JP3104821B2 - 可変容量型圧縮機用制御弁 - Google Patents

可変容量型圧縮機用制御弁

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JP3104821B2
JP3104821B2 JP04270362A JP27036292A JP3104821B2 JP 3104821 B2 JP3104821 B2 JP 3104821B2 JP 04270362 A JP04270362 A JP 04270362A JP 27036292 A JP27036292 A JP 27036292A JP 3104821 B2 JP3104821 B2 JP 3104821B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸入室、吐出室及びク
ランク室を備えた車両空調用可変容量型圧縮機に用いら
れ、クランク室圧力を制御して該可変容量型圧縮機の吐
出容量を可変する制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭58−158382
号公報記載の可変容量型圧縮機が知られている。この可
変容量型圧縮機においては、軸心と平行に複数のボアを
もつシリンダブロックがフロントハウジング及びリアハ
ウジングにより閉塞され、シリンダブロックとフロント
ハウジングとの間にはクランク室が形成されている。ク
ランク室内にはフロントハウジング及びシリンダブロッ
クによって駆動軸が回転可能に軸支され、駆動軸には斜
板が揺動可能に係留されている。この斜板には回転規制
状態で揺動板が係留されており、揺動板にはそれぞれロ
ッドを介して各ピストンが係留され、各ピストンは各ボ
ア内を往復動可能に収容されている。また、リアハウジ
ングには吸入室及び吐出室が形成され、これら吸入室及
び吐出室と各ボアとの間には弁板等が介在されている。
さらに、リアハウジング内には図5に示す制御弁が装備
されている。この制御弁には、吸入圧力Psのうち圧縮
機入口圧力を検知して変位するベロ−ズ91が設けられ
ているとともに、ベロ−ズ91の変位により吐出室とク
ランク室との間の連通路92の開度及びクランク室と吸
入室との間の連通路93の開度を制御する弁機構94が
設けられている。
【0003】また、実開昭62−31782号公報記載
の可変容量型圧縮機には、ベローズが検出する吸入圧力
として、蒸発器出口圧力を採用した制御弁が開示されて
いる。これら可変容量型圧縮機では、周囲温度の上昇に
伴い、圧縮機入口圧力又は蒸発器出口圧力が所定圧力を
超えておれば、例えば図5に示す制御弁において、ベロ
−ズ91の短縮により弁機構94が作動されて、クラン
ク室と吸入室との間の連通路93が開放される一方、吐
出室とクランク室との間の連通路92が遮断される。こ
れにより、クランク室圧力Pcが吸入圧力Ps側に導出
されるため、クランク室圧力Pcが低下し、ピストンに
作用する背圧が低下して揺動板の傾角の拡大によりピス
トンのストロークが大きくなって吐出容量が拡大され
る。
【0004】逆に、周囲温度の低下に伴い、圧縮機入口
圧力又は蒸発器出口圧力が所定圧力まで低下したとき、
同制御弁において、ベロ−ズ91の伸長により弁機構9
4が作動されて、クランク室と吸入室との間の連通路9
3が遮断される一方、吐出室とクランク室との間の連通
路92が開放される。これにより、クランク室圧力Pc
側に吐出圧力Pdが導入されるため、クランク室圧力P
cが上昇し、ピストンに作用する背圧が上昇して揺動板
の傾角の縮小によりピストンのストロークが小さくなっ
て吐出容量が縮小される。
【0005】こうして、これら可変容量型圧縮機におい
ては、周囲温度と吸入圧力Ps(圧縮機入口圧力Psc
及び蒸発器出口圧力Pse)との間に図7に示す関係を
生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した各制
御弁を用いた可変容量型圧縮機においては、図6に示す
ように、ベローズ91の受圧面積:S1 、ベローズ91
の変位設定圧力:P0 、弁機構94における連通路92
の通過面積:S2 、吸入圧力:Ps、吐出圧力:Pd、
クランク室圧力:Pcとした場合、ベローズ91を変位
させる力S1 0は、 S1 0 =S1 Ps+S2 Pd−S2 Pc …(1)式 となる。
【0007】(1)式より、S1 は大きく変化す
るPdによって変化し、連通路92の開度は縮小方向の
力S2 Pdを受けて決定されることがわかる。このた
め、この制御弁では、周囲温度が比較的高い場合(図7
におけるA領域)には、連通路92の開度が大きなPd
による力と釣り合うことから、圧縮機入口圧力Pscに
大きな圧力損失ΔP分を加えて蒸発器出口圧力Pseを
低い値でほぼ一定に保ち、空調装置の冷凍サイクルにお
いて絶対圧力の低い領域でエンタルピーの増加を確保し
て十分な冷房能力が確保できるものの、周囲温度が比較
的低い場合(図7におけるB領域)には、Pdが大きく
減少して連通路92の開度が必要以上に拡大されること
から、吐出容量が過剰に縮小され、圧縮機入口圧力Ps
c及び蒸発器出口圧力Pseが上昇して同冷凍サイクル
において絶対圧力の高い領域でエンタルピーの増加を行
わなければならず、冷房能力が不足してしまう。
【0008】特に、図7に示す周囲温度と吸入圧力Ps
との関係は、周囲温度として外気のみを採用し、蒸発器
にフロストを生じる範囲Fを回避すべく設定されるもの
に過ぎない。ここに、渋滞時に「外気」による悪臭を車
室内に導入しないですむように「外気」と「内気」との
切替えが可能となされている日本車等において「内気」
循環を行った場合には、周囲温度と吸入圧力Psとの関
係が車両の窓にくもりを生じる範囲Cと一部重複してし
まう。すなわち、「外気」が低温時に「内気」の循環を
行なう場合、例えば、冬期にオートエアコンを作動さ
せ、「内気」により室内を迅速に暖房しつつ除湿を所望
する場合、「外気」が低温であるため同図のB領域で冷
房能力が不足する。このため、好適な除湿が困難にな
り、車両の窓にくもりを生じてしまう。
【0009】この問題を解決すべく、図7に示すB領域
においても圧縮機入口圧力Psc及び蒸発器出口圧力P
seが上昇しないよう、周囲温度と吸入圧力Psとの関
係における直線の絶対値の傾きを小さく設定することも
考えられる。この場合、上記(1)式より、 Ps=−S2 Pd/S1 +S2 Pc/S1 +P0 …(2)式 が得られ、(2)式で図7と同様に(Pd、Ps)座標
をとれば、直線の傾きは−S2 /S1 で決定されること
がわかる。ここで、直線の傾きを小さくせんとすれば、
1 を大きくするか、S2 を小さくすることを要する。
【0010】しかしながら、S1 を大きくすれば、ベロ
ーズ91が拡大されて制御弁の大型化を生じることによ
り搭載性に欠ける。また、S2 を小さくすれば、連通路
92が縮小されることから、吐出室からクランク室への
冷媒ガスの流量が減少し、やはり制御弁の応答性が損な
われやすい。
【0011】本発明は、制御弁の搭載性及び応答性を損
なうことなく、周囲温度が比較的高い場合に十分な冷房
能力を確保しつつ、周囲温度が比較的低い場合でも十分
な冷房能力を確保しうるようにすることを解決すべき課
題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の可変容量型圧縮
機用制御弁は、上記課題を解決するため、吸入室、吐出
室及びクランク室を備えた車両空調用可変容量型圧縮機
に用いられ、吸入圧力を検知して変位する感圧機構と、
該感圧機構の変位により少なくとも該吐出室と該クラン
ク室との間の連通路の開度を制御する弁機構と、を具備
し、クランク室圧力を制御して該可変容量型圧縮機の吐
出容量を可変する可変容量型圧縮機用制御弁において、
前記弁機構に作用する吐出圧力室の吐出圧力と対向する
側から該吐出圧力を作用させる制御機構を設け、前記感
圧機構の変位に及す該吐出圧力の影響を補正して前記弁
機構による前記吐出室と前記クランク室との間の前記連
通路の開度制御を補正する補正機構を具備してなるとい
う新規な構成を採用している。
【0013】
【作用】本発明の制御弁を用いた可変容量型圧縮機にお
いては、周囲温度の上昇に伴い、吸入圧力が所定圧力を
超えておれば、制御弁において、感圧機構が設定力に抗
して変位して弁機構が作動され、吐出室とクランク室と
の間の連通路を遮断する。これにより、クランク室圧力
が低下するため吐出容量が拡大される。
【0014】逆に、周囲温度の低下に伴い、吸入圧力が
所定圧力まで低下したとき、制御弁において、感圧機構
が設定力により変位して弁機構が作動され、吐出室とク
ランク室との間の連通路を開放する。これにより、クラ
ンク室圧力が上昇するため吐出容量が縮小される。これ
らの間、補正機構は、弁機構に作用する吐出圧力室の吐
出圧力と対向する側から吐出圧力を作用させる制御機構
を設け、感圧機構の変位に及す吐出圧力の影響を補正
ることにより、弁機構による吐出室とクランク室との間
の連通路の開度制御を補正する。これにより、連通路の
開度は、弁機構の吐出圧力による通常の縮小方向の力と
ともに、補正機構による拡大方向の力をも受けて決定さ
れる。このため、この制御弁では、周囲温度と吸入圧力
との関係における直線の絶対値の傾きを小さくすること
が可能となる。
【0015】こうして、この制御弁では、周囲温度が比
較的低い場合に吐出圧力が大きく減少しても、吐出圧力
の影響が連通路の必要以上の拡大に繋がらず、吐出容量
が過剰に縮小されることはないため、吸入圧力の上昇が
抑制されて冷房能力が確保される。また、この制御弁で
は、周囲温度と吸入圧力との関係が車両の窓にくもりを
生じる範囲と重複しない。このため、「外気」が低温で
あっても、未だ十分な冷房能力が確保されて好適な除湿
が可能であることから、車両の窓にくもりを生じない。
【0016】そして、この制御弁では、かかる効果を奏
しつつ、感圧機構の受圧面積を大きくしたり、弁機構に
おける連通路の通過面積を小さくしたりすることはない
ため、感圧機構が拡大されることはなく、冷媒ガスの流
量の減少も伴わない。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図面を参
照しつつ説明する。まず、図1に示す実施例の制御弁3
0を用いる車両空調用揺動斜板型圧縮機について説明す
る。この揺動斜板型圧縮機においては、図2に示すよう
に、軸心と平行に複数のボア1aをもつシリンダブロッ
ク1がフロントハウジング2及びリアハウジング4によ
り閉塞され、シリンダブロック1とフロントハウジング
2との間にはクランク室5が形成されている。クランク
室5内には、フロントハウジング2から一端が延在さ
れ、フロントハウジング2との間に軸封装置2a及びラ
ジアル軸受2bを介し、かつシリンダブロック1との間
にラジアル軸受1bを介して駆動軸6が回転可能に軸支
されている。駆動軸6には、フロントハウジング2との
間にスラスト軸受2cを介してロータ7が固着されてい
るとともに、軸方向に摺動可能にスリーブ19が挿入さ
れている。
【0018】ロータ7の長孔7bには斜板8のピン8a
が所定変位可能に係留され、同斜板8はスリーブ19の
両側に突設された枢軸19aに揺動可能に枢支されてい
る。この斜板8にはスラスト軸受9、プレーン軸受1
0、レース11及びスラストワッシャ12を介して揺動
板13が係留され、同揺動板13の一部はクランク室5
内に延在されたガイド棒16により回転が規制されてい
る。揺動板13にはそれぞれロッド14を介して各ピス
トン15が係留され、各ピストン15は各ボア1a内を
往復動可能に収容されている。
【0019】また、リアハウジング4には外周側に吸入
室17及び内周側に吐出室18が形成され、これら吸入
室17及び吐出室18と各ボア1aとの間には吸入弁3
a、弁板3b及び吐出弁3cが介在されている。弁板3
b及び吐出弁3cには吸入弁3aに開閉される吸入室1
7と各ボア1aとの間に吸入ポートが貫設され、吸入弁
3a及び弁板3bには吐出弁3cに開閉される各ボア1
aと吐出室18との間に吐出ポートが貫設されている。
吐出室18内には吐出弁3cの弁部に対向してリテーナ
3dが固着され、吸入室17及び吐出室18よりリア側
のリアハウジング4内には図1に示す本実施例の制御弁
30が装備されている。
【0020】さらに、図2に示すように、シリンダブロ
ック1及びリアハウジング4には、クランク室5と制御
弁30とを接続する給気通路20と、クランク室5と吸
入室17とを連通しオリフィス21aを途中にもつ抽気
通路21とが貫設されている。また、リアハウジング4
には、吸入室17と制御弁30とを接続する連通路22
と、吐出室18と制御弁30とを接続する連通路23と
が貫設されている。
【0021】次に、図1に示す実施例の制御弁30につ
いて説明する。制御弁30では、弁本体31と筒体32
との間で感圧機構としてのダイアフラム33が所定受圧
面積S1 (図3参照)を有して挟持部材34により挟持
されている。筒体32には螺子部材35が螺合されてお
り、これら筒体32、螺子部材35、ダイアフラム33
及び挟持部材34の一方側により大気室50が形成され
ている。筒体32に貫設された空気穴32aは螺子部材
35とのバックラッシにより大気室50に連通され、こ
れにより大気室50には大気圧P0 (図3参照)が導入
されている。また、大気室50には、螺子部材35と断
面ハット状押え金37との間に所定押圧力のばね36が
介在され、押え金37の他端側にボール38、リング状
押え金39及びプレート40を介してダイアフラム33
が位置されている。
【0022】弁本体31の上端にはダイアフラム33及
び挟持部材34の他方側との間に吸入圧力室51が形成
されており、この吸入圧力室51は連通路51aにより
前記圧縮機の連通路22と連通され、これにより吸入圧
力室51には吸入圧力Ps(図3参照)が導入されてい
る。また、吸入圧力室51にはダイアフラム33と当接
して断面Π状押え金41が設けられ、押え金41と吸入
圧力室51底面との間には所定押圧力のばね42が介在
されている。押え金41には弁本体31内を摺動可能な
ロッド43の上端が固着されており、ロッド43の下端
にはボール45が固着されている。
【0023】また、弁本体31の下端には吐出圧力室5
2が形成されており、吐出圧力室52にはボール45が
接離可能な弁座が形成されている。この吐出圧力室52
は連通路52aにより前記圧縮機の連通路23と連通さ
れ、これにより吐出圧力室52には吐出圧力Pd(図3
参照)が導入されている。また、吐出圧力室52にはボ
ール45と当接して断面C状押え金46が設けられ、押
え金46と吐出圧力室52底面との間には所定押圧力の
ばね47が介在されている。
【0024】さらに、弁本体31には前記圧縮機の給気
通路20と連通する連通路20aが形成され、この連通
路20aはロッド43の摺動域に形成された連通路52
bにより吐出圧力室52と連通されている。この連通路
52bの通過面積はS2 (図3参照)に設定されてい
る。こうしてこの制御弁30の弁機構が構成されてい
る。
【0025】この制御弁30の最も特徴的な構成は補正
機構を具備してなることにある。すなわち、ロッド43
における押え金41とボール45との間には所定受圧面
積S3 (図3参照)をもつ制御機構としての制御ピスト
ン44が固着され、弁本体31には制御ピストン44を
ダイアフラム33の変位分だけ摺動可能な補正室53が
形成されている。補正室53の押え金41側と吐出圧力
室52との間には連通路53aが形成され、補正室53
のボール45側と連通路20aとの間には連通路53b
がロッド43の摺動域に形成されている。
【0026】以上のように構成されたこの制御弁30を
内蔵した揺動斜板型圧縮機は、図示しないコンデンサ、
膨張弁、蒸発器等とともに冷凍回路に組み込まれ、車両
エンジンの駆動力により図2に示す駆動軸6が駆動され
て使用される。すなわち、駆動軸6の回転によりロータ
7を介して斜板8が所定傾斜角で回転し、揺動板13は
同傾斜角の下、回転が規制された状態で揺動する。これ
により、ピストン15は所定ストロークでボア1a内を
往復動するため、蒸発器と接続された吸入室17から冷
媒ガスをボア1a内に吸入して冷媒ガスのエントロピー
を増大させた後、ボア1a内で冷媒ガスを圧縮し、ボア
1a内からコンデンサと接続された吐出室18に冷媒ガ
スを吐出する。
【0027】ここで、周囲温度の上昇に伴い、圧縮機入
口圧力Pscたる吸入圧力Psが所定圧力を超えておれ
ば、図1に示す制御弁30において、大気圧P0 、ばね
36、42、47による設定力に抗してダイアフラム3
3が上方に変位する。これにより、ロッド43を介して
ボール45が吐出圧力室52の弁座に着座し、連通路5
2bを遮断するため、図2に示す吐出室18とクランク
室5とが遮断される。なお、クランク室5と吸入室17
とはオリフィス21aを途中にもつ抽気通路21により
連通されているため、クランク室5内の冷媒は所定量吸
入室17に導出される。こうして、吐出室18からクラ
ンク室5内への高圧の冷媒ガスの供給が絶たれるため、
クランク室圧力Pcが低下し、ピストン15に作用する
背圧が低下して揺動板13の傾角の拡大によりピストン
15のストロークが大きくなって吐出容量が拡大され
る。
【0028】逆に、周囲温度の低下に伴い、吸入圧力P
sが所定圧力まで低下したとき、図1に示す制御弁30
において、同設定力によりダイアフラム33が下方に変
位する。これにより、ロッド43を介してボール45が
吐出圧力室52の弁座から離れ、連通路52bを開放す
る。このため、吐出圧力室52内の高圧の冷媒ガスは連
通路52b、20a、給気通路20を経てクランク室5
内に導入される。こうして、クランク室圧力Pcが上昇
し、ピストン15に作用する背圧が上昇して揺動板13
の傾角の縮小によりピストン15のストロークが小さく
なって吐出容量が縮小される。
【0029】これらの間、吐出圧力室52内の冷媒ガス
は連通路53aを経て補正室53内に導入される。この
ため、制御ピストン44の上端に吐出圧力Pdを作用
し、連通路53bから導入されて制御ピストン44の下
端に作用するクランク室圧力Pcと対抗する。ここで、
この制御弁30では、図3に示すように、ダイアフラム
33を変位させる力S1 0 は、 S1 0 =S1 Ps+Pd(S2 −S3 )−Pc(S2 −S3 )…(3)式 となる。
【0030】この(3)式と上記(1)式とを比較する
と、S2 −S3 がS1 の変化に影響することがわ
かる。そして、連通路52bの開度は、吐出圧力Pdに
よるボール45を上方へ押圧する通常の縮小方向の力S
2 Pdとともに、吐出圧力Pdによる制御ピストン44
を下方へ押圧する拡大方向の力S3 Pdをも受けて決定
されることがわかる。
【0031】また、(3)式より、 Ps=−(S2 −S3 )Pd/S1 +(S2 −S3 )Pc/S1 +P0 …(4)式 が得られる。この(4)式と上記(2)式とを比較する
と、−(S2 −S3 )/S1 が(Pd、Ps)座標の直
線の傾きを決定し、(4)式の−(S2 −S3 )/S1
が(2)式の−S2 /S1 よりS3 /S 1 だけ小さいこ
とがわかる。
【0032】これにより、この制御弁30では、S3
設定によって、図4に示すように、周囲温度と吸入圧力
Ps(圧縮機入口圧力Psc及び蒸発器出口圧力Ps
e)との関係における直線の絶対値の傾きを小さくする
ことが可能となる。このため、この制御弁30では、周
囲温度が比較的低い場合(図4におけるB領域)に吐出
圧力Pdが大きく減少しても、吐出圧力Pdの影響が連
通路52bの必要以上の拡大に繋がらず、吐出容量が過
剰に縮小されることはないため、吸入圧力の上昇が抑制
されて冷房能力が確保される。なお、周囲温度が比較的
高い場合(図4におけるA領域)には、圧縮機入口圧力
Pscに大きな圧力損失ΔP分を加えて蒸発器出口圧力
Pseを低い値でほぼ一定に保ち、十分な冷房能力が確
保されている。
【0033】また、この制御弁30では、図4に示す周
囲温度と吸入圧力Psとの関係が車両の窓にくもりを生
じる範囲Cと重複しない。このため、「外気」が低温で
あっても、未だ十分な冷房能力が確保されて好適な除湿
が可能であることから、車両の窓にくもりを生じない。
そして、この制御弁30では、かかる効果を奏しつつ、
ダイアフラム33の受圧面積S1 を大きくしたり、連通
路52bの通過面積S2 を小さくしたりすることはない
ため、ダイアフラム33が拡大されることはなく、冷媒
ガスの流量の減少も伴わない。
【0034】したがって、この制御弁30を用いた揺動
斜板型圧縮機では、周囲温度が比較的高い場合に十分な
冷房能力を確保しつつ、周囲温度が比較的低い場合でも
十分な冷房能力を確保することができる。このため、特
に「外気」と「内気」との切替えが可能となされている
日本車等において、例えば、冬期にオートエアコンを作
動させ、「内気」により室内を迅速に暖房する場合で
も、好適な除湿が可能となり、車両の窓にくもりを生じ
ない。
【0035】しかも、この制御弁30を用いた揺動斜板
型圧縮機では、上記優れた効果を発揮しつつ、制御弁3
0の搭載性及び応答性を損なうことがない。なお、上記
実施例において、S3 =S2 とすれば、−(S2
3 )/S1 =0となり、(4)式は(Pd、Ps)座
標でPd軸と平行になる。この場合、補正機構は、連通
路52bの開度を拡大すべく弁機構の制御を補正し、連
通路52bの開度は吐出圧力Pdによる通常の縮小方向
の力S2 Pdとともに拡大方向の力S3 Pdとのバラン
スの下で決定される。すなわち、大きく変化するPdは
無視され、連通路92の開度はほぼ吸入圧力Psのみに
よって決定される。
【0036】また、上記実施例において、S3 >S2
すれば、−(S2 −S3 )/S1 =正となり、(4)式
は(Pd、Ps)座標で正の傾きをもつ。この場合、補
正機構は、連通路52bの開度を縮小すべく弁機構の制
御を補正し、連通路52bの開度は吐出圧力Pdによる
通常の縮小方向の力S2 Pdよりも拡大方向の力S3
dが大きくされて決定される。
【0037】加えて、上記実施例では、揺動斜板型圧縮
機を例にとり説明したが、吸入室、吐出室及びクランク
室を備えた車両空調用可変容量型圧縮機であれば、揺動
板のない往復動型圧縮機等の他の型式の圧縮機も採用す
ることができる。また、上記実施例では、感圧機構とし
てダイアフラムを採用したが、ベローズを採用できるこ
とはいうまでもない。
【0038】さらに、上記実施例では、感圧機構の変位
により吐出室とクランク室との間の連通路の開度のみを
制御する弁機構を例にとり説明したが、この連通路の開
度及びクランク室と吸入室との間の連通路の開度を制御
する従来の弁機構にも本発明を具体化することも可能で
きる。また、上記実施例では、制御弁30の吸入圧力室
51に導入する吸入圧力Psとして、圧縮機入口圧力P
scを採用したが、蒸発器出口圧力Pseを採用するこ
ともできる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、可変容量型圧縮機
に本発明の制御弁を用いれば、周囲温度が比較的高い場
合に十分な冷房能力を確保しつつ、周囲温度が比較的低
い場合でも十分な冷房能力を確保することができる。こ
のため、特に「外気」と「内気」との切替えが可能とな
されている日本車等において、例えば、冬期にオートエ
アコンを作動させ、「内気」により室内を迅速に暖房す
る場合でも、好適な除湿が可能となり、車両の窓にくも
りを生じない。
【0040】しかも、この制御弁を用いた可変容量型圧
縮機では、上記優れた効果を発揮しつつ、制御弁の搭載
性及び応答性を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の制御弁の断面図である。
【図2】実施例の制御弁を用いた車両空調用揺動斜板型
圧縮機の断面図である。
【図3】実施例の制御弁の模式図である。
【図4】実施例の制御弁を用いた車両空調用揺動斜板型
圧縮機において、周囲温度と吸入圧力との関係を示すグ
ラフである。
【図5】従来の制御弁の断面図である。
【図6】従来の制御弁の模式図である。
【図7】従来の制御弁を用いた車両空調用揺動斜板型圧
縮機において、周囲温度と吸入圧力との関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
17…吸入室 18…吐出室 5…
クランク室 33…ダイアフラム(感圧機構) 30…制御弁 43、45…弁機構(43…ロッド、45…ボール) 20、23、52a、52b、20a…吐出室とクラン
ク室との間の連通路(20…給気通路、23、52a、
52b、20a…連通路) 44、53、53a、53b、53c…補正機構(44
…制御ピストン、53…補正室、53a、53b…連通
路) Pc…クランク室圧力 Ps…吸入圧力 Pd
…吐出圧力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−49976(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 27/14 F04B 49/00 361

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸入室、吐出室及びクランク室を備えた車
    両空調用可変容量型圧縮機に用いられ、吸入圧力を検知
    して変位する感圧機構と、該感圧機構の変位により少な
    くとも該吐出室と該クランク室との間の連通路の開度を
    制御する弁機構と、を具備し、クランク室圧力を制御し
    て該可変容量型圧縮機の吐出容量を可変する可変容量型
    圧縮機用制御弁において、前記弁機構に作用する吐出圧力室の吐出圧力と対向する
    側から該吐出圧力を作用させる制御機構を設け、前記感
    圧機構の変位に及す該 吐出圧力の影響を補正して前記弁
    機構による前記吐出室と前記クランク室との間の前記連
    通路の開度制御を補正する補正機構を具備してなること
    を特徴とする可変容量型圧縮機用制御弁。
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