JP3104757B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JP3104757B2 JP03175260A JP17526091A JP3104757B2 JP 3104757 B2 JP3104757 B2 JP 3104757B2 JP 03175260 A JP03175260 A JP 03175260A JP 17526091 A JP17526091 A JP 17526091A JP 3104757 B2 JP3104757 B2 JP 3104757B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なる硬
化性樹脂組成物に関する。さらに詳細には、ヘミアセタ
ールエステル基および/またはヘミケタールエステル基
という特定の基を有するビニル系重合体を軸とする、と
りわけ、貯蔵安定性ならびに硬化性などに優れる一液型
硬化性樹脂組成物にして、しかも、すぐれた耐酸性など
の諸性能を有する硬化皮膜を与える硬化性樹脂組成物に
関する。
【0002】そして、本発明のこうした硬化性樹脂組成
物は、自動車の車体や金属塗装などの塗料用として、あ
るいは接着剤、シーリング剤または注型樹脂などの、各
種の分野に利用されるものである。
【0003】
【従来の技術】近年、自動車の車体や金属塗装などの塗
料分野を中心に、洗車機による擦傷、暴露下での劣化、
とりわけ、酸性雨によって外観の低下が惹起されるとい
う、いわゆる塗装外観の劣化の問題が生じている。
【0004】ところが、従来のアクリルポリオール/メ
ラミン樹脂系の塗料による限りは、こうした懸案の、塗
装外観の保持にまつわる要求性能を満足させることが出
来なくなって来ている。
【0005】こうした動きの中で、カルボキシル基含有
ポリマーとエポキシ基含有化合物との組み合わせなど
の、各種の硬化系の塗料も開発され、検討されては居る
けれども、かかるカルボキシル基含有化合物/エポキシ
基含有化合物系にあっては、一液での安定性に劣り、作
業性の面で、致命的とも言える大きな欠陥がある。しか
も、耐擦り傷性の点で従来のメラミン硬化系より劣る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これまでの処、カルボ
キシル基含有ポリマー類のこのカルボキシル基を保護す
るための手段としては、専ら、トリアルキルシリルエス
テル基と為すことだけであった。
【0007】ところが、かかるトリアルキルシリルエス
テル基を有するビニル系重合体は、保存中に、空気中の
水分などによって容易に加水分解されて、カルボキシル
基が再生するというものである処から、厳密なる管理が
必要であって、長期安定性に劣るものである。
【0008】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、特定のエステルの形でカルボキシル基が保護され
た基を有するビニル系重合体を一成分とすることによ
り、貯蔵安定性が良好であって、しかも、硬化性にも優
れるような一液型の硬化性組成物を見い出すことであ
り、加えて、耐酸性などに優れた硬化皮膜を形成すると
共に、溶剤型樹脂組成物としては、従来のカルボキシル
基含有化合物/ポリエポキシ化合物という組み合わせに
比して、組成物粘度を著しく低減できる、しかも従来の
メラミン硬化系の耐擦り傷性の特徴を低下させることな
く、極めて有用なる硬化性樹脂組成物を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述した如き発明が解決しようとする課題に照準を合わ
せて、鋭意、検討を重ねた結果、得られるカルボキシル
基を含有するビニル系重合体中のカルボキシル基が、そ
れぞれ、ヘミアセタールエステル基および/またはヘミ
ケタールエステル基なる特定の形で保護されているとい
う斬新なるもの、つまり、分子中にヘミアセタールエス
テル基および/またはヘミケタールエステル基という独
特の保護基を有するビニル系重合体が、極めて安定であ
って、しかも、上述した発明が解決しようとする課題
を、見事に、解決し得るものであることを見い出すに及
んで、ここに、本発明を完成させるに到った。
【0010】すなわち、本発明は、一分子中に少なくと
も2個のヘミアセタールエステル基および/またはヘミ
ケタールエステル基を有するビニル系重合体(A)と、
一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物
(B)および水酸基と反応性を有する硬化剤(C)を含
有する硬化性樹脂組成物、とりわけ、一分子中に少なく
とも2個の、それぞれ、一般式
【0011】
【化4】
【0012】[ただし、式中のX1 は、炭素数が1〜1
0なるアルキル基、アルコキシル基、アリール基、アル
カノイルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基お
よびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1
種の原子団で置換されていても置換されていなくてもよ
い、炭素数が1〜10なるアルキレン基を表すものとす
る。]で示されるようなヘミアセタールエステル基を、
または一般式
【0013】
【化5】
【0014】[ただし、式中のR2 は、水素原子または
炭素数が1〜10なるアルキル基を表すものとし、ま
た、R3 は、シクロアルキル基、アラルキル基、アリー
ル基、アルコキシル基、アルカノイルオキシ基およびハ
ロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の原
子団で置換されていてもいなくてもよい、炭素数が1〜
22なるアルキル基を表すものとする。]で示されるよ
うなヘミアセタールエステル基を、あるいは、一般式
【0015】
【化6】
【0016】[ただし、式中のX2 は、炭素数が1〜1
0なるアルキル基、アルコキシル基、アリール基、アル
カノイルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基お
よびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1
種の原子団で置換されていても置換されていなくてもよ
い、炭素数が2〜10なるアルキレン基を表すものと
し、また、R1 は、シクロアルキル基、アラルキル基ま
たはアルコキシル基で置換されていても置換されていな
くてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基を表すも
のとする。]で示されるようなヘミケタールエステル基
を、または一般式
【0017】
【化7】
【0018】[ただし、式中のR2 およびR3 は、いず
れも、前出の通りであるものとし、また、R5 は、炭素
数が1〜10なるアルキル基を表すものとする。]で示
されるようなヘミケタールエステル基を有するビニル系
重合体(A)と、一分子中に少なくとも2個のエポキシ
基を含有する化合物(B)、水酸基と反応性を有する化
合物(C)とを、必須成分として、含んで成る樹脂組成
物を、
【0019】さらには、こうした種々の形のヘミアセタ
ールエステル基および/またはヘミケタールエステル基
という特定の基を有するビニル系重合体(A)と、エポ
キシ基含有化合物(B)と、水酸基と反応性を有する化
合物(C)および硬化触媒(D)とを、必須成分とし
て、含んで成る樹脂組成物を提供しようとするものであ
る。
【0020】ここにおいて、上記したビニル系重合体
(A)とは、一分子当たり少なくとも2個のヘミアセタ
ールエステル基および/またはヘミケタールエステル基
という特定の基を有するものを指称し、かかるビニル系
重合体(A)として特に代表的なもののみを例示するに
とどめれば、アクリル系重合体、ビニルエステル系重合
体、α−オレフィン系重合体、フルオロオレフィン系重
合体またはクロル化オレフィン系重合体などである。
【0021】当該ビニル系重合体(A)を調製するに
は、たとえば、 前掲した如き一般式で示される各種
のヘミアセタールエステル基またはヘミケタールエステ
ル基を有するビニル系単量体類を、単独重合させ、ある
いは共重合せしめるという方法や、 予め調製したカ
ルボキシル基含有重合体中のそのカルボキシル基を、そ
れぞれ、ヘミアセタールエステル基またはヘミケタール
エステル基に変換せしめるという方法などを採用するこ
とができる。
【0022】それらのうち、まず、なる方法による場
合に用いられる一般式〔I〕または〔III−1〕で示
されるヘミアセタールエステル基を有するビニル系単量
体類としては、たとえば、カルボキシル基含有単量体類
に、一般式
【0023】
【化8】
【0024】[ただし、式中のYは、炭素数が1〜10
なるアルキル基、アルコキシル基、アリール基、アルカ
ノイルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基およ
びハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の原子団で置換されていてもいなくてもよい、炭素数が
1〜9なるアルキレン基を表すものとし、また、Zは水
素原子あるいは炭素数が1〜10なるアルキル基、アル
コキシル基、アリール基、アルカノイルオキシ基、アリ
ールオキシ基、アラルキル基またはハロゲン原子を表す
ものとする。]で示されるような化合物を、または一般
【0025】
【化9】
【0026】[ただし、式中のR2 およびR3 は、いず
れも、前出の通りである。]で示されるような化合物を
付加反応せしめることによって得られるものなどが挙げ
られる。
【0027】こうした付加反応生成物たる、つまり、前
掲の一般式〔I〕で示されるヘミアセタールエステル基
含有ビニル系単量体類としては、特に、メタクリル酸と
の反応によって得られる化合物として代表的なもののみ
を例示するに止めれば、
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】または
【0037】
【化18】
【0038】などであり、この一般式〔I〕におけるX
の炭素数としては、1〜10が、好ましくは、2〜6な
る範囲内が適切である。次いで、前掲の一般式〔III
−1〕で示されるヘミアセタールエステル基含有ビニル
系単量体類として、特に、メタクリル酸との付加反応生
成物、つまり、メタクリル酸エステル類として代表的な
もののみを例示するにとどめれば、
【0039】
【化19】
【0040】
【化20】
【0041】
【化21】
【0042】
【化22】
【0043】
【化23】
【0044】
【化24】
【0045】
【化25】
【0046】
【化26】
【0047】
【化27】
【0048】
【化28】
【0049】
【化29】
【0050】
【化30】
【0051】または
【0052】
【化31】
【0053】などである。
【0054】前掲の一般式〔III−1〕におけるR2
としては、水素原子または炭素数が1〜10なるアルキ
ル基が、好ましくは、炭素数が1〜6なるアルキル基が
適切であるし、また、R3 としては、炭素数が1〜22
なるアルキル基が、好ましくは、炭素数が1〜12なる
アルキル基が適切である。
【0055】他方、前掲の一般式〔II〕で示されるヘ
ミケタールエステル基含有ビニル系単量体類は、たとえ
ば、カルボキシル基含有単量体類に、一般式〔VII
I〕
【0056】
【化32】
【0057】[ただし、式中のR1 、YおよびZは、い
ずれも、前出の通りである。]で示される化合物を付加
反応せしめることによって調製される。
【0058】こうした付加反応生成物たる、つまり、前
掲の一般式〔II〕で示されるヘミケタールエステル基
含有ビニル系単量体類としては、特に、メタクリル酸と
の反応によって得られる化合物として代表的なもののみ
を例示するに止めれば、
【0059】
【化33】
【0060】
【化34】
【0061】
【化35】
【0062】
【化36】
【0063】
【化37】
【0064】
【化38】
【0065】
【化39】
【0066】
【化40】
【0067】または
【0068】
【化41】
【0069】の如き、炭素数が18までの1−アルコキ
シ−1−メタクリロイルオキシシクロアルカン類;ある
いは、
【0070】
【化42】
【0071】
【化43】
【0072】
【化44】
【0073】または
【0074】
【化45】
【0075】の如き、1の位置以外に置換基を有する、
いわゆる置換基含有1−アルコキシ−1−メタクリロイ
ルオキシシクロアルカン類などである。
【0076】前掲の一般式〔II〕におけるX2 の炭素
数としては、2〜10なる範囲内が、好ましくは、2〜
6なる範囲内が適切である。
【0077】また一方、前掲の一般式〔III−2〕で
示されるようなヘミケタールエステル基含有ビニル系単
量体類は、たとえば、カルボキシル基含有単量体類に、
一般式
【0078】
【化46】
【0079】[ただし、式中のR2 、R3 およびR5
は、いずれも、前出の通りであるものとする。]で示さ
れる化合物を付加反応せしめることにより調製されるも
のである。
【0080】こうした付加反応生成物たる、つまり、前
掲の一般式〔III−2〕で示されるヘミケタールエス
テル基含有ビニル系単量体類としては、特に、メタクリ
ル酸との反応によって得られる化合物として代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、
【0081】
【化47】
【0082】
【化48】
【0083】
【化49】
【0084】
【化50】
【0085】
【化51】
【0086】
【化52】
【0087】または
【0088】
【化53】
【0089】などである。
【0090】上掲された如き種々の単量体は、それぞ
れ、一般式〔I〕、〔II〕または〔III〕で示され
るヘミアセタール−および/またはヘミケタールエステ
ル基含有ビニル系重合体類を調製するための、当該エス
テル基含有ビニル系単量体類のうちの、単に、メタクリ
ル酸誘導体のみでしかないが、これらのほかにも、アク
リル酸、クロトン酸もしくはカルボキシエチル(メタ)
アクリレート類;コハク酸、アヂピン酸もしくはセバシ
ン酸の如き、各種の飽和ジカルボン酸のモノビニルエス
テル類;マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸の如
き、各種の不飽和ジカルボン酸類;上掲の不飽和ジカル
ボン酸類と1価アルコール類とのハーフエステル類;
【0091】または2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートで代表されるような水酸基含有単量体類と、無
水コハク酸もしくは無水フタル酸の如き酸無水物との付
加反応物の如きカルボキシル基含有単量体類などの各種
の化合物に対して、前掲した如き、それぞれ、一般式
〔IV〕、〔V〕、〔VIII〕または〔X〕で示され
るような各種の化合物を付加反応せしめることによって
得られる形の種々の単量体類もまた、使用できるのは勿
論である。
【0092】以上に掲げられたようなヘミアセタール−
またはヘミケタールエステル基含有ビニル系重合体類を
用いて、あるいは、さらに必要に応じて、水酸基含有重
合性不飽和化合物を、当該エステル基含有単量体類と共
重合させることにより、ヘミアセタール基またはヘミケ
タールエステル基、さらに必要に応じて、水酸基を有す
るビニル系重合体類(A)を調製することができる。
【0093】ここで言う水酸基含有重合性不飽和化合物
としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニ
ルエーテルもしくは2−ヒドロキシエチルアリルエーテ
ル、あるいは、これらの水酸基含有化合物に、ε−カプ
ロラクトンの如き、各種のラクトン化合物を付加せしめ
た形の化合物を挙げることができる。
【0094】ヘミアセタールエステル基またはヘミケタ
ールエステル基、さらに必要に応じて、水酸基を有する
ビニル系重合体(A)の製造方法は、公知慣用の重合法
を適用することができる。
【0095】すなわち、懸濁重合法、エマルジョン重合
法、塊状重合法または溶液重合法に従い、ラジカル重合
法、イオン重合法または光重合法などを駆使して、目的
とするビニル系重合体類(A)を製造することが出来
る。
【0096】そのさいに用いられる、上記の共重合可能
な他の単量体類として特に代表的なもののみを例示する
に止めれば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレートもしくはラウリル
(メタ)アクリレートの如きC1 〜C22なるアルキル
(メタ)アクリレート類;シクロペンチル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートもしく
はイソボルニル(メタ)アクリレートの如き、各種の脂
環式アルキル(メタ)アクリレート類;ベンジル(メ
タ)アクリレートもしくはフェネチル(メタ)アクリレ
ートの如き、各種のアラルキル(メタ)アクリレート
類;
【0097】クロトン酸メチルもしくはクロトン酸エチ
ルの如き、各種のクロトン酸のアルキルエステル類;ジ
メチルマレート、ジブチルマレート、ジメチルフマレー
ト、ジブチルフマレート、ジメチルイタコネートもしく
はジブチルイタコネートの如き、各種の不飽和ジカルボ
ン酸のジアルキルエステル類;スチレン、p−tert
−ブチルスチレン、α−メチルスチレンもしくはビニル
トルエンの如き、各種の芳香族ビニル単量体類;(メ
タ)アクリルアミドもしくはN,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミドの如き(メタ)アクリルアミド類;
【0098】(メタ)アクリロニトリルもしくはクロト
ノニトリルの如き、各種のシアノ基含有単量体類;フッ
化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチエレン、ヘキサフルオロプ
ロピレン、塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの如き、
各種のハロオレフィン類;エチレン、プロピレン、イソ
ブチレンもしくは1−ブテンの如き、各種のα−オレフ
ィン類;または酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバ
リン酸ビニルもしくはバーサテイック酸ビニルの如き、
各種のカルボン酸ビニルエステル類などであり、
【0099】さらには、エチルビニルエーテル、n−ブ
チルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルもしく
はシクロヘキシルビニルエーテルの如き、各種のアルキ
ル−ないしはシクロアルキルビニルエーテル類などであ
る。
【0100】さらに、本発明の特徴を損なわない範囲内
の量で、前掲した如き各種のカルボキシル基含有単量体
類をも共重合せしめることが出来る。前述したなる方
法によってビニル系重合体類を調製するには、前掲した
如き各種のヘミアセタール−またはヘミケタールエステ
ル基含有ビニル系単量体類を得るにさいして用いられる
ようなカルボキシル基含有単量体類の単独重合体、また
は斯かるカルボキシル基含有単量体類と、該単量体類と
共重合可能な他の単量体類との共重合体に対して、前掲
の一般式〔IV〕、〔V〕、〔VIII〕または〔X〕
で示されるような各種の化合物を付加せしめればよい。
【0101】こうした付加反応は、塩酸、硫酸または燐
酸の如き酸触媒の存在下で、溶剤に溶解された上述のカ
ルボキシル基含有(共)重合体溶液中に、40〜100
℃程度の反応温度において、前掲の一般式〔IV〕、
〔V〕、〔VIII〕または〔X〕で示されるような各
種の化合物を滴下して、5〜10時間程度のあいだ反応
せしめるというようなものである。
【0102】ここで用られる溶剤として特に代表的なも
ののみを例示するに止めれば、トルエン、キシレン、シ
クロヘキサン、n−ヘキサンもしくはオクタンの如き、
各種の炭化水素系;酢酸エチル、酢酸ブチルもしくは酢
酸アミルの如き、各種のエステル系;またはアセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル
アミルケトンもしくはシクロヘキサノンの如き、各種の
ケトン類などであり、これらは単独使用でも2種以上の
併用でもよいことは、勿論である。
【0103】水酸基をも含有するビニル系共重合の場合
には、の方法は好ましくない。すなわち水酸基の水素
原子がヘミアセタール化、ヘミケタール化されためであ
る。
【0104】かくして前述のまたはの方法で得られ
る当該ビニル系重合体類(A)は、その数平均分子量と
しては、300〜300,000なる範囲内が適切であ
る。
【0105】300未満である場合には、どうしても、
硬化性に劣るし、しかも、たとえば、水分が存在する場
合には、安定性に劣る処となるし、一方、300,00
0を超える場合には、どうしても、作業性劣るようにな
るので、いずれの場合も、好ましくない。
【0106】当該ビニル系重合体類(A)中に導入され
るヘミアセタール−またはヘミケタールエステル基の量
としては、これらの基が導入された単量体構造に相当す
る単量体の使用割合として、1〜100重量%なる範囲
内、好ましくは、2〜100重量%なる範囲内が適当で
ある。
【0107】1重量%未満である場合には、どうして
も、後述するように、エポキシ基含有化合物類(B)と
組み合わせて用いた場合には、硬化性を低下させるとい
う問題が生じる処から、本発明の目的を達成したり、本
発明の効果を奏し得ないからである。
【0108】当該ビニル系重合体(A)中に導入される
水酸基の量は、これらの基が導入された単量体構造に相
当する単量体の使用割合としては、0〜50重量%なる
範囲内、好ましくは0〜20重量%なる範囲内が適当で
ある。50重量%以上では、メラミン樹脂などの硬化剤
の使用量が多くなりエポキシ基/カルボキシル基の反応
による特徴が失われるからである。
【0109】次いで、前記したエポキシ基および水酸基
を含有するエポキシ化合物(B)として特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、エチレングリコール、
ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコールまたは水添
ビスフェノールの如き、各種の脂肪族グリコールのジグ
リシジルエーテル類;ジブロモネオペンチルグリコール
の如き、各種のハロゲン置換脂肪族グリコールのジグリ
シジルエーテル類;または4,4’−ヘキサフルオロイ
ソプロピリデンジフェノール、ヒドロキノン、カテコー
ル、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールS
もしくはビスフェノールFの如き、各種のハロゲン
(無)置換芳香族系ジオール類などであり、
【0110】あるいは、上記ハロゲン(無)置換芳香族
系ジオール類のエチレンオキシド−もしくはプロピレン
オキシド付加体の如き、該芳香族系ジオール類のジグリ
シジルエーテル類;グリセリンもしくはトリメチロール
プロパンの如きトリオールのポリグリシジルエーテル
類;ソルビトール、ソルビタンもしくはペンタエリスリ
トールの如きポリオールのポリグリシジルエーテル類;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールも
しくはポリテトラエチレングリコールの如き、各種のエ
ーテル置換脂肪族グリコール(脂肪族ジオール)のよう
なジグリシジルエーテル類;トリス(2−ヒドロキシエ
チル)イソシアヌレ−トのポリグリシジルエーテル類;
【0111】アジピン酸、フタル酸もしくはテレフタル
酸の如き脂肪族ないしは芳香族ジカルボン酸のジグリシ
ジルエステル類;ブタジエン、ヘキサジエン、オクタジ
エン、ドデカジエン、シクロオクタジエン、α−ピネン
もしくはビニルシクロヘキセンの如き炭化水素系ジエン
のビスエポキシド類;エポキシシクロヘキサンカルボン
酸、エポキシシクロヘキサンジカルボン酸もしくは6−
(エポキシシクロヘキサンカルボキシ)ヘキサン酸の如
き、エポキシ基含有カルボン酸のエポキシヘキシルメタ
ノールエステル類;ブタンテトラカルボン酸もしくはプ
ロパントリカルボン酸の如き、ポリカルボン酸のエポキ
シヘキシルメタノールエステル類;水酸基をも含有する
エポキシ化合物としては、上記エポキシ化合物の重合体
を挙げることができる。
【0112】あるいは、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)ア
クリレート、ビニルシクロヘキセンオキシドもしくはグ
リシジルビニルエーテルの如き、エポキシ基含有ビニル
単量体および前掲の水酸基含有ビニル単量体から得られ
る、または上掲のエポキシ基含有ビニル単量体に、前掲
の水酸基含有ビニル単量体とこれらと共重合可能なる、
前掲のビニル単量体類との組み合わせから得られるエポ
キシ基および水酸基含有ビニル(共)重合体類などであ
る。
【0113】次に、水酸基と反応性を有する化合物
(C)について述べる。代表的なものとしては、アミノ
樹脂、多塩基酸の無水物含有化合物、イソシアネートプ
レポリマーおよびブロックイソシアネートプレポリマー
などを挙げることができる。
【0114】ここで言うアミノ樹脂とは、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂の総称であり、さら
に詳細には、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン化合物
を主成分として、フォルムアルデヒド、アルコールとの
付加縮合物である。
【0115】エーテル化に用いられる脂肪族アルコール
としては、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、イソブタノール、n−ブタノール等が挙げられる。
次に、多塩基酸の無水物化合物としては、無水マレイン
酸、無水イタコン酸などの酸無水基含有不飽和単量体と
上述したごとき共重合可能な他の不飽和単量体と共重合
させることにより得られるものでよい。
【0116】また、低分子化合物としては、トリメリッ
ト酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸、無水マレイ
ン酸、無水イタコン酸、無水ピロメリット酸、グリセロ
ールトリス(トリメリテート)またはエチレングリコー
ルジ(トリメリテート)などが挙げられる。
【0117】ポリイソシアネートあるいはブロックイソ
シアネートも硬化剤として用いられる。ここで言うポリ
イソシアネートとしてはトリレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシ
アネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族系ジイ
ソシアネート;イソホロンジイソシアネート、メチルシ
クロヘキサンー2、4(または2、6)ージイソシアネ
ート、4、4’ーメチレンビス(シクロヘキシルイソシ
アネート)、1、3ー(イソシアネートメチル)シクロ
ヘキサンなどの脂環族系ジイソシアネート;あるいはこ
れらのジイソシアネートとエチレングリコール、ポリエ
ーテルポリオール(ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールなど)、ポリカプロラクトンポリオー
ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンな
どの多価アルコールやイソシアネート基と反応する官能
基を有する低分子量のポリエステル樹脂(油変性タイプ
を含む)やアクリル系共重合体、そして、水などとの付
加物類;あるいは、ビュレット体、ジイソシアネート同
志の共重合体(オリゴマー)類;さらには、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート〜ヘキサメチレンジ
イソシアネートなどの付加物、イソシアネートエチルメ
タクリレートなどの、イソシアネート基と共重合性不飽
和基を併有するビニルビニルモノマーを必須成分とした
共重合体類;特開昭61ー72013号公報に開示され
ているようなC2 〜C8 のアルキレン、シクロアルキレ
ンおよびアラルキレンジイソシアネート類とC10〜C40
なるジオールとを、イソシヌレート化触媒の存在下で反
応させて得られる、イソシアヌレート環を有する、非極
性有機溶剤に可溶なるポリイソシアヌレート類などが挙
げられる。
【0118】また、所望により、γ−イソシアナートプ
ロピルトリエトキシシランとか、「KBM−9007、
9207、KBE−9007または9207」〔信越化
学工業(株)製品〕のような、イソシアネート基と加水
分解性シリル基とを併せ有するイソシアナートアルキル
アルコキシシラン類も使用できる。
【0119】他方、前記したブロックイソシアネート化
合物とは、上掲されたような各種のポリイソシアネート
を、活性水素含有化合物でブロック化せしめた形のもの
を指称する。
【0120】代表的なブロック剤としては、フェノー
ル、クレゾールなどのフェノール系、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ベンジルアルコールなどのアル
コール類、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチルなどの
活性メチレン系、あるいは、フォルムアルドオキシム、
アセトアルドオキシムなどのオキシム系が、主に、用い
られるが、特に限定されるものではない。
【0121】それぞれ、(A)および(B)なる両成分
から、本発明の硬化性樹脂組成物を調製するには、これ
らの(A)成分と(B)成分とを、(A)成分のヘミア
セタール−および/またはヘミケタールエステル基と、
(B)成分のエポキシ基との当量比が、1:0.2〜
1:5となるように、好ましくは、1:0.4〜1:
2.5となるように配合せしめればよい。
【0122】また、水酸基と反応性を有する化合物
(C)の使用比率は、(A)および(B)両成分に対し
て、重量割合で、(A)成分の95%〜70%に対し
て、(C)成分が、5〜30%となるような割合で用い
られる。
【0123】本発明の硬化性樹脂組成物は、前述した如
き、それぞれ、(A)成分と(B)成分および(C)成
分とに、さらに、硬化触媒(D)を含有せしめた形で使
用することが可能であり、そのような形で用いる場合に
は、一層、低い温度で硬化させることが可能となる。
【0124】これも、本発明の効果の一つとなるもので
ある。
【0125】かかる硬化触媒(D)とは、前記したヘミ
アセタール−またはヘミケタールエステル基を、効率よ
く、脱保護せしめるための触媒として作用し、しかも、
エポキシ基とカルボキシル基との間の反応を促進せしめ
る触媒として作用する形のものを指称する。
【0126】当該硬化触媒(C)のうち、まず、ヘミア
セタール−またはヘミケタールエステル基を脱保護せし
めるための触媒として作用する形のものとして特に代表
的なもののみを例示するに止めれば、メタンスルホン
酸、プロパンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタ
レンジスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸もし
くはトリクロロメタンスルホン酸の如き各種の有機スル
ホン酸類;メチル燐酸、イソプロピル燐酸もしくはジイ
ソプロピル燐酸の如き、各種の有機燐酸類およびそれら
のエステル類;
【0127】1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]ノネン−5(DBN)もしくは1,4−
ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)
の如き各種の有機第三アミン類;酢酸、酪酸、2,2−
ジメチルペンタン酸もしくは安息香酸の如き各種の有機
カルボン酸類;オクチル酸錫、ナフテン酸マグネシウ
ム、オクチル酸亜鉛もしくはオクチル酸カルシウムの如
き各種の金属酸塩類;イミダゾール、N−メチルイミダ
ゾール、1,2−ジメチル−イミダゾールもしくは2,
4−ジメチルイミダゾールの如き、各種のイミダゾール
類;
【0128】上掲の各酸類と、塩基類とから得られる各
種の塩類;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチル
アンモニウム塩、トリメチル(2−ヒドロキシプロピ
ル)アンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テ
トラキス(ヒドロキシメチル)アンモニウム塩、シクロ
ヘキシルトリメチルアンモニウム塩もしくはo−トリフ
ルオロメチルフェニルトリメチルアンモニウム塩の如
き、各種の四級アンモニウム塩類;
【0129】あるいは、テトラメチルホスホニウム塩、
テトラエチルホスホニウム塩、テトラプロピルホスホニ
ウム塩、テトラブチルホスホニウム塩、トリメチル(2
−ヒドロキシプロピル)ホスホニウム塩もしくはベンジ
ルトリフェニルホスホニウム塩の如き、各種のホスホニ
ウム塩類などである。
【0130】次に、エポキシ基とカルボキシル基との間
の反応を促進せしめる触媒として作用する形のものの特
に代表的なもののみを例示するに止めれば、トリメチル
ホスフィン、トリエチルホスフィンもしくはトリフェニ
ルホスフィンの如き、各種の有機ホスフィン類;テトラ
メチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、
トリメチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム
塩、シクロヘキシルトリメチルアンモニウム塩、テトラ
キス(ヒドロキシメチル)アンモニウム塩もしくはo−
トリフルオロメチルフェニルトリメチルアンモニウム塩
の如き、各種の四級アンモニウム塩類;
【0131】イミダゾール、N−メチルイミダゾール、
2,4−ジメチルイミダゾールもしくは3,5−ジエチ
ルイミダゾールの如き、各種のイミダゾール類;テトラ
イソプロピルアルミネートもしくはテトライソプロピル
チタネートの如き、各種の金属アルコラート類;または
テトラメチルホスホニウム塩、テトラエチルホスホニウ
ム塩、テトラプロピルホスホニウム塩、テトラブチルホ
スホニウム塩、トリメチル(2−ヒドロキシプロピル)
ホスホニウム塩もしくはベンジルトリフェニルホスホニ
ウム塩の如き、各種のホスホニウム塩類などであるが、
これらの代表的な諸硬化触媒に加えて、前述したような
触媒効果を発現する原子団や基などを有する、各種の重
合体類や高分子化合物などもまた、有効な触媒となる。
【0132】以上に掲げたような種々の硬化触媒(D)
をも必須の構成成分として含有させた形で、本発明の硬
化性樹脂組成物を調製するには、まず予め、前記した
(A)成分と(B)成分および(C)成分とを、前述し
たように、配合せしめてから、これらの(A)、(B)
および(C)なる三成分の固形分の合計量(固形分総
量)100グラムに対して、当該(D)成分の触媒効果
を発現する原子団または基の量が、30ミリモル以下、
好ましくは、15ミリモル以下となるような割合で、当
該(D)成分を配合せしめればよい。
【0133】当該(D)成分の使用量が、30ミリモル
(0.03モル)を超えて余りに多くなる場合には、ど
うしても、硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が極端に低下
するようになるし、しかも、硬化物の耐水性などが著し
く低下するようになるので、いずれの場合も好ましくな
い。
【0134】かくして得られる本発明の硬化性樹脂組成
物は、硬化触媒(D)成分の使用の有無や、(A)およ
び(B)成分なる各成分中の官能基含有率などに応じ
て、100〜250℃程度の温度範囲で、30秒間〜1
時間程度の焼き付けを行うことによって、耐酸性などに
優れる、充分に硬化した硬化皮膜を与えることが出来る
ものである。
【0135】本発明組成物は、また、その応用用途に応
じて、有機溶剤溶液型、有機溶剤分散型、無溶剤液状型
または無溶剤固形型、あるいは、粉状型(粉体)などの
いずれの形態としてでも、用いることができる。
【0136】さらに、本発明の硬化性樹脂組成物は、そ
のままで、クリヤー組成物として使用することが出来る
し、さらに、顔料が配合された形で着色組成物、就中、
エナメル組成物として使用することが出来る。
【0137】さらにまた、本発明組成物には、必要に応
じて、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤または
顔料分散剤のような公知慣用の各種の添加剤類などをも
配合せしめることができる。
【0138】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例、比較例、応
用例および比較応用例により、一層、具体的に説明す
る。以下において、部および%は特に断りのない限り、
すべて重量基準であるものとする。
【0139】参考例 1(ヘミアセタールエステル基及
び水酸基含有共重合体類の調製例) 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、キシレンの500部および
酢酸ブチルの300部を仕込んで、窒素ガスの通気下
に、110℃に昇温した。
【0140】次いで、同温度でスチレンの85部、n−
ブチルメタクリレートの374部、n−ブチルアクリレ
ートの210部、βーヒドロキシエチルメタクリレート
の50部、前掲の式〔VII−4〕で示される1−(i
−ブトキシ)エチルメタクリレートの281部、キシレ
ンの200部、t−ブチルパーオキシオクトエート(T
BO)の5部およびt−ブチルパーオキシベンゾエート
(TBB)の20部からなる混合物を4時間に亘って滴
下した。
【0141】その後も、同温度に15時間のあいだ保持
して、不揮発分(N.V.)が50%で、25℃におけ
るガードナー粘度(VIS.)がI−Jで、かつ、数平
均分子量が7,570なる目的重合体の溶液を得た。以
下、これを樹脂(A−1)と略記する。
【0142】参考例 2(同上) 共重合用単量体として、前掲の式〔VII−1〕で示さ
れる1−(エトキシ)エチルメタクリレートの249
部、スチレンの89部、n−ブチルメタクリレートの4
43部およびn−ブチルアクリレートの119部、βー
ヒドロキシエチルアクリレートの100部、を用いるよ
うに変更した以外は、参考例1と同様にして、N.V.
が49.9%で、VIS.がR−Sで、かつ、数平均分
子量が8,300なる目的重合体の溶液を得た。以下、
これを樹脂(A−2)と略記する。
【0143】参考例 3(ヘミアセタールエステル基含
有アクリル樹脂の製造例) 共重合用単量体として、前掲の式〔VII−8〕で示さ
れるヘミアセタールエステル基含有単量体類の377
部、スチレンの75部、n−ブチルメタクリレートの3
70部およびn−ブチルアクリレートの178部を用い
るように変更した以外は、参考例1と同様にして、N.
V.が50.0%で、VIS.がPで、かつ、数平均分
子量が8,500なる目的重合体の溶液を得た。以下、
これを樹脂(A−3)と略記する。
【0144】参考例 4(同上) 参考例1と同様の反応容器に、キシレンの950部およ
び酢酸ブチルの450部を仕込み、窒素雰囲気下に、1
10℃に昇温した。
【0145】次いで、同温度でスチレンの74部、n−
ブチルメタクリレートの125部、n−ブチルアクリレ
ートの313部、前掲の式〔VII−4〕で示される1
−(i−ブトキシ)エチルメタクリレートの488部、
TBOの60部、TBBの10部およびキシレンの10
0部からなる混合物を6時間に亘って滴下した。
【0146】滴下終了後も、同温度に15時間のあいだ
保持して、N.V.が39.4%で、VIS.がA3
4 で、かつ、数平均分子量が2,930なる目的重合
体の溶液を得た。以下、これを樹脂(A−4)と略記す
る。
【0147】参考例 5(ヘミアセタールエステル基お
よび水酸基含有フロロオレフィン系樹脂の調製例) 2リットルのオートクレーブに、式
【0148】
【化54】
【0149】で示される化合物の192部、エチルビニ
ルエーテルの200部、クロロトリフルオロエチレンの
480部、ヒドロキシブチルビニルエーテルの88部、
メチルイソブチルケトンの640部および2,2’−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の19.2
部を仕込み、60℃で20時間に亘る重合反応を行っ
て、N.V.が58.0%で、VIS.がVで、かつ、
数平均分子量が20,000なる目的重合体の溶液を得
た。以下、これを樹脂(A−5)と略記する。
【0150】参考例 6(ヘミケタールエステル基含有
共重合体類の調製例) 共重合用単量体として、前掲の式〔IX−1〕で示され
るヘミケタールエステル基含有単量体の328部、スチ
レンの80部、n−ブチルメタクリレートの400部お
よびn−ブチルアクリレートの192部を用いるように
変更した以外は、参考例1と同様にして、N.V.が5
0.0%で、VIS.がO−Pで、かつ、数平均分子量
が8,300なる目的重合体の溶液を得た。以下、これ
を樹脂(A−6)と略記する。
【0151】このものは、赤外線吸収スペクトル分析
(IRスペクトル分析)によって、それぞれ、700c
-1(ベンゼン環)、1090cm-1(−OCH3) お
よび1720cm-1(エステル結合)に、特有の吸収を
有するものであることが確認された。
【0152】参考例 7〔エポキシ基含有重合体類
(B)の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、キシレンの1,400部
を仕込み、窒素雰囲気下に、125℃に昇温した。
【0153】次いで、同温度でスチレンの100部、n
−ブチルメタクリレートの210部、n−ブチルアクリ
レートの184部、グリシジルメタクリレートの506
部、TBOの60部、ジ−ターシャリーブチルパーオキ
サイドの10部およびキシレンの100部からなる混合
物を6時間に亘って滴下した。
【0154】滴下終了後も、同温度に15時間のあいだ
保持して、N.V.が41.7%で、VIS.がA4
5 で、かつ、数平均分子量が2,930なる目的重合
体の溶液を得た。以下、これを樹脂(B−1)と略記す
る。
【0155】参考例 8〔エポキシ基および水酸基含有
重合体(B)の調製例〕 共重合用単量体として、スチレンの100部、n−ブチ
ルメタクリレートの420部、n−ブチルアクリレート
の127部およびグリシジルメタクリレートの253
部、ヒドロキシプロピルメタクリレートの100部を用
いるように変更した以外は、参考例1と同様にして、
N.V.が52.8%で、VIS.がJ−Kで、かつ、
数平均分子量が8,200なる目的重合体の溶液を得
た。以下、これを樹脂(B−2)と略記する。
【0156】参考例 9(カルボキシル基含有ビニル系
重合体類の調製例) 本例は、樹脂(A−1)および(A−2)中のヘミアセ
タールエステル基が脱保護されて生じるカルボキシル基
含有ビニル系重合体類と類似の組成を有する、対照用重
合体類の調製例である。
【0157】まず、参考例1と同様の反応容器に、キシ
レンの500部およびイソブタノールの300部を仕込
み、窒素雰囲気下に、110℃に昇温して、この温度で
スチレンの100部、n−ブチルメタクリレートの50
0部、n−ブチルアクリレートの247部、メタクリル
酸の153部、TBOの20部、TBBの5部およびキ
シレンの200部よりなる混合物を、4時間かけて滴下
した。
【0158】しかるのち、同温度に15時間のあいだ保
持して、N.V.が51.3%で、VIS.がX−Y2
で、かつ、数平均分子量が7,800なる、対照用重合
体の溶液を得た。以下、これを樹脂(A’−1)と略記
する。
【0159】参考例 10(水酸基含有ビニル系重合体
類の調製例) 共重合用単量体として、スチレンの100部、n−ブチ
ルメタクリレートの500部、n−ブチルアクリレート
の240部、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの1
50部およびアクリル酸の10部を用いるように変更し
た以外は、参考例9と同様にして、N.V.が51.0
%で、VIS.がO−Pで、かつ、数平均分子量が8,
300なる、参考用重合体の溶液を得た。以下、樹脂
(Ref−1)と略記する。
【0160】実施例 1〜8 (A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分およ
びシンナーを、第1表に示されるような比率で、常法に
より配合せしめて、不揮発分が46.5%なるクリヤー
組成物を調製した。
【0161】次いで、かくして得られたそれぞれのクリ
ヤー組成物を、燐酸亜鉛処理鋼板にスプレー塗装せし
め、同表に示されるような条件で焼き付けを行って、膜
厚が40ミクロン(μm)なる硬化塗膜を得た。
【0162】しかるのち、かくして得られたそれぞれの
塗膜について、諸特性ならびに諸性能の比較検討を行っ
た。それらの結果は、まとめて、同表に示す。
【0163】同表中に掲げられている「保存安定性」の
データーは、それぞれのクリヤー組成物を40℃に20
日間に亘って保存したのちの粘度を、これら各種のクリ
ヤー組成物の初期粘度で除した値であり、これを以て表
示した。
【0164】比較例 1 参考例9で得られた、対照用カルボキシル基含有ビニル
系重合体(A’−1)と、(B)成分、(C)成分およ
びシンナーとを、第1表に示されるような比率で、常法
により配合せしめて、不揮発分が46.5%なる対照用
のクリヤー組成物を調製した。
【0165】以後は、実施例1〜8と同様にして、硬化
塗膜を作製し、諸特性ならびに諸性能の比較検討を行っ
た。それらの結果は、まとめて、同表に示す。
【0166】比較例 2 参考例10で得られた、参考用水酸基含有ビニル系重合
体(Ref−1)と、「スーパーベッカミン L−11
7−60」〔大日本インキ化学工業(株)製のブチルエ
ーテル化メラミン樹脂;不揮発分=60%〕と、シンナ
ーとを、第1表に示されるような比率で、常法により配
合せしめて、不揮発分が46.5%なる対照用のクリヤ
ー組成物を調製した。
【0167】以後は、実施例1〜8と同様にして、硬化
塗膜を作製し、諸特性ならびに諸性能の比較検討を行っ
た。それらの結果は、まとめて、同表に示す。
【0168】なお、同表中に記載の「エポリード GT
−401」は、ダイセル化学工業(株)製の脂環族系ポ
リエポキシド化合物で、1分子当たりに4個のエポキシ
基を含有する、エポキシ当量220の化合物、また、
「バーノック D−550」は、大日本インキ化学工業
(株)製のブロックイソシアネート化合物、さらに、
「スーパーベッカミン L−117」は、同上社製のn
−ブチルエーテル化メラミン樹脂である。
【0169】
【表1】
【0170】
【表2】
【0171】
【表3】
【0172】
【表4】
【0173】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明の硬化性
樹脂組成物は、有効成分として、ヘミアセタールエステ
ル基および/またはヘミケタールエステル基で保護され
ている形の、特定な構造を有するビニル系重合体類を含
んで成るものである処から、保存安定性に優れるもので
あり、しかも、耐酸性などにも優れる、極めて有用性の
高いものである。
【0174】そのために、本発明の硬化性樹脂組成物
は、自動車の車体や金属塗装などの塗料用として、ある
いは、接着剤、シーリング剤または注型樹脂などの、各
種の応用分野に、広範に利用されるものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/58,18/62 C08G 59/40 - 59/42 C08L 63/00 - 63/10 C09D 163/00 - 163/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一分子中に少なくとも2個のヘミアセタ
    ールエステル基および/またはヘミケタールエステル基
    を有するビニル系重合体(A)と、一分子中に少なくと
    も2個のエポキシ基を有する化合物(B)および水酸基
    と反応性を有する硬化剤(C)を含有することを特徴と
    する、硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記したヘミアセタールエステル基また
    はヘミケタールエステル基が、一般式 【化1】 [ただし、式中の 1 は、炭素数が1〜10なるアルキ
    ル基、アルコキシル基、アリール基、アルカノイルオキ
    シ基、アリールオキシ基、アラルキル基およびハロゲン
    原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子団で
    置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が
    〜10なるアルキレン基を表すものとする。]で示さ
    れる構造を、一般式 【化2】 [ただし、式中の 2 は、炭素数が1〜10なるアルキ
    ル基、アルコキシル基、アリール基、アルカノイルオキ
    シ基、アリールオキシ基、アラルキル基およびハロゲン
    原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子団で
    置換されていても置換されていなくてもよい、炭素数が
    〜10なるアルキレン基を表すものとし、また、R1
    は、シクロアルキル基、アラルキル基もしくはアルコキ
    シル基で置換されていても置換されていなくてもよい、
    炭素数が1〜18なるアルキル基を表すものとする。]
    で示される構造を、あるいは、一般式 【化3】 [ただし、式中のR2 およびR4 は、それぞれ、同一で
    も異なっていてもよい、水素原子または炭素数が1〜1
    0なるアルキル基を表すものとし、また、R3 は、シク
    ロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ
    ル基、アルカノイルオキシ基およびハロゲン原子よりな
    る群から選ばれる少なくとも1種の原子団で置換されて
    いても置換されていなくてもよい、炭素数が1〜22な
    るアルキル基を表すものとする。]で示される構造を有
    するものである、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記した一分子中に少なくとも2個のヘ
    ミアセタールエステル基および/またはヘミケタールエ
    ステル基を有するビニル系重合体(A)が1個以上の水
    酸基をも有するものである、請求項1に記載の硬化性樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記した一分子中に少なくとも2個のエ
    ポキシ基を含有する化合物(B)が水酸基をも有するも
    のである、請求項1、2または3に記載の硬化性樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 前記した水酸基と反応性を有する化合物
    (C)が、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブ
    ロックイソシアネート化合物および酸無水基含有化合物
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種のものである、
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 更に硬化触媒(D)をも含有する請求項
    1〜5のいずれか1 つに記載の硬化性樹脂組成物。
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