JP4049888B2 - 容量可変斜板式コンプレッサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容量可変斜板式コンプレッサに関し、特に、容量制御安定性を確保しつつ、低外気時での除湿等に関わる動作性能を満足させ得る容量可変斜板式コンプレッサに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用空気調和装置に使用されるコンプレッサとして、容量可変斜板式コンプレッサが知られている。この容量可変斜板式コンプレッサは、円周方向等間隔に複数個形成されたシリンダボア内に嵌挿されるピストンを、斜板の揺動を介して連続的に往復動させるようにしたものである。そして、車室内の冷房負荷の変化と対応させて揺動する斜板の傾斜角を変化させることにより吐出冷媒量を調整することが可能となっている。
【0003】
このような容量可変斜板式コンプレッサにおける斜板の傾斜角を変化させる機構の一つとして、図6に示すように、クランク室と吸入チャンバ29とを連通する連通路を設ける一方、クランク室と吐出チャンバ33間を吐出側圧力の供給通路R1 により連通させて設け、同供給通路R1 に介在させて制御弁39を設けると共に、同制御弁39を吸入側圧力の変化によるベローズ37の伸縮を介して開閉自在に設けたものが提案されている(特公平4−74549号公報参照)。
【0004】
この容量可変斜板式コンプレッサでは、冷房負荷が大きい状態においては制御弁39が閉じられてクランク室圧力が吸入側圧力と同圧状態となり、斜板が大きな傾斜角を存して揺動する作動状態が得られ、一方、冷房負荷が小さい状態においては制御弁39が開かれてクランク室に吐出側圧力が供給されることによって斜板が小さな傾斜角を存して揺動する作動状態が得られる。
【0005】
このように、ベローズ37の伸縮に連動する制御弁39により吐出側圧力のクランク室への供給を調整することによって、冷房負荷の変動に対応して斜板の傾斜角を速やかに変化させることが可能となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載された容量可変斜板式コンプレッサにあっては、吸入側圧力の変化を感知して安定した容量制御を行うことができるものの、以下のような問題があった。
【0007】
すなわち、図7に示す吐出側圧力Pd と吸入側圧力Ps との関係で表すコントロールバルブの制御線図で考えた場合に、図6に示したコントロールバルブは、その機構上から線形的な(図上で直線となる)制御を行うこととならざるを得ない。
【0008】
一方で、吐出側圧力Pd は外気温負荷に連動し、吸入側圧力Ps は低いほどコンプレッサが行う仕事が多くなる関係にあり、吐出側圧力Pd が高くなる夏場では、吸入側圧力Ps が高過ぎると十分な冷力が得られず(図中Su で示す斜線領域)、吸入側圧力Ps が低過ぎると、エバポレータの凍結やコンプレッサの破損の虞れがある(図中Sl で示す斜線領域)。また、吐出側圧力Pd が低くなる冬場では、吸入側圧力Ps が高過ぎると、除湿が不十分で窓曇りが発生したり、コントロールバルブの制御線が膨脹弁の制御線より図中において上にくるために制御干渉が起こって冷媒流れの変動が生じたりする虞れがあり(図中Wu で示す斜線領域)、吸入側圧力Ps が低過ぎるとエバポレータの凍結の虞れがある(図中Wl で示す斜線領域)。
【0009】
このため、すべての外気温負荷領域において製品としての動作性能を満足させるように、図7の斜線で示す性能不良領域を回避するように線形的なコントロールバルブの制御線を設定することは、きわめて困難であり、特に、低外気温負荷時にエバポレータの除湿能力の低下や膨脹弁との制御干渉が生じる虞れがあるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、容量制御安定性を確保しつつ、すべての外気温負荷領域において製品性能を満足させ得る容量可変斜板式コンプレッサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、バルブケース内に形成したベローズ室と、前記ベローズ室に設けられ冷媒の圧力により伸縮するベローズと、前記ベローズの伸縮により開度が制御される弁口を介して吐出ポートとクランク室内とを連通する第1流路と、前記クランク室内と前記吸入ポートとを連通する第2流路と、前記ベローズ室を通過して前記クランク室内と吸入ポートとを連通する第3流路と、前記第3流路の前記クランク室内と前記ベローズ室との間に配置される弁と、コンプレッサの吐出側圧力に基づいて前記弁の開度を制御する制御手段と、を有し、前記クランク室内の圧力を変化させてピストンのストロークを調整し、吐出される冷媒量を調整するようにしてなる容量可変斜板式コンプレッサである。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、上記請求項1記載の容量可変斜板式コンプレッサにおいて、コンプレッサの吐出側圧力を検出する圧力検出手段を有し、前記制御手段は、前記吐出側圧力が所定値以下になった場合に開くように制御することを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、上記請求項1記載の容量可変斜板式コンプレッサにおいて、前記制御手段は、前記吐出側圧力に基づいて作動する機械式バルブであることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態の容量可変斜板式コンプレッサを示す断面図、図2は、図1に示されるコントロールバルブの作動機構を説明するための概略ブロック構成図、図3は、図2に示される吐出側圧力センサの設置箇所を示す冷凍サイクルの構成図である。
【0015】
図1に示す容量可変斜板式コンプレッサ3は、シリンダ25における圧縮室内容積を、このコンプレッサ3に帰還する冷媒の吸込圧に応じて変化させて、該コンプレッサ3の吐出冷媒量を調節し、このコンプレッサ3の吸入圧が一定になるようにしたものである。
【0016】
この容量可変斜板式コンプレッサ3は、エンジンによりベルト、プーリ2及びマグネットクラッチ2a を介して回転駆動される駆動軸11を有している。駆動軸11には、駆動棒11a が駆動軸11と直角方向に突設され、クランク室12内で駆動軸11と共に回転するようなっている。駆動棒11a にはピン11b を支点として駆動斜板13が駆動軸11に対して傾斜して揺動し得るように連結され、駆動軸11の回転力が駆動棒11a 及びピン11b を介して駆動斜板13に伝達するようになっている。この駆動斜板13には、スラスト軸受14及びラジアル軸受15を介して、非回転のソケットプレート16を摺動自在に取付けてある。ソケットプレート16は、クランク室12の胴部ケーシング17に固定された案内ピン18に対して滑動自在に連結されたシュー19を有し、このシュー19により回転が防止され、軸線方向の往復動が許容されている。ソケットプレート16には、複数のピストンロッド22が円周方向等間隔に取付けられており、このピストンロッド22の他端にはピストン23が連結されている。
【0017】
そして駆動斜板13の回転により、ソケットプレート16がいわゆるみそすり的動作をして軸線方向に往復動することになり、これによりピストンロッド22を介してピストン23を往復動され、ピストン23が嵌挿されたシリンダ25のピストン23の前面側部分は圧縮室となり、背面側部分は前記クランク室12と連通している。
【0018】
シリンダヘッド30には吸入ポート29及び吐出ポート33が設けられ、この吸入ポート29には、エバポレータからの帰環冷媒が流入し、この冷媒はバルブプレート20に開設された吸入口27を閉鎖する吸入弁34の閉鎖弾発力に抗してシリンダボア26内に形成される圧縮室に流入するようになっている。
【0019】
また、この冷媒はシリンダヘッド30に形成された前記吸入ポート29と連通状態の吸入側圧力室32を経た後、第1連通路C1 を通って前記ベローズ室64内と連通するようになっている。
【0020】
一方、吐出ポート33には、圧縮された冷媒が流出し、バルブプレート20に開設された吐出口28から吐出された冷媒をコンデンサに送り込む配管(いずれも図示せず)が連通されているが、この吐出ポート33から流出した冷媒の一部はさらに後述のバルブ室V内に形成された吐出側圧力室35にも流入するようになっている。
【0021】
容量可変斜板式コンプレッサ3の帰還冷媒の吸入圧Ps を感知するコントロールバルブCvは、シリンダヘッド30に開設されたバルブ室V内に設けられている。このコントロールバルブCvは、バルブ室V内に取り付けられたバルブケースhを有し、バルブケースh内に形成されたベローズ室64の下部には、第1連通路C1 が開設され、この第1連通路C1 を介して吸入側圧力室32、即ち吸入ポート29と連通されている。ベローズ室64内には、吸入側圧力室32の内部圧力に応じて伸縮するベローズ37と、このベローズ37内に設けられたばね38とが設けられている。
【0022】
バルブケースhの上部には、圧縮された冷媒が通路35aから導入される吐出側圧力室35が設けられ、この吐出側圧力室35を経て中心孔44,中心通路45等を通過するようにして、吐出ポート33とクランク室12内とを連通する第1流路R1 が形成されている。なお、第1流路R1 の流路途上には、弁口47が設けられ、該弁口47は、ベローズ37の伸縮により作動棒46を介して作動される高圧側制御弁39によりその開度が制御されるようになっている。
【0023】
また、クランク室12内と吸入ポート29とを連通する第2流路R2 が形成されており、クランク室内圧力Pc を吸入ポート29に導くようになっている。この第2流路R2 は、冷媒がベローズ37の周辺を流れずクランク室12内圧力Pc を吸入ポート29に導くことができる通路であれば、どのような位置に形成してもよい。ここでは、容量可変式コンプレッサの構成を簡素化する観点より、クランク室12を貫通して伸延された取付けボルト72のボルト挿通孔73を利用し、このボルト挿通孔73と吸入ポート29とを連通するように、例えば直径1.2mm程度のオリフィス通路Ro を開設することが望ましい。
【0024】
ここに、取付けボルト72は、胴体ケーシング17、シリンダ25、シリンダヘット30等を相互に連結するためのものであり、これらシリンダ25等を貫通して設けられたボルト挿通孔73内にある程度の隙間をもって挿通されている。この隙間がクランク室12内圧力Pc を吸入ポート29に導く第2流路R2 の一部として利用されている。
【0025】
本実施形態では、後述する電磁弁V1 と低圧側弁口40とを介してベローズ室64とクランク室12内とを連通する第2連通路C2 が設けられている。この第2連通路C2 と前述した第1連通路C1 とにより、ベローズ室64を通過してクランク室12内と吸入ポート29とを連通する第3流路R3 が形成される。
【0026】
前記弁口40は、ベローズ37の伸縮により作動される低圧側制御弁36によりその開度が制御される。そして、作動ロッド46により両制御弁36,39は連動し、低圧側制御弁36が低圧側弁口40の開度を大きくする場合には、高圧側制御弁39は、高圧側弁口47の開度を小さくするように作動するようになっている。
【0027】
また、図1および図2に示したように、第3流路R3 のクランク室(12)内と前記ベローズ室(64)との間には、電磁弁V1 が配置される。この電磁弁V1 は、制御手段としてのオートアンプ100に接続されている。さらに、図3に示すように、コンプレッサの吐出側圧力Pd を検出する吐出側圧力センサ105がリキッドタンク102の下流の高圧側冷媒配管に取り付けられており、この吐出側圧力センサ105からの検出値がオートアンプ100に入力されるようになっている。なお、図3に示す冷凍サイクルにおいては、コンプレッサ3から吐出された冷媒は、コンデンサ101、リキッドタンク102、膨脹弁103、エバポレータ104を通って再びコンプレッサ3に帰り循環が繰り返される。
【0028】
オートアンプ100は、吐出側圧力センサ105からの検出値に基づいて電磁弁V1 の開閉を制御するように構成されている。ここでは、吐出側圧力Pd が例えば7 kg/cm2 以下になった場合に電磁弁V1 が開とされ、7 kg/cm2 より大きい場合に電磁弁V1 を閉とされるようになっている。但し、実際には制御の変動を防止するため、電磁弁V1 の開閉の作動圧力を7 kg/cm2 近傍で吐出側圧力の上昇時は若干高く下降時は若干低く設定している。
【0029】
なお、電磁弁V1 の開閉を切り換えるときの作動圧は、7 kg/cm2 に限定されるものではなく適宜変更が可能である。また、電磁弁V1 を閉としたときには、完全に冷媒の流れを停止させることなく、例えば僅かな洩れ孔(例えば直径0.5mm程度)相当のものがあってもよい。さらに、電磁弁V1 をオン・オフ制御ではなく、連続的に流量を変化させる流量調整弁とすることも可能であり、このようにすれば、エンジン回転数検出手段106から得られるエンジン回転数に応じて電磁弁V1 の開度を調節することにより、よりきめ細かな容量制御が可能となる。
【0030】
また、オートアンプ100には、前述したマグネットクラッチ2a や、その他各種アクチュエータおよびセンサ等が接続され、オートアンプ100は、自動車用空調装置の総括的な制御を行うようになっている。
【0031】
次に、作用を説明する。
【0032】
冷房サイクルにおける熱負荷が小さい場合には、吸入圧Ps の低い帰環冷媒が吸入ポート29よりベローズ室64に入り、ベローズ37はばね38の力により上方に伸び、制御弁39が弁口47を開き、ピストン23によって圧縮された高い吐出圧Pd の冷媒の一部を、第1連通路R1 よりクランク室12に導入し、クランク室圧Pc を高くする。これにより吸入工程にあるピストン23は、充分に大きなストロークとなるように後退できず、圧縮ストロークが小さくなり、冷媒の圧縮量は少なく、低い熱負荷に応じた適正な冷媒量となる。冷媒量の減少により、コンプレッサ3の吸入圧Ps が次第に上昇し、結果的に一定な吸入圧Ps に保たれる。
【0033】
冷房サイクルにおける熱負荷が大きい場合には、吸入側圧力Ps の高い帰環冷媒が吸入ポート29よりベローズ室64に入り、ベローズ37は、ばね38の力に抗して縮少し、制御弁39の開度を閉じる。これにより、ピストン23によって圧縮された高い吐出圧Pd の冷媒は、クランク室12に導入されることはない。この場合、中圧のクランク室12内の冷媒は第2の流路R2 を通って吸入側へ流れることになるので、ベローズ37の周囲には冷媒は流れず、ベローズ37は正確に冷媒の圧力によって作動することになる。
【0034】
これにより、駆動傾斜板13等が駆動軸1に対して傾斜し、ピストン23の往復動ストロークが長くなる。この状態で圧縮すれば、吐出冷媒量は増大し、高い熱負荷に応じた適正な冷媒流量となり、コンプレッサ3の吸入側圧力Ps が次第に下降し、その結果一定の吸入側圧力Ps に保たれることになる。
【0035】
ここで、外気温度が低く、吐出側圧力センサ105により検出された吐出側圧力Pd が例えば7 kg/cm2 以下である場合には、オートアンプ100は、電磁弁V1 を閉から開に切り換える制御を行う。これにより、第2連通路C2 が導通し、ベローズ室64を通過してクランク室12内と吸入ポート29とを連通する第3流路R3 が機能し得る状態となる。なお、この場合に、第2流路R2 の図2の2点鎖線で示す箇所に電磁弁V2 を設け、この電磁弁V2 を、電磁弁V1 が開のときは閉に、電磁弁V1 が閉のときは開に制御するようにして、第2流路R2 と第3流路R3 とが選択的に機能し得るように構成することも可能である。
【0036】
こうして、クランク室12内の冷媒が、第3流路R3 を通って流れると、ベローズ37に対し冷媒の動圧が作用し、実際の吸入圧Ps とベローズ37が感知する吸入圧Ps ´の間に圧力差を生じ、Ps ´>Ps という状態が生じる。このような状態となると、ベローズ37は、熱負荷が大きい場合と同様に、ソケットプレート16及び駆動傾斜板13の駆動軸11に対する傾斜状態を変化させることになり、ピストン23の往復動ストロークは長くなり、結果的にコンプレッサ3の吸入側圧力Ps は下降することになる。
【0037】
これにより、図4の本実施形態のコントロールバルブの制御線図に示すように、コントロールバルブの機構上から図中2点鎖線で示す線形的な制御となるはずのところを、本実施形態では、7 kg/cm2 以下の領域において図中2点鎖線で示す直線よりも吸入側圧力Ps が低くなる。なお、図4におけるSu ,Sl ,Wu ,Wl は、図7で説明した各性能不良領域を示す。
【0038】
このため、低外気温時において、必要なコンプレッサの仕事が確保されて適切な蒸発圧が得られ、除湿がきわめて良好となる。また、膨張弁との制御の干渉も回避することができ、冷媒の圧力ないし温度のハンチングが防止され、これに伴う異音の防止も図ることができる。したがって、すべての外気温負荷領域において製品性能を満足させることが可能となる。
【0039】
しかも、低外気温時の必要な場合にのみ吸入側圧力Ps を低下させるようにしたので、その他の場合には、前述したように、冷媒の動圧がベローズ37にかかることがなくコンプレッサの回転変化に対する吸入側圧力Ps の変化が抑制され、外気温度に応じた適切なエアコンの能力を発揮することができ、容量制御の安定性、および耐久性が向上する。
【0040】
図5は、他の実施形態のコントロールバルブの作動機構を説明するための概略ブロック構成図である。
【0041】
この実施形態では、制御手段として、吐出側圧力Pd に基づいて作動する機械式バルブ110を備えた点で上記実施形態と相違している。但し、その他の点では上記実施形態と同様であり、共通する部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
この機械式バルブ110は、貫通孔111aを有する弁としてのバルブ本体111の作動を制御すべく、このバルブ本体111の図中下端に吐出側圧力Pd を導き、他端にばね部材112による弾発力を付勢すると共に背圧としてクランク室圧Pc あるいは吸入側圧力Ps を導き、両者を比較して吐出側圧力Pd の変化により第2連通路C2 を開閉して、コントロールバルブへの流れを規制するようにしたものである。図5(A)は第2連通路C2 の導通状態、図5(B)は第2連通路C2 の非導通状態を示す。この実施形態によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、第2流路R2 を図中2点鎖線で示すように形成して、図5(A)の状態で第2流路R2 を遮断するように構成してもよい。
【0043】
なお、以上説明した実施形態は、本発明を限定するために記載されたものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、吐出側圧力に基づいて弁の開度を制御することにより、ベローズ室を通過してクランク室内と吸入ポートとを連通する第3流路を機能し得る状態とすることができるので、必要時にはベローズに対し冷媒の動圧を積極的に作用させることによってコンプレッサの吸入側圧力を低下させることが可能となる。
【0045】
これにより、例えば低外気温時において、必要なコンプレッサの仕事が確保されて適切な蒸発圧が得られ、除湿がきわめて良好となる。また、膨張弁との制御の干渉も回避することができ、冷媒の圧力ないし温度のハンチングが防止され、これに伴う異音の防止も図ることができる。したがって、すべての外気温負荷領域において製品性能を満足させることが可能となる。
【0046】
しかも、低外気温時の必要な場合にのみ吸入側圧力を低下させる制御を行うことができるので、それ以外の場合には、冷媒の動圧がベローズにかかることがなくコンプレッサの回転変化に対する吸入側圧力が抑制され、外気温度に応じた適切なエアコンの能力を発揮することができ、容量制御の安定性、および耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の容量可変斜板式コンプレッサを示す断面図である。
【図2】 図1に示されるコントロールバルブの作動機構を説明するための概略ブロック構成図である。
【図3】 図2に示される吐出側圧力センサの設置箇所を示す冷凍サイクルの構成図である。
【図4】 本実施形態のコントロールバルブの制御線図である。
【図5】 他の実施形態のコントロールバルブの作動機構を説明するための概略ブロック構成図である。
【図6】 従来のコントロールバルブの作動機構を説明するための図である。
【図7】 従来のコントロールバルブの制御線図である。
【符号の説明】
12…クランク室、
23…ピストン、
29…吸入ポート、
33…吐出ポート、
37…ベローズ、
47…弁口、
64…ベローズ室、
100…オートアンプ(制御手段)、
105…吐出側圧力センサ(圧力検出手段)、
110…機械式バルブ(制御手段)、
111…バルブ本体(弁)、
h…バルブケース、
Pd …吐出側圧力、
R1 …第1流路、
R2 …第2流路、
R3 …第3流路、
V1 …電磁弁(弁)。

Claims (3)

  1. バルブケース(h) 内に形成したベローズ室(64)と、
    前記ベローズ室(64)に設けられ冷媒の圧力により伸縮するベローズ(37)と、
    前記ベローズ(37)の伸縮により開度が制御される弁口(47)を介して吐出ポート(33)とクランク室(12)内とを連通する第1流路(R1)と、
    前記クランク室(12)内と前記吸入ポート(29)とを連通する第2流路(R2)と、
    前記ベローズ室(64)を通過して前記クランク室(12)内と吸入ポート(29)とを連通する第3流路(R3)と、
    前記第3流路(R3)の前記クランク室(12)内と前記ベローズ室(64)との間に配置される弁(V1)と、
    コンプレッサの吐出側圧力(Pd)に基づいて前記弁(V1)の開度を制御する制御手段(100,110) と、を有し、前記クランク室(12)内の圧力(Pc)を変化させてピストン(23)のストロークを調整し、吐出される冷媒量を調整するようにしてなる容量可変斜板式コンプレッサ。
  2. コンプレッサの吐出側圧力(Pd)を検出する圧力検出手段(105) を有し、前記制御手段(100) は、前記吐出側圧力(Pd)が所定値以下になった場合に開くように制御することを特徴とする請求項1記載の容量可変斜板式コンプレッサ。
  3. 前記制御手段(110) は、前記吐出側圧力(Pd)に基づいて作動する機械式バルブであることを特徴とする請求項1記載の容量可変斜板式コンプレッサ。
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