にも束縛されることを望まないが、高い攪拌
に由来する剪断応力がセルロース収量に逆効果が有るら
しい。
本発明はセルロース生産微生物の攪拌培養で生産され
るセルロースを高い攪拌速度に関連するセルロース収量
と容積生産性の減少から保護するのに効果的な適当なポ
リアクリルアミド−含有ポリマーを開示する。ここで用
いるような“ポリアクリルアミド−含有ポリマー”とい
う用語は、アクリルアミノモノマーから構成されるポリ
マーを指す。“ポリアクリルアミド−含有ポリマー”
は、アクリルアミドモノマーのみから構成されるポリマ
ーに限定されず、同じく例えば、アクリルアミドとアク
リル酸ナトリウム共重合体も含む。該ポリアミド−含有
ポリマーを約0.1g/Lから約5.0g/Lの範囲の濃度で使用す
るのが攪拌発酵培養液からのセルロース収量を高めるこ
とが見出だされた。
本発明の方法には、セルロースを生産することができ
る如何なる微生物菌株でえも使用できる。適当な菌株に
は、アセトバクター属に属する菌株、沈着したアセトバ
クター種の菌株である菌株1306−3及びその誘導体が含
まれる。ここで用いる“アセトバクター”とは、微生物
の属、そして特にセルロースを生産する属のメンバーを
指している。アセトバクター菌株1306−21は、菌株1306
−3に突然変異を誘発させ、グルコン酸の生産の少ない
分離培養菌を選択することによって誘導された。菌株13
06−21の調製と同定は、米国特許第4,863,565号に記述
されている。菌株1306−21は選別された他の分離菌株よ
も低い酸の生産と大きなセルロース収量を現わすことが
見出だされた。アセトバクター菌1306−3と1306−21
は、米国、メリランド州、ロックビルに在するAmerican
Type Culture Collection(ATCC)に、夫れぞれATCC53
264と53524という預託番号の下に預託されている。これ
らの菌株は、特許手続きとブダベスト条約の下の条例の
為に微生物の預託の国際認可に関するブダベスト条約の
名前の下に預託された(Budapest Treaty)。
セルロース生産微生物の組み替え菌株(recombinant
strain)も、同じように本発明のプロセスの中で用いる
ことができる。Acetobacter xylinumからのセルロース
合成酵素オペロン(オペロンは一つの調節遺伝子と幾つ
かの構造遺伝子から成る転写単位)の全部または一部を
含む適当な宿主細胞は、本発明の一つの具体例である。
菌株1306−3pUC18−824pABCD、即ち、セルロース合成酵
素オペロンの属A,B,C,Dを運ぶ組み替えアセトバクター
菌株が米国特許出願番号第496,236号に記述されてい
る。プラスミド(染色体外遺伝子)pABCDは、American
Type Culture Collectionに預託番号ATCC68264の名前で
々E.coli host(E.coli DG101pUC18−824pABCD)の中に
預託された(E.coliは大腸菌の総称)。
本発明の方法に従って各種の供給原液をセルロース生
産微生物の成長の為の炭素源として使用できる。適当な
炭素源としては、例えば、グルコースとフルクトース等
の単糖類とその混合物、及び例えば、精製または一部精
製した型のスクロースのような二糖類、及び加水分解し
た馬鈴薯澱粉、加水分解した木材と糖蜜のような単糖類
と二糖類を含む原液がある。カゼインの加水分解生成
物、蛋白質の加水分解生成物、酵母菌抽出物、麦芽抽出
物、アンモニウム塩、とうもろこしのスティープリカー
(薄い亜硫酸水にとうもろこしを浸漬した液)及び他の
窒素−リッチな物質が、アミノ酸、窒素、ミネラル及び
ビタミンの一般源として使用することができる。
バクテリア培養菌は液体培地の中に撹乱を発生する既
知のいかなる手段によっても攪拌培養の状態の下で成長
させることができる。そのような手段は、発酵の当該技
術に熟練した人々には良く知られている。一般に、1リ
ットル以下の培養溶液の小規模の生産では、液体培地
(即ち、培養液)は培養液に渦巻き運動を与える往復運
動型式または振盪型式の培養器によって攪拌される。
本発明に従ってセルロース製品を大規模に生産するに
は種々の設計の発酵槽が適当である。例えば、Atkinson
とMavitnua編集のBiochemical Engineering and Biotec
hnology Hondbook、The Nature Press出版(ニューヨー
ク)、第1版(1983年)の第8章を参照のこと。一般に
培養容積が1リットルを越える大規模なセルロース生産
の場合は、培養汁の攪拌には各種の型式のインペラー、
空気リフト発酵槽を含むボイアントリフトの発酵槽、発
酵汁のポンプによる再循環又はその組み合わせが用いら
れる。発酵槽のインペラーの望ましい特性には、高い物
質移動速度と低い剪断応力が含まれる。
培養液を攪拌する限り、長期間に亙って少なくとも0.
1g/L/時間のセルロースの平均容積生産性(これも本発
明の範囲内にある)でセルロース生産微生物を成長させ
る為には種々の発酵方法が適当である。適当な発酵方法
には、バッチ発酵、流加(fed batch)発酵、繰り返し
バッチ発酵、及び連続発酵がある。バッチ発酵では、セ
ルロース生産微生物は発酵容器の中に接種され、発酵は
更に追加の培養液を添加すること無しに進行する。発酵
が終わった時点で、発酵容器の内容物を集め、セルロー
スを分離除去する。流加発酵の場合は、炭素源または窒
素源などの種々の栄養物を発酵継続中に培養液に添加
し、その間、発酵の終わり迄は処理中の発酵汁を取り出
さない。栄養物は予め決めた時間毎に連続して添加する
か又は栄養物の濃度水準が希望する値以下に低下した時
に添加する。反復バッチ発酵の場合は、一定量の培養汁
を加工の為に取り出したら一定量の新しい培養液を、培
養容器の中に残っている培養汁に添加し、発酵を再開す
る。流加バッチ発酵の場合と同じく、反復バッチ発酵の
時は、栄養物を予め決められた時間毎に連続して添加す
るか、または培養液の中の栄養物の濃度が希望する値以
下に落ちた時に添加する。連続発酵の場合は、一定割合
で培養汁を発酵容器から取り出し、一定割合で新鮮な培
養液に取り替える。連続発酵では、発酵容器への培養液
の流れと発酵容器を出る培養汁の流れを調節することに
よって、一定時間当たりのセルロース生産微生物の成長
量を適当な一定割合に維持することができる。培養液の
接種物が最初に少なくとも1%(容積/容積)ある限
り、バッチ発酵、流加発酵、反復バッチ発酵および連続
発酵の総てが、少なくとも0.1g/L/時間のセルロースの
平均容積生産性を達成するのに適している。培養液の1
〜10%(容積/容積)の範囲内の接種物が有れば、セル
ロースの平均容積生産性0.1g/L/時間を得るには効果的
である。培養液(又は培地)の約5〜10%(容積/容
積)の接種物が好ましい。連続培養の場合は、培養基と
してセルロース生産細胞とセルロースが除去されるに従
って、新鮮な培養液がセルロースの平均容積生産性を少
なくとも、0.1g/L/時間の平均値に保つに足る割合で添
加されるだろう。
本発明では、保護剤とは高い攪拌の成長条件下に於い
てセルロース収量を高める薬品として定義される。これ
らの保護剤は3段階のプロセスで同定することができ
る。可能性のある保護剤の最初のスクリーン(選別)は
振盪フラスコの中で行なわれる。各保護剤は375rpmで攪
拌される培養液中で別々に3日間に亙る培養でバイオマ
ス生産を高める能力に就いて試験される。バイオマス
(生物量)は細胞とセルロースの量に相当する。我々の
研究は、セルロースの生産と収量が攪拌に対して極めて
敏感であるのに一方、細胞成長は可成り感受性が低いこ
とを示してきた。従って、バイオマス濃度の変化を剪断
応力による損傷と保護剤による保護の指標として用いる
ことができる。
保護剤は0.4g/L〜5g/Lの範囲の濃度に於いて試験され
る。各試験培養のバイオマス濃度が対照培養(保護剤を
含まず、そして125rpm又は375rpmのいずれか回転速度で
攪拌される)のバイオマス濃度と比較される。試験培養
はスクリーニングされ、375rpmの対照培養に比較してど
の保護剤が最高のバイオマス濃度を与えるかが決定され
る。試験培養のバイオマス濃度が125rpmの対照培養より
も必ずしも高いとは限らない。
最も有望な保護剤、即ち、最初のスクリーンで高い攪
拌速度で最高のバイオマス濃度を与える保護剤は、次に
その最適濃度を決定する為にテストされる。各保護剤は
0.1〜5g/Lの濃度範囲内で試験される。一般に、約1g/L
保護剤濃度は最もバイオマスの生産を高める。
最初の二つのスクリーンで有望な結果を示す保護剤
は、次に実験室規模の発酵、即ち、14リットル容のChem
ap発酵槽の中で試験される。保護剤は、一般に最初は1g
/Lの濃度で試験される。発酵槽の試験中に、サンプルが
取り出され、そして細胞濃度、セルロース濃度、収量、
容積生産性およびセルロース/細胞比が決定される。
約106〜約107ダントルの範囲の重量平均分子量を持つ
ポリアクリルアミド−含有ポリマーは最も有効な保護剤
であり、そして高分子量ポリマーの存在で培養した細胞
はセルロース収量に最大の増加を示す。一般に、最も効
果的なポリマーはノニオン性又はアニオン性の物であ
る。カチオン性の強いポリマーは、一般に有毒であるこ
とが見出された。攪拌された培養液に添加した時にセル
ロースの収量を増加するポリアクリルアミド−含有ポリ
マーの特殊な例として: Magnifloc(登録商標)833Aは、American Cyanamid C
ompanyによって製造される高分子量のアニオン性の凝集
剤である。
その典型的な性質は: 外見 オフホワイト、顆粒 アニオン帯電度 高い 嵩密度 50〜56ポンド/立方フィート (800〜900kg/m3) 25℃(77゜F)で0.5%溶液のpH 7.5〜9.5 ブルックフィールド粘度(センチポワズ):%溶液 25℃ 0.1 150 0.25 450 0.5 900 Floxan(登録商標)EA−1340はHenkel Corporationに
よって製造されるアニオン性のポリアクリルアミドの水
中油滴の乳濁液である。その組成と物理的性質には: 物質名 含量(%重量/重量) ポリアクリルアミド溶液 >75.5 ケロシン 24.0 アクリルアミド <0.5 物理的性質のデータ: 外見 不透明なオフ−ホワイトの液体 匂い 炭化水素の匂い 比重(水=1) 1.00 水に対する溶解度 可成り溶ける。3%以上では 非常に粘稠 重量% >3% Tecna Corporationによって製造されるPolytecポリア
クリルアミドは高分子量のポリアクリルアミドである。
その代表的な性質には: Hercules Incorporatedによって製造されるReten(登録
商標)ポリアクリルアミドは下記の性質を持つ: ここに記述する実験は、ポリアクリルアミド−含有ポリ
マーを加えて保存した培養液が時間と共に品質が劣化す
るだろうことを開示している。セルロース収量に於ける
最大の増加は、使用する直前に培養液に保護剤を加えた
時に観察される。同じくまた、ここに記述する実験は、
培養液への添加前に水溶液としてポリアクリルアミド−
含有ポリマーを貯蔵すれば、セルロース収量を高める保
護剤の能力に不利な影響を与えないことも開示してい
る。
更に別の実験は、とうもろこしの浸漬液(CSL)の存
在で保護剤を消毒するとセルロースの収量を高める保護
剤の能力が著しく減少することを開示している。従っ
て、CSLとは独立に所望の保護剤を消毒し、保護祭を培
養液とは別に貯蔵するのが好ましい。
本発明によれば、セルロース生産微生物の培養の為の
有効なpH範囲は4と6の間であり、好ましいのは4.5〜
5.5の範囲、最も好ましいのはpH5.0である。pHは、くえ
ん酸又は3,3−ジメチルグルタル酸(DMG)等の緩衝剤を
培養液に添加することによって調節することができる。
又は、pHを希望する範囲に維持するに足る量の塩基また
は酸を培養液に添加しても良い。
上記の発酵法の任意のいずれかによって生産されるバ
イオマスの量を決定する為に、既知容積量の発酵汁は遠
心分離して上澄み液を廃棄する。ペレットは30〜40mlの
冷塩水の中に再懸濁する。再懸濁した溶液は、次に、15
〜25分間、10,000〜15,000Gの重力(4℃)で遠心分離
する。上澄み液を除去し、廃棄する。この手順を脱イオ
ン水を用いて室温の下で繰り返す。ペレットを真空下で
80℃で24時間乾燥する。セルロースと細胞を含む乾燥ペ
レットを秤量する。バイオマスの収量は発酵汁の単位容
積(リットル)当たりの乾燥したセルロースと細胞の質
量(グラム)として定義される。
上記の発酵法のいずれかによって生産されたセルロー
スは慣用の収穫技法を用いて発酵汁から回収される。一
般に、発酵汁からセルロースを回収するには如何なる方
法を用いても良いが、遠心分離が好ましく用いられる。
セルロース−生産微生物を含む発酵汁の各バッチ、使用
済みの培養液及びセルロースが遠心運離される。若しも
セルロース濃度を計算することが必要ならば、上澄み液
の培養液の容積を測定しなければならない。次に、上澄
み液を廃棄する。微生物とセルロースを含む固体物質か
ら成るペレットを保留する。ペレットは残留培養液を除
去する為に塩水を用いて数回洗浄する。保留された物質
は0.1モル濃度のNaOH又はKOH等のアルカリ溶液を用いて
60〜65℃で処理する。アルカリ処理した物質は、その後
遠心分離する。ペレットはセルロース生産量の測定の為
に保留され、上澄み液は細胞濃度の測定の為に使用され
る。ペレットは脱イオン水の中で3回又は4回洗浄さ
れ、遠心分離され、真空オーブンの中で乾燥され、セル
ロース量を測定する為に秤量される。細胞濃度は、細胞
が65%蛋白質であると仮定して、上澄み液の中の蛋白質
濃度から推定される。
以下に述べる種々の実施例では、幾つかの測定値が報
告される。直ぐ後に記述する定義から、いかにして測定
値を計算するかに就いて記述する。
容積生産性は、バッチ培養の場合に接種から収穫迄の
発酵時間当たり、使用した培養液の単位容積当たりに生
産されたセルロースの総量(g/L/時間)として定義され
る。
セルロース収量は、使用した培養基(g/L)でセルロ
ース濃度の変化を割った被除数として定義される。使用
した培養基の量は任意の二つの時間点の間で測定するこ
とができる。
補正された収量は発酵中に添加若しくは除去された培
養基および/または製品に対して補正されたセルロース
の収量である。容積補正も同じく、補正収量の計算の中
に加えられる。これらの変化に対して補正されたセルロ
ースの収量は下記の方程式を用いて計算することができ
る: G=グルコース(グラム数>時刻ti-1からtiの間に添加
された) T=時間(hr) VF=発酵槽の容積(L,リットル) S=グルコース濃度(g/L) P=セルロース濃度(g/L) Vs=時刻ti-1からtiの間のサンプルの容積(L) VA=時刻ti-1からtiの間の発酵液の容積(L) (グルコース、塩基およびCSLを含む) Y=セルロースの収量(g/g) 最も簡単な形のポリマーは、ポリマー分子の鎖の中の
リンクと全く同じように結合した、場合によっては一つ
のポリマー単位の中の何千と言う反復モノマー単位から
成る大分子である。例えば、モノマーのアクリルアミド
(C3H5NO)は、ポリアクリルアミド(C3H5NO)の反復
単位である。但し、この場合のnは、1分子当たり10,0
00又はそれ以上である。一般に、ポリマーの分子量の測
定方法は平均値を与える。実際には、それらの方法は、
既知量の物質の中の分子の数を数え、数平均分子量Mnを
与える溶液の束一性に基づいたものである。Mnは下記の
式によって定義される: 但し、上の式で、Ni=特定の分子量Miを持つ分子の数で
ある。光散乱のような分子量測定の別の方法は、質量の
函数としての分子の分布を測定する傾向がある。これら
の方法は下に示すように、重量平均分子量、Mwを与え
る。
上記の実施例は例示の為に与えられるものであって、
決して本発明を限定するものではない。これらの実施例
に於いて、総てのパーセンテージは、固体の場合は重量
パーセントを、液体ならば容積パーセントを意味し、そ
して総ての温度は、特に断わらない限り、摂氏の度であ
る。
下記の実施例では、多数の培養媒体の名前が挙げられ
ている。特に指定しない限り、媒体は下記の処方で配合
される。
とうもろこしの浸漬液の組成は硫黄と処理様式に依存
して変化する。カリホルニア州、ストックトン在のCPC
North AmericaのCorn Products Unitから得られる典型
的なとうもろこしの浸漬液、Type E804のサンプルを下
に記るす。
実施例1 フラスコ研究に於ける攪拌の効果 この研究は、フラスコの中の攪拌条件を変えた時に細
胞の成長とセルロースの生産量にどのような影響がある
かを検討する。0.5%(重量/容積)の工業銘柄の酵素
抽出物Amberex1003(Universal Foods社のTYE)、25mM
の3,3−ジメチルグルタル酸(DMG)及び0.1%(容積/
容積)のセルラーゼ(Genencor)を加えたR70−3培養
液の中で種を成長させた。セルラーゼは生成したセルロ
ースを分解し、それによって細胞を単細胞の懸濁物とし
て成長させる為に添加した。製造段階では、セルラーゼ
はセルロースの細胞を妨害しないように希釈した。凍結
した一壜のアセトバクターの菌株1306−21を、シード
(250mlのバッフルドフラスコ(水流を調節する為に内
部に隔離板を設けたフラスコ))中50mlの媒体)を接種
し、次いで一晩中30℃、125rpmの攪拌下に培養した。
実験に使用した基礎培養液は、R70−3に2%(容積
/容積)のとうもろこしの浸漬液(CSL)、10g/Lのグル
コース及び25mMのDMGを加えたものであった。回転速度
が125rpmと200rpmの研究には、2″の振幅(throw)を
持ったシェーカーを使用した。375rpmでの研究には、
1″の振幅を持つNew Brunswickのシェーカーを用い
た。1日後と3日後のシェーカーの留め具からフラスコ
を外して細胞とセルロースに就いて分析した。
細胞の成長の終わりと発酵の安定期(グルコースの消
費に基づいて)を示す3日後の細胞成長とセルロース生
産量を表Iに示す。攪拌条件はセルロースと細胞の比、
及びセルロースの収量に強い影響を与える。培養の3日
後では、細胞成長は試験した四つの系で同じようなもの
であった(細胞の収量も類似している)。セルロース/
細胞の比は下記の順番で減少した:125rpm(バッフル無
し)>125rpm>200rpm>375rpm。2%のCSL単独では、
セルロースの生産に対するCSLの貢献は0.48g/L(グルコ
ース無しで2%のCSLの時のセルロースの生産量)であ
った。この値をセルロースの収量の結果から差し引くこ
とによって、CSLの効果に対して一部補正を行なった。
セルロース収量は低い攪拌度では高く(0.38g/g)、高
い攪拌度では低かった(0.15g/g)。収量の順番は、125
rpm(バッフル無し)>125rpm>200rpm>375rpmであっ
た。
125rpmのバッフル無しのフラスコは第1日目に可成り
大きなペレット(2〜5mm)を成長させ、それは第2日
目には一つの大きな液滴に集合した。液滴の構造は、よ
り小さいペレットの可成りルーズな集合体であったか
ら、恐らく培養液中の栄養物が対流を通して液滴に入り
込んだのであろう。125rpmのバッフル付きのフラスコは
大凡そ1〜2mmのより小さいペレットを生産したが、し
かし大きなペレットは少しかなかった。200rpmのバッフ
ル付きのフラスコ内のペレットはもっと小さく、限界が
不鮮明に見える。375rpmのフラスコは小さなペレットを
僅かしか作り出さなかったが、しかし、大半の物質は小
さな破片状の外見を持っていた。
この研究は、攪拌条件がセルロースの生産量、セルロ
ース/細胞の比、及びセルロース収量に極めて強い効果
を与えることを示した。この系は、後述する如くペレッ
トの形状に与える保護剤の効果とセルロースの収量と生
産性に与える剪断力の効果を試験するのに用いた。
実施例2 保護剤の最初のスクリーニング ここに記述される研究は、剪断力に対抗できる可能性
の有る保護剤の調査と最も効果的な保護剤の較正を含
む。
四つの別々の実験をバッフルプレートの付いた125ml
のフラスコの中で25mlの培養液を用いて行なった。総て
の実験の基礎培養液は、(R70−3+2%のCSL+10g/L
のグルコース+25mMのDMG)であった。実験Bは0.05%
のポリプロピレングリコール(消泡剤として)、実験C
とDはフラスコの壁と上での細胞成長を減らす為に0.05
ml/LのTween80(Tweenはソルビタン混合物と高級脂肪酸
のエステル)を存在させた。
接種と細胞成長の手順は実施例1に記載の手順に従っ
た。
各実験での細胞の濃度は、フラスコを3日間、30℃の
温度と375rpmの回転速度(1″の振幅)で培養した後に
行なったバイオマスの測定によって決定した。これはグ
ルコースによって制限される培養液中の成長の終点に相
当する。125rpmの対照フラスコは2″の振幅を持つシェ
ーカーの上で30℃で培養した。
実験Aの場合は、保護剤は夫れぞれ別個に消毒し、無
菌状態で添加するか、又は保護剤を添加した後にフィル
ターで濾過消毒した。実験B,C及びDの場合は、保護剤
を培養液と一緒にオートクレーブの中で高圧滅菌した。
物質の適当量を空のミルク希釈壜の中に入れ、それにク
エン酸塩、KH2PO4、(NH42SO4、MgSO4、及び脱イオン
水を添加した。HClを用いてpHを5に調節し、溶液を高
圧滅菌した。ビタミン、痕跡量の金属、CSL、DMG、グル
コースを無菌状態で添加した。この方法は、実験B、
C、Dの中で試験した物質の多くが試験濃度で濾過滅菌
していなかったので必要であった。
下記の物質を試験した: 寒天(Meer Corporation製品の未精製のフレーク状寒
天)、2g/Lを培養液と一緒に高圧滅菌した。
アルギン酸(シグマ社)、実験Aでは1g/Lを培養液に
添加し、濾過滅菌し、実験Bでは1g/Lと5g/Lを培養液と
一緒に高圧滅菌した。
アルギン酸(Alginsaure,Atomergic Chemetals Corp.
の製品)、10%溶液(重量/容積)を高圧滅菌し、無菌
状態で添加した。試験した濃度は、1g/Lと5g/L。(Algi
nsaureはアルギン酸のドイッ語)。
Carbopol934P(B.F.Goodrich社の製品)、1g/Lと3g/L
を培養液と一緒に高圧滅菌した。
カルボキイメチルセルロース(シグマ社)、1g/Lと5g
/Lを培養液と一緒に高圧滅菌した。
グアーガム(シグマ社)、1g/Lと5g/Lを培養液と一緒
に高圧滅菌した。
キサンタンガム(シグマ社)、1g/Lと5g/Lを培養液と
一緒に高圧滅菌。
アラビアゴム(Atomergic Chemetal Corp.製品)、1g
/Lと5g/Lを培養液と一緒に高圧滅菌した。
インドゥリンAT(Westvaco Chemicals社の製品)、10
%溶液(重量/容積)を高圧滅菌し、無菌状態で添加し
た。試験した濃度は、夫れぞれ1g/Lと5g/L(インドゥリ
ンATはリグニンのポリマーである)。
マルトース(シグマ社)、1g/Lと5g/Lを培養液に添加
し、濾過滅菌した。
メチルセルロース、10%の原液を高圧滅菌し、無菌状
態で添加した。試験した濃度は1g/Lと5g/Lであった。
ペクチン酸(Atomergic Chemetals社)、1g/Lと5g/L
で培養液と一緒に高圧滅菌した。
プルロニック(ポリプロピレングリコールと酸化エチ
レンの付加物に対するWyandotte Chemical社の商標
名)、10%の原液を濾過滅菌し、無菌状態で添加した。
試験した濃度は1g/Lと5g/Lであった。
ポリエチレングリコール、分子量6000(BDH Chemical
s社の製品)、培養液に添加し、濾過滅菌した。試験し
た濃度は1g/Lと5g/Lであった。
ポリエチレンオキシド、分子量100,000(Aldrich社の
製品)、0.3g/Lと3.0g/Lで培養液と一緒に高圧滅菌し
た。
Polygalacturonsaure(Atomergic Chemetals社)、1g
/Lと5g/Lで培養液と一緒に高圧滅菌した。(ポリガラク
ツロンゾイレはポリガラクトロン酸のドイツ語名)。
ポリビニルアルコールtypeII(シグマ社)、培養液に
添加し、濾過滅菌した。試験した濃度は1g/Lと5g/Lであ
った。
馬鈴薯澱粉(Kalamazoo Paper Chemicals社)、1g/L
と5g/Lで溶媒液と一緒に高圧滅菌した。
馬鈴薯蛋白質(Kalamazoo Paper Chemicals社)、1g/
Lと5g/Lで培養液と一緒に高圧滅菌した。
Reten(登録商標名)210(Hercules,Inc.社)、0.1g/
Lと1.0g/Lで培養液と一緒に高圧滅菌した。(Reten210
はアクリルアミドと四級アンモニウムモノマー塩のカチ
オン性の共重合体である)。
Reten420(Hercules,Inc.社)、0.1g/Lと1.0g/Lで培
養液と一緒に高圧滅菌した。(Reten420はノニオン性の
ポリアクリルアミドである)。
Reten423(Herculs,Inc.社)、0.1g/Lと1.0g/Lで培養
液と一緒に高圧滅菌した。(Reten423はアクリル酸ナト
リウムとアクリルアミドのアニオン性の共重合体であ
る)。
Traganth(Atomergic Chemetals Corp.の製品)、1g/
Lと5g/Lで培養液と一緒に高圧滅菌した。(Traganthは
トラカントガムのドイツ語名である)。
Tween80(シグマ社)、濾過滅菌し、無菌状態で添加
した(0.05〜5ml/L)。
Whey(Sheffield社)、1g/Lと5g/Lで培養液と一緒に
高圧滅菌した。(Wheyは乳精のこと) キシラン(シグマ社)、1g/Lと5g/Lで培養液と一緒に
高圧滅菌した。
四つの実験の中で、375rpmの対照実験のバイオマス生
産量は非常に一定していた(2.96〜3.13g/Lの範囲内
で)。125rpmの対応フラスコは、通常は約4.8〜5.0g/L
の値を持っていたが、しかし、実験Bだけは4.34g/Lで
あった。バイオマス値に及ぼす不溶性の培養液成分の妨
害を、幾つかの系に就いて測定した。殺菌した培養液を
遠心分離し、ペレットを洗浄し、真空オーブンの中で乾
燥した。この物質の重量をバイオマスの重量から差し引
いた。この値を補正したバイオマス値と呼ぶ。
表2は四つの総ての実験の要約表である。
5g/Lのアルギン酸(Alginsaure)のフラスコと3g/Lの
カルボポールのフラスコのpHは、夫れぞれ4.2と4.5であ
った。他の総てのフラスコの最終pHは、4.7〜5.2の範囲
にあった。このように、pHはいずれの実験に於いても何
等意味の有る指標とは思われなかった。
表2が示すように、Retenポリアクリルアミドとキサ
ンタンガムが最高水準の刺激を与えた。Reten423とRete
n420は最高水準のバイオマス生産量を与えた(バイオマ
ス値は125rpmの対照値と類似していた)。
サンプル3 保護剤の更なる選別 ここで説明する研究は、ポリアクリルアミド保護剤に
関する更なる調査(実験A)と、その調査に基づいて選
択した最も効果的な保護剤に関する較正(実験B)を含
んでいる。
前記2つの実験は、125mlバッフル付きのフラスコに
おいて、30℃で培養し且つ375回転/分(1秒の角度で
振り回した)で撹拌しながら行った。
培地は、2%(v/v)CSL、10g/Lグルコース、25mM DM
G、及び0.05%(v/v)ツイーン80を加えたR70−3であ
った。各成分をボトル中に計り取り、主要塩[シトレー
ト、KH2PO4、MgSO4、(NH42SO4]の溶液を加えた。そ
の溶液を20分間加圧滅菌し、更にそこに他の成分(CS
L、DMG、微量塩、ビタミン、ツイーン80、グルコース)
を無菌状態で加えた。ツイーン80は、フラスコ中の壁成
長(wall growth)を防止するために、培地中に存在さ
せた。次に、その培地を、125mlバッフル付きフラスコ
に分取した。
接種手順は、実施例1のようにして行った。両実験と
も、菌株1306−21を用いた。
1306−21が冷凍されたバイアルを用いて、接種用フラ
スコ(seed flask)に接種し、30℃、125回転/分(2
秒の角度で振り回した)で、一晩培養した。接種培地
は、0.5%(w/v)TYE、30g/Lグルコース、25mM DMG、及
び0.1%(v/v)セルラーゼ[ジュネンコー(Genenco
r)]を加えたR70−3であった。各試験フラスコには、
接種材料を5%入れた。そのフラスコを3日間、30℃、
375回転/分(1秒の角度で振り回した)で、培養し
た。3日目に、グルコースの濃度を、イエロー・スプリ
ング・インストルメント(Yellow Spring Instrument)
(YSI)を用いて測定した。その結果、全てのフラスコ
中に、グルコースが、0.1g/L又はそれ未満存在してい
た。
実験Aにおいて、全てのポリアクリルアミドを、0.4g
/Lの濃度で試験した。実験Bでは、較正研究(calibrat
ion study)を行った。即ち、実験Aを考慮して選択し
た最も有望なポリアクリルアミド保護剤を、0.2、0.4及
び1.0g/Lで試験して、最も有効な濃度を見積もった。
実験Aの結果を、表3に示す。
表3を見ると、試験したアニオン性ポリアクリルアミ
ドによって、即ちレテン(Reten、登録商標)423及びマ
グニフロック(Magnifloc、登録商標)833Aによって、
バイオマス生産が最大程度まで高められた、ことが分か
る。又、試験した非イオン性ポリアクリルアミドによっ
て、即ちレテン420、マグニフロック985N、シアナマー
(Cyanamer、登録商標)N−300、及びアルドリッチ非
イオン性ポリアクリルアミドによって、バイオマス生産
が高められた、ことも分かる。
較正実験である実験Bの結果を、以下の表に示す。
表4に示したデータから、フラスコ培養におけるポリ
アクリルアミド保護剤の好ましい濃度は、ほぼ1g/Lであ
る、と考えられる。又、ポリテック(Polytec)31及び
ポリテック36も保護剤として有効である。
更に又、選別検定(screening assays)を行った。こ
の選別検定では、種々の保護剤を、濃度0.4g/Lで試験し
た。その全ての結果を、表5に示す。バイオマス値は、
125回転/分で実験した対照のバイオマス測定値に対す
る百分率で表している。1つの保護剤について複数のバ
イオマス値が記載されている場合は、複数の実験を行っ
たことを示している。
非イオン性ポリアクリルアミドは、一般的に、良い保
護剤であると考えられる。非イオン性ポリアクリルアミ
ドの存在下で、375回転/分で撹拌しながら行った発酵
の場合、そのバイオマス濃度は、一般的に、125回転/
分の撹拌による対照のバイオマス濃度の82−91%であっ
た。保護剤を用いずに、375回転/分で撹拌しながら行
った発酵の場合、そのバイオマス濃度は、125回転/分
の撹拌による対照のバイオマス濃度のわずか58−61%で
あった。
高速撹拌においてバイオマス生産を増加させるアニオ
ン性ポリアクリルアミドの能力は、実質的に変化した。
アニオン性ポリアクリルアミドの存在下において行った
発酵のバイオマス濃度は、125回転/分対照発酵のバイ
オマス濃度の62−105%であった。
一般的に、高分子量のポリマーは、更に良い保護剤で
あると考えられる。又、高度の及び中程度のカチオン電
荷を有する低分子量カチオン性ポリアクリルアミドは、
一般的には、好ましくない保護剤である。
実施例4 高密度発酵におけるポリアクリルアミド保護剤の効果 実験A: 酢酸菌(Acetobacter)のフラスコ発酵に、レテン420
及びレテン423を加えると、バイオマス生産が増大す
る、ことを先に示した。この研究では、高密度発酵にお
いて、これらのポリアクリルアミドを用いることによっ
て、セルロース収量が増加するか否か、を調べた。
前種(pre−seed)及び種(seed)を成長させるため
に用いた培地は、0.5%(w/v)TYE、3%(w/v)グルコ
ース、25mM DMG、0.05%消泡剤(ポリプロピレングリコ
ール)、及び0.10%(v/v)セルラーゼ(ジェネンコ
ー)を加えたR70−3であった。各2000mlフラスコにお
いて、350ml培地を用いた。
前種に関しては、1つのフラスコに、冷凍した1つの
株のバイアル(約1.8ml)を接種した。そのフラスコ
を、125回転/分で撹拌しながら(2秒の角度で培養器
を振り回した)、30℃で1日培養した。
種に関しては、各フラスコに、前種培養35mlを接種
し、そのフラスコを、125回転/分で撹拌しながら、30
℃で1日培養した。種培養のOD680測定値は、1.5−2で
あった。
発酵運転用の培地は、3%グルコース及び4%(v/
v)CSLを加えたR70−3であった。CSLは、使用前に、Na
OHでpH5.0まで滴定してから、遠心分離させて不溶物を
除去した。(NH42SO4の初期濃度は、12.5mMであっ
た。グルコース、ビタミン、及び微量元素を、別々に滅
菌した。保護剤は、添加するときに、培地と共に滅菌し
た。グルコースとアンモニアの濃度は、発酵中に添加す
ることによって、運転を通じて過剰に保った。pHは、4N
H2SO4又は4N NH4OHを自動添加することによって、5.0
に調節した。グルコースは、塩基1.2モルに対してグル
コース1gのおおよその割合に従い、塩基需要と関連させ
て、添加した。
用いた接種材料は、約4%(v/v)であった。
用いた発酵器は、ラシュトンかきまぜ羽根(Rushton
impeller)を備えた14Lチェマップ発酵器(Chemap ferm
entor)であった。温度は、30℃に調節した。溶解酸素
の濃度は、空気飽和の60%に調節した。撹拌は、手動で
調節して、600回転/分から開始して、運転の終わりに
は1,200回転/分で行い、十分な撹拌を提供した。通気
は、富酸素空気を用いて、調節した。
発酵器には、滅菌前に、レテン420又はレテン423のい
ずれかを、1g/L入れた。滅菌時間は、45分間であった。
表6に、この研究の結果を示す。
ポリアクリルアミド・レテン420及びポリアクリルア
ミド・レテン423を発酵培地に添加すると、セルロース
収量及び体積生産性が増加した。
2つのレテン運転とも、最終セルロース収量は、0.20
g/gであった。この値は、対照運転に比べて、わずかに
高い。セルロースの中間濃度における、レテン運転から
の収量は、対照運転からの収量に比べて、高かった。1g
/Lレテン420の運転では、0.20g/gまで低下する前は、セ
ルロース8.3g/L以下では、収量は0.24−0.25g/gであっ
た。1g/Lレテン423の運転では、セルロース6.9g/Lにお
いて、収量は0.27g/Lであった。これらの運転の終わり
では、セルロース体積生産性は、対照では0.30g/L−hr
であり、レテン420及びレテン423では0.36g/L−hrであ
った。
実験B: この実験は、高密度発酵におけるセルロース生産に関
するポリテック31、ポリテック36、及びマグニフロック
833Aの効果を評価するために、計画した。培地及び種の
調製は、実験Aと同様であった。1g/gの濃度で、ポリア
クリルアミドを試験した。各ポリアクリルアミドを、滅
菌前に、各発酵器に加えた。
CSLは、保護剤添加後に、発酵器に加えた。双方を、
標準プロトコルに従って、滅菌した。
その結果を、表7に示す。
ポリアクリルアミド・マグニフロック833A、ポリアク
リルアミド・ポリテック31、及びポリアクリルアミド・
ポリテック36を、発酵培地に添加すると、セルロースが
高濃度のときのセルロース収量が増加した。対照運転に
関しては、表6を参照。対照運転で用いた撹拌プロトコ
ルは、ポリテック31及びポリテック36に関して用いたも
のと同様であった。ポリアクリルアミドを含む各発酵器
におけるセルロース体積生産性は、ポリアクリルアミド
を欠いている対照発酵器におけるそれに比べて、高かっ
た。又、低い回転数による混合においても効果的な混合
を維持することができるマグニフロック833Aの能力によ
り、マグニフロック833Aを添加すると、液体培地の混合
特性も向上した。マグニフロック833Aに関する更なる研
究によって、セルロース収量及びセルロース生産性につ
いての結果は、変化することがある、ということが分か
った(表9参照)。
実施例5 高密度発酵におけるセルロース生産に対するフロクサン
EA−1340の効果 この研究では、高密度発酵におけるセルロース生産に
対するポリアクリルアミド保護剤・フロクサンEA−1340
の様々な濃度の効果を、試験した。ここで用いたフロク
サンEA−1340は、油・水乳濁液中アニオン性ポリアクリ
ルアミドである。
発酵の間に、1306−21の標準セルロース前種及び種を
成長させた。又、標準発酵培地も用いた。
約0.5g/L、1g/L、及び3g/Lの濃度においてフロクサン
EA−1340を試験した。該フロクサンEA−1340を滅菌前に
各発酵器に加えた。フロクサンEA−1340を濃度0.5g/L及
び1g/Lで含む試運転では、フロクサンを、室温の培地に
加えた。フロクサンEA−1340を3g/Lで含む試運転では、
培地を40℃まで加熱した後、ポリアクリルアミドを加え
た。
PPG消泡剤(5ml)を、滅菌前に、フロクサン0.5g/L及
び3g/L運転に対して加えた。ダウB消泡剤10mlを、運転
を開始してから11.4時間後に、3つ全ての発酵器に加え
た。全ての運転結果を、表8に示す。
図1は、様々な濃度のフロクサンEA−1340の存在下に
おける、発酵運転時間に対するセルロース濃度を示して
いる。表8及び図1に示されているように、0.5、1.0、
及び3g/L濃度のフロクサンEA−1340を添加すると、中程
度のセルロース濃度及び高いセルロース濃度におけるセ
ルロース収量が増加した。0.5及び1.0g/LのフロクサンE
A−1340のときのセルロース体積生産性は、フロクサンE
A−1340を欠いている対照に比べて、有意に高かった。
フロクサンEA−1340の濃度が3g/Lの場合、発酵運転の後
期に、混合に関して大きな問題が生起する。フロクサン
EA−1340の最適濃度は、約1.0g/Lであると考えられる。
なぜならば、前記濃度においては、セルロース収量及び
体積生産性が向上し、その一方で、極端な混合問題が回
避されるからである。
チェマップ発酵器で試験した全ての保護剤に関するデ
ータを、表9に示す。様々な濃度に関して、又は混合物
に関して、又は異なる滅菌手順(即ち、CSLを、保護剤
とは別に滅菌した)に関して、比較を行った。初期細胞
濃度を、1g/Lと仮定して、体積生産性を産出した。体積
生産性の産出は、種々の運転結果を同じ接種材料サイズ
に正規化するために行った。
レテン423、ポリテック36、レテン420、ポリテック3
1、及びフロクサンEC−2000は、セルロース収量及びセ
ルロース生産性を向上させる、と考えられる。セルロー
ス収量及びセルロース生産性に対するマグニフロック83
3Aの効果は、変化する。この保護剤による不変的効果
は、液体培地の混合特性が向上することである。シアナ
マー21及びマグニフロック985Nは、セルロース収量及び
セルロース生産性に対して有意な効果を有していない。
セルロース収量及びセルロース生産性に関しては、フロ
クサンEA−1340が最も良い結果を与えた。CSLとは別に
フロクサン・ポリアクリルアミドを滅菌すると、セルロ
ース収量が向上する(実施例7で説明した)。フロクサ
ンEA−1340・ポリアクリルアミドとマグニフロック833A
・ポリアクリルアミドとの混合物は、フロクサンEA−13
40・ポリアクリルアミドのみのときに得られたレベルま
で、セルロース収量とセルロース生産性を増大させるこ
とはなかった。しかしながら、これらの保護剤の混合物
を含む場合の混合特性は、フロクサンEA−1340・ポリア
クリルアミドだけのときの混合特性よりも向上した。一
般的に、発酵器試験の結果は、フラスコ選別(表5参
照)の結果と矛盾する点はなく、フラスコ選別試験の妥
当性を示している。
実施例6 ポリアクリルアミドの分析 ポリアクリルアミドの濃度、非イオン性、アニオン
性、及びカチオン性は、G6000PW−3000PW17umビーズで
充填された7.6x300mm TSK・定寸カラム(TSK−sized co
lumn)を用いて、サイズ排除クロマトグラフィー(size
exclusion chromatography)によって、測定した。約5
0ulサンプルをカラムに注入し、0.2M Na2SO4を用いて、
1.0mL/分で溶離させた。検出は、200nmの紫外吸収によ
って行った。
表10のデータは、4%CSLを加えたR70−3の主要塩の
存在下における滅菌後に、重量平均分子量と数平均分子
量が有意に減少する、ことを示している。フロクサンEA
−1340の重量平均分子量又は数平均分子量の減少は、pH
5.0の水中における滅菌では、観察されなかった。
実施例7 バイオマス生産に対する培地老化、フロクサンEA−1340
溶液の老化、及び滅菌的準の効果 この研究の目的は、バイオマス生産を向上させるフロ
クサンEA−1340の能力に関する培地老化による効果、フ
ロクサンEA−1340溶液の老化による効果、及び滅菌手順
の効果を試験することであった。
全ての実験は、2%(v/v)CSL、10g/Lグルコース、2
5mM DMG、及び0.005%(v/v)ツイーン80加えたR70−3
培地で行った。特に断りがない場合は、各実験における
フロクサンEA−1340の濃度は、1g/Lであった。
各実験には菌株1306−21を用い、全ての前種培養及び
種培養は、0.5%(w/v)TYE、30g/Lグルコース、25mM D
MG、及び0.1%(v/v)セルラーゼ(ジェネンコー)を加
えたR70−3において成長させた。
実験Aでは、バイオマスに対する培地老化の効果を調
べた。新鮮な培地(保護剤を加えたものと加えなかった
もの)と35日間老化させた培地(保護剤を加えたものと
加えなかったもの)で成長させた培養のバイオマスを比
較した。その結果を以下に示す: 実験Aからは、その中にフロクサンEA−1340を蓄えてい
た培地は時間と共に劣化したが、フロクサンEA−1340を
含んでいない培地では劣化は観察されない、ことが分か
った。
実験Bでは、様々な培地成分の存在下において、保護
剤を滅菌することの効果を試験した。先の実験で用いた
標準プロトコルは、4種類の主要塩(シトレート、KH2P
O4、(NH42SO4、及びMgSO4)の存在下で、フロクサン
EA−1340を加圧滅菌するためであり、更に、CSL、微量
塩、DMGなどを滅菌添加剤として加えるためであった。
この実験では、フロクサンEA−1340を、異なる培地成分
を用いて加圧滅菌してから、セルロース収量を向上させ
る能力について試験した。実験Bでは、0.4g/Lのフロク
サンEA−1340を用い、培地は全て、1日老化させた培地
を用いた。
その結果を表12に示す。
実験Bから、CSLの存在下でフロクサンを滅菌する
と、セルロース生産を向上させる保護剤の能力が有意に
低下する、ことが分かる。それに対して、塩の存在下で
滅菌したフロクサンは、バイオマス生産を向上させる能
力を保持していると考えられる。
実験Cでは、フロクサンEA−1340溶液の老化による、
バイオマス生産に対する効果を試験した。調製したフロ
クサンEA−1340を滅菌し、フラスコ発酵で用いる前に、
様々な時間で老化させた。その結果を表13に示す。
バイオマス生産を向上させるフロクサンEA−1340の能
力は、水溶液中でフロクサンEA−1340を貯蔵した場合に
は、低下しなかった。老化した保護剤溶液を加えた培養
は、新鮮な保護剤溶液を加えた培養に比べて、バイオマ
ス測定値が、わずかに高かった。しかしながら、それ
は、有意な変化ではないと考えられる。
保護剤フロクサンEA−1340をCSLとは別に滅菌したチ
ェマップ運転では、同様な運転[保護剤をCSLと共に滅
菌した2つの運転(表9参照)]に比べて、より高いセ
ルロース収量(0.29g/g)が得られた。
微生物発酵と関連学問に精通している当業者には明ら
かである上記本発明の態様の他の変異体も、以下の請求
の範囲に含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョンソン,ドナルド・シー アメリカ合衆国ワシントン州98002,オ ーバーン,ワンハンドレッドサーティフ ォース・アヴェニュー・サウス・イース ト 33936 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 19/00 - 19/04 C12P 1/00 - 1/04 BIOSIS(DIALOG)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の工程:即ち、 (a)撹拌溶媒からのセルロース収量を向上させるのに
    有効な濃度で重量平均分子量約106−107ダルトン(dalt
    ons)を有するポリアクリルアミド含有ポリマーを含む
    薬剤の存在下で、微生物細胞を培養する工程;及び (b)微生物によって産生されたセルロースを回収する
    工程 を含む、適当な栄養成長培地で成長するセルロース産生
    可能な微生物細胞の撹拌培養において、微生物セルロー
    スを好気的製造する方法。
  2. 【請求項2】ポリアクリルアミド含有ポリマーを部分的
    に加水分解して、カルボキシレート官能基とカルボキシ
    アミド官能基とを共に含ませる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】ポリアクリルアミド含有ポリマーが、アク
    リル酸ナトリウムとアクリルアミドとのコポリマーであ
    る請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】ポリアクリルアミド含有ポリマーが、非イ
    オン性である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】ポリアクリルアミド含有ポリマーが、アニ
    オン性である請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】ポリアクリルアミド含有ポリマーが、カチ
    オン性である請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】微生物細胞が、バクテリアである請求項1
    記載の方法。
  8. 【請求項8】バクテリアが、酢酸菌種である請求項7記
    載の方法。
  9. 【請求項9】ポリアクリルアミド含有ポリマーを、炭素
    源を含む滅菌培養液と共に、滅菌する請求項1記載の方
    法。
  10. 【請求項10】ポリアクリルアミド含有ポリマーを、水
    中油乳濁液の中で混合する請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】ポリアクリルアミド含有ポリマーを、マ
    グニフロック833A、ポリテック31、ポリテック36、及び
    フロクサンEA−1340から成る群より選択する請求項1記
    載の方法。
  12. 【請求項12】ポリアクリルアミド含有ポリマーを、初
    期培地の体積を基準として、約0.1−5g/Lの濃度で用い
    る請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】微生物細胞が、組換え型細胞である請求
    項1記載の方法。
  14. 【請求項14】細胞を、アルカリ処理を用いて、細胞か
    らセルロースを分離させることによって、回収する請求
    項1記載の方法。
  15. 【請求項15】アルカリ処理の前に、微生物培養を、遠
    心分離させて再懸濁させる請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】以下の工程:即ち、 (a)撹拌培養からのセルロース収量を向上させるのに
    有効な濃度で分子量約106−107ダルトンを有するポリア
    クリルアミド含有ポリマーを含む薬剤の存在下で、微生
    物細胞を培養する工程;及び (b)ポリアクリルアミド含有ポリマーを含む薬剤を欠
    く類似発酵に比べてセルロース収量を向上させる速度
    で、(a)の微生物培養を撹拌する工程;及び (c)微生物によって産生されたセルロースを回収する
    工程 を含む、適当な栄養成長培地で成長するセルロース産生
    可能な微生物細胞の撹拌培養において、微生物セルロー
    スを好気的製造する方法。
  17. 【請求項17】撹拌培養の混合特性を向上させるのに有
    効な濃度で分子量約106−107ダルトンを有するポリアク
    リルアミド含有ポリマーを含む薬剤の存在下で、微生物
    細胞を培養する工程 を含む、微生物細胞の撹拌培養の混合特性を向上させる
    方法。
  18. 【請求項18】ポリアクリルアミド含有ポリマーが、マ
    グニフロック833Aである請求項17記載の方法。
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