JP3105018B2 - 熱可塑性分解性ポリマー組成物 - Google Patents
熱可塑性分解性ポリマー組成物Info
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Description
る分解性を持った熱可塑性樹脂に関するものである。さ
らに詳しくは、可塑剤を含む柔軟なL−ラクタイド、D
−ラクタイド、D,L−ラクタイドまたはそれらの混合
物から得られる熱可塑性分解性ポリマーに関するもので
ある。これら熱可塑性分解性ポリマーは、包装材料や医
療用材料として最近注目されているものである。
問題から、包装用プラスチックの使用量が増加してい
る。これにともない、家庭や工場から廃棄されるゴミの
量も急増しており大都市周辺では埋設する土地の不足が
深刻な問題になっている。
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リエチレンテレフタレート、塩化ビニール等が用いられ
ていた。しかし、これらが自然環境中に廃棄された場
合、これらの安定性のために分解することなく残留し、
景観を損ない、海洋生物の生活環境を汚染するなどの問
題を引き起こしている。これらの問題を生じない分解性
のポリマーを包装用材料として用いるための研究開発が
多数行われている。例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン等の材料を、でんぷんとブレンドす
ることにより、分解性を付与する試みがある。
て樹脂自体は崩壊するが、非分解性のポリマー自体はそ
のまま残り、環境の汚染を進めると言われている。
乳酸とそのコポリマーが知られている。この乳酸ポリマ
ーは、動物の体内で数カ月から1年のうちに100%生
分解する。また、土壌や海水中におかれた場合、湿った
環境下では数週間で分解を初め、約1年で消滅する。分
解生成物は、乳酸と二酸化炭素と水ですべて無害であ
る。
ンシロップのような安価な原料の発酵から得られ、ま
た、エチレンのような石油化学原料からも得られる。
2,511、2,683,136には乳酸、ラクタイ
ド、またはそれらの混合物の重合に関する製造法が示さ
れている。乳酸のポリマーは、通常ラクタイドと呼ばれ
る乳酸の環状2量体から合成される。乳酸から直接脱水
縮合によりポリマーを合成すると、長時間かけても高分
子量のポリマーを得ることが出来ない。これに対してラ
クタイドを原料として開環重合により合成した直鎖状ポ
リエステルは分子量が高い。
糸や成形物に加工して生医学の徐放性材料、ボーンプレ
ート、ねじ等に利用される。しかし、これらの用途には
強くて硬いポリマー物性が要求されるが、柔軟性は要求
されない。
リマーを用いる場合には、しなやかさが不足しているの
で脆くて堅く使いにくいものである。
2,543には、ラクタイドコポリマーの柔軟性を得る
ために、揮発性の溶剤を可塑剤として用いることを開示
している。しかし、溶媒を可塑剤として用いるとフィル
ム等の製品を保存または使用している間に溶剤が徐々に
揮発してその効果がなくなってしまう。また、食品や医
科用途の製品に対してはそれら溶媒の安全性の点から問
題がある。
ラクタイド、D−ラクタイド、meso−ラクタイド、
を触媒の存在下で重合する際に、少量のラクタイドが残
る程度で重合を止めて、残ったラクタイド、ラクタイド
オリゴマー、乳酸オリゴマーが可塑剤として働きポリマ
ーに柔軟性をもたせる方法が示されている。この特許に
は重合を完結した後にラクタイド、乳酸オリゴマー、ラ
クタイドオリゴマーを加える方法についても示されてい
る。
の物性を示す重合度で重合反応を停止することは困難で
あり工業的には特殊な技術を必要とする上に、十分な柔
軟性を得るためにラクタイド、乳酸オリゴマー、ラクタ
イドオリゴマー等の含量を多くするとフィルム等に成形
後、時間が経つとラクタイドが結晶化して透明性がなく
なる。
フィルム、糸、パッケージ材料等、特に食品包装剤ある
いは医科用途に用いることが出来るポリ乳酸を主成分と
する柔軟性を持ったポリマー組成物は知られていなかっ
た。従って本発明は、透明で柔軟性を持った熱分解性ポ
リマー組成物を提供することを課題とする。
題点を解決するために鋭意検討した結果、L−乳酸、D
−乳酸あるいはそれらの混合物を脱水縮合するか、また
はL−ラクタイド、D−ラクタイド、D,L−ラクタイ
ド、meso−ラクタイドまたはそれらの混合物を開環
重合させたのち、グリコライド、グリコール酸オリゴマ
ーまたはそれらの混合物を加えることにより、少量の添
加でポリマーに柔軟性を与えることができ、さらに、十
分な柔軟性を与える量だけ添加量を増やしても、透明な
ポリマー成形物が得られることを見いだし本発明を完成
した。
ド、グリコール酸オリゴマーまたはそれらの混合物を含
む、下記一般式(I)(化4)で表される熱可塑性分解
性ポリマー組成物に関するものである。
ーの重合度は、2から100である。
から直接脱水縮合によって得られたものでも、ラクタイ
ドの開環重合によって得られたものでも良いが、高分子
量のものを与える後者が好ましい。開環重合に用いるラ
クタイドは、L−ラクタイド、D−ラクタイド、メソD
L−ラクタイド、あるいはそれらの混合物が用いられる
が、DまたはL−ラクタイドに、反対の光学活性体が混
ざったものが好ましい。その混合割合は、DまたはL−
ラクタイド/光学対掌対=95/5〜50/50が好ま
しい。
00である。これより低い重合度ではフィルム等の成形
品にしたときの強度が小さく実用に適さない。また、こ
れより重合度が高いと、熱時溶融した状態での粘度が高
く、成形加工性が劣る。
を用いない方法でも良いが、溶媒の回収等の問題から、
工業的には溶媒を用いない塊状重合がよい。
物またはカルボン酸塩等が用いられるが、特に限定され
ない。生体適合性材料や食品関係に用いる場合は毒性を
考慮する必要がある。その面から錫の化合物が好まし
い。
は95から180℃で行われる。重合時間は触媒の種類
と温度で決まり、反応中の残存ラクタイド量を測定しな
がら決定することが出来る。
ノマーが5%以下になった時点であり、これ以上のラク
タイドが残存すると得られた熱可塑性樹脂の物性に影響
を与えるため、本発明の方法に沿って望みの物性を得る
ことが難しくなる。
はグリコール酸オリゴマーまたはその混合物の添加方法
としては、樹脂の加工で通常行われている方法が用いら
れ、溶剤に溶解した状態でポリ乳酸に加えるか、または
溶融した状態で加えても良い。
好ましくは5から30%である。
に押し出し成形鋳型に注入する方法等で加工することが
出来る。また、溶剤に溶かし、膜状にしてフィルムを作
る等の方法も用いることが出来る。
を具体的に説明する。 参考例1 100mlガラス製反応器に70%グリコール酸水溶液
50gを入れ、撹拌しながら加熱した。150℃に達し
た時点で系をゆっくり30mmHgまで減圧にし、水分
を留去しながら4時間反応させた。反応生成物を冷却し
て、34gのグリコール酸オリゴマーが得られた。平均
重合度は約3.6であった。 実施例1〜4および比較例1〜3 ガラス製重合管にモノマーとしてL−ラクタイドとDL
−ラクタイドをそれぞれ所定量仕込み、触媒としてオク
タン酸第一錫150mgを加える。この重合管に脱気コ
ックを取り付け、数時間脱気乾燥した後コックを閉じ重
合管を真空に保ちつつ熔封した。つづいて180℃で2
0時間重合させ、反応生成物として樹脂組成物を得た。
ンに溶解し、ガスクロマトグラフィーにて残存モノマー
を定量した。
ルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)にて
重量平均分子量を算定した。
し(濃度5重量%)所定の添加物を加えた。これらをテ
フロン製フラットシャーレ上にキャストし、室温にて溶
媒をゆっくり蒸発させフィルムを作成した。さらに減圧
(3mmHg)下、50℃で24時間乾燥し、フィルム
の赤外吸収スペクトルの測定によりフィルム中に残存す
る溶媒が無いことを確認した。
50mmの試験片を作成し、引張試験機を用いて、チャ
ック幅20mm、引張速度50mm/minで測定し
た。また、60℃温水中での加水分解試験を行った。
して得られた反応生成物に添加剤を加えないでフィルム
を作成した。
した。
柔軟性を有し、優れた透明性をもっていた。しかしなが
ら添加剤を加えないフィルムは、添加剤を加えたものに
比べ明らかに柔軟性が劣っていた。
性を持ったポリ乳酸を主成分とする熱可塑性樹脂組成物
が得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 可塑剤としてグリコライド、グリコール
酸オリゴマーまたはそれらの混合物5から30%を含
む、下記一般式(I)(化1)で表される熱可塑性分解
性ポリマー組成物。 【化1】 (150≦n≦20,000) - 【請求項2】 ポリマーがL−ラクタイド、D−ラクタ
イド、メソDL−またはそれらの混合物から得られるも
のであることを特徴とする特許請求の範囲第1項の組成
物。 - 【請求項3】 ポリマーがL−ラクタイド、D−ラクタ
イド、メソDL−またはそれらの混合物を触媒の存在下
でラクタイドモノマーが5%以下になるまで重合した
後、可塑剤としてグリコライド、グリコール酸オリゴマ
ーまたはそれらの混合物5から30%を加えることを特
徴とする、下記一般式(I)(化2)で表される熱可塑
性分解性ポリマー組成物の製造法。 【化2】 (150≦n≦20,000) - 【請求項4】 グリコール酸オリゴマーが下記一般式(I
I)(化3)で表されるものであることを特徴とする特
許請求の範囲第1項または第2項の組成物。 【化3】 (2≦m≦100)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03100787A JP3105018B2 (ja) | 1991-05-02 | 1991-05-02 | 熱可塑性分解性ポリマー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03100787A JP3105018B2 (ja) | 1991-05-02 | 1991-05-02 | 熱可塑性分解性ポリマー組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04331256A JPH04331256A (ja) | 1992-11-19 |
JP3105018B2 true JP3105018B2 (ja) | 2000-10-30 |
Family
ID=14283163
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03100787A Expired - Lifetime JP3105018B2 (ja) | 1991-05-02 | 1991-05-02 | 熱可塑性分解性ポリマー組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3105018B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
JP2006070113A (ja) * | 2004-08-31 | 2006-03-16 | Three M Innovative Properties Co | 脂肪族ポリエステル樹脂組成物及び成形体 |
US20130338271A1 (en) * | 2010-12-15 | 2013-12-19 | 3M Innovative Properties Company | Degradable materials |
-
1991
- 1991-05-02 JP JP03100787A patent/JP3105018B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04331256A (ja) | 1992-11-19 |
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